JP6848848B2 - 熱延鋼板及び化成処理熱延鋼板 - Google Patents

熱延鋼板及び化成処理熱延鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、自動車部材などに好適な化成処理性に優れた熱延鋼板及びこれを用いた化成処理熱延鋼板に関するものであり、特に、引張強さTSが590MPa以上の高強度熱延鋼板に好適な技術である。
近年、地球環境を保護する観点から、自動車の燃費改善が強く求められている。また、衝突時における乗員の安全を確保する観点から、自動車車体の高強度化も強く求められている。これらの要求に応えるため、自動車部材の素材となる熱延鋼板を高強度化するとともに、薄肉化し、自動車車体の軽量化と高強度化を同時に達成することが積極的に推し進められている。しかし、自動車部材の多くは、鋼板を成形加工して製造されることから、その素材となる鋼板には、高い強度に加えて、優れた成形性が求められる。一方で、部材の薄肉化に伴い、耐食性の確保もより重要な課題となっており、高強度、高成形性とともに高耐食性を備えた熱延鋼板が求められている。
耐食性の確保のために最も重要視されるのが、塗装下地処理である化成処理(リン酸塩処理)であるが、一般に熱延鋼板は冷延鋼板に較べて表面の粗さが大きく、清浄性が低いため、化成処理性が劣る傾向にある。特に、高強度熱延鋼板は、次に述べるような理由から化成処理性がより劣る傾向にあり、その分、耐食性に問題を生じやすい。
熱延鋼板の強度を高める方法は種々あるが、そのなかで、成形性を大きく損なわずに高強度化を図る有効な方法として、各種合金元素を鋼板に添加し、固溶強化や析出強化および組織制御により強度を高める方法が一般的に行われている。しかし、熱延鋼板が多量の合金元素を含有する場合、表面性状が劣化することがある。例えば、高Si含有鋼板では、スラブ加熱時や熱間圧延時或いはその後の焼鈍時に、鋼板表面と酸化スケールの界面にSiOやSi−Mn系複合酸化物などのSi含有酸化物が多量に生成される。このSi含有酸化物は粗圧延後のスケール剥離性を悪化させるため、Si含有酸化物が多量に生成されると、仕上げ圧延後の熱延鋼板表面には不均一に島状に分布したスケール(島状スケール)が生じやすい。このような部分では、熱延鋼板表面に強い凹凸を形成させ、酸洗後も表面にスケールを残存させやすい。その結果、化成処理性が著しく低下するという問題を起こし易く、塗装後耐食性に劣るという問題がある。また、Ti、Nb、V、Mo、Crなどの元素も、これらを多量に鋼板に添加した場合は、化成処理性の劣化を招く恐れがある。
このような熱延鋼板が抱える化成処理性に関する問題に対して、例えば、特許文献1には、Siを0.8〜3.0%含有する熱延鋼板に対し、酸洗条件を制御し、表面のSi濃度およびMn濃度を3.5%以下に制御することで化成処理性を改善する方法が開示されている。
また、特許文献2には、Siを0.001〜3.0%、Crを0.001〜2.0%含有する熱延鋼板に対し、製造時の熱処理条件を制御し、結晶粒界や結晶粒内に酸化物を生成させることで化成処理性を改善する方法が開示されている。
また、特許文献3には、Siを1.5%以下、Mnを1.0〜3.0%、Crを0.3〜2.0%含有する熱延鋼板に対し、製造時の熱処理条件および酸洗条件を制御し、表層部のCr濃度を1.0%以下に制御することで化成処理性を改善する方法が開示されている。
特開2005−139486号公報 特開平10−158784号公報 特開2010−138458号公報
しかし、特許文献1〜3の技術では、熱処理や酸洗を特殊な条件に制御する必要があるが、実操業においてそのような制御を的確に行うことは難しい。また、熱処理条件の制御は機械的特性にも影響するため、材質と表面特性の両立が困難であるという問題もある。また、表層部に濃化しやすいSiやCrを含有する鋼板に対する技術であるため、熱処理時に表面濃化の少ないTi、Nb、V、Mo、Crなどの影響に関しては考慮されておらず、それら元素の含有量によっては、特許文献1〜3の技術を適用しても十分な化成処理性を得られない場合がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、化成処理性に優れ、しかも熱処理や酸洗を特殊な条件に制御することなく製造することができる熱延鋼板を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような熱延鋼板を安定して製造することができる製造方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、そのような熱延鋼板を用いた化成処理熱延鋼板及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、各種熱延鋼板を対象として、化成処理性が良好となる表面特性について鋭意研究を重ねた。その結果、鋼板表面に粉末状のFe酸化物を所定の付着量で付着させることにより、熱延鋼板の化成処理性が著しく向上することを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
[1]鋼板表面に平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物が50〜3000mg/mの付着量で付着していることを特徴とする熱延鋼板。
[2]上記[1]の熱延鋼板において、粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする熱延鋼板。
[3]上記[1]又は[2]の熱延鋼板において、引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする熱延鋼板。
[4]酸洗後の熱延鋼板の表面に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物を50〜3000mg/mの付着量で付着させることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[5]上記[4]の製造方法において、粉末状のFe酸化物の分散液を熱延鋼板の表面に塗布した後、乾燥させることにより、粉末状のFe酸化物を鋼板表面に付着させることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[6]上記[4]の製造方法において、粉末状のFe酸化物を熱延鋼板の表面に乾式で接触させることにより鋼板表面に付着させることを特徴とする請求項4に記載の熱延鋼板の製造方法。
[7]上記[4]〜[6]のいずれかの製造方法において、粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[8]上記[4]〜[7]のいずれかの製造方法において、熱延鋼板の引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[9]熱延鋼板の表面に化成処理皮膜を有するとともに、該化成処理皮膜と熱延鋼板との界面及び/又は化成処理皮膜中に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物が存在し、該粉末状のFe酸化物の合計付着量が50〜3000mg/mであることを特徴とする化成処理熱延鋼板。
[10]上記[9]の化成処理熱延鋼板において、粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする化成処理熱延鋼板。
[11]上記[9]又は[10]の化成処理熱延鋼板において、引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする化成処理熱延鋼板。
[12]酸洗後の熱延鋼板の表面に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物を50〜3000mg/mの付着量で付着させた状態で、該熱延鋼板を化成処理することを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
[13]上記[12]の製造方法において、粉末状のFe酸化物の分散液を熱延鋼板の表面に塗布した後、乾燥させることにより、粉末状のFe酸化物を鋼板表面に付着させることを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
[14]上記[12]の製造方法において、粉末状のFe酸化物を熱延鋼板の表面に乾式で接触させることにより鋼板表面に付着させることを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
[15]上記[12]〜[14]のいずれかの製造方法において、粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
[16]上記[12]〜[15]のいずれかの製造方法において、熱延鋼板の引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
本発明の熱延鋼板は、化成処理性に優れており、このため化成処理性が劣ることによる耐食性の低下が防止され、しかも熱処理や酸洗を特殊な条件に制御することなく製造することができる。このため本発明の熱延鋼板は、自動車車体の強度部材などに好適に用いることができる。また、本発明の熱延鋼板の製造方法は、そのような熱延鋼板を効率的且つ安定して製造することができる。さらに、この熱延鋼板を用いた本発明の化成処理熱延鋼板は、良好な耐食性を有している。また、本発明の化成処理熱延鋼板の製造方法は、そのような化成処理熱延鋼板を効率的且つ安定して製造することができる。
本発明の熱延鋼板の表面のSEM画像
本発明の熱延鋼板は、鋼板表面に粉末状のFe酸化物(以下、説明の便宜上「Fe酸化物粉」という場合がある)が所定の付着量で付着しており、これが良好な化成処理性を得る上で最も重要な点である。従来技術においては、熱延鋼板の化成処理性を向上させる技術思想として、表面に存在する酸化物を減少させ、清浄度を高める方法が一般的であった。これに対して本発明では、酸化物を積極的に活用し、その形態や量を最適化して鋼板表面に存在させることで化成処理性を向上させることが特徴である。
ここで、本発明における鋼板表面でのFe酸化物粉の付着形態は、物理吸着による付着である。Fe酸化物が微粉末(平均粒子径3μ以下)であることにより、鋼板表面との間の分子間力が相対的に大きくなり、付着状態を保つことができる。特に、熱延鋼板は表面粗さが大きく、比表面積が大きいため、Fe酸化物粉が付着・保持されやすい。熱延鋼板の表面粗さは一般的にRa≧0.5μmであり、その粗さ範囲では十分なFe酸化物粉の付着量を得ることができる。また、そのような観点から、さらに好ましい熱延鋼板の表面粗さはRa≧1μmである。このため熱延鋼板を表面粗さが大きくなるような条件で製造してもよい。例えば、Si添加により熱延時のスケールを厚く成長させることで、酸洗によりスケールを除去した後の表面粗さが粗くなる。また、熱延時のデスケーリング(水圧でスケールを粉砕・除去する工程)の強度を調整することでも表面粗さが粗くすることができる。
図1は、本発明の熱延鋼板の表面のSEM画像であり、濃い色の部分が鋼板面、薄い色の粒状のものが鋼板面に付着しているFe酸化物粉である。
鋼板表面にFe酸化物粉を付着させることにより化成処理性が向上する機構は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、化成処理反応は鋼板表面の電気化学的に不均一な部分で開始され、鋼板の溶解とそれに伴う界面pH上昇を経てリン酸亜鉛結晶が析出することで進行する。したがって、鋼板表面の不均一点が反応起点として重要であり、一般には鋼板面に表面調整処理を施して不均一点を作り、反応性を向上させている。そして、本発明において鋼板表面に付着したFe酸化物粉も、鋼板表面で不均一点として化成処理反応の起点となると考えられるが、粉末状であるため化成処理液が鋼板表面にも到達することができ、鋼板の溶解反応も阻害せず、反応性を向上させることができるものと考えられる。実験の結果、無機粉体のなかでもFe酸化物粉が特に高い効果が得られることが判った。その理由についても必ずしも明らかではないが、上記のように推定されるメカニズムから考えると、無機粉体の浸漬電位の違いや、Fe酸化物であれば自身が溶解したときにFeの供給源となり、リン酸亜鉛結晶の析出を促進することなどの理由が考えられる。したがって、化成処理性が十分でない熱延鋼板、特に引張強さTSが590MPa以上の高強度熱延鋼板であっても、本発明を適用することで化成処理性を向上させることができる。
上記のような効果を得るためには、粉末状のFe酸化物粉の鋼板表面における付着量は50〜3000mg/mとする必要がある。付着量が50mg/m未満では不均一点の数が十分でなく、化成処理性の改善効果が十分に得られない。一方、付着量が3000mg/mを超えると、鋼板表面が完全にFe酸化物粉で覆われ、鋼板の溶解が阻害され、逆に化成処理性が劣化する可能性がある。Fe酸化物粉の付着量は、例えば、Fe酸化物粉を付着させる前後の鋼板の質量差により求めることができる。この場合、例えば、Fe酸化物粉を付着させる前の鋼板の質量を測定しておき、一方、Fe酸化物粉を付着させた鋼板は純水に浸漬した後、ブロア等で乾燥させた上で質量を測定し、これらFe酸化物粉の付着前後の鋼板の質量差を求め、これを鋼板面積で除して単位面積当たりの付着量を求める、などの手法を採ることができる。また、付着量をより簡便に求める手法として、本発明の熱延鋼板をFe酸化物粉の分散液を塗布・乾燥させる方法で製造する場合に、分散液中のFe酸化物粉の濃度と分散液の塗布量から付着量を算出することもできる。また、酸化鉄(Fe酸化物粉)を既知の量塗布した鋼板を用いて、各酸化鉄の回折ピーク強度から検量線を作成し、対象の酸化鉄(Fe酸化物粉)塗布鋼板のX線回折ピーク強度から付着量を定量する手法を採ることもできる。
また、Fe酸化物粉の平均粒子径は3μm以下とする。Fe酸化物粉の平均粒子径が3μmを超えると鋼板表面から脱離しやすくなる上に、化成処理後に残存した場合にリン酸亜鉛結晶が生成しない欠陥となる場合がある。
ここで、Fe酸化物粉の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で測定される粒度分布に基づいて求めることができる。すなわち、同法でFe酸化物粉の粒度分布を測定し、この粒度分布に基づいて求められる算術平均径(体積平均径)をFe酸化物粉の平均粒子径とする。
なお、鋼板面にFe酸化物粉が付着した熱延鋼板について、そのFe酸化物粉の平均粒子径を測定するには、例えば、鋼板を超音波洗浄することで鋼板面に付着したFe酸化物粉を剥離させて回収し、この回収したFe酸化物粉についてレーザー回折・散乱法による上記手法で平均粒子径を求めればよい。
Fe酸化物粉としては、Fe、FeO、Feの1種以上を含むものを用いることができるが、特に優れた化成処理性を得るためには、Fe酸化物粉としてFe粉を用いることが好ましい。このFe粉は、鋼板表面において上述した不均一点となることに加えて、Fe自身の溶解により3価のFeイオンがわずかに溶出することで、鋼板の溶解性を向上させると考えられる。なお、本発明では、鋼板面にFe酸化物粉が付着・保持されればよいので、Fe酸化物粉の純度は特に問わない。
上述したように高強度熱延鋼板は化成処理性が劣る傾向があり、本発明ではその化成処理性を改善できることから、本発明は引張強さTSが590MPa以上の高強度熱延鋼板及びこれを下地鋼板とする化成処理鋼板に特に好適である。
次に、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。
まず、通常の方法にしたがい、上記成分組成を有するスラブを加熱して熱間圧延した後、酸洗によりスケールを除去し、素材となる熱延鋼板とする。スラブ加熱、熱間圧延、酸洗の各条件に特別な制限はなく、適宜な条件を設定して実施すればよい。次いで、スケールを除去した熱延鋼板の表面にFe酸化物粉を付着させる。熱延鋼板の表面にFe酸化物粉を付着させる方法は特に限定されないが、一般には下記(i)、(ii)のいずれかの方法が採られる。
(i)Fe酸化物粉の分散液を熱延鋼板の表面に塗布した後、乾燥させることにより、Fe酸化物粉を鋼板表面に付着させる方法。
(ii)Fe酸化物粉を熱延鋼板の表面に乾式で接触させることにより鋼板表面に付着させる方法。
上記(i)の方法の場合、Fe酸化物粉を分散させる溶媒としては、水、エタノールなどの有機溶媒、それらの混合溶媒などを用いることができる。鋼板表面への分散液の塗布は、ロールコーターなどの一般的な塗布手段を用いて行うことができる。
上記(ii)の方法としては、例えば、(a)Fe酸化物粉を鋼板表面にこすり付ける方法、(a)静電粉体塗装のように帯電させたFe酸化物粉を静電気で鋼板表面に付着させる方法、(b)鋼板をFe酸化物粉中に浸漬させる方法、などが挙げられるが、これらに限定されない。
連続ラインでの操業を考えた場合には、上記(i)の方法が好ましく、分散液中のFe酸化物粉濃度や塗布量を調整することにより、Fe酸化物粉の付着量を容易に制御することができる。
次に、本発明の化成処理熱延鋼板及びその製造方法について説明する。
本発明の化成処理熱延鋼板は、上述したようなFe酸化物粉が付着した熱延鋼板の表面に化成処理皮膜が形成されたものであるが、化成処理時に鋼板表面に付着しているFe酸化物粉の一部又は全部が化成処理皮膜中に取り込まれる場合がある。したがって、本発明の化成処理熱延鋼板は、熱延鋼板の表面に化成処理皮膜を有するとともに、この化成処理皮膜と熱延鋼板との界面及び/又は化成処理皮膜中にFe酸化物粉(平均粒子径が3μm以下のFe酸化物粉)が存在し、このFe酸化物粉の合計付着量が50〜3000mg/mである。
Fe酸化物粉の付着量や粒子径の限定理由、Fe酸化物粉の種類、熱延鋼板の製造条件などは上述した通りである。
なお、上記のように皮膜−鋼板界面や皮膜中にFe酸化物粉が存在する化成処理熱延鋼板について、そのFe酸化物粉の平均粒子径を測定するには、例えば、鋼板の化成処理皮膜を酸液などで溶解させた後、鋼板を超音波洗浄することで、皮膜−鋼板界面や皮膜中に存在するFe酸化物粉を剥離させて回収し、この回収したFe酸化物粉について、レーザー回折・散乱法による上述した手法で平均粒子径を求めればよい。
また、化成処理皮膜は、リン酸亜鉛皮膜が一般的であるが、これに限定されない。
本発明の化成処理熱延鋼板を製造するには、化成処理工程の直前で熱延鋼板の表面にFe酸化物粉を付着させた後、化成処理を行うことが好ましい。具体的には、例えば、酸洗された熱延鋼板に対して、脱脂→水洗→Fe酸化物粉付着処理→表面調整→化成処理(リン酸亜鉛処理など)という一連の処理を施すことにより化成処理熱延鋼板を製造する。化成処理自体は通常の方法・条件でよい。
次に、本発明の熱延鋼板の好ましい成分組成について説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量の単位は「質量%」であるが、便宜上「%」で示す。
本発明の熱延鋼板は、基本成分として、C:0.01〜0.30%、Si:3.0%以下、Mn:0.5〜5.0%、P:0.07%以下、S:0.010%以下、Al:0.015〜0.100%を含有することが好ましく、さらに必要に応じて、Ti:0.50%以下、Nb:0.50%以下、V:1.0%以下の中から選ばれる1種以上、Mo:1.0%以下、Cr:1.0%以下の中から選ばれる1種以上を含有することができる。以下、これらの限定理由について説明する。
・C:0.01〜0.30%
C含有量が0.01%未満では伸びが低くなる。一方、Cを過剰に含有すると溶接性が低下するが、C含有量が0.30%以下であれば溶接性の低下はそれほど大きくない。このためC含有量は0.01〜0.30%とすることが好ましい。
・Si:3.0%以下
Siを添加することにより、加工性を大きく損なうことなく鋼の強度を高めることができるので、Siは鋼の高強度化を達成するために有効な元素である。しかし、Siは、化成処理性に悪影響を及ぼす元素でもある。ここで、本発明による化成処理性の改善効果はSi含有量に関わりなく得られるが、Si含有量が3.0%を超えると、機械的特性の観点から、鋼が硬質化し、圧延性や通板性(製造性)に悪影響を及ぼしたり、鋼板自体の延性低下を招いたりする場合がある。このためSi含有量は3.0%以下とすることが好ましい。
・Mn:0.5〜5.0%
Mnは鋼の焼入れ性を向上させ、高強度化に有効な元素であり、高強度化の効果を得るためにはMn含有量を0.5%以上とする必要がある。しかしながら、Mn含有量が5.0%を超えると鋼中に偏析しやすくなり、曲げ性が低下する。また、Mnの過剰な添加は原料コストの上昇を招くため望ましくない。このためMn含有量は0.5〜5.0%とすることが好ましい。
・P:0.07%以下
Pは、スポット溶接性を害する元素であるので、P含有量は少ない方が好ましい。P含有量が0.07%以下であれば、スポット溶接性を大幅に低下させることがないため、P含有量は0.07%以下とすることが好ましい。
・S:0.010%以下
Sは、鋼中に不可避的に混入してくる場合もある元素である。また、SはMnSとして析出し、鋼板の伸びフランジ性を低下させる有害な成分でもある。伸びフランジ性の低下を抑えるために、S含有量は0.010%以下とすることが好ましい。
・Al:0.015〜0.100%
Alは、製鋼工程で脱酸剤として添加される元素である。また、Alは、伸びフランジ性を低下させる非金属介在物をスラグとして分離するのに有効な元素である。これらの効果を得る観点から、Al含有量は0.015%以上が好ましい。一方、Alの過剰な添加は原料コストの上昇を招くので、Al含有量は0.100%以下が好ましい。
・Ti:0.50%以下、Nb:0.50%以下、V:1.0%以下の中から選ばれる1種以上
Ti、NbおよびVは、炭化物や窒化物などの析出物を生成して鋼を強化するとともに、フェライトの成長を抑制して組織を微細化し、成形性、特に伸びフランジ性を向上させる元素であり、本発明の熱延鋼板を特に強度が必要な自動車の足回り部材などに適用する場合に有効な任意添加元素である。それらの効果を得るため、Ti:0.50%以下、Nb:0.50%以下、V:1.0%以下の中から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。なお、上記効果を得る観点からは、Ti、Nb、Vの各含有量の下限は0.01%とするのが好ましい。
・Mo:1.0%以下、Cr:1.0%以下の中から選ばれる1種以上
MoおよびCrは、鋼の焼入れ性を向上させ、ベイナイトやマルテンサイトの生成を促進して高強度化に寄与する元素であり、本発明の熱延鋼板を特に強度が必要な自動車の足回り部材などに適用する場合に有効な任意添加元素である。それらの効果を得るため、Mo:1.0%以下、Cr:1.0%以下の中から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。なお、上記効果を得る観点からは、Mo、Crの各含有量の下限は0.01%とするのが好ましい。
以上述べた基本成分および任意添加成分以外の残部はFe及び不可避的不純物である。不可避的不純物としては、OやNなどが挙げられる。
表1に供試材として用いた鋼(鋼種A〜I)の成分組成を示す。通常の方法で溶製した鋼を鋳造してスラブとし、このスラブを1250℃に再加熱して粗圧延を実施し、デスケーリングした後、900℃で仕上圧延を実施し、その後、水焼入れを行った。この熱延鋼板から70mm×150mmサイズの試験片を切り出し、これを実験用の酸洗槽に浸漬して酸洗を行った。この酸洗後の試験片の表面に、エタノールにFe酸化物粉を分散させた分散液を塗布し、乾燥させることにより、Fe酸化物粉を付着させた。また、比較例の一部は、Fe酸化物粉を付着させない酸洗ままの試験片とした。Fe酸化物粉としては、市販のα−Fe(純度99.9%)、FeO(純度99.5%)、Fe(純度99.5%)を用い、また、必要な場合にはそれらを粉砕して用いた。Fe酸化物粉の付着量は分散液中のFe酸化物粉の濃度と分散液の塗布量で調整した。また、Fe酸化物粉の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で測定される粒度分布に基づいて求められる算術平均径(体積平均径)である。
上記各試験片を日本ペイント(株)製の脱脂剤「サーフクリーナーEC90」で脱脂し、水洗した後、同社製の表面調整剤「5N−10」で30秒間表面調整を行い、次いで、同社製の化成処理液「EC1000R−1」に浸漬して温度40℃で90秒の化成処理を行い、水洗、乾燥した。
各供試体(試験片)の化成処理性は、以下のようにして評価した。
化成処理皮膜を施した鋼板表面をSEM観察(倍率1000倍)し、リン酸亜鉛結晶で覆われている面積率(被覆率)を測定した。この際、SEM画像からスケ部分を判断し、画像処理で面積率(被覆率)を算出した。また、視野内のリン酸亜鉛結晶を任意に10個選び、SEM画像から結晶の長径を測定し、それらの平均値を結晶サイズとした。それらの結果に基づいて、以下の判定基準で化成処理性の評価を行った。その結果を、鋼種および試験条件とともに表2に示す。
◎(優良):被覆率100%で且つ結晶サイズが3μm以下
○(良好):被覆率100%で且つ結晶サイズが3μm超
×(不良):被覆率100%未満
表2によれば、本発明例はいずれも良好な化成処理性が得られている。これに対して、鋼種C〜Iを用いた酸洗ままの供試体からなる比較例や、Fe酸化物粉を付着させてはいるものの、本発明条件を満足しない比較例では化成処理性が劣っている。
Figure 0006848848
Figure 0006848848

Claims (18)

  1. 鋼板表面(但し、電解処理されていない酸洗ままの鋼板表面)に平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物が50〜3000mg/mの付着量で付着していることを特徴とする熱延鋼板。
  2. 粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱延鋼板。
  4. リン酸塩処理用鋼板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼板。
  5. 酸洗後の熱延鋼板(但し、電解処理されていない酸洗ままの熱延鋼板)の表面に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物を50〜3000mg/mの付着量で付着させる(但し、電解処理により粉末状のFe酸化物を付着させる場合を除く。)ことを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  6. 粉末状のFe酸化物の分散液を熱延鋼板の表面に塗布した後、乾燥させることにより、粉末状のFe酸化物を鋼板表面に付着させることを特徴とする請求項5に記載の熱延鋼板の製造方法。
  7. 酸洗後の熱延鋼板の表面に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物を50〜3000mg/m の付着量で付着させる熱延鋼板の製造方法であり、
    前記粉末状のFe酸化物を前記熱延鋼板の表面に乾式で接触させることにより鋼板表面に付着させることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  8. 粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
  9. 熱延鋼板の引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
  10. 熱延鋼板がリン酸塩処理用鋼板であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
  11. 熱延鋼板(但し、電解処理されていない酸洗ままの熱延鋼板)の表面にリン酸塩処理皮膜を有するとともに、該リン酸塩処理皮膜と熱延鋼板との界面及び/又はリン酸塩処理皮膜中に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物が存在し、該粉末状のFe酸化物の合計付着量が50〜3000mg/mであることを特徴とする化成処理熱延鋼板。
  12. 粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする請求項11に記載の化成処理熱延鋼板。
  13. 引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする請求項11又は12に記載の化成処理熱延鋼板。
  14. 酸洗後の熱延鋼板(但し、電解処理されていない酸洗ままの熱延鋼板)の表面に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物を50〜3000mg/mの付着量で付着させた状態(但し、電解処理により粉末状のFe酸化物を付着させた状態とする場合を除く。)で、該熱延鋼板をリン酸塩処理することを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
  15. 粉末状のFe酸化物の分散液を熱延鋼板の表面に塗布した後、乾燥させることにより、粉末状のFe酸化物を鋼板表面に付着させることを特徴とする請求項14に記載の化成処理熱延鋼板の製造方法。
  16. 酸洗後の熱延鋼板の表面に、平均粒子径が3μm以下の粉末状のFe酸化物を50〜3000mg/m の付着量で付着させた状態で、該熱延鋼板をリン酸塩処理する化成処理熱延鋼板の製造方法であり、
    前記粉末状のFe酸化物を前記熱延鋼板の表面に乾式で接触させることにより鋼板表面に付着させることを特徴とする化成処理熱延鋼板の製造方法。
  17. 粉末状のFe酸化物がFeであることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の化成処理熱延鋼板の製造方法。
  18. 熱延鋼板の引張強さTSが590MPa以上であることを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の化成処理熱延鋼板の製造方法。
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