JP6848645B2 - 集電積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、電池に用いるための集電積層体に関する。
例えばリチウムイオン二次電池等の電池においては、金属製の釘等の金属異物が電池に突き刺さること、電池内部で金属が析出すること等が起こり得る。そのような場合、これらの金属異物によって、電池内部の正負極間に内部短絡が起こることがある。電池に内部短絡が起こると、短絡電流が流れ、ジュール熱が発生して、電池の発熱が起こるおそれがある。
従って、電池に内部短絡が発生した場合に、正負極間の絶縁を回復し、内部短絡を解消する安全機構が重要であり、そのための技術が提案されている。
例えば特許文献1には、正極集電体及び負極集電体のうちの少なくとも一方が、電池の発熱時に溶融する樹脂から成る低融点層と、低融点層及び活物質層の間に介在する金属層とを備えるリチウムイオン二次電池が開示されている。
特許文献2には、正極集電体及び負極集電体のうちの少なくとも一方が、金属薄膜を成膜したプラスチックフィルムから成る、非水電解液二次電池が開示されている。
特許文献3には、金属箔と、金属箔の一方の面に接合された樹脂フィルムとを備え、樹脂フィルムの融点が200℃以上であり、収縮開始温度が100℃以上前記融点未満である、二次電池用の集電体が開示されている。
特開平11−102711号公報 特開平09−259891号公報 特開2017−16787号公報
特許文献1及び2の技術は、小型電池への適用を想定している。これらの技術によると、集電体層として用いられる金属層が薄膜の場合には、電池の発熱時に低融点層の溶融に伴って金属層が破壊され、電池の内部短絡が遮断される。しかし、高出力が要求される二次電池、例えば車両用二次電池等では、エネルギー密度の向上のために、金属層を厚くして、低抵抗にする必要がある。このような高エネルギー密度の二次電池に特許文献1及び2の技術を適用すると、低融点層又はプラスチックフィルムが溶融した場合でも、厚い金属層は破壊に至らず、電池の内部短絡は遮断されない。
特許文献3は、金属層が厚い場合であっても、樹脂フィルムの熱収縮性を利用して、集電体の全体を収縮させ、電池の発熱時に内部短絡を遮断するとの思想に基づく。この技術は、従来技術に対して一定の貢献を示すが、集電体の熱収縮率は十分ではない。
本発明は、以上のことに基づいてなされた。本発明の目的は、電池の発熱時の収縮率が高く、内部短絡を効果的に遮断し得る、電池の集電体を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
金属層と、前記金属層の一方の面に部分的に接合された樹脂フィルムとを備え、電池の集電体層として用いられる集電積層体であって、
前記樹脂フィルムは、融点が200℃以上であり、収縮開始温度が90℃以上前記融点未満であり、且つ
前記部分的な接合が、接合領域と、非接合領域とを有するパターン状の接合である、
集電積層体。
本発明の集電積層体は、電池の発熱時の収縮率が高いから、内部短絡を効果的に遮断することができる。従って本発明の集電積層体を電池、特に全固体電池に適用すると、高いエネルギー密度と高度の安全性とが両立されたものとすることができる。
図1は、従来の集電体層を備える全固体電池が、釘の挿入によって内部短絡を起こす機構を説明するための概念図である。 図2は、本発明の集電積層体備える全固体電池に釘を挿入したときに、電池の内部短絡が遮断される機構を説明するための概念図である。 図3は、本発明の集電積層体が熱によって収縮する機構を説明するための概略図である。 図4は、実施例で行った、試料の熱収縮性の評価方法を説明するための概略図である。 図5は、比較例1〜4で得られた各集電積層体の、90℃における収縮率を、Al層の厚みに対してプロットしたグラフである。 図6は、比較例1〜4で得られた各集電積層体の5秒目出力を、Al層の厚みに対してプロットしたグラフである。 図7は、実施例1及び2において、Al箔に塗布した接着剤パターンの寸法を特定するための説明図である。 図8は、実施例3及び比較例5で行った釘刺し試験の手順を説明するための概略図である。 図9は、実施例3及び比較例5で行った釘刺し試験の結果を示すグラフである。
<集電積層体>
本発明の集電積層体は、
金属層と、金属層の一方の面に部分的に接合された樹脂フィルムとを備え、電池の集電体層として用いられる集電積層体であって、
樹脂フィルムは、融点が200℃以上であり、収縮開始温度が90℃以上前記融点未満であり、且つ
部分的な接合が、接合領域と、非接合領域とを有するパターン状の接合である。
図1に、集電体層として通常の金属箔を使用する、従来技術における全固体電池に金属製の金属異物が突き刺さったときの様子を、正極集電体層に釘が刺さった場合を例として示した。
全固体電池に釘が突き刺さると、釘の突入によって破損された正極集電体層5が、釘の進行に伴って電池内部に巻き込まれ、釘と電気的に導通する。釘が電池内部を更に進行して、正極活物質層4、固体電解質層3、及び負極活物質層2を貫通し、負極集電体層1と接触すると、正極集電体層5と負極集電体層1とが釘を介して短絡する。このとき、負極集電体層1から正極集電体層5へと、釘を介して電子が移動してジュール熱が発生し、電池の発熱に至る。
図2には、正極集電体層として本発明の集電積層体を使用した全固体電池に釘が突き刺さったときの様子を示した。
本発明の集電積層体100を用いた場合でも、電池に釘が突入した直後には、釘は破損された集電積層体100を巻き込み、金属層10と電気的に導通する。釘が電池内部を更に進行して、正極活物質層4、固体電解質層3、及び負極活物質層2を貫通し、負極集電体層1と接触すると、正極集電体層として機能する金属層10と、負極集電体層1とが釘を介して短絡する。しかし、本発明の集電積層体100中の樹脂フィルム20は、短絡の初期に発生したジュール熱によって、釘から離れるように収縮する。すると、樹脂フィルム20に部分的に接合された金属層10は、後述の機構によって樹脂フィルム20に追随して釘から引き離されるから、釘との電気的な接合が解消される。これにより金属層10と負極集電体層1との釘を介した短絡が解消され、ジュール熱の発生がその時点で止まる。このような機構により電池に釘等が刺さった場合でも、電池が発熱に至る前に電池反応が安全に遮断されることになる。
以上の現象は、本発明の集電積層体における樹脂フィルムとして、特定の熱収縮性樹脂フィルムを選択し、且つ、金属層と樹脂フィルムとが、接合領域と、非接合領域とを有するパターン状の接合によって、部分的に接合されたものであることに起因する。
本発明の集電積層体が、熱によって収縮する機構を図3に示した。
図3(a)は、集電積層体100が加熱される前の状態を示す。図3(a)の集電積層体100は、金属層10と、金属層10の一方の面に接合された樹脂フィルム20とを備える。金属層10と樹脂フィルム20との接合は、接合領域30と非接合領域40とを有するパターン状の接合である。接合のパターンは、図3(a)に示したような、例えば正方格子状であってよい。
図3(b)は、図3(a)の集電積層体100を加熱した後の状態を示す。集電積層体100が加熱されると、熱収縮性の樹脂フィルム20は収縮する。図3(b)の矢印は、樹脂フィルムが収縮した様子を示す。一方で金属層10を構成する金属材料は、加熱によって収縮せず、むしろ膨張する傾向にある。
しかし、金属層10と樹脂フィルム20との間は、接合領域30と非接合領域40とを有するパターン状の接合によって部分的に接合されている。従って、樹脂フィルム20が加熱によって収縮したとき、金属層10は、収縮はしないけれども、接合領域30では樹脂フィルム20との接合を維持しつつ、非接合領域40の部分で樹脂フィルム20の面から剥離して撓むことができる。このことにより、樹脂フィルム20は、接合された金属層に阻害されずに熱収縮することができるから、集電積層体100は全体として、熱収縮し得る。従って、本発明の集電積層体を用いて得られた電池は、釘等の金属異物が突き刺さり、この金属異物を介して正負極間が短絡した場合であっても、集電積層体は、短絡初期に発生するジュール熱によって収縮し、金属異物から引き離されて、金属異物との接触が解消される。そしてこのことによって正負極間の短絡状態が解消されるから、電池の発熱に至る前に、電池反応を安全に遮断することができる。
以下、本発明の集電積層体について、その好ましい実施形態(以下、「本実施形態」という)を例として説明する。
[金属層]
金属層を構成する材料は、電池の集電体層に使用される金属材料から、適宜に選択されてよい。
本実施形態の集電積層体を正極集電体に適用する場合、金属層は、例えば、ステンレス(SUS)、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn等、又はこれらの合金から成る箔であってよく、Al箔又はSUS箔が好ましい。本実施形態の集電積層体を負極集電体に適用する場合、金属層は、例えば、SUS、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Zn等、又はこれらの合金から成る箔であってよく、Cu箔が好ましい。
本実施形態の集電積層体は、金属層が厚い場合であっても、加熱によって集電積層体が全体として収縮することができる。従って、金属層は厚くてよい。金属層の厚みは、例えば、9μm以上、10μm以上、12μm以上、15μm以上、18μm以上、又は20μm以上であってよい。一方で、エネルギー密度を高くするための低抵抗を確保し得る限り、過度に厚い必要ななく、例えば、100μm以下、80μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってよい。
[樹脂フィルム]
本実施形態の集電積層体における樹脂フィルムは、以下の事項を考慮に入れて選択されてよい。
電池は、通常、100℃未満、例えば90℃未満の温度領域で使用される。一方、電池温度が200℃以上の場合には、電池反応が熱暴走している状態であると考えられる。従って、電池が短絡してジュール熱が発生した場合には、温度が90℃以上且つ200℃未満の段階で、短絡を解消して電池反応を遮断することが望まれる。この観点から、樹脂フィルムの融点は、200℃以上であることを要する。何故なら、樹脂フィルムの融点が200℃未満であると、短絡を解消すべき温度領域で溶融して金属層から剥離することとなり、樹脂フィルムの収縮によって金属層を金属異物から引き離す効果が発現しないからである。
樹脂フィルムの融点は、例えば、220℃以上、240℃以上、又は260℃以上であってよく、例えば、300℃以下、280℃以下、又は260℃以下であってよい。
電池製造時の加工処理、及び電池の作動時には、樹脂フィルムの収縮による金属層への悪影響を回避する必要がある。従って、電池製造時の加工処理温度、及び電池作動時の電池温度に対応する温度領域、例えば、90℃未満では、樹脂フィルムは全く又はほとんど収縮しないことが好ましい。この観点から、樹脂フィルムの収縮開始温度は、90℃以上である。樹脂フィルムの収縮開始温度は、100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上、又は140℃以上であってよい。一方で樹脂フィルムは、電池温度が熱暴走温度に至る前に収縮して、短絡を解消する必要がある。従って樹脂フィルムの収縮開始温度は、200℃未満であることが好ましく、例えば、180℃以下、170℃以下、160℃以下、又は150℃以下であってよい。
樹脂フィルムが収縮開始温度以上に加熱されたときの収縮率は、大きいほど好ましい。樹脂フィルムの収縮開始温度における収縮率は、後述の実施例に記載した方法によって測定された値を用いて、下記数式によって計算された値として、例えば、20%以上、40%以上、60%以上、又は80%以上であってよい。
熱収縮率(%)={(熱収縮前の樹脂フィルムの長さ−熱収縮後の樹脂フィルムの長さ)/熱収縮前の樹脂フィルムの長さ}×100
樹脂フィルムは、公知の熱収縮性フィルムから選択されてよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PSt)、ポリ塩化ビニル(PVC)等、及びこれらの混合物から適宜選択してよい。
樹脂フィルムの厚みは、高いエネルギー密度を確保するためには薄い方が好ましく、例えば、50μm以下、40μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってよい。一方で、樹脂フィルムが熱収縮したときに金属層を追随させて引っ張るためには、有意の厚みを有していることを要し、例えば、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。
[パターン状接合]
本実施形態の集電積層体における金属層と樹脂フィルムとは、部分的に接合されている。部分的な接合とは、具体的には、接合領域と非接合領域とを有するパターン状の接合である。
パターン状の接合は、周期的パターン状の接合、非周期的パターン状の接合のいずれであってもよい。
周期的パターンは、例えば、三方格子、正方格子、六方格子等の格子模様の辺の部分を接着領域とし、辺に囲まれた多角形の領域を非接合領域とするパターン;これらの格子模様の辺に囲まれた多角形の領域を接着領域とし、辺の部分を非接着領域とするパターン;これらの格子模様における多角形の頂点を接着領域とし、その他の部分を非接着領域とするパターン;これら以外の周期的パターン;これらの2つ以上の組み合わせから成るパターンであって、周期性を有するもの等であってよい。
非周期的パターンは、例えば、ランダムドットパターン;上記の周期的パターンにおける接着領域の形状及び面積のうち少なくとも一方が場所によって異なり、これによって周期性が失われたパターン;以上に例示した周期的及び非周期的パターンの2つ以上の組み合わせから成るパターンであって、組み合わせの全体として周期性を有さないもの等であってよい。接着領域の形状及び面積のうち少なくとも一方が場所によって異なる非周期的パターンの例としては、例えば、接着領域がドットパターン状であって、集電積層体の中央部における接着領域のドットの面積よりも、集電積層体の外周部における接着領域のドット面積の方が小さく形成されている場合等が挙げられる。
パターン状の接合としては、周期的パターン状の接合が好ましい。接合領域を周期的パターン状に形成すると、接合領域と非接合領域とが規則的に配列されるため、集電積層体に異物が刺さったときの発熱により、集電積層体の非接合部が面方向に均一に収縮し易くなる利点が得られる。
金属層と樹脂フィルムとの部分的接合において、接着領域の面積が全面積に占める割合は、例えば、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、又は15%以上であってよく、例えば、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、又は60%以下であってよい。
[集電積層体の熱収縮]
本実施形態の集電積層体は、電池が熱暴走に至る前の温度領域、例えば、90℃以上200℃未満において、熱収縮して、金属異物を介する正負極間の短絡を解消することができる。従って、本実施形態の集電積層体の収縮開始温度は、90℃以上、100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上、又は140℃以上であってよく、例えば、200℃未満、180℃以下、170℃以下、160℃以下、又は150℃以下であってよい。
本実施形態の集電積層体の、収縮開始温度における収縮率は、後述の実施例に記載した方法によって測定された値を用いて、下記数式によって計算された値として、例えば、20%以上、40%以上、60%以上、又は80%以上であってよい。
熱収縮率(%)={(熱収縮前の集電積層体の長さ−熱収縮後の集電積層体の長さ)/熱収縮前の集電積層体の長さ}×100
<集電積層体の製造方法>
本実施形態の集電積層体は、例えば、金属層と樹脂フィルムとを、接合領域と非接合領域とを有するパターン状に接合することにより、製造されてよい。
具体的には、金属層及び樹脂フィルムのうちの少なくとも一方の片面上に、接着剤層を所望のパターン状に形成し、次いで両者を、接着剤層形成面が内側になるように積層する方法によって製造されてよい。接着剤層の形成は、例えば塗布によってよい。
接着剤層の厚みは、例えば、0.5μm以上、0.6μm以上、0.7μm以上、又は0.8μm以上であってよく、例えば、2.0μm以下、1.8μm以下、1.6μm以下、又は1.4μm以下であってよい。
本実施形態の集電積層体は、電池が熱暴走に至る前の、90℃以上且つ200℃未満の温度領域において収縮し、短絡を解消して電池反応を遮断する機能を有する。従って、集電積層体に用いられる接着剤としては、少なくとも上記の温度領域において耐熱性を有するものが望まれる。本実施形態の集電積層体に用いられる接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等を使用してよい。
<集電積層体の適用>
本実施形態の集電積層体は、公知の電池の集電体層として適用されてよい。例えば、積層電池の最外層を構成する集電体層のうちの少なくとも1つに代えて、金属層が内側を向くように積層されて使用されてよい。電池は、電解液を用いる湿電池であってよく、又は電解液を用いない全固体電池であってよい。特に、高出力の二次電池への適用が好適である。
本実施形態の集電積層体は、例えば、負極集電体層、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体層をこの順に有する全固体積層電池素子、又はこの電池素子が2個以上積層された全固体積層電池において、最外層を構成する集電体層のうちの少なくとも1つに代えて積層されて使用されてよい。全固体電池素子が2個以上積層された全固体積層電池において、積層方向に隣接する電池素子は、正極集電体層又は負極集電体層を共有する構成であってよい。例えば、全固体積層電池は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体層の順で、負極集電体層を共有する2つの電池素子が積層されて成っていてよい。
本実施形態の集電積層体を備える全固体積層電池は、例えば、本実施形態の集電積層体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層をこの順に備える全固体積層電池;本実施形態の集電積層体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体層をこの順に備える全固体積層電池;本実施形態の集電積層体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び本実施形態の集電積層体をこの順に備える全固体積層電池等であってよい。上記において、本実施形態の集電積層体は、金属層が内側を向くように積層されてよい。
負極集電体層は、例えば、SUS、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Zn等から成る箔であってよい。
負極活物質層は、負極活物質、固体電解質、導電材、バインダー等を含んでいてよい。
負極活物質は、例えば、グラファイト等の公知の負極活物質を適宜に選択して試用してよい。固体電解質としては、硫化物系固体電解質を好適に使用してよく、具体的には例えば、LiSとPとの混合物(混合質量比LiS:P=50:50〜100:0、特に好ましくはLiS:P=70:30)であってよい。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)に代表されるフッ素原子含有樹脂、ブタジエンゴム等の他、その他の公知のバインダーを使用してよい。導電材としては、例えば、カーボンナノファイバー(例えば昭和電工(株)製のVGCF等)、アセチレンブラック等の公知の導電材を使用してよい。
負極活物質層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上1,000μm以下であってよい。
固体電解質層は、固体電解質を含み、好ましくは更にバインダーを含む。
固体電解質層における固体電解質は、硫化物系固体電解質であってよく、負極活物質層に含まれる硫化物系固体電解質として上記に例示したものと同種のものであってよい。固体電解質層におけるバインダーとしては、負極活物質層に含まれるバインダーとして上記に例示したものと同種のものを使用してよい。
固体電解質層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上1,000μm以下、又は0.1μm以上300μm以下であってよい。
正極活物質層は、正極活物質、固体電解質、導電材、バインダー等を含んでいてよい。
正極活物質として、例えば、コバルト酸リチウム等の公知の正極活物質を適宜用いてよい。正極活物質層における固体電解質、導電材、及びバインダーとしては、それぞれ、負極活物質層に含まれる固体電解質、導電材、及びバインダーとして上記に例示したものと同種のものを使用してよい。
正極活物質層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上1,000μm以下であってよい。
正極集電体層は、例えば、SUS、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn等から成る箔であってよい。
<樹脂フィルムの熱収縮性の評価>
以下の実施例及び比較例では、樹脂フィルムとして、厚み40μmの高収縮性PETフィルムを用いた。この樹脂フィルムを、50mm×50mmの正方形に切り出したものを試料とした。
SUS容器の底面上に、試料を載置し、その上に別のSUS容器を重ねて、2つのSUS容器の各底面の間に試料を挟んだ(図4参照)。この状態で、所定温度に調温された恒温槽中に3秒間静置した。静置前後の試料の寸法から、その温度における熱収縮の有無、及び収縮率を求めた。
恒温槽の温度を変更しつつ上記の操作を繰り返すことにより、収縮開始温度及び、その温度における収縮率を求めた。その結果、上記樹脂フィルムは、収縮開始温度が90℃であり、この温度における収縮率は80%であった。
<全固体電池作製用合剤スラリーの調製>
(1)負極合剤スラリーの調製
負極活物質として活性炭、電解質として硫化物系固体電解質、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを水中に投入し、撹拌混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。
(2)固体電解質合剤スラリーの調製
電解質として硫化物系固体電解質、及びバインダーとしてアクリロニトリル−ブタジエンゴムを水中に投入し、撹拌混合することにより、固体電解質合剤スラリーを調製した。
(3)正極合剤スラリーの調製
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3、電解質として硫化物系固体電解質、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン、及び導電助剤として気相法カーボンナノチューブを水中に投入し、撹拌混合することにより、正極合剤スラリーを調製した。
<比較例>
[比較例1]
(1)集電積層体の作製
上記樹脂フィルムの片面上に、厚み1μmのAlを蒸着することにより、集電積層体を作製した。
(2)集電積層体の熱収縮性評価
上記で得られた集電積層体を試料とし、且つ恒温槽の温度を90℃に設定した他は、上記の<樹脂フィルムの熱収縮性の評価>と同様の手法により、90℃における集電積層体の収縮率を調べた。結果は図5に示した。
(4)積層電池の作製
負極集電体層としてのCu箔の両面上に、上記の負極合剤スラリーを塗布及び乾燥して、負極活物質層を形成した。次いで、Cu箔の両面に形成された負極活物質層それぞれの面上に、上記の固体電解質合剤スラリーを塗布及び乾燥し、固体活物質層を形成して、負極積層体を得た。
正極用の集電積層体としては、上記で得られた集電積層体を用いた。この集電積層体のAl層面上に、上記の正極合剤スラリーを塗布及び乾燥し、正極活物質層を形成して、正極積層体を得た。
上記の負極積層体の両面に、それぞれ、上記の正極積層体を、正極活物質層が固体電解質層に接するように積層し、全体をプレスして各層を密着させることにより、試験用の積層電池を作製した。
(5)積層電池の評価(5秒目出力の測定)
上記で得られた積層電池に対して、電圧4.18V(SOC=80%相当)まで定電流定電圧(CCCV)充電した後、0.3C,1C,3C,5C,7C,8C相当の電流値における高率放電を行った。このとき、放電開始から5秒目の出力を測定した。得られた結果を図6に示した。
[比較例2〜4]
(1)集電積層体の作製
上記樹脂フィルムの片面上に、厚み1μmのエポキシ系接着剤層を介して、厚みが6μm(比較例2)、9μm(比較例3)、又は15μm(比較例4)のAl箔を積層することにより、集電積層体を作製した。
(2)集電積層体の熱収縮性評価
上記で得られた集電積層体のそれぞれについて、比較例1と同様の手法により、90℃における集電積層体の収縮率を調べた。結果は図5に示した。
(3)積層電池の作製及び評価
正極用集電積層体として上記で得られた集電積層体をそれぞれ使用した他は、比較例1と同様にして積層電池を作製し、その5秒目出力の測定を測定した。結果は図6に示した。
[考察]
図5の結果から、従来法による集電積層体では、Al層の厚みが6μm以上になると、90℃においては、樹脂フィルムの熱収縮に追随するAl層収縮の効果が発現しないことが分かった。
図6からは、Al層の厚み15μmの比較例4における積層電池を基準として、
Al層の厚みが薄くなるにつれて、5秒目出力が低下していくことが分かった。また、5秒目出力低下の程度を、Al層の厚みが15μmである比較例4の場合に対して、5%以内に抑制するためには、Al層の厚みを9μm以上に設定する必要のあることが分かった。
以上の比較例1〜3についての考察結果を、表1にまとめた。表1における評価結果は、以下の基準で記載した。
[熱収縮性]
集電積層体の90℃における収縮率が20%以上であったとき:OK
集電積層体の90℃における収縮率が20%未満であったとき:NG
[電池性能]
積層電池の5秒目出力の低下率が、比較例4における5秒目出力に対して、5%以下であったとき:OK
積層電池の5秒目出力の低下率が、比較例4における5秒目出力に対して、5%を超えたとき:NG
Figure 0006848645
以上のことから、従来技術によると、安全性確保のための集電積層体の熱収縮性と、得られる積層電池の電池性能との両立が困難であることが確認された。
<実施例>
[実施例1及び2]
(1)集電積層体の作製
厚み9μmのAl箔の片面上に、接着剤を厚み1μmにてパターン状に塗布した。この接着剤塗布後のAl箔の接着剤層上に、上記の樹脂フィルムを積層して接着することにより、集電積層体を得た。このとき、接着剤の塗布パターンは、図7(a)に示した各サイズが表2に記載のとおりの正方格子状とした。
(2)集電積層体の熱収縮性評価
上記で得られた集電積層体について、比較例1と同様の手法により90℃における収縮率を評価した。評価結果は表2に示した。
Figure 0006848645
以上の結果から、本実施形態の集電積層体は、Al箔の厚みが厚い場合であっても90℃において有意の割合で収縮することが確認された。
[実施例3]
(1)積層電池の作製
正極用集電積層体として、実施例1で得た集電積層体を用いた他は、比較例1と同様にして、積層電池を作製した。
(2)評価(釘刺し試験)
図8に示した方法により、充電及び釘刺し試験を行った。上記で得られた積層電池200を、直径22mmの貫通孔50を有する一対のSUS製の穴あきベーク板51で挟んだ。一対の穴あきベーク板51の両外側を、更に、直径22mmの貫通孔を有する一対のSUS製の穴あき拘束治具52で挟み、15MPaの拘束圧を印加した。
この状態の積層電池200に、電圧4.18V(SOC=80%相当)まで定電流定電圧(CCCV)充電を行った。得られた充電後の積層電池200に、以下の条件で、穴あきベーク板51及び穴あき拘束治具52の貫通孔50を通して、釘を押し込んで貫通させた。
釘の材質:SK材
釘の先端部直径:8mmφ
釘の先端角の角度:60°
釘の押し込み速度:25mm/秒
熱電対挿入位置:釘の中心から8mm外縁側に寄った位置
試験環境:25℃、大気中
釘刺し試験の結果を図9に示した。図9のグラフには、釘の先端が積層電池に接したときを時間0(ゼロ)として、積層電池200の温度及び電圧の経時変化を示した。
[比較例5]
正極用集電積層体として、比較例3で得た集電積層体を用いた他は、比較例1と同様にして、積層電池を作製し、評価した、結果は図9に示した。
[考察]
図9(a)を参照すると、比較例3では、釘刺し試験後の積層電池温度は、最高到達温度が125℃であり、約100℃の温度上昇が見られた。これに対して、実施例3では、釘刺し試験後の積層電池温度の最高到達温度は90℃であり、温度上昇は約65℃に留まった。これらのことから、本実施形態の集電積層体は、釘刺し試験における温度上昇を抑制する効果を有することが検証された。
更に図9(b)を参照すると、比較例3では、釘刺し初期に、積層電池電圧が高く維持される時間帯が見られた。これに対して、実施例3では、釘刺し直後にわずかの電圧上昇が見られるが、その後更に積層電池電圧が上昇することはなかった。これらのことから、本実施形態の集電積層体は、釘刺し時の発熱により収縮し、短絡の導通経路を遮断して、電池反応を安全に停止し得ることが検証された。
1 負極集電体層
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体層
10 金属層
20 樹脂フィルム
30 接合領域
40 非接合領域
50 貫通孔
51 穴あきベーク板
52 穴あき拘束治具
100 集電積層体
200 積層電池

Claims (1)

  1. 金属層と、前記金属層の一方の面に部分的に接合された樹脂フィルムとを備え、電池の集電体層として用いられる集電積層体であって、
    前記樹脂フィルムは、融点が200℃以上であり、収縮開始温度が90℃以上前記融点未満であり、且つ
    前記部分的な接合が、接合領域と、非接合領域とを有するパターン状の接合である、
    集電積層体。
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