JP6848162B2 - ミセル含有組成物 - Google Patents
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Description
皮膚外用剤の分野においては、脂肪酸とマンノースとエリスリトールからなる糖脂質構造がセラミドに類似することから、損傷した細胞間脂質を補い、皮膚バリア機能を回復して、保湿作用や肌荒れ改善作用を有することが知られている(特許文献1)。
このような状態に鑑みて、本発明は、MELを長期間、透明に安定に含有し、かつ後肌がベタつくことなくさっぱりした使用感が得られる、水系組成物を提供することを課題とする。
[1]MELと、表面張力値が35mN/m以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有し、前記MELはミセルを形成している、水系組成物(以降、「本発明の組成物」と記す)。
[2]さらに、炭素数3〜6の2〜4価アルコールを含有する、[1]に記載の組成物。[3]前記MELの含有量が、組成物全体に対して0.01〜10重量%である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記MELと前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとの含有量の重量比が、1:1〜1:100である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]前記ミセルの平均粒径が、10〜150nmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポ
リグリセリル−10である、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]透明である、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]皮膚外用剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
なお、一般式(1)及び(2)中、R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24、好ましくは8〜14の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、脂肪族アシル基である。前記R1の炭素数は、MEL生産菌や生産培地、生産条件等によって変わり得るため、通常は複数種類のR1を有するMELの混合物である。
また、一般式(1)及び(2)中、R2は水素又はアセチル基であり、R3は水素又はアセチル基であり、R4は水素または炭素数2〜24の脂肪族アシル基である。一般に、R2及びR3がともにアセチル基であるものをMEL−A、R2が水素でR3がアセチル基であるものをMEL−B、R2がアセチル基でR3が水素であるものをMEL−C、R2及びR3がともに水素であるものをMEL−Dという。本発明において、MEL−A、B、C、及びDのいずれも用いることができるが、MEL−Bがより好ましい。
ここで、「表面張力値」は、Wilhelmy法により測定したものをいう。具体的には、水に対して1.0×10-7〜1.0×10-1Mとなるよう調整した両親媒性分子水溶液の表面張力を、自動表面張力計 CBVP−Z 型(協和界面科学株式会社製)を用いて20℃にて測定する。得られた表面張力カーブから、両親媒性分子濃度が増大しても界面張力が低下しなくなる濃度を、両親媒性分子を臨界ミセル濃度(critical micelle concentration、以下「CMC」)として算出し、その時の表面張力値を両親媒分子水溶液の表面張力値とする。両親媒性分子をCMC以上に配合した水溶液の表面張力値が、水の表面張力値(文献値:72.75mN/m)に対し、約1/2に相当する35mN/mを下回る場合、その両親媒性分子は表面張力低下能が高いとし、その逆の場合は表面張力低下能が低いとする。
また、本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLB値が10以上のものが好ましい。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル−10等が特に好ましく挙げられるが、これに限定されない。
通常、MELが形成するミセルの平均粒径は、膨潤している状態を含め、10〜150nmである。ここで、ミセルの平均粒径は、動的光散乱装置、例えば動的光散乱式粒度分布測定装置(ELS−Z1、大塚電子株式会社製)を用いて測定し、ヒストグラム解析の一手法であるNNLS(非負拘束最少自乗法)を用いて算出した粒子径分布から求められる、最も大きな散乱強度を有する粒子径値を平均した値である。
なお、通常のスターラー撹拌にて得られる、MELが形成するベシクルの平均粒径は500〜2000nmであり、ミセルの態様と明確に区別することができる。
本発明の組成物は、可溶化状態であるため、通常は透明である。ここで透明とは、目視で定性的に判断することもできるが、定量的には25℃において分光光度計で測定した可視光透過率(波長600nm、光路長1cm)が、コントロールの蒸留水を100とした場合に、70〜100の範囲であることをいう。
油性成分としては、シリコーン油、極性油、天然油、炭化水素油等の油剤が挙げられる。また、これらの油剤で抽出又は希釈された植物等の抽出物や香料等の添加物も、ここでの油性成分に含まれる。
「ごく少量であるか実質的に含有しない」とは、組成物全体に対して好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下、さらに好ましくは0.001重量%以下であることをいう。このような微量であれば、MELのミセル内に包含されて、可溶化系のバランスが崩れることなく保持され得る。
本発明の組成物において、前記多価アルコールの含有量は、組成物全体に対して2〜20重量%が好ましく、4〜8重量%がより好ましい。このような範囲で含有させることにより、組成物の安定性がより向上する。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
ンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等の天然の水溶性高分子、
デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等の半合成の水溶性高分子、
ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等の合成の水溶性高分子が挙げられる。
なお、「実質的に含有しない」とは、組成物全体に対して好ましくは0.01重量%以下、より好ましくは0.001重量%以下であることをいう。
表1に示す処方に従って、水系組成物(実施例1〜5及び比較例1〜3)を常法により調製した。
調製した各組成物について、動的光散乱式粒度分布測定装置(ELS−Z1、大塚電子株式会社製)を用いて、ミセル平均粒径を測定した。結果を表1に示す。
調製後−10〜50℃で1ヶ月保管した後の外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:透明
○:ほぼ透明
△:やや不透明
×:不透明
組成物を手の甲に塗布した直後の肌のベタつきを、以下の基準で官能評価した。
◎:まったくベタつかない
○:ややベタつくが気にならない
△:ベタつく
×:著しくベタつく
組成物を手の甲に塗布した後の肌の柔軟感を、以下の基準で官能評価した。
◎:優れた柔軟感あり
○:柔軟感あり
△:柔軟感なし
×:ごわつく
Claims (7)
- マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)と、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル−10とを含有し、
前記MELはミセルを形成している、水系組成物(但し、組成物がリン脂質を含有する態様を除く)。 - さらに、炭素数3〜6の2〜4価アルコールを含有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記MELの含有量が、組成物全体に対して0.01〜10重量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記MELと前記(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル−10との含有量の重量比が、1:1〜1:100である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ミセルの平均粒径が、10〜150nmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 透明である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 皮膚外用剤である、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
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