JP6847565B1 - プラスチック廃物除去装置 - Google Patents
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Abstract
Description
海浜や河川敷に存在するプラスチック製品の廃棄物は、風や雨、波浪等によって海や河川に移動し、最終的には海洋におけるマイクロプラスチックの原因になる。そして、マイクロプラスチックが魚類や水棲哺乳類の体内に蓄積する。食物連鎖の結果として人間の体内にマイクロプラスチックが蓄積するおそれがある。
マイクロプラスチックの発生又は生成を防止するには、海浜や河川敷にプラスチック製品の廃棄物がないようにすることが重要である。そのためには、海浜や河川敷に存在するプラスチック廃棄物を回収し、或いは除去する適切な装置が必要である。
特許文献3には、「ともに液体上に浮上する一方、浮力の異なる複数の固体物の分離を行う撹拌分離装置」が開示されている。
特許文献5に開示された発明は、「廃プラスチックを再利用する技術に係り、特に渦流等を発生させた貯留水に廃プラスチックの破砕片を投入して比重の違いによりプラスチック等の種類別に分離し、それぞれを回収する分離回収装置及びその分離回収方法」であり、「円筒形状の筒部(11)とその底側に形成された底部(13)とを有する貯留水(W)を貯留する分離用タンク(10)と、前記分離用タンク(10)の貯留水(W)中に廃プラスチック破砕片を投入する投入パイプ(20)と、前記分離用タンク(10)内の貯留水(W)に渦流を発生させる撹拌手段(31,40x)と、前記分離用タンク(10)の内壁に突設される高圧水を噴射するノズル(41)を有し、該分離用タンク(10)内の貯留水(W)の前記渦流の外側に上昇流を発生させるジェット水流ユニット(40,40x)と、を備えた、ことを特徴とする廃プラスチックの分離回収装置」である。
以上に紹介した特許文献に記載された発明は複数種類のプラスチックをそれらの比重の相違に基づいてプラスチックの種類ごとに分別する装置であり、また方法である。
(1) プラスチック廃物及び土砂の集合体と水とを収容することができ、上部に開口部を備えるとともにその開口部における上端縁辺の全周がプラスチック廃物を水と共に導出するプラスチック廃物導出手段である容器と、
前記容器を内部に設置する廃水受け容器と、
前記容器内に水を供給する水供給手段と、
前記容器内に収容された前記集合体を撹拌する撹拌手段と、
前記開口部の上端縁辺の全周に取り付けられるとともに、前記水供給手段により供給される水量によって前記容器から溢流するプラスチック廃物と水とを分離する分離手段とを備えることを特徴とするプラスチック廃物除去装置である。
この水供給手段3から容器2内に供給される水の流量は、略直方体である容器2における上端縁部から水が溢流するに十分な量で良い。
図1に示されるプラスチック廃物除去装置1においては、前記水供給手段3は、前記容器2の開口部を形成する上端縁辺から水が溢れ流れるように、容器2に水を供給し、また、一定量の水を容器2に供給した後に容器2への水の供給を停止することもできる。容器2への水の供給を一定時間停止すると、容器2内でプラスチック廃物9が水面に浮かび、土砂9Aとプラスチック廃物9との分離が達成され、次いで水10の供給を再開すると、容器2の上端縁辺から水10とともにプラスチック廃物9を容器1外に流し出すことができ、土砂9Aを水10とともに溢流させることがない。
したがって、この水供給手段3は、容器2に供給した水10を容器2の上端縁辺から溢流することができるように、一定時間水を供給し、一定時間の水供給の後に一定時間水の供給を停止することができるように形成するのが好ましい。
前記撹拌手段4は、長尺の回転軸4aとその先端に結合されたプロペラ型の撹拌羽根4bと前記回転軸4aの後端に結合されたモータ4cとを備え、図示しない制御装置により駆動されるモータ4cの回転により撹拌羽根4bが回転する。図1に示されるプラスチック廃物除去装置1は、実験的試験的な装置であるので、この撹拌手段4は、容器2とは別体になっている。
この撹拌手段4は、容器2内に供給された集合物8に回転力を与えて集合物8中の土砂9aとプラスチック廃物9とを分離することができる。さらに、撹拌手段3による回転力は、集合物8中の土砂9aが容器2内の水10の流動によって容器2の上端開口部近くにまで上昇しない程度に、調節するのが好ましい。
前記プラスチック廃物導出手段5は、容器2内に収容された集合物8中の土砂9aから分離して容器2内の水面に浮遊するプラスチック廃物9を容器2の外に水10とともに導出するように形成される。図1に示されるプラスチック廃物除去装置1においては、容器1の開口部における上端縁辺の全周がプラスチック廃物導出手段5を形成している。
前記分離手段6は、容器2の上端に開口する開口部における上端縁部から溢流する水とともに溢流するプラスチック廃物9を受け、溢流した水10とプラスチック廃物9とを分離するように形成される。図1に示される分離手段6は、金網で形成され、容器2の上端縁部全周に取り付けられる。この分離手段6は、この実施例では金網で形成されるが、水とプラスチック廃物とを受けて、水を通過させる一方、プラスチック廃物を通過させない部材で形成することができ、例えば濾布、濾紙等で形成することもできる。
図1において、10Aで示されるのは、容器2を内部に載置する廃水受け容器である。
水供給手段3から容器2内に水10を供給する。容器2の上端縁辺部から水10が溢れ出してもそのまま水10の供給を継続してもよく、容器2の上端縁辺部近くにまで水の水位が達すると水の供給を一旦停止しても良い。つまり、水供給手段3からの水供給は間欠的であっても良い。
次いで、撹拌手段4における撹拌羽根4bを容器2内の集合物8の中に挿入し、撹拌羽根4bを回転させる。
このとき、撹拌羽根4bで集合物8をゆっくりとかき混ぜるように撹拌羽根4bを回転させる。集合物8の緩慢なかき混ぜは、集合物8中の土砂9aが容器2内で水の液面近くにまで舞い上がらないようにするとともに、集合物8中の土砂9aとプラスチック廃物9とが分離する程度にするのが好ましい。水供給手段3から容器2内に水を供給し続けた状態で、土砂9aとプラスチック廃物9とが分離する程度に集合物8を撹拌羽根4bで撹拌すると、容器2内の水10中ではプラスチック廃物9が水面近くに浮かび上がってくる一方、集合物8中の土砂は水面近くにまで舞い上がらないので、水供給手段3からさらに水を供給し続けると、容器2の上端縁からあふれ出る水10とともにプラスチック廃物9が容器2の外に押し流される。
押し流されたプラスチック廃物9は、容器2の上端縁辺に装着した分離手段6の一例である金網に濾し取られる。金網を通過する水は廃水受け容器10Aに溜められる。
図2に示されるように、このプラスチック廃物除去装置11は、容器12と水供給手段13と撹拌手段14とプラスチック廃物導出手段15(15a、15b)と分離手段16とを有する。
この容器12の内容積は、特に制限がなく、この容器12で処理する集合物18の量に応じて適宜に決定することができる。また、この容器12における胴部12aの内径と軸線方向長さは、溢流口12eに至るまで水18cを収容した容器12内に収容した集合物18を撹拌手段14で撹拌した場合に、撹拌により水中で集合物18から舞い上がった土砂18bが軸線方向長さの途中で落下するように、決定することができる。言い換えると、撹拌手段14で集合物18を撹拌することにより水中で集合物18から舞い上がる土砂18bが溢流口12eから流出しない程度に、容器12の軸線方向の長さ、撹拌手段14による撹拌力、容器12に投入する集合物18の投入量を調節するのが好い。
前記可動型栓体12dは、図示しない駆動装置によって排出口12cを液密に封鎖しており、集合物18からプラスチック廃物18aを分離した後には、図示しない駆動装置によって排出口12cを開放するように排出口12cから退避する。図示しない駆動装置によって可動型栓体12が排出口12cから外れて下方に退避することにより排出口12cが開放されると、容器12内の底部12bに貯留する土砂が排出口12cを通って容器12の外に排出される。
この容器12の上端縁に形成された溢流口12eは、図2に示されるように、上端縁を切り欠いた構造となっている。
図2では、容器12の上端の開口部は蓋部材で閉鎖されていないが、必要に応じて上端の開口部に、これを閉鎖する蓋部材を取り付けておいても良い。
図2に示されるプラスチック廃物除去装置11は、海浜又は河川の例えば堰堤若しくは河川敷等に設置されることができるように設計されるので、この容器12を設置乃至固定する基体(図示せず。)に設置される。また、この撹拌手段14においては、回転軸14aの回転時に回転軸14aが振れないように回転軸14aには支持体(図示せず)により軸回転可能に支持されている。
この撹拌手段14が容器12内に供給された集合物18に回転力を与えて集合物18中の土砂18bとプラスチック廃物18aとを分離させるために、撹拌羽根14bの容器12内における配設位置は、容器12に投入された集合物18に埋もれる程度の位置である。また、別言すると、撹拌羽根14bを容器12の底面12b近くに配設したときには、容器12に投入する集合物18の量は、撹拌羽根14bが集合物18に埋もれる程度にするのが好ましい。要するに、容器12の溢流口12eから水が溢流する程度に容器12内に水を貯留した場合に、撹拌羽根14bで集合物18を撹拌すると、集合物18における土砂18bとプラスチック廃物18aとが分離してプラスチック廃物18aが水中を上昇する一方、水中で舞い上がった土砂18bの粒子が容器12の溢流口12eにまで到達しない程度に撹拌羽根14bの位置及び回転数、並びに集合物18の投入量が調節されていればよい。
貯水槽16bは、濾過面16dを透過した水を貯留するタンクであり、この実施例では、貯水槽16bに貯留された水が配管16eを介して容器12内に戻されるようになっている。図2において、P1及びP2は配管16eに介装されたポンプである。
容器12内に、水供給手段13により水を貯留する。
次いで、容器12内に集合物18を投入する。容器12内への集合物18の投入は、手作業で行ってもよく、またベルトコンベアーやホッパー等の投入装置(図示せず。)を利用して行っても良い。集合物18は砂浜や河川敷から収集することができる。集合物18の投入量は、容器12内における撹拌羽根14bを埋没させるに必要な量である。換言すると、集合物18の投入量が撹拌羽根14bを埋没させることのない量であると、撹拌羽根14bは集合物18の撹拌とともに、容器12内に貯留する水をも撹拌することになり、集合物18における土砂18bを水中に舞い上げることになって土砂18bとプラスチック廃物19aとをともにプラスチック廃物導出手段15に流出させてしまい。土砂18bとプラスチック廃物18aとの分離をすることができなくなる恐れがある。
撹拌手段14を駆動して集合物18を撹拌羽根14bで撹拌する。撹拌羽根14bで集合物18を撹拌すると、集合物18中のプラスチック廃物18aと土砂18bとが分離し、分離したプラスチック廃物18aが水18c内を上昇していく。水中を舞い上がった土砂18bは、自重により底部12bに沈降する。水中を上昇して水面に浮遊するに至ったプラスチック廃物18aは、水供給手段13により容器12に供給されるとともに容器12の溢流口12eから溢れ流れる水18cとともに、溢流排出案内路15cに送り出される。溢流排出案内路15cを流れ下るプラスチック廃物18aは篩部16aの濾過面16dで受け止められ、水は濾過面16dを透過して貯水槽16bに溜められる。貯水槽16bに溜められた水は配管16eを介して容器12に戻される。
以上のようにして、集合物18中に混じっていたプラスチック廃物18aは篩部16dに集められ、土砂から分離回収される。
邪魔板は、容器内で、集合物から舞い上がる土砂を容器の底面に戻す一方、邪魔板同士の間隙や邪魔板と容器の内壁面との間隙を通ってプラスチック廃物が容器内の水面に浮上するように形成される限り様々の態様を採用することができる。
以上にこの発明に係るプラスチック廃物除去装置の具体例について説明したが、この発明は前記具体例に限定されることがなく、この発明の構成に含まれる限り様々の形態をとることができる。
2 容器
3 水供給手段
4 撹拌手段
4a 回転軸
4b 撹拌羽根
4c モータ
5 プラスチック廃物導出手段
6 分離手段
8 集合物
9 プラスチック廃物
9a 土砂
10 水
10A 廃水受け容器
11 プラスチック廃物除装置
12 容器
12a 胴部
12b 底部
12c 排出部
12d 可動栓体
12e 溢流口
13 水供給手段
13a 配管
14 撹拌手段
14a 回転軸
14b 撹拌羽根
14c モータ
15,15a、15b プラスチック廃物導出手段
16 分離手段
16a 篩部
16b 貯水槽
16c 側壁部
16d 濾過面
16e 配管
18 集合物
18a プラスチック廃物
18b 土砂
18c 水
Claims (1)
- プラスチック廃物及び土砂の集合体と水とを収容することができ、上部に開口部を備えるとともにその開口部における上端縁辺の全周がプラスチック廃物を水と共に導出するプラスチック廃物導出手段である容器と、
前記容器を内部に設置する廃水受け容器と、
前記容器内に水を供給する水供給手段と、
前記容器内に収容された前記集合体を撹拌する撹拌手段と、
前記開口部の上端縁辺の全周に取り付けられるとともに、前記水供給手段により供給される水量によって前記容器から溢流するプラスチック廃物と水とを分離する分離手段とを備えることを特徴とするプラスチック廃物除去装置。
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