JPH08284202A - 水圧を利用した浚渫方法と浚渫船の構造 - Google Patents
水圧を利用した浚渫方法と浚渫船の構造Info
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- JPH08284202A JPH08284202A JP12418395A JP12418395A JPH08284202A JP H08284202 A JPH08284202 A JP H08284202A JP 12418395 A JP12418395 A JP 12418395A JP 12418395 A JP12418395 A JP 12418395A JP H08284202 A JPH08284202 A JP H08284202A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 水底から効率よく大量の浚渫を行い,また,
浚渫時に発生する濁水処理を容易にする。 【構成】 人為的な水圧差を水中に作る事によりサイフ
ォン効果を発生させ浚渫し,該土石流を比重差により水
と土石類を分別する。また,濁水を沈澱後に循環利用す
る。 【効果】 在来法に比較し数倍の浚渫を容易にし,濁水
の環境えの拡散防止と省エネルギー化を成し得た。
浚渫時に発生する濁水処理を容易にする。 【構成】 人為的な水圧差を水中に作る事によりサイフ
ォン効果を発生させ浚渫し,該土石流を比重差により水
と土石類を分別する。また,濁水を沈澱後に循環利用す
る。 【効果】 在来法に比較し数倍の浚渫を容易にし,濁水
の環境えの拡散防止と省エネルギー化を成し得た。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ダム.湖沼.港湾など
水底に堆積した土.砂.石類(以下土石類という)を、
人為的な水圧差を水中に作ることによりサイフォン効果
を発生させ大量の浚渫を行い,且つ,流動中に水と土石
類を分別処理し、発生する濁水の拡散防止を目的とした
浚渫方法と構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来工法のクラブ.バケット.デッパ
ー,ポンプ等の浚渫方法では深い水底がら効率よく大量
の浚渫を行う事はできず、又、浚渫時に発生する濁水処
理に対する効果的な方法がなく工法上において能力的に
限界があった。 【0003】従って,浚渫作業の遅れは水底に堆積しつ
づける土石類に対応できず,ダム.湖沼などは本来の機
能性が失われつつあり重大な問題になっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】よって,この発明にお
ける課題は,水底に堆積している土石類を少ないエネル
ギーと簡単な方法により効率よく大量に浚渫を行うこと
にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる課題は,水中に空
間部を作りサイフォン効果を動力源とした省エネルギー
化と,これによって発生する土石流体(固液二相流体=
固体と液体の混合流体)を流動中に比重差を利用して固
液二相を分別し、また、発生する濁水を再循環する事に
より問題を解決した。 【0006】 【作用】このような構造にあっては,まづ,水中に大気
に通じる空間部を人為的に構成し,任意の深さに沈めて
浚渫に必要な水圧差を作り,この空間部に水底の土石類
を水と共に吸引する。 【0007】また,水と土石類の混合流体(固液二相流
体)を分別する作業は,従来フルイなど機械的に行われ
ているが,本方法は水と土石類の比重差を利用する発想
により解決した。即ち、固液二相流体を横方向に流動さ
せる行程を設ける事により、流速と重さのベクトルによ
り重い土石類(固体)は下方に流動沈下し、水は水平方
向に流動し自然の原理において分別される。 【0008】 【実施例】図1は本発明の側面概念図であり,図2は平
面概念図を示す。図1に於て船体19に固定された軸1
を中心に内部にバケット付きベルトコンベアー9を設け
た空間ケース2が水中に突出しており,ケースの容積と
長さを必要に応じて設定し,軸1を中心に先端ポケット
部21を上下動26させ任意の深さに沈め外部との間に
浚渫に必要な水圧差を発生させ,また,ケース吊りロー
プ44等で安定させる。 【0009】上記,ケース2の上下動は付帯するフロー
ト10内へ給排水をするフロート調節ポンプ13によっ
て行なわれる。該フロートの空気抜き14,14’は連
通している。 【0010】従って,フロート10の浮力を変化させる
ことにより浅い水底,深い水底の浚渫に対応できポケッ
ト部21の深度により水圧を調節しサイフォン効果を発
生させる場をポケット内に作る。 【0011】このポケット部21にフレキシブル16の
吸込管3を付け、該先端部を水底に接触させ、吸込口7
から水流と共に土石類30は低圧のポケット部内21に
流動する。 【0012】送られる土石流体をポケット部の入口位置
31において、上面に設けられた遮蔽体29に添って水
平もしくは案内板39により下方に向けて流動させる。
この横方向えの移動は本浚渫方法の重要な構成の一つで
あり,流速により遮蔽体の長さと案内板の角度が決めら
れ、この流動区間において水と土石類は比重差により分
別される。 【0013】即ち,比重の大きな土石類は水平移動中に
下方に沈みポケット部21の下部に集積37する。一方
濁水は吐出口32より低圧領域のポケット内上方に向け
て流動するが、ポケット内の水位感知スイッチ28が水
位コントロールポンプ12に作用し、流動する濁水を沈
殿槽18に送る。従って、ポケット内は常に浚渫に必要
な空間を形成している。 【0014】上記のように,ポケット部内は水中では低
圧部であり,深く沈めることにより水圧差が大きくなる
ため土石類の吸引効果がよく,また、流速も大きくなる
ため土石類の沈降距離が長くなる。従って,流速に対応
して水平遮蔽体29の長さ、または案内板39の角度を
負角にして調節する。実験例として、石粒10mm前後
(±3mm)、流速3m/秒、混合比約15%の二相流
は、60cm前後の移動距離で分別でき、85cmでは
2mm迄の土砂が分別され、110cmでは1mm程度
の土砂類が分別できた。それ以下の微粒子は浮遊し濁水
として水平方向に流動した。 【0015】このようにして分別された土石類は下部3
7に集められ開口部40より下のバケット付きコンベア
ーベルト9に移され空間ケース2内を上昇し,土石用コ
ンテナ36に集積される。 【0016】(実施例2)図2は平面略図で船体19の
中央位置にベルトコンベア9を内蔵したケース体2を設
け、該ケース体の一端を浚渫船の前方部に設けた軸1に
連結し保持する。このケース体は船体の中央に位置し、
自由動する軸で支える構造により、上下動の波浪を吸収
してクション性が良くケース体の動揺を少なくする構造
である。 【0017】浚渫船19は左右に各々独立したスクリュ
ー20がつけられ,任意に回転させる事ができる構造に
より,旋回半径が小さく沿岸付近においての操作が容易
である。また浚渫船の動力源は熱機関と熱機関による発
電機を搭載するが、陸地または湖内に設けた固定基地か
らロープで牽引する方法を併用してもよい。 【0018】図2においては吸込管3を6本並列に示し
ているが,本発明は吸込管の取付け本数を必要に応じて
自由に増減できる構成により、従来は不可能であった大
量の浚渫を一度に数米の巾で作業する事を可能にした,
また浚渫される土石流体の土砂分別処理は上記〔001
2〕〔0013〕の方法により容易にでき、分別された
土石類は搬送方法の中でも搬送効率の高いベルトコンベ
アーを用いて外部に搬出する。従って、大量の浚渫能力
と処理能力が均衡した構造である。 【0019】図1,図2に示す吸込管3の先端部に,吸
込口7を囲むドーム状のフレキシブル33な縁付き吸込
口カバー4が付けられ,カバーの縁38は水底土砂類の
上を覆いスライドさせる。この縁によりカバー内の水流
が集中でき効率のよい浚渫ができる。この吸込口カバー
4を吸込管3に各々独立して付け,吸込管に異状が発生
したとき,吸込管に付帯するフロート6をフロート調節
ポンプ13につながる管27より空気または水を吸排水
し水上に浮かべ修理点検を行う,またフロートには空気
抜き15,15’が連通しており浮上,降下を容易に行
う。その他、フロートの重要な目的は吸込管3の重量を
調節し,吸込口7を一定の重さで水底に接地させる事に
より固液二相流体の混合比率を安定化させる事にある。 【0020】(実施例3)図3に示す吸込管3先端部に
設けるカバー4は、吸込管の吸込口7が吸引中水底に必
要以上にめり込む事を防ぐと共に,二次水として循環水
吐出管8より内部に噴出される濁水の拡散防止をする。
この構造と方法は、従来問題とされていた浚渫時に発生
する濁水を処理循環させる事により解決したもので、濁
水の拡散防止に有効である。また、吸込管3の吸込口に
設けるフィルター41は水流方向に添って狭い間隔にし
中心部を開口42する。この形状は土石類の吸込量の定
量化と土石類、布、ヒモなどの詰まり防止に効果的であ
り、後方の縁は個々に独立しており上下動し水底に接地
する垂れ板43で、浚渫後にできる凹みに接地する。矢
印は水流と浚渫船の進行方向を示す。 【0021】(実施例4)カバー内に噴出される二次水
は沈澱槽18に送られた濁水の上澄み水で、循環水用ポ
ンプ11により加圧され,高圧水にして水底の土石類に
力学的エネルギーとして伝達し浚渫効率を上げる。複数
の沈澱槽は船体の一部で左右均等に設けられ、前記、分
別された濁水を経時的に沈澱しその上水を循環水として
使用する方法は〔0020〕(実施例3)に関連する構
成の一部である。 【0022】(実施例5)また,水底の固くなった土石
層をほぐす手段として、図3に一例を示すように吸込管
3の先端部に電磁コイル5等の振動体をつけ土石類に振
動を伝達する。交流電磁コイルの振動(50〜60ヘル
ツ)でコイル体に付けた掘削刃23による実験におい
て、吸込口周辺の土石層は振動により分離し吸い込み効
率を上げることができた。また、振動モータに於ても同
様な効果が得られた。 【0023】(実施例6)吸い込み中,水と土石類の混
合比率が大きくなると管内の土石詰り現象が発生する。
これを防止する方法として,吸い込み管の側面に水量調
節孔35を設け,開閉を行い混合比率を調節する。この
方法により管内の土石類の詰りを少なくすることができ
た。 【0024】(実施例7)ポケット21内部の一定した
空間部分はサイホン効果を持続させ浚渫を継続させるた
めの必須条である。従って,水位感知スイッチ28が水
位調節ポンプ12に連動作用し、常にポケット21内部
で一定水位に保つよう構成される。該ポンプの能力は吸
込管の本数によって決めるが,土石類を含まない濁水の
みのポンプアップは大量の処理ができ効率よく運転でき
る。 【0025】(実施例8)また沈澱槽18は複数常設し
順次濁水を入れ、経時的にその上水を循環用水として再
利用する構成は、浚渫時に発生する濁水対策として特に
有効な結果が得られた。 【0026】(実施例9)浚渫船19の移動方向に対し
て,空間ケース体2とそれに連結している浚渫管3は浚
渫中常時角度を付けて水底に接地し牽引される。この角
度をつけた牽引方法の利点は凹凸に対してクッション性
があり,且つ、浚渫管3の吸込口7の接地圧がフロート
10,6の操作により容易にコントロールできるため安
定した接地をする。従って、走行作業においては水底に
添って上下動し土石類をほぼ定量的に浚渫する。この方
法における浚渫深度は船の移動速度により調節できる。 【0027】(実施例10)上記の作業を行うとき波浪
の影響を考慮した。即ち,船体19,空間ケース体2,
吸込管3をそれぞれフレキシブルに動くように構成する
ため,全体のクッション性が良く、特に上下の波浪エネ
ルギーを吸収するため吸込口の接地圧えの変動が少なく
浚渫作業が安定的に行える。 【0028】(実施例11)作業中におけるケース体2
の上下動はフロート10によって行われる。この作用と
構成は,前記の吸込管3に付けられたフロート6と同じ
であり,空気抜き14,14’が連通しておりフロート
調節ポンプ13によって給排水を行う。従来の機械的な
方法による操作と違い大きい装置を必要とせず上下動を
浮力により容易に行うことができる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように,本発明の構成によ
れば在来法ではできなかった大量の浚渫を,サイホン効
果を発生させる場を作りその圧力差を利用して,従来の
数倍に及ぶ浚渫を可能にし、また,浚渫した土石を流動
中に分別し,発生する濁水を循環処埋する方法により環
境えの拡散防止と省エネルギーによる浚渫を可能にした
有益性の大きな方法とその構造である。
水底に堆積した土.砂.石類(以下土石類という)を、
人為的な水圧差を水中に作ることによりサイフォン効果
を発生させ大量の浚渫を行い,且つ,流動中に水と土石
類を分別処理し、発生する濁水の拡散防止を目的とした
浚渫方法と構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来工法のクラブ.バケット.デッパ
ー,ポンプ等の浚渫方法では深い水底がら効率よく大量
の浚渫を行う事はできず、又、浚渫時に発生する濁水処
理に対する効果的な方法がなく工法上において能力的に
限界があった。 【0003】従って,浚渫作業の遅れは水底に堆積しつ
づける土石類に対応できず,ダム.湖沼などは本来の機
能性が失われつつあり重大な問題になっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】よって,この発明にお
ける課題は,水底に堆積している土石類を少ないエネル
ギーと簡単な方法により効率よく大量に浚渫を行うこと
にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる課題は,水中に空
間部を作りサイフォン効果を動力源とした省エネルギー
化と,これによって発生する土石流体(固液二相流体=
固体と液体の混合流体)を流動中に比重差を利用して固
液二相を分別し、また、発生する濁水を再循環する事に
より問題を解決した。 【0006】 【作用】このような構造にあっては,まづ,水中に大気
に通じる空間部を人為的に構成し,任意の深さに沈めて
浚渫に必要な水圧差を作り,この空間部に水底の土石類
を水と共に吸引する。 【0007】また,水と土石類の混合流体(固液二相流
体)を分別する作業は,従来フルイなど機械的に行われ
ているが,本方法は水と土石類の比重差を利用する発想
により解決した。即ち、固液二相流体を横方向に流動さ
せる行程を設ける事により、流速と重さのベクトルによ
り重い土石類(固体)は下方に流動沈下し、水は水平方
向に流動し自然の原理において分別される。 【0008】 【実施例】図1は本発明の側面概念図であり,図2は平
面概念図を示す。図1に於て船体19に固定された軸1
を中心に内部にバケット付きベルトコンベアー9を設け
た空間ケース2が水中に突出しており,ケースの容積と
長さを必要に応じて設定し,軸1を中心に先端ポケット
部21を上下動26させ任意の深さに沈め外部との間に
浚渫に必要な水圧差を発生させ,また,ケース吊りロー
プ44等で安定させる。 【0009】上記,ケース2の上下動は付帯するフロー
ト10内へ給排水をするフロート調節ポンプ13によっ
て行なわれる。該フロートの空気抜き14,14’は連
通している。 【0010】従って,フロート10の浮力を変化させる
ことにより浅い水底,深い水底の浚渫に対応できポケッ
ト部21の深度により水圧を調節しサイフォン効果を発
生させる場をポケット内に作る。 【0011】このポケット部21にフレキシブル16の
吸込管3を付け、該先端部を水底に接触させ、吸込口7
から水流と共に土石類30は低圧のポケット部内21に
流動する。 【0012】送られる土石流体をポケット部の入口位置
31において、上面に設けられた遮蔽体29に添って水
平もしくは案内板39により下方に向けて流動させる。
この横方向えの移動は本浚渫方法の重要な構成の一つで
あり,流速により遮蔽体の長さと案内板の角度が決めら
れ、この流動区間において水と土石類は比重差により分
別される。 【0013】即ち,比重の大きな土石類は水平移動中に
下方に沈みポケット部21の下部に集積37する。一方
濁水は吐出口32より低圧領域のポケット内上方に向け
て流動するが、ポケット内の水位感知スイッチ28が水
位コントロールポンプ12に作用し、流動する濁水を沈
殿槽18に送る。従って、ポケット内は常に浚渫に必要
な空間を形成している。 【0014】上記のように,ポケット部内は水中では低
圧部であり,深く沈めることにより水圧差が大きくなる
ため土石類の吸引効果がよく,また、流速も大きくなる
ため土石類の沈降距離が長くなる。従って,流速に対応
して水平遮蔽体29の長さ、または案内板39の角度を
負角にして調節する。実験例として、石粒10mm前後
(±3mm)、流速3m/秒、混合比約15%の二相流
は、60cm前後の移動距離で分別でき、85cmでは
2mm迄の土砂が分別され、110cmでは1mm程度
の土砂類が分別できた。それ以下の微粒子は浮遊し濁水
として水平方向に流動した。 【0015】このようにして分別された土石類は下部3
7に集められ開口部40より下のバケット付きコンベア
ーベルト9に移され空間ケース2内を上昇し,土石用コ
ンテナ36に集積される。 【0016】(実施例2)図2は平面略図で船体19の
中央位置にベルトコンベア9を内蔵したケース体2を設
け、該ケース体の一端を浚渫船の前方部に設けた軸1に
連結し保持する。このケース体は船体の中央に位置し、
自由動する軸で支える構造により、上下動の波浪を吸収
してクション性が良くケース体の動揺を少なくする構造
である。 【0017】浚渫船19は左右に各々独立したスクリュ
ー20がつけられ,任意に回転させる事ができる構造に
より,旋回半径が小さく沿岸付近においての操作が容易
である。また浚渫船の動力源は熱機関と熱機関による発
電機を搭載するが、陸地または湖内に設けた固定基地か
らロープで牽引する方法を併用してもよい。 【0018】図2においては吸込管3を6本並列に示し
ているが,本発明は吸込管の取付け本数を必要に応じて
自由に増減できる構成により、従来は不可能であった大
量の浚渫を一度に数米の巾で作業する事を可能にした,
また浚渫される土石流体の土砂分別処理は上記〔001
2〕〔0013〕の方法により容易にでき、分別された
土石類は搬送方法の中でも搬送効率の高いベルトコンベ
アーを用いて外部に搬出する。従って、大量の浚渫能力
と処理能力が均衡した構造である。 【0019】図1,図2に示す吸込管3の先端部に,吸
込口7を囲むドーム状のフレキシブル33な縁付き吸込
口カバー4が付けられ,カバーの縁38は水底土砂類の
上を覆いスライドさせる。この縁によりカバー内の水流
が集中でき効率のよい浚渫ができる。この吸込口カバー
4を吸込管3に各々独立して付け,吸込管に異状が発生
したとき,吸込管に付帯するフロート6をフロート調節
ポンプ13につながる管27より空気または水を吸排水
し水上に浮かべ修理点検を行う,またフロートには空気
抜き15,15’が連通しており浮上,降下を容易に行
う。その他、フロートの重要な目的は吸込管3の重量を
調節し,吸込口7を一定の重さで水底に接地させる事に
より固液二相流体の混合比率を安定化させる事にある。 【0020】(実施例3)図3に示す吸込管3先端部に
設けるカバー4は、吸込管の吸込口7が吸引中水底に必
要以上にめり込む事を防ぐと共に,二次水として循環水
吐出管8より内部に噴出される濁水の拡散防止をする。
この構造と方法は、従来問題とされていた浚渫時に発生
する濁水を処理循環させる事により解決したもので、濁
水の拡散防止に有効である。また、吸込管3の吸込口に
設けるフィルター41は水流方向に添って狭い間隔にし
中心部を開口42する。この形状は土石類の吸込量の定
量化と土石類、布、ヒモなどの詰まり防止に効果的であ
り、後方の縁は個々に独立しており上下動し水底に接地
する垂れ板43で、浚渫後にできる凹みに接地する。矢
印は水流と浚渫船の進行方向を示す。 【0021】(実施例4)カバー内に噴出される二次水
は沈澱槽18に送られた濁水の上澄み水で、循環水用ポ
ンプ11により加圧され,高圧水にして水底の土石類に
力学的エネルギーとして伝達し浚渫効率を上げる。複数
の沈澱槽は船体の一部で左右均等に設けられ、前記、分
別された濁水を経時的に沈澱しその上水を循環水として
使用する方法は〔0020〕(実施例3)に関連する構
成の一部である。 【0022】(実施例5)また,水底の固くなった土石
層をほぐす手段として、図3に一例を示すように吸込管
3の先端部に電磁コイル5等の振動体をつけ土石類に振
動を伝達する。交流電磁コイルの振動(50〜60ヘル
ツ)でコイル体に付けた掘削刃23による実験におい
て、吸込口周辺の土石層は振動により分離し吸い込み効
率を上げることができた。また、振動モータに於ても同
様な効果が得られた。 【0023】(実施例6)吸い込み中,水と土石類の混
合比率が大きくなると管内の土石詰り現象が発生する。
これを防止する方法として,吸い込み管の側面に水量調
節孔35を設け,開閉を行い混合比率を調節する。この
方法により管内の土石類の詰りを少なくすることができ
た。 【0024】(実施例7)ポケット21内部の一定した
空間部分はサイホン効果を持続させ浚渫を継続させるた
めの必須条である。従って,水位感知スイッチ28が水
位調節ポンプ12に連動作用し、常にポケット21内部
で一定水位に保つよう構成される。該ポンプの能力は吸
込管の本数によって決めるが,土石類を含まない濁水の
みのポンプアップは大量の処理ができ効率よく運転でき
る。 【0025】(実施例8)また沈澱槽18は複数常設し
順次濁水を入れ、経時的にその上水を循環用水として再
利用する構成は、浚渫時に発生する濁水対策として特に
有効な結果が得られた。 【0026】(実施例9)浚渫船19の移動方向に対し
て,空間ケース体2とそれに連結している浚渫管3は浚
渫中常時角度を付けて水底に接地し牽引される。この角
度をつけた牽引方法の利点は凹凸に対してクッション性
があり,且つ、浚渫管3の吸込口7の接地圧がフロート
10,6の操作により容易にコントロールできるため安
定した接地をする。従って、走行作業においては水底に
添って上下動し土石類をほぼ定量的に浚渫する。この方
法における浚渫深度は船の移動速度により調節できる。 【0027】(実施例10)上記の作業を行うとき波浪
の影響を考慮した。即ち,船体19,空間ケース体2,
吸込管3をそれぞれフレキシブルに動くように構成する
ため,全体のクッション性が良く、特に上下の波浪エネ
ルギーを吸収するため吸込口の接地圧えの変動が少なく
浚渫作業が安定的に行える。 【0028】(実施例11)作業中におけるケース体2
の上下動はフロート10によって行われる。この作用と
構成は,前記の吸込管3に付けられたフロート6と同じ
であり,空気抜き14,14’が連通しておりフロート
調節ポンプ13によって給排水を行う。従来の機械的な
方法による操作と違い大きい装置を必要とせず上下動を
浮力により容易に行うことができる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように,本発明の構成によ
れば在来法ではできなかった大量の浚渫を,サイホン効
果を発生させる場を作りその圧力差を利用して,従来の
数倍に及ぶ浚渫を可能にし、また,浚渫した土石を流動
中に分別し,発生する濁水を循環処埋する方法により環
境えの拡散防止と省エネルギーによる浚渫を可能にした
有益性の大きな方法とその構造である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例を説明する概略側面図である。
【図2】この発明の一例を説明する概略平面図である。
【図3】この発明の吸込管の開口部分を示す概略図であ
る。 【符号の説明】 1 軸 2 ケース 3 吸込管 4 吸込口カバー 5 電磁コイル 6 吸込管のフロート 7 吸込口 8 循環水吐出管 9 ベルトコンベアー 10 フロート 11 循環水用ポンプ 12 水位コントロールポンプ 13 フロート調節ポンプ 14,14’ 空気抜き 15,15’ 〃 16 フレキシブル管 17 沈澱砂 18 沈澱槽 19 船体 20 スクリュー 21 ポケット部 22 ポンプ13につながる給排水管 23 掘削体 24 空間部 25 フロートによる上下動 26 フロートによる上下動 27 ポンプ13につながる管 給排水管 28 水位感知スイッチ 29 遮蔽体 30 土石類 31 ポケット部の入口 32 吐出口 33 フレキシブルな部分 34 循環水 35 水量調節孔 36 土石用コンテナー 37 土石類集積部 38 カバーの渕 39 案内板 40 開口部 41 フィルター 42 フィルター先端の開口部 43 垂れ板 44 ケース吊りロープ
る。 【符号の説明】 1 軸 2 ケース 3 吸込管 4 吸込口カバー 5 電磁コイル 6 吸込管のフロート 7 吸込口 8 循環水吐出管 9 ベルトコンベアー 10 フロート 11 循環水用ポンプ 12 水位コントロールポンプ 13 フロート調節ポンプ 14,14’ 空気抜き 15,15’ 〃 16 フレキシブル管 17 沈澱砂 18 沈澱槽 19 船体 20 スクリュー 21 ポケット部 22 ポンプ13につながる給排水管 23 掘削体 24 空間部 25 フロートによる上下動 26 フロートによる上下動 27 ポンプ13につながる管 給排水管 28 水位感知スイッチ 29 遮蔽体 30 土石類 31 ポケット部の入口 32 吐出口 33 フレキシブルな部分 34 循環水 35 水量調節孔 36 土石用コンテナー 37 土石類集積部 38 カバーの渕 39 案内板 40 開口部 41 フィルター 42 フィルター先端の開口部 43 垂れ板 44 ケース吊りロープ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 バケット付ベルトコンベアなと搬送装置
を筒状ケース内に納め、該ケースの一端を空間ポケット
状にして囲い他端開口側を船体の支点軸に連結し、該ケ
ース体のポケット側を給排水構造のフロートにより任意
に沈め水圧差を作り、該先端ポケット部より土石類を浚
渫するフレキシブルな吸込管を出し、この先端部分を縁
の広いドーム状カバーで囲い、該内部に二次水を噴出さ
せる管を付け、また、先端部に電磁コイルなど振動体を
設けた吸込管に、給排水構造のフロートを付けて構成し
た浚渫船の構造において、吸込管の重さをフロートで制
御し水底に接地させ、傾けた状態で二次水と振動を与え
引きずりながら移動し,土石類を水圧差により空間ポケ
ット内に吸引することを特徴とした浚渫方法。 【請求項2】 特許〔請求項1〕記載のポケット内部に
浚渫土石流体(固液二相流体)を水平方向に流動させる
行程を設け、固体、液体の比重差を利用し該ポケット内
で分別し土石類(固相)を沈め,該集積土石類をバケッ
ト付きベルト・コンベアにより船上に搬送し,濁り水
(液相)を沈澱槽に送り経時的に沈澱させた上澄み水を
〔請求項1〕記載の二次水として噴出し、土石類の吸引
水として再循環する濁り水拡散防止方法と、浚渫土石流
体(固液二相流体)の比重差による分別方法。 【請求項3】特許〔請求項1〕〔請求項2〕記載の方法
と構造に於て吸込管を複数使用して行う浚渫方法。 【請求項4】 船体を2双とした該中間部において、特
許〔請求項1〕〔請求項2〕〔請求項3〕記載の方法を
行う浚渫船の構造。 【請求項5】 船体移動を複数のスクリューまたは固定
基地より牽引して行う浚渫方法。 【請求項6】 特許〔請求項1〕の吸込管開口部につけ
るフィルターを水流方向に添って狭い間隔にし,該中心
部を開口した形状のフィルター構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12418395A JP2838054B2 (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 水圧を利用した浚渫方法と浚渫船の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12418395A JP2838054B2 (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 水圧を利用した浚渫方法と浚渫船の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08284202A true JPH08284202A (ja) | 1996-10-29 |
JP2838054B2 JP2838054B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=14879041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12418395A Expired - Fee Related JP2838054B2 (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 水圧を利用した浚渫方法と浚渫船の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2838054B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107059970A (zh) * | 2016-11-11 | 2017-08-18 | 浙江水利水电学院 | 一种湖泊淤泥的清理装置及其清理方法 |
CN109403404A (zh) * | 2018-10-29 | 2019-03-01 | 广州科奥版权服务有限公司 | 一种具有自清洁功能的抽沙清淤设备 |
CN109868856A (zh) * | 2019-04-01 | 2019-06-11 | 谢一航 | 小型水库箱式灌渠排沙装置 |
CN112392087A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-02-23 | 高峰 | 一种环境治理用河道污泥处理装置及方法 |
CN113062390A (zh) * | 2021-04-02 | 2021-07-02 | 蚌埠市神舟机械有限公司 | 绞吸式挖泥船用自适应双绞刀装置 |
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-
1995
- 1995-04-13 JP JP12418395A patent/JP2838054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2838054B2 (ja) | 1998-12-16 |
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