JP6846179B2 - 医療用粘着フィルム - Google Patents
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Description
基材2は、ポリウレタンからなる。ポリウレタンは、熱、湿気、光等によってポリウレタン組成物を硬化させたものである。
ポリオール成分としては特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらは1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上で併用されてもよい。
ポリイソシアネート成分としては特に限定されず、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等のジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上で併用されてもよい。
ポリウレタン組成物は、更に、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤によれば、ポリウレタンの硬度が低くなるため、基材2の柔軟性を高めることができる。
ポリウレタン組成物は、更に、触媒を含有していてもよい。触媒としては、ウレタン化反応に用いられる触媒であれば特に限定されず、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
「ガラス転移温度幅(単位:℃)」=「ガラス転移終了温度(単位:℃)」−「ガラス転移開始温度(単位:℃)」 (1)
ガラス転移開始温度及びガラス転移終了温度は、示差走査熱量測定により得られるDSCチャートにおいて決定される。まず、図2に示すように、DSCチャートにおいて、低温側のベースラインを高温側に延長した直線L1と、変曲点P0(ガラス転移点:図2においては、上に凸の曲線が下に凸の曲線に変わる点)での接線L0とを引き、両線の交点P1に対応する温度T1(単位:℃)を「ガラス転移開始温度」とする。次に、図2に示すように、DSCチャートにおいて、高温側のベースラインを低温側に延長した直線L2と、変曲点P0での接線L0とを引き、両線の交点P2に対応する温度T2(単位:℃)を「ガラス転移終了温度」とする。そして、「ガラス転移温度幅」をT2−T1(単位:℃)として算出する。昇温時にガラス転移が発生すれば、DSCチャートにおいてベースラインが下側(縦軸の負側)にシフトする。
「基材2の寸法変化率(単位:%)」=100−100×「水に浸漬させた後の切り込み長さ(単位:mm)」/30(単位:mm) (2)
「基材2の寸法変化率」>0である場合は、水に浸漬させたときに、試験片(基材2)が収縮することを意味する。一方、「基材2の寸法変化率」<0である場合は、水に浸漬させたときに、試験片(基材2)が膨張することを意味する。基材2の寸法変化率は、少なくとも一方向(特に、基材2の幅方向:例えば、カレンダー成形時の基材2の短手方向に相当)におけるものであればよい。ここで、「基材2の寸法変化率がX%以下である」とは、上記式(2)による算出値の絶対値がX%以下であることを意味する。
粘着剤層3は、薬剤成分を含有する。薬剤成分としては特に限定されず、例えば、ケトプロフェン、インドメタシン、サリチル酸グリコール、フェルビナク、ジフェンヒドラミン等が挙げられる。
A1:東ソー社製の「ニッポラン(登録商標) 5138」
A2:東ソー社製の「ニッポラン 5111」
A3:東ソー社製の「ニッポラン 5199」
A4:DIC社製の「クリスボン(登録商標) NYT−18」
A5:DIC社製の「クリスボン NY−373」
A6:DIC社製の「UST−135」
A7:大日精化工業社製の「ハイムレン(登録商標) Y−210B」
B1:久光製薬社製の「モーラステープ(登録商標)」(薬剤成分:ケトプロフェン)
B2:テイカ製薬社製の「アコニップパップ」(薬剤成分:インドメタシン)
まず、ポリウレタン組成物A1を、別途準備したポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の表面上に、コンマコーターを用いて塗工した後、乾燥させた。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離することによって、基材を作製した。ダイヤルゲージ(測定子の直径:5mm)を用いて測定したところ、基材の厚みは15μmであった。
基材の材料(ポリウレタン組成物)を表1及び表2に示すように変更したこと以外、実施例1と同様にして、各例の医療用粘着フィルムを製造した。
各例の医療用粘着フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
医療用粘着フィルムの基材に対して、日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC6200」を用いて示差走査熱量測定を行った。示差走査熱量測定は、試験片(重量:約10mg)を、窒素雰囲気(流量:30ml/min)下、昇温速度20℃/minで−130℃から250℃まで昇温させて行われた。示差走査熱量測定の結果を以下に例示する。
まず、図3に示すように、DSCチャートにおいて、低温側のベースラインを高温側に延長した直線L1と、変曲点P0での接線L0とを引き、両線の交点P1に対応する温度T1(単位:℃)を「ガラス転移開始温度」とした。次に、図3に示すように、DSCチャートにおいて、高温側のベースラインを低温側に延長した直線L2と、変曲点P0での接線L0とを引き、両線の交点P2に対応する温度T2(単位:℃)を「ガラス転移終了温度」とした。そして、「ガラス転移温度幅」をT2−T1=15.4(単位:℃)として算出した。
DSCチャートに対して、日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC6200」に付属の解析用プログラム「EXSTAR」を用いて、ガラス転移に由来するエネルギーを0.29mJ/℃・mgとして算出した。
仕様1及び仕様2で製造された医療用粘着フィルムを、各々、アルミニウム製の袋の中に入れ、温度60℃の環境下で3週間放置した(加速試験を行った)。その後、医療用粘着フィルムの基材の表面状態を目視観察した。判定基準は、下記の通りとした。
5:表面状態に変化がなく、非常に良好であった(シワ、変色等の発生がなかった)。
4:表面状態にほとんど変化がなく、良好であった(シワ、変色等の発生がほとんどなかった)。
3:表面状態に若干変化があった(シワ、変色等が若干発生した)。
2:表面状態に変化があった(シワ、変色等が発生した)。
1:表面状態に顕著な変化があった(シワ、変色等が顕著に発生した)。
医療用粘着フィルムの基材の表面(粘着剤層とは反対側の表面)を手で触り、その触感を評価した。判定基準は、下記の通りとした。
◎:つっぱり感がなく、表面が非常に滑らかであった。
○:つっぱり感がなく、表面が滑らかであった。
△:つっぱり感があり、表面が若干滑らかではなかった。
×:つっぱり感が非常にあり、表面が滑らかではなかった。
耐水性としては、基材の寸法変化率を評価した。図5は、基材の寸法変化率の評価方法の説明図である。図5に示すように、医療用粘着フィルムの基材2から切り出された50mm角の試験片10aに対して、両端から10mmの余白を残して、一方向(基材2の幅方向:基材2の短手方向に相当)に長さ30mmの切り込みを入れた。そして、切り込みを入れた試験片10aを、温度23±5℃の環境下で水に1週間浸漬させた。その後、試験片10aを水から取り出して水気を拭いてから、切り込み長さ(水に浸漬させた後の切り込み長さ)をノギスで測定し、下記式(2)により基材2の寸法変化率を算出した。
「基材2の寸法変化率(単位:%)」=100−100×「水に浸漬させた後の切り込み長さ(単位:mm)」/30(単位:mm) (2)
引張物性としては、基材の100%モジュラス、及び、基材の伸びを評価した。
医療用粘着フィルムの基材を、自動記録型引張試験機を用いて幅方向に100%伸長させたときの荷重を「100%モジュラス」(単位:MPa)とした。図6は、基材の100%モジュラスの測定方法の説明図である。まず、図6に示すように、医療用粘着フィルムの基材2から切り出された試験片10b(長さ:180mm、幅:19mm)をチャック11で両側から挟んだ。標線間距離は50mm、チャック間距離は100mmであった。そして、試験片10bを、温度23±2℃、引張速度300mm/minの条件下で、長手方向(基材2の幅方向に相当)に伸長させた。ここで、100%モジュラスが0.1〜15MPaである場合、医療用粘着フィルムは医療用途に適した柔軟性を有すると判断した。
100%モジュラスを測定する際と同様な方法及び条件にて、医療用粘着フィルムの基材を幅方向に伸長させ、破断したときの試験片の伸長率を「伸び」(単位:%)とした。ここで、伸びが350%以上である場合、医療用粘着フィルムは医療用途に適した柔軟性を有すると判断した。
2:基材
3:粘着剤層
10a、10b:試験片
11:チャック
T1:ガラス転移開始温度
T2:ガラス転移終了温度
L0:DSCチャートにおける接線(変曲点P0での接線)
L1、L2:DSCチャートにおけるベースラインを延長した直線
P0:DSCチャートにおける変曲点(ガラス転移点)
P1:接線L0と直線L1との交点
P2:接線L0と直線L2との交点
Claims (7)
- ポリウレタンからなる基材と、
前記基材と接し、かつ、薬剤成分及びアクリル系ポリマーを含有する粘着剤層とを備え、
前記基材の示差走査熱量測定を行ったときに、ガラス転移温度幅は23℃以下であり、かつ、ガラス転移に由来するエネルギーは0.5mJ/℃・mg以下であることを特徴とする医療用粘着フィルム。 - 前記粘着剤層は、ホットメルト型粘着層であることを特徴とする請求項1に記載の医療用粘着フィルム。
- 前記粘着剤層は、160℃における溶融粘度が8000〜40000m・Pa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用粘着フィルム。
- 前記基材を水に浸漬させたときの寸法変化率は、5%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用粘着フィルム。
- 前記基材の100%モジュラスは、0.1〜15MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療用粘着フィルム。
- 前記基材の伸びは、350%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医療用粘着フィルム。
- 前記基材の厚みは、1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の医療用粘着フィルム。
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