JP2022000336A - フレキシブルディスプレイ用カバーフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性と、耐擦傷性及び、鉛筆硬度、耐溶剤性との両立を課題とする。【解決手段】本発明のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルムは、厚さ1μm以上200μm以下の表層と、前記表層に接する厚さ20μm以上1000μm以下の下層とを有し、前記表層が、主剤と、硬化剤と、滑性付与剤とを含む樹脂組成物から形成される硬化物であり、前記主剤が、ポリオール又はポリオールとポリイソシアネートとの反応物であって水酸基を有するものであるポリマーを含み、前記ポリオールが、液状ポリカーボネートポリオールを含み、前記硬化剤が、ポリイソシアネート化合物を含み、前記滑性付与剤が、式(1)で表される化合物を含み、[化1][R1、R2は、メチル基又は水酸基。nは、1〜3,000の整数。]前記下層は、二液硬化型ウレタン樹脂組成物の硬化物を含み、100%伸長時の引張応力3MPa以上、伸び率10%以上、破断強度20MPa以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルディスプレイ用カバーフィルムに関する。
フレキシブルディスプレイ(Flexible Display)は柔軟な基板を用いた損傷なく撓めるか曲げるか巻くことができるディスプレイをいう。このようなフレキシブルディスプレイはプラスチック素材またはプラスチックフィルムなどを基板として使用するので軽く、厚さが薄いだけでなく、衝撃にも壊れない長所がある。これによって、モバイル機器用ディスプレイとしての採択が検討されており、曲げるなどディスプレイ形状を変形することができるため、今後生活用品や自動車分野などに拡散する場合、爆発的な需要が期待される未来有望産業である。
現在知られたフレキシブルディスプレイにはカバーウィンドウとしてガラスや高弾性率樹脂が使用されているが、何れのカバーウィンドウにおいても、柔軟性と共に、耐擦傷性と、耐溶剤性とを備えた上で、高い鉛筆硬度を達成することはできていない。
フレキシブルディスプレイが携帯用ディスプレイ装置などの多様な分野で商用化されるためには、外部から加えられる圧力や力によって壊れないだけでなく、十分に曲がり折り畳まれる程度の柔軟性を有しなければならない。同時に、耐擦傷性と、耐溶剤性とを備えた上で、高い鉛筆硬度を備えていなければならない。なお、高い鉛筆硬度を備えることはすなわち、引っかきによる傷がつきにくいことを示す。
こうした特性を達成するため、フレキシブルディスプレイ用カバーフィルムには、外部からの機械的、物理的、化学的影響による製品の損傷の保護が可能であることが求められており、多様な研究開発が行なわれている。
特開2016−2764号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性と共に、耐擦傷性と、耐溶剤性とを備えた上で、高い鉛筆硬度を達成することを課題とする。
従来では、耐擦傷性を向上するため、フィルムの弾性率高める試みが多くなされていた。しかし、フィルムの弾性率を高めた場合、柔軟性との両立において、フィルム自体の弾性率に上限があるうえ、いったん樹脂が破壊されると形状が回復しないため傷が残り、結果として、柔軟性を維持しつつ十分に耐擦傷性を向上することはできなかった。本発明者らは、こうした従来からのフィルムの弾性率を高める試みとは異なる発想で、フィルムの変形回復率を高めることで高い柔軟性と充分な耐擦傷及び、高い鉛筆硬度とを両立することを着想した。
そして、表層に用いるポリオール成分として25℃で液状のポリカーボネートジオールを使用し、ソフトセグメントの柔軟性を向上させるとともに、滑性を付与するために特定の滑性付与剤を添加したところ、柔軟な樹脂になるにも関わらず、表面の滑性向上効果と柔軟性からもたらされる応力分散の効果が相乗したことによって樹脂表面に傷が残らず、その結果として、柔軟性と耐擦傷性と耐溶剤性を両立可能な樹脂成形体が得られること、さらに、下層の硬度と柔軟性を両立させることで、意外にも高い鉛筆硬度を発現することを見出し、本発明を完成した。また、下層を表層と同等以上の厚みとすることで、より高い鉛筆硬度が得られることを見出した。
なお、本発明における表層とはフレキシブルディスプレイの最表面に位置する層を表し、下層とは前記表層よりも表示装置に近い位置に配置される層を表す。本発明のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルムは、前期表層と前記下層を有していれば、他の層を有していても良く、また、表層や下層は各々が複数の層から構成されていても良い。
本発明のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルムは、厚さ1μm以上200μm以下の表層(X)と、前記表層(X)に接する厚さ20μm以上1000μm以下の下層(Y)とを有し、前記表層(X)が、主剤(i)と、硬化剤(ii)と、滑性付与剤(iii)とを含む樹脂組成物から形成される硬化物であり、前記主剤(i)が、ポリマー(A)を含み、前記ポリマー(A)が、ポリオール(a)又はポリオール(a)とポリイソシアネート(b)との反応物であって水酸基を有するものであり、前記ポリオール(a)が、25℃において液状であるポリカーボネートポリオール(a1)を含むものであり、前記硬化剤(ii)が、ポリイソシアネート化合物(d)を含み、前記滑性付与剤(iii)が、以下の式(1)で表される化合物(B)を含むものであり、
Figure 2022000336

[式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に、メチル基又は水酸基を表す。nは、1〜3,000の整数を表す。]
前記表層に接する下層(Y)が、二液硬化型ウレタン樹脂組成物の硬化物を含むものであって、以下の伸長試験法により測定した100%伸長時の引張応力が3MPa以上、伸び率が10%以上、破断強度が20MPa以上であることを特徴とする。
[伸長試験法]
厚さ30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、引張試験機を用いて、初期のチャック間距離40mm、引張速度10mm/秒の条件で伸長し、100%伸長した際の応力を100%伸長時の引張応力、破断時の伸度を伸び率、破断時の応力を破断強度とする。
本発明のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルムは、柔軟性と、耐擦傷性と、耐溶剤性とを両立することができ、なおかつ高い鉛筆硬度を達成することが可能である。
本発明のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルムは、少なくとも表層(X)と、前記表層(X)に接する下層(Y)とを有する。
前記表層(X)は、主剤(i)と硬化剤(ii)と、滑性付与剤(iii)とを含む樹脂組成物から形成される硬化物である。本発明において、主剤(i)及び硬化剤(ii)は、それぞれ、硬化物形成に直接関与する成分(例えば、ポリマー、硬化作用を有する化合物等)以外の成分を含んでいてもよく、主剤(i)の組成物、硬化剤(ii)の組成物であってもよい。
前記主剤(i)は、ポリマー(A)を含む。
前記ポリマー(A)は、ポリオール(a)又はポリオール(a)及びポリイソシアネート(b)の反応物であって、水酸基を有するものである。
前記ポリオール(a)は、25℃において液状であるポリカーボネートポリオール(a1)(以下、「液状ポリカーボネートポリオール(a1)」という場合がある。)を含む。
前記液状ポリカーボネートポリオール(a1)としては、例えば、炭酸エステルと多価アルコールとのエステル化反応物、多価アルコールとホスゲンとの反応物のうち、25℃において液状のものが挙げられる。
前記炭酸エステルとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、脂肪族カーボネート、脂環式カーボネート(以下、脂環構造を含むことを「脂環式」という場合がある。)、芳香族カーボネートが挙げられる(以下、芳香族構造を含むことを総称して「芳香族」という場合がある。)。脂肪族カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、エチルイソブチルカーボネート等の飽和脂肪族カーボネート;エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、1,3−ペンチレンカーボネート、1,4−ペンチレンカーボネート、1,5−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートおよび2,4−ペンチレンカーボネート等の不飽和脂肪族カーボネートなどが挙げられる。芳香族カーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ジベンジルカーボネート等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の直鎖状又は分岐鎖状のジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式ジオール;トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3官能以上のポリオールなどが挙げられる。
前記液状ポリカーボネートポリオールは、25℃において液状であればよく、非晶性又は結晶性ポリカーボネートポリオールであってもよく、非晶性ポリカーボネートポリオールであることが好ましい。前記液状ポリカーボネートポリオールに含まれる水酸基の数は、2であることが好ましい。
前記液状ポリカーボネートポリオールの粘度は、室温(25℃)において、好ましくは10,000mPa・s以下、より好ましくは7,000mPa・s以下、さらに好ましくは5,000mPa・s以下であり、例えば100mPa・s以上、好ましくは500mPa・s以上である。
前記液状ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは500超、より好ましくは600以上、さらに好ましくは700以上であり、好ましくは2,000未満、より好ましくは1,800以下、さらに好ましくは1,500以下である。
本明細書において、数平均分子量、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準試料として用いて得られる換算値を表す。
前記液状ポリカーボネートポリオールのガラス転移温度は、好ましくは−100℃以上、より好ましくは−90℃以上、さらに好ましくは−80℃以上、特に好ましくは−75℃以上であり、好ましくは−5℃以下、より好ましくは−15℃以下、さらに好ましくは−25℃以下、特に好ましくは−35℃以下である。
前記液状ポリカーボネートポリオールの含有率は、前記ポリオール(a)中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ポリオール(a)は、前記25℃において液状であるポリカーボネートポリオール(a1)以外に、その他のポリオール(a2)を含んでいてもよい。前記その他のポリオール(a2)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、前記液状ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオール、低分子量ポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、低分子量のポリオールと、ポリカルボン酸とを反応して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらを共重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの製造に用いられる低分子量のポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量が50以上300以下である脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式構造を有するポリオール;ビスフェノールA及びビスフェノールF等の芳香族構造を有するポリオールなどが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;それらの無水物またはエステル化物などが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、活性水素原子を2つ以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させた化合物などが挙げられる。前記活性水素原子を2つ以上有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、水、ヘキサントリオール等が挙げられる。また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記液状ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、25℃で固体状のポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオール、前記ポリエーテルポリオール、前記ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは300超、より好ましくは500以上、さらに好ましくは700以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは4,000以下である。
前記低分子量ポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量が50以上300以下である脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式構造を有するポリオール;ビスフェノールA及びビスフェノールF等の芳香族構造を有するポリオールなどが挙げられる。
前記その他のポリオールの含有率は、前記ポリオール(a)中、例えば30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下であり、下限は0質量%である。
前記ポリイソシアネート(b)としては、1種又は2種以上を用いることができ、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられ、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましい。前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を用いることができる。また、前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートのアロファネート変性体やイソシアヌレート変性体等を用いることができる。これらの中でも、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートのアロファネート変性体又はイソシアヌレート変性体が好ましく、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体がより好ましく、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体がさらに好ましい。
前記ポリイソシアネート(b)に含まれるイソシアネート基と、前記ポリオール(a)に含まれる水酸基のモル比(NCO/OH)は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1.0以上であり、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下である。
前記ポリマー(A)は、前記ポリオール(a)そのままであってもよく、前記ポリオール(a)及び前記ポリイソシアネート(b)を反応させることで製造することもできる。
前記ポリオール(a)及び前記ポリイソシアネート(b)を反応させる際は、必要に応じて、ウレタン化触媒を共存させてもよい。前記ウレタン化触媒としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物;あるいはチタンテトラブトキシド、ジブチルスズオキシド、ジラウリン酸ジブチルスズ、2−エチルカプロン酸スズ、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルカプロン酸亜鉛、グリコール酸モリブデン、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート等の有機金属化合物;あるいは塩化鉄、塩化亜鉛等の無機化合物などが挙げられる。
前記反応の際、反応溶剤を共存させてもよい。前記反応溶剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。
前記反応の際、反応温度は、例えば50〜90℃、反応時間は、たとえば2〜24時間で行うことができる。反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。反応雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気でもよく、乾燥空気雰囲気、密閉条件など、水分が混入しない条件でもよい。
前記ポリマー(A)の水酸基当量は、好ましくは400g/eq.以上、より好ましくは450g/eq.以上であり、好ましくは4000g/eq.以下、より好ましくは3000g/eq.以下である。
前記硬化剤(ii)は、ポリイソシアネート化合物(d)を含む。前記ポリイソシアネート化合物(d)は、イソシアネート基を2個以上有する。前記ポリイソシアネート化合物(d)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、イソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物としては、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられ、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネートのイソシアヌレート体、ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられ、ジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。前記ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。
なかでも、前記ポリイソシアネート化合物(d)は、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物を含むことが好ましい。前記イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物の含有率は、前記ポリイソシアネート化合物(d)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記硬化剤(ii)の含有率は、樹脂組成物中(前記樹脂組成物を形成する成分中)、50質量%未満であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、下限は、例えば0.1質量%である。
前記主剤(i)に含まれるポリマー(A)の水酸基と、前記硬化剤(ii)に含まれるポリイソシアネート化合物(d)のイソシアネート基とのモル比(NCO/OH)は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
前記滑性付与剤(iii)は、以下の式(1)で表される化合物(B)を含む。
Figure 2022000336

[式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に、メチル基又は水酸基を表す。nは、1〜3,000の整数を表す。]
前記滑性付与剤(iii)は、前記樹脂組成物に含まれていればよく、前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)との混合順序は特に限定されない。
式(1)において、R、Rは、耐擦傷性の観点から、メチル基であることが好ましい。nは、1〜3,000が好ましく、5〜2,500がより好ましく、6〜2,200がさらに好ましい。
前記化合物(B)の分子量は、例えば、500以上、より好ましくは1,000以上、さらに好ましくは5,000以上であり、好ましくは150,000以下、より好ましくは120,000以下、さらに好ましくは110,000以下である。
前記化合物(B)の分子量は、前記化合物(B)の25℃における動粘度に基づいて、A.J.Barryの式により求めることができる。
前記化合物(B)は、そのまま前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)と混合してもよく、予め水等の分散媒に分散させてから混合してもよい。
前記化合物(B)の含有率は、前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
前記樹脂組成物は、前記主剤(i)又は前記硬化剤(ii)中(好ましくは前記主剤(i)中)に、有機溶剤(C)を含んでいてもよい。前記有機溶剤(C)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。
前記有機溶剤(C)の含有率は、前記樹脂組成物中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。
前記表層(X)の樹脂成形体は、前記ポリマー(A)以外に、他の樹脂を含んでいてもよい。該他の樹脂としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、前記主剤(i)、前記硬化剤(ii)、前記滑性付与剤(iii)以外に、その他の添加剤(D)を含んでいてもよい。前記その他の添加剤(D)としては、粘着付与剤、レベリング剤、触媒、可塑剤、安定剤、充填材、顔料、染料、難燃剤等が挙げられ、これらは、前記主剤(i)、硬化剤(iii)、滑性付与剤(iii)の一部又は全部と予め混合されていてもよい。
前記その他の添加剤(D)を含む場合、その含有率は、前記樹脂組成物の全量中、例えば30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下であり、下限は0質量%である。
前記表層(X)の樹脂成形体は、以下の方法により測定した100%モジュラスが、5MPa以下である。前記100%モジュラスは、好ましくは4.5MPa以下、より好ましくは4.0MPa以下、さらに好ましくは2.0MPa以上であり、例えば、2.5MPa以上、3.0MPa以上であることが好ましい。
[100%モジュラスの測定方法]
厚み30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、引張試験機を用いて、初期のチャック間距離40mm、引張速度10mm/秒の条件で伸長し、100%伸長した際の応力を100%モジュラスとする。
前記表層(X)の樹脂成形体は、以下の方法により測定した100%伸長回復時のヒステリシスロスが、50%以下である。前記ヒステリシスロスは、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下であり、下限は好ましくは0%である。
[100%伸長回復時のヒステリシスロスの測定方法]
厚み30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、引張試験機を用いて、初期のチャック間距離40mm、伸長速度10mm/秒の条件で伸長し、100%伸長した後すぐに、チャック間距離40mm、伸縮速度10mm/秒の条件で伸縮させる。その際、与えた荷重と変形量のグラフの積分値から、試験片が引張時に与えられた熱量と引き戻し時に試験片が放出した熱量の差から求めた熱量の損失割合をヒステリシスロスとする。
前記表層(X)の樹脂成形体は、以下の方法により測定した動摩擦力が、2kN以下である。前記動摩擦力は、好ましくは1kN以下、より好ましくは0.5kN以下、さらに好ましくは0.1kN以下であり、例えば0.1kN以上、さらには0.5kN以上であることも許容される。
[摩擦力の測定方法]
厚み30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、荷重200gfとし、直径10mmのステンレス製ボール圧子を用いて、試験速度120cm/分の条件で測定した摩擦力を動摩擦力とする。
前記主剤(i)と、前記硬化剤(ii)と、前記滑性付与剤(iii)とを混合し、各種コート法により塗膜を形成し、硬化させることで、本発明のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルムの表層(X)を得ることができる。硬化温度は、例えば40〜250℃、硬化時間は、例えば1〜1,000秒程度とすることができる。前記硬化の前に、予め、乾燥工程を設けてもよく、前記硬化の後に、二次硬化工程を設けてもよい。二次硬化温度は、例えば40〜100℃、二次硬化時間は、例えば、1〜24時間とすることができる。
前記表層(X)の厚さは、1μm以上であり、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、200μm以下であり、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
前記表層(X)において、前記滑性付与剤(iii)の濃度は、均一であってもよいし、厚み方向に分布を有していてもよい。また、前記分布は、連続的であっても段階的であってもよく、段階的である場合、2又は3以上の層を有していてもよい。
前記成形法としては、コート法やその他の成形法が挙げられる。コート法としては、ディップコート法、スピンコート法、フローコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアロールコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、ワイヤードクターコート法、ナイフコート法、リバースコート法、トランスファロールコート法、マイクログラビアコート法、キスコート法、キャストコート法、スロットオリフィスコート法、カレンダーコート法、ダイコート法等の方法を適宜採用することができる。
その他の成形法としては、金型成形法やラミネート成形法等の方法を適宜採用することができる。
前記表層(X)と前記下層(Y)は一方の上に他方を成形してもよいし、別々に成形したものを貼り合せてもよい。また、ディスプレイの表面をカバーする位置に配置されていればいかなる工程によってもよく、例えば、ディスプレイに直接コートすることで成型してもよいし、成形体をディスプレイパネルに貼り合せても良い。
前記下層(Y)は、以下伸長試験法により測定した100%伸長時の引張応力が3MPa以上、伸び率が10%以上、破断強度が20MPa以上の樹脂成形体であって、厚さが250μm以上である。
前記下層(Y)の厚さは、20μm以上、好ましくは300μm以上、さらに好ましくは350μm以上であり、1000μm以下、好ましくは700μm以下、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは400μm以下である。
また、前記下層(Y)の厚さと、前記表層(X)の厚さの比率(Y/X)は、1以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、好ましくは50以下、より好ましく40以下、さらに好ましくは30以下である。
[伸長試験法]
厚さ30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、引張試験機を用いて、初期のチャック間距離40mm、引張速度10mm/秒の条件で伸長し、100%伸長した際の応力を100%伸長時の引張応力、破断時の伸度を伸び率、破断時の応力を破断強度とする。
前記100%伸長時の引張応力は、好ましくは20MPa以下、より好ましくは15MPa以下であり、3.0MPa以上、好ましくは3.5MPa以上、より好ましくは4.0MPa以上である。
前記伸び率は、10%以上であり、好ましくは50%以上、より好ましくは100%以上であり、例えば700%以下、500%以下であってもよい。
前記破断強度は、20MPa以上であり、好ましくは25MPa以上、より好ましくは30MPaであり、例えば100MPa以下、70MPa以下であってもよい。
前記下層(Y)の樹脂成形体は、以下の方法により測定した100%伸長回復時のヒステリシスロスが、90%以下であることが好ましい。前記ヒステリシスロスは、より好ましくは70%以下であり、好ましくは25%以上である。前記ヒステリシスロスは、前記表層(X)の樹脂成形体と同様の方法で測定することができる。
前記100%伸長時の引張応力、伸び率、破断強度及び前記ヒステリシスロスは、例えば、樹脂成形体に含まれる樹脂の分子鎖における剛直性を有する部位、柔軟性を有する部位の割合や、剛直性、柔軟性の程度、架橋度等を調整することで達成することができる。例えば、前記100%伸長時の引張応力を引き下げ、伸び率を高める観点から、前記樹脂は、柔軟性を有する部位を有することが好ましく、前記柔軟性を有する部位がガラス転移温度を有する場合、該ガラス転移温度は、例えば20℃以下、好ましくは0℃以下、−5℃以下、−15℃以下、−25℃以下、−35℃以下である。前記ヒステリシスロスを引き下げ、破断強度を高める観点から、前記樹脂は、剛直性を有する部位を有することが好ましい。前記剛直性を有する部位は、物理的又は化学的に柔軟性を有する部位を架橋する部位であり、物理的架橋としては、水素結合を形成しうる官能基(ヒドロキシ基、カルボキシ基、エステル結合基、ウレタン結合基、ウレア結合基等)による架橋が挙げられ、化学的架橋としては、架橋剤(多官能単量体、加硫剤等)による架橋が挙げられる。物理的架橋は、可逆的に形成されうる一方で、化学的架橋は、変形量が大きくなると、不可逆的に分断され、ヒステリシスロスが高くなる傾向がある。そのため、剛直性を有する部位は、化学的架橋よりも物理的架橋による架橋の割合を多く有することが、ヒステリシスロスを引き下げる方法としてより好ましい。
前記下層(Y)の樹脂成形体は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ウレタン樹脂を含むものであることが好ましい。
前記ウレタン樹脂は、主剤(i’)と、硬化剤(ii’)とを含む二液硬化型ウレタン樹脂組成物の硬化物であることが好ましく、前記主剤(i’)は、水酸基を有するポリマー(A’)を含むものであることが好ましい。本発明において、主剤(i’)及び硬化剤(ii’)は、それぞれ、硬化物形成に直接関与する成分(例えば、ポリマー、硬化作用を有する化合物等)以外の成分を含んでいてもよく、主剤(i’)の組成物、硬化剤(ii’)の組成物であってもよい。
前記水酸基を有するポリマー(A’)は、ポリオール(a’)又はポリオール(a’)及びポリイソシアネート(b’)の反応物であることが好ましい。
前記ポリオール(a’)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリマーポリオール;低分子量ポリオールなどが上げられる。
前記ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、低分子量ポリオールとしては、前記ポリオール(a)として例示したポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、低分子量ポリオールと同様の化合物を用いることができる。
中でも、前記ポリオール(a’)は、ポリエーテルポリオール及び低分子量ポリオールを含むことが好ましい。前記ポリオール(a’)中、低分子量ポリオールの含有量は、前記ポリエーテルポリオール100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
また、前記低分子量ポリオールは、水酸基を2個有するジオールと、水酸基を3個以上有するポリオールとを含むことが好ましい。前記水酸基を3個以上有するポリオールの含有率は、前記低分子量ポリオール中、例えば20質量%以上、好ましくは30質量%異常であり、例えば80質量%以下好ましくは70質量%以下である。
前記ポリイソシアネート(b’)としては、前記ポリイソシアネート(b)として例示した化合物と同様の化合物を用いることができる。
前記ポリイソシアネート(b’)に含まれるイソシアネート基と、前記ポリオール(a’)に含まれる水酸基のモル比(NCO/OH)は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1.0以上であり、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下である。
前記ポリマー(A)は、前記ポリオール(a’)そのままであってもよく、前記ポリオール(a’)及び前記ポリイソシアネート(b’)を反応させることで製造することもできる。前期ポリオール(a’)及び前記ポリイソシアネート(b’)の反応方法としては、前記ポリオール(a)及び前記ポリイソシアネート(b)の反応方法として記載した方法と同様の方法を採用することができ、ウレタン化触媒、反応溶剤等も同様に用いることができる。
前記反応の際、反応温度は、例えば50〜90℃、反応時間は、たとえば2〜24時間で行うことができる。反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。反応雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気でもよく、乾燥空気雰囲気、密閉条件など、水分が混入しない条件でもよい。
前記ポリマー(A’)の水酸基当量は、好ましくは400g/eq.以上、より好ましくは450g/eq.以上であり、好ましくは4000g/eq.以下、より好ましくは3000g/eq.以下である。
前記硬化剤(ii’)は、ポリイソシアネート化合物(d’)を含むものであることが好ましい。前記ポリイソシアネート化合物(d’)としては、前記ポリイソシアネート化合物(d)として説明した化合物と同様の化合物を用いることができる。
なかでも、前記ポリイソシアネート化合物(d’)は、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物を含むことが好ましい。前記イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物の含有率は、前記ポリイソシアネート化合物(d)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記硬化剤(ii’)の含有率は、前記主剤(i’)と前記硬化剤(ii’)の合計中、50質量%未満であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、下限は、例えば0.1質量%である。
前記主剤(i’)に含まれるポリマー(A’)の水酸基と、前記硬化剤(ii’)に含まれるポリイソシアネート化合物(d’)のイソシアネート基とのモル比(NCO/OH)は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
前記ウレタン樹脂の含有率は、前記下層(Y)を構成する樹脂成形体に含まれる樹脂中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記下層(Y)を形成してもよい樹脂組成物は、前記有機溶剤(C)を含んでいてもよい。前記有機溶剤(C)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。
前記下層(Y)を形成してもよい樹脂組成物は、その他の添加剤(D)を含んでいてもよい。前記その他の添加剤(D)としては、粘着付与剤、レベリング剤、触媒、可塑剤、安定剤、充填材、顔料、染料、難燃剤等が挙げられる。
前記その他の添加剤(D)を含む場合、その含有率は、前記樹脂組成物の全量中、例えば30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下であり、下限は0質量%である。
前記下層(Y)を形成する方法としては、前記表層(X)を形成する方法として説明した方法と同様の方法を採用することができる。
複層フィルムの作成方法としては、下層(Y)に表層(X)を塗工するほかに、離型基材上に塗工した表層(X)に下層(Y)を塗工してもよい。また、離型基材上に塗工した表層(X)もしくは下層(Y)に予め作製した下層(Y)もしくは表層(X)のフィルムを張り合わせてよい。各層間の接着性を挙げるために、コロナ処理などを施してもよい。
本発明のフィルムは、フレキシブルディスプレイ用のカバーフィルムとして有用である。なお本発明において、前記カバーフィルムとは、ディスプレイの一部を構成するものであり、ディスプレイの表面に別途積層して用いる保護フィルムは含まないものとする。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
〔調製例1〕
温度計、窒素ガス導入管、攪拌器を備えた窒素置換された容器中に、メチルエチルケトン(MEK)100質量部、ポリカーボネートジオール(デュラノール T−5652、旭化成株式会社製)100質量部を入れ攪拌した。ついで、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(バーノック DN−902S、DIC株式会社製)を8質量部、ジオクチル錫バーサテート0.01質量部加えた。内温を60℃に上昇させた後、温度を保ちながら3時間攪拌し、水酸基の当量重量が1954の分子末端に水酸基を有するプレポリマー(A−1)を含む表層用ウレタン樹脂・主剤(i−1)を得た。
〔調製例2〜7〕
ポリオールの種類及び量、ポリイソシアネートの種類及び量を、表1のように変更したこと以外は、調製例1と同様にして、表1に示す水酸基の当量重量のプレポリマー(A−2)〜(A−4)を含む表層用ウレタン樹脂の主剤(i−2)〜(i−4)を得た。
〔実施例1〕
ポリテトラメチレンエーテルグリコール100質量部とブタンジオール3質量部とトリメチロールプロパン4質量部を混合攪拌し、次いで水添MDI(エボニック株式会社製「デスモジュールW」)61質量部を混合攪拌し、離型PET上にナイフコーターにて硬化後塗膜厚が300μmとなるように塗布した後、熱風乾燥機を使用して140℃で5分間乾燥させることにより下層用ウレタン樹脂(y−1)からなるフィルムを得た。更にこのフィルム上に、調製例で得られた表層用ウレタン樹脂・主剤(i−1)100質量部、硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(バーノックDN−902S)5.1質量部をNCO/OH比=1.10となるよう混合し、更に滑性付与剤ワッカーAK−10000(ジメチルポリシロキサンオイル)0.5質量部、レベリング剤(シルクリーン3700、ビックケミージャパン製)3質量部を混合した。次いで、前記下層用ウレタン樹脂(y−1)からなるフィルム上にバーコーターを使用して前記混合物を乾燥後塗膜厚が50μmとなるように塗布した後、熱風乾燥機を使用して70℃で2分間、次いで110℃で2分間乾燥させ、表層用ウレタン樹脂(x−1)と下層用ウレタン樹脂(y−1)からなる複層フィルム(1)を得た。
〔実施例2〜8、比較例1〜5〕
表層用ウレタン樹脂を表1に、下層用ウレタン樹脂を表2に、複層構成を表3又は4に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして、複層フィルム(2)〜(8)、比較フィルム(1)〜(7)を得た。
Figure 2022000336
Figure 2022000336
Figure 2022000336
表1中、PTMG2000は、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG2000、分子量2,000、三菱ケミカル株式会社製)を表し、G3452は、ポリカーボネートポリオール(G3452、数平均分子量2,000、旭化成株式会社製)を表し、T5652は、ポリカーボネートポリオール(T5652、数平均分子量2,000、旭化成株式会社製)、UM−90は、ポリカーボネートポリオール(UM−90、数平均分子量900、宇部興産株式会社製)を表し、DN−902Sは、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(バーノック DN−902S、DIC株式会社製)、GCA−11は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(パンデックス GCA−11、DIC株式会社製)を表す。AK1000、AK10000、AK100000はジメチルポリシロキサン(ワッカーAK1000、AK10000、AK100000、旭化成ワッカーシリコーン株式会社)を表し、KF53はフェニルメチルポリシロキサン(KF−53、信越化学工業株式会社製)を表す。
〔100%伸長時の引張応力、伸び率、破断強度の評価方法〕
表層用ウレタン樹脂・主剤(i)と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(バーノックDN−902S)をNCO/OH比=1.10となるよう混合し、PETフィルム上にナイフコーターにより固形分膜厚が30μmとなる様に塗布し、70℃で2分間、さらに110℃で2分間乾燥させ表層用ポリウレタン樹脂フィルムを作製した。次いで、ポリウレタン樹脂フィルムを幅5mm、長さ50mmの短冊状に試験片を切り出し、引張試験機を用いて、チャック間距離40mm、引張速度10mm/秒、温度23℃の環境下で引張試験を実施し、100%伸張した際の応力と破断時の伸び率を測定した。下層用ウレタン樹脂(y)の未硬化樹脂についても同様に、PETフィルム上にナイフコーターにより固形分膜厚が30ミクロンとなる様に塗布し、140℃で5分間乾燥させ下層用ポリウレタン樹脂フィルムを作製した。次いで、ポリウレタン樹脂フィルムを幅5mm、長さ50mmの短冊状に試験片を切り出し、引張試験機を用いて、チャック間距離40mm、引張速度10mm/秒、温度23℃の環境下で引張試験を実施し、100%伸張した際の応力(表中、「100%M」と略記する。)と破断時の伸び率と破断強度を測定した。
[100%伸長回復時のヒステリシスロスの測定方法]
表層用ウレタン樹脂・主剤(i)について上記と同様に、厚み30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、引張試験機を用いて、初期のチャック間距離40mm、伸長速度10mm/秒の条件で伸長し、100%伸長した後すぐに、チャック間距離40mm、伸縮速度10mm/秒の条件で伸縮させた。その際、与えた荷重と変形量のグラフの積分値から、試験片が引張時に与えられた熱量と引き戻し時に試験片が放出した熱量の差から求めた熱量の損失割合をヒステリシスロスとした。
得られた複層フィルム、比較フィルムについて、以下の方法で評価を行った。
〔鉛筆硬度の評価方法〕
JIS K5600に準拠し実施した。
○:7H以上
△:2H以上7H未満
×:2H未満
〔スチールウール耐擦傷性の評価方法〕
RUBBING TESTER(太平理化工業株式会社製)を用いて評価を行った。具体的には、磨耗体としてスチールウール(日本スチールウール株式会社製、商品名BONSTAR、品番No.0000)を用い、該磨耗体を荷重500gの条件で、前記皮膜表面を往復500回ラビングした。ラビング後の皮膜表面の状態を目視により下記評価基準にしたがって評価した。
○:皮膜表面に傷が発生していなかった。
△:皮膜表面に3本未満の薄いスジ傷が認められた。
×:皮膜表面に3本以上の濃いスジ傷が認められた。
〔耐溶剤性の評価方法〕
上記と同様にして得られたポリウレタン樹脂フィルムに、スポイトでMEKを1滴垂らし、10秒後に拭き取った際の、外観変化を確認した。垂らした部分が膨潤し、目視ではっきりと確認できる場合は×、確認できない場合は○と評価した。
Figure 2022000336
Figure 2022000336
実施例1〜8は、本発明の実施例であり、耐擦傷性と、耐溶剤性と高鉛筆硬度を両立することができた。比較例1は表層が薄い場合で耐擦傷性と鉛筆硬度が不足していた。比較例2は、下層が薄い場合で耐擦傷性と鉛筆硬度が不足していた。比較例3、4は、ポリマーとして、25℃において液状であるポリカーボネートポリオールを用いない例であり、耐溶剤性が不足していた。比較例5は、滑性付与剤(iii)を含まない例であり、耐擦傷性と鉛筆硬度が不足していた。比較例6、7は、下層の破断強度と100%伸長時の引張応力が低い場合で耐擦傷性と鉛筆硬度が不足していた。

Claims (7)

  1. 厚さ1μm以上200μm以下の表層(X)と、前記表層(X)に接する厚さ20μm以上1000μm以下の下層(Y)とを有し、
    前記表層(X)が、主剤(i)と、硬化剤(ii)と、滑性付与剤(iii)とを含む樹脂組成物から形成される硬化物であり、
    前記主剤(i)が、ポリマー(A)を含み、前記ポリマー(A)が、ポリオール(a)又はポリオール(a)とポリイソシアネート(b)との反応物であって水酸基を有するものであり、前記ポリオール(a)が、25℃において液状であるポリカーボネートポリオール(a1)を含むものであり、前記硬化剤(ii)が、ポリイソシアネート化合物(d)を含み、前記滑性付与剤(iii)が、以下の式(1)で表される化合物(B)を含むものであり、
    Figure 2022000336

    [式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に、メチル基又は水酸基を表す。nは、1〜3,000の整数を表す。]
    前記表層に接する下層(Y)が、二液硬化型ウレタン樹脂組成物の硬化物を含むものであって、以下の伸長試験法により測定した100%伸長時の引張応力が3MPa以上、伸び率が10%以上、破断強度が20MPa以上であるフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
    [伸長試験法]
    厚さ30μm、幅5mm、長さ50mmに成形し、温度23℃の環境下、引張試験機を用いて、初期のチャック間距離40mm、引張速度10mm/秒の条件で伸長し、100%伸長した際の応力を100%伸長時の引張応力、破断時の伸度を伸び率、破断時の応力を破断強度とする。
  2. 前記滑性付与剤(iii)の濃度が厚み方向に分布を有する、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
  3. 前記表層(X)が、2以上の層から構成されている、請求項1又は2に記載のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
  4. 前記下層(Y)が、ウレタン樹脂を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
  5. 前記ポリイソシアネート(b)が、イソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物を含むものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
  6. 前記ポリイソシアネート化合物(d)が、イソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物を含むものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
  7. 前記下層(Y)の厚さが、前記表層(X)の厚さ以上である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用カバーフィルム。
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