JP6845698B2 - 収容箱 - Google Patents
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Description
例えば、収容箱の四方の側面を周方向に横切るミシン目を設け、前面からミシン目にそって背面まで破断することで、収容箱の上部を分離除去し、収容箱の下部を展示用の箱として利用するものが公知である(特許文献1等参照。)。
また、収容箱の上部を分離除去し、収容箱の下部を展示用の箱として利用する収容箱で、ミシン目の一部を上面と側面の折線部に設けたものも公知である(特許文献2等参照。)。
さらに、収容箱の対向する側面と上面の中央部分を破断あるいは除去し、底面を屈曲することで、底面の屈曲部の両側を上方が開口した展示用の箱として利用するものも公知である(特許文献3等参照。)。
特に、最後に分離する箇所の最終破断線、特許文献1の実施形態においては「後面のミシン目13」、特許文献2の第1、第2の実施形態においては「端壁3と天壁6の境界の切目線12d」及び特許文献3の実施形態においては「底部折り曲げ線25」は、分離の際に、最終破断面が開封動作による回動軸線であるミシン目に沿って屈曲し、その面から垂線方向に引く動作となるため、ミシン目の破断のためには異なる方向に捻る動作を行う必要があり、さらなる効率化を妨げる要因となっていた。
これらの最終破断線のミシン目の接続部の強度を小さくして、捻る動作を少なくして破断を容易とすることも考えられるが、梱包作業中や輸送中に予期せぬ破断が発生する虞があり、ミシン目の接続部の強度を小さくするには限界があった。
このことで、分離部分を屈曲動作に連続して引くだけで残った接続部を破断することができ、最終破断線のミシン目の接続部の強度を小さくすることなく、また、捻る動作等を加えることなく、最終破断線を容易に破断して収容箱を複数の部分に分離することが可能となり、開封作業の効率化を図ることができる。
本請求項2に記載の構成によれば、最終破断線が、波線状に形成されていることにより、波線の異なる位置に接続部を形成することで、回動軸線に平行な方向に直線状に整列しない位置に設けられた接続部を容易に設けることができる。
本請求項3に記載の構成によれば、最終破断線の複数の接続部の一部または全部が、最終破断線の中間点を境として両側に対称に設けられていることにより、中央付近を力点とすることで、最終破断線の複数の接続部が左右対称に破断しやすくなり、作業者が片手で作業を行った場合でも安定して開封することが可能となり、さらに開封作業の効率化を図ることができる。
本請求項6に記載の構成によれば、除去部を取り除いた後に除去部の両側を分離する収容箱においても、最終破断線のミシン目の接続部の強度を小さくすることなく、また、捻る動作等を加えることなく、屈曲する動作で最終破断線を容易に破断して収容箱を複数の部分に分離することが可能となり、開封作業の効率化を図ることができる。
なお、図2乃至図5においては、説明のために折目線、破断線(ミシン目)ともに実線で示した。
このブランク材110は、収容箱100の上面を形成する上面板112、前面を形成する前面板111、底面を形成する底面板114、背面を形成する背面板113及び組立時に上面板112と接着する継代片119が順次連設して設けられている。
また、上面板112、前面板111、底面板114及び背面板113のそれぞれの両側方には、組立時に折り曲げて接着することで側面を形成する、上側面フラップ116、前側面フラップ115、底側面フラップ118及び背側面フラップ117がそれぞれ設けられている。
前面板111には前面破断線123及び初期破断線124を有し、両方の前側面フラップ115及び両方の背側面フラップ117には中間破断線122有し、背面板113には最終破断線121を有し、図2及び図3に示すように、収容箱100が組み立てられた際に、前面破断線123、初期破断線124、中間破断線122及び最終破断線121が全周に渡って一連の破断線となるように形成されている。
また、初期破断線124の両側の前面破断線123のそれぞれの中間部から前面板111の上端角部に向けて、それぞれ、前面補助折目線132が設けられている。
前面破断線123、中間破断線122及び最終破断線121は波線状に形成されており、ミシン目の複数の接続部は、波の高さの異なる位置に設けられたものを含むように形成されている。
まず、作業者が、前面板111の初期破断線124と初期折目線133の間の初期押込部136を押し込むことにより、初期破断線124の接続部が破断し初期折目線133が屈曲して、作業者が手指を差し込んで開封するための手持ち部分が形成される。
次に、作業者が手持ち部分を上方に持ち上げる動作を行うと、まず、前面補助折目線132が屈曲して、初期折目線133が前方に突出する力が発生し、初期破断線124の両側の前面破断線123の接続部が中間破断線122に向かって順次破断していく。
さらに、作業者が手持ち部分を上方に持ち上げる動作により、中間破断線122の接続部が最終破断線121に向かって順次破断していく。
この時、複数の接続部が、回動軸線上に整列しない位置に設けられた接続部を含むことから、回動軸線上にない接続部は、作業者が手持ち部分を上方に持ち上げる動作を続ける動作からの一連の動作のみで、捻る動作等を加えることなく順次破断し、図4に示す状態から、一連の動作に連続してわずかな力で引くことで、最後にわずかに残った回動軸線上の接続部が破断し、収容箱100が完全に2つに分離される。
最終破断線121は、8つの接続部131a乃至131hを有する波線状のミシン目で形成されており、中央線CLを境に左右対称に形成されている。
接続部131aと131h、131bと131g、131cと131f、131dと131eの4組は、左右対称な位置に設けられ、それぞれの組が波線状の異なる4つの高さ位置に設けられている。
このことで、作業者が手持ち部分を上方に持ち上げる動作から連続する屈曲させる動作の際に、(1)乃至(4)のいずれかに示すように、接続部131のいずれかの組の高さ位置が実際の回動軸線BLとなって屈曲することで、回動軸線BL上にない接続部131は前後に引っ張られることとなり、作業者による一連の動作のみで容易に破断する。
そして、最後には2つの接続部131のみが残ることとなり、作業者による一連の動作の最後に僅かに引っ張ることで容易に破断し、収容箱100を完全に2つに分離することが可能となる。
また、収容箱としての機能や強度に応じて、初期押込部136を最初から孔に形成しておいてもよく、前面破断線123及び中間破断線122についても、一部をスリットで形成してもよい。
さらに、底側面フラップ118に中間破断線122と重なる破断線を設け、前面板111及び背面板113のいずれかあるいは両方が、さらに低い位置で分離するようにしてもよい。
なお、図7乃至図9においては、説明のために折目線、破断線(ミシン目)ともに実線で示した。
このブランク材210は、収容箱200の前面を形成する前面板211、上面を形成する上面板212、背面を形成する背面板213、底面を形成する底面板214及び組立時に前面板211と接着する継代片219が順次連設して設けられている。
また、前面板211、上面板212、背面板213及び底面板214のそれぞれの両側方には、組立時に折り曲げて接着することで側面を形成する、前側面フラップ215、上側面フラップ216、背側面フラップ217及び底側面フラップ218がそれぞれ設けられている。
2本の除去破断線225は、上面板212においては前面板211と背面板213を結んで平行に設けられ、前面板211及び背面板213においては、それぞれ端部が最終破断線221に向かって連なるように形成されている。
上面板212には、幅方向中央付近に設けられ、2本の除去破断線225を結び、第1除去部234を分離するための2本の初期破断線224が設けられている。
第1除去部234には、中央に2本の初期破断線224を結ぶ切れ目226が設けられている。
最終破断線221は波線状に形成されており、ミシン目の複数の接続部は、波の高さの異なる位置に設けられたものを含むように形成されている。
まず、作業者が、上面板212の第1除去部234の切れ目226から手指等を差し込んで上方に引くことで、初期破断線224を破断して第1除去部234を分離、除去する。
次に、第1除去部234が除去された空間から手指等を差し込んで、両側の第2除去部235をそれぞれ上方に引くことで、除去破断線225を破断して第2除去部235を分離、除去する。
最後に、第1除去部234及び第2除去部235が分離、除去された収容箱200の底面板214を二つ折りにするように屈曲させる。
この時、波線状の最終破断線221の複数の接続部が、回動軸線上に整列しない位置に設けられた接続部を含むことから、回動軸線上にない接続部は、作業者が底面板214を二つ折りにする動作のみで、捻る動作等を加えることなく順次破断し、図9に示す状態からわずかな力で引くことで、最後にわずかに残った回動軸線上の接続部が破断し、収容箱200が完全に2つに分離される。
最終破断線221の接続部の破断の動作は、図5で説明した前述した第1実施形態と同様である。
なお、図11乃至図14においては、説明のために折目線、破断線(ミシン目)ともに実線で示した。
このブランク材310は、収容箱300の背面を形成する背面板313、第1側面を形成する第1側面板314、前面を形成する前面板311、第2側面を形成する第2側面315及び組立時に背面板313と接着する継代片319が順次連設して設けられている。
背面板313、第1側面板314、前面板311及び第2側面315のそれぞれの下方には、折り曲げて組み合わせることで底面を形成する底面フラップ318が設けられている。
また、第1側面板314の上方には上面を形成する上面板312が設けられ、背面板313、前面板311及び第2側面315のそれぞれの上方には、上面フラップ316が設けられている。
上面板312には、組み立て時に第2側面315の上方に設けられた差込スリット320に差し込まれる上面差込片317が設けられている。
第1側面板314及び第2側面315には中間破断線322有し、背面板313には最終破断線321を有し、図11及び図12に示すように、収容箱300が組み立てられた際に、前面開口部336、中間破断線322及び最終破断線321が全周に渡って一連の開口部及び破断線となるように形成されている。
また、継代片319には、背面板313と接着した際に最終破断線321と重なるように継代破断線325が設けられている。
前面板311には、前面開口部336の上方中央付近の2箇所から前面板311の上端角部に向けて、それぞれ、前面補助折目線332が設けられている。
中間破断線322、継代破断線325及び最終破断線321は波線状に形成されており、ミシン目の複数の接続部は、波の高さの異なる位置に設けられたものを含むように形成されている。
まず、作業者が、前面板311の前面開口部336の上方中央付近を把持し、上方に持ち上げる動作を行うと、図13に示すように、前面補助折目線332が屈曲して、前面板311の前面開口部336の上方中央付近が前方に突出し、第1側面板314及び第2側面315が内方に引っ張られる力が発生する。
この力によって、中間破断線322の接続部が最終破断線321に向かって順次破断していく。
この時、複数の接続部が、回動軸線上に整列しない位置に設けられた接続部を含むことから、回動軸線上にない接続部は、作業者が手持ち部分を上方に持ち上げる動作を続ける動作からの一連の動作のみで、捻る動作等を加えることなく順次破断し、図14に示す状態から、一連の動作に連続してわずかな力で引くことで、最後にわずかに残った回動軸線上の接続部が破断し、収容箱300が完全に2つに分離される。
最終破断線321の接続部の破断の動作は、図5で説明した前述した第1実施形態と同様である。
また、本実施形態では、展示に使用する際の意匠的な美観を向上させるため、中間破断線322も波線状に形成したが、中間破断線322は他の曲線、直線、折れ線等いかなる形状であってもよい。
また、収容箱としての機能や強度に応じて、前面開口部336を適宜の大きさとし、幅いっぱいに設けない場合は、前面板311に、前面開口部336から中間破断線322に連なる破断線あるいはスリットを形成してもよい。
また、上記各実施形態の収容箱100、200、300のブランク材110、210、310は、段ボールで形成されているが、その紙質はいかなるものであってもよく、種々のコーティングが行われたもの、紙以外の樹脂等で形成されたものであってもよい。
さらに、上記第1、第2実施形態の各フラップや継代片は、収容箱100、200に組み立てる際に接着されて固定されるが、止め金具等で固定してもよく、差し込み構造等を採用して固定してもよい。
110、210、310 ・・・ ブランク材
111、211、311 ・・・ 前面板
112、212、312 ・・・ 上面板
113、213、313 ・・・ 背面板
114、214 ・・・ 底面板
314 ・・・ 第1側面板
315 ・・・ 第2側面板
115、215 ・・・ 前側面フラップ
116、216 ・・・ 上側面フラップ
316 ・・・ 上面フラップ
117、217 ・・・ 背側面フラップ
317 ・・・ 上面差込片
118、218 ・・・ 底側面フラップ
318 ・・・ 底面フラップ
119、219、319 ・・・ 継代片
320 ・・・ 差込スリット
121、221、321 ・・・ 最終破断線
122、 322 ・・・ 中間破断線
123 ・・・ 前面破断線
124、224 ・・・ 初期破断線
225 ・・・ 除去破断線
325 ・・・ 継代破断線
226 ・・・ 切れ目
131 ・・・ 接続部
132、 332 ・・・ 前面補助折目線
133 ・・・ 初期折目線
234 ・・・ 第1除去部
235 ・・・ 第2除去部
136 ・・・ 初期押込部
336 ・・・ 前面開口部
BL ・・・ 回動軸線
CL ・・・ 中央線
Claims (6)
- 所定の1面が最終破断線を有する最終破断面で構成され、
前記最終破断面内の開封動作による回動軸線に沿って前記最終破断面を屈曲して複数の部分に分離可能に構成された収容箱であって、
前記最終破断線が、複数の接続部を有するミシン目からなり、
前記複数の接続部が、前記回動軸線上に整列しない位置に設けられた接続部を含み、
前記回動軸線上に整列しない位置に設けられた複数の接続部が、前記回動軸線と平行な直線上に整列して設けられた接続部を含むことを特徴とする収容箱。 - 前記最終破断線が、波線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収容箱。
- 前記最終破断線の複数の接続部の一部または全部が、前記最終破断線の中間点を境として両側に対称に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収容箱。
- 前記最終破断線から離れた位置に破断開始部を有し、
前記最終破断線の両端から、それぞれ、前記破断開始部まで連続する中間破断線を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の収容箱。 - 前記中間破断線が、波線状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の収容箱。
- 前記最終破断線の両端から、それぞれ、前記最終破断線の両端部を結ぶ複数の除去破断線を有し、
前記複数の除去破断線に囲まれた除去部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の収容箱。
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