JP6845599B1 - 海藻礁 - Google Patents

海藻礁 Download PDF

Info

Publication number
JP6845599B1
JP6845599B1 JP2020175462A JP2020175462A JP6845599B1 JP 6845599 B1 JP6845599 B1 JP 6845599B1 JP 2020175462 A JP2020175462 A JP 2020175462A JP 2020175462 A JP2020175462 A JP 2020175462A JP 6845599 B1 JP6845599 B1 JP 6845599B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seaweed
algae
plate
overgrowth
eating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020175462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022066875A (ja
Inventor
光博 川崎
光博 川崎
Original Assignee
光博 川崎
光博 川崎
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 光博 川崎, 光博 川崎 filed Critical 光博 川崎
Priority to JP2020175462A priority Critical patent/JP6845599B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6845599B1 publication Critical patent/JP6845599B1/ja
Publication of JP2022066875A publication Critical patent/JP2022066875A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Cultivation Of Seaweed (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)

Abstract

【課題】簡易な構成で藻食性動物による大型海藻の幼体の食害を防ぐことができ、大型海藻を安定して繁茂させることが可能な海藻礁を提供する。【解決手段】本発明の海藻礁10は、台座1と、台座1の上方に一定の距離を保って対向設置される海藻繁茂板2と、台座1と海藻繁茂板2との間に立設される複数の支柱3とを備え、支柱3が、その外周面31に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部4を有する。【選択図】図1

Description

本発明は海藻礁に関し、特に、ワカメやコンブなどの大型海藻を安定して繁茂させることが可能な海藻礁に関する。
近年の温暖化等の種々の影響により、全国各地の沿岸部で大型海藻の藻場が減少するいわゆる「磯焼け」と呼ばれる現象が拡大している。2015年までは太平洋北部海域では、春季に親潮が三陸沿岸に顕著に接岸し、これにより三陸の沿岸部が例年に比べて低水温(例えば、6℃未満)になるという現象が数年間隔で発生していた。ウニやツブなどの藻食性動物は、生育途上にある海藻の幼体を好んで摂餌する。低水温の期間には、ウニやツブなどの藻食性動物の摂餌能力が低下するので、これにより大型海藻の繁茂が促されていた。しかし、2016年以降、親潮の顕著な接岸は発生していない。そのため、近年、三陸の沿岸部では、ウニやツブなどの藻食性動物により、大型海藻の幼体が十分に成熟しないうちに摂餌されてしまうことで大型海藻の繁茂が妨げられており、その早急な対策が求められている。
大型海藻の食害は、特にウニによるものが多い。そのため、大型海藻の藻場からウニを潜水採捕等によって排除したり、藻場にウニが入らないように周囲を網で囲んだりすることでコンブを繁茂させた試験例がある。しかし、コンブが繁茂した後、ウニに給餌させるために再びウニを移殖し直す必要があり、春季の低水温下では潜水作業効率が悪く費用もかかる。さらに、網囲いは時化などによって流失するおそれがある。そのため、網囲いによる手法は現実的ではないとして、実際には行われていない。
コンブやワカメをロープで養殖し、成長後に、ウニなどの藻食性動物に給餌した例もある。しかし、養殖ロープごと海中に沈めて給餌を行う場合には、養殖ロープを沈めた時にしか給餌が行われず、ロープが擦れないように固定することが難しく、ロープが傷み易い。また、養殖ロープから海藻を刈り取って給餌を行う場合には、給餌作業毎(例えば数日毎)に船で漁場に赴く必要があり手間がかかる。さらに、ウニやツブがいる浅海では、時化などにより施設ごと流失してしまうおそれもある。
ところで、従来、海藻礁として、大型海藻の着生床として機能し得るコンクリートブロックや自然石を海底に沈設することが行われている。海藻礁は、波浪に耐え得る大きさ及び重量を有するため、引き上げや移動には重機やクレーン船(起重機船ともいう。)を必要とすることから、沈設後は管理されていないのが現状である。そのため、最近では、ウニやツブなどの藻食性動物による海藻礁上の大型海藻の食害を防ぐための様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1には、海中林構造物の支柱部に、網状の藻食性動物遮断部を取り付けることにより、海中林への藻食性動物の侵入を防止する装置が開示されている。特許文献2には、耐食性を有する硬い棒を器具の所定箇所に立設することにより、ウニ類の移動を阻止し、海藻群落への侵入を排除するウニ類の移動阻止装置が開示されている。しかし、ウニの管足は吸盤の精度が高いため、細い1号のナイロンテグスであっても2本張っていれば移動することができ、また、固定された棒や面も乗り越えることができる。また、数mmの小さいウニやツブは装置の隙間から侵入するため、これらの特許文献に記載の従来の手段では完全に藻食性動物を排除することができない。
特開2018−011595号公報 特開2008−173059号公報
本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、簡易な構成で藻食性動物による大型海藻の幼体の食害を防ぐことができ、大型海藻を安定して繁茂させることが可能な海藻礁の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、台座と、前記台座の上方に一定の距離を保って対向設置される海藻繁茂板と、前記台座と前記海藻繁茂板との間に立設される複数の支柱とを備え、前記支柱が、その外周面に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部を有する海藻礁を提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、支柱の外周面に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部により、海藻繁茂板上で生育する大型海藻の幼体が、ウニやツブなどの藻食性動物によって摂餌されるのを防ぐことができる。そのため、大型海藻を安定して繁茂させることが可能となる。加えて、藻食性動物防除部がブラシ状であることにより、時化などの影響を受け難く、破損のリスクが少ない。
上記発明(発明1)においては、前記藻食性動物防除部は、複数のブラシ片を備え、前記複数のブラシ片は、前記支柱の外周面から放射状に突出するように、前記外周面に埋め込まれており、前記複数のブラシ片は、藻食性動物の海中重量に耐えうる強度を有するとともに、藻食性動物が越えることのできない長さを有し、前記外周面における隣接する前記ブラシ片の基端間の距離は、藻食性動物が越えることができないように、かつ、すり抜けることができないように設定されていることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、藻食性動物防除部の備える複数のブラシ片の構造によって、藻食性動物が海藻繁茂板に侵入するのを防ぐことができる。複数のブラシ片は、支柱の外周面に埋め込まれているため、時化などにより流失するおそれもない。
上記発明(発明1,2)においては、前記藻食性動物防除部は、第1の藻食性動物防除部と第2の藻食性動物防除部とを含み、前記第1の藻食性動物防除部は、前記台座側に取り付けられており、前記第2の藻食性動物防除部は、前記海藻繁茂板側に取り付けられていることが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、藻食性動物防除部が2段構成であることにより、より確実に藻食性動物が海藻繁茂板に侵入するのを防ぐことができる。
上記発明(発明3)においては、前記第1の藻食性動物防除部の複数のブラシ片の毛束密度が、前記第2の藻食性動物防除部の複数のブラシ片の毛束密度よりも大きいことが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、第1の藻食性動物防除部では、まず、例えばツブなどの比較的小型の藻食性動物が海藻繁茂板に侵入するのを防ぐことができる。また、第2の藻食性動物防除部では、第1の藻食性動物防除部では阻止するのが難しい、例えばウニなどの藻食性動物が海藻繁茂板に侵入するのを防ぐことができる。
上記発明(発明1−4)においては、前記支柱は、前記台座及び前記海藻繁茂板に対して着脱可能に構成されていることが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、例えば、藻食性動物防除部に流れ藻などが引っかかるなどして藻食性動物の防除機能が低下した場合には、支柱を交換することで簡易に防除機能を回復させることができる。また、例えば、既存のコンクリート製の海藻礁に対しても、支柱を介して海藻繁茂板を設置するだけで、海藻繁茂板上で生育させた大型海藻の幼体に対する藻食性動物の防除効果を得ることができる。
上記発明(発明1−5)においては、前記海藻繁茂板は、第1の海藻繁茂板と第2の海藻繁茂板とを含み、前記第1の海藻繁茂板は、前記台座側に位置しており、前記第2の海藻繁茂板は、前記第1の海藻繁茂板の上側に重ね合わされており、前記第2の海藻繁茂板が、前記第1の海藻繁茂板に対して上下反転可能に構成されているか、又は他の前記第2の海藻繁茂板と交換可能に構成されていてもよい(発明6)。
コンブやワカメなどの大型海藻の胞子は、新しい基質には容易に着底するが、数年経過した後の基質は、雑海藻、フジツボや貝類などのコンブやワカメ以外の生物に占有されてしまい、コンブやワカメの胞子が着底し難いという問題がある。かかる発明(発明6)によれば、第2の海藻繁茂板を上下反転させるだけで、又は他の第2の海藻繁茂板と交換するだけで、新たな基質を提供することができるので、大型海藻の胞子の着底の管理を容易に行うことができる。そのため、大型海藻を安定して繁茂させることが可能となる。
本発明の海藻礁によれば、支柱の外周面に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部により、海藻繁茂板上で生育する大型海藻の幼体が、ウニやツブなどの藻食性動物によって摂餌されるのを防ぐことができる。そのため、大型海藻を安定して繁茂させることが可能となる。加えて、藻食性動物防除部がブラシ状であることにより、時化などの影響を受け難く、破損のリスクが少ない。
本発明の一実施形態に係る海藻礁を示す模式図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 図1の海藻礁が備える支柱を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は下面図である。 図1の海藻礁が備える海藻繁茂板の変形例を示す模式図であって、(a)は海藻礁を示す斜視図、(b)は海藻繁茂板の分解斜視図である。
以下、本発明の海藻礁の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではない。
〔藻食性動物〕
まず、本発明の海藻礁の防除対象であるウニやツブなどの藻食性動物について簡単に説明する。ウニやツブの主となる餌はコンブなどの大型海藻である。例えば、コンブは毎年10月頃に胞子を出し、翌年3月下旬まで幼体(10cm位まで成長した状態)期間が続き、3月下旬から本格的成長期に入る。ウニやツブは、コンブなどの大型海藻の幼体を好んで摂餌するため、幼体期間の大型海藻から藻食性動物を防除するための対策が求められている。
〔海藻礁〕
次に、本発明の海藻礁について、図面を参照しつつ詳説する。図1は、本発明の一実施形態に係る海藻礁を示す模式図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。海藻礁10は、台座1と、台座1の上方に一定の距離を保って対向設置される海藻繁茂板2と、台座1と海藻繁茂板2との間に立設される複数の支柱3とを備えている。支柱3は、その外周面31に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部4を有している。
海藻礁10は、海藻繁茂板2が海面に露出しない程度の水深から、大型海藻が繁茂する深場の水深までの間に設置される。海藻礁10の設置場所は、海底の岩場に限られず、台座1が埋まらない程度の砂場であってもよい。
なお、本実施形態においては、海藻礁10を海底に設置した状態において、海面に向かう方向を「上」と定義し、その逆方向を「下」と定義する。
〈台座〉
台座1は、海藻礁10が海底に沈設された際に海底に接する部材である。台座1は、波浪に耐え得る重量を有する。本実施形態において、台座1は、図1(a)及び(b)に示すように、直方体形状を有するコンクリートブロックである。台座1として、例えば、既存のコンクリート製の海藻礁を用いることもできる。台座1は、板状であれば、その形状は特に制限されない。例えば、台座1は六角柱形状であってもよい。
台座1はその上面11に、支柱3を接続するための係合部12を有している。本実施形態において、係合部12は、台座1の上面11に形成された雌ネジ構造である。係合部12の雌ネジ構造に対して、後述する支柱3の係合部32aの雄ネジ構造を螺合することで、台座1に支柱3を立設することができる。本実施形態において、台座1の上面11には、支柱3の本数に対応して4つの係合部12が設けられている。4つの係合部12は、各係合部12に螺合された4本の支柱3を介して海藻繁茂板2が安定して支持されるよう、台座1の上面11に均等に配置されている。係合部12は、少なくとも支柱3の数と同じ数であればよく、その数は特に制限されない。例えば、係合部12の数は、5つ以上であってもよい。なお、台座1として、既存のコンクリート製の海藻礁を用いる場合には、その表面に、水中ドリル等により、後述する支柱3の雄ネジ構造に対応する雌ネジ構造を形成すればよい。
〈支柱〉
図2は、海藻礁10が備える支柱3を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)は下面図である。支柱3は、海藻繁茂板2を支持するための部材であり、本体部31と、本体部31の外周面31fに取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部4を有する。本実施形態において、本体部31は、中空状のパイプである。本体部31として、例えば、円筒状の塩化ビニール製パイプを用いることができる。本体部31が円筒状であることにより、後述する藻食性動物防除部4のブラシ片41を均等に配置することができる。本体部31は、外周面31fに藻食性動物防除部4を取り付けることができ、かつ防食性があれば、その材質は特に制限されない。例えば、本体部31はステンレス製であってもよい。本体部31の長さは、台座1及び海藻繁茂板2のサイズに応じて適宜設定することができるが、藻食性動物防除部4を適切に機能させるために、200mm以上であることが好ましく、240mm程度であることがより好ましい。本実施形態において、支柱3の数は4本であるが、適切に海藻繁茂板2を支持することができれば、その数は特に制限されない。例えば、支柱3の数は、5本以上であってもよい。
図2(a)に示すように、支柱3には、その内部を貫通するように、棒状のボルト32が設けられている。ボルト32は外周全体に雄ネジ構造を有し、本体部31の下端側に台座1を接続するための係合部32aを、本体部31の上端側に海藻繁茂板2を固定するための係合部32bを、それぞれ備えている。係合部32aの雄ネジ構造を、台座1の係合部12の雌ネジ構造に螺合することで、台座1に支柱3を立設することができる。係合部32bを、後述する海藻繁茂板2の貫通孔23に貫通させてから、係合部32bの雄ネジ構造の先端を、ワッシャー(不図示)を噛ませたナット33で締め込みすることで、支柱3に海藻繁茂板2を固定することができる。このように、支柱3は、台座1及び海藻繁茂板2に対して着脱可能に構成されているので、他の支柱3と交換することが可能である。また、例えば、既存のコンクリート製の海藻礁に対しても、水中ドリル等により、支柱3の雄ネジ構造に対応する雌ネジ構造を形成することで、支柱3を介して海藻繁茂板2を設置することができる。
図2(a)及び(b)に示すように、藻食性動物防除部4は、複数のブラシ片41を備えている。複数のブラシ片41は、本体部31の外周面31fに対して垂直方向に、放射状に突出するように、外周面31fに埋め込まれている。複数のブラシ片41は、径方向に互いに重ならないように配置されていることが好ましく、互いの離間角度が45°以下であることが好ましい。このように、藻食性動物防除部4の複数のブラシ片41は、本体部31の外周面31fに埋め込まれているため、時化などにより流失するおそれがない。なお、図2(a)では、発明の理解を容易にするために、複数のブラシ片41の一部が省略されている。
ブラシ片41は、藻食性動物の海中重量に耐えうる強度を有するとともに、藻食性動物が越えることのできない長さを有する。例えば、ブラシ片41の毛材として、直径0.5mmの66ナイロン線又は直径0.3mmから0.5mmのステンレス線(SUS線)を好適に用いることができる。これらの毛材を用いることにより、ウニなどの藻食性動物が取り付いても、その自重でブラシ片41が曲がるのを回避することができる。ブラシ片41は、本体部31の外周面31fに埋め込まれた状態で、外周面31fから最も長い毛先までの長さが40mmから60mmであることが好ましい。長さが40mmから60mmであることにより、例えば、ウニの管足の吸盤がブラシ片41の先端から本体部31に到達するのが難しくなる。これにより、ウニなどの藻食性動物がブラシ片41を乗り越えるのを回避することができる。
複数のブラシ片41の毛束密度は、藻食性動物が越えることができないように、かつ、すり抜けることができないように設定されている。より具体的には、本体部31の外周面31fにおける隣接するブラシ片41の基端間の距離は、藻食性動物が越えることができないように、かつ、すり抜けることができないように設定されている。例えば、本体部31の外周面31fにおける隣接するブラシ片41の基端間の距離は、4mm以上15mm以下であることが好ましい。隣接するブラシ片41の基端間の距離が4mm以上15mm以下であることにより、藻食性動物が海藻繁茂板2に侵入するのを防ぐことができる。
ブラシ片41の先端は、切り揃えられていないことが好ましい。例えば、ブラシ片41は、先端に向かうについて本数が少なくなるよう、最も長い毛先に対して5mmから20mmの差を持つランダムな先端を有することが好ましい。ウニは、対象物に対して、管足の吸盤が吸い付く面積が少ないほど乗り越えるのが難しくなる。そのため、ブラシ片41がランダムな先端を有するようにすることで、ウニの防除効果を向上させることができる。
本実施形態において、藻食性動物防除部4は、第1の藻食性動物防除部4aと第2の藻食性動物防除部4bとを含んでいる。図1及び図2に示すように、第1の藻食性動物防除部4aは、台座1側に取り付けられており、第2の藻食性動物防除部4bは、海藻繁茂板2側に取り付けられている。このように、藻食性動物防除部4が2段構成であることにより、より確実に藻食性動物が海藻繁茂板2に侵入するのを防ぐことができる。台座1の上面11と第1の藻食性動物防除部4aとの間隔d、第1の藻食性動物防除部4aと第2の藻食性動物防除部4bとの間隔d、第2の藻食性動物防除部4bと海藻繁茂板2の下面22との間隔dは、いずれもウニの管足の長さよりも大きいことが好ましい。例えば、間隔d及び間隔dは、60mmから100mmであり、間隔dは80mmから100mmであることが好ましい。本体部31の長さが200mmである場合、間隔d及び間隔dは、60mmであり、間隔dは80mmであることが好ましい。本体部31の長さが240mmである場合、間隔d、間隔d及び間隔dはいずれも80mmであることが好ましい。
第1の藻食性動物防除部4aの複数のブラシ片41aの毛束密度は、第2の藻食性動物防除部4bの複数のブラシ片41bの毛束密度よりも大きいことが好ましい。例えば、第1の藻食性動物防除部4aにおいて、本体部31の外周面31fにおける隣接するブラシ片41aの基端間の距離は、4mm以上6mm以下であることが好ましい。隣接するブラシ片41aの基端間の距離が4mm以上6mm以下であることにより、例えばツブなどの比較的小型の藻食性動物が海藻繁茂板2に侵入するのを防ぐことができる。例えば、第2の藻食性動物防除部4bにおいて、本体部31の外周面31fにおける隣接するブラシ片41bの基端間の距離は、10mm以上15mm以下であることが好ましい。隣接するブラシ片41bの基端間の距離が10mm以上15mm以下であることにより、第1の藻食性動物防除部4aでは阻止するのが難しい、例えばウニなどの藻食性動物が海藻繁茂板2に侵入するのを防ぐことができる。図2(a)に示すように、第1の藻食性動物防除部4aにおいて、複数のブラシ片41aは、本体部31の外周面31fにおける隣接するブラシ片41aの基端間の距離が4mm以上6mm以下であるように、2段で配置されていてもよい。
本体部31の外周面31fに対する複数のブラシ片41の埋め込みは、本体部31の外周面31fに複数の植毛穴を形成して、各植毛穴に二つ折りの毛材を植え込む工法、いわゆる植え込みロールブラシ工法により行うことができる。例えば、ブラシ片41の毛材がSUS線である場合には、直径3mmの植毛穴に対して、植え込み深さ8mmで、直径0.4mmかつ長さ100mmの9本のSUS線を束にして二つ折りにし、中央に太めのSUS線を用いて、千鳥植毛配列で埋め込むことが好ましい。例えば、ブラシ片41の毛材が66ナイロン線である場合には、直径5mmの植毛穴に対して、植え込み深さ8mmで、直径0.5mmかつ長さ90mmの37本のSUS線を束にして二つ折りにし、中央に太めのSUS線を用いて、千鳥植毛配列で埋め込むことが好ましい。
〈海藻繁茂板〉
海藻繁茂板2は、その上面21にコンブやワカメなどの大型海藻を生育させるための部材である。本実施形態において、海藻繁茂板2は、図1(a)及び(b)に示すように、直方体形状を有するコンクリートブロックである。海藻繁茂板2は、板状であればよく、その形状は特に制限されない。例えば、海藻繁茂板2は六角柱形状であってもよい。
海藻繁茂板2は、支柱3の係合部32bを貫通可能な貫通孔23を有している。支柱3の係合部32bを海藻繁茂板2の貫通孔23に貫通させてから、係合部32bの雄ネジ構造の先端を、ワッシャー(不図示)を噛ませたナット33で締め込みすることで、支柱3に海藻繁茂板2を固定することができる。
(変形例)
コンブやワカメなどの大型海藻の胞子は、新しい基質には容易に着底するが、数年経過した後の基質は、雑海藻、フジツボや貝類などのコンブやワカメ以外の生物に占有されてしまい、コンブやワカメの胞子が着底し難いという問題がある。そのため、海藻繁茂板2は、第1の海藻繁茂板5と第2の海藻繁茂板6とを含み、第1の海藻繁茂板5は、台座1側に位置しており、第2の海藻繁茂板6は、第1の海藻繁茂板5の上側に重ね合わされており、第2の海藻繁茂板6は、第1の海藻繁茂板5に対して上下反転可能に構成されているか、又は他の第2の海藻繁茂板6’(不図示)と交換可能に構成されていることが好ましい。
図3は、海藻繁茂板2が第1の海藻繁茂板5と第2の海藻繁茂板6とを含む変形例を示す模式図であって、(a)は海藻礁10全体を示す斜視図、(b)は海藻繁茂板2の分解斜視図である。海藻繁茂板2がこのような構造であることにより、第2の海藻繁茂板6を上下反転させるだけで、又は他の第2の海藻繁茂板6’と交換するだけで、新たな基質を提供することができるので、大型海藻の胞子の着底の管理を容易に行うことができる。そのため、大型海藻を安定して繁茂させることが可能となる。例えば、第2の海藻繁茂板6の上面61がコンブやワカメ以外の生物に占有された場合、第2の海藻繁茂板6を上下反転させることで、下面62を新たな基質として使用することができる。また、第2の海藻繁茂板6の上面61がコンブやワカメ以外の生物に占有された場合、別途用意した第2の海藻繁茂板6’と交換することにより、第2の海藻繁茂板6’の上面61’を新たな基質として使用することができる。
第1の海藻繁茂板5と第2の海藻繁茂板6とは、互いに入れ替え可能に構成されていてもよい。第1の海藻繁茂板5と第2の海藻繁茂板6とが互いに入れ替え可能であることにより、第2の海藻繁茂板6の下面62だけではなく、第1の海藻繁茂板5の上面51も新たな基質として使用することができる。
海藻繁茂板2が第1の海藻繁茂板5と第2の海藻繁茂板6とを含む場合、第1の海藻繁茂板5及び第2の海藻繁茂板6はそれぞれ、支柱3を接続するための貫通孔53及び63を有している。第1の海藻繁茂板5及び第2の海藻繁茂板6をこの順に重ねて、貫通孔53の及び貫通孔63に対して、支柱3の係合部32bを貫通させてから、係合部32bの雄ネジ構造の先端を、ワッシャー(不図示)を噛ませたナット33で締め込みすることで、支柱3に第1の海藻繁茂板5及び第2の海藻繁茂板6を固定することができる。コンブやワカメなどの大型海藻の胞子に新たな基質を提供する場合には、支柱3の係合部32bからナット33を外して、第2の海藻繁茂板6を上下反転させたり、別途用意した第2の海藻繁茂板6’と交換したりした後で、支柱3の係合部32bの雄ネジ構造の先端をナット33で締め込みすればよい。
このように、本実施形態に係る海藻礁10によれば、支柱3の外周面31に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部4により、海藻繁茂板2上で生育した大型海藻の幼体が、ウニやツブなどの藻食性動物によって摂餌されるのを防ぐことができる。そのため、大型海藻を安定して繁茂させることが可能となる。加えて、藻食性動物防除部4がブラシ状であることにより、時化などの影響を受け難く、破損のリスクが少ない。
ウニやツブなどの藻食性動物は、繁茂している海藻は食べにくいため、主に自然に流失した流れ藻を餌としている。したがって、特にウニやツブが多く生息する場所に海藻礁10を沈設することで、周年に渡って海藻繁茂板2から自然に流失する流れ藻をウニやアワビへ給餌させることもできる。漁業協同組合は、通常、稚ウニやアワビの稚貝を購入して漁場に放流している。そのため、海藻礁10により周年に渡って安定的な給餌が可能となれば、ウニやアワビの成長が促進され、ウニのむき身歩留りやアワビの肥満度が向上することにより、ウニやアワビの品質が格段に向上する。
以上、本発明について図面を参照にして説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更実施が可能である。上記実施形態においては、藻食性動物防除部4は第1の藻食性動物防除部4aと第2の藻食性動物防除部4bとの2段で構成されているが、例えば、藻食性動物防除部4は3段以上で構成されていてもよい。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
2019年11月14日に、支柱が藻食性動物防除部を有さず、海藻繁茂板上に人工的にコンブの胞子や種苗を付けていない海藻礁を沈設した。2020年4月9日に、海底物質が岩盤であり、ウニなどの藻食性動物が多数生息している場所ではコンブが繁茂していないことが確認された。一方、海底物質が砂地であり、ウニなどの藻食性動物が生息していない場所ではコンブが密に繁茂していることが確認された。
ウニなどの藻食性動物が多数生息している岩盤海底に、本発明の海藻礁を沈設し、ブラシ片の毛材、ブラシ片の長さ、ブラシ片の先端の形状、複数のブラシ片の毛束密度、第1の藻食性動物防除部と第2の藻食性動物防除部との離間距離を様々に変更して、ウニ(キタムラサキウニ)の防除実験を行った。その結果、ウニなどの藻食性動物が多数生息している岩盤海底であっても、本発明の海藻礁によれば、海藻繁茂板上で生育させたコンブなどの大型海藻の幼体が摂餌されるのを防ぐことができ、大型海藻を安定して繁茂させることできることが分かった。
本発明は、特に、太平洋北部海域に生育するワカメやコンブなどの大型海藻を安定して繁茂させるための海藻礁として有用である。本発明は、太平洋北部海域以外の磯焼け現象が発生している漁場に利用することも可能である。
10 海藻礁
1 台座
11 上面
12 係合部
2 海藻繁茂板
21 上面
22 下面
23 貫通孔
5 第1の海藻繁茂板
51 上面
52 下面
53 貫通孔
6 第2の海藻繁茂板
61 上面
62 下面
63 貫通孔
3 支柱
31 本体部
31f 外周面
32 ボルト
32a 係合部
32b 係合部
33 ナット
4 藻食性動物防除部
41 ブラシ片
4a 第1の藻食性動物防除部
41a ブラシ片
4b 第2の藻食性動物防除部
41b ブラシ片

Claims (4)

  1. 台座と、前記台座の上方に一定の距離を保って対向設置される海藻繁茂板と、前記台座と前記海藻繁茂板との間に立設される複数の支柱とを備え、
    前記支柱が、その外周面に取り付けられたブラシ状の藻食性動物防除部を有し、
    前記藻食性動物防除部は、第1の藻食性動物防除部と第2の藻食性動物防除部とを含み、
    前記第1の藻食性動物防除部は、前記台座側に取り付けられており、
    前記第2の藻食性動物防除部は、前記海藻繁茂板側に取り付けられており、
    前記第1の藻食性動物防除部の複数のブラシ片の毛束密度が、前記第2の藻食性動物防除部の複数のブラシ片の毛束密度よりも大きい海藻礁。
  2. 前記藻食性動物防除部は、複数のブラシ片を備え、
    前記複数のブラシ片は、前記支柱の外周面から放射状に突出するように、前記外周面に埋め込まれており、
    前記複数のブラシ片は、藻食性動物の海中重量に耐えうる強度を有するとともに、藻食性動物が越えることのできない長さを有し、
    前記外周面における隣接する前記ブラシ片の基端間の距離は、藻食性動物が越えることができないように、かつ、すり抜けることができないように設定されている請求項1に記載の海藻礁。
  3. 前記支柱は、前記台座及び前記海藻繁茂板に対して着脱可能に構成されている請求項1又は2に記載の海藻礁。
  4. 前記海藻繁茂板は、第1の海藻繁茂板と第2の海藻繁茂板とを含み、
    前記第1の海藻繁茂板は、前記台座側に位置しており、
    前記第2の海藻繁茂板は、前記第1の海藻繁茂板の上側に重ね合わされており、
    前記第2の海藻繁茂板が、前記第1の海藻繁茂板に対して上下反転可能に構成されているか、又は他の前記第2の海藻繁茂板と交換可能に構成されている請求項1から請求項のいずれか1項に記載の海藻礁。
JP2020175462A 2020-10-19 2020-10-19 海藻礁 Active JP6845599B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020175462A JP6845599B1 (ja) 2020-10-19 2020-10-19 海藻礁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020175462A JP6845599B1 (ja) 2020-10-19 2020-10-19 海藻礁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6845599B1 true JP6845599B1 (ja) 2021-03-17
JP2022066875A JP2022066875A (ja) 2022-05-02

Family

ID=74860913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020175462A Active JP6845599B1 (ja) 2020-10-19 2020-10-19 海藻礁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6845599B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022066875A (ja) 2022-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nedimyer et al. Coral tree nursery©: an innovative approach to growing corals in an ocean-based field nursery.
KR20130054259A (ko) 수산양식 어셈블리 및 방법
US9681645B2 (en) Structure for attracting and accumulating aquatic organisms
CN101341851A (zh) 一种人工藻场及其构建方法
KR101002567B1 (ko) 해삼 양식용 인공 어초
WO2006063412A1 (en) Self-sustaining abalone farming system
Cheong Status of knowledge on farming of seabass (Lates calcarifer) in South East Asia
JP4026159B1 (ja) ウニ類の移動阻止方法及びその装置
KR101286078B1 (ko) 침하식 해삼 가두리 양식 장치
JP6845599B1 (ja) 海藻礁
CA2310163A1 (en) Artificial seaweed bed
KR102026032B1 (ko) 바다숲 조성장치
JP4915946B2 (ja) 海藻類の増殖方法
KR101427538B1 (ko) 도루묵 산란 및 보육을 위한 어소
JPH0649180Y2 (ja) 藻類の養殖具
JPH1043A (ja) 海底生物育成方式及びその育成基質
JP4125221B2 (ja) サンゴの海上養殖方法及びその装置
KR101631588B1 (ko) 인공어초
JP2002000113A (ja) 海中藻場造成用構造物
JP2001095416A (ja) 浮島漁礁とそれを用いた魚類の集魚方法
KR100353083B1 (ko) 부어초
KR200477377Y1 (ko) 바다숲 조성용 상자형 해중림초
JP2004121162A (ja) 昆布養殖漁礁
Anuraj et al. Sea Cage Farming
KR20170032745A (ko) 바다숲 조성장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201021

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201021

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6845599

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150