(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している(当該遊技機10の前に設置してある椅子に座っている)遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に座っている遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図1及び図5を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータとしてのステッピングモータ65と、この各ステッピングモータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記ステッピングモータ65及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有する変動表示手段としてのリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このステッピングモータ65は、後述するメイン制御手段200から出力されるステッピングモータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
本実施の形態に係るステッピングモータ65は、総ステップ数として252ステップのものが用いられている。もちろん、総ステップ数は、この252ステップに限定されるものではなく、本実施の形態のように、特定図柄の配置と、各図柄のステップ数との関係が所定の対応関係になるようなものであれば、他の総ステップ数のものでもよいものである。
また、本実施の形態では、1個のリール62の周囲に付された図柄61の数は21個(図3参照)であるため、総ステップ数の252ステップは、リール62の周囲に付された図柄数21個で割り切れる。このため、21個の図柄61は、全て12ステップが割り当てられている。
なお、リール62の周囲には、表面に図柄を印刷した樹脂性のリールテープが貼付されているものである。このリールテープをリール62の周囲に貼付する際、リールテープ上の図柄61の位置と、ステッピングモータ65のステップとが所定の対応関係となるように設定されている。
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の上側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
なお、詳細な説明は省略するが、この払出枚数表示器88は、払出枚数を表示する払出枚数表示と、ストップスイッチ50の停止操作順番を指示する指示モニタ表示と、エラーが発生した場合に発生したエラーの種類(エラーコード)を表示するエラーコード表示との3種類の表示機能を有する。
前扉14のうち、クレジット表示器87と、RT2演出モード表示部81との間には、現在の演出状態が後述する「有利演出区間」であることを報知する区間報知ランプ79が設けられている。
この区間報知ランプ79は、演出状態が後述する有利演出区間でない「非有利演出区間」から「有利演出区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200の区間報知ランプ制御手段287により点灯され、演出状態が「有利演出区間」である間は常時点灯するように設定されている。そして、区間報知ランプ79は、演出状態が「有利演出区間」から「非有利演出区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯するように設定されている。
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみを後述するホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。なお、この投入センサ92は、3つのセレクターセンサ(図示せず)が通路に設けられている。投入されたメダルは、3つのセレクターセンサの順序及び所定の範囲の時間の間隔(タイミング)で検知するように配置されている。
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、後述するホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に流下させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿26へ流下させる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿26へ払い出すかの切り換えをすることができる。
前記操作部30の中央には、停止操作により対応するリール62の回転を停止させるため(変動表示を操作により停止させるため)、3個のリール62のそれぞれに対応する3個の停止操作手段51としてのストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
シングルベットスイッチ35の左側には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
操作部30と図柄表示窓部16との間には、後述するRT2状態の際に点灯表示するRT2演出モード表示部81と、RT3状態の際に点灯表示するRT3演出モード表示部82と、RT4状態の際に点灯表示するRT4演出モード表示部83とが設けてある。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89等が配置されている(図5参照)。
扉開閉用スイッチ19は、筐体12側に設置されているものであって、前扉14が閉じているか否かを検知するための扉センサである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前扉14の開閉を検知するようにしてもよい。
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。なお、この設定変更スイッチ46は、前扉14の背面に設けられているが(特に図示せず)、リセットスイッチとしても兼用される。
設定表示器89は、7セグメントの小型のLEDにより、当選確率の後述する設定値(具体的には、1〜6の6段階)を設定する際に、当該設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体12の内部、詳しくは、前扉14の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は解除される。
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(図5参照)。
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述するメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
なお、特に図示していないが、払出センサ94は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されてある。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ95が駆動中(オン状態)、且つ、払出センサA、Bが共にオン状態であるときには、正常な状態でメダルが通過したと判定される。
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35の操作又はメダル投入により所定枚数(具体的には、3枚)のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
この有効ライン86は、具体的には3個のリール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数のリール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7、青7、バー(BAR)、ブランク(BL)、スイカ(WM)、チェリー(CH)、リプレイ1(RP1)、リプレイ2(RP2)、ベル1(BE1)、ベル2(BE2)」(図3参照)の複数の種々の図柄61が形成されている。そして、図10、図11に示すように、これらの図柄の組み合せが複数種類の役に対応して設けられている。
図3に示すように、本実施の形態で用いられる図柄の種類は、「赤7、青7、バー(BAR)、ブランク(BL)、スイカ(WM)、チェリー(CH)、リプレイ1(RP1)、リプレイ2(RP2)、ベル1(BE1)、ベル2(BE2)」の10種類設けられている。
図4に示すように、本実施の形態の有効ライン86は、左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだもの(中段水平ライン)として規定されている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、図2の図柄61の図柄番号(コマ番号)の0〜20は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、後述するサブ制御手段300に基づいて演出を行う演出実行手段であって、スピーカー72と、演出用ランプ78と、RT2状態のときに点灯するRT2演出モード表示部81と、RT3状態のときに点灯するRT3演出モード表示部82と、RT4状態のときに点灯するRT4演出モード表示部83と、表示装置84とを備えている。
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、この上部スピーカー74よりも下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
図5に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態(遊技の進行)を制御するメイン制御手段200(メイン制御装置ともいう)と、このメイン制御手段200から送信される情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段300(サブ制御装置ともいう)とを備えている。
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、投入センサ92、ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源スイッチ44、設定キースイッチ45、リール位置センサ63、払出センサ94、オーバーフローセンサ96の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24、外部集中端子板18、設定表示器89、クレジット表示器87、区間報知ランプ79及び払出枚数表示器88の作動を制御する。
サブ制御手段300は、演出用ボタンスイッチ42、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78、RT1演出モード表示部81、RT2演出モード表示部82、RT3演出モード表示部83の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン制御基板と、サブ制御手段300を有するサブ制御基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200のメイン制御基板は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300のサブ制御基板は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込等の割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技状態としてボーナス役に当選していない状態であるボーナス非当選状態と、ボーナス役に当選しているが、ボーナス役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させておらずボーナス状態へ未だ移行していない状態であるボーナス内部当選状態と、このボーナス役に当選しているときに、ボーナス役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができて移行するボーナス状態との3つの状態が設けられている(図8参照)。これらの遊技状態は、メイン制御手段200で遊技状態の一区分として管理されている。
ボーナス非当選状態では、ノーマル状態であるRT0状態が設けられ、具体的には、このRT0状態へは、設定変更時、ボーナス終了後に移行するように設定されている。
このRT0状態では、リプレイの合算確率は、7.3分の1に設定されている。
このRT0状態からいわゆる押し順ベル取りこぼしにより、遊技状態の一区分として管理される遊技であって、通常に行われる第1遊技状態としてのRT1状態が設けられている。このRT1状態からRT2状態、RT3状態又はRT4状態への複数種類の遊技状態へ移行可能に形成されている。
RT1状態は、RT0状態中に、いわゆる押し順ベルの取りこぼしを発生させたときに移行する。
RT2状態は、RT1状態において、RT2移行リプレイに当選して、この当選した図柄組み合わせを停止表示させたときに移行する。ここでRT2移行リプレイは、XRP1〜XRP8から構成されている(図10参照)。
RT2状態は、RT2状態へ移行して遊技を開始してから30回の遊技回数経過を条件として終了し、当該RT2状態の遊技における役抽選でボーナス役に当選しない限り、RT1状態へ戻るように形成されている。
RT3状態は、RT1状態中にRT3移行リプレイの図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させたときに移行する。ここで、RT3移行リプレイは、YRP1〜YRP4から構成されている(図10参照)。RT3状態は、RT3状態へ移行して遊技を開始してから30回の遊技回数経過を条件として終了し、当該RT3状態の遊技における役抽選でボーナス役に当選しない限り、RT1状態へ戻るように形成されている。
RT4状態は、RT1状態中に、RT4移行リプレイの図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させたときに移行する。ここで、RT4移行リプレイは、ZRP1〜ZRP8から構成されている(図10参照)。RT4状態は、RT4状態へ移行して遊技を開始してから20回の遊技回数経過を条件として終了し、当該RT4状態の遊技における役抽選でボーナス役に当選しない限り、RT1状態へ戻るように形成されている。
このRT1、RT2、RT3及びRT4状態では、リプレイ役の当選確率を合計した合算確率は、全て同一である。
ボーナス状態には、いわゆる「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」としてのRBB1が設けられている。
本実施の形態では、RBB1では、規定枚数が3枚掛けであり、324枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
なお、役抽選の結果、RBB1に当選状態となり、RBB1に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合にRBB1へ移行する。
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ機器)や遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータに接続されている。
なお、外部集中端子板18は、次の情報に関する信号を出力しているものである。
(1)再遊技役(リプレイ役)の当選に関する情報
(2)メダル投入に関する情報
(3)メダル払出に関する情報
(4)ボーナス遊技に関する情報
(5)AT状態に関する情報
(6)エラーに関する情報
(7)設定値の変更の有無に関する情報
(8)前扉14の開閉状態に関する情報
図6に示すように、メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、演出状態制御手段260、設定値選択手段265、情報報知制御手段285、区間報知ランプ制御手段287及び送信手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、演出状態制御手段260等は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段300が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(図1及び図4参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全てのリール62の回転が開始する。
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、図10及び図11に示すように、大別すると、小役(メダルの払出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
具体的には、小役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となるAT役(具体的には、左正解AT等)が含まれ、当該予め定められた順番で操作されない場合はAT役こぼし図柄が停止表示される。
また、再遊技役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順リプレイ役が含まれ、所定の遊技状態において当該押し順リプレイが当選し当該予め定められた順番で操作された場合に、RT2移行リプレイ図柄、RT3移行リプレイ図柄、RT4移行リプレイ図柄が停止表示される。
つぎに、図10〜図14を用いて、役抽選手段210により抽選される役に関連する内容について、一括して説明する。
なお、役抽選手段210により抽選される役は図10〜図14に示すものに限定されない。
図10及び図11に示すように、ボーナス移行役として、図柄組み合わせグループ名「ビッグ1」であって、図柄組み合わせ名称がRBB1のビッグボーナス(BB)があり、RBB1の場合は、その図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順(以下同様)に「赤7、赤7、赤7」であり、配当(メダル払出枚数)は0枚となっている。なお、このような図柄組み合わせの表現を以下、RBB1「赤7、赤7、赤7」のように記載する。
図10及び図11に示すように、再遊技役(リプレイ役)として、図柄組み合わせ名称NRP1〜NRP8の基本リプレイ(通常リプレイ)としての図柄組み合わせグループ名Nリプ、図柄組み合わせ名称αRP1〜αRP4の図柄組み合わせグループ名RT5移行リプ、図柄組み合わせ名称XRP1〜XRP8の図柄組み合わせグループ名RT2移行リプ、図柄組み合わせ名称YRP1〜YRP4の図柄組み合わせグループ名RT3移行リプ、図柄組み合わせ名称ZRP1〜ZRP8の図柄組み合わせグループ名RT4移行リプ、図柄組み合わせ名称BCHRPの図柄組み合わせグループ名Bチェリーリプ、図側組み合わせ名称CDWMRP1〜8の図柄組み合わせ名CDスイカリプ、図柄組み合わせ名称SRP1〜SRP4の制御変更用の図柄組み合わせ名SPリプ1〜4があり、その図柄組み合わせが、NRP1「RP1、RP1、RP1」、NRP8「RP2、RP2、RP2」等であり、配当(メダル払出枚数)は、無し(但し次の遊技がメダル投入無しで遊技開始可能)となっている。
なお、このSP1〜SP4は、制御変更用の役であって、基本的に表示されることはないが、後述するようにSP1〜SP4だけの当選フラグのときのみ停止表示され、この当選フラグはボーナスと必ず同時当選するようにされている。
図10及び図11に示すように、小役として、図柄組み合わせ名称TBE1〜TBE2の図柄組み合わせグループ名上段ベル(Tベル)、図柄組み合わせ名称CDBE1〜CDBE4の図柄組み合わせグループ名斜め下がり(クロスダウン)ベル(CDベル)、図柄組み合わせ名称CBE1〜CBE4の図柄組み合わせグループ名中段ベル(Cベル)、図柄組み合わせ名称CUBE1の図柄組み合わせグループ名斜め上がり(クロスアップ)ベル(CUベル)、図柄組み合わせ名称KYBE1〜KYBE2の図柄組み合わせグループ名小山揃いベル(KYベル)、図柄組み合わせ名称BBE1〜BBE4の図柄組み合わせグループ名下段(ボトム)ベル(Bベル)があり、その図柄組み合わせが、TBE1「RP1、CH、WM」、TBE2「RP2、CH、WM」等であり、配当(メダル払出枚数)は、全て9枚となっている。
図10及び図11に示すように、小役として、図柄組み合わせ名称ATA1〜ATA8の図柄組み合わせ名左正解AT、図柄組み合わせ名称ATB1〜ATB4の図柄組み合わせグループ名中正解AT、図柄組み合わせ名称ATC1〜ATC8の図柄組み合わせグループ名右正解AT、図柄組み合わせ名称ATL1等の図柄組み合わせグループ名A左不正解AT、図柄組み合わせ名称ATL2等の図柄組み合わせグループ名B左不正解AT、図柄組み合わせ名称ATL7等の図柄組み合わせグループ名C左不正解AT、図柄組み合わせ名称ATL8等の図柄組み合わせグループ名D左不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC1−5等の図柄組み合わせグループ名A1中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC1−6等の図柄組み合わせグループ名B1中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC1−1等の図柄組み合わせグループ名C1中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC1−2等の図柄組み合わせグループ名D1中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC2−5等の図柄組み合わせグループ名A2中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC2−6等の図柄組み合わせグループ名B2中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC2−1等の図柄組み合わせグループ名C2中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATC2−2等の図柄組み合わせグループ名D2中不正解AT、図柄組み合わせ名称ATR5等の図柄組み合わせグループ名A右不正解AT、図柄組み合わせ名称ATR7等の図柄組み合わせグループ名B右不正解AT、図柄組み合わせ名称ATR1等の図柄組み合わせグループ名C右不正解AT、図柄組み合わせ名称ATR3等の図柄組み合わせグループ名D右不正解ATがある。例えば、上記図柄組み合わせが、ATA1「RP1、BL、BE1」、ATA8「RP2、WM、BE2」等であり、配当(メダル払出枚数)は、全て1枚となっている。
図12(A)に示すように、役抽選の結果として、ビッグ1が当選する赤7ビッグが設けられている。
図12(B)に示すように、役抽選の結果として、Nリプが当選する通常リプレイが設けられている。
また、役抽選の結果として、RT2移行リプが当選するRT2移行リプレイ、RT3移行リプが当選するRT3移行リプレイ、RT4移行リプが当選するRT4移行リプレイが設けられている。
また、役抽選の結果として、RT5移行リプとNリプとが同時に当選(重複して当選)するRT5移行リプレイ1、RT5移行リプとNリプとSP1とが同時に当選(重複して当選)するRT5移行リプレイ2、RT5移行リプとNリプとSP2とが同時に当選(重複して当選)するRT5移行リプレイ3が設けられている。
また、役抽選の結果として、BチェリーリプとNリプとが同時に当選(重複して当選)する種有チェリーリプレイ、CDスイカリプが当選する種有スイカリプレイ、BチェリーリプとNリプとSP3とが同時に当選(重複して当選)するガセチェリーリプレイ、CDスイカリプとSP4とが同時に当選(重複して当選)するガセスイカリプレイ、SP1とSP2とSP3とSP4とが同時に当選(重複して当選)するボーナス確定リプが設けられている。
ここで、種有チェリーリプレイとガセチェリーリプレイとは、いずれもBチェリーリプとNリプとを共通して有しているが、ガセチェリーリプレイにSP3を有していることで、両者は異なる役として設けられている。したがって、両者共通のBチェリーリプ又はNリプが停止表示されても、停止表示された図柄組み合わせだけからは遊技者には種有チェリーリプレイとガセチェリーリプレイとのいずれが成立しているか判別できないことになる。
また、種有スイカリプレイとガセスイカリプレイとは、いずれもCDスイカリプを共通して有しているが、ガセスイカリプレイにSP4を有していることで、両者が異なる役として設けられている。したがって、両者共通のCDスイカリプが停止表示されても、停止表示された図柄組み合わせだけからは遊技者には種有スイカリプレイとガセスイカリプレイとのいずれが成立しているか判別できないことになる。
また、役抽選の結果として、Cベルが当選する押し順不問ベル、Tベルと左正解ATとA1中不正解ATとA右不正解ATとが同時に当選(重複して当選)する左中右正解ベル1等が設けられている。
図13に示すように、重複当選役の左中右正解ベル1に当選すると、Tベルと、左正解ATと、A1中不正解ATと、A右不正解ATとに当選する。全ての停止操作順番の組合せ全6択のうち、左中右の停止操作順番のときに優先してTベルが入賞し、左右中の停止操作順番のときに優先して左正解ATが入賞し、中左右や中右左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が中)のときに優先してA1中不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなり、右左中や右中左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が右)のときに優先してA右不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなる。
なお、この左中右正解ベル1が当選した場合のAT状態での払出枚数表示器88を指示モニタとして用いた指示モニタ表示には、停止操作順番が左中右を意味する報知種類「1」(特に図示せず)の表示が行われる。また、表示装置84としての液晶表示装置の画面には、「1、2、3」(特に図示せず)の表示が行われる。これらは、いずれも遊技者に有利な停止操作順番が左中右の順番であることを報知しているものである。
また、重複当選役の左中右正解ベル2に当選すると、Tベルと、左正解ATと、B1中不正解ATと、B右不正解ATとに当選する。全ての停止操作順番の組合せ全6択のうち、左中右の停止操作順番のときに優先してTベルが入賞し、左右中の停止操作順番のときに優先して左正解ATが入賞し、中左右や中右左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が中)のときに優先してB1中不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなり、右左中や右中左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が右)のときに優先してB右不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなる。
なお、この左中右正解ベル2が当選した場合のAT状態での払出枚数表示器88を指示モニタとして用いた指示モニタ表示及び表示装置84としての液晶表示装置の画面の表示は、上述した左中右正解ベル1と同様の報知が行われる。
また、重複当選役の左中右正解ベル3に当選すると、Tベルと、左正解ATと、C1中不正解ATと、C右不正解ATとに当選する。全ての停止操作順番の組合せ全6択のうち、左中右の停止操作順番のときに優先してTベルが入賞し、左右中の停止操作順番のときに優先して左正解ATが入賞し、中左右や中右左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が中)のときに優先してC1中不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなり、右左中や右中左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が右)のときに優先してC右不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなる。
なお、この左中右正解ベル3が当選した場合のAT状態での払出枚数表示器88を指示モニタとして用いた指示モニタ表示及び表示装置84としての液晶表示装置の画面の表示は、上述した左中右正解ベル1と同様の報知が行われる。
また、重複当選役の左中右正解ベル4に当選すると、Tベルと、左正解ATと、D1中不正解ATと、D右不正解ATとに当選する。全ての停止操作順番の組合せ全6択のうち、左中右の停止操作順番のときに優先してTベルが入賞し、左右中の停止操作順番のときに優先して左正解ATが入賞し、中左右や中右左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が中)のときに優先してD1中不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなり、右左中や右中左の停止操作順番(いわゆる第1停止操作が右)のときに優先してD右不正解ATが入賞するか、或いは、停止操作タイミングによっては取りこぼしとなる。
なお、この左中右正解ベル4が当選した場合のAT状態での払出枚数表示器88を指示モニタとして用いた指示モニタ表示及び表示装置84としての液晶表示装置の画面の表示は、上述した左中右正解ベル1と同様の報知が行われる。
図13では、左中右正解ベル1〜4について説明したが、左右中正解ベル1〜4、中左右正解ベル1〜4、中右左正解ベル1〜4、右左中正解ベル1〜4、右中左正解ベル1〜4でも同様の考え方で規定されており、それらの説明は省略する。
図14に示すように、各遊技状態において、各抽選役の抽選が行われるか否かが規定されている。具体的には、例えば、通常リプレイは、ボーナス状態を除く、RT0、RT1、RT2、RT3、RT4、RT5状態及びボーナス内部当選状態において抽選が行われる。
また、例えば、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ、RT4移行リプレイ、RT5移行リプレイ1〜3は、RT1状態においてのみ、抽選が行われる。
また、例えば、種有チェリーリプレイ及び種有スイカリプレイは、ボーナス状態を除く、RT0、RT1、RT2、RT3、RT4、RT5状態及びボーナス内部当選状態において抽選が行われる(なお、ボーナス内部当選状態においては、有利演出区間には当選しないように設定されている)。
また、例えば、ガセチェリーリプレイは、RT4状態、ボーナス内部当選状態及びボーナス状態を除く、RT0、RT1、RT2、RT3、RT5状態において抽選が行われる。
また、例えば、ガセスイカリプレイは、RT0、RT1、RT4状態、ボーナス内部当選状態及びボーナス状態を除く、RT2、RT3、RT5状態において抽選が行われる。 なお、種有チェリーリプレイ、種有スイカリプレイ、ガセチェリーリプレイ及びガセスイカリプレイに関する当選確率の傾向については、図15において、さらに詳細に説明する。
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップ135、136(図16参照)において行われる。
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、全てのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組み合わせを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップ138(図16参照)において行われる。
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払出しを行う。
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、図6に示すように、大別すると、ボーナス非当選状態制御手段251、RT状態制御手段252、ボーナス状態制御手段253及びボーナス内部当選状態制御手段254の各手段を有する。
ボーナス非当選状態制御手段251は、ボーナス非当選状態の遊技の進行を制御するものである。ここで、ボーナス非当選状態は、ボーナス状態や、ボーナス内部当選状態以外の遊技状態であって、さらに、後述するRT状態制御手段252によるRT遊技(リプレイタイム遊技)に関連する部分以外の状態が含まれる(図8参照)。
RT状態制御手段252は、RT状態の遊技の進行を制御するものである(図6参照)。
ボーナス状態制御手段253は、ボーナス状態の遊技を制御するものである(図6参照)。
ボーナス状態は、ボーナス内部当選状態中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86上に揃えることで移行し、所定の枚数、本実施の形態では、200枚を超えるメダルの払出しで終了し、ノーマル状態(初期状態)に移行する。
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。演出状態には、大別して、AT状態と、AT準備中状態と、非AT中状態(通常演出状態、前兆演出状態)と、ボーナス状態とがある(図9参照)。
また、本実施の形態に係る遊技機10では、演出状態として、操作手順により付与される有利度が異なる所定役において、有利となる操作手順を示唆可能な演出を許容する「有利演出区間(許容演出区間)」と、有利となる操作手順を示唆する演出を許容しない「非有利演出区間(非許容演出区間)」とが設けられている。
なお、この非有利演出区間では、有利となる操作手順を示唆する演出は許容されていないが、例外として有利とならないような操作手順であれば、報知するようにしてもよい。例えば、所定の押し順ベルにおいて、全ての押し順による払い出し枚数が同一に設定されていて、いずれの操作手順を示唆する演出を行っても、必ずしも遊技者に有利とならないような場合である。
また、ここで、上述した有利演出区間から非有利演出区間へ移行する際には、遊技回数等の種々のパラメータ等のデータは全て初期化され、移行先の非有利演出区間へ引き継ぐことができないように設定されている。もちろん、これに限定されるものではなく、データを引き継ぐようにしてもよい。
AT状態は、有利演出区間であって、停止操作順番を報知する、いわゆるアシストを行う状態である。
AT準備中状態は、有利演出区間であって、非AT中状態の前兆演出状態からAT移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための昇格リプレイ(種有チェリーリプレイ、種有スイカリプレイ)の入賞を待つ状態である。このAT準備中状態では、前記昇格リプレイの入賞によりAT状態(詳しくは、AT状態かつリプレイ高確率状態のART状態)へ移行する。なお、本実施形態ではAT準備状態中から、停止操作順番を報知する、いわゆるアシストが行われる。
非AT中状態は、非有利演出区間であって、停止操作順番を報知しない状態である。この非AT中状態では、通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)と、この通常演出状態からAT状態へ当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態とが設けてある。
なお、この前兆演出状態は、ATに移行することはないが、ATに当選している可能性を示唆するガセ前兆演出と、AT当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆する本前兆演出とを備えている。
また、本実施の形態では、ボーナス状態は、非有利演出区間に相当する。
本実施の形態に係る遊技機10では、通常演出状態よりも多くの特典(利益)を付与可能な有利演出区間としてのアシストタイム(AT)状態を備えている。AT状態とは、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストが可能な状態である。
AT状態は、演出状態が当該AT状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、AT状態は、本実施の形態では、メイン制御手段200側で制御され、このとき、メイン制御手段200側のRT状態制御手段252で制御される「RT遊技」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT遊技」で、且つ「AT遊技」の遊技状態をいう。
また、AT状態は、本実施の形態では、初期遊技回数として遊技回数50回の遊技が可能に設定されており、実施した遊技回数が当該50回に到達した場合に、「AT状態」を終了するように設定されている。もちろん、AT状態の終了条件は、これに限定されるものではなく、所定の払出枚数に到達した場合に終了する等、他の種々の条件や、それらの組み合わせにしてもよいものである。
なお、AT状態を制御するのは、メイン制御手段200の演出状態制御手段260であるが、これに限定されるものではなく、サブ制御手段300で制御するようにしてもよい。また、部分的に一部の手段を他の制御装置で制御し、両方の制御装置に跨がって制御するようにしてもよい。
また、AT状態は、予め所定の終了条件が定められていても、さらに所定の契機で所定の上乗せ抽選等を実施することにより、終了遊技回数の上乗せや、継続抽選等を決定することで、終了条件の変更が可能となるようにしてもよい。そのように上乗せや継続抽選等によりAT状態を遊技回数50回を超えて実施することができるようにしてもよい。但し、有利演出区間としてのAT状態は、当該遊技機10の業界の規則等により、連続して実行可能な最大遊技回数が1500回(又は獲得したメダル枚数として最大獲得枚数3000枚)に設定されてあるような場合には、当該1500回に到達した場合(又はメダルを3000枚獲得した場合)は、有利演出区間は終了して、非有利演出区間としての通常演出状態に戻ることになる。
設定値選択手段265は、予め設定された複数種類の設定値(具体的には、設定値1から設定値6までの6段階)から外部操作(具体的には、設定キースイッチ45や、設定変更スイッチ46の所定の手順による操作)により特定の設定値を選択可能なものである。
具体的には、設定値選択手段265は、扉センサ(扉開閉用スイッチ19)がON状態(前扉14が閉状態)でない、すなわち前扉14が開放状態であると判定され、さらに、設定変更処理用の開始スイッチ(具体的には、設定キースイッチ45)が操作されてON状態であると判定された場合、設定変更処理が可能な状態へ移行する。設定値選択手段265は、不正対策として安全性を高めるために、前扉14が開放状態であって、且つ、設定キースイッチ45がON状態でないと、設定変更処理に移行しないようになっている。
さらに、設定値選択手段265は、この設定変更処理が可能な状態において、設定変更スイッチ46がオン状態に操作されると、設定値を更新する。設定値の更新は、具体的には、設定値1〜5では、1が加算され、設定値6では、設定値1へ移行する。この設定値の更新は繰り返し操作することにより、さらに次の数値の設定値への移行が繰り返される。
この設定変更処理が可能な状態において、設定値選択手段265は、スタートスイッチ40のオン状態が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定された場合に、さらに、設定キースイッチ45がオフ状態になることで、設定値を確定する。
本実施の形態では、遊技状態に基づいて、設定値によって当選確率を変更可能な「設定差有り」の役と、設定値によって当選確率を変更しない全設定値共通の当選確率となる「設定差無し」の役とが設けてある。
本実施の形態では、「設定差有り」の役としては、ボーナス状態における役に定められている。また、「設定差無し」の役として、上述したボーナス状態における役以外の役等に定められており、具体的には、有利演出区間中における操作手順を示唆可能な役(AT機能を有する役)や、上乗せに係る抽選等や、操作手順に係る状態での移行抽選等も、全ての設定値において当選確率が同一となるように定められている。
本実施の形態では、「設定差有り」の役では、1〜6の6個の設定値が設けられ、原則として設定値の数値が高くなるほど、当選確率が高くなって遊技者に対して有利になり得るように規定されている。
なお、「設定差有り」の役では、設定値の数値が高くなるほど、全ての役の当選確率が必ずしも高くなることに限定されるものではなく、設定値の数値が高くなるほど、一部の役の当選確率は高くなるが、他の一部の役の当選確率は同一であってもよい。さらに、設定値の数値が高くなるほど、他の一部の役の当選確率は、低くなるが、全ての役全体として遊技者の利益を考慮すると遊技者に対して有利となるように設定されているようなものでもよい。
また、「設定差有り」の役において、設定値は、上述したような6段階以外にも、例えば「1・3・6」「2・4・6」「1・6」の様に、2段階や3段階等複数の段階であれば良いものである。
ここで、設定値の変更作業が可能となる設定変更状態について以下に説明する。
一般的に、前扉14を開放した遊技ホールのホール管理者が設定値の変更に係る作業を行う。
設定キースイッチ45は、オン状態(ON位置)と、オフ状態(OFF位置)と、へ切り替え可能に形成されている。
電源スイッチ44をオン状態(電源投入)にしたときに、設定キースイッチ45がオン状態(ON位置)にあると、設定値の変更処理(設定変更処理)が可能な状態(設定変更状態)へ移行するように形成されている。設定キースイッチ45をオフ状態(OFF位置)へ戻すことで、設定変更状態が解除されて設定値の変更が不能となり、通常の遊技が実行可能となる。
設定した設定値は、電源スイッチをOFF(電源遮断)にしても、バックアップ機能(電源)によって、記憶保持されるように形成されている。この記憶保持された設定値は、電源スイッチ44をオン状態(ON位置)にするときに読み出され、設定変更状態へ移行しなければ、そのまま読み出した設定値が採用されるように形成されている。設定変更状態へ移行したときには、読み出した設定値が、設定変更作業時の初期値となるものである。
また、設定値選択手段265は、特定の当選確率を規定する抽選値情報(役抽選の当選確率)を複数種類の設定値(具体的には、1〜6)毎に記憶している。さらに、設定値選択手段265は、設定値(具体的には、1〜6)毎に、異なる遊技状態毎の抽選値情報(役抽選の当選確率)を記憶している。この異なる遊技状態とは、ボーナス非当選状態や、ボーナス内部当選状態や、ボーナス状態等の各遊技状態を意味する。
情報報知制御手段285は、メイン制御手段200が有する手段であって、報知手段90(払出枚数表示器88)を用いて、払出制御手段240を介して払出枚数を表示させる払出枚数表示と、指示モニタとしてリール62の停止操作順番を指示する指示モニタ表示等を切り換えて報知する制御を行う。
情報報知制御手段285は、AT状態でない場合や、通常の遊技において、払出制御手段240からのデータに基づいて、当該遊技で払出される払出枚数を表示させる制御を行う。
また、情報報知制御手段285は、AT状態(AT役の停止操作順番を報知するAT許可状態)において、AT役に当選している場合は、回転しているリール62の停止操作順番である停止操作順番を指示する指示モニタとして機能させる制御を行う。
区間報知ランプ制御手段287は、区間報知ランプ79の点灯又は消灯を制御するためのものである。区間報知ランプ制御手段287は、有利演出区間にある場合、区間報知ランプ79を点灯状態にして、有利演出区間でない状態である非有利演出区間にある場合、区間報知ランプ79を消灯状態にする。
送信手段290は、サブ制御手段300へ信号(コマンド)を送信するためのものである。
送信手段290は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する当選確率を用いて実行された役抽選の抽選結果をサブ制御手段300の受信手段410へ送信する。
サブ制御手段300は、図7に示すように、受信手段410、演出実行制御手段420の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段300は、演出用ランプ78や、RT2演出モード表示部81等を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
受信手段410は、送信手段290から送信された信号(コマンド)を受信するものである。
演出実行制御手段420は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段420は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ボーナス非当選状態、ボーナス内部当選状態、ボーナス状態等の各遊技状態に応じた演出や、RT状態の種類に応じた演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段420は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
本実施の形態では、RT2状態、RT3状態、RT4状態の各状態において、それぞれ対応した演出モードが各遊技状態毎に複数種類、具体的には2種類ずつ設けられている。具体的には、RT2状態の演出モードとして、RT2演出モードAと、RT2演出モードBとを有している。また、RT3状態の演出モードとして、RT3演出モードAと、RT3演出モードBとを有している。また、RT4状態の演出モードとして、RT4演出モードAと、RT4演出モードBとを有している。
演出実行制御手段420は、第1遊技状態としてのRT1状態を挟んで発生した遊技状態が前回と同じ遊技状態である場合に、前回の当該遊技状態の演出モードとは異なる演出モードを選択するように形成されている。
具体的には、例えば、演出実行制御手段420は、RT2状態において、演出モードとして、RT2演出モードAを実行し、当該RT2状態が終了して、RT1状態へ移行し、その後、再度、別の遊技状態へ移行する際、RT2状態に移行することに決定されたような場合、当該RT2状態での演出モードは、前回実施したRT2演出モードAとは異なる演出モードであるRT2演出モードBを選択するように形成されているものである。
さらに、演出実行制御手段420は、上述したようなRT2〜4の各状態における演出モードとは別に、ボーナス役の当選の期待度の高い特別演出モードとしてのRT演出モードXを有している。
演出実行制御手段420は、この特別演出モードとしてのRT演出モードXを、遊技状態の種類にかかわらずに発生可能であり、実行中の演出モードに代えて変更して実行することができるものである。
具体的には、演出実行制御手段420は、RT2〜4状態において役抽選の結果、ボーナス役に当選した場合、所定の新たな抽選を行い、その結果、当選した場合には、RT演出モードXの演出を実施する。
演出実行制御手段420は、終了遊技回数(例えば30回)に到達する前の所定遊技回数(例えば25回)を超えて終了遊技回数(例えば30回)までの範囲(例えば26回〜30回)でボーナス役に当選したときは、終了遊技回数(例えば30回)に到達する前の遊技回数(例えば25回)までにボーナス役に当選したときとは、異なる演出を実行するように形成されている。なお、上記終了遊技回数は、当該回数に限定されるものではなく、他の遊技回数に設定してもよいものである。
具体的には、演出実行制御手段420は、メイン制御手段200の遊技制御手段250のRT状態制御手段252から各RT状態の終了条件となる遊技回数の手前5回以内でボーナス役に当選したことを知らせる信号が送信されてきた場合、上述したようなRT2〜4の各遊技状態で実行している演出モードの内容とは異なる終了間際当選演出モードへ移行し、当該終了間際演出モードの演出を実行する。この終了間際演出モードの演出内容は、直ぐにボーナス役への当選状態が判別できるような演出内容となっている。通常の演出モードが例えば5回の遊技中に連続して行われる連続演出であって、連続演出の5回目に抽選結果が判別することができるような場合に、RT状態の終了手前2回目の遊技でボーナス役に当選しても、そのような連続演出の内容と抽選結果とが不整合となるようなことを回避するためのものである。
つぎに、図8を用いて遊技の状態について説明する。
遊技の状態は、メイン制御手段200により管理され、図8に示すように、大別すると、ボーナス非当選状態と、ボーナス移行役に当選し、未だボーナス状態に移行していないボーナス内部当選状態と、ボーナス状態との3つに分類される。
そして、ボーナス非当選状態は、リプレイ役に着目すると、リプレイ役の当選確率が後述するRT1〜5状態より低い初期状態としてのノーマル状態(RT0)と、リプレイ役の当選確率がノーマル状態(RT0)よりも高いRT1〜5状態とに分類される。なお、RT0状態は、RT1〜4状態と、リプレイ役の当選確率が同一でもよい。
RTは、いわゆるリプレイタイムの略語であり、初期状態のノーマル状態経過後のRT1〜5状態において、通常は、RT1状態にあるが、所定の移行役に当選して、当該役の図柄を有効ライン86上に停止表示させることができた場合には、各RT状態へ移行し、RT状態では、所定の遊技回数の経過により、RT1状態へ戻るように設定されている。
本実施の形態では、各RT1〜RT4状態では、リプレイ役の合算確率は同一であるが、当選確率の配分が各遊技状態で異なることにより停止図柄を変化させることができるように形成されている。
ノーマル状態において、押し順ベルの停止操作順番が不正解の場合、いわゆる押し順ベル取りこぼしによりRT1状態に移行する。
RT1状態からRT2移行リプレイに当選して、当該図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示させることでRT2状態へ移行する。RT2状態では、遊技回数30回の経過によりRT1状態へ戻るように形成されている。
RT1状態からRT3移行リプレイに当選して、当該図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示させることでRT3状態へ移行する。RT3状態では、遊技回数30回の経過によりRT1状態へ戻るように形成されている。
RT1状態からRT4移行リプレイに当選して、当該図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示させることでRT4状態へ移行する。RT4状態では、遊技回数20回の経過によりRT1状態へ戻るように形成されている。
RT1状態、RT2状態、RT3状態及びRT4状態では、リプレイ役の合算確率が同一又は略同一に設定されている。具体的には、RT1〜4状態のリプレイ役の合算確率は、全て同一又は略同一であるとともに、RT0よりも高確率でRT5よりも低確率となるように設定されている。
この略同一というのは、完全同一が好ましいものであるが、65536分の1ぐらいの変動は通常、発生する可能性があり、遊技者の感覚からすると同一と受け止められるため、規定しているものであるが、リプレイの合算確率が少なくとも100分の1よりも小さい範囲で変動するものは略同一として規定しているものである。もちろん、RT1〜4状態では、リプレイ役の合算確率は、完全同一に限定してもよい。
RT1状態からRT5移行リプレイに当選して、当該図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示させることでRT5状態へ移行する。
RT5状態では、RT0〜RT5状態の中で最も再遊技(リプレイ役)の当選確率が高く設定されている。
RT5状態では、押し順ベルの停止操作順番が不正解の場合、いわゆる押し順ベルの取りこぼしによりRT1状態に移行する。
ボーナス非当選状態において、ボーナス移行役に当選し、ボーナス状態へ移行していない状態がボーナス内部当選状態となる。このボーナス内部当選状態において、ボーナス移行役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させるとボーナス状態へ移行する
。ボーナス状態は、所定枚数の獲得で終了し、ボーナス状態が終了すると、初期状態のノーマル状態(RT0状態)へ移行することになる。
なお、ボーナス状態は、メダルの払出枚数を終了条件とするのではなく、所定の遊技回数で終了するものであってもよい。また、RT2〜4状態は、所定の遊技回数を終了条件とするのではなく、メダルの所定の払出枚数を終了条件としてもよい。
次に図9を用いて、演出状態について説明する。
図9に示すように、通常の演出状態である通常演出状態から、AT状態の前兆となる演出状態である前兆演出状態へ移行可能となり、この前兆演出状態からAT準備中状態へ移行可能となり、このAT準備中状態からAT状態へ移行可能となり、AT状態が終了すると、通常演出状態へ戻る。なお、これらの状態からボーナス状態への移行が可能となる。
有利演出区間としてのAT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、通常演出状態中にAT状態への移行抽選に当選すると、前兆演出状態へ移行し、数回の遊技で前兆演出の後、AT準備中状態へ移行し、数回の遊技の後、AT状態へ移行する。AT状態への移行抽選において当選していないにもかかわらず、前兆演出状態へ移行して前兆演出が開始される場合(いわゆるガセ演出)があり、かかる場合は、数回の遊技の後、通常演出状態へ戻る。
なお、AT状態への移行抽選において、当選した後、前兆演出状態へ移行して、更に抽選等によりAT準備中状態やAT状態へ移行するか否かが抽選により決定されるようにしてもよい。また、AT状態への移行抽選に当選した場合、前兆演出状態を経由せずに直接、AT準備中状態やAT状態へ移行するようにしてもよい。
また、AT状態は、AT中に遊技者が獲得した(遊技者に払出された)メダルの枚数が所定の払出枚数に到達することで終了可能なものである。
AT状態は、所定の移行抽選の結果に応じて実施した際に遊技者が獲得したメダルの獲得枚数(払出枚数)が所定の枚数に到達するまで実行可能であるが、この実行可能な所定の枚数は、所定の抽選により上乗せ可能となるようにしてもよい。
また、AT状態の終了条件は、上述したものに限定されるものではなく、遊技回数が所定の遊技回数に到達すること等にしてもよい。また、遊技進行に伴ってポイントを獲得可能であって、そのポイントの合計が所定ポイントに到達すること等の他の条件に設定してもよい。
次に、図15を用いて、特定役及び特殊役の各遊技状態における当選確率の傾向について説明する。
図15では、特定役と特殊役とのノーマル状態、RT1〜5状態での役抽選の当選確率を2重丸記号、1重丸記号、三角記号、バツ記号の4種類の記号により比較しているものである。
図中、同一の記号は、当選確率として、同一又は略同一の当選確率が設定されていることを意味する。なお、これに限定されることなく、同一の記号は、当選確率が完全に同一に設定されているようにしてもよい。
2重丸記号は、役抽選の当選確率が高確率に設定されているものである。
1重丸記号は、役抽選の当選確率が中程度に設定されているものである。
三角記号は、役抽選の当選確率が低確率に設定されている。
バツ記号は、役抽選の当選確率が0に設定されている。なお、この場合、当選確率を0に設定して抽選してもよいが、当選確率0だから抽選しても当選することはないため、抽選そのものを省略してもよい。
有利演出区間へ移行可能な特定役として、種有スイカリプレイと種有チェリーリプレイとが設けられている。
有利演出区間へ移行することはない特殊役として、ガセスイカリプレイとガセチェリーリプレイとが設けられている。
遊技状態として、RT1状態及びノーマル状態(RT0状態)と、RT2状態及びRT5状態と、RT3状態と、RT4状態とが設けられている。
特定役の種有スイカリプレイと種有チェリーリプレイとは、ノーマル状態(RT0状態)、RT1〜5状態のいずれの遊技状態であって、同一の1重丸記号であり、当選確率は同一又は略同一に設定されている。
RT1状態及びノーマル状態では、特殊役のガセスイカリプレイは、バツ記号であり当選確率が0に設定されている。すなわち、ノーマル状態及びRT1状態では、ガセスイカリプレイが当選することはなく、種有スイカリプレイに対応する特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、必ず特定役に係る図柄組み合わせであり、特定役の当選が確定することになる。有利演出区間への移行の期待感を非常に高いものにすることができる。
一方、RT1状態及びノーマル状態では、特殊役のガセチェリーリプレイは、2重丸記号であって当選確率が高確率に設定され特定役の当選確率よりも高く設定されている。このため、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示された場合、高確率の特殊役の方が当選している確率が高く、有利演出区間への移行の期待感は低い、いわゆる期待薄の状態となる。
RT2状態及びRT5状態では、特定役の種有スイカリプレイ及び種有チェリーリプレイと、特殊役のガセスイカリプレイ及びガセチェリーリプレイとのいずれも1重丸記号であって、当選確率は中程度に設定されるとともに特定役と特殊役との当選確率は同一又は略同一に設定されている。
したがって、RT2状態及びRT5状態では、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示された場合、特定役と特殊役とのいずれの役が当選している状態であるかは、確率として略2分の1であるため、有利演出区間への移行の期待感は若干の期待感を持つ状態となる。
RT3状態では、特殊役のガセスイカリプレイが2重丸記号であって当選確率が高確率に設定され特定役の当選確率よりも高く設定されている。このため、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせが停止表示された場合、高確率の特殊役の方が当選している確率が高く、特殊役は有利演出区間へは移行しないため、有利演出区間への移行の期待感は低い、いわゆる期待薄の状態ものとなる。
RT3状態では、特殊役のガセチェリーリプレイが三角記号であって、当選確率が低確率に設定され、特定役の当選確率よりも低く設定されている。このため、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせが停止表示された場合、高確率の特定役の方が当選している確率が高く、有利演出区間への移行の期待感は高い状態となる。
RT4状態では、特殊役のガセスイカリプレイ及びガセチェリーリプレイのいずれもバツ記号であって、当選確率が0に設定されている。すなわちRT4状態では、ガセスイカリプレイ又はガセチェリーリプレイが当選することはなく、特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、必ず特定役に係る図柄組み合わせであり、特定役の当選が確定することになる。有利演出区間への移行の期待感を非常に高いものにすることができる。
なお、図15に示すものは、一実施の形態であって、これに限定されるものではなく、各RT状態における特殊役の当選確率が異なることにより、それが発生する期待値が異なればよいものである。例えば、特殊役の当選確率が特定役の当選確率を超えるRT(2重丸記号)と、特定役の当選確率未満のRT(三角記号、バツ記号)との両方が必ず存在している必要はなく、いずれか一方だけでもよい。また、例えば、特殊役の当選確率において、当選確率10%のRTと、30%のRTとを有するようなものでもよく、また、例えば、特殊役の当選確率において、当選確率60%のRTと、80%のRTとを有するようなものでもよいものである。すなわち、本実施の形態における、どちらも当選確率が低確率の三角記号となるものや、どちらも当選確率が高確率の2重丸記号となるようなものであっても、それらの当選確率の詳細を比較すると、上記10%と30%とのように差があるようなものでもよいものである。
図16に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
ステップ131において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ132に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ131に戻る。
なお、このステップ131の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。
ステップ132において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選した役等を特定するための当選番号が決定される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ133に進む。
ステップ133において、リール制御手段220により、リールユニット60におけるリール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ134に進む。
ステップ134において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、リール制御手段220により、操作されたストップスイッチ50に対応するリール62の停止位置を決定する処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定されるものである。そして、次のステップ136に進む。
ステップ136において、リール制御手段220により、決定した停止位置で当該リール62の回転停止が行われる。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、全てのリール62が回転を停止したか否かが判定される。そして、全てのリール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ138に進み、全てのリール62が回転を停止していない、すなわち回転中のリール62が残っていると判定された場合、ステップ134に戻る。
ステップ138において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段230及び払出制御手段240により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
本実施の形態によれば、上述したような構成を有することにより、以下に示すような作用及び効果を奏する。
本実施の形態では、複数種類の遊技状態であるノーマル状態、RT1〜5状態間では、有利演出区間としてのAT状態への移行が可能な特定役としての種有スイカリプレイ及び種有チェリーリプレイの当選確率は同一に設定されている。このため、仮に特殊役を有さずに特定役だけである場合には、上述した複数種類の遊技状態において、有利演出区間へ移行させるために特定図柄の組み合わせを停止表示させることに対して同一の当選確率で行われる役抽選以外に何の変化も無く煽りも発生せず、単調な遊技となってしまう。
これに対して、本実施の形態では、特定役に加えて特定図柄の組み合わせと同種の図柄の組み合わせが停止表示可能な特殊役としてのガセスイカリプレイ及びガセチェリーリプレイを有している。これらの特殊役は役抽選の当選確率が上述した複数種類の遊技状態で種々、異なるように形成されている。
ここで、特定役に対応する特定図柄の組み合わせと、この特定役に対応する特定図柄の組み合わせと同種の図柄の組み合わせとは、遊技者が区別することは容易ではない。
すなわち、両者いずれの図柄組み合わせが停止表示されても停止表示された図柄組み合わせだけでは、特定役に係る図柄組み合わせを停止表示させたか、特殊役に係る図柄組み合わせを停止表示させたかを遊技者が判別することは容易ではないものである。
そして、各遊技状態における特殊役の役抽選の当選確率を、特定役と比較して、同一又は略同一の場合、高い場合、低い場合のいずれかにすることで有利演出区間への移行の期待感を変更することができる。
先ず、RT2状態及びRT5状態のように、特殊役の役抽選の当選確率を特定役と比較して同一又は略同一に設定している遊技状態では、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせが停止表示されると、特定役と特殊役とのいずれの役の図柄組み合わせであるかは確率的には略2分の1となり、有利演出区間への移行に対する期待感も半分となり、若干の期待を抱かせることになる。
次に、ガセスイカリプレイのRT3状態や、ガセチェリーリプレイのRT1状態及びノーマル状態(RT0状態)のように、特定役の役抽選の当選確率よりも高確率の特殊役が設定されている遊技状態では、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせを停止表示させた場合、特定役よりも特殊役の当選確率が高いため、有利演出区間への移行に対する期待感は低いものとなる。
一方、ガセチェリーリプレイのRT3状態のように、特殊役の役抽選の当選確率が特定役よりも低く設定されている遊技状態では、特定図柄の組み合わせ又は特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせが停止表示されると、特殊役よりも特定役の当選確率が高いため、有利演出区間への移行に対して高い期待感を持つことができる。
本実施の形態によれば、RT1〜RT4状態では、有利度合いが同一又は略同一になるように形成されているため、複数種類の遊技状態における遊技者への有利度合いに大きな差はない。これにより、RT1〜RT4状態のいずれの遊技状態に移行しても、不利な遊技状態に移行したことにはならないため、仮に遊技状態が判明しても遊技者が大きく落胆するようなことはなく、興味を無くさせるようなことがない。
なお、ここで、遊技者への有利度合いを同一又は略同一にしている「複数種類の遊技状態」とは、本実施の形態では、上述したようにRT1〜RT4状態であるが、これにノーマル状態(RT0状態)を加えてもよい、また、RT1を除いたRT2〜RT4状態にしてもよく、また、RT2〜RT4の中から任意の2つの遊技状態にしてもよい。
本実施の形態では、上述したように、複数の遊技状態の有利度合いを同一又は略同一にして変更せずとも遊技者が期待を抱く停止出目(特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせ)の出現率を変更することで、多様な遊技性を確保することができる。
本実施の形態は、遊技状態により、停止出目に対する有利演出区間への移行期待度が異なることで、遊技者はより面白みを感じて遊技を行うことができる。
本実施の形態では、有利演出区間に関わる制御をメイン制御手段200で行うことで、有利演出区間に対する不正対策を強化可能にするとともに、有利演出区間に関わる抽選に対する興趣の向上を図ることができる。
複数種類の遊技状態の中の1の遊技状態、具体的には、RT4状態では、特殊役の役抽選の当選確率を0に設定している。当該遊技状態では、特定図柄の組み合わせが停止表示されると、有利演出区間への移行が可能な特定役の停止図柄組み合わせであることが確定することになり、有利演出区間への移行に対して非常に高い期待感を持つことができる。
なお、この作用効果の前提として、特殊役の役抽選の当選確率が0であることを遊技者が認識していることが必要となる。これは、当該内容を予め液晶表示装置により報知するようにしてもよいし、予め遊技機の正面に貼付している当該遊技機の情報内容を貼付しているシールに記載してもよいし、通常、遊技ホールの遊技機情報として当該遊技機の横に設置している冊子に記載してもよいし、当該内容を遊技機情報を満載している雑誌等により周知にしてもよい。また、それらの内容を意図的に流さなくても、遊技者が遊技を繰り返し行うことにより、遊技者が当該遊技機で経験する遊技結果により略同様の内容のことを認識できるようにしてもよい。
本実施の形態によれば、前記RT4状態では、特殊役の役抽選の当選確率が0であるため、特定図柄の組み合わせで停止表示すると特定役の当選が確定することになる。しかし、一般的に有利演出区間としてのAT状態への移行が可能な特殊役の当選が、頻繁に発生することは少なく、他の遊技状態のように、有利演出区間へ移行しない特殊役の「特定図柄の組み合わせと同種の図柄組み合わせ」の停止表示の発生で煽ることができず、単調な遊技性になりやすい。このため、かかる単調な遊技状態を短くすることによって、飽きがこない遊技性を確保することができる。
本実施の形態によれば、RT1状態を挟んで発生した遊技状態が、前回と同じ遊技状態であっても、演出モードが異なるので、遊技者に飽きを与えることがなく、興趣に富む遊技にすることができる。
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態では、特定役として、種有スイカリプレイや、種有チェリーリプレイを有し、特殊役として、ガセスイカリプレイや、ガセチェリーリプレイを有し、複数種類の遊技状態としては、ノーマル状態や、RT1〜4状態等を有していた。
本実施の形態では、上述した構成に代えて(なお、上述した構成に加えて有してもよい)、特定役として、後述するAT中段ベルを有し、特殊役として、後述するガセ中段ベルを有し、複数種類の遊技状態としては、複数種類のボーナス状態を有しているものであって、具体的には、赤7(赤7、赤7、赤7)の図柄組み合わせが有効ライン86に停止表示することで移行する赤7ボーナス状態と、青7(青7、青7、青7)の図柄組み合わせが有効ライン86に停止表示することで移行する青7ボーナス状態とを有しているものである。
第1の実施の形態では、複数種類の遊技状態として複数のRT状態を有し、その中で、リプレイ役の中の特殊役の当選確率を、特定役と比較して種々に設定することで有利演出区間への移行の期待感を変更していた。
本実施の形態では、複数種類の遊技状態として、複数のボーナス状態を有し、このボーナス状態中で小役の中の所定の特殊役(ガセ中段ベル)の当選確率を、所定の特定役(AT中段ベル)と比較して種々に設定することで、ボーナス状態中における有利演出区間への移行の期待感を変更しているものである。以下、具体的に説明する。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、演出区間として、操作態様により付与される利益が異なる所定役において、前記利益が多くなる操作態様を示唆可能な有利演出区間としてのAT状態又はART状態が設けられている。
上述した複数種類の遊技状態としての赤7ボーナス状態と青7ボーナス状態は、通常状態よりも小役の当選確率が高くなっているものであって、予め定めた終了条件である所定枚数(200枚)の払出を満たすことで当該状態が終了し、通常状態へ移行するように形成されている。本実施の形態では、これらのボーナス状態の終了条件としての前記所定枚数は、200枚に設定されているが、もちろん、当該枚数に限定されるものではなく、また、各状態において、異なる枚数に設定するようにしてもよい。
図17に示すように、役抽選の結果として、Cベル(図10参照)とTベル(図10参照)とが同時に当選(重複して当選)するAT中段ベル、Cベル(図10参照)とTベル(図10参照)とCDベル(図10参照)とが同時に当選(重複して当選)するガセ中段ベル、全小役(図10、図11参照)が同時に当選(重複して当選)する上段ベルが設けられている。
ここで、AT中段ベル及びガセ中段ベルは、Cベルを優先して入賞させることで、中段ライン(左リール64の中段、中リール66の中段、右リール68の中段を結ぶライン)にベル(Cベル)の図柄組み合わせを入賞させるように形成されている。
また、上段ベルは、全小役のうちTベルを優先して入賞させることで、上段ライン(左リール64の上段、中リール66の上段、右リール68の上段を結ぶライン)にベル(Tベル)の図柄組み合わせを入賞させるように形成されている。
これらのベル役は、上述したボーナス状態(赤7ボーナス状態及び青7ボーナス状態)において、合計の当選確率が1/1に設定され、ボーナス状態中は毎回の遊技でいずれかのベル役に当選していることになる。そして、これらのいずれのベルに入賞しても、メダルの払出枚数は9枚に設定されてある。
なお、本実施の形態では、ボーナス状態中の小役の構成や、それらの当選確率が、第1の実施の形態と異なるものであって、その他の図柄配置や役名称や、図柄組み合わせ等は同様のものを有しているものである。
図18に示すように、複数種類の遊技状態(赤7ボーナス状態及び青7ボーナス状態)では、役抽選の当選確率(具体的には、1/100)が同一に設定されている特定役として、AT中段ベルが設けられている。
この特定役としてのAT中段ベルに当選することで有利演出区間(いわゆるAT状態又はART状態)への移行が可能に形成されている。具体的には、AT中段ベルに当選すると無条件で有利演出区間へ移行するように形成されている。もちろん、これに限定されることなく、更に移行抽選を実施し、その抽選結果に基づいて移行するように設定してもよい。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、特定役の当選を条件に特定図柄(Cベル又はTベル)の組み合わせが停止表示可能であり、特定図柄の組み合わせと同種の図柄の組み合わせが停止表示可能な役として特殊役としてのガセ中段ベルが設けられている。
図18に示すように、特殊役としてのガセ中段ベルは、赤7ボーナス状態では、役抽選の当選確率が、1/100に設定され、青7ボーナス状態では、役抽選の当選確率が10/100に設定されている。役抽選により特殊役としてのガセ中段ベルが当選しても有利演出区間への移行は可能とならないように形成されている。
なお、BB中に当選する役には、AT中段ベル及びガセ中段ベル以外に、停止する図柄組み合わせグループとして全小役が設定されている上段ベルの当選確率が、赤7ボーナス状態では、98/100に設定され、青7ボーナス状態では、89/100に設定され、いずれのボーナス状態であっても、AT中段ベル、ガセ中段ベル、上段ベルの3つの当選確率の合計が1/1になるように設定されている。この上段ベルに当選しても有利演出区間への移行は可能とならないように形成されている。
すなわち、この複数種類の遊技状態(赤7ボーナス状態及び青7ボーナス状態)では、AT中段ベル、ガセ中段ベル、上段ベルの当選確率の合計は、同一となるように設定されてあり、有利度合いが同一(又は略同一)になるように形成されているとともに特殊役としてのガセ中段ベルの役抽選の当選確率が異なるように形成されているものである。
本実施の形態では、特定役としてのAT中段ベルのCベルとTベルとは、特殊役としてのガセ中段ベルのCベルとTベルと同一であるため、これらの図柄組み合わせが中段に停止表示されても、第1の実施の形態と同様に、図柄組み合わせ(いわゆる出目)の状態では、特定役の図柄組み合わせであるか、特殊役の図柄組み合わせであるかは判断することができないことになる。
図18では、特定役(AT中段ベル)と特殊役(ガセ中段ベル)との赤7ボーナス状態、青7ボーナス状態での役抽選の当選確率を2重丸記号、三角記号の2種類の記号により比較しているものである。
図中、同一の記号は、当選確率として、同一又は略同一の当選確率が設定されていることを意味する。なお、これに限定されることなく、同一の記号は、当選確率が完全に同一に設定されているようにしてもよい。
2重丸記号は、役抽選の当選確率が高確率に設定されているものである。三角記号は、役抽選の当選確率が低確率に設定されている。有利演出区間へ移行可能な特定役として、AT中段ベルが設けられている。有利演出区間へ移行することはない特殊役として、ガセ中段ベルが設けられている。
遊技状態として、赤7ボーナス状態と、青7ボーナス状態とが設けられているが、特定役のAT中段ベルは、赤7ボーナス状態、青7ボーナス状態のいずれの遊技状態であっても、同一の三角記号であり、当選確率は同一又は略同一に設定されている。
赤7ボーナス状態では、特定役のAT中段ベルと、特殊役のガセ中段ベルとのいずれも三角記号であって、当選確率は低確率に設定されるとともに特定役と特殊役との当選確率は同一又は略同一に設定されている。
したがって、赤7ボーナス状態では、AT中段ベルの図柄組み合わせ又はガセ中段ベルの図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示された場合、特定役と特殊役とのいずれの役が当選している状態であるかは、確率として略2分の1であるため、有利演出区間への移行の期待感は50%となって若干の期待感を持つ状態となる。
青7ボーナス状態では、特定役のAT中段ベルが三角記号であって当選確率が低確率に設定され、特殊役のガセ中段ベルが2重丸記号であって、特定役の当選確率よりも特殊役の当選確率の方が高く設定されている。このため、青7ボーナス状態においては、AT中段ベル又はガセ中段ベルのCベル又はTベルの図柄の組み合わせが停止表示された場合、高確率の特殊役の方が当選している確率が高く、特殊役は有利演出区間へは移行しないため、有利演出区間への移行の期待感は低い、いわゆる期待薄の状態ものとなる。具体的には、当選確率に基づいて特定役が当選している割合は1/11となって、このときの有利演出区間への移行の期待感は約9%となる。
本実施の形態では、ボーナス状態における小役の当選確率において、上述したように、特殊役の役抽選の当選確率を、特定役と比較して、種々に設定することでボーナス状態における有利演出区間への移行の期待感を変更することができる。
本実施の形態によれば、赤7ボーナス状態及び青7ボーナス状態では、有利度合いが同一又は略同一になるように形成されているため、複数種類のボーナス状態における遊技者への有利度合いに大きな差はない。これにより、赤7ボーナス状態及び青7ボーナス状態のいずれの遊技状態に移行しても、不利な遊技状態に移行したことにはならないため、いずれの遊技状態であっても遊技者が大きく落胆するようなことはなく、興味を無くさせるようなことがない。
本実施の形態では、上述したように、複数の遊技状態の有利度合いを同一又は略同一にして、特殊役の停止出目(特定図柄の組み合わせと同一又は同種の図柄組み合わせ)の出現率を変更することで、多様な遊技性を確保することができる。
本実施の形態は、遊技状態により、停止出目に対する有利演出区間への移行期待度が異なることで、遊技者はより面白みを感じて遊技を行うことができる。
本実施の形態におけるその他の構成や、作用及び効果は、第1の実施の形態と同様であるため、それらの説明は省略する。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、ボーナス状態へ移行した場合には、ボーナス状態中における一般遊技を経ることなく、そのまま小役の当選確率が変動している状態へ移行するものであった。本実施の形態に係るボーナス状態は、ボーナス状態中の一般遊技状態と、ボーナス状態中のRB状態(レギュラーボーナス、いわゆるJACゲームと呼ばれるもの)とを有しているものである。
本実施の形態では、このRB状態として、上述した第2の実施の形態に係る赤7ボーナス状態に対応するレアRB状態と、上述した第2の実施の形態に係る青7ボーナス状態に対応する通常RB状態とを有しているものである。
レアRB状態及び通常RB状態では、第2の実施の形態で説明した図17〜図19のAT中段ベル、ガセ中段ベル等の構成は、第2の実施の形態で説明したものと同一に設定されているものである。
すなわち、レアRB状態では、上述した赤7ボーナス状態と同様に有利演出区間への期待度が50%となり、通常RB状態では、上述した青7ボーナス状態と同様に有利演出区間への期待度が約9%となるようにすることができるものである。
その他の構成や、作用及び効果は、第2の実施の形態で説明したものと同一に設定されているものであって、それらの説明は省略する。
上述した実施の形態において、第1の実施の形態では、複数種類の遊技状態として複数のRT状態の中で、特定役及び特殊役としてリプレイ役が用いられ、第2の実施の形態では、複数種類の遊技状態として複数種類のボーナス状態の中で、特定役及び特殊役として小役が用いられている。ここで、複数種類の遊技状態と、特定役及び特殊役との組み合わせの対応関係は上述したものに限定されるものではなく、逆でもよいものであり、具体的には、例えば、複数種類のボーナス状態の中で、第1の実施の形態で説明した種有スイカリプレイやガセスイカリプレイ等のリプレイ役を用いてもよいものであり、また、複数種類のRT状態の中で、第2の実施の形態で説明したAT中段ベルやガセ中段ベル等の小役を用いてもよいものである。さらに、これらに限定されることなく、複数種類の遊技状態として、ボーナス状態でない、所定の複数種類の遊技状態において、特定役及び特殊役として上述したリプレイ役、又は、小役等を用いるようにしてもよいものである。