JP6844482B2 - 窒化物半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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本明細書が開示する技術は、窒化物半導体装置とその製造方法に関する。
トレンチゲート部を備える窒化物半導体装置の開発が進められている。このような窒化物半導体装置は、n型のドリフト領域、ドリフト領域の上方に設けられているp型のボディ領域、及び、ボディ領域の上方に設けられているn型のソース領域を備える。ドリフト領域とソース領域は、ボディ領域によって分離されている。ドリフト領域とソース領域を分離する位置にあるボディ領域は、トレンチゲート部の側面に対向している。このような窒化物半導体装置では、トレンチゲート部にオン電圧を印加することによって、ドリフト領域とソース領域を分離する位置にあるボディ領域にチャネル(反転層)が形成され、ソース領域から注入された電子がチャネルを介してドリフト領域に移動し、窒化物半導体装置がオンする。
特許文献1は、ボディ領域よりもp型不純物の濃度が低い低濃度半導体領域を備える窒化物半導体装置を開示する。低濃度半導体領域は、トレンチゲート部の側面に接するように配置されている。特許文献1の窒化物半導体装置では、チャネルを低濃度半導体領域内に形成することにより、ボディ領域の不純物を高濃度に維持しながら、低いチャネル抵抗を実現している。
特開2012−238898号公報
絶縁破壊電界強度の高い窒化物半導体で製造される窒化物半導体装置は、その特性を十分に発揮するために、高電界が加わる動作条件で用いられる。このため、トレンチゲート部の底面の絶縁破壊が懸念される。特許文献1の窒化物半導体装置は、低濃度半導体領域がトレンチゲート部の側面のみに配置されており、トレンチゲート部の底面の絶縁破壊が懸念される。本明細書は、トレンチゲート部を備える窒化物半導体装置において、トレンチゲート部の底面の電界を緩和する技術を提供する。
本明細書が開示する窒化物半導体装置の一実施形態は、窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層の表面から裏面に向けて伸びるトレンチゲート部と、を備えることができる。前記窒化物半導体層は、第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の上方に設けられているとともに前記トレンチゲート部の側面に対向する第2導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域の上方に設けられているとともに前記第2半導体領域によって前記第1半導体領域から分離されており、前記トレンチゲートの側面に対向する第1導電型の第3半導体領域と、前記トレンチゲート部の前記側面の少なくとも一部及び前記トレンチゲート部の底面の少なくとも一部に接しており、不純物濃度が前記第2半導体領域よりも薄い第2導電型の低濃度半導体領域と、を有することができる。前記低濃度半導体領域は、前記第1半導体領域と前記第3半導体領域を分離する位置にある前記第2半導体領域と前記トレンチゲート部の側面の間に配置されている側面部分領域と、前記第1半導体領域と前記トレンチゲート部の底面の間に配置されている底面部分領域と、を含むことができる。この窒化物半導体装置では、トレンチゲート部の底面の少なくとも一部に対して低濃度半導体領域の底面部分領域が配置されている。これにより、この窒化物半導体装置は、トレンチゲート部の底面の電界を緩和することができる。
上記実施形態の窒化物半導体装置では、前記第3半導体領域が、前記トレンチゲートの側面に接していてもよい。この場合、前記低濃度半導体領域は、前記第3半導体領域の下方に配置されている。この窒化物半導体装置では、低濃度半導体領域内に形成されるチャネルが第3半導体領域と直接的に接することができる。このため、この窒化物半導体装置は、低いオン抵抗を有することができる。
上記実施形態の窒化物半導体装置では、前記第1半導体領域が、前記トレンチゲート部の底面の一部に接する接触部分を有してもよい。この窒化物半導体装置では、低濃度半導体領域内に形成されるチャネルが第1半導体領域と直接的に接することができる。このため、この窒化物半導体装置は、低いオン抵抗を有することができる。
上記実施形態の窒化物半導体装置では、前記トレンチゲート部の底面に直交する方向における前記底面部分領域の幅が、前記トレンチゲート部の側面に直交する方向における前記側面部分領域の幅よりも大きくてもよい。この窒化物半導体装置は、トレンチゲート部の底面の電界をさらに緩和することができる。
本明細書は、トレンチゲート部を備える窒化物半導体装置の製造方法を開示することができる。本明細書が開示する窒化物半導体装置の第1の製造方法は、第1導電型の第1半導体領域と、その第1半導体領域上に設けられている第2導電型の第2半導体領域と、を有する窒化物半導体層の表面から前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチを形成するトレンチ形成工程と、前記トレンチの側面と底面を被覆するように第2導電型の低濃度エピ層を結晶成長する結晶成長工程であって、前記低濃度エピ層の不純物濃度が前記第2半導体領域の不純物濃度よりも薄い、結晶成長工程と、前記トレンチの側面の少なくとも一部及び前記トレンチの底面の少なくとも一部に前記低濃度エピ層が残存した状態で、前記トレンチ内にトレンチゲート部を形成するトレンチゲート部形成工程と、を備えることができる。この第1の製造方法によると、前記トレンチゲート部の側面の少なくとも一部及び前記トレンチゲート部の底面の少なくとも一部に接して低濃度エピ層が形成される。第1の製造方法は、トレンチゲート部の底面の電界が緩和された窒化物半導体装置を製造することができる。
上記第1の製造方法では、前記結晶成長工程と前記トレンチゲート部形成工程の間に、前記トレンチの底面を被覆する前記低濃度エピ層の一部に第1導電型の不純物を導入して第1導電型に変更する不純物導入工程、をさらに備えていてもよい。この製造方法で製造される窒化物半導体装置は、低濃度エピ層内に形成されるチャネルが第1半導体領域と直接的に接することができる。このため、この窒化物半導体装置は、低いオン抵抗を有することができる。
本明細書が開示する窒化物半導体装置の第2の製造方法は、第1導電型の第1半導体領域と、その第1半導体領域上に設けられている第2導電型の第2半導体領域と、を有する窒化物半導体層の表面から前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達する第1トレンチを形成する第1トレンチ形成工程と、前記第1トレンチを充填するように第2導電型の低濃度エピ層を結晶成長する結晶成長工程であって、前記低濃度エピ層の不純物濃度が前記第2半導体領域の不純物濃度よりも薄い、結晶成長工程と、前記低濃度エピ層に第2トレンチを形成する第2トレンチ形成工程であって、前記第2トレンチの側面と底面に前記低濃度エピ層が残存するように実施される、第2トレンチ形成工程と、前記第2トレンチの側面の少なくとも一部及び前記第2トレンチの底面の少なくとも一部に前記低濃度エピ層が残存した状態で、前記第2トレンチ内にトレンチゲート部を形成するトレンチゲート部形成工程と、を備えることができる。この第2の製造方法によると、前記トレンチゲート部の側面の少なくとも一部及び前記トレンチゲート部の底面の少なくとも一部に接して低濃度エピ層が形成される。第2の製造方法は、トレンチゲート部の底面の電界が緩和された窒化物半導体装置を製造することができる。さらに、
上記第2の製造方法の前記第1トレンチ形成工程では、前記第1トレンチの底面の端部に凸部状の端部溝が形成される条件で実施されてもよい。さらに、上記第2の製造方法の前記第2トレンチ形成工程では、前記第2トレンチの底面に前記第1半導体領域が露出するとともに前記端部溝が残存する条件で実施されてもよい。この第2の製造方法で製造される窒化物半導体装置では、低濃度エピ層内に形成されるチャネルが第1半導体領域と直接的に接することができる。このため、この窒化物半導体装置は、低いオン抵抗を有することができる。
第1実施形態の窒化物半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 第1実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第1実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第1実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第1実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第1実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第1実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。 第3実施形態の窒化物半導体装置の製造過程の要部断面図を模式的に示す。
(第1実施形態)
図1に示されるように、第1実施形態の窒化物半導体装置1は、nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)と称される種類の半導体装置であり、窒化物半導体層10、窒化物半導体層10の裏面を被覆するドレイン電極22、窒化物半導体層10の表面を被覆するソース電極24、及び、窒化物半導体層10の表層部に設けられているトレンチゲート部30を備える。窒化物半導体層10は、n型のドレイン領域11、n型のドリフト領域12、p型のボディ領域13、n型のソース領域14、及び、p型の低濃度半導体領域15を備える。窒化物半導体層10の材料は窒化ガリウム(GaN)である。窒化物半導体層10では、n型不純物としてシリコン(Si)が用いられており、p型不純物としてマグネシウム(Mg)が用いられている。ここで、ドリフト領域12が本願明細書で開示する第1半導体領域の一例であり、ボディ領域13が本願明細書で開示する第2半導体領域の一例であり、ソース領域14が本願明細書で開示する第3半導体領域の一例である。
ドレイン領域11は、窒化物半導体層10の裏層部に設けられており、ドレイン電極22にオーミック接触する。ドレイン領域11は、後述するように、n型GaN基板として準備され、ドリフト領域12及びボディ領域13を結晶成長するための下地基板でもある。ドリフト領域12は、ドレイン領域11の表面上に設けられており、ドレイン領域11とボディ領域13の間に配置されている。ドリフト領域12は、トレンチゲート部30の底面に接触する接触部分12aを有する。ボディ領域13は、ドリフト領域12の表面上に設けられており、窒化物半導体層10の表層部に設けられており、ソース電極24にオーミック接触する。ボディ領域13は、低濃度半導体領域15を介してトレンチゲート部30の側面に対向する。ソース領域14は、ボディ領域13の表面上に設けられており、窒化物半導体層10の表層部に設けられており、ボディ領域13によってドリフト領域12から分離されている。ソース領域14は、低濃度半導体領域15を介してトレンチゲート部30の側面に対向している。
低濃度半導体領域15は、その不純物濃度がボディ領域13の不純物濃度よりも薄い。低濃度半導体領域15は、トレンチゲート部30の側面全体及びトレンチゲート部30の底面の一部を被覆するように配置されている。特に、低濃度半導体領域15は、トレンチゲート部30の側面と底面で構成される角部を被覆するように配置されている。低濃度半導体領域15は、後述の製造方法で説明するように、結晶成長技術を利用して形成されるエピ層である。
低濃度半導体領域15は、側面部分領域15a及び底面部分領域15bを有する。側面部分領域15aは、ドリフト領域12とソース領域14を分離する位置にあるボディ領域13とトレンチゲート部30の側面の間に配置されている部分である。底面部分領域15bは、ドリフト領域12とトレンチゲート部30の底面の間に配置されている部分である。底面部分領域15bは、トレンチゲート部30の底面のうちの中央側に配置されていない。対向する底面部分領域15bの間には、ドリフト領域12の接触部分12aが配置されている。
トレンチゲート部30は、窒化物半導体層10の表面から裏面に向けて伸びており、ゲート電極32及びゲート絶縁膜34を有する。ゲート電極32は、その側面及び底面がゲート絶縁膜34で被覆されている。
次に、窒化物半導体装置1の動作を説明する。ソース電極24よりも高い電圧がドレイン電極22に印加され、ゲート電極32に閾値電圧よりも高い電圧が印加されると、窒化物半導体装置1はオンとなる。このとき、低濃度半導体領域15内にチャネル(反転層)が形成される。チャネルは、低濃度半導体領域15の側面部分領域15a内及び底面部分領域15b内の双方に形成される。ソース領域14から注入された電子は、側面部分領域15a内に形成されたチャネル及び底面部分領域15b内に形成されたチャネルを流れ、ドリフト領域12の接触部分12aを介してドリフト領域12に移動し、窒化物半導体装置1がオンする。ゲート電極32に印加される電圧が閾値電圧を下回ると、低濃度半導体領域15内のチャネルが消失し、窒化物半導体装置1がオフとなる。
窒化物半導体装置1は、低濃度半導体領域15を備えていることを特徴とする。特に、側面部分領域15aが設けられていることにより、ボディ領域13のp型不純物の濃度を濃く維持しながら、トレンチゲート部30の側面、即ち、チャネルが形成される部分のp型不純物の濃度を薄くすることができる。これにより、窒化物半導体装置1は、正孔排出能を高く維持しながら、低いチャネル抵抗を有することができる。さらに、底面部分領域15bが設けられていることにより、トレンチゲート部30の底面のゲート絶縁膜34の電界集中が緩和され、窒化物半導体装置1の耐圧が向上する。
次に、図2A−図2Fを参照し、窒化物半導体装置1の製造方法を説明する。まず、図2Aに示されるように、ドレイン領域11とドリフト領域12とボディ領域13がこの順に積層された窒化物半導体層10を準備する。窒化物半導体層10は、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を利用して、n型GaN基板であるドレイン領域11の表面上からn型GaNのドリフト領域12及びp型GaNのボディ領域13を順に結晶成長することにより製造される。
次に、図2Bに示されるように、イオン注入技術及び活性化アニール技術を利用して、窒化物半導体層10の表面に露出するボディ領域13の一部にn型不純物を導入し、ソース領域14を形成する。n型不純物としてシリコン(Si)が用いられる。なお、ソース領域14は、ドリフト領域12及びボディ領域13を結晶成長するときに、ボディ領域13の表面上に結晶成長させたn型エピ層を利用して形成してもよい。
次に、図2Cに示されように、窒化物半導体層10の表面からソース領域14及びボディ領域13を貫通してドリフト領域12に達するトレンチT1を形成する。トレンチT1は、ドライエッチング、ウェットエッチング等の公知技術を用いて形成することができる。
次に、図2Dに示されるように、有機金属気相成長法を利用して、トレンチT1の側面及び底面を被覆するように、p型GaNの低濃度エピ層15Aを結晶成長する。
次に、図2Eに示されるように、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を利用して、窒化物半導体層10の表面を被膜する低濃度エピ層15Aを選択的に除去し、ボディ領域13及びソース領域14を露出させる。これにより、低濃度エピ層15Aは、トレンチT1の側面及び底面を被覆するように残存する。
次に、図2Fに示されるように、イオン注入技術及び活性化アニール技術を利用して、トレンチT1の底面を被覆する低濃度エピ層15Aの一部にn型不純物を導入し、接触部分12aを形成する。n型不純物としてシリコン(Si)が用いられる。この工程を経て、トレンチT1の側面に低濃度半導体領域15の側面部分領域15aが形成され、トレンチT1の底面に低濃度半導体領域15の底面部分領域15bが形成される。
次に、トレンチT1内にゲート絶縁膜34及びゲート電極32を形成する。ゲート絶縁膜34は、プラズマCVD,LP−CVD(Low Pressure CVD),ALD(Atomic Layer Deposition)等の公知技術を用いて形成することができる。その後、窒化物半導体層10の裏面にドレイン電極22を形成し、窒化物半導体層10の表面にソース電極24形成することにより、図1に示す窒化物半導体装置1が完成する。
(第2実施形態)
図3に、第2実施形態の窒化物半導体装置2を示す。図1の第1実施形態の窒化物半導体装置1と共通する構成要素には共通の符号を付し、その説明を省略する。
図3に示されるように、窒化物半導体装置2は、低濃度半導体領域115が、トレンチゲート部30の側面全体を被膜していないことを特徴とする。窒化物半導体装置2では、低濃度半導体領域115がソース領域14の下方にのみ配置されており、ソース領域14がトレンチゲート部30の側面に接触している。
図1に示す窒化物半導体装置1では、ソース領域14とトレンチゲート部30の間に低濃度半導体領域15が配置されていた。この場合、低濃度半導体領域15内に形成されるチャネルとソース領域14が直接的に接していないことから、電子がソース領域14から低濃度半導体領域15内に形成されるチャネルに移動するときの抵抗が損失となる。図3に示す窒化物半導体装置2では、低濃度半導体領域115の側面部分領域115a内に形成されるチャネルがソース領域14の下面と直接的に接しているので、ソース領域14から低濃度半導体領域115の側面部分領域115a内のチャネルに移動するときの抵抗が低い。これにより、窒化物半導体装置2は、低いオン抵抗を有することができる。
次に、図4A−図4Gを参照し、窒化物半導体装置2の製造方法を説明する。まず、図4Aに示されるように、ドレイン領域11とドリフト領域12とボディ領域13がこの順に積層された窒化物半導体層10を準備する。窒化物半導体層10は、有機金属気相成長法を利用して、n型GaN基板であるドレイン領域11の表面からn型GaNのドリフト領域12及びp型GaNのボディ領域13を順に結晶成長することにより製造することができる。
次に、図4Bに示されように、窒化物半導体層10の表面からボディ領域13を貫通してドリフト領域12に達するトレンチT2を形成する。トレンチT2は、ドライエッチング、ウェットエッチング等の公知技術を用いて形成することができる。
次に、図4Cに示されるように、有機金属気相成長法を利用して、トレンチT2を充填するように、p型GaNの低濃度エピ層115Aを結晶成長する。
次に、図4Dに示されるように、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を利用して、窒化物半導体層10の表面を被膜する低濃度エピ層115Aを選択的に除去し、ボディ領域13を露出させる。これにより、低濃度エピ層115Aは、トレンチT2内のみに残存する。
次に、図4Eに示されるように、イオン注入技術及び活性化アニール技術を利用して、窒化物半導体層10の表面に露出するボディ領域13の一部及び低濃度エピ層115Aにn型不純物を導入し、ソース領域14を形成する。n型不純物としてシリコン(Si)が用いられる。
次に、図4Fに示されように、低濃度エピ層115Aが存在する範囲内の窒化物半導体層10の表面からソース領域14を貫通して低濃度エピ層115Aに達するトレンチT3を形成する。トレンチT3の側面及び底面には、低濃度エピ層115Aが残存する。トレンチT3は、ドライエッチング、ウェットエッチング等の公知技術を用いて形成することができる。
次に、図4Gに示されるように、イオン注入技術及び活性化アニール技術を利用して、トレンチT3の底面を被覆する低濃度エピ層115Aの一部にn型不純物を導入し、接触部分12aを形成する。n型不純物としてシリコン(Si)が用いられる。この工程を経て、トレンチT3の側面に低濃度半導体領域115の側面部分領域115aが形成され、トレンチT3の底面に低濃度半導体領域115の底面部分領域115bが形成される。
次に、トレンチT2内にゲート絶縁膜34及びゲート電極32を形成する。ゲート絶縁膜34は、プラズマCVD,LP−CVD(Low Pressure CVD),ALD(Atomic Layer Deposition)等の公知技術を用いて形成することができる。その後、窒化物半導体層10の裏面にドレイン電極22を形成し、窒化物半導体層10の表面にソース電極24形成することにより、図3に示す窒化物半導体装置2が完成する。
(第3実施形態)
図5に、第3実施形態の窒化物半導体装置3を示す。図3の第2実施形態の窒化物半導体装置2と共通する構成要素には共通の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示されるように、窒化物半導体装置3は、トレンチゲート部30の底面に直交する方向(窒化物半導体層10の厚み方向であり、紙面上下方向である)における底面部分領域215bの幅Wbが、トレンチゲート部30の側面に直交する方向(窒化物半導体層10の面方向であり、紙面左右向である)における側面部分領域215aの幅Waよりも大きい。このような形態の低濃度半導体領域215が設けられていると、トレンチゲート部30の底面のゲート絶縁膜34の電界集中がさらに緩和され、窒化物半導体装置3の耐圧が向上する。
次に、図6A−図6Fを参照し、窒化物半導体装置3の製造方法を説明する。まず、図6Aに示されるように、ドレイン領域11とドリフト領域12とボディ領域13がこの順に積層された窒化物半導体層10を準備する。窒化物半導体層10は、有機金属気相成長法を利用して、n型GaN基板であるドレイン領域11の表面からn型GaNのドリフト領域12及びp型GaNのボディ領域13を順に結晶成長することにより製造することができる。
次に、図6Bに示されように、窒化物半導体層10の表面からボディ領域13を貫通してドリフト領域12に達するトレンチT4を形成する。トレンチT4は、ドライエッチング、ウェットエッチング等の公知技術を用いて形成することができる。このトレンチT4を形成する工程は、マスク(図示省略)の端部が過剰にエッチングされるマスクトレンチ現象を利用し、トレンチT4の底面の端部に凸部状の端部溝T4aが形成される条件で実施される。
次に、図6Cに示されるように、有機金属気相成長法を利用して、トレンチT4を充填するように、p型GaNの低濃度エピ層215Aを結晶成長する。
次に、図6Dに示されるように、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を利用して、窒化物半導体層10の表面を被膜する低濃度エピ層215Aを選択的に除去し、ボディ領域13を露出させる。これにより、低濃度エピ層215Aは、トレンチT4内のみに残存する。
次に、図6Eに示されるように、イオン注入技術及び活性化アニール技術を利用して、窒化物半導体層10の表面に露出するボディ領域13の一部及び低濃度エピ層215Aにn型不純物を導入し、ソース領域14を形成する。n型不純物としてシリコン(Si)が用いられる。
次に、図6Fに示されように、低濃度エピ層215Aが存在する範囲内の窒化物半導体層10の表面からソース領域14を貫通して低濃度エピ層215Aに達するトレンチT5を形成する。トレンチT5の側面及び底面には、低濃度エピ層215Aが残存する。トレンチT5は、ドライエッチング、ウェットエッチング等の公知技術を用いて形成することができる。このトレンチT5を形成する工程は、トレンチT5の底面にドリフト領域12が露出するとともに端部溝T4aが残存する条件で実施される。これにより、端部溝T4aの間にドリフト領域12の接触領域12aが形成される。この工程を経て、トレンチT5の側面に低濃度半導体領域215の側面部分領域215aが形成され、トレンチT5の底面に低濃度半導体領域215の底面部分領域215bが形成される。
次に、トレンチT5内にゲート絶縁膜34及びゲート電極32を形成する。ゲート絶縁膜34は、プラズマCVD,LP−CVD(Low Pressure CVD),ALD(Atomic Layer Deposition)等の公知技術を用いて形成することができる。その後、窒化物半導体層10の裏面にドレイン電極22を形成し、窒化物半導体層10の表面にソース電極24形成することにより、図5に示す窒化物半導体装置3が完成する。
上記実施形態では、窒化物半導体層の材料が窒化ガリウムである窒化物半導体装置について説明した。しかしながら、窒化物半導体層の材料は、「InAlGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)」で示される任意の窒化物半導体であってよい。また、ドレイン電極及びソース電極の材料としては、特に限定されるものではなく、アルミニウム、チタン,アルミニウムとチタンの積層体,ポリシリコン等を用いることができる。ゲート電極の材料としては、特に限定されるものではなく、ポリシリコン、アルミニウムとチタンの積層体等を用いることができる。
上記実施形態の製造方法ではいずれも、低濃度半導体領域が結晶成長技術を利用して形成されている。イオン注入技術を利用してp型の窒化物の半導体領域を形成することが困難であることが知られている。したがって、上記で説明した製造方法は、p型の低濃度半導体領域を備えた窒化物半導体装置を製造するのに適した方法である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1,2,3:窒化物半導体装置
10:窒化物半導体層
11:ドレイン領域
12:ドリフト領域
12a:接触部分
13:ボディ領域
14:ソース領域
15,115,215:低濃度半導体領域
15a,115a,215a:側面部分領域
15b,115b,215b:底面部分領域
22:ドレイン電極
24:ソース電極
30:トレンチゲート部
32:ゲート電極
34:ゲート絶縁膜

Claims (6)

  1. 窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の表面から裏面に向けて伸びるトレンチゲート部と、を備えており、
    前記窒化物半導体層は、
    第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域の上方に設けられているとともに前記トレンチゲート部の側面に対向する第2導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域の上方に設けられているとともに前記第2半導体領域によって前記第1半導体領域から分離されており、前記トレンチゲートの側面に対向する第1導電型の第3半導体領域と、
    前記トレンチゲート部の側面の少なくとも一部及び前記トレンチゲート部の底面の少なくとも一部に接しており、前記トレンチゲート部の側面と底面で構成される角部を被覆するように配置されており、不純物濃度が前記第2半導体領域よりも薄い第2導電型の低濃度半導体領域と、を有しており、
    前記低濃度半導体領域は、
    前記第1半導体領域と前記第3半導体領域を分離する位置にある前記第2半導体領域と前記トレンチゲート部の側面の間に配置されている側面部分領域と、
    前記第1半導体領域と前記トレンチゲート部の底面の間に配置されている一対の底面部分領域と、を含み、
    前記第1半導体領域は、前記トレンチゲート部の底面の一部に接する接触部分を有しており、
    前記接触部分は、前記トレンチゲート部の底面に平行な面内において、前記一対の底面部分領域の間に配置されている、窒化物半導体装置。
  2. 前記第3半導体領域は、前記トレンチゲートの側面に接しており、
    前記低濃度半導体領域は、前記第3半導体領域の下方に配置されている、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記トレンチゲート部の底面に直交する方向における前記底面部分領域の幅が、前記トレンチゲート部の側面に直交する方向における前記側面部分領域の幅よりも大きい、請求項1又は2に記載の窒化物半導体装置。
  4. トレンチゲート部を備える窒化物半導体装置の製造方法であって、
    第1導電型の第1半導体領域と、その第1半導体領域の上方に設けられている第2導電型の第2半導体領域と、を有する窒化物半導体層の表面から前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチを形成するトレンチ形成工程と、
    前記トレンチの側面と底面を被覆するように第2導電型の低濃度エピ層を結晶成長する結晶成長工程であって、前記低濃度エピ層の不純物濃度が前記第2半導体領域の不純物濃度よりも薄い、結晶成長工程と、
    前記トレンチの底面を被覆する前記低濃度エピ層の一部に第1導電型の不純物を導入して第1導電型に変更する不純物導入工程と、
    前記トレンチの側面の少なくとも一部及び前記トレンチの底面の少なくとも一部に前記低濃度エピ層が残存した状態で、前記トレンチ内にトレンチゲート部を形成するトレンチゲート部形成工程と、を備える窒化物半導体装置の製造方法。
  5. トレンチゲート部を備える窒化物半導体装置の製造方法であって、
    第1導電型の第1半導体領域と、その第1半導体領域上に設けられている第2導電型の第2半導体領域と、を有する窒化物半導体層の表面から前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達する第1トレンチを形成する第1トレンチ形成工程と、
    前記第1トレンチを充填するように第2導電型の低濃度エピ層を結晶成長する結晶成長工程であって、前記低濃度エピ層の不純物濃度が前記第2半導体領域の不純物濃度よりも薄い、結晶成長工程と、
    前記低濃度エピ層に第2トレンチを形成する第2トレンチ形成工程であって、前記第2トレンチの側面と底面に前記低濃度エピ層が残存するように実施される、第2トレンチ形成工程と、
    前記第2トレンチの側面の少なくとも一部及び前記第2トレンチの底面の少なくとも一部に前記低濃度エピ層が残存した状態で、前記第2トレンチ内にトレンチゲート部を形成するトレンチゲート部形成工程と、を備える窒化物半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1トレンチ形成工程では、前記第1トレンチの底面の端部に凸部状の端部溝が形成される条件で実施され、
    前記第2トレンチ形成工程では、前記第2トレンチの底面に前記第1半導体領域が露出するとともに前記端部溝が残存する条件で実施される、請求項5に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
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