JP6844120B2 - 記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Description
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上である。
本発明の記録装置は、ノズルプレートを有するインク吐出ヘッドを備え、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記記録装置は、前記インク吐出ヘッドから着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクを吐出し、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上である。
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上である。
前記インク吐出ヘッドは、ノズルプレートを有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記ノズルプレートは、ノズル基板と、前記ノズル基板上に撥インク膜とを有する。
前記ノズル基板には、ノズル孔が設けられており、その数、形状、大きさ、材質、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ノズル基板は、前記ノズル孔からインクが吐出されるインク吐出側の面と、前記インク吐出側の面とは反対側に位置する液室接合面とを有する。
前記撥インク膜は、前記ノズル基板の前記インク吐出側の面に形成されている。
前記ノズル基板の大きさとしては、特に制限はなく、前記ノズルプレートの大きさに応じて適宜選択することができる。
前記ノズル孔としては、その数、配列、間隔、開口形状、開口の大きさ、開口の断面形状などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ノズル孔の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の前記ノズル孔が、前記ノズル基板の長さ方向に沿って等間隔に並んで配列されている態様などが挙げられる。
前記ノズル孔の配列は、吐出するインクの種類に応じて適宜選定することができるが、1列〜複数列が好ましく、1列〜4列がより好ましい。
前記1列当たりの前記ノズル孔の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、10個以上10,000個以下が好ましく、50個以上500個以下がより好ましい。
隣接する前記ノズル孔の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、21μm以上169μm以下が好ましい。
前記ノズル孔の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。これらの中でも、インクの液滴を吐出する点から、円形が好ましい。
前記撥インク膜は、含フッ素アクリレートエステル重合体、又は主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を含むことが好ましい。
前記撥インク膜が、前記含フッ素アクリレートエステル重合体、又は主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を含むことにより、表面自由エネルギーが非常に小さくなり、本発明で用いる表面張力の低いインクであっても濡れ難い状態を維持できるので好ましい。しかし、他の材料を撥インク膜として用いた場合は、表面自由エネルギーが非常に小さくなり、本発明で用いる表面張力の低いインクでは濡れてしまうことがある。
前記含フッ素アクリレートエステル重合体としては、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物の少なくともいずれかをモノマー単位として含むことが好ましい。
[一般式(III)]
R1は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、R3は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、Yは、酸基であり、Rfは、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基である。
mは1〜10であり、nは2〜90であり、pは1〜90であり、qは1〜10である。
前記R2は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基が好ましい。
前記R3は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基が好ましい。
前記Yは、酸基であり、例えば、スルホン酸基、コハク酸基、酢酸基、フタル酸基、水添フタル酸基、マレイン酸基、などが挙げられる。
前記Rfとしては、例えば、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF3)2、−C(CF3)3、−(CF2)4CF3、−(CF2)2CF(CF3)2、−CF2C(CF3)3、−CF(CF3)CF2CF2CF3、−(CF2)5CF3、−(CF2)3CF(CF3)2、−(CF2)4CF(CF3)2、−(CF2)7CF3、−(CF2)5CF(CF3)2、−(CF2)6CF(CF3)2、−(CF2)9CF3などが挙げられる。
前記nは、2〜90が好ましく、3〜50がより好ましく、4〜30が更に好ましい。
前記pは、1〜90が好ましく、1〜30がより好ましい。
前記qは、1〜10が好ましく、1〜3がより好ましい。
前記一般式(III)で表される含フッ素アクリレートエステル重合体(RfがC6F13である)は、例えば、下記のような反応式によって合成することができる。
前記市販品としては、例えば、krytoxFSL(デュポン社製)、krytoxFSH(デュポン社製)、FomblinZ(ソルベイソレクシス社製)、FLUOROLINKS10(ソルベイソレクシス社製)、オプツールDSX(ダイキン工業株式会社製)、FLUOROLINKC10(ソルベイソレクシス社製)、モレスコホスファロールA20H(株式会社松村石油研究所製)、モレスコホスファロールADOH(株式会社松村石油研究所製)、モレスコホスファロールDDOH(株式会社松村石油研究所製)、フロロサーフFG5010(フロロテクノロジー社製)、フロロサーフFG5020(フロロテクノロジー社製)、フロロサーフFG5060(フロロテクノロジー社製)、フロロサーフFG5070(フロロテクノロジー社製)などが挙げられる。
前記無機酸化物層の材料としては、例えば、SiO2、TiO2などが挙げられる。
前記無機酸化物層の平均厚みとしては、0.001μm以上0.2μm以下が好ましく、0.01μm以上0.1μm以下がより好ましい。
前記含フッ素アクリレートエステル重合体骨格を分子中に含む化合物としては、例えば、特公平3−43065号公報、特開平6−210857号公報、特開平10−32984号公報、特開2000−94567号公報、特開2002−145645号公報、特開2003−341070号公報、特開2007−106024号公報、特開2007−125849号公報等に開示されたものが挙げられる。
特に好ましい例としては、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業株式会社製、オプツールDSX)を例示できる。
前記撥インク膜の平均厚みとしては、0.001μm以上0.2μm以下が好ましく、0.01μm以上0.1μm以下がより好ましい。
前記フッ素系溶媒としては、例えば、ノベック(3M株式会社製)、バートレル(デュポン社製)、ガルデン(ソルベイソレクシス社製)などが挙げられる。
前記主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体は、ヘテロ環状構造を有する含フッ素重合体のうち特に、非晶質な重合体を用いることが好ましい。前記非晶質な重合体は、膜強度、基材への密着性、膜の均一性等が優れているため本発明の効果をより一層発揮することができる。
前記主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体としては、例えば、米国特許第3,418,302号明細書、米国特許第3,978,030号明細書、特開昭63−238111号公報、特開昭63−238115号公報、特開平1−131214号公報、特開平1−131215号公報等に記載されている重合体などが好適に用いられる。
これらの中でも、以下のようなヘテロ環状構造を有する重合体が代表的である。ただし、本発明の内容はこれらのみに限定されるものではない。
Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、Rf5、又はRf6を示す。ただし、前記Rf5は酸、エステル、アルコール、アミン、アミド等の官能機を末端に有する含フッ素有機置換基であり、前記Rf6は含フッ素アルキル基、又は含フッ素エーテル基である。
前記フッ素系溶媒としては、前記主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を溶解することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーフルオロベンゼン、“商品名:アフルード”(商品名:旭硝子株式会社製のフッ素系溶剤)、“フロリナートFC−75”(商品名:3M社製のパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)を含んだ液体)等の含フッ素溶剤が好適である。これらは、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、混合溶媒の場合、炭化水素系、塩化炭化水素、フッ塩化炭化水素、アルコール、又はその他の有機溶剤も併用できる。
溶液濃度は0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.01質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記撥インク膜の平均厚みは、0.01μm以上であれば前記目的を十分達成し得るが、0.01μm以上2μm以下が好ましい。
前記主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体の熱処理条件(温度)は、溶媒の沸点及び前記重合体のガラス転移温度及び基材の耐熱温度によって決定される。即ち、溶媒の沸点及び前記重合体のガラス転移温度より高く、基材の耐熱温度より低い温度を選べばよい。
前記主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体のガラス転移温度は、その構造によって異なる。例えば、前記構造式(iv)から前記構造式(vi)の構造のものは、50℃以上110℃以下のものが多いため、熱処理条件は、温度は120℃以上170℃以下、時間は30分間〜2時間が好ましい。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加圧室、刺激発生手段などが挙げられる。
前記加圧室は、前記ノズルプレートに設けられた複数の前記ノズル孔に個別に対応して配置され、前記ノズル孔と連通する複数の個別流路であり、インク流路、加圧液室、圧力室、吐出室、液室などと称することもある。
前記刺激発生手段は、インクに印加する刺激を発生する手段である。
前記刺激発生手段における刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。前記刺激発生手段としては、具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記刺激が「圧力」の場合、例えば、前記インク吐出ヘッド内のインク流路内にある前記圧力室と呼ばれる位置に接着された前記圧電素子に電圧を印加することにより、前記圧電素子が撓む。それにより、前記圧力室の容積が収縮して、前記インク吐出ヘッドの前記ノズル孔から前記インクを液滴として吐出させる方法などが挙げられる。
これらの中でも、ピエゾ素子に電圧を印加してインクを飛翔させるピエゾ方式が好ましい。
前記インクは、着色剤、有機溶剤、及び水を含有し、界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記動的表面張力Aを34.0mN/m以下にすることにより、汎用印刷用紙での濡れ性及び浸透性が良好となり、ビーディング及びカラーブリードの低減にも効果が高くなる。また、普通紙での発色性及び白ポチの発生も改善できる。
前記インクの最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力は、例えば、SITA DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たすことにより、前記インクにおける前記動的表面張力Aと前記静的表面張力Bとのバランスの最適化が図れ、前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角を35°以上にすることにより、インク吐出ヘッドのノズルプレートの撥インク膜に濡れ難くなり、吐出安定性が確保でき、連続吐出においてノズル抜けが生じない極めて安定かつ理想的な記録装置となる。
前記後退接触角が、35°以上であれば、インク吐出ヘッドのインク室内壁面にインクが付着しても再度はじくことが容易となる。なお、前記後退接触角の上限は、後退接触角が大きくなればなるほど濡れ難いことになるので、濡れ性に関し特に限定されるものではないが、記録媒体への浸透性等を考慮すると80°を超えないようにすること(80°以下)が好ましい。
前記後退接触角は、例えば、自動接触角測定装置_拡張/収縮法を用いて測定できる。前記自動接触角測定装置としては、例えば、DSA25(KRUSS社製)などが挙げられる。
前記後退接触角は、例えば、本発明に用いるノズルプレートを用い、その外側表面に対して、インクをシリンジから3μL押し出し、前記装置を用いて、収縮法によって測定することができる。本発明における後退接触角は、測定温度25℃での値を意味する。
前記静的表面張力が20.0mN/m以上30.0mN/m以下であると、インクの浸透性を高めることができ、コックリング及びカールの低減効果が高くなり、普通紙印字での浸透乾燥が良好となる。
前記インクの静的表面張力は、例えば、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記有機溶剤として溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を少なくとも1種含有することが好ましい。前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含有することにより、汎用印刷用紙上でもビーディングの発生を抑制することが可能となる。
前記溶解度パラメーター(SP値)は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液理論により定義され、二成分系溶液の溶解度の目安となる。
前記SP値の計算方法については諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法を用いる。
前記Fedors法により下記式(B)を用いてSP値を計算することができる。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・式(B)
前記式(B)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとした場合、下記式(C)、及び式(D)で示される。
E=ΣΔei・・・式(C)
V=ΣΔvi・・・式(D)
また、−CF3基などが示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照することができる。
これらの中でも、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値:12.05)、1,2−ブタンジオール(SP値:12.8)、1,3−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,4−ブタンジオール(SP値:12.95)、2,3−ブタンジオール(SP値:12.55)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.5)、1,3−プロパンジオール(SP値:13.72)が好ましく、1,2−ブタンジオール(SP値:12.8)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.5)がより好ましい。
前記含有量が30質量%以上であると、汎用印刷用紙上でのビーディングや色間のカラーブリードが抑制できることがあり、60質量%以下であると、画像品質が良好であり、インクの粘度が適正となり吐出安定性が良好となる。
これらの中でも、下記一般式(VII)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[SP値:10.6]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[SP値:10.8]が特に好ましい。
前記含有量が、20質量%以上であると、汎用印刷用紙上でのビーディングの発生が抑えられ、色間のカラーブリード抑制効果が向上する。一方、前記含有量が、60質量%以下であると、画像品質が向上し、インクの粘度が適正となり吐出安定性が向上する。
前記平衡水分量は、塩化カリウム/塩化ナトリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度として、温度23℃±1℃、相対湿度80%±3%に保ち、このデシケーター内に各有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを保管し、下記式から、平衡する水分量を求めたものである。
平衡水分量(%)=(有機溶剤に吸収した水分量/有機溶剤+有機溶剤に吸収した水分量)×100
前記有機溶剤として、「温度23℃、相対湿度80%における平衡水分量が30%以上の多価アルコール」を含有すると、汎用印刷用紙等の塗工層を有する吸インク性の悪いコート紙に対して、インクの浸透が遅延し、紙面へのインク着弾後の乾燥が遅くなり、ビーディングが発生することがある。
前記「温度23℃、相対湿度80%における平衡水分量が30%以上の多価アルコール」は、特開2012−207202号公報(特許文献1)及び特開2014−94998号公報(特許文献2)などで用いられている。
前記「温度23℃、相対湿度80%における平衡水分量が30%以上の多価アルコール」としては、例えば、1,2,3−ブタントリオール(平衡水分量:38%)、1,2,4−ブタントリオール(平衡水分量:41%)、グリセリン(平衡水分量:49%、SP値16.38)、ジグリセリン(平衡水分量:38%)、トリエチレングリコール(平衡水分量:39%、SP値15.4)、テトラエチレングリコール(平衡水分量:37%)、ジエチレングリコール(平衡水分量:43%)、1,3−ブタンジオール(平衡水分量:35%)などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、ポリエーテル変性シロキサン化合物を含むことが好ましい。
前記ポリエーテル変性シロキサン化合物を界面活性剤として用いることにより、インク吐出ヘッドのノズルプレートの撥インク膜に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、吐出安定性が向上する。
具体的には、(A)ポリエーテルと、(B)オルガノハイドロジェンシロキサンとを、ヒドロシリル化反応させることにより合成することができる。
前記(A)成分のポリエーテルは、−(CnH2nO)−(式中、nは2〜4である。)によって表されるポリオキシアルキレンコポリマーを示す。
前記ポリオキシアルキレンコポリマー単位は、好ましくは、オキシエチレン単位−(C2H4O)−、オキシプロピレン単位−(C3H6O)−、オキシブチレン単位−(C4H8O)−、又はそれらの混合単位を含むことができる。前記オキシアルキレン単位は、どのようなやり方で配置されていてもよく、ブロック又はランダムコポリマー構造のいずれかを形成できるが、好ましくはランダムコポリマー基を形成する。より好ましくは前記ポリオキシアルキレンは、オキシエチレン単位(C2H4O)及びオキシプロピレン単位(C3H6O)の両方をランダムコポリマー中に含む。
前記オルガノポリシロキサンの(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)のRがメチル基である場合は、前記シロキシ単位は、それぞれM、D、及びT単位として示され、一方、(SiO2)シロキシ単位はQ単位として示される。
前記オルガノハイドロジェンシロキサンは類似した構造をもっているが、シロキシ単位上に存在する少なくとも1つのSiHを有する。
前記オルガノハイドロジェンシロキサン中のメチル系シロキシ単位は、「MH」シロキシ単位(R2HSiO0.5)、「DH」シロキシ単位(RHSiO)、「TH」シロキシ単位(HSiO1.5)を含むものとして表すことができる。
前記オルガノハイドロジェンシロキサンは、少なくとも1つのシロキシ単位がSiHを含むことを条件として、任意の数のM、MH、D、DH、T、TH、又はQシロキシ単位を含むことができる。
前記ヒドロシリル化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、もしくはイリジウム金属、又はそれらの有機金属化合物、あるいはそれらの組み合わせなどが挙げられる。
前記ヒドロシリル化触媒の含有量は、前記(A)成分及び前記(B)成分の重量を基準にして、0.1ppm以上1,000ppm以下が好ましく、1ppm以上100ppm以下がより好ましい。
前記溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン);脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン);グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、又はメチレンクロライド、クロロホルム)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、揮発油、ミネラルスピリット、又はナフサなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヒドロシリル化反応は、特に制限はなく、公知の任意のバッチ法、半連続法、又は連続法において行うことができ、例えば、プラグフロー反応器を用いた連続法で行うことができる。
これらの中でも、TEGO Wet 270(エボニック社製)、シルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)が好ましい。
前記着色剤として水分散性顔料を用いることが好ましい。なお、色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが望ましい。
前記水分散性顔料における顔料としては、有機顔料と無機顔料とがある。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Regal(登録商標)、Mogul(登録商標)及びVulcan(登録商標)でCabot Corporationから入手し得るカーボンブラック(例えば、Black Pearls 2000、同1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、同570、Black Pearls L、Elftex 8、Monarch 1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、Mogul L、Regal 330、同400、同660、Vulcan P);SENSIJET Black SDP100(SENSIENT社製)、SENSIJET Black SDP1000(SENSIENT社製)、SENSIJET Black SDP2000(SENSIENT社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
所望の表面積と合わない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするために、サイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、又はジェットミル粉砕、又は超音波処理)をして調整することができる。
前記顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において、10nm以上200nm以下が好ましい。
これらの中でも、経時保存安定性が高く、水分蒸発時の粘度上昇が抑制できる点から、前記(3)の顔料の表面を樹脂で被覆した樹脂被覆顔料、及び前記(4)の顔料表面に親水基を設けた自己分散性顔料が好ましい。
前記親水性官能基及び四級アンモニウムイオンを有する自己分散性顔料を使用すると、水リッチなインク中でも水分が蒸発した有機溶剤リッチなインク中でも親和性を発揮し、顔料の分散が安定に保てると推測される。
ここで、ジェミナルビスホスホン酸基の場合を例として、顔料表面の改質処理について説明する。改質方法としては、例えば、以下の方法A、方法Bが挙げられる。
〔方法A〕
カーボンブラック20g、下記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物20ミリモル、及びイオン交換高純水200mLを、室温環境下、Silversonミキサー(6000rpm)で混合する。得られるスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(20ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加する。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させると、カーボンブラックに下記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物を付加した改質顔料が生成する。次いで、NaOH水溶液によりpHを10に調整すると、30分後に改質顔料分散体が得られる。次いで、該分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に超音波分散を行って固形分を濃縮した改質顔料分散体を得る。
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、乾燥カーボンブラック500g、イオン交換高純水1L及び下記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物1モルを充填する。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合する。これに20%亜硝酸ナトリウム水性溶液[構造式(v)の化合物又は構造式(vi)の化合物に基づき1モル当量]を15分間かけて添加し、60℃に加温しながら、三時間混合撹拌する。
前記反応物をイオン交換高純水750mLで希釈しながら取り出し、得られた改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜により限外濾過を行い、更に超音波分散を行って固形分を濃縮した改質顔料分散体を得る。更に、粗大粒子が多い場合は、遠心分離機等を用いて除去することが望ましい。
そして、前記pH調整剤による処理を行うと、前記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物の少なくとも一部はそれらの塩(前記構造式(iii)又は構造式(iv)に相当する化合物)に変わる。
前記ポリマー粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、前記ポリマー粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入又は吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。
前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマー(ポリマー粒子におけるポリマー)としてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマーなどが挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーは、ビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを引用することができる。
更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成するオルガノシラン化合物の層を、無機顔料と有機顔料の中間に設けることで両者の接着性を向上させることが可能である。
前記無機顔料粒子と着色剤である有機顔料又はカーボンブラックとの質量比は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましい。
前記着色剤が少ないと発色性や着色力が低下することがあり、着色剤が多くなると透明性や色調が悪くなることがある。
このような無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した色材粒子としては、戸田工業株式会社製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンPB15:3複合材料、シリカ/ジスアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンPR122複合材料などが、一次平均粒径が小さい点から、好適に用いることができる。
ここで、20nmの一次粒子径を持つ無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、この顔料の一次粒子径は、25nm程度になる。これに適当な分散剤を用いて一次粒子まで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作製することができる。
前記複合顔料は、表面の有機顔料のみが分散に寄与するだけでなく、厚み2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる顔料分散剤の選択も重要である。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水のインク中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、抑泡剤(消泡剤)、水分散性樹脂、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記抑泡剤(消泡剤)は、インク中に微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる。ここで、前記発泡とはインクが薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高いインクは、インクの表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くために、発泡し難い。これに対し、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく消泡し難い。
これに対して、下記一般式(VIII)で表される抑泡剤は、表面張力を低下させる働きがポリエーテル変性シロキサン化合物ほど強くないものの、前記ポリエーテル変性シロキサン化合物に対する相溶性が高い。このため、抑泡剤が効率的に泡膜に取り込まれ、ポリエーテル変性シロキサン化合物と抑泡剤との表面張力の違いにより泡膜の表面が局部的に不均衡な状態となり、泡が破壊すると考えられる。
前記水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂としては、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、フッ素系樹脂及びアクリル−シリコーン樹脂が好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF2CFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
このようなフッ素系樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させ樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
また、粒径が数十μmになるとインク吐出ヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために体積平均粒径は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
前記水分散性樹脂の含有量は、インク全量に対して、固形分で、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上8質量%以下がより好ましい。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが7未満及び11を超えるとインク吐出ヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
前記インクは、前記着色剤、前記有機溶剤、及び前記界面活性剤、更に必要に応じて前記その他の成分を水中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
前記インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの25℃での粘度は、5mPa・s以上25mPa・s以下が好ましく、6mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。前記インクの粘度が5mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、前記インクの粘度を25mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記インクジェット記録用としてのインクは、インク吐出ヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、又は、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインク吐出ヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
前記インク収容容器は、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
前記インク収容容器200は、図4に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図5に示すように、通常、プラスチック製の収容容器ケース244内に収容され、各種記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御工程、などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御手段、などが挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により行われる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図6に示す記録装置は、装置本体101と、該装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インク収容容器装填部104とを有する。この給紙トレイ102を使用して各種記録媒体の給紙が可能である。
インク収容容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図7及び図8に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動可能に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5の矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の液滴を吐出する4個のインク吐出ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク吐出方向を下方に向けて装着している。
インク吐出ヘッド134としては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、インク吐出ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インク収容容器装填部104に装填されたインク収容容器200からインクが供給されて補充される。
この給紙部から給紙された用紙142をインク吐出ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押え部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
前記画像形成装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収容容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)画像形成装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型画像形成装置にも同様に適用することができる。
−表面改質ブラック顔料分散体(1)の調製−
Cabot Corporation社製Black Pearls(登録商標)1000(BET比表面積343m2/g、及びDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)100gと、スルファニル酸100ミリモル、及びイオン交換高純水1Lを室温環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合した。
得られたスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸100ミリモルを添加した。30分間後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(100ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加した。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させた。カーボンブッラクにスルファニル酸を付加した改質顔料が生成できた。
次に、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのスルファニル酸基又はスルファニル酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体の表面処理レベルは0.75mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、体積平均粒径は120nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散体(2)の調製−
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、Cabot Corporation社製Black Pearls(登録商標)880(BET比表面積220m2/g及びDBPA 105mL/100gを有するカーボンブラック)500gにイオン交換高純水1L及び4−アミノ安息香酸1モルを添加した。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合した。これに20質量%亜硝酸ナトリウム水性溶液[4−アミノ安息香酸に基づき1モル当量]を15分間かけて添加した。60℃に加温しながら、3時間混合撹拌した。前記反応物をイオン交換高純水750mLで希釈しながら取り出した。
次に、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体の表面処理レベルは0.5mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、体積平均粒径は104nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散体(3)の調製−
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、Cabot Corporation社製Black Pearls(登録商標)880(BET比表面積220m2/g及びDBPA 105mL/100gを有するカーボンブラック)500gにイオン交換高純水1L、及び4−アミノ安息香酸175ミリモルを添加した。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合した。これに20質量%亜硝酸ナトリウム水性溶液[4−アミノ安息香酸に基づき175ミリモル当量]を15分間かけて添加した。60℃に加温しながら、3時間混合撹拌した。前記反応物をイオン交換高純水750mLで希釈しながら取り出した。
次に、10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体の表面処理レベルは0.35mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、体積平均粒径は114nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散体(4)の調製−
自己分散型カーボンブラックAqua−Black162(東海カーボン株式会社製、顔料固形分19.2質量%)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのカルボン酸基又はカルボン酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、100nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散体(5)の調製−
SENSIJET Black SDP2000(SENSIENT社製、顔料固形分14.5質量%)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのカルボン酸基又はカルボン酸テトラブチルアンモニウム塩、及びスルホン酸基又はスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、120nmであった。
−表面改質マゼンタ顔料分散体(1)の調製−
SENSIJET SMART Magenta 3122BA(Pigment Red 122表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、104nmであった。
−表面改質シアン顔料分散体(1)の調製−
SENSIJET SMART Cyan 3154BA(Pigment Blue 15:4表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた分改質顔料散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、116nmであった。
−表面改質イエロー顔料分散体(1)の調製−
SENSIJET SMART Yellow 3074BA(Pigment Yellow 74表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、145nmであった。
<カーボンブラック顔料含有ポリマー粒子分散体の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に、1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
前記ポリマー溶液Aを28gと、C.I.カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のカーボンブラック顔料含有ポリマー粒子分散液が得られた。
得られたカーボンブラック顔料含有ポリマー粒子分散液におけるポリマー粒子について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、104nmであった。
−アクリル−シリコーンポリマー粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、反応性陰イオン性界面活性剤(ラテムルS−180、花王株式会社製)8.0g、及びイオン交換水350gを加え混合し、65℃に昇温した。昇温後、反応開始剤であるt−ブチルパーオキソベンゾエート3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを加え、5分間後にメタクリル酸メチル45g、メタクリル酸2エチルヘキシル160g、アクリル酸5g、メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シクロヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g、反応性陰イオン性界面活性剤(ラテムルS−180、花王株式会社製)8.0g、及びイオン交換水340gを混合し、3時間かけて滴下を行った。
その後、80℃で2時間加熱熟成を行った後、常温まで冷却し水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整した。
次に、エバポレータ用いてエタノールを留去し、水分調節をして、固形分40質量%の製造例1のポリマー粒子分散体730gを作製した。
得られたポリマー粒子分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、125nmであった。
<インクの作製>
攪拌機を備えた容器に、下記構造式(1)で表される3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド20.00質量部、1,2−プロパンジオール25.00質量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2.00質量部、下記構造式(VII)で表されるポリエーテル変性シロキサン化合物1.00質量部、及び2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール0.50質量部を入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、防カビ剤(Proxel GXL、アビシア社製)0.05質量部、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.20質量部、前記調製例1の表面改質ブラック顔料分散体1を37.50質量部、及び純水を残量加え、全体を100質量部として、60分間撹拌してインクを均一にした。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、製造例1のインクを作製した。
<インクの作製>
攪拌機を備えた容器に、下記構造式(4)で表される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン40質量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量部、下記構造式(IX)で表されるポリエーテル変性シロキサン化合物2質量部、及び2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール0.5質量部を入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、防カビ剤(Proxel GXL、アビシア社製)0.05質量部、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.2質量部、調製例1の表面改質ブラック顔料分散体1を37.5質量部、及び残りの純水を加え、60分間撹拌して均一にした。
更に、調製例10のアクリル−シリコーンポリマー粒子分散体を5質量部加え、30分間撹拌してインクを均一にした。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、製造例2のインクを作製した。
製造例1又は製造例2と同様にして、下記表1〜5に示した組成及び含有量の有機溶剤、界面活性剤、及び消泡剤を混合撹拌した。次いで、防カビ剤、pH調整剤、及び着色剤(顔料分散体)を混合撹拌し、更に必要に応じて、樹脂を混合撹拌してインクを均一とした。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、製造例3〜22のインクを作製した。
*SENSIJET SMART Magenta 3122BA:SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*SENSIJET SMART Cyan 3154BA:SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*SENSIJET SMART Yellow 3074BA:SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*SENSIJET Black SDP2000:SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*フッ素樹脂エマルジョン:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4300、固形分50質量%、平均粒子径150nm、MFT=30℃以下
*下記構造式(1)で表される有機溶剤
前記「TEGO Wet270」は、前記一般式(III)で表される構造を有するポリエーテル変性シロキサン化合物である。
*シルフェイスSAG503A:ポリエーテル変性シロキサン化合物(日信化学工業株式会社製、有効成分100質量%)
前記「シルフェイスSAG503A」は、前記一般式(V)で表される構造を有するポリエーテル変性シロキサン化合物である。
*ユニダイン DSN403N:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(ダイキン工業株式会社製、有効成分100質量%)
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(デュポン社製、有効成分40質量%)
*サーフィノール104E:アセチレングリコール化合物(日信化学工業株式会社製、有効成分100質量%)
*ソフタノールEP−7025:高級アルコールエトキシレート化合物(株式会社日本触媒製、有効成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
インクのpHは、pHメーター計(HM−30R型、TOA−DKK株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
本発明インクの動的表面張力は、最大泡圧法による表面寿命15msec時の動的表面張力を、SITA_DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定した。
インクの静的表面張力は、自動表面張力計(DY−300、協和界面科学株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
<ノズルプレートAの作製>
<<含フッ素アクリレートエステル重合体Aの合成>>
−エチレンオキサイド鎖含有フッ素モノマー(MPOERfA)の合成−
200mLの四つ口フラスコに、前記合成したMPOERfAモノマーを10質量%、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート60質量%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(EO:10モル、日油株式会社製、AE−400)20質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量%、アセトアセトキシエチルメタクリレート2.5質量%、及びジメチルアミノエチルアクリレート2.5質量%のモノマー組成に対して、イソプロピルアルコール60gを仕込んで60分間、窒素を吹き込んで、系内の空気を窒素で置換した。窒素フローを続けながら、内温を75℃〜80℃に昇温後、アゾビスイソブチロニトリル0.25gを添加して、8時間、重合反応を行った。ガスクロマトグラフィー(GC)及びゲルパーミエーションクロマトグラフィーで重合液を分析したところ、モノマー由来のピークがほぼ消失し、共重合体由来のピークが発生していることを確認した。また、共重合体の重量平均分子量は17,000(ポリスチレン換算)であった。最後に、酢酸0.42gを加えて中和し、含フッ素アクリレートエステル共重合体Aの20質量%溶液になるように水で希釈した。
次に、縦34mm×横16mm、平均厚み20μmのステンレス鋼(SUS304)製のノズル基板を用意した。なお、前記ノズル基板には、平均孔径が25μmのノズル孔が該ノズル孔の中心間の最短距離であるピッチが85μm(300dpi)で、320個/列に配列したノズル孔列が4列形成されている。
前記ノズル基板のインク吐出側の面に、作製した含フッ素アクリレートエステル重合体Aの20質量%溶液をディッピング法にて塗布し、乾燥することにより、平均厚みが50nmの撥インク膜を形成した。以上により、製造例101のノズルプレートAを作製した。この際、ノズル孔を水溶性樹脂にて、またノズル基板の裏面はテープにてマスキングし、撥インク膜を形成後、剥離除去した。また、120℃で1時間加熱して撥インク膜を形成した。
<ノズルプレートBの作製>
<<含フッ素アクリレートエステル重合体Bの合成>>
−2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)のRfエポキシ付加体(FAGMA)の合成−
製造例101において、モノマー組成を、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート60質量%、前記スルホン酸基含有フッ素モノマー20質量%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(EO:10モル、日油株式会社製、AE−400)17.5質量%、及びアセトアセトキシエチルメタクリレート2.5質量%に変更した以外は、製造例101と同様にして、含フッ素アクリレートエステル重合体Bを合成した。得られた共重合体の重量平均分子量は17,000(ポリスチレン換算)であった。最後に、酢酸0.42gを加えて中和し、含フッ素アクリレートエステル重合体Bの20質量%溶液になるように水で希釈した。
前記製造例101と同じノズル基板のインク吐出側の面に、作製した含フッ素アクリレートエステル重合体Bの20質量%溶液をディッピング法にて塗布し、乾燥することにより、平均厚みが30nmの撥インク膜を形成した。以上により、製造例102のノズルプレートBを作製した。この際、ノズル孔を水溶性樹脂にて、またノズル基板の裏面はテープにてマスキングし、撥インク膜形成後、剥離除去した。また、120℃で1時間加熱して撥インク膜を形成した。
<ノズルプレートCの作製>
含フッ素アクリレートエステル重合体溶液(オプツールDSX、ダイキン工業株式会社製)を用意した。
前記製造例101と同じノズル基板のインク吐出側の面に、前記含フッ素アクリレートエステル重合体溶液(オプツールDSX、ダイキン工業株式会社製)をディッピング法にて塗布し、乾燥することにより、平均厚みが20nmの撥インク膜を形成した。以上により、製造例103のノズルプレートCを作製した。この際、ノズル孔を水溶性樹脂にて、またノズル基板の裏面はテープにてマスキングし、撥インク膜形成後、剥離除去した。また、120℃で1時間加熱して撥インク膜を形成した。
<ノズルプレートDの作製>
シリコーンレジン溶液(SR 2441 RESIN,東レダウコーニング株式会社製)を用意した。
前記製造例101と同じノズル基板のインク吐出側の面に、前記シリコーンレジン溶液をディッピング法にて塗布し、乾燥することにより、平均厚みが100nmの撥インク膜を形成した。以上により、製造例104のノズルプレートDを作製した。この際、ノズル孔を水溶性樹脂にて、またノズル基板の裏面はテープにてマスキングし、撥インク膜形成後、剥離除去した。これを大気下、150℃で2時間加熱硬化させて撥インク膜とした。
<ノズルプレートEの作製>
撥インク処理剤としては、サイトップCTX−105(商品名、旭硝子株式会社製)を、CT−solv.100(旭硝子株式会社製)とCT−solv.180(旭硝子株式会社製)とを体積比率1:1で混合した液で0.2質量%に希釈した液を使用した。
スピナー上にシリコーンゴムを載せ、この液を2mLシリコーンゴム上に滴下した。滴下後スピナー上で回転させ均一な膜を作製した。回転数は1st:1,000rpm,5秒間、2nd:3,000rpm,20秒間に設定した。
前記シリコーンゴム上に実施例1と同じノズル基板表面を押しつけ転写を行った。回数は3回、押しつけ圧は2kg/ヘッドで行った。
転写終了後ヘッドごと、150℃のオーブン中に2時間半投入し熱処理させ、製造例105のノズルプレートEを作製した。
<ノズルプレートFの作製>
撥インク処理剤としては、商品名:AF1600(テフロン(登録商標)AF、デュポン社製)を、商品名:フロリナートFC−75(3M社製)で0.5質量%に希釈した液を使用した。
製造例105と同様にして、スピナー上にシリコーンゴムを載せ、この液を2mLシリコーンゴム上に滴下した。滴下後スピナー上で回転させ均一な膜を作製した。回転数は1st:1,000rpm,5秒間、2nd:3,000rpm,20秒間に設定した。
前記シリコーンゴム上に実施例1と同じノズル基板表面を押しつけ転写を行った。回数は3回、押しつけ圧は2kg/ヘッドで行った。
転写終了後ヘッドごと、165℃のオーブン中に2時間30分間投入し熱処理させ、製造例106のノズルプレートFを作製した。
−画像形成−
23℃±0.5℃、50%±5%RHに調整した環境条件下、画像形成装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録媒体として王子製紙株式会社製OKトップコート+(坪量:104.7g/m2)に同じ付着量のインクが付着するように設定した。
前記画像形成装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)は、前記画像形成装置に標準搭載されているノズルプレートを、前記ノズルプレートA〜Fに変更する改造を行い、表7に示すノズルプレートとインクとの組み合わせにより、上記条件で画像形成を行った。
Microsoft社製 Word2000にて作成した64point文字「黒四角」の記載のあるチャートを、記録媒体としてのMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「黒四角」部を分光濃度計(X−Rite939、エックスライト株式会社製)にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
なお、「黒四角」とは、四角を黒く塗り潰した文字(符号)であるが、使用できないため止むを得ず「黒四角」と表現したものである。
〔評価基準〕
A:Black:1.25以上、Yellow:0.8以上、Magenta:1.00以上、Cyan:1.05以上
B:Black:1.20以上1.25未満、Yellow:0.75以上0.8未満、Magenta:0.95以上1.00未満満、Cyan:1.0以上1.05未満
C:Black:1.15以上1.20未満、Yellow:0.70以上0.75未満、Magenta:0.90以上0.95未満満、Cyan:0.95以上1.00未満
D:Black:1.15未満、Yellow:0.70未満、Magenta:0.90未満、Cyan0.95未満
記録媒体を王子製紙株式会社製OKトップコート+(坪量104.7g/m2)に変更し、印字モードをプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用し、画像濃度と同様にベタ画像を印字し、ベタ画像の濃度ムラ(ビーディング)を目視観察し、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
A:全くなし
B:僅かにあり
C:かなりあり
D:激しくあり
*黒色ベタ画像は目視では非常に見難いので、光学顕微鏡で40倍に拡大して観察した。
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚、MyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから、下記基準で評価した。なお、印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
A:吐出乱れなし
B:若干吐出乱れあり
C:吐出乱れあり、又は吐出しない部分あり
温度23℃±0.5℃、相対湿度50%±5%に調整された環境下、50mLのビーカーに表7に示す各インクを50g入れ、画像形成装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)からノズルプレートを取り出してピンセットで挟み、315mm/minの速度でインクに漬け、同じ速度で取り出した場合のノズルプレートの撥インク膜からの撥インク時間(インクの引け時間)を計測し、下記基準で評価した。
[評価基準]
A:撥インク時間が10秒間未満
B:撥インク時間が10秒間以上30秒間未満
C:撥インク時間が30秒間以上60秒間未満
D:撥インク時間が60秒間以上
前記撥インク時間が長いとノズルプレートがインクで濡れ易いため、連続吐出評価でノズル抜けし易い。
画像形成装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)から取り出したノズルプレート表面に対し、25℃環境において、内径0.37μmのシリンジニードルを装着したシリンジから表7に示す各インクを2.5μL押し出し、収縮法によって、25℃での後退接触角(°)を自動接触角測定装置(DSA25、KRUSS社製)により測定した。
<1> ノズルプレートを有するインク吐出ヘッドを備え、前記インク吐出ヘッドから着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクを吐出する記録装置であって、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上であることを特徴とする記録装置である。
<2> 前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが30.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦17.0%を満たす前記<1>に記載の記録装置。である。
<3> 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である前記<1>又は<2>に記載の記録装置である。
<4> 前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上80°以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の記録装置である。
<5> 前記有機溶剤が、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録装置である。
<6> 前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤が、下記一般式(I)及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種である前記<5>に記載の記録装置である。
[一般式(I)]
[一般式(II)]
<7> 前記着色剤が、水分散性顔料で表面に親水性官能基を有し、前記親水性官能基が四級アンモニウム塩である前記<1>から<6>のいずれかに記載の記録装置である。
<8> 前記インクが、更に、界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の記録装置である。
<9> 前記ノズルプレートの撥インク膜が、含フッ素アクリレートエステル重合体を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の記録装置である。
<10> 前記含フッ素アクリレートエステル重合体が、下記一般式(III)及び下記一般式(IV)のいずれかである前記<9>に記載の記録装置である。
[一般式(III)]
R1は炭素数1〜18のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、R3は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、Yは、酸基であり、Rfは、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基である。
mは1〜10であり、nは2〜90であり、pは1〜90であり、qは1〜10である。
<11> 前記ノズルプレートの撥インク膜が、主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の記録装置である。
<12> ノズルプレートを有するインク吐出ヘッドから着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクを吐出する記録方法であって、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上であることを特徴とする記録方法である。
<13> 前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが30.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦17.0%を満たす前記<12>に記載の記録方法である。
<14> 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である前記<12>から<13>のいずれかに記載の記録方法である。
<15> 前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上80°以下である前記<12>から<14>のいずれかに記載の記録方法である。
<16> 前記有機溶剤が、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含む前記<12>から<15>のいずれかに記載の記録方法である。
<17> 前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤が、下記一般式(I)及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種である前記<16>に記載の記録方法である。
[一般式(I)]
[一般式(II)]
<18> 前記着色剤が、水分散性顔料で表面に親水性官能基を有し、前記親水性官能基が四級アンモニウム塩である前記<12>から<17>のいずれかに記載の記録方法である。
<19> 前記インクが、更に、界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含む前記<12>から<18>のいずれかに記載の記録方法である。
<20> 前記ノズルプレートの撥インク膜が、含フッ素アクリレートエステル重合体を含む前記<12>から<19>のいずれかに記載の記録方法である。
<21> 前記含フッ素アクリレートエステル重合体が、下記一般式(III)及び下記一般式(IV)のいずれかである前記<20>に記載の記録方法である。
[一般式(III)]
R1は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、R3は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、Yは、酸基であり、Rfは、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基である。
mは1〜10であり、nは2〜90であり、pは1〜90であり、qは1〜10である。
<22> 前記ノズルプレートの撥インク膜が、主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を含む前記<12>から<19>のいずれかに記載の記録方法である。
32 撥インク膜
134 インク吐出ヘッド
Claims (10)
- ノズルプレートを有するインク吐出ヘッドを備え、前記インク吐出ヘッドから着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクを吐出する記録装置であって、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上であり、
前記インクが、更に、界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含むことを特徴とする記録装置。 - 前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが30.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦17.0%を満たす請求項1に記載の記録装置。
- 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である請求項1又は2に記載の記録装置。
- 前記有機溶剤が、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含む請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。
- 前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤が、下記一般式(I)及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種である請求項4に記載の記録装置。
[一般式(I)]
[一般式(II)]
- 前記着色剤が、水分散性顔料で表面に親水性官能基を有し、前記親水性官能基が四級アンモニウム塩である請求項1から5のいずれかに記載の記録装置。
- 前記ノズルプレートの撥インク膜が、含フッ素アクリレートエステル重合体を含む請求項1から6のいずれかに記載の記録装置。
- 前記含フッ素アクリレートエステル重合体が、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物の少なくともいずれかをモノマー単位として含む請求項7に記載の記録装置。
[一般式(III)]
R 1 は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R 2 は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、R 3 は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、Yは、酸基であり、Rfは、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基である。
mは1〜10であり、nは2〜90であり、pは1〜90であり、qは1〜10である。 - 前記ノズルプレートの撥インク膜が、主鎖に含フッ素ヘテロ環状構造を有する重合体を含む請求項1から6のいずれかに記載の記録装置。
- ノズルプレートを有するインク吐出ヘッドから着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクを吐出する記録方法であって、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦19.0%を満たし、
前記ノズルプレートに対する前記インクの後退接触角が、35°以上であり、
前記インクが、更に、界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含むことを特徴とする記録方法。
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