JP6843111B2 - クレーンシステム、クレーンの制御装置、及びクレーンの制御プログラム - Google Patents

クレーンシステム、クレーンの制御装置、及びクレーンの制御プログラム Download PDF

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本発明は、クレーンシステム、クレーンの制御装置、及びクレーンの制御プログラムに関する。
従来から、鉛直上方向に延在するマストと、傾斜角が変動可能に構成されるジブ(ブームとも称する)とを備えるクライミングクレーンと呼ばれるクレーンがある(例えば、図5に例示)。かかるクライミングクレーンにおいて、巻上げロープ23(ジブ21の末端21rから中継シーブ27を介して先端21fに向かって延在し且つ先端21fから垂下)の一端に取り付けられたフック24に吊荷Lを吊るして鉛直上方向に力Fをかけて持ち上げようとすると(図6A参照)、その反作用でジブ21に鉛直下方向の負荷がかかる。その結果、ジブ21の末端21rの近傍に接続されたマスト22が引っ張られてたわみ、吊荷Lを巻上げる際にジブ21の先端21fと吊荷Lの重心が略鉛直線上に位置せず(図6B参照)、地切り時に荷振れが生じるという問題が生じる(図6C参照)。
一方他のクレーンに着目すると、例えば、特許文献1に開示されるクレーン(ラフテレーンクレーン)では、地切り時の荷振れを防止するために、ブームの先端の姿勢のみに基づいて、ブームのたわみを補正するようにブームを起伏させるための制御を行っている。
特開2012−131586号公報
しかしながら、本明細書で着目しているクライミングクレーンでは、マストのたわみ量がジブの先端のたわみ量に比べて相対的に大きく、特許文献1に開示されるような手法では、荷振れ抑制の効果が期待できない。また、クライミングクレーンにおけるマストのたわみ量は、マストがジブの方向に倒れ込もうとする並進成分だけではなく回転成分(旋回方向のずれ)も含まれる。並進成分が荷振れの原因となることはもちろんであるが、回転成分を残したままで地切りが行われると反動で荷振れが生じてしまう。このように、クライミングクレーンを使用する作業現場の安全性を高めるために、荷振れを極力防止することが必要不可欠である。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーンシステム、クレーンの制御装置、及びクレーンの制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明によれば、クレーンシステムであって、クレーンと、前記クレーンの制御装置とを備え、前記クレーンは、クライミングクレーンであり、マスト及びジブと、巻上げロープと、位置特定部とを備え、前記巻上げロープは、前記ジブの先端から垂下し且つその先端に吊荷を懸吊可能に構成されるフックを有し、巻上げ動作によって前記吊荷を持上げ可能に構成され、前記位置特定部は、位置情報を経時的に特定可能に構成され、ここで前記位置情報とは、前記クレーン中の前記位置特定部の設置位置を含む情報であり、前記制御装置は、通信部と、制御部とを備え、前記通信部は、前記位置情報を前記位置特定部より受信可能に構成され、前記制御部は、前記通信部が受信した前記位置情報に基づいて、安定状態を維持するように前記ジブの位置姿勢を制御可能に構成され、ここで前記安定状態とは、前記ジブの先端及び前記吊荷の重心が略鉛直方向に並んでいる状態として規定される、クレーンシステムが提供される。
本発明に係るクレーンシステムでは、クレーンにおいて位置特定部が設けられ、制御装置は位置特定部から位置情報を取得することができる。かかる位置情報に基づいてジブ21の位置姿勢を制御すれば、巻取り中に安定状態が維持され、マストのたわみ量が大きいクライミングクレーンにおいても、地切り時の荷振れを抑制することができるという有利な効果を奏する。
好ましくは、前記クレーンシステムにおいて、前記制御装置は、記憶部をさらに備え、前記記憶部は、前記通信部が受信した前記位置情報を時系列に記憶し、前記制御部は、前記位置情報の時系列変化に基づいて、前記安定状態を満たすように前記ジブの位置姿勢を制御可能に構成される、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、前記クレーンシステムにおいて、前記位置特定部は、前記ジブ、前記マスト、及び前記フックの近傍の少なくとも何れかに設けられたGNSSである、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、前記クレーンシステムにおいて、前記位置特定部は、第1及び第2の位置特定部を有し、前記第1の位置特定部は、前記フックの近傍に設けられ、前記位置情報である第1の位置情報を特定可能に構成され、前記第2の位置特定部は、前記ジブ又は前記マストに設けられ、前記位置情報である第2の位置情報を特定可能に構成され、前記制御部は、前記第1及び第2の位置情報を比較することによって、前記安定状態を満たすように前記ジブの位置姿勢を制御可能に構成される、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、前記クレーンシステムにおいて、前記ジブの位置姿勢は、前記ジブの起伏に係る傾斜角と、前記ジブの旋回に係る旋回角とで規定され、前記制御部は、前記傾斜角及び前記旋回角を制御可能に構成される、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、前記クレーンシステムにおいて、前記制御部は、前記ジブの作業半径の変化量がしきい値以上の場合は、前記ジブを起こす向きに前記傾斜角を制御する、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、前記クレーンシステムにおいて、前記制御部は、前記ジブの旋回方向の変化量がしきい値以上の場合は、前記ジブの旋回方向の変化量を解消する向きに前記旋回角を制御する、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、クレーンの制御装置であって、前記クレーンは、マスト及びジブと位置情報を経時的に特定可能な位置特定部とを備えるクライミングクレーンであり、ここで前記位置情報とは、前記クレーン中の前記位置特定部の設置位置を含む情報であり、当該制御装置は、通信部と、制御部とを備え、前記通信部は、前記位置情報を前記位置特定部より受信可能に構成され、前記制御部は、前記通信部が受信した前記位置情報に基づいて、安定状態を維持するような制御信号を生成し、ここで、前記制御信号とは、前記ジブの位置姿勢を制御するための信号であり、前記安定状態とは、前記ジブの先端及び前記クレーンに吊るす吊荷の重心が略鉛直方向に並んでいる状態として規定される、クレーンの制御装置が提供される。
好ましくは、クレーンの制御プログラムであって、前記クレーンは、マスト及びジブと位置情報を経時的に特定可能な位置特定部とを備えるクライミングクレーンであり、ここで前記位置情報とは、前記クレーン中の前記位置特定部の設置位置を含む情報であり、当該制御プログラムは、コンピュータに、通信機能と制御機能とを実現させ、前記通信機能によれば、前記位置情報を前記位置特定部から受信させ、前記制御機能によれば、前記通信部が受信した前記位置情報に基づいて、安定状態を維持するような制御信号を生成させ、ここで、前記制御信号とは、前記ジブの位置姿勢を制御するための信号であり、前記安定状態とは、前記ジブの先端及び前記クレーンに吊るす吊荷の重心が略鉛直方向に並んでいる状態として規定される、クレーンの制御プログラムが提供される。
本発明の実施形態に係るクレーンシステムの機能ブロック図。 並進成分を補正するための、クレーンシステムを用いたクレーンの制御方法を示すフローチャート。 回転成分を補正するための、クレーンシステムを用いたクレーンの制御方法を示すフローチャート。 [図4A]〜[図4D]図2に示される制御方法を実施した上で地切りを行った場合の概要図。 本体となるクレーンの一例を示す正面図。 [図6A]〜[図6C]従来からの課題である荷振れを説明するための図。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
1.全体構成
第1節では、クレーンシステム1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るクレーンシステム1の構成概要を示す図である。クレーンシステム1は、クレーン2と、クレーン2を制御するための制御装置3と、ユーザU(操作者)が種々の入力情報を入力可能に構成される入力装置4とを備え、これらが電気的に接続されたシステムである。クレーンシステム1は、ユーザUが入力装置4を介してクレーン2を操作することで、吊荷Lを運搬・移動可能に構成されるものである。
1.1 クレーン2
本実施形態に係るクレーンシステム1において、クレーン2の形態は特に限定されるものではないが、例えば図5に示されるクライミングクレーンが採用されうる。具体的には、クレーン2は、ベースフレーム221の上にマスト本体222が上方に延在しているように構成されるマスト22を有し、その頂部にクレーン本体2aが設置されている。
クレーン2は、フロアクライミングとマストクライミングとを行えるようになっている。クレーン本体2aは、マスト22の頂部に設けた旋回モータ25m(図1参照)によって回転自在な旋回体25と、この旋回体25に起伏モータ21m(図1参照)を介して起伏可能に支持されるジブ21と、旋回体25に固定され且つ巻上げモータ26m(図1参照)を有する巻上げウインチ26と、この巻上げウインチ26に巻き上げられるように構成され、且つジブ21の末端21rから中継シーブ27を介して先端21fに向かって延在し且つ先端21fから垂下する巻上げロープ23と、この巻上げロープ23の一端に取り付けられるフック24とを備えている。
また、図1、図4A〜図4D等に示されるように、本実施形態に係るクレーン2は、位置情報PIを特定可能に構成される位置特定部2p(図5においては不図示)を備えることに留意されたい。位置特定部2pは、例えばGPS、GLONASS、Galileo、QZSS等の全球測位衛星システム(GNSS)等が採用されうる。
ここで位置情報PIとは、位置特定部2pの設置位置(例えば、ジブ21、マスト22、及びフック24の近傍の少なくとも何れか)を含む情報である。設置位置に関しては、例えば図4A〜図4Dでは、マスト22上部に位置特定部2pを設置している態様が示されているが、あくまでも例示でありこの限りではない。ところで、従来技術に係る課題からも明らかの通り、吊荷Lを持ち上げるにあたってマスト22がたわむことで、これに接続されたジブ21の位置も変化する(図6B参照)。本実施形態では、位置特定部2pが特定した位置情報PIによって、マスト22のたわみやこれによるジブ21の位置の変化を計測することができる。
1.2 制御装置3
制御装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素が制御装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
<通信部31>
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。これらは一例であり、専用の通信規格を採用してもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
特に、図1に示されるように、通信部31は、位置情報受信部311と、制御情報受信部312と、ロープ情報受信部313と、制御信号送信部314とを備える。これらは物理的に別々に実施してもよいし、これらのうちの少なくとも一部を兼用して実施してもよい。以下、これらの構成要素についてさらに詳述する。
[位置情報受信部311]
位置情報受信部311は、前述の位置特定部2pより送信された位置情報PIを受信可能に構成される。位置情報受信部311が受信した位置情報PIは、後述の安定状態を維持するためのジブ21の位置姿勢の制御に用いられる。なお、ジブ21の位置姿勢とは、ジブ21の起伏に係る傾斜角θと、ジブ21の旋回方向のずれに係る旋回角φとで規定される。そして、本実施形態は、傾斜角θ及び旋回角φの制御を実施するものであるが、制御の詳細については、第2節を参照されたい。
[制御情報受信部312]
制御情報受信部312は、ユーザUが後述の入力装置4より入力した制御情報CIを受信可能に構成される。ここで制御情報CIとは、クレーン2を操作・駆動させるための各種情報であり、例えばジブ21の左右旋回及び起伏と、巻上げロープ23の巻上げ又は巻下げとに係る情報を有する。もちろん、クレーン2に関する他の駆動箇所がある場合には、制御情報CIは、当該箇所を操作・駆動させるための情報を含んでいてもよい。
[ロープ情報受信部313]
ロープ情報受信部313は、ロープ情報RIを受信可能に構成される。ここでロープ情報RIとは、例えば、巻上げモータ26mに取り付けられたエンコーダ(不図示)から送信された、現在の巻上げロープ23の巻上げ具合を示す情報である。ロープ情報RIによれば、巻上げロープ23のうちジブ21の先端21fから垂下している分の長さ(いわゆるワイヤ長l:図4A参照)を導出することができる。また、巻上げロープ23の先端にはフック24が取り付けられていることから、フック24の現在の位置を導出することができる。
[制御信号送信部314]
制御信号送信部314は、クレーン2における各種モータに制御信号CSを送信可能に構成される。具体的には、制御信号送信部314は、ジブ21の傾斜角θに係る起伏モータ21mを制御するための第1の制御信号CS1と、ジブ21の旋回角φに係る旋回モータ25mを制御するための第2の制御信号CS2と、巻上げロープ23の巻上げ具合に係る巻上げモータ26mを制御するための第3の制御信号CS3を送信可能に構成される。なお厳密には、それぞれ不図示のインバータを介して、制御信号CSに対応する任意の電圧及び周波数の電力が起伏モータ21m、旋回モータ25m、及び巻上げモータ26mに送電されることに留意されたい。ここでは、かかる概念も含めて制御信号CSとして簡単に説明している。
なお、制御信号CSは、後述の制御部33における制御信号生成部333において生成されるもので、ユーザUが入力装置4を介して入力した制御情報CIに基づいてユーザUが所望する値を送信することができる。さらに、第2節で説明する制御方法に基づいて、ジブ21の位置姿勢を制御する信号であって、少なくとも巻上げロープ23の巻上げ開始から吊荷Lの地切りまで「安定状態」を維持するような制御信号CSが生成されることに留意されたい。ここで安定状態とは、ジブ21の先端21f及び吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並んでいる状態である。つまり、安定状態を維持できないまま地切りがなされると、解決すべき課題である荷振れが発生するために注意が必要である。
<記憶部32>
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
特に、記憶部32は、位置特定部2pから通信部31を介して受信した位置情報PI、入力装置4から受信した制御情報CI、及び巻上げモータ26mにおける不図示のエンコーダから受信したロープ情報RIを記憶する。また、記憶部32は、第2節において詳述するジブ21の姿勢位置の制御にて使用するパラメータである、地切り時のワイヤ長l、作業半径rのしきい値T_r(許容量)、旋回角φのしきい値T_φ(許容量)等を記憶している。
また、記憶部32は、制御部33によって実行される制御装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。具体的には例えば、記憶部32は、作業半径rの変化量Δrを計算するための第1の変化量計算プログラムを記憶している。記憶部32は、変化量Δrとしきい値T_rとを比較する第1の変化量比較プログラムを記憶している。記憶部32は、比較結果に基づいて現在のジブ21の傾斜角θを制御する第1の制御信号CS1を生成するための第1の制御信号生成プログラムを記憶している。また、記憶部32は、旋回角φの変化量Δφを計算するための第2の変化量計算プログラムを記憶している。記憶部32は、変化量Δφとしきい値T_φとの比較及び正負判定をする第2の変化量比較プログラムを記憶している。記憶部32は、比較結果に基づいて現在のジブ21の旋回角φを制御する第2の制御信号CS2を生成するための第2の制御信号生成プログラムを記憶している。さらに、記憶部32は、本実施形態に係る制御を終了するか否かに係る終了判定を行うための終了判定プログラムを記憶している。
<制御部33>
制御部33は、制御装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、制御装置3に係る種々の機能を実現する。具体的には、作業半径rの変化量Δrを計算するための第1の変化量計算機能、変化量Δrとしきい値T_rとを比較する第1の変化量比較機能、比較結果に基づいて現在のジブ21の傾斜角θを制御する第1の制御信号CS1を生成するための第1の制御信号生成機能が該当する。また、旋回角φの変化量Δφを計算するための第2の変化量計算機能、変化量Δφとしきい値T_φとの比較及び正負判定をする第2の変化量比較機能、比較結果に基づいて現在のジブ21の旋回角φを制御する第2の制御信号CS2を生成するための第2の制御信号生成機能が該当する。そして、本実施形態に係る制御を終了するか否かに係る終了判定機能が該当する。
すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、変化量計算部331、変化量判定部332、制御信号生成部333、及び終了判定部334として実行されうる。なお、図1においては、単一の制御部33として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。以下、変化量計算部331、変化量判定部332、制御信号生成部333、及び終了判定部334についてさらに詳述する。
[変化量計算部331]
変化量計算部331は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。変化量計算部331は、記憶部32に記憶された初期パラメータと、当該初期パラメータに対応するパラメータの現在値との変化量を計算可能に構成される。より具体的には、変化量計算部331は、作業半径rの初期値r_0(巻取り開始時の作業半径r)と、作業半径の現在値r_1(巻取り中のある時刻における作業半径r)との差を変化量Δrとして計算する(図4B参照)。また、変化量計算部331は、旋回角φの初期値φ_0(巻取り開始時の旋回角φ)と、旋回角φの現在値φ_1(巻取り中のある時刻における作業半径r)との差を変化量Δφとして計算する。なお、作業半径r及び旋回角φは、位置情報PIに含まれる座標の水平成分(x,y)から算出されることに留意されたい。
[変化量判定部332]
変化量判定部332は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。変化量判定部332は、変化量計算部331によって計算された変化量と、記憶部32に記憶されたしきい値とを比較することによって、ジブ21の姿勢位置の制御に係る必要有無を判定する。より具体的には、変化量Δrが、しきい値T_r以上の場合は制御が必要と判定され、変化量Δrが、しきい値T_r未満の場合は制御が不要と判定される。あるいは、変化量Δφの絶対値|Δφ|が、しきい値T_φ以上の場合は、変化量Δφの符号に基づいて右旋回の制御が必要又は左旋回の制御が必要と判定され、変化量Δφの絶対値|Δφ|が、しきい値T_φ未満の場合は制御が不要と判定される。
[制御信号生成部333]
制御信号生成部333は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。制御信号生成部333は、変化量判定部332の判定結果に基づいて、必要に応じてジブ21の位置姿勢を制御する制御信号CSを生成する。より具体的には、制御信号生成部333は、制御が必要と判定された場合にジブ21を起こす向きに傾斜角θを制御する第1の制御信号CS1を生成する。制御信号生成部333は、右旋回又は左旋回の制御が必要と判定された場合にジブ21を右旋回又は左旋回させるような旋回角φを制御する第2の制御信号CS2を生成する。換言すると、制御信号生成部333は、位置情報PIの時系列変化に基づいて、安定状態を満たすようにジブ21の位置姿勢を制御可能に構成される。もちろん、前述の通りユーザUが入力装置4を介して入力した制御情報CIに基づいてユーザUが所望する値を有する制御信号CSを生成することもできる。
[終了判定部334]
終了判定部334は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。終了判定部334は、位置情報PI(変化量Δr,Δφ等も含む)やロープ情報RIを参照し、安定状態を維持するためのジブ21の姿勢制御を終了するか否かを判定する。具体的な制御終了条件については、第2節において説明する。
1.3 入力装置4
入力装置4は、クレーン2の操作者であるユーザUによって様々な入力情報が入力可能に構成される。図1においては、クレーン2と入力装置4とを別体の如く記載しているが、クレーン2の内部に入力装置4が包含されるように実施してもよい。入力情報には、クレーン2を操作・駆動させるための制御情報CI(特に第2節で説明する制御方法を開始させるトリガ信号)が含まれる。
入力装置4は、クレーン2において通常使用されうるスイッチボタン、レバー等はもちろん、必要に応じてマウス、キーボード、タッチパネル、音声入力装置等のインターフェースを適宜採用してもよい。入力装置4が、ユーザUの入力情報(コマンド)を受け付けると、その入力情報が電気通信回線を介して制御装置3に送信され、制御装置3における通信部31によって受信される。
2.クレーン2の制御方法
第2節では、荷振れを抑制するための、クレーンシステム1におけるクレーン2の制御方法について説明する。図2及び図3は、制御方法の流れを示すフローチャートであり、図4A〜図4Dは、特に図2の制御方法を実施した上で地切りを行った場合の概要図を示している。なお、かかる制御では、位置特定部2pが位置情報PIを、巻上げモータ26mにおける不図示のエンコーダがロープ情報RIを、それぞれ定常的に制御装置3に送信し、制御装置3がこれらの情報を受信しているものとする。また、以下、第2.1節では並進成分の補正(図2参照)について、第2.2節では回転成分の補正(図3参照)について、それぞれ別々に説明するが、好ましくは、これらの制御が並列に実行されうることにも留意されたい。
2.1 並進成分の補正/制御パラメータ:作業半径r
[開始]
(ステップS1−1)
ユーザUが入力装置4に制御情報CIを入力し、これが通信部31(制御情報受信部312)に受信される。これをトリガとして、巻上げモータ26mに巻上げロープ23を巻き上げるような第3の制御信号CS3が送信され、巻上げロープ23の巻上げが開始される(図4A参照)。もちろん、ユーザUが巻上げを止めたい場合も、ユーザUが適切な制御情報CIを入力装置4に入力すればよい。巻上げ開始時には、位置情報PIから求めた作業半径rの初期値r_0と、ロープ情報RIから求めた巻上げロープ23のワイヤ長l_0とを、記憶部32に記憶することに留意されたい(ステップS1−2に続く)。
(ステップS1−2)
続いて、図4Bの状態において、制御部33(変化量計算部331)が、現在値r_1から初期値r_0の差をとることで、その変化量Δrを計算する(ステップS1−3に続く)。
(ステップS1−3)
続いて、制御部33(変化量判定部332)が、変化量Δrと、しきい値T_rとを比較する。このとき、変化量Δrがしきい値T_r以上の場合には、ステップS1−4に続き、変化量Δrがしきい値T_r未満の場合には、ステップS1−5に続く。
(ステップS1−4)
ステップS1−3の判定結果に基づき、制御部33(制御信号生成部333)が変化量Δrを補正するようにジブ21の位置姿勢を制御する制御信号CSを生成する。具体的には、ジブ21が起き上がる方向に傾斜角θを制御する第1の制御信号CS1を生成する(図4C参照)。第1の制御信号CS1が、通信部31(制御信号送信部314)から起伏モータ21mに送信されることで、ジブ21の傾斜角θが制御される。特に、ステップS1−2〜ステップS1−4は、ステップS1−5に続く(傾斜角θを制御しない)判定がなされるまでループ処理として実行される。すなわち、並進成分のずれである変化量Δrをしきい値T_r未満に収束させるような補正がなされている。かかる制御方法は特に限定されず、例えば、PD制御、PI制御、又はPID制御等が適宜採用されうる。制御に係る各係数は、必要に応じて好ましい値を設定すればよい。より具体的には、クレーン2は特段に高速な制御を要求されるものではないため、安全性を考慮して緩やかに目標値(しきい値T_r未満)に収束するような係数を設定することが好ましい。
(ステップS1−5)
続いて、制御部33(終了判定部334)が、ジブ21の位置姿勢の制御を終了すべきか否かを判定する。具体的には、下記(1)〜(4)に記載の判定条件の何れか1つでも満たさない場合は、制御終了の判定がなされる。
(1)制御信号生成部333は、巻上げロープ23を巻き上げる巻上げモータ26mを制御するための第3の制御信号CS3を生成している。
(2)制御信号生成部333は、ジブ21における起伏モータ21mを制御する第1の制御信号CS1を生成していない。
(3)制御信号生成部333は、ジブ21における旋回モータ25mを制御する第2の制御信号CS2を生成していない。
(4)現在のワイヤ長l_1(ロープ情報RI)が、制御開始時に記憶部32に記憶されたワイヤ長l_0から予め記憶部32に記憶されている地切り時のワイヤ長lを減じた値よりも大きい。
[終了]
2.2 回転成分の補正/制御パラメータ:旋回角φ
[開始]
(ステップS2−1)
ユーザUが入力装置4に制御情報CIを入力し、これが通信部31(制御情報受信部312)に受信される。これをトリガとして、巻上げモータ26mに巻上げロープ23を巻き上げるような第3の制御信号CS3が送信され、巻上げロープ23の巻上げが開始される(図4A参照)。もちろん、ユーザUが巻上げを止めたい場合も、ユーザUが適切な制御情報CIを入力装置4に入力すればよい。巻上げ開始時には、位置情報PIから求めた作業半径rの初期値r_0と、ロープ情報RIから求めた巻上げロープ23のワイヤ長l_0とを、記憶部32に記憶することに留意されたい(ステップS2−2に続く)。
(ステップS2−2)
続いて、図4Bの状態において、制御部33(変化量計算部331)が、現在値φ_1から初期値φ_0の差をとることで、その変化量Δφを計算する(ステップS2−3に続く)。
(ステップS2−3)
続いて、制御部33(変化量判定部332)が、変化量Δφの絶対値|Δφ|と、しきい値T_φとを比較する。このとき、絶対値|Δφ|がしきい値T_φ以上の場合には、ステップS2−4に続き、絶対値|Δφ|がしきい値T_φ未満の場合には、ステップS2−5に続く。
(ステップS2−4)
続いて、制御部33(変化量判定部332)が、変化量Δφの正負を判定する。変化量Δφ≧0のときは、ステップS2−5に続き、変化量Δφ<0のときは、ステップS2−6に続く。
(ステップS2−5)
ステップS2−4の判定結果に基づき、制御部33(制御信号生成部333)が変化量Δφを補正するようにジブ21の位置姿勢を制御する制御信号CSを生成する。具体的には、Δφ>0のときは、ジブ21の先端21fが右方向の回転成分をずれとして有し、これはジブ21が右方向にずれている状態を表している。制御部33(制御信号生成部333)は、かかるずれを解消するために、ジブ21全体を右旋回させるように旋回角φを制御する第2の制御信号CS2を生成する。第2の制御信号CS2が、通信部31(制御信号送信部314)から旋回モータ25mに送信されることで、ジブ21の旋回角φが制御される。
(ステップS2−6)
ステップS2−4の判定結果に基づき、制御部33(制御信号生成部333)が変化量Δφを補正するようにジブ21の位置姿勢を制御する制御信号CSを生成する。具体的には、Δφ<0のときは、ジブ21の先端21fが左方向の回転成分をずれとして有し、これはジブ21が左方向にずれている状態を表している。制御部33(制御信号生成部333)は、かかるずれを解消するために、ジブ21全体を左旋回させるように旋回角φを制御する第2の制御信号CS2を生成する。第2の制御信号CS2が、通信部31(制御信号送信部314)から旋回モータ25mに送信されることで、ジブ21の旋回角φが制御される。
特に、ステップS2−2〜ステップS2−6は、ステップS2−7に続く(旋回角φを制御しない)判定がなされるまでループ処理として実行される。すなわち、回転成分のずれである変化量Δφをしきい値T_φ未満に収束させるような補正がなされている。かかる制御方法は特に限定されず、例えば、PD制御、PI制御、又はPID制御等が適宜採用されうる。制御に係る各係数は、必要に応じて好ましい値を設定すればよい。より具体的には、クレーン2は特段に高速な制御を要求されるものではないため、安全性を考慮して緩やかに目標値(しきい値T_φ未満)に収束するような係数を設定することが好ましい。
(ステップS2−7)
続いて、制御部33(終了判定部334)が、ジブ21の位置姿勢の制御を終了すべきか否かを判定する。具体的には、下記(1)〜(4)に記載の判定条件の何れか1つでも満たさない場合は、制御終了の判定がなされる。
(1)制御信号生成部333は、巻上げロープ23を巻き上げる巻上げモータ26mを制御するための第3の制御信号CS3を生成している。
(2)制御信号生成部333は、ジブ21における起伏モータ21mを制御する第1の制御信号CS1を生成していない。
(3)制御信号生成部333は、ジブ21における旋回モータ25mを制御する第2の制御信号CS2を生成していない。
(4)現在のワイヤ長l_1(ロープ情報RI)が、制御開始時に記憶部32に記憶されたワイヤ長l_0から予め記憶部32に記憶されている地切り時のワイヤ長lを減じた値よりも大きい。
[終了]
2.3 効果
このような制御方法を実施することにより、巻上げ中において、マスト22のたわみ量dに起因するジブ21の先端21fと吊荷Lの重心Gとのずれ(作業半径rの変化量Δr)が、定常的にしきい値T_r未満に抑制される。また、旋回方向のずれについても同様に定常的に抑制される。換言すると、巻上げ開始から地切り時まで、ジブ21の先端21f及び吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並ぶような安定状態が維持されることとなる(図4C参照)。そして、安定状態を維持したまま地切りが行われると、従来問題となっていた荷振れ(図6C参照)が抑制され、作業現場の安全性を担保しながら吊荷Lを持ち上げることができる(図4D参照)。
3.変形例
第3節では、本実施形態に係る変形例について説明する。すなわち、次のような態様によって、本実施形態に係るクレーンシステム1をさらに創意工夫してもよい。
第一に、前述の実施形態では、1つの位置特定部2pを用いてジブ21の位置姿勢の制御を実施しているが、2つ以上の位置特定部2pを用いてもよい。具体的には例えば、位置特定部2pが第1の位置特定部2p及び第2の位置特定部2pからなり、第1の位置特定部2pは、フック24の近傍に設けられ、第1の位置情報PIを特定可能に構成され、第2の位置特定部2pは、ジブ21又はマスト22に設けられ、第2の位置情報PIを特定可能に構成され、制御部33が、位置情報PIの経時的変化(変化量ΔrやΔφ)に代えてに第1の位置情報PI及び第2の位置情報PIを、比較することによって、安定状態を満たすようにジブ21の位置姿勢を制御可能に構成されるとよい。
第二に、前述の実施形態では巻上げ開始のトリガとなる制御情報CIがユーザUによって入力装置4から入力される場合を説明したが、予め記憶部32に記憶されたプログラムによって、制御装置3における制御部33が人工知能アルゴリズム等に基づいて適宜、巻上げの必要有無を判断してもよい。
4.結言
以上のように、本実施形態によれば、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーンシステム1を実施することができる。
かかるクレーンシステム1は、クレーン2と、前記クレーン2の制御装置3とを備え、前記クレーン2は、クライミングクレーンであり、マスト22及びジブ21と、巻上げロープ23と、位置特定部2pとを備え、前記巻上げロープ23は、前記ジブ21の先端21fから垂下し且つその先端21fに吊荷Lを懸吊可能に構成されるフック24を有し、巻上げ動作によって前記吊荷Lを持上げ可能に構成され、前記位置特定部2pは、位置情報PIを経時的に特定可能に構成され、ここで前記位置情報PIとは、前記クレーン2中の前記位置特定部2pの設置位置を含む情報であり、前記制御装置3は、通信部31と、制御部33とを備え、前記通信部31は、前記位置情報PIを前記位置特定部2pより受信可能に構成され、前記制御部33は、前記通信部31が受信した前記位置情報PIに基づいて、安定状態を維持するように前記ジブ21の位置姿勢を制御可能に構成され、ここで前記安定状態とは、前記ジブ21の先端21f及び前記吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並んでいる状態として規定される。
また、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーン2の制御装置3を実施することができる。
かかるクレーン2の制御装置3は、前記クレーン2は、マスト22及びジブ21と位置情報PIを経時的に特定可能な位置特定部2pとを備えるクライミングクレーンであり、ここで前記位置情報PIとは、前記クレーン2中の前記位置特定部2pの設置位置を含む情報であり、当該制御装置3は、通信部31と、制御部33とを備え、前記通信部31は、前記位置情報PIを前記位置特定部2pより受信可能に構成され、前記制御部33は、前記通信部31が受信した前記位置情報PIに基づいて、安定状態を維持するような制御信号CSを生成し、ここで、前記制御信号CSとは、前記ジブ21の位置姿勢を制御するための信号であり、前記安定状態とは、前記ジブ21の先端21f及び前記クレーン2に吊るす吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並んでいる状態として規定される。
また、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーン2の制御装置3又はクレーンシステム1をハードウェアとして実施するためのソフトウェアを、プログラムとして実施することもできる。そして、このようなプログラムを、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供してもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させて、クライアント端末で各機能を実施可能な、いわゆるクラウド・コンピューティングを実施してもよい。
かかるクレーン2の制御プログラムは、前記クレーン2がマスト22及びジブ21と位置情報PIを経時的に特定可能な位置特定部2pとを備えるクライミングクレーンであり、ここで前記位置情報PIとは、前記クレーン2中の前記位置特定部2pの設置位置を含む情報であり、当該制御プログラムは、コンピュータに、通信機能と制御機能とを実現させ、前記通信機能によれば、前記位置情報PIを前記位置特定部2pから受信させ、前記制御機能によれば、前記通信部31が受信した前記位置情報PIに基づいて、安定状態を維持するような制御信号CSを生成させ、ここで、前記制御信号CSとは、前記ジブ21の位置姿勢を制御するための信号であり、前記安定状態とは、前記ジブ21の先端21f及び前記クレーン2に吊るす吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並んでいる状態として規定される。
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :クレーンシステム
2 :クレーン
2a :クレーン本体
2p :位置特定部
3 :制御装置
21 :ジブ
21f :先端
22 :マスト
23 :巻上げロープ
24 :フック
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
CI :制御情報
CS :制御信号
G :重心
L :吊荷
PI :位置情報
RI :ロープ情報
T_r :しきい値
T_φ :しきい値
U :ユーザ
Δr :変化量
Δφ :変化量
θ :傾斜角
φ :旋回角

Claims (9)

  1. クレーンシステムであって、
    クレーンと、前記クレーンの制御装置とを備え、
    前記クレーンは、
    クライミングクレーンであり、
    マスト及びジブと、巻上げロープと、位置特定部とを備え、
    前記巻上げロープは、
    前記ジブの先端から垂下し且つその先端に吊荷を懸吊可能に構成されるフックを有し、
    巻上げ動作によって前記吊荷を持上げ可能に構成され、
    前記位置特定部は、位置情報を経時的に特定可能に構成され、ここで前記位置情報とは、前記クレーン中の前記位置特定部の設置位置を含む情報であり、
    前記制御装置は、通信部と、制御部とを備え、
    前記通信部は、前記位置情報を前記位置特定部より受信可能に構成され、
    前記制御部は、前記通信部が受信した前記位置情報の時系列変化に基づいて、巻上げ開始から地切り完了まで安定状態を維持するように前記ジブの位置姿勢を制御可能に構成され、ここで前記安定状態とは、前記ジブの先端及び前記吊荷の重心が略鉛直方向に並んでいる状態として規定される、
    クレーンシステム。
  2. 請求項1に記載のクレーンシステムにおいて、
    前記制御装置は、記憶部をさらに備え、前記記憶部は、前記通信部が受信した前記位置情報を時系列に記憶し、
    前記制御部は、前記位置情報の時系列変化に基づいて、前記安定状態を満たすように前記ジブの位置姿勢を制御可能に構成される、
    クレーンシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のクレーンシステムにおいて、
    前記位置特定部は、前記ジブ、前記マスト、及び前記フックの近傍の少なくとも何れかに設けられたGNSSである、
    クレーンシステム。
  4. 請求項3に記載のクレーンシステムにおいて、
    前記位置特定部は、第1及び第2の位置特定部を有し、
    前記第1の位置特定部は、
    前記フックの近傍に設けられ、
    前記位置情報である第1の位置情報を特定可能に構成され、
    前記第2の位置特定部は、
    前記ジブ又は前記マストに設けられ、
    前記位置情報である第2の位置情報を特定可能に構成され、
    前記制御部は、前記第1及び第2の位置情報を比較することによって、前記安定状態を満たすように前記ジブの位置姿勢を制御可能に構成される、
    クレーンシステム。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1つに記載のクレーンシステムにおいて、
    前記ジブの位置姿勢は、前記ジブの起伏に係る傾斜角と、前記ジブの旋回に係る旋回角とで規定され、
    前記制御部は、前記傾斜角及び前記旋回角を制御可能に構成される、
    クレーンシステム。
  6. 請求項5の何れか1つに記載のクレーンシステムにおいて、
    前記制御部は、前記ジブの作業半径の変化量がしきい値以上の場合は、前記ジブを起こす向きに前記傾斜角を制御する、
    クレーンシステム。
  7. 請求項5又は請求項6の何れか1つに記載のクレーンシステムにおいて、
    前記制御部は、前記ジブの旋回方向の変化量がしきい値以上の場合は、前記ジブの旋回方向の変化量を解消する向きに前記旋回角を制御する、
    クレーンシステム。
  8. クレーンの制御装置であって、
    前記クレーンは、マスト及びジブと位置情報を経時的に特定可能な位置特定部とを備えるクライミングクレーンであり、ここで前記位置情報とは、前記クレーン中の前記位置特定部の設置位置を含む情報であり、
    当該制御装置は、通信部と、制御部とを備え、
    前記通信部は、前記位置情報を前記位置特定部より受信可能に構成され、
    前記制御部は、前記通信部が受信した前記位置情報の時系列変化に基づいて、巻上げ開始から地切り完了まで安定状態を維持するような制御信号を生成し、ここで、
    前記制御信号とは、前記ジブの位置姿勢を制御するための信号であり、
    前記安定状態とは、前記ジブの先端及び前記クレーンに吊るす吊荷の重心が略鉛直方向に並んでいる状態として規定される、
    クレーンの制御装置。
  9. クレーンの制御プログラムであって、
    前記クレーンは、マスト及びジブと位置情報を経時的に特定可能な位置特定部とを備えるクライミングクレーンであり、ここで前記位置情報とは、前記クレーン中の前記位置特定部の設置位置を含む情報であり、
    当該制御プログラムは、コンピュータに、通信機能と制御機能とを実現させ、
    前記通信機能によれば、前記位置情報を前記位置特定部から受信させ、
    前記制御機能によれば、前記通信部が受信した前記位置情報の時系列変化に基づいて、巻上げ開始から地切り完了まで安定状態を維持するような制御信号を生成させ、ここで、
    前記制御信号とは、前記ジブの位置姿勢を制御するための信号であり、
    前記安定状態とは、前記ジブの先端及び前記クレーンに吊るす吊荷の重心が略鉛直方向に並んでいる状態として規定される、
    クレーンの制御プログラム。
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