JP6842056B2 - 棒状種結晶保持具 - Google Patents

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Description

本発明は、坩堝内の原料融液に棒状種結晶を接触させ、該種結晶を回転させながらタンタル酸リチウム(LiTaO3;以下、LTと略称する)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3;以下、LNと略称する)等の単結晶を育成する回転引き上げ法に係り、特に、加工時における棒状種結晶へのダメージが小さく、棒状種結晶の保持具への組み込み作業が簡便でかつ単結晶育成中に保持具から棒状種結晶が落下し難い棒状種結晶保持具の改良に関するものである。
LTやLN等の単結晶は、主に移動体通信機器において電気信号ノイズを除去する表面弾性波素子(SAWフィルター)の材料として用いられている。
また、LT、LN等の単結晶は、産業的には主にチョクラルスキー法(以下、Cz法と略称する)等の回転引き上げ法により育成されており、この種の回転引き上げ法は、例えば図9に示す単結晶育成装置を用いて行われている。
この育成装置aは、外側が保温材bにより覆われ内部に単結晶用原料cが投入される坩堝dと、保温材bの外側に配置され坩堝d内の単結晶用原料cを加熱する高周波加熱コイルeと、先端に棒状種結晶fが保持される棒状種結晶保持具gと、棒状種結晶保持具gが連結され該棒状種結晶保持具gを回転させながら昇降する引き上げ軸(図示せず)とでその主要部が構成されており、これ等構成部材は図示外の密封された圧力容器(育成炉)内に組込まれている。
そして、この育成装置aを用いてLT等の単結晶を育成するには、まず、坩堝d内に単結晶用原料cを投入し充填した後、高周波加熱コイルeに通電して上記坩堝dを発熱させ、坩堝d内の単結晶用原料cをその融点以上の温度に加熱して融解させ、かつ、引き上げ軸を降下させて融解した原料融液の中心部にLT等の棒状種結晶fを接触させる。そして、高周波加熱コイルeに通電する高周波電力を調節して原料融液を徐々に固化させると同時に、上記棒状種結晶fを回転させながら上昇させるという操作を連続的に行うことにより種結晶と同一方位の大型単結晶hが製造される。
尚、棒状種結晶の回転速度や引上速度は、育成する結晶の種類、育成時の温度環境に依存し、それら条件に応じて適切に選定する必要がある。また、上述したように棒状種結晶fは棒状種結晶保持具gによって保持され、更に、棒状種結晶保持具gは図示外の引き上げ軸(ロッド)下端に吊り下げられた構造になっている。そして、棒状種結晶保持具は、耐熱性や強度の面からイリジウム(Ir)、白金(Pt)等金属製のものが使用されることが多い。
また、近年のスマートホン等の普及により移動体通信機器用のSAWフィルター市場は拡大を続けており、これに伴ってSAWフィルターの材料となるLT、LN等の単結晶基板の需要も伸びている。そして、SAWフィルター製造プロセスのコストダウンを図るため、LT、LN等の単結晶基板のサイズも、従来のφ3インチから、φ4インチ、φ6インチへと大面積化が進み、育成結晶が大型化している。更に、結晶の大型に伴って、結晶育成の成功率(すなわち、単結晶化率)向上が望まれている。
ところで、上記単結晶化率を向上させるには、単結晶育成中における棒状種結晶の落下率を減少させる必要があり、従来、各種の棒状種結晶保持具が開発されている。
例えば、特許文献1においては図10に示す棒状種結晶保持具が提案されている。
この棒状種結晶保持具gは、棒状種結晶fを収容する種結晶挿入孔iと、種結晶保持ピンkが嵌入されるピン孔jを有しており、切欠き部lが形成された棒状種結晶fを種結晶挿入孔iに収容し、該棒状種結晶fの切欠き部lに位置整合された種結晶保持ピンkをピン孔jから嵌入して棒状種結晶fが保持される構造になっている。但し、特許文献1の棒状種結晶保持具gにおいては、種結晶保持ピンkに係合させる切欠き部lを棒状種結晶fの外周面全体に形成する必要があることから種結晶の断面積が減少し、かつ、切欠き部lの加工量が多いことから種結晶に微細なクラックが入り易い欠点があった。このため、結晶育成中にクラックに起因する種結晶の折れが発生し、棒状種結晶が落下して上記単結晶化率を低下させてしまう問題を有していた。
また、特許文献2においては図11に示す棒状種結晶保持具が提案されている。
この棒状種結晶保持具gは、基端側に較べ貫通孔の先端側が小径に加工されたテーパ部mを有しており、貫通孔の基端側から挿入される棒状種結晶fが貫通孔のテーパ部mを利用して保持されるようにするため、棒状種結晶f外周面が上記テーパ部m形状に対応した形状に加工された構造になっている。このため、特許文献1と同様、棒状種結晶f外周面をテーパ形状に加工する際、種結晶に与えるダメージが大きく、かつ、テーパ形状に加工する手間と費用も必要となる問題を有していた。
更に、特許文献3においては図12に示す棒状種結晶保持具が提案されている。
この棒状種結晶保持具は、図12(A)に示すように断面略V字形状のV溝nが設けられた保持具本体g1と、該保持具本体g1のV溝n形成部位に取り付けられかつ保持具本体g1側に面する底面に断面略コ字形状の凹條pが設けられていると共に上記V溝nに載置された直方体形状の種結晶fを上方側から保持するクランプg2とを備えた構造になっている。そして、特許文献3においては、図12(B)に示すように棒状種結晶fの外周面に切欠き部lを設ける加工箇所が極めて少ないため、棒状種結晶fに与えるダメージが小さくかつ加工する手間と費用も少ない利点を有している。但し、棒状種結晶保持具を、V溝nが設けられた保持具本体g1と、凹條pが設けられたクランプg2とで構成する必要があるため、部品点数が多い分コスト高となり、かつ、棒状種結晶fを載置した後の組み立て作業も煩雑となる問題を有していた。
特開2001−080990号公報 特開2005−029434号公報 特開平10−330186号公報
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、加工時における棒状種結晶へのダメージが小さく、棒状種結晶の保持具への組み込み作業が簡便でかつ単結晶育成中に保持具から棒状種結晶が落下し難い棒状種結晶保持具を提供することにある。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
坩堝内の原料融液に棒状種結晶の先端側を接触させ、該棒状種結晶の中心軸を回転軸にして棒状種結晶を回転させながら単結晶を育成する回転引き上げ法に使用される棒状種結晶保持具において、
保持具本体が、上記棒状種結晶の回転軸に中心軸を整合させた同一径の貫通孔を有しており、該貫通孔における先端側内壁面の軸対称位置となる部位には、少なくとも2本の凸條が形成されていると共に、貫通孔の基端側から挿入される上記棒状種結晶の外周面における先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔内壁面の上記凸條形成部に対応した部位には、該凸條との接触を防止する切欠き部が形成されており、上記棒状種結晶における切欠き部終端側の段差面が上記貫通孔内壁面における凸條の基端側端面に係合して棒状種結晶が保持具本体の貫通孔に保持されるようになっていることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の発明は、
第1の発明に記載の棒状種結晶保持具において、
上記棒状種結晶が横断面矩形状を有しており、該棒状種結晶の外周面における4箇所の長尺角部に上記切欠き部が形成されていることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載の棒状種結晶保持具において、
上記棒状種結晶が横断面略円形状を有しており、該棒状種結晶の円周面における中心角が90度となる4箇所に上記切欠き部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る棒状種結晶保持具によれば、
保持具本体が、上記棒状種結晶の回転軸に中心軸を整合させた同一径の貫通孔を有しており、該貫通孔における先端側内壁面の軸対称位置となる部位には、少なくとも2本の凸條が形成されていると共に、貫通孔の基端側から挿入される上記棒状種結晶の外周面における先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔内壁面の上記凸條形成部に対応した部位には、該凸條との接触を防止する切欠き部が形成されており、上記棒状種結晶における切欠き部終端側の段差面が上記貫通孔内壁面における凸條の基端側端面に係合して棒状種結晶が保持具本体の貫通孔に保持されるようになっていることを特徴としている。
そして、棒状種結晶の外周面に形成する切欠き部の加工箇所が、先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔内壁面の凸條形成部に対応した部位に限定されるため、特許文献1〜2の棒状種結晶保持具と比較して加工時における種結晶のダメージを低減させることができると共に単結晶育成中における棒状種結晶の落下を低減でき、かつ、棒状種結晶保持具を構成する保持具本体が単一のため特許文献3の棒状種結晶保持具と比較して棒状種結晶の保持具への組み込み作業を簡便化することが可能となる。
従って、結晶育成の成功率(単結晶化率)を向上でき、種結晶の加工時間、加工費用も低減できると共に、単結晶の生産性向上とコストダウンが図れる効果を有する。
本発明の棒状種結晶保持具を示し、図1(A)は第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の上面図、図1(B)はその側面図、図1(C)はその底面図。 第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の斜め上方側から観た概略斜視図。 第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の斜め下方側から観た概略斜視図。 図4(A)は加工前における棒状種結晶の斜視図、図4(B)は外周面における4箇所の長尺角部に切欠き部が形成されかつ第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具に収納される棒状種結晶の斜視図。 第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の貫通孔に棒状種結晶が保持された状態を示す説明図。 第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の変形例を示し、図6(A)は上記棒状種結晶保持具の上面図、図6(B)はその側面図、図6(C)はその底面図。 本発明の棒状種結晶保持具を示し、図7(A)は第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具の上面図、図7(B)はその側面図、図7(C)はその底面図。 第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具の変形例を示し、図8(A)は上記棒状種結晶保持具の上面図、図8(B)はその側面図、図8(C)はその底面図。 回転引き上げ法に適用される単結晶育成装置の概略構成を示す説明図。 特許文献1に係る種結晶保持具の説明図。 特許文献2に係る種結晶保持具の説明図。 図12(A)は特許文献3に係る種結晶保持具の概略斜視図、図12(B)は長尺角部に切欠き部が設けられた棒状種結晶の概略斜視図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第一実施の形態]
図1(A)は第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の上面図、図1(B)はその側面図、図1(C)はその底面図をそれぞれ示し、図2は第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の斜め上方側から観た概略斜視図を示し、図3は第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の斜め下方側から観た概略斜視図を示し、また、図4(A)は加工前における棒状種結晶の斜視図、図4(B)は外周面における4箇所の長尺角部に切欠き部が形成されかつ第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具に収納される棒状種結晶の斜視図を示す。
すなわち、第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具1は、図1〜図3に示すように、保持具本体10が、棒状種結晶(図示せず)の回転軸に中心軸を整合させた横断面正方形状で同一内径の貫通孔11を有しており、かつ、貫通孔11における先端側内壁面の軸対称位置(貫通孔11の中心軸を中央にして互いに向かい合う位置)となる部位(第一実施の形態では内壁面の互いに向かい合う4箇所の隅部)に凸條12が形成された構造になっている。尚、図1〜図2の符号13は、図示外の引き上げ軸(ロッド)に棒状種結晶保持具1が連結される際に使用される連結孔を示している。
また、第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具1の貫通孔11基端側から挿入される棒状種結晶2は、図4(A)に示すように直方体形状(すなわち、横断面矩形状)を有しており、かつ、図4(B)に示すように棒状種結晶2外周面の先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔11内壁面の上記凸條12形成部に対応した部位(すなわち、棒状種結晶2の外周面における4箇所の長尺角部20)に、凸條12との接触を防止する切欠き部21が形成されている。
そして、図5に示すように棒状種結晶保持具1の貫通孔11基端側から棒状種結晶2を挿入することにより、棒状種結晶2の切欠き部21終端側における段差面21a(図4B参照)が上記貫通孔11内壁面における凸條12の基端側端面に係合し固定されるため、棒状種結晶保持具1の貫通孔11内に棒状種結晶2を保持させることが可能となる。
第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具1を用いた場合、棒状種結晶2の外周面に形成する切欠き部21の加工箇所が、先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔11内壁面の凸條12形成部に対応した部位(図4Bに示すように棒状種結晶2における4箇所の長尺角部20)に限定されるため、特許文献1〜2で提案された従来の棒状種結晶保持具と比較して加工時における種結晶のダメージを低減させることが可能となり、この結果、上記クラックに起因した種結晶の折れ等が防止されることから単結晶育成中における棒状種結晶の落下を低減(単結晶化率を向上)させることが可能となる。更に、第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具1においては保持具本体が単一のため、特許文献3で提案された従来の棒状種結晶保持具と比較して棒状種結晶の保持具への組み込み作業を簡便化することが可能となる利点も有している。
ところで、第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具1においては、貫通孔11内壁面の軸対称位置となる部位(互いに向かい合う4箇所の隅部)に凸條12が形成された構造になっている(図1C参照)が、図6(C)に示すように貫通孔11内壁面の軸対称位置となる部位(互いに向かい合う2箇所の隅部)に凸條12を形成する構造に変更してもよい。この場合、棒状種結晶2の切欠き部21終端側における段差面21aと係合する凸條12基端側の端面数が、図1に示す「4箇所」から図6に示す「2箇所」に変更される関係上、棒状種結晶2に対する棒状種結晶保持具の保持力は若干低下する。このため、棒状種結晶2下端側に育成する結晶の目的重量に対応させて、図1に示す棒状種結晶保持具とするか、あるいは図6に示す棒状種結晶保持具とするかについて適宜選択することが望ましい。尚、図6に示す棒状種結晶保持具が選択された場合、貫通孔11に挿入させる棒状種結晶2は、図4(B)に示した「4箇所」の長尺角部20に切欠き部21が形成された棒状種結晶であってもよいし、あるいは、図6に示す凸條12の個数に対応させて「2箇所」の長尺角部20に切欠き部21が形成された棒状種結晶であってもよい。
[第二実施の形態]
第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具1は、図7(A)〜(C)に示すように、保持具本体10が、棒状種結晶(図示せず)の回転軸に中心軸を整合させた横断面円形状で同一内径の貫通孔11を有しており、かつ、貫通孔11における先端側内壁面の軸対称位置(貫通孔11の中心軸を中央にして互いに向かい合う位置)となる部位(第二実施の形態では互いに向かい合う4箇所の内壁面)に凸條12が形成された構造になっている。尚、図7(B)の符号13は、図示外の引き上げ軸(ロッド)に棒状種結晶保持具1が連結される際に使用される連結孔を示している。
また、第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具1の貫通孔11基端側から挿入される棒状種結晶(図示せず)は、円柱形状(すなわち、横断面円形状)を有しており、かつ、棒状種結晶外周面の先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔11内壁面の凸條12形成部に対応した部位(すなわち、棒状種結晶の円周面における中心角が90度となる4箇所)に、凸條12との接触を防止する切欠き部が形成されている。
そして、棒状種結晶保持具1の貫通孔11基端側から棒状種結晶を挿入することにより、棒状種結晶の切欠き部終端側における段差面が、第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具の場合と同様、貫通孔11内壁面における凸條12の基端側端面に係合し固定されるため、棒状種結晶保持具1の貫通孔11内に棒状種結晶を保持させることが可能となる。
第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具1を用いた場合、第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具と同様、棒状種結晶の外周面に形成する切欠き部の加工箇所が、先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔11内壁面の凸條12形成部に対応した部位に限定されるため、特許文献1〜2で提案された従来の棒状種結晶保持具と比較して加工時における種結晶のダメージを低減させることが可能となり、この結果、上記クラックに起因した種結晶の折れ等が防止されることから単結晶育成中における棒状種結晶の落下を低減(単結晶化率を向上)させることが可能となる。更に、第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具1においても保持具本体が単一のため、特許文献3で提案された従来の棒状種結晶保持具と比較して棒状種結晶の保持具への組み込み作業を簡便化することが可能となる利点も有している。
ところで、第二実施の形態に係る棒状種結晶保持具1においても、貫通孔11内壁面の軸対称位置となる部位(互いに向かい合う4箇所の内壁面)に凸條12が形成された構造になっている(図7C参照)が、図8(C)に示すように貫通孔11内壁面の軸対称位置となる部位(互いに向かい合う2箇所の内壁面)に凸條12を形成する構造に変更してもよい。この場合、棒状種結晶の切欠き部終端側における段差面と係合する凸條12基端側の端面数が、図7に示す「4箇所」から図8に示す「2箇所」に変更される関係上、棒状種結晶に対する棒状種結晶保持具の保持力は若干低下する。このため、棒状種結晶下端側に育成する結晶の目的重量に対応させて、図7に示す棒状種結晶保持具とするか、あるいは図8に示す棒状種結晶保持具とするかについて適宜選択することが望ましい。尚、図8に示す棒状種結晶保持具が選択された場合、貫通孔11に挿入させる棒状種結晶は、外周面の「4箇所」に切欠き部が形成された棒状種結晶であってもよいし、あるいは、図8に示す凸條12の個数に対応させて外周面の「2箇所」に切欠き部が形成された棒状種結晶であってもよい。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明の技術的範囲が実施例の内容に限定されるものではない。
[実施例1]
図1〜図2に示した第一実施の形態に係る棒状種結晶保持具と同一構造を有する棒状種結晶保持具を作製した。尚、棒状種結晶保持具の材質はイリジウム(Ir)とした。
他方、図4(B)に示す構造のタンタル酸リチウム種結晶(10mm角×8cm)を用意した。また、タンタル酸リチウム種結晶における4箇所の長尺角部に形成した切欠き部の深さ寸法は、棒状種結晶保持具の貫通孔内壁面における4箇所の隅部に形成した凸條の高さ寸法より深くし、更に、無加工部分を2cm残した(すなわち、タンタル酸リチウム種結晶の先端側から6cmまでの長尺角部に切欠き部を形成した)。切欠き部の加工時間は「作業者平均8分/人」以内に終了した。
そして、実施例1に係る棒状種結晶保持具と切欠き部が形成されたタンタル酸リチウム種結晶を用いてチョクラルスキー法によるタンタル酸リチウム単結晶の育成を行ったところ、種結晶の落下率は1%(100回の育成間に1回落下した)であった。
[比較例1]
特許文献1の種結晶保持ピンを用いた従来のイリジウム(Ir)製棒状種結晶保持具を用いてチョクラルスキー法によるタンタル酸リチウム単結晶の育成を行った。
そして、図10に示す種結晶の加工時間は「作業者平均25分/人」を要した。また、種結晶の落下率は4%(100回の育成間に4回落下した)であった。
[確 認]
実施例1と比較例1の結果から、種結晶の加工時間を「17分/回」削減でき、かつ、結晶育成時における落下率を4%から1%に向上できることが確認された。
本発明に係る棒状種結晶保持具によれば、加工時における棒状種結晶へのダメージが小さく、棒状種結晶の保持具への組み込み作業が簡便でかつ単結晶育成中に保持具から棒状種結晶が落下し難いため、例えば、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム単結晶を育成する際の種結晶保持具に適用される産業上の利用可能性を有している。
1 棒状種結晶保持具
2 棒状種結晶
10 保持具本体
11 貫通孔
12 凸條
13 連結孔
20 長尺角部
21 切欠き部
21a 切欠き部終端側の段差面

Claims (3)

  1. 坩堝内の原料融液に棒状種結晶の先端側を接触させ、該棒状種結晶の中心軸を回転軸にして棒状種結晶を回転させながら単結晶を育成する回転引き上げ法に使用される棒状種結晶保持具において、
    保持具本体が、上記棒状種結晶の回転軸に中心軸を整合させた同一径の貫通孔を有しており、該貫通孔における先端側内壁面の軸対称位置となる部位には、少なくとも2本の凸條が形成されていると共に、貫通孔の基端側から挿入される上記棒状種結晶の外周面における先端側から基端側近傍までの領域でかつ貫通孔内壁面の上記凸條形成部に対応した部位には、該凸條との接触を防止する切欠き部が形成されており、上記棒状種結晶における切欠き部終端側の段差面が上記貫通孔内壁面における凸條の基端側端面に係合して棒状種結晶が保持具本体の貫通孔に保持されるようになっていることを特徴とする棒状種結晶保持具。
  2. 上記棒状種結晶が横断面矩形状を有しており、該棒状種結晶の外周面における4箇所の長尺角部に上記切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の棒状種結晶保持具。
  3. 上記棒状種結晶が横断面略円形状を有しており、該棒状種結晶の円周面における中心角が90度となる4箇所に上記切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の棒状種結晶保持具。
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