JP6842043B2 - プリフォーム、容器及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、プリフォーム、容器及びその製造方法に関する。
プラスチック製の容器の成形方法として、特許文献1には、射出成形されたプリフォームを金型内にセットし、エアーを吹き込んで金型キャビティの形状に成形する二軸延伸ブロー成形法が開示されている。
特許文献1には、プリフォームとして、環状オレフィン樹脂層(A)とガスバリア層(B)と環状オレフィン樹脂層(C)とが順次配置される構成を含む3層以上の積層構造を有するものを用いることによって、ガスバリア性に優れた容器を製造する方法が開示されている。
特開2011−235569号公報
ところで、特許文献1の方法でプリフォームを射出成形により製造する際には、層(A)〜(C)を構成する樹脂を金型のキャビティ内において層流を維持したまま流動させる必要がある。このため、層(A)〜(C)を構成する樹脂の何れかの流動が不十分になると、その層が途中で途切れてしまう虞がある。ガスバリア層(B)は、通常、100μm程度の薄い層であるので、特に途切れやすい。ガスバリア層(B)が途切れると、ガスバリア性が低下してしまうので、ガスバリア層(B)が途切れてしまった場合には、そのことを検出することが必要である。しかし、特許文献1のプリフォームは、ガスバリア層(B)の有無に関わらず、透明であり、外観に違いがないので、製造されたプリフォームを検査してもガスバリア層(B)が途切れているかどうかを判断することが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ガスバリア層が適切に形成されているかどうかが容易に判別可能なプリフォームを提供するものである。
本発明によれば、射出成形体で構成されるプリフォームであって、前記プリフォームは、外面側から順に、外層、ガスバリア層、及び内層を備え、前記ガスバリア層は、EVOH樹脂層である、プリフォームが提供される。
本発明は鋭意検討を行ったところ、ガスバリア層がEVOH樹脂層である場合には、ガスバリア層が形成されている部位がEVOH樹脂の結晶化によって白濁するために、ガスバリア層が形成されていることが外観上容易に判別することができることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記外層及び前記内層は、環状オレフィン樹脂層である。
好ましくは、前記EVOH樹脂層に含まれるEVOH樹脂は、210℃において荷重2.16kgで測定したメルトフローレイトが15g/10分以下である。
好ましくは、前記EVOH樹脂のメルトフローレイトは、8g/10分以下である。
好ましくは、前記環状オレフィン樹脂層に含まれる環状オレフィン樹脂は、280℃において荷重2.16kgで測定したメルトフローレイトが40g/10分以下である。
好ましくは、前記環状オレフィン樹脂のメルトフローレイトは、20g/10分以下である。
本発明の別の観点によれば、上記記載のプリフォームの二軸延伸ブロー成形体で構成される容器が提供される。
好ましくは、前記容器は、胴部を有する形状であり、前記容器は、前記胴部での肉厚が0.8mm以上である。
好ましくは、前記容器は、胴部を有する形状であり、前記容器は、前記胴部での前記ガスバリア層の厚さが20μm以上である。
本発明のさらに別の観点によれば、上記記載のプリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程を備える、容器の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態のプリフォーム1の構成を示し、一点鎖線の左側が正面図であり、一点鎖線の右側がプリフォーム1の中心を通る断面図である。 本発明の一実施形態の容器11の構成を示し、一点鎖線の左側が正面図であり、一点鎖線の右側が容器11の中心を通る断面図である。 図3中の領域Xの拡大図である。 実施例5のプリフォーム1を二分割してガスバリア層6を着色した状態の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.プリフォーム1
図1に示すように、本発明の一実施形態のプリフォーム1は、筒状(好ましくは円筒状)の胴部2を備える。胴部2の一端には口部3が設けられ、口部3には、図示しないキャップを取り付けるための係合部3aが設けられている。キャップは、打栓式で装着するものであってもよく、ネジ式で装着するものであってもよい。胴部2の他端が底部4となっている。底部4は、一例では曲面形状であるが、その形状は特に限定されない。プリフォーム1は、樹脂材料を射出成形して形成することができる射出成形体で構成される。
プリフォーム1の胴部2での肉厚は、例えば1〜10mmであり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
プリフォーム1は、外面側から順に、外層5、ガスバリア層6、及び内層7を備える。
(外層5及び内層7)
外層5及び内層7は、環状オレフィン樹脂層で構成されることが好ましい。環状オレフィン樹脂層は水蒸気バリア性に優れている。環状オレフィン樹脂層に含まれる環状オレフィン樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する重合体である。重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造等が挙げられる。これらの中でも、機械的強度、耐熱性等の観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、シクロアルカン構造が最も好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
環状オレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。環状オレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと透明性及び耐熱性に劣り好ましくない。
なお、環状オレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
環状オレフィン樹脂の具体例としては、ノルボルネン系重合体が挙げられる。ノルボルネン系重合体は、例えば、特開平3−14882号公報や、特開平3−122137号公報等に開示されている公知の重合体であり、具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加型共重合体、及びこれらの水素添加物等が挙げられる。
ノルボルネン系モノマーは分子内にノルボルネン環構造を有するモノマーであり、具体的には、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカ−3,7−ジエン等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニル化合物としては、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なものであれば、格別な制限はない。例えば、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン等の炭素数2〜20のエチレン又はα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;等が挙げられる。これらのビニル系化合物は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
環状オレフィン樹脂は、280℃において荷重2.16kgで測定したメルトフローレイト(MFR)が40g/10分以下が好ましく、20g/10分以下がさらに好ましい。このMFRは、例えば3〜40g/10分であり、具体的には例えば、3、5、10、15、20、25、30、35、40g/10分であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。MFRは、JIS K7210に準拠して測定可能である。
環状オレフィン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがさらに好ましい。このTgは、例えば90〜160℃であり、具体的には例えば、90、100、110、120、130、140、150、160℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。Tgは、JIS K 7121に準拠して測定可能である。
環状オレフィン樹脂は、280℃で射出成形したときの成形収縮率が12/1000以下であることが好ましく、8/1000以下である。この成形収縮率は、例えば1/1000〜12/1000であり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12/1000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。成形収縮率は、JIS K 7152に準拠して測定可能である。
外層5及び内層7の厚さは、それぞれ、500〜5000μmが好ましく、1500〜4000μmがさらに好ましい。この厚さは、具体的には例えば、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
(ガスバリア層6)
ガスバリア層6は、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)樹脂層である。ガスバリア層6がEVOH樹脂層である場合、EVOH樹脂の結晶化によってガスバリア層6が形成された領域が白濁するので、ガスバリア層6が形成されたかどうかの判別が容易である。EVOH樹脂層に含まれるEVOH樹脂は、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH樹脂層の柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。
EVOH樹脂は、210℃において荷重2.16kgで測定したメルトフローレイト(MFR)が15g/10分以下が好ましく、8g/10分以下がさらに好ましい。このMFRは、例えば1〜15g/10分であり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15g/10分であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。MFRが8g/10分以下である場合には、耐剥離性及び成膜性が特に良好になるので、好ましい。
EVOH樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が40〜80℃であることが好ましく、50〜70℃であることがさらに好ましい。このTgは、具体的には例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
EVOH樹脂は、280℃で射出成形したときの成形収縮率が12/1000以下であることが好ましく、8/1000以下である。この成形収縮率は、例えば1/1000〜12/1000であり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12/1000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ガスバリア層6の成形収縮率と外層5又は内層7の成形収縮率の差は、8/1000以下が好ましく、5/1000以下がさらに好ましい。この差は、例えば0〜8/1000であり、具体的には例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8/1000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この差が小さい場合、耐剥離性が良好になる。
EVOH樹脂の重量平均分子量は、1〜10万が好ましく、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。EVOH樹脂の重量平均分子量が3万以上である場合、結晶化速度が遅くなることによって、ガスバリア層6と、外層5及び内層7との界面がより緊密になるので好ましい。EVOHの重量平均分子量の測定にあたっては、日本接着協会誌,13,186(1977)に記載の方法に準じて、EVOHを再酢化して測定することができる。
ガスバリア層6の厚さは、20μm以上が好ましく、100μm以上がさらに好ましい。この厚さは、例えば20〜600μmであり、具体的には例えば、20、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。ガスバリア層6の厚さが100μm以上である場合に、ガスバリア層6の視認性が特に良好になるので好ましい。
(その他の層)
各層の間には、接着性を高めるために接着層を設けてもよい。接着層は、例えば、ポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)で構成される。但し、接着層を設けることはプリフォーム1の製造の難易度が上がって歩留まりが低下する要因になる等の理由によりコストアップに繋がるので、外層5、ガスバリア層6、及び内層7は、接着層を介さずに直接接触することが好ましい。
2.容器11
図2に示すように、プリフォーム1は、金型内にセットされて二軸延伸ブロー成形されて金型内部のキャビティ形状に対応した容器11となる。プリフォーム1は金型にセットされる前又はセットされた後に加熱されて軟化された状態で二軸延伸ブロー成形される。
図2に示すように、容器11は、筒状(好ましくは円筒状)の胴部12を備える。胴部12の一端には口部13が設けられ、口部13には、図示しないキャップを取り付けるための係合部13aが設けられている。キャップは、打栓式で装着するものであってもよく、ネジ式で装着するものであってもよい。胴部12の他端が底部14となっている。容器11は、外面側から順に、外層15、ガスバリア層16、及び内層17を備える。外層15、ガスバリア層16、及び内層17は、それぞれ、外層5、ガスバリア層6、及び内層7が延伸されて形成された層である。
(プリフォーム1の胴部2の厚さ)/(容器11の胴部12の厚さ)で規定される延伸倍率は、例えば2〜10倍であり、具体的には例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
容器11の胴部12での肉厚は、例えば0.2〜2mmであり、具体的には例えば、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この肉厚は、0.8mm以上が好ましい。この場合に、滅菌適性及び耐落下性が特に良好になるので好ましい。
外層15及び内層17の厚さは、それぞれ、100〜1000μmが好ましく、300〜800μmがさらに好ましい。この厚さは、具体的には例えば、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ガスバリア層16の厚さは、5μm以上が好ましく、20μm以上がさらに好ましい。この厚さは、例えば、5〜120μmであり、具体的には例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。ガスバリア層16の厚さが20μm以上である場合に、ガスバリア層16の視認性が特に良好になるので好ましい。
1.プリフォーム1の製造及び評価
表1に示す樹脂を用いて、表2に示す層構成を有し且つ図1に示す形状のプリフォーム1を金型温度280℃の条件で射出成形によって形成した。表2に示す厚さは、プリフォーム1の胴部2の高さ方向の中央において周方向の8点で測定した値の平均値である。
得られたプリフォーム1について、以下の方法で、各種評価を行った。各実施例・比較例について、10個のサンプルの作成及び評価を行った。10個のサンプルのうち、評価が最低のものをその実施例・比較例の評価とした。その結果を表2に示す。
<ガスバリア層視認性>
津製作所製分光光度計UV−2400PCを用いて、プリフォーム1の450nmの波長の全光線透過率を測定し、以下の基準で評価した。ガスバリア層視認性が悪いとガスバリア層が形成されたかどうかの確認が困難である。
○:光線透過度が40%以下
△:光線透過度が40%超65%未満
×:光線透過度が65%以上
<耐剥離性>
プリフォーム1を成形直後及び冷却後に目視で観察し、ガスバリア層6が外層5又は内層7から剥離されているかどうかを確認して、以下の基準で評価した。耐剥離性が悪いとプリフォーム1のハンドリング性が悪くなる。
○:剥離しない
△:冷却時に剥離
×:成形直後に剥離
<製膜性>
プリフォーム1を周方向に4分割し、光学顕微鏡で各断面のガスバリア層16の状態を観察して、以下の基準で評価した。製膜性が悪いと、ブロー成形の際にガスバリア層が途切れやすくなる。図4は、実施例5のプリフォーム1を2分割し、ガスバリア層16を着色した状態で撮影した写真であり、口部3の近傍に不均一部位6aが形成されている状態を示す。ガスバリア層16の着色は、ヨード液(日本薬局方、希ヨードチンキ、健栄製薬社製)を用いて行った。
○:ガスバリア層が均一に形成されている
△:ガスバリア層に不均一部位が形成されている
×:ガスバリア層が途中で途切れている
表1中の各樹脂の詳細は、以下の通りである。
COP:環状オレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製、型式「ZEONEX690R」)
COP2:環状オレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製、型式「ZEONOR1020R」)
EVOH:EVOH樹脂(日本合成化学工業(株)製、型式「DC3203FB」)
EVOH2:EVOH樹脂2(日本合成化学工業(株)製、型式「DC3212B」)
MXD:ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、型式「MXナイロンS6007」)
<考察>
ガスバリア層6としてMXDを用いた比較例1では、プリフォーム1は透明であり、ガスバリア層の視認性が悪かった。一方、ガスバリア層6としてEVOH樹脂を用いた全ての実施例では、プリフォーム1は白濁していて、光線透過率は65%未満(実施例1,2,4,5では40%以下)であった。また、実施例1と実施例4の対比により、210℃で測定したメルトフローレイトが8g/10分以下であるEVOH樹脂を用いることによって、耐剥離性及び製膜性が向上することが実証された。さらに、実施例1と実施例5の対比により、280℃で測定したメルトフローレイトが20g/10分以下である環状オレフィン樹脂を用いることによって、製膜性が向上することが実証された。
2.容器11の製造及び評価
プリフォーム1を100℃に加熱した状態で延伸倍率が約4.5倍になるように二軸延伸ブロー成形を行って図2に示す容器11を形成した。容器11の胴部12での直径は、50mmであった。得られた容器の胴部12での厚さは、表3に示す通りであった。表3に示す厚さは、容器11の胴部12の高さ方向の中央において周方向の8点で測定した値の平均値である。この容器について、以下の方法で、各種評価を行った。
<滅菌適性>
121℃で20分のオートクレーブ滅菌を行い、容器11が変形しているかどうかを目視で確認して、以下の基準で評価した。滅菌適性が悪いと、滅菌時間が伸びたり、滅菌の際に容器11が変形したりする。
○:変形無し
△:わずかに変形
×:大きく変形
<耐剥離性>
容器11を成膜直後に目視で観察し、ガスバリア層16が外層15又は内層17から剥離されているかどうかを確認した。また、容器11の胴部12の高さ方向の中央を中心に向かって5mm凹ませた状態も同様に目視で観察し、以下の基準で評価した。耐剥離性が悪いと、容器11のハンドリング性が悪い。
○:凹ませても剥離しない
△:凹ませると剥離
×:成形直後に剥離
<ガスバリア性>
MOCON社製のOX−TRAN2/20測定器を使用し、ボトル内側を90%RHにて、測定環境23℃−55%RH、大気圧下にて測定を行い、容器本体を透過する1日当たりの酸素の量(cc)を測定し、以下の基準で評価した。ガスバリア性が悪いと、内容物が劣化しやすい。
○:0.0005cc/day以下
△:0.0005cc/day超、0.0025cc/day未満
×:0.0025cc/day以上
<耐落下性>
容器11の底部14を下に向けて、室温で1mの高さから厚さ25mmの平らな剛版の上に10回落下させた後に、容器11を目視で観察し、以下の基準で評価した。耐落下性が悪いと、容器11が落下の際に破損しやすくなる。
○:変化なし
△:ヒビが入る
×:内容液が漏れる
<考察>
実施例1と実施例4の対比により、210℃で測定したメルトフローレイトが8g/10分以下であるEVOH樹脂を用いることによって、耐剥離性が向上することが実証された。また、実施例1と実施例5の対比により、280℃で測定したメルトフローレイトが20g/10分以下である環状オレフィン樹脂を用いることによって、滅菌耐性が向上することが実証された。
実施例1〜5において白濁していたプリフォーム1は、二軸延伸ブロー成形を行うことで、成形された容器11は透明となった。プリフォーム1の時点では、白濁することでガスバリア層の検出が容易であるが、容器を成形した後には、白濁することなく透明な容器を得ることができる。
1 :プリフォーム
2 :胴部
3 :口部
3a :係合部
4 :底部
5 :外層
6 :ガスバリア層
6a :不均一部位
7 :内層
11 :容器
12 :胴部
13 :口部
13a:係合部
14 :底部
15 :外層
16 :ガスバリア層
17 :内層
X :領域

Claims (7)

  1. 射出成形体で構成されるプリフォームであって、
    前記プリフォームは、外面側から順に、外層、ガスバリア層、及び内層を備え、
    前記ガスバリア層は、EVOH樹脂層であり、
    前記外層、前記ガスバリア層、及び前記内層は、接着層を介さずに直接接触しており、
    前記外層及び前記内層は、環状オレフィン樹脂層であり、
    前記環状オレフィン樹脂層に含まれる環状オレフィン樹脂は、280℃において荷重2.16kgで測定したメルトフローレイトが20g/10分以下である、プリフォーム。
  2. 前記EVOH樹脂層に含まれるEVOH樹脂は、210℃において荷重2.16kgで測定したメルトフローレイトが15g/10分以下である、請求項1に記載のプリフォーム。
  3. 前記EVOH樹脂のメルトフローレイトは、8g/10分以下である、請求項2に記載のプリフォーム。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のプリフォームの二軸延伸ブロー成形体で構成される容器。
  5. 前記容器は、胴部を有する形状であり、
    前記容器は、前記胴部での肉厚が0.8mm以上である、請求項4に記載の容器。
  6. 前記容器は、胴部を有する形状であり、
    前記容器は、前記胴部での前記ガスバリア層の厚さが20μm以上である、請求項4又は請求項5に記載の容器。
  7. 請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のプリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程を備える、容器の製造方法。
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