JP6841624B2 - 自動車用排気系熱交換器の製造方法 - Google Patents

自動車用排気系熱交換器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内外面に無電解ニッケル−リン層を形成した自動車用排気系熱交換器の製造方法に関する。
従来から、自動車用排気系熱交換器の内外面にはメッキ層が形成されており、このメッキ層によって腐食が防止されている。このような自動車用排気系熱交換器の中に、無電解ニッケル−リンを用いたメッキ層が形成されたものがあり、このメッキ層は、耐摩耗性に優れているとともに、複雑な形状の基材に対して均一な厚みで形成することができる(例えば、特許文献1参照)。
この自動車用排気系熱交換器(高耐蝕性熱交換器)の製造においては、まず、ステンレス材からなる各部材の表面に無電解メッキにより、リン含有ニッケル合金皮膜を形成したのちに、これらの各部材を組み立てて、熱交換器組み立て体を形成している。つぎに、その熱交換器組み立て体を真空炉内で加熱し、リン含有ニッケル合金を各部材の表面から内部に拡散させて熱交換器組み立て体の表面にニッケル富裕化層を形成している。ついで、さらに真空炉の温度を上昇して、リン含有ニッケル合金皮膜を熔融させ、各部材の接触部間にリン含有ニッケル合金を保持させて熱交換器組み立て体を冷却することで、各部材をロウ付け固定している。このように、ステンレス材を用い、その表面にニッケル富裕化層を形成するとともに、各部材間をリン含有ニッケル合金でロウ付けすることにより、耐高温酸化性と耐蝕性を有する熱交換器が得られる。
特開2004−205059号公報
前述した熱交換器は、各部材がステンレス材で構成されているため高価になるという問題がある。また、ステンレス材の表面には安定した不働体皮膜が発生するため、ステンレス材の表面にメッキを施す場合は、不働体皮膜を除去して活性化し、メッキの密着をよくするためにストライクメッキなどの下地メッキが必要である。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、安価な自動車用排気系熱交換器を簡単な処理で得ることができる自動車用排気系熱交換器の製造方法を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る自動車用排気系熱交換器の製造方法の構成上の特徴は、ステンレス材を除く鉄材からなる複数の部材(11,14,15,16,17,18,19,20)で構成される自動車用排気系熱交換器(10)の製造方法であって、複数の部材の接続部分(11a,14c,14d,15c,15d,16d,17d,21c,22c)にロウ材を塗布して組み付ける仮組み付け工程と、仮組み付けされた複数の部材に熱処理を施すことによりロウ材塗布部をロウ付け接合して熱交換器本体(10a)を形成する熱交換器本体形成工程と、熱交換器本体を、無電解ニッケル−リンメッキ液に複数回浸漬して、熱交換器本体の各内外面に無電解ニッケル−リン層(25a,25b,25c)を複数層形成する無電解メッキ工程とを備え、熱交換器本体(10a)を、隙間を介して積層されそれぞれが一端から他端に向かって排気ガスを通過させる複数の伝熱管(20)と、複数の伝熱管を収容する外管(11)と、外管の一端に設けられ複数の伝熱管の一端に連通する排気ガス導入部(14,16)と、外管の他端に設けられ複数の伝熱管の他端に連通する排気ガス導出部(15,17)と、外管の側部に設けられた冷却水流入管(18)と、外管の側部に設けられ、外管と伝熱管との間および複数の伝熱管の隙間を介して冷却水流入管に連通する冷却水流出管(19)とで形成し、無電解メッキ工程において、無電解ニッケル−リン層が成膜された後に、排気ガス導入部もしくは排気ガス導出部を下側に位置させて、連通した経路に付着した無電解ニッケル−リンメッキ液を下方に落下させる操作と、冷却水流入管もしくは冷却水流出管を下側に位置させて、連通した経路に付着した無電解ニッケル−リンメッキ液を下方に落下させる操作とが行われることにある。
本発明に係る自動車用排気系熱交換器の製造方法では、自動車用排気系熱交換器を構成する複数の部材を鉄材で構成している。このため、自動車用排気系熱交換器の低コスト化が図れる。そして、自動車用排気系熱交換器の製造に際しては、複数の部材の接続部分にロウ材を塗布して仮組み付けしたのちに、熱処理して熱交換器本体を形成し、この熱交換器本体の各内外面に複数層の無電解ニッケル−リン層を形成している。前述した従来技術のように、自動車用排気系熱交換器を構成する各部材にメッキを施したのちに、各部材を組み付けてロウ付けすると、ロウ付けの熱処理の際に、鉄材からメッキ層に鉄が拡散してメッキ層の表面まで浸出すると、耐食性が低下するおそれが生じるが、本発明によると、このようなメッキ層の耐食性低下は生じなくなる。すなわち、本発明によると、無電解ニッケル−リン層に鉄部材から鉄が拡散することを防止できる。
また、鉄材はステンレス材と比較して不働体皮膜の除去が容易であるため、ストライクメッキのような処理は不要である。このため、自動車用排気系熱交換器の製造の簡易化が図れる。さらに、無電解ニッケル−リン層にはピンホールが生じやすいが、無電解ニッケル−リン層を複数層形成することで、自動車用排気系熱交換器の母材から無電解ニッケル−リン層の表面まで貫通したピンホールが発生することを防止できる。これによって、耐食性のよい無電解ニッケル−リン層を形成することができる。なお、本発明における鉄材としては、銑鉄、鋳鉄および鋼を含み、ステンレスなどの合金は除くものとする。
熱交換器本体を構成する各部材を個々にメッキ処理する場合は、各部材を無電解ニッケル−リンメッキ液に浸漬したのちに、無電解ニッケル−リンメッキ液から取り出すと、各部材内の無電解ニッケル−リンメッキ液は下方に流れ出て各部材内に溜まった状態にはならない。しかしながら、各部材を組み付けて形成された熱交換器本体を無電解ニッケル−リンメッキ液に浸漬したのちに、無電解ニッケル−リンメッキ液から取り出すと、熱交換器本体の形状が複雑になるため、熱交換器本体の内部に無電解ニッケル−リンメッキ液が溜まってしまうおそれがある。この場合、熱交換器本体の向きを変えながら無電解ニッケル−リンメッキ液を流し出さなければならず、処理が面倒になる。
本発明では、外管の一端に排気ガス導入部を設けるとともに、外管の他端に排気ガス導出部を設けて、無電解ニッケル−リン層が成膜された後に、排気ガス導入部もしくは排気ガス導出部を下側に位置させて、連通した経路に付着した無電解ニッケル−リンメッキ液を下方に落下させることができるようにしている。また、外管の側部にそれぞれ冷却水流入管と冷却水流出管とを設けて、無電解ニッケル−リン層が成膜された後に、冷却水流入管もしくは冷却水流出管を下側に位置させて、連通した経路に付着した無電解ニッケル−リンメッキ液を下方に落下させることができるようにしている。このため、前述した2つの操作を行うことで、熱交換器本体の内部に残った無電解ニッケル−リンメッキ液を外部に流し出すことができる。
また、本発明では、前述した2つの操作を同時に行うようにすることもできる。この場合、排気ガス導入部と、排気ガス導出部とが上下に位置するように熱交換器本体を配置したときに、複数の伝熱管、外管、冷却水流入管と冷却水流出管の間の経路がすべて上方から下方に延びるように形成する。これによると、熱交換器本体を無電解ニッケル−リンメッキ液から取り出すときに、熱交換器本体の向きを一定にしたままで熱交換器本体内の無電解ニッケル−リンメッキ液を外部に流し出すことができる。このため、無電解メッキ工程での操作が容易になる。
本発明に係る自動車用排気系熱交換器の製造方法の他の構成上の特徴は、無電解ニッケル−リンメッキ液に含まれるリンの含有量が9%〜13%であることにある。
本発明では、無電解ニッケル−リンメッキ液に含まれるリンの含有量を、いわゆる中高リンまたは高リンといわれる9%〜13%にして、熱交換器本体の各内外面に無電解ニッケル−リン層を形成するようにしている。これは、リンの含有量が多いほど表面のリンが不働体皮膜を形成することから無電解ニッケル−リン層は耐食性に優れたものになるからであり、これによると、自動車用排気系熱交換器の母材を鉄材で構成しても、その表面には、耐食性に優れた無電解ニッケル−リン層が形成されるため、長時間の使用に耐えることのできる自動車用排気系熱交換器を得ることができる。
本発明に係る自動車用排気系熱交換器の製造方法のさらに他の構成上の特徴は、複数層形成された無電解ニッケル−リン各層の厚みが1μm〜5μmであることにある。本発明に係る値は実験によって得られたものであり、各無電解ニッケル−リン層の厚みを1μm〜5μmにすることで、鉄材の表面に、耐食性に優れた無電解ニッケル−リン層を形成することができた。
本発明に係る自動車用排気系熱交換器の製造方法のさらに他の構成上の特徴は、無電解メッキ工程において、熱交換器本体を無電解ニッケル−リンメッキ液に浸漬するたびに、熱交換器本体を水洗いまたは大気中に放置する処理が行われることにある。
本発明によると、無電解ニッケル−リンメッキ層を複数層形成するために、熱交換器本体を無電解ニッケル−リンメッキ液に浸漬する際に、その都度、熱交換器本体を水洗いするか、または所定時間大気中に放置することで、各無電解ニッケル−リンメッキ層を他の無電解ニッケル−リンメッキ層から分離した層に形成することができる。このため、各無電解ニッケル−リンメッキ層にピンホールが発生したとしても、そのピンホールが連続したものになることをより確実に防止できる。なお、水洗いする場合も、その後熱交換器本体を乾燥することが好ましい。
本発明の一実施形態に係る熱交換器を示した斜視図である。 熱交換器を示した断面図である。 伝熱管を示した平面図である。 伝熱管を示した分解斜視図である。 メッキ層を示した断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、本実施形態に係る熱交換器10を示している。熱交換器10は、自動車から排出される排気ガス中の窒素酸化物の低減や燃費改善の目的で用いられるもので、排気系配管の排気ガスを取り込んで冷却したのちに、吸気系配管に再循環させるためのものである。この熱交換器10は、鉄材(例えばSPC270)からなっており、外管11、導入側整流筒部14、導出側整流筒部15、導入側フランジ16、導出側フランジ17、冷却水流入管18、冷却水流出管19および7つの伝熱管20で構成されている。
なお、以下の説明において、熱交換器10の前後、左右、上下の各方向は、図1に基づいたものとし、導入側フランジ16が位置する方向が前側、導出側フランジ17が位置する方向が後側、冷却水流入管18および冷却水流出管19が位置する方向が右側で、外管11の側面における冷却水流入管18および冷却水流出管19が設けられていない方が左側であるものとする。また、熱交換器10の上下方向は、図1の上下と一致するものとする。
外管11は、上下一対の外部ケース12,13を組み付けて四角筒状に形成されており、外部ケース12,13は、ともに断面形状がコ字状の略同形の部材で構成されている。外部ケース12は、左右の幅よりも前後の長さが長い平面視が長方形の上面部12aの左右両側の縁部からそれぞれ側面部12bを下方に延ばした形状をしている。外部ケース13は、外部ケース12と略上下対称に形成されており、下面部13aと、下面部13aの左右両側の縁部からそれぞれ上方に延びる側面部13bとで構成されている。
また、側面部12bの下端部と側面部13bの上端部にはそれぞれ僅かな段差が設けられて、左右の側面部12bの下端部間の間隔は、左右の側面部13bの上端部間の間隔よりも少し狭くなっている。そして、左右の側面部12bの下端部の両外側に左右の側面部13bの上端部を位置させて、両端部は互いに接合された接合部11aを構成している。また、外部ケース12の上面部12aの中央側部分には、位置合わせ用の凸部12cが前後左右に一定間隔で4つ形成されている。
各凸部12cは、上面部12aの上面側を凹状にし、上面部12aの下面側を凸状にすることで形成されている。また、下面部13aの中央側部分にも位置合わせ用の凸部13cが前後左右に一定間隔で4つ(図2には2つしか図示していない。)形成されている。この凸部13cは、下面部13aの上面側を凸状にし、下面部13aの下面側を凹状にすることで形成されている。凸部12cと、凸部13cは、外管11を上下方向から見たときに重なって位置が一致するように配置されている。
導入側整流筒部14は、後端から前端に向かうほど細径になった異形筒状の筒本体14aと、筒本体14aの後端に形成された四角接続部14bと、筒本体14aの前端に形成された円形接続部14cとで構成されている。筒本体14aは、後端開口が四角に形成され、前端開口が円形に形成されて、後端開口から前端開口に行くほど徐々に断面形状を変形させながら細径になっている。そして、四角接続部14bは、外管11の前端部と略同大の四角枠状に形成され、円形接続部14cは円形枠状に形成されている。四角接続部14bの外周面と、外管11の内周面の前端部分とは接合されて接合部14dを構成している。導出側整流筒部15は、導入側整流筒部14と前後対称の形状をしており、筒本体15aと、四角接続部15bと、円形接続部15cとで構成されている。四角接続部15bの外周面と、外管11の内周面の後端部分とは接合されて接合部15dを構成している。
導入側フランジ16は、略菱形のフランジ本体16aと筒状部16bとで構成されている。フランジ本体16aは、正面視が左右よりも上下に長い略菱形の肉厚の板状に形成されており、中央部に前後に貫通する円形の開口16cが形成され、開口16cの上下にそれぞれ前後に貫通するネジ挿通穴16dが形成されている。筒状部16bは、開口16cの周縁部から後方に延びており、内径が開口16cの直径と同じで、外径が円形接続部14cの内径と略同じに設定されている。この導入側フランジ16は、筒状部16bの外周面後部を円形接続部14cの内周面に接合させて導入側整流筒部14に連結されている。この導入側整流筒部14と導入側フランジ16とで本発明に係る排気ガス導入部が構成される。
導出側フランジ17は、導入側フランジ16と前後対称の形状をしており、開口(図示せず)および一対のネジ挿通穴17dを備えたフランジ本体17aと、筒状部17bとで構成されている。この導出側フランジ17は、筒状部17bの外周面前部を円形接続部15cの内周面に接合させて導出側整流筒部15に連結されている。これによって、導入側フランジ16の開口16cと導出側フランジ17の開口とを連通する空間部が、外管11、導入側整流筒部14および導出側整流筒部15の内部に形成される。この導出側整流筒部15と導出側フランジ17とで本発明に係る排気ガス導出部が構成される。
冷却水流入管18は、外部ケース13の右側の側面部13bの前部側に形成された孔の縁部(図示せず)から右方向に水平に延びる筒状部で構成されており、外部から送られてくる冷却水を外管11の内部に導くためのものである。冷却水流出管19は、外部ケース12の右側の側面部12bの後部側に形成された孔の縁部(図示せず)から右方向に水平に延びる筒状部で構成されており、外管11の内部の冷却水を外部に導くためのものである。
7つの伝熱管20は、上下に積層された状態で、外管11の内部に設置されており、それぞれが、図3および図4に示した構成をしている。各伝熱管20は、上下に配置されて組み付けられるケース部材21,22と、組み付けられるケース部材21,22の内部に設置される伝熱フィン23とで構成されている。ケース部材21は、左右の幅よりも前後の長さが長い平面視が長方形の上面部21aの左右両側の縁部からそれぞれ高さが低い側面部21bを下方に延ばし、上面部21aの前後両側の縁部に外側(上方および左右両側)に向かって膨らんだ被接合部21cを形成した形状をしている。また、上面部21aの中央側部分には、位置合わせ用の凸部21dが前後左右に一定間隔で4つ形成されている。各凸部21dは、上面部21aの上面側を凸状にし、上面部21aの下面側を凹状にすることで形成されている。
ケース部材22は、ケース部材21と上下対称に形成されており、下面部22aと、下面部22aの左右両側の縁部からそれぞれ僅かに上方に延びる側面部22bと、下面部22aの前後両側の縁部に形成された被接合部22cとで構成されている。また、下面部22aの中央側部分には、位置合わせ用の凸部22dが前後左右に一定間隔で4つ形成されている。各凸部22dは、下面部22aの上面側を凹状にし、下面部22aの下面側を凸状にすることで形成されている。凸部21dおよび凸部22dは、それぞれ凸部12cおよび凸部13cと同じ間隔に配置されている。
伝熱フィン23は、薄板を、プレス加工することによって断面形状がコ字状の凹部と凸部が左右に交互に位置するように形成されている。伝熱管20は、伝熱フィン23を内部に収容した状態で、ケース部材21,22を組み付けることで形成され、各伝熱管20が上下に積層される。この場合、上方に位置する伝熱管20の凸部22dと、その下方に位置する伝熱管20の凸部21dが接するようにして各伝熱管20が配置される。また、7つの伝熱管20のうちの最上段の伝熱管20の凸部21dが、外部ケース12の凸部12cに接し、最下段の伝熱管20の凸部22dが、外部ケース13の凸部13cに接するようにして、7つの伝熱管20は、外管11内に設置されている。
この状態では、上方に位置する伝熱管20の被接合部22cと、その下方に位置する伝熱管20の被接合部21cとはそれぞれ接合されている。また、最上段の伝熱管20の被接合部21cは、外部ケース12の下面に接合され、最下段の伝熱管20の被接合部22cは、外部ケース13の上面に接合されている。これによって、導入側フランジ16の開口16cと導出側フランジ17の開口とは、7つの伝熱管20の内部を介して連通し、冷却水流入管18と冷却水流出管19は、各伝熱管20の間および外管11と伝熱管20の間の空間を介して連通している。
また、このように構成された熱交換器10の熱交換器本体10aの各部分のすべての外面および内面には、図5に示したメッキ層25a,25b,25cが形成されている。なお、熱交換器本体10aは、熱交換器10からメッキ層25a,25b,25cを除いた部分である。メッキ層25a,25b,25cは、すべて無電解ニッケル−リンからなっており、それぞれの厚みは、1μm〜5μm程度になっている。また、メッキ層25a,25b,25cには、それぞれピンホール26が発生しているが、各ピンホール26はそれぞれ異なる位置に発生し、熱交換器本体10aの表面と大気の間を連通するものは生じていない。
つぎに、熱交換器10を製造する方法を説明する。まず、メッキ層25a,25b,25cを形成する前の外管11、導入側整流筒部14、導出側整流筒部15、導入側フランジ16、導出側フランジ17、冷却水流入管18、冷却水流出管19および7つの伝熱管20を組み付けて、熱交換器本体10aを形成する。この場合、伝熱フィン23を内部に収容した状態でケース部材21,22を組み付けて、7つの伝熱管20をそれぞれ仮止めし、各伝熱管20を上下に積層する。このとき、上方に位置する伝熱管20の凸部22dと、その下方に位置する伝熱管20の凸部21dとが対向するようにするとともに、上方に位置する伝熱管20の被接合部22cと、その下方に位置する伝熱管20の被接合部21cとの間にロウ材を設置する。このロウ材としては、例えば、ニッケルに、リン、シリコン、クロムを加えた合金を用いる。
つぎに、7つの伝熱管20の積層体を内部に収容した状態で、外部ケース12,13を組み付けて四角筒状の外管11を形成する。このとき、最上段の伝熱管20の凸部21dが外部ケース12の凸部12cに接し、最下段の伝熱管20の凸部22dが外部ケース13の凸部13cに接するようにするとともに、最上段の伝熱管20の被接合部21cと外部ケース12の下面との間および最下段の伝熱管20の被接合部22cと外部ケース13の上面との間にそれぞれロウ材を設置する。
ついで、外管11の前端開口内に、導入側整流筒部14の四角接続部14bを入れてその境界部にロウ材を設置するとともに、導入側整流筒部14の円形接続部14c内に、導入側フランジ16の筒状部16bの後部を入れてその境界部にロウ材を設置する。同様に、外管11の後端開口内に、導出側整流筒部15の四角接続部15bを入れてその境界部にロウ材を設置するとともに、導出側整流筒部15の円形接続部15c内に、導出側フランジ17の筒状部17bの前部を入れてその境界部にロウ材を設置する。そして、外管11の外部ケース12,13にそれぞれ形成された孔に冷却水流入管18の基端部と冷却水流出管19の基端部を組み付けるとともに、それらの境界部にロウ材を設置する。これによって仮止めされた熱交換器本体10aが形成される。
つぎに、仮止めされた熱交換器本体10aを加熱して、各部材の被接合部分をロウ付けによって固定する処理が行われる。この処理は、仮止めされた熱交換器本体10aを、真空加熱炉内で、1050℃〜1200℃の温度で、5分〜30分加熱したのちに、冷却することで行われ、これによって、熱交換器本体10aが得られる。ロウ付けの際に、ロウ材は、接合される各部材の接合部の隙間にまんべんなく浸入したのちに固化するため、各部材間の接合部には隙間がなくなる。このため、導入側フランジ16の開口16cと導出側フランジ17の開口との間には、7つの伝熱管20の内部を介して連通する密閉された排ガス用の通路が形成され、冷却水流入管18と冷却水流出管19との間には、各伝熱管20の間および外管11と伝熱管20の間の空間を介して連通する密閉された冷却水用の通路が形成される。
ついで、熱交換器本体10aを、液体のアルカリ性脱脂剤に浸漬して、熱交換器本体10aの表面および内面を脱脂したのちに、酸洗いする前処理を行う。これによって、熱交換器本体10aの表面および内面から汚れ、酸化被膜、錆等が除去され、熱交換器本体10aはメッキ処理を行いやすい状態になる。
つぎに、熱交換器本体10aの表面および内面に、無電解ニッケル−リンからなるメッキ層25aを形成する無電解メッキ工程を行う。この無電解メッキ工程は、リンの含有量が9%〜13%のメッキ液に熱交換器本体10aを浸漬することによって行われる。また、熱交換器本体10aをメッキ液から取り出す際には、導入側フランジ16と導出側フランジ17との一方が上方に位置し、他方が下方に位置するようにして上昇させたのちに、冷却水流入管18と冷却水流出管19を下方に向けて導入側フランジ16と導出側フランジ17とを水平方向に向ける。これによって、熱交換器本体10aの内部、特に、メッキ液が内部に残りやすい伝熱管20の外側のメッキ液を熱交換器本体10aの外部に流し出すことができる。
これによって形成されるメッキ層25aにおけるリンの含有量は、9%〜13%程度になる。これによって、図5に示したように、熱交換器本体10aの表面および内面はメッキ層25aによって被覆される。また、ピンホール26を生じさせることなくメッキ層25aを形成することは難しく、メッキ層25a内には、多少のピンホール26が発生する。このようにして、メッキ層25aが形成された熱交換器本体10aは、水洗いをしたのちに乾燥する。このような無電解メッキ工程を繰り返して、メッキ層25aの表面に、メッキ層25bを形成し、さらにメッキ層25bの表面にメッキ層25cを形成する。これによって、熱交換器10が得られる。
メッキ層25bおよびメッキ層25cにもそれぞれピンホール26が発生するおそれがあるが、本実施形態では、メッキ層25a,25b,25cを異なる3回の処理で形成しているため、このようなピンホール26がメッキ層25a,25b,25cの同じ場所に連続して発生する可能性は極めて低い。このため、熱交換器本体10aの表面および内面は、メッキ層25a,25b,25cによって略完全に被覆されて大気から保護される。
このように、本実施形態では、熱交換器本体10aを構成する各部分を鉄材で構成している。このため、熱交換器10の低コスト化が図れる。そして、熱交換器10の製造に際しては、外管11、導入側整流筒部14、導出側整流筒部15等の複数の部材の接続部分にロウ材を塗布して仮組み付けしたのちに、熱処理して熱交換器本体10aを形成し、この熱交換器本体10aの各内外面にメッキ層25a,25b,25cを形成している。このように、熱交換器本体10aをロウ付けによって組み付けたのちに、メッキ層25a,25b,25cを形成することで、メッキ層25a,25b,25cにロウ付けによる影響が及ぶことがなくなり、メッキ層25a,25b,25cの耐食性が低下することを防止できる。
また、鉄材は不働体皮膜の除去が容易であるため、メッキを施す前の前処理が容易になる。さらに、無電解ニッケル−リンからなるメッキ層25a,25b,25cには、それぞれピンホール26が生じやすいが、3層からなるメッキ層25a,25b,25cを形成することで、熱交換器本体10aの表面からメッキ層25cの表面まで貫通したピンホール26が発生することを防止できる。これによって、耐食性のよいメッキ層25a,25b,25cを形成することができる。
また、本実施形態では、メッキ液に含まれるリンの含有量を9%〜13%にしている。これによると、熱交換器本体10aを鉄材で構成しても、その表面には、耐食性に優れた高リンのメッキ層25a,25b,25cが形成されるため、長時間の使用に耐えることのできる熱交換器10を得ることができる。さらに、本実施形態では、3層からなるメッキ層25a,25b,25cを形成するために、無電解メッキ工程を3回繰り返し、各工程の間に、メッキ層25aまたはメッキ層25a,25bが形成された熱交換器本体10aを水洗いするようにしている。このため、メッキ層25a,25b,25cをそれぞれ分離された層にすることができ、メッキ層25a,25b,25cにそれぞれピンホール26が発生したとしても、そのピンホール26が連続したものになることをより確実に防止できる。
また、図示は省略するが、前述した実施形態の変形例として、熱交換器10の冷却水流入管18と冷却水流出管19の少なくとも一方、例えば、冷却水流入管18を外管11の前端部に連結するとともに、冷却水流入管18の先端部が基端部よりも前方に位置するように傾斜させることができる。これによると、熱交換器本体10aをメッキ液から取り出すときに、熱交換器本体10aの向きを変更することなく、導入側フランジ16を下方、導出側フランジ17を上方に位置させた一定の姿勢のまま持ち上げることで、熱交換器本体10a内のメッキ液を外部に流し出すことができる。このため、無電解メッキ工程での操作が容易になる。
さらに、冷却水流入管18に代えて、冷却水流出管19を、外管11の後端部に連結するとともに、冷却水流出管19の先端部が基端部よりも後方に位置するように傾斜させてもよい。また、これらの場合、冷却水流入管18と冷却水流出管19は平行するように傾斜させることが好ましい。
また、本発明は、前述した実施形態に限るものでなく適宜、変更実施が可能である。例えば、前述した実施形態では、熱交換器本体10aを構成する鉄材を、SPC270としているが、これに限らず、他のSPC(冷間圧延鋼材)でもよいし、SPH(熱間圧延鋼材)でもよく、さらに他の鉄や鋼でもよい。また、前述した実施形態では、3層からなるメッキ層25a,25b,25cを形成しているが、メッキ層は2層であってもよいし、4層以上で構成してもよい。また、熱交換器を構成する各部分についても本発明の技術的範囲内で変更が可能である。
10…熱交換器、10a…熱交換器本体、11…外管、11a,14d,15d…接合部、14…導入側整流筒部、15…導出側整流筒部、16…導入側フランジ、17…導出側フランジ、18…冷却水流入管、19…冷却水流出管、20…伝熱管、21c,22c…被接合部、25a,25b,25c…メッキ層。

Claims (4)

  1. ステンレス材を除く鉄材からなる複数の部材で構成される自動車用排気系熱交換器の製造方法であって、
    前記複数の部材の接続部分にロウ材を塗布して組み付ける仮組み付け工程と、
    前記仮組み付けされた複数の部材に熱処理を施すことによりロウ材塗布部をロウ付け接合して熱交換器本体を形成する熱交換器本体形成工程と、
    前記熱交換器本体を、無電解ニッケル−リンメッキ液に複数回浸漬して、前記熱交換器本体の各内外面に無電解ニッケル−リン層を複数層形成する無電解メッキ工程と
    を備え
    前記熱交換器本体を、隙間を介して積層されそれぞれが一端から他端に向かって排気ガスを通過させる複数の伝熱管と、前記複数の伝熱管を収容する外管と、前記外管の一端に設けられ前記複数の伝熱管の一端に連通する排気ガス導入部と、前記外管の他端に設けられ前記複数の伝熱管の他端に連通する排気ガス導出部と、前記外管の側部に設けられた冷却水流入管と、前記外管の側部に設けられ、前記外管と前記伝熱管との間および前記複数の伝熱管の隙間を介して前記冷却水流入管に連通する冷却水流出管とで形成し、
    無電解メッキ工程において、無電解ニッケル−リン層が成膜された後に、前記排気ガス導入部もしくは前記排気ガス導出部を下側に位置させて、連通した経路に付着した無電解ニッケル−リンメッキ液を下方に落下させる操作と、前記冷却水流入管もしくは前記冷却水流出管を下側に位置させて、連通した経路に付着した無電解ニッケル−リンメッキ液を下方に落下させる操作とが行われることを特徴とする自動車用排気系熱交換器の製造方法。
  2. 前記無電解ニッケル−リンメッキ液に含まれるリンの含有量が9%〜13%である請求項1に記載の自動車用排気系熱交換器の製造方法。
  3. 前記複数層形成された無電解ニッケル−リン各層の厚みは1μm〜5μmである請求項1または2に記載の自動車用排気系熱交換器の製造方法。
  4. 前記無電解メッキ工程において、前記熱交換器本体を無電解ニッケル−リンメッキ液に浸漬するたびに、前記熱交換器本体を水洗いまたは大気中に放置する処理が行われる請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の自動車用排気系熱交換器の製造方法。
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