JP6841100B2 - 板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
板幅方向に集合組織が形成され、
板幅方向のヤング率:ECが240GPa以上であり、
前記集合組織にて、板幅方向に向く結晶粒方位を<001>、<011>、及び、<111>としたときの、<001>方位粒の面分率:A(%)、<011>方位粒の面分率:B(%)、及び、<111>方位粒の面分率C(%)が、下記式(1)を満たす
ことを特徴とする板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板。
−0.38×A+0.06×B+0.35×C≧2.5 ・・・(1)
平均ヤング率:EA=(EC+EL+2ED)/4 ・・・(2)
EC:板幅方向のヤング率
EL:圧延方向のヤング率
ED:圧延45°方向のヤング率
成分組成が、質量%で、C:2.00〜4.00%、V:10.0〜25.0%、Mn:0.01〜2.00%、Si:0.01〜2.00%、Al:0.002〜1.500%、N:0.050%以下、P:0.001〜0.100%を含み、残部:鉄及び不可避的不純物からなる溶鋼を、(液相線温度+50)℃以上の温度から、冷却速度3〜10℃/秒で鋳造して、鋼片を製造し、
上記鋼片を、1100〜1250℃の温度域に加熱して熱間圧延に供し、950〜1250℃の温度域で仕上げ圧延を終了する
ことを特徴とする板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板の製造方法。
成分組成が、質量%で、C:2.00〜4.00%、V:10.0〜25.0%、Mn:0.01〜2.00%、Si:0.01〜2.00%、Al:0.002〜1.500%、N:0.050%以下、P:0.001〜0.100%を含み、残部:鉄及び不可避的不純物からなる鋼板において、
Vの炭化物及び/又は複合炭化物がマトリックス中に分散し、
板幅方向に集合組織が形成され、
板幅方向のヤング率:ECが240GPa以上である
ことを特徴とする。
−0.38×A+0.06×B+0.35×C≧2.5 ・・・(1)
平均ヤング率:EA=(EC+EL+2ED)/4 ・・・(2)
EC:板幅方向のヤング率
EL:圧延方向のヤング率
ED:圧延45°方向のヤング率
成分組成が、質量%で、C:2.00〜4.00%、V:10.0〜25.0%、Mn:0.01〜2.00%、Si:0.01〜2.00%、Al:0.002〜1.500%、N:0.050%以下、P:0.001〜0.100%を含み、残部:鉄及び不可避的不純物からなる溶鋼を、(液相線温度+50)℃以上の温度から、冷却速度3〜10℃/秒で鋳造して、鋼片を製造し、
上記鋼片を、1100〜1250℃の温度域に加熱して熱間圧延に供し、950〜1250℃の温度域で仕上げ圧延を終了する
ことを特徴とする。
C:2.00〜4.00%
Cは、Vと結合し、高ヤング率を有する炭化物及び/又は複合炭化物を形成し、ヤング率の向上に寄与する必須元素である。Cが2.00%未満であると、ヤング率向上効果が十分に得られないので、Cは2.00%以上とする。好ましくは2.30%以上である。
Vは、Cと、高いヤング率を有する炭化物及び/又は複合炭化物を形成し、ヤング率の向上に寄与する元素である。また、Vは、他の強炭化物形成元素であるNb、Ti、Zr等と異なり、炭化物の晶出温度が低く、かつ、晶出量が多いので、炭化物及び/又は複合炭化物をマトリックス中に均一かつ微細に分散させることができる元素である。
Mnは、焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。Mnが0.01%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Mnは0.01%以上とする。好ましくは0.10%以上である。一方、Mnが2.00%を超えると、添加効果が飽和するとともに、合金コストが上昇するので、Mnは2.00%以下とする。好ましくは1.50%以下である。
Siは、鋼の脱酸に有効な元素である。Siが0.01%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Siは0.01%以上とする。好ましくは0.10%以上である。一方、Siが2.00%を超えると、硬さが過度に上昇して加工性が低下するので、Siは2.00%以下とする。好ましくは1.60%以下である。
Alは、鋼の脱酸に有効な元素である。Alが0.002%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Alは0.002%以上とする。好ましくは0.010%以上である。一方、Alが1.500%を超えると、アルミナが過剰に生成し、可鋳性が低下するので、Alは1.500%以下とする。好ましくは1.000%以下である。
Nは、Vと窒化物を形成し、強度の向上に寄与する元素である。Nが0.050%を超えると、窒化物が過剰に生成し、鋳造性が低下するので、Nは0.050%以下とする。好ましくは0.010%以下である。下限は0%を含むが、Nを0.001%以下に低減すると、製鋼コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.001%が実質的な下限である。
Pは、強度の向上に寄与する元素である。Pが0.001%未満であると、添加効果が十分に得られず、また、製鋼コストが上昇するので、Pは0.001%以上とする。好ましくは0.010%以上である。
Sは、不純物元素である。Sが0.030%を超えると、局部延性や靱性が低下するので、Sは0.030%以下が好ましい。より好ましくは0.010%以下である。下限は0%を含むが、Sを0.0001%以下に低減すると、製鋼コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.0001%が実質的な下限である。
Oは、酸化物系介在物を形成し、局部延性や靱性を阻害する元素である。Oが0.003%を超えると、局部延性や靱性が著しく低下するので、Oは0.003%以下が好ましい。より好ましくは0.001%以下である。下限は0%を含むが、Oを0.0001%以下に低減すると、製鋼コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.0001%が実質的な下限である。
通常、鋼板組織において、Vの炭化物及び/又は複合炭化物の体積率が増大すると、加工性が低下するが、本発明鋼板においては、Vの炭化物及び/又は複合炭化物をマトリックス中に分散させて、鋼板の加工性を維持しつつ、剛性を高めている。
鋼板の板幅方向に集合組織を形成することにより、Vの炭化物及び/又は複合炭化物の分散と相俟って、板幅方向のヤング率(EC)を、240GPa以上に高めることができる。
−0.38×A+0.06×B+0.35×C≧2.5 ・・・(1)
<110>方向の係数:(220−208)/208=0.06
<111>方向の係数:(280−208)/208=0.35
本発明鋼板においては、Vの炭化物及び/又は複合炭化物の分散によるヤング率の向上と、板幅方向の集合組織の形成によるヤング率の向上が相俟って、240GPa以上の板幅方向のヤング率を実現することができる。好ましくは250GPaである。
平均ヤング率:EA=(EC+EL+2ED)/4 ・・・(2)
EC:板幅方向のヤング率
EL:圧延方向のヤング率
ED:圧延45°方向のヤング率
冷却速度:3〜10℃/秒
本発明鋼板の成分組成の溶鋼を、(液相線温度+50)℃以上の温度から冷却して鋳造する。溶鋼温度が(液相線温度+50)℃未満であると、溶鋼の鋳造性が低下するので、溶鋼温度は(液相線温度+50)℃以上とする。好ましくは(液相線温度+60)℃以上である。
仕上げ圧延温度:950〜1250℃
溶鋼を鋳造して製造した鋼片を1100〜1250℃の温度域に加熱して熱間圧延に供し、950〜1250℃の温度域で仕上げ圧延を終了する。
表1に示す成分組成の1650℃((液相線温度+50)℃以上)の溶鋼を、冷却速度3〜10℃/秒で鋳造して鋼片を製造した。製造した鋼片を、表2に示す熱延条件で熱延し、熱延鋼板を製造した。仕上げ圧延後、熱延鋼板を、自然冷却で600℃まで冷却し、1時間保持し、その後、再び、自然冷却して巻き取った。
Claims (3)
- 成分組成が、質量%で、C:2.00〜4.00%、V:10.0〜25.0%、Mn:0.01〜2.00%、Si:0.01〜2.00%、Al:0.002〜1.500%、N:0.050%以下、P:0.001〜0.100%を含み、残部:鉄及び不可避的不純物からなる鋼板において、
板幅方向に集合組織が形成され、
板幅方向のヤング率:ECが240GPa以上であり、
前記集合組織にて、板幅方向に向く結晶粒方位を<001>、<011>、及び、<111>としたときの、<001>方位粒の面分率:A(%)、<011>方位粒の面分率:B(%)、及び、<111>方位粒の面分率C(%)が、下記式(1)を満たす
ことを特徴とする板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板。
−0.38×A+0.06×B+0.35×C≧2.5 ・・・(1) - 前記鋼板において、下記式(2)で定義する平均ヤング率:EAが230GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板。
平均ヤング率:EA=(EC+EL+2ED)/4 ・・・(2)
EC:板幅方向のヤング率
EL:圧延方向のヤング率
ED:圧延45°方向のヤング率 - 請求項1又は2に記載の板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板を製造する製造方法であって、
成分組成が、質量%で、C:2.00〜4.00%、V:10.0〜25.0%、Mn:0.01〜2.00%、Si:0.01〜2.00%、Al:0.002〜1.500%、N:0.050%以下、P:0.001〜0.100%を含み、残部:鉄及び不可避的不純物からなる溶鋼を、(液相線温度+50)℃以上の温度から、冷却速度3〜10℃/秒で鋳造して、鋼片を製造し、
上記鋼片を、1100〜1250℃の温度域に加熱して熱間圧延に供し、950〜1250℃の温度域で仕上げ圧延を終了する
ことを特徴とする板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板の製造方法。
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JP2016076078 | 2016-04-05 | ||
JP2016076078 | 2016-04-05 |
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JP2017049930A Active JP6841100B2 (ja) | 2016-04-05 | 2017-03-15 | 板幅方向のヤング率に優れた高剛性鋼板及びその製造方法 |
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-
2017
- 2017-03-15 JP JP2017049930A patent/JP6841100B2/ja active Active
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JP2017186660A (ja) | 2017-10-12 |
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