JP2022095215A - 低熱膨張合金 - Google Patents

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晴康 大野
Haruyasu Ono
浩太郎 小奈
Kotaro Ona
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Abstract

【課題】Co量を少量とし、極低温から室温までの広い範囲で低い熱膨張係数を有し、さらに、低い0.2%耐力を有する低熱膨張合金を得る。【解決手段】本発明の低熱膨張合金は、質量%で、C:0.010%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.15%以下、Ni:34.0~37.0%、Co:0.2~1.0%、Al:0.10%以下を含有し、残部がFe及び不純物であり、0.2%耐力が200MPa以下である。【選択図】なし

Description

本発明は低熱膨張合金に関する。
エレクトロニクスや半導体関連機器、レーザー加工機、超精密加工機器の部品材料として、熱的に安定なインバー合金が広く使用されている。近年では、極低温で使用される航空、宇宙分野での部材においても、極低温から室温までの温度範囲で熱膨張係数の小さい材料が求められている。
特許文献1には、プレス成型性、耐共振性、耐座屈性を改善した、重量%でC0.10%以下、Si0.30%以下、Al0.30%以下、Mn0.1~1.0%、Ni30~34%、Cr1.0~4.0%、Co2.0~5.0%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、熱膨張係数が2.5×10-6/℃程度のシャドウマスクが開示されている。
特開昭62-112759号公報
前述のような分野で、低熱膨張合金を、揺れを抑える制振部材に適用することが考えられる。制振部材には低い降伏点が求められる。これは、降伏点が低くなると合金が小さな力で変形するので、変形能力が大きくなり、破壊しにくくなり、揺れのエネルギーを吸収しやすくなるためである。
また、従来の広い温度範囲で小さな熱膨張係数を有する低熱膨張合金には、Ni及び数%のCoが含有されている。ここで、Co、及びその無機化合物は特定化学物質に指定されており、Coを含有する鋼を製造する現場においては、その取り扱いに、特に注意を要する。
本発明は上記の事情に鑑み、Coの使用量を少なくし、従来のFe-32Ni-5Co合金等のCoを数%含有する合金と同等な熱膨張特性を有し、さらに、低い0.2%耐力を有する低熱膨張合金を提供することを課題とする。
本発明者らは、Coの使用量を減らし、かつ、Fe-32Ni-5Co合金等と同等な熱膨張特性を有する低熱膨張合金を得る方法について鋭意検討した。その結果、合金の純度を高め、非金属介在物の少ない清浄度の高い合金とすることにより、低熱膨張特性が得られることが分かった。
また、得られた高純度の合金を熱間鍛造後、熱処理を施すことによって、結晶粒を粗大化させることにより、0.2%耐力を低下させることで、制振部材に適用可能な特性が得られることがわかった。
本発明は上記の知見に基づきなされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.010%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.15%以下、Ni:34.0~37.0%、Co:0.2~1.0%、Al:0.10%以下を含有し、残部がFe及び不純物であり、0.2%耐力が200MPa以下であることを特徴とする低熱膨張合金。
(2)結晶粒径が200μm以上であることを特徴とする前記(1)の低熱膨張合金。
(3)-100~50℃の平均熱膨張係数が0.5×10-6/℃以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)の低熱膨張合金。
(4)前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:0.30%以下、Cr:0.10%以下、Mo:0.10%以下、W:0.10%以下、Ti:0.10%以下、及びNb:0.10%以下の1種以上を含有することを特徴とする前記(1)~(3)のいずれかの低熱膨張合金。
本発明によれば、Coの使用量を減らしつつ、Fe-32Ni-5Co合金等と同等な熱膨張特性を有し、さらに、低い0.2%耐力を有する低熱膨張合金を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。以下、成分組成に関する「%」は特に断りのない限り「質量%」を表すものとする。はじめに、本発明の低熱膨張合金の成分組成について説明する。
本発明において、Niは、添加することにより熱膨張係数の低下に寄与する必須の元素である。本発明においては熱膨張係数を、広い温度範囲で十分に小さくするために、Ni量を34.0~37.0%とする。
Coは、Niとともに添加することにより熱膨張係数の低下に寄与する元素である。本発明においては、前述の理由により、Co量は少量とし、0.2~1.0%とする。
本発明の低熱膨張合金には、Ni、Coのほか、C、Si、Mn、Alを含有させてもよい。
Cは、オーステナイトに固溶し強度の上昇に寄与するので、必要に応じて含有させてもよい。Cの含有量が多くなると、熱膨張係数が大きくなり、さらに、経年寸法変化が大きくなるので、含有量は0.010%以下、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.003%以下とする。本発明の低熱膨張合金においては、Cは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Siは、脱酸材として添加してもよい。また、溶湯の流動性を向上させることができる。Si量が0.100%を超えると熱膨張係数が増加するので、Si量は0.100%以下、好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.010%以下とする。本発明の低熱膨張合金においては、Siは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Mnは、脱酸材として添加してもよい。また、固溶強化による強度向上にも寄与する。Mnの含有量が0.15%を超えると熱膨張係数が増加するので、Mn量は0.15%以下、好ましくは0.10%以下、より好ましくは0.05%以下とする。本発明の低熱膨張合金においては、Mnは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Alは、脱酸の目的で添加してもよい。介在物の形成を抑え、鋳造欠陥を少なく、さらに低い熱膨張係数を得るために、含有量は0.100%以下、好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.010%以下とする。
成分組成の残部は、Fe及び不純物である。不純物とは、本発明で規定する成分組成を有する鋼を工業的に製造する際に、原料や製造環境等から不可避的に混入するものをいい、具体的には、P、S、O、Nなどが挙げられる。
本発明の低熱膨張合金は、0.2%耐力が200MPa以下である。耐力が大きすぎると、成形の際にスプリングバックが生じ、形状に狂いが生じ、また、局所的な歪みが残留する。さらに、揺れを抑える制振部材に適用するため、0.2%耐力は200MPa以下とする。
本発明の低熱膨張合金は、好ましくは、結晶粒径が200μm以上である。結晶粒径が大きくなることにより、0.2%耐力が低下する。
本発明の低熱膨張合金は、好ましくは、-100~50℃の平均熱膨張係数が0.5×10-6/℃以下であり、より好ましくは、0.3×10-6/℃以下、さらに好ましくは、0.2×10-6/℃以下である。
本発明の低熱膨張合金は、上記のFeの一部に代えて、Cu、Cr、Mo、W、Ti、及びNbの1種以上を含有させてもよい。ただし、熱膨張係数を増加させないため、それぞれ、Cu:0.30%以下、Cr:0.10%以下、Mo:0.10%以下、W:0.10%以下、Ti:0.10%以下、及びNb:0.10%以下の範囲とする。
Cuは、強度を向上させる元素であり、0.30%以下の範囲で含有させてもよい。
Crは合金に固溶し、ヤング率を高める効果があり、0.10%以下の範囲で含有させてもよい。
Moはオーステナイト中に固溶し、固溶強化作用により高温での耐力を高める効果があるが、0.10%以下の範囲で含有させてもよい。
Tiは凝固核を生成させる接種材としての効果がある。また、Tiは、硬さ、引張強さを向上させる元素でもある。Tiは0.10%以下の範囲で含有させてもよい。
Wは、Moと同様に、オーステナイト中に固溶し、固溶強化作用により高温での耐力を高める効果があるが、0.10%以下の範囲で含有させてもよい。
Nbはオーステナイト中に固溶し、固溶強化作用により高温での耐力を高める効果があるが、0.10%以下の範囲で含有させてもよい。
次に、本発明の低熱膨張合金の製造方法について説明する。
本発明の低熱膨張合金の高純度化は、原材料を適切に選定し、真空溶解あるいはさらに再溶解を用いた製造方法により達成することができる。
本発明の低熱膨張合金の原材料としては、純度の高い、純鉄、電解ニッケル、金属コバルト、純アルミニウムを用いることが好ましい。
溶製方法には、VIM(真空誘導溶解)、EF(電気炉溶解)-VAR(真空アークリメルティング)、EF-ESR(エレクトロスラグリメルティング)、VIM-VAR、又はVIM-ESRを用いる。これにより、不純物の少ない、高純度の低熱膨張合金を得ることができる。
インゴット溶製後、熱間鍛造を施し、その後、結晶粒粗大化熱処理を行う。
結晶粒粗大化熱処理とは、具体的には、熱間鍛造後の合金を900~1200℃に加熱し、2~50hr保持し、その後、冷却する処理である。この処理により、結晶粒径を粗大化させ、0.2%耐力を低下させることができる。
得られた合金に対して、700~1050℃に加熱して、1.5~5.0hr保持する溶体化処理を施す。この処理により、極低温から室温までの広い範囲で熱膨張係数を低い値にすることができる。好ましくは、-100~50℃の平均熱膨張係数が、0.5×10-6/℃以下、より好ましくは、0.3×10-6/℃以下、さらに好ましくは、0.2×10-6/℃以下となる。
以下、実施例を用いて、本発明の効果を説明する。なお、以下の例は本発明の効果を示すための一形態にすぎず、本発明は以下に示す例のみに限定されるものではない。
原材料としては、純鉄、電解鉄、又は比較例としてアームコ鉄、電解ニッケル、高純度アルミニウムを用い、VIM-VAR、又はVIM-ESR、比較例として、EFあるいはVIMを用い、表1の化学成分を有する50kgインゴットを溶製した。化学成分の残部はFeである。
Figure 2022095215000001
インゴット溶製後、熱間鍛造を施した。続いて、熱間鍛造後の合金に900~1200℃に加熱し、2~50hr保持し、その後、冷却する、結晶粒粗大化熱処理を施した。
結晶粒粗大化熱処理の後、合金を700~1050℃に加熱して、1.5~5.0hr保持する溶体化処理工程を施した。溶体加熱処理を施し、得られた合金について、-100~50℃の平均熱膨張係数を、熱膨張係数測定装置を用いて測定した。
また、0.2%耐力をJIS Z2241:2011に準拠して測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2022095215000002
本発明によれば、-100~50℃の広い範囲で低い平均熱膨張係数を有し、0.2%耐力の低い低熱膨張合金が得られることが確認できた。
また、化学成分が本発明の範囲内であっても、原材料や製造方法が適切でない場合、結晶粒径が大きくならず、所望の0.2%耐力が得られなかった。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C :0.010%以下、
    Si:0.10%以下、
    Mn:0.15%以下、
    Ni:34.0~37.0%、
    Co:0.2~1.0%、及び
    Al:0.10%以下
    を含有し、残部がFe及び不純物であり、
    0.2%耐力が200MPa以下
    であることを特徴とする低熱膨張合金。
  2. 結晶粒径が200μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の低熱膨張合金。
  3. -100~50℃の平均熱膨張係数が0.5×10-6/℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低熱膨張合金。
  4. 前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Cu:0.30%以下、
    Cr:0.10%以下、
    Mo:0.10%以下、
    W :0.10%以下、
    Ti:0.10%以下、及び
    Nb:0.10%以下
    の1種以上を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の低熱膨張合金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024128469A1 (ko) * 2022-12-14 2024-06-20 주식회사 포스코 저온 충격인성이 향상된 저열팽창강 및 그 제조방법

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