JP6519016B2 - 熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱延鋼板及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、自動車用、家電用、機械構造用、建築用などの用途に用いられる素材として好適な、加工性と低温靱性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法に関する。
自動車をはじめとする輸送用機械や各種産業機械の構造用部材等の素材として供される鋼板には、強度、伸びや穴拡げ性などの加工性、低温靭性、またそれら特性の均一性、など多様な特性が要求される。
特に、自動車の内板部材、構造部材、足廻り部材等に用いられる鋼板は、その用途に応じて、伸びフランジ加工性、バーリング加工性、延性、疲労耐久性、耐衝撃性及び耐食性等が求められ、これら材料特性と高強度性とを如何に高次元でバランス良く発揮させるかが重要である。また、このような部材に対して用いられる鋼板は、成形後に部品として自動車に取り付け後に衝突等による衝撃を受けても部材が破壊しにくい、特に寒冷地での耐衝撃性確保のためには低温靭性をも向上させる必要性があった。この低温靭性は、vTrs(シャルピー破面遷移温度)等で規定されるものである。このため、上記鋼材の耐衝撃性そのものを考慮することも必要とされている。すなわち、上記部品を始めとする部品用の薄鋼板には、優れた加工性に加えて低温靭性が非常に重要な特性として求められている。
高強度鋼板における低温靭性の向上法については、例えば特許文献1、2においてその製造方法が開示されており、アスペクト比を調整したマルテンサイト相を主相とする方法(特許文献1)や、平均粒径を5〜10μmとしたフェライト中に炭化物を微細に析出させる方法(特許文献2)で低温靭性を向上させている。しかしながら、特許文献1及び2に開示される技術を適用して製造される鋼板は、本研究で着目した伸びフランジ性については何ら言及されておらず、バーリング加工を行うような部材に適用した場合に成形不良が生じることが懸念される。また、鋼管分野、厚板分野においても低温靭性向上の知見があるものの、薄板ほどの成形性は必要とされないため、同様の懸念がある。
高強度鋼板における伸びフランジ性の向上法に対しては、局部延性を改善する鋼板の金属組織制御法についても開示されており、介在物制御や単一組織化すること、さらには組織間の硬度差を低減すれば、曲げ性や伸びフランジ性に効果的であることが非特許文献1に開示されている。また、熱間圧延の仕上げ温度、仕上げ圧延の圧下率及び温度範囲を制御し、オーステナイトの再結晶を促進させ、圧延集合組織の発達を抑制し、結晶方位をランダム化することにより、強度、延性、伸びフランジ性を向上させる手法が非特許文献2に開示されている。非特許文献1、2より、金属組織や圧延集合組織を均一化することにより伸びフランジ性を向上させられると考えられるが、低温靭性と伸びフランジ性の両立については一切配慮されていない。
伸びフランジ性と低温靭性の両立については特許文献3にて言及されており、硬さと粒径を制御したフェライト相中に、残留オーステナイトとベイナイトを適量分散する技術が開示されている。本発明の技術はマルテンサイト相を主相とする組織であり、この前記の発明とは異なる。
特開2011−52321号公報 特開2011−17044号公報 特開平7−252592号公報
K.Sugimoto et al,「ISIJ International」(2000)Vol.40,p.920 岸田、「新日鉄技報」(1999)No.371,p.13 井上博史,稲数直次「反復級数展開法による不完全極点図からの結晶方位分布関数の決定」日本金属学会誌,社団法人日本金属学会,1994年8月,第58巻,第8号,p.892−898
本発明は上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、高強度でありながら、伸びフランジ性及び低温靭性に優れる熱延鋼板及びその鋼板を安定して製造できる製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、低温変態相を主相とする高強度熱延鋼板の低温靭性及び穴拡げ性に関して、マルテンサイト相及び下部ベイナイト組織の面積率と粒径及び集合組織に着目して、その影響を調査した。その結果、マルテンサイト相及び下部ベイナイト組織を主相とし、その粒径を微細にし、かつ、集合組織を最適化することにより、高強度を有しながら優れた穴拡げ性と低温靭性を兼備する熱延鋼板を製造できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.03%以上0.25%以下、Si:0.001%以上2.0%以下、Mn:0.5%以上4.0%以下、P:0.10%以下、S:0.010%以下、sol.Al:0.001%以上1.0%以下、B:0.0001%以上0.005%以下、N:0.01%以下、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、
板厚1/4板厚位置においてマルテンサイト相と下部ベイナイト組織の合計面積率が85%以上であり、結晶方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の平均粒径が20μm以下であり、そのアスペクト比が0.30以下である結晶粒が面積割合で50%以下であり、
板厚中心位置において{100}<011>〜{211}<011>方位群のX線ランダム強度比の平均値が6.0以下、かつ、最大値が8.0以下であることを特徴とする熱延鋼板。
(2)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼板。
(3)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびCr:2.0%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の熱延鋼板。
(4)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)から上記(3)までのいずれか1つに記載の熱延鋼板。
(5)上記(1)ないし上記(4)のいずれか1つに記載の熱延鋼板を製造するに当たり、上記(1)ないし上記(4)のいずれか1つに記載の化学組成を有するスラブまたは鋼片に多パス熱間圧延を施して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法であって、
前記多パス熱間圧延における最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧下率を20%以上、最終圧延パスの圧下率を10%以上とし、
最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度及び圧延仕上げ温度をAr3以上1100℃以下かつ式(1)で求められるT0(℃)以上とし、
最終圧延パスの1つ前の圧延パス完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間時間t1(s)及び最終圧延パス完了(仕上げ圧延完了)から冷却を開始するまでの時間t2(s)がそれぞれ式(2)及び式(3)を満足し、
冷却開始から式(5)で求められるMs(℃)以下の温度域まで、式(4)で求められるCR(℃/s)以上かつ20℃/s以上の平均冷却速度で冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
T0(℃)=850+350{(%Ti)+2(%Nb)+0.3(%V)} (1)
0.002/exp(−6080/(T1+273))≦t1≦2.0 (2)
0.002/exp(−6080/(T2+273))≦t2≦4.0 (3)
CR(℃/s)=50{5.6−4.8(%C)−0.5(%Si)−1.1(%Mn)−1180(%B)−0.9(%Cr)−2.1(%Mo)} (4)
Ms(℃)=561−474(%C)−33(%Mn)−17(%Ni)−21(%Mo) (5)
ここで、各記号の意味は次の通りである:
t1:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間時間(秒)。
T1:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度(℃)。
t2:仕上げ圧延完了後、冷却を開始するまでの時間(秒)。
T2:圧延仕上げ温度(℃)
本発明により、高強度を有しながら穴拡げ性および低温靭性にも優れた高強度熱延鋼板を安定して製造することができる。この鋼板を使用すれば、加工することが容易で、極寒冷地での使用に耐えることが可能となるため、産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明に係る熱延鋼板およびその製造方法について以下に詳しく説明する。以下の説明において、鋼の化学組成に関する%はいずれも質量%である。
<鋼の化学組成>
C:0.03%以上0.25%以下
Cは、マルテンサイト相の強度を高める作用を有する。C含有量が0.03%未満では所望とする強度が得難くなる。したがって、C含有量は0.03%以上とする。好ましくは0.05%以上である。一方、C含有量が0.25%超では、穴拡げ性及び母材低温靭性を低下させると共に、溶接性も低下させる。したがって、C含有量は0.25%以下とする。好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは、0.15%以下である。
Si:0.001%以上2.0%以下
Siは、固溶強化、および、焼入れ性の向上を介して鋼板の強度を高める作用を有し、また、脱酸作用も有する。Si含有量が0.001%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、Si含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.1%以上である。一方、過剰に添加するとα変態を促進させることにより所望の組織が得難くなる。そのため、含有量上限を2.0%とする。好ましくは1.50%以下、より好ましくは1.25%以下である。
Mn:0.5%以上4.0%以下
Mnは、固溶強化、および、焼入れ性の向上を介して鋼板の強度を高める作用を有する。Mn含有量が0.5%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、Mn含有量は0.5%以上とする。好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.5%以上である。一方、4%超添加してもこの効果が飽和する。このため、Mn含有量は、4%以下とする。
P:0.10%以下
Pは、不純物として含有される元素であり、鋼板の低温靭性及び加工性を低下させる作用を有する。このため、P含有量は0.10%以下とする。好ましくは、0.06%以下、より好ましくは0.03%以下、さらに好ましくは0.015%以下である。
S:0.010%以下
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼板の低温靭性及び加工性を低下させる作用を有する。このため、S含有量は0.010%以下とする。好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.001%以下である。
sol.Al:0.001%以上1.0%以下
Alは、脱酸により鋼を健全化する作用を有する。sol.Al含有量が0.001%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.02%以上である。一方、sol.Al含有量を1.0%超としても、上記作用による効果は飽和してしまい、さらに、フェライト変態を促進する効果により、所望の組織を得難くなる。したがって、sol.Al含有量は1.0%以下とする、好ましくは0.6%以下、より好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
N:0.01%以下
Nは、不純物として含有される元素であり、鋼板の加工性を低下させる作用を有する。このため、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下、より好ましくは0.005%以下である。
B:0.0001%以上0.005%以下
Bは、γ粒界に偏析して、少量の添加により焼入れ性を顕著に向上させて鋼の強度を高める作用を有する。さらに、粒界強度を高めることにより破断面割れの防止にも有効に作用するため含有させる。過剰に含有させると熱間圧延でのオーステナイトの再結晶を抑制して、圧延荷重の増大をもたらし、所望の集合組織も得難くなる。したがって、B含有量は0.005%以下とする。好ましくは、0.003%以下、より好ましくは0.002%以下である。一方、上記作用を確実に得るには0.0001%以上を満足することが望ましい。好ましくは0.0006%以上、より好ましくは0.001%以上である。
以下の元素は、本発明の熱延鋼板に必要に応じて含有させることができる任意元素である。
[Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
Ti、Nb、VおよびMoは、炭化物または窒化物として析出し、鋼板の強度を高める作用を有する。また、これらの析出物は、オーステナイトの粗大化を抑制し、組織の微細化を促進する作用も有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、Tiについては0.2%を超えて含有させると、Nbについては0.1%を超えて含有させると、Vについては0.5%を超えて含有させると、Moについては0.5%を超えて含有させると、熱間圧延に供する前の段階において粗大な炭化物または窒化物が鋼中に多量に析出してしまい、熱延鋼板の加工性の劣化を招く。また、多量の炭化物や窒化物の析出により穴拡げ性や低温靭性が低下する。したがって、それぞれの元素の含有量は、Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下とする。Tiについては0.1%以下とすることが好ましく、0.05%以下とすることがさらに好ましい。Nbについては0.05%以下とすることが好ましく、0.03%以下とすることがさらに好ましい。Vについては0.3%以下とすることが好ましい。Moについては0.3%以下とすることが好ましい。さらに、フェライトの生成を容易にする観点からは、TiおよびNbの合計含有量を0.1%以下とすることが好ましく、0.03%以下とすることがさらに好ましく、0.01%以下とすることが特に好ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.001%以上、Nb:0.001%以上、V:0.01%以上およびMo:0.001%以上のいずれか満足させることが好ましい。
[Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびCr:2.0%以下からなる群から
選択される1種または2種以上]
Cu、NiおよびCrは、析出強化や固溶強化により鋼板の強度を一層向上させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、Cu及びNiは1.0%超、Crは2.0%超となると、加工性の低下が著しくなる。また、Cuを添加する場合はスラブの粒界脆化を防止するため、Cuの添加量の1/2以上のNiを添加することが望ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Cu:0.02%以上、Ni:0.02%以上およびCr:0.02%以上のいずれか満足させることが好ましい。
[Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
Ca、Mg及びREM(希土類元素)は、凝固中に析出する酸化物や窒化物を微細化して、鋼塊または鋼片の健全性を向上させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、Caの場合には0.01%を超えて含有させても、Mgの場合には0.01%を超えて含有させても、REMの場合には0.01%を超えて含有させても、それぞれ上記作用による効果は飽和してしまい、徒にコスト上昇を招く。したがって、それぞれの含有量は、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ca:0.0002%以上、Mg:0.0002%以上およびREM:0.0002%以上のいずれか満足させることが好ましい。ここで、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、上記REMの含有量は、これらの元素の合計含有量を指す。ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。
<鋼組織>
[マルテンサイト相と下部ベイナイト組織の合計面積率:85%以上]
マルテンサイト相及び下部ベイナイト組織は硬質かつ均質で微細な組織であり、高強度と優れた穴拡げ性と低温靭性を兼備させるのに適した組織である。マルテンサイト相と下部ベイナイト組織の合計面積率が85%未満では、所望とする強度を確保し、優れた伸びフランジ性と低温靭性を兼備させることが困難である。したがって、マルテンサイト相と下部ベイナイト組織の合計面積率は85%以上とする。好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。特に上限は設けず、100%であっても良い。なお、マルテンサイト相には、オートテンパーされた焼き戻しマルテンサイト相も含まれる。
[その他の組織:15%以下]
任意の組織であるその他組織として、フェライト、上部ベイナイト、残留オーステナイト、パーライト及び粒界セメンタイトなどがある。これらの組織が面積率で15%を越えると、異相界面の増加に伴ってボイド起点が増加して穴拡げ性の劣化を招く。そのため、上限を15%以下とする。好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。少なければ少ないほど良いので下限は特に限定されない。下限は0%であってもよい。上記マルテンサイト相と下部ベイナイト組織の合計面積率:85%以上を満足することにより、その他の組織:15%以下は自動的に満足する。
[結晶方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の平均粒径:20μm以下]
本発明の鋼組織であるマルテンサイトやベイナイトのブロックおよびフェライト粒等の結晶粒の平均粒径が粗大であると、破断時の破面単位が大きくなり、低温靭性が低下する。したがって、結晶粒の平均粒径は20μm以下とする。好ましくは15μm以下、より好ましくは13μm以下である。平均粒径は小さいほど好ましいので下限は特に限定されない。
本発明の結晶粒の平均粒径は、EBSD解析により求めた値を採用する。具体的には、結晶方位差15°以上の境界を粒界として、下記[数1]に示す式で算出される値を平均粒径とする。式中、Nは平均粒径の評価領域に含まれる結晶粒の数、Aiはi番目(i=1、2、・・、N)の粒の面積、diはi番目の結晶粒の円相当直径を示す。これらのデータはEBSD解析により容易に求められる。具体的には,鉄の面心立方格子(FCC)と体心立方格子(BCC)の結晶構造定義を用いて相を区別し,その内,BCCとして認識された相だけを解析することにより求められる。同時に、各々の結晶粒の長軸及び短軸も求められるため、アスペクト比が0.30以下の結晶粒の面積率も容易に求められる。
Figure 0006519016
なお、15°以上の結晶方位差を有する粒は主にフェライト粒、マルテンサイト及びベイナイトのブロックである。ここでブロックとは、同じ方位を有するラスの集合体である。結晶方位差15°以上の境界で囲まれる領域をブロックと定義する。JIS G0552に準じたフェライト粒径の測定方法では、結晶方位差が15°未満である粒についても粒径が算定されてしまう場合があり、さらに,マルテンサイトやベイナイトのブロックは算定されない。これに対し、EBSD解析であれば、フェライト、マルテンサイト、ベイナイトという組織の区別ではなく、結晶構造と結晶方位を評価することができる。したがって、本発明における、結晶方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の平均粒径、及び下記アスペクト比が0.30以下の結晶粒の面積率は、EBSD解析により求めた値を採用する。ここで、結晶粒の数は少なくとも1000個以上が必要である。
[アスペクト比が0.30以下の結晶粒の面積率:50%以下]
アスペクト比とは結晶粒の短軸を長軸で除した値であり0から1の値を取る。アスペクト比が小さいほど結晶粒が扁平であり、1に近いほど等軸粒であることを表す。アスペクト比が0.30以下の扁平な結晶粒が多いほど、特性の異方性が大きくなり穴拡げ性を低下させると同時に、低温靭性も低下させる。そのため、本発明では、アスペクト比が0.30以下の結晶粒の面積率を50%以下とする。組織は等軸である方が好ましいため、この面積率は小さいほど良い。好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下、最も好ましくは30%以下である。
なお、上述の鋼組織(結晶組織面積率、結晶粒径、アスペクト比)は、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における組織である。この深さ位置は鋼板の表面と板厚中心との中間点であり、熱延鋼板の平均的鋼組織を示している。
<集合組織>
[板厚中心位置において{100}<011>〜{211}<011>方位群のX線ランダム強度比の平均値が6.0以下、かつ、最大値が8.0以下]
板厚中心位置において{211}<011>〜{100}<011>方位の集合組織が発達すると穴拡げ性が低下する。このため、これらの方位を低減させることにより、穴拡げ性を向上させることができる。したがって、これらの方位のX線ランダム強度比の平均値を6.0以下、最大値を8.0以下とする。それぞれ好ましくは5.0以下、7.0以下、より好ましくは4.0以下、6.0以下、さらに好ましくは3.0以下、5.0以下である。低ければ低いほど好ましい。
なお、{hkl}は圧延面に平行な結晶面、<uvw>は圧延方向に平行な結晶方向を表す。すなわち、{hkl}<uvw>とは板面法線方向に{hkl}、圧延方向に<uvw>が向いている結晶を示す。
X線ランダム強度比とは、X線回折強度のランダム試料との比のことであり、{211}<011>〜{100}<011>方位群のX線ランダム強度比とは、反復級数展開法によりODF解析を行ない、Bunge法におけるφ1=0°、φ2=45°、Φ=0〜35°のX線ランダム強度比である。これらのX線ランダム強度比の平均値が6.0以下、最大値が8.0以下であればよい。測定方法は特に限定しないがX線回折により(110)、(200)、(211)などの3面以上の不完全極点図を求めたのち、前掲非特許文献3に記載された方法で求める方法や、EBSDを用いて測定する方法がある。ただし、後者の場合は、結晶粒の数が少なくとも3000個以上が必要である。なお、不完全極点図とは、反射法で得られる極点図のことである。また、ランダム試料とは、結晶方位の配向を持たずに不規則な分布を有する試料のことである。
<機械的性質>
本発明で得られる熱延鋼板は、鋼組織および集合組織の制御により、高強度で優れた低温靭性と穴拡げ性を有する。しかし、鋼板の引張強度が小さいと、車体軽量化や剛性向上などの効果が小さい。そのため、鋼板の引張強度(TS)は960MPa以上であることが好ましい。より好ましくは1050MPa以上、さらに好ましくは1100MPa以上、特に好ましくは1150MPa以上である。
製造された熱延鋼板の低温靭性は、シャルピー試験における破面遷移温度が−40℃以下であることが好ましい。穴拡げ性は、強度とのバランスの指標となるTS×HER(HER:日本鉄鋼連盟規格JFS−T1001−1996に規定の穴拡げ率)により評価し、TS×HERが50000MPa・%以上であることが好ましく、52500MPa・%以上であることがより好ましく、55000MPa・%以上であることが特に好ましい。
<製造方法>
本発明の熱延鋼板の製造方法については、特に限定するものではないが、以下の製造方法によって容易に得られる。
上記化学組成を有するスラブに多パス熱間圧延を施して熱延鋼板を製造する。熱間圧延に供するスラブは、連続鋳造や鋳造・分塊圧延により得たものでよいが、それらに熱間加工または冷間加工を加えたものであってもよい。また、熱間圧延に供するスラブは再加熱したものであってもよいし、連続鋳造後や分塊圧延後の高温状態にあるものをそのまま用いてもよい。後述する熱間圧延仕上げ温度を確保できれば特に制限はない。熱間圧延に供するスラブの温度は一般的に900〜1350℃である。多パス熱間圧延はレバースミルまたはタンデムミルを用いて行うことができるが、工業的生産性の観点からは、少なくとも最終の数段はタンデムミルを用いることが好ましい。
[最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧下率:20%以上]
[最終圧延パスの圧下率は10%以上]
最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧下率を上記のように高めることによって、主に再結晶オーステナイト粒の微細化を図られ、さらに、最終圧延パスの圧下率を上記のように高めることによって、オーステナイトの再結晶促進及び微細化が図られ、後述する熱間圧延後の冷却条件と相俟って、低温靭性および穴拡げ性に好適な鋼組織および集合組織を有する熱延鋼板を製造することができる。したがって、最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧下率を20%以上とする。好ましくは22%以上とする。さらに好ましくは25%以上である。また、最終圧延パスの圧下率は10%以上とする。好ましくは14%以上、さらに好ましくは18%以上、特に好ましくは22%以上である。
一方、鋼板の良好な平坦性を確保する観点からは、最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧下率は60%以下が好ましい。より好ましくは50%以下である。また、最終圧延パスの圧下率は50%以下が好ましい。より好ましくは45%以下である。
所望の微細組織および集合組織をより確実に得るには、仕上げ圧延後段の合計圧下率を高めることが好ましく、そのためには、鋼板温度が圧延仕上げ温度+100℃から圧延仕上げ温度での合計圧下率を50%以上とすることが好ましい。より好ましくは60%以上、最も好ましくは65%以上である。
[最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度及び圧延仕上げ温度:Ar3以上1100℃以下かつ式(1)で求められるT0(℃)以上]
T0=850+350{(%Ti)+2(%Nb)+0.3(%V)} (1)
本発明では、仕上げ圧延後期のオーステナイト相の加工と再結晶を繰り返すことにより、組織を微細化すると共に集合組織の発達の抑制を図る。そのために、最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度及び圧延仕上げ温度は、Ar3以上1100℃以下かつ式(1)で求められるT0(℃)以上とする。ここで、最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度とは、最終圧延パスの1つ前の圧延パス後の鋼板表面温度を指し、圧延仕上げ温度とは最終圧延パス後の鋼板表面温度を指すものとする。これら温度をともにAr3以上とすることにより、最終圧延パス間と圧延中におけるフェライト変態が防止される。T0以上とすることにより、圧延パス間においてはオーステナイトの再結晶を適度に促して再結晶オーステナイト粒の微細化が図られ、熱間圧延後においては、後述する熱間圧延後の冷却条件と相俟って、低温靭性および穴拡げ性に好適な鋼組織および集合組織を有する熱延鋼板が得られる。T0未満では、熱間圧延後冷却前におけるオーステナイトが著しく扁平となり、最終製品である熱延鋼板において圧延方向に伸長した組織形態を呈するようになり、塑性異方性が大きくなって穴拡げ性や低温靭性が低下する。好ましくはT0+20℃以上、より好ましくはT0+40℃以上である。一方、これらの温度が1100℃を超えると、組織が粗大化してしまい低温靭性が低下する。したがって、最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度及び圧延仕上げ温度は1100℃以下とする。好ましくは1070℃以下、より好ましくは1040℃以下である。なお、これらの温度は鋼材の表面温度であり、放射温度計等により測定することができる。
[最終圧延パスの1つ前の圧延パス完了から最終圧延パス開始までの時間t1が式(2)を満たし、圧延仕上げ後から冷却を開始するまでの時間t2が式(3)を満たす]
0.002/exp(−6080/(T1+273))≦t1≦2.0 (2)
0.002/exp(−6080/(T2+273))≦t2≦4.0 (3)
ここで、各記号の意味は次の通りである:
t1:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間時間(秒)。
T1:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度(℃)。
t2:仕上げ圧延完了後、冷却を開始するまでの時間(秒)。
T2:圧延仕上げ温度(℃)
本発明では、組織を微細化すると共に集合組織の発達も抑制することが重要である。オーステナイトからマルテンサイトなどに変態する前の蓄積圧下率を高めると、組織は微細化するが集合組織が発達して、穴拡げ性が劣化する。一方、蓄積圧下率を小さくすると集合組織の発達は抑制できるが組織が粗大化してしまい、高い低温靭性が得難くなる。そこで、仕上げ圧延後期のパス間時間及び仕上げ圧延完了から冷却を開始するまでの時間を適正に制御して、それぞれにおいてオーステナイトの再結晶を介して細粒化と集合組織の発達を抑制する。そのためには、上記式(2)および(3)を満足させることが重要である。オーステナイトの再結晶に必要な時間として下限が定まり、再結晶オーステナイト粒の粒成長による組織粗大化の防止のために上限が定まる。なお、「冷却を開始」とは、仕上げ圧延後のランナウトテーブルにおける水冷冷却の開始を意味する。
[冷却開始から式(5)で求められるMs以下の温度域まで、20℃/s以上かつ式(4)で求められるCR以上の平均冷却速度で冷却]
CR(℃/s)=50{5.6−4.8(%C)−0.5(%Si)−1.1(%Mn)−1180(%B)−0.9(%Cr)−2.1(%Mo)} (4)
Ms(℃)=561−474(%C)−33(%Mn)−17(%Ni) −21(%Mo) (5)
圧延仕上げ後、水冷によりオーステナイトからマルテンサイト変態する温度域まで冷却して、所望の組織が得られる。冷却速度が遅い場合は、冷却の過程でフェライトやベイナイトが形成して、強度が低下すると共に、穴拡げ性が低下する場合がある。また、冷却停止温度が十分に低くないと所望とするマルテンサイト面積率が十分に得られず、強度が低下すると共に低温靭性が低下する場合がある。そのため、冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度は式(4)で求められるCR以上とする。好ましくはCR+10℃/s以上、より好ましくは、CR+20℃/s以上、さらに好ましくはCR+30℃/s以上である。また、冷却停止温度は式(5)で求められるMs以下とする。好ましくはMs−50℃以下、より好ましくはMs−100℃以下、最も好ましくはMs−200℃以下である。
Ms以下の温度域まで冷却後は、一般には巻取りを行う。
こうして本発明に係る方法により製造される熱延鋼板は、例えば形状矯正を目的として公知の調質圧延を適宜施してもよい。また、めっきを施してめっき鋼板としてもよい。めっきは電気めっきおよび溶融めっきのいずれでもよく、めっき種も特に制限はないが、一般的には亜鉛めっきと亜鉛合金めっきとを含む亜鉛系めっきである。めっき鋼板の例としては、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板などが例示される。めっき付着量は一般的な量でよい。
本発明の鋼板の板厚について、特に限定するものではないが、板厚が厚すぎる場合は、板表層と内部で組織差が著しく異なるため、6mm以下が好ましい。一方、板厚が薄すぎると熱延時の通板が困難となるため、一般的には1mm以上である。好ましくは、1.5mm以上である。
表1に示す化学組成を有する鋼を溶製して鋳造した後、熱間鍛造によって30mm厚さの鋼片とした。得られた鋼片を1250℃に加熱し、試験用小型タンデムミルにて表2に示す条件で熱間圧延を施して、3mmの板厚に仕上げた。表2に製造条件を示す。なお、鋼板温度が圧延仕上げ温度+100℃から圧延仕上げ温度での合計圧下率は、試番14は48%、試番21は63%、その他は65%以上で行った。
Figure 0006519016
Figure 0006519016
得られた熱延鋼板について、走査型電子顕微鏡を用いて圧延方向に平行な方向の鋼板断面を観察し、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における組織を調査するとともに、組織の面積率を測定した。また、EBSDを用いて0.5μm間隔で測定し、平均粒径、アスペクト比が0.30以下の結晶粒の面積率を求めた。
{100}<011>〜{211}<011>方位群のX線ランダム強度比の平均値、最大値の測定方法について説明する。X線回折試験により、板厚中心位置における(200)、(110)、(211)の不完全極点図を求めて、先に説明した反復級数展開法によりODF解析を行なって得られるα−fiber(Bunge法におけるφ1=0°、φ2=45°、Φ=0〜90°)の値から、Φ=0〜35°の範囲のX線ランダム強度比の平均値および最大値をそれぞれ求めた。
熱延鋼板の機械特性を評価するため、引張試験はJIS Z 2241に、穴拡げ試験はJIS Z 2256に、それぞれ準拠して行った。引張強度TSと穴拡げ率HERの積(TS×HER)が50000MPa・%以上を好適とした。シャルピー試験はJIS Z 2242に準拠して、鋼板を2.5mmサブサイズ試験片に加工して破面遷移温度vTrs(℃)を評価し、−40℃以下を好適とした。
表3に鋼組織、集合組織および機械特性の調査結果を示す。
Figure 0006519016
表3に示すように、本発明に従った発明例では、優れた低温靭性および穴拡げ性を有し、低温靭性と穴拡げ性に優れた高強度熱延鋼板が得られている。
これに対し、化学組成または製造条件が本発明の範囲外である比較例は、破面遷移温度、および/またはTSと穴拡げ率の積(TS×HER)に劣っている。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.03%以上0.25%以下、
    Si:0.001%以上2.0%以下、
    Mn:0.5%以上4.0%以下、
    P:0.10%以下、
    S:0.010%以下、
    sol.Al:0.001%以上1.0%以下、
    B:0.0001%以上0.005%以下、
    N:0.01%以下、
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、
    板厚1/4板厚位置においてマルテンサイト相と下部ベイナイト組織の合計面積率が85%以上であり、
    結晶方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の平均粒径が20μm以下であり、
    そのアスペクト比が0.30以下である結晶粒が面積割合で50%以下であり、
    板厚中心位置において{100}<011>〜{211}<011>方位群のX線ランダム強度比の平均値が6.0以下、かつ、最大値が8.0以下であることを特徴とする熱延鋼板。
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびCr:2.0%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の熱延鋼板を製造するに当たり、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の化学組成を有するスラブまたは鋼片に多パス熱間圧延を施して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法であって、前記多パス熱間圧延における
    最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧下率を20%以上、
    最終圧延パスの圧下率を10%以上とし、
    最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度及び圧延仕上げ温度をAr3以上1100℃以下かつ式(1)で求められるT0(℃)以上とし、
    最終圧延パスの1つ前の圧延パス完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間時間t1(s)及び最終圧延パス完了(仕上げ圧延完了)から冷却を開始するまでの時間t2(s)がそれぞれ式(2)及び式(3)を満足し、
    冷却開始から式(5)で求められるMs(℃)以下の温度域まで、式(4)で求められるCR(℃/s)以上かつ20℃/s以上の平均冷却速度で冷却する
    ことを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
    T0(℃)=850+350{(%Ti)+2(%Nb)+0.3(%V)} (1)
    0.002/exp(−6080/(T1+273))≦t1≦2.0 (2)
    0.002/exp(−6080/(T2+273))≦t2≦4.0 (3)
    CR(℃/s)=50{5.6−4.8(%C)−0.5(%Si)−1.1(%Mn)−1180(%B)−0.9(%Cr)−2.1(%Mo)} (4)
    Ms(℃)=561−474(%C)−33(%Mn)−17(%Ni)−21(%Mo) (5)
    ここで、各記号の意味は次の通りである:
    t1:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間時間(秒)。
    T1:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延温度(℃)。
    t2:仕上げ圧延完了後、冷却を開始するまでの時間(秒)。
    T2:圧延仕上げ温度(℃)
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