JP6840599B2 - 薄肉光学用部材の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄肉光学用部材の成形方法に関し、詳しくは、ポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物のペレットから射出成形により薄肉光学用部材を成形する方法に関する。
パーソナルコンピュータ、携帯電話等に使用される液晶表示装置には、その薄型化、軽量化、高精細化の要求に対応するために、面状光源装置が組み込まれている。そして、この面状光源装置には、入光する光を液晶表示側に均一かつ効率的に導く役割を果たす目的で導光板が備えられている。
このような導光板は、従来、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂材料から成形されてきたが、最近では、より鮮明な画像を映し出す表示装置が求められ、光源近傍で発生する熱によって機器装置内が高温化する傾向にあるため、より耐熱性の高いポリカーボネート樹脂材料に置き換えられつつある。
ポリカーボネート樹脂は、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れるが、光線透過率は、PMMA等に比べて低いことから、ポリカーボネート樹脂製の導光板と光源とから面光源体を構成した場合、輝度が低いという問題がある。また最近では導光板の入光部と入光部から離れた場所の色度差を少なくすることが求められているが、ポリカーボネート樹脂はPMMAと比べて黄変しやすいという問題がある。
このような問題を解決するために、ポリテトラメチレングリコールを配合したポリカーボネート樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が透過率や黄変度(イエローインデックス:YI)を改善することが提案されている。
しかし、特に最近は、スマートフォンやタブレット型端末等の各種携帯端末においては、薄肉化や大型薄肉化が著しいスピードで進行しており、このようなハイエンド向けの導光板等においてはその要求スペックはますます高度化している。
特許第5699188号公報
上記したようなハイエンドの導光板は、例えば厚みが0.4mmというような超薄肉であり、成形時の樹脂温度も、例えば300℃を超えるような高温となり、しかも生産性の点からサイクルタイムは短くなっており、このような条件で、上記したポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物を射出成形すると、得られる成形品は色相が悪化し、またシルバーストリークスが発生しやすく、また原料ペレットはブロッキングを起こしやすいことが判明した。
本発明の目的(課題)は、上記の問題点に鑑み、ポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物のペレットを原料として射出成形により薄肉光学用部材を成形するに際し、ブロッキングの問題なしに、透過率や色相(YI)に優れ、またシルバーストリークスの発生のない、薄肉光学用部材を成形する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、ペレットを
ホッパー内にて窒素ガス雰囲気下で所定時間以上保持し、また高温の窒素ガスを射出成形機のシリンダーに供給し、そして特定の樹脂温度で射出成形することにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明の薄肉光学用部材の成形方法は、ポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物のペレットから射出成形により薄肉光学用部材を成形する方法であって、
(i)前記ペレットを射出成形機のホッパーに供給する工程、
(ii)温度が60〜140℃の窒素ガスを射出成形機のホッパーに供給する工程、
(iii)ホッパー内にてペレットを窒素ガス雰囲気下で10分以上保持する工程、
(iv)温度が60〜140℃の窒素ガスを射出成形機のシリンダーに供給する工程、
(v)前記ペレットをシリンダー内に供給し、260〜400℃の樹脂温度で射出成形する工程
を含むことを特徴とする。
本発明の薄肉光学用部材の成形方法は、ブロッキングの問題なしに、透過率や色相(YI)に優れ、またシルバーストリークスの発生のなく、薄肉光学用部材を成形することができる。
本発明の成形方法に用いる射出成形装置の構成例を示す断面図である。
以下、本発明の薄肉光学用部材の成形方法について、図1を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の成形方法に用いる射出成形装置の構成例を示す断面図である。
図1中、1は射出成形機であり、2は射出成形機のバレルである。バレル2の内にはスクリュー3が挿入されており、スクリューの基部は駆動装置4に接続され、回転と前進によって前方のノズル5の先端から金型(不図示)に溶融した樹脂を射出し、成形品を得る。
バレル2には、ペレット供給口6がスクリュー3の外周に連通するように開口して設けられ、ペレット供給口6の上にはホッパー7が取り着けられ、ポリカーボネート樹脂組成物のペレット8がホッパー7の上部Aからホッパー7内に投入される。
ホッパー7内にペレット8が投入されると、ホッパー7内には窒素ガスを供給して空気は窒素ガスに置換され、ホッパー7内は窒素ガス雰囲気となる。供給する窒素ガスの温度は60〜140℃であり、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上、とりわけ110℃以上、特に好ましくは120℃以上である。また140℃を超える温度ではペレット同士が溶着してブロッキングが起きるので好ましくない。窒素ガスの供給はホッパー7の外部から設けた配管(不図示)により供給してもよいが、図1に示すようにホッパー7の下部に窒素ガス供給管9を設け、窒素ガスGを供給管9内からペレット供給口6内に供給することが好ましい。窒素ガス供給管9の先端9aからペレット供給口6内に供給した窒素ガスは、温度が上昇すると上方にも移動してホッパー7内部に充満して窒素雰囲気とすることができる。
ホッパー7内におけるペレット8を窒素ガス雰囲気下で保持する時間は10分以上とすることが好ましく、より好ましくは20分以上、さらに好ましくは25分以上であり、保持時間の上限は特に制限はないが、あまり長時間保持することは経済的ではないので、3時間程度である。ペレット8を保持している時の窒素ガスの温度は、好ましくは60〜140℃であり、より好ましくは80℃以上、さらには90℃以上、なかでも100℃以上、とりわけ110℃以上、特に好ましくは120℃以上である。また140℃を超える温度ではペレット同士が溶着してブロッキングが起きるので好ましくない。なお、窒素ガス雰囲気下で保持は、連続して行うことが好ましいが、間欠的に行うことを排除するものではなく、その場合の保持時間は間欠的に行った保持時間の合計時間を意味する。
なお、窒素ガス雰囲気下での保持時間とは、窒素ガスによる置換が、窒素ガス濃度で95%以上に達した時を開始点として測定される。
ペレット供給口6には、ホッパー7の下部にスクリュー3の外周に向けて設けた窒素ガス供給管9より、窒素ガスGが供給される。窒素ガス供給管9の外側にはヒーター10が装着され、窒素ガスGは加熱され、窒素ガス供給管の先端9aから温度が60〜140℃、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上、とりわけ110℃以上、特に好ましくは120℃以上の温度となって供給(注入)される。また140℃を超える温度ではペレット同士が溶着してブロッキングが起きるので好ましくない。このような温度の窒素ガスを供給することにより、ペレットの温度低下の防止、及び吸湿防止、乾燥の促進、又、ペレット内の空気と窒素ガスの置換効率を上げることができ、また、成形機スクリュー及びシリンダーの温度低下を防ぐことができる。
なお、ここで、窒素ガス供給管の先端9aから供給された窒素ガスの温度は、窒素ガス供給管の先端9aの近傍に設けた熱電対(不図示)により測定される温度である。
窒素ガス供給管の先端9aは下方に向けてあり、窒素ガスGはスクリュー3内に放出される。窒素ガス供給管の先端9aは下方まで延びていることが好ましく、供給管の先端9aとスクリュー3の外周の距離は、好ましくは5〜30mmである。
窒素ガス供給管9からの窒素ガス12の供給量は、好ましくは5〜30L/分である。ペレット供給口6に供給された窒素ガスの一部は、前記したように、上昇してホッパー7内部に充満してホッパー7内部を窒素雰囲気とすることができる。
使用する原料ペレットは、ポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物のペレットである。
ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体である。
ポリカーボネート樹脂の原料のジヒドロキシ化合物としては、芳香族ジヒドロキシ化合物が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、上述した中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂、又は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される芳香族ポリカーボネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーとの共重合体等の、芳香族ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。更には、上述したポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融重合法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量(Mv)で、10000〜26000であることが好ましく、より好ましくは10500以上、さらに好ましくは11000以上、特には11500以上、最も好ましくは12000以上であり、より好ましくは24000以下であり、更に好ましくは20000以下である。粘度平均分子量を上記範囲の下限値以上とすることにより、成形品の機械的強度をより向上させることができ、粘度平均分子量を上記範囲の上限値以下とすることにより、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて薄肉射出成形を容易に行えるようになる。
なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4Mv0.83から算出される値を意味する。また、極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
ポリカーボネート樹脂組成物で使用されるポリアルキレングリコールとしては、各種のポリアルキレングリコールが使用でき、例えば、直鎖アルキレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール及び/又は分岐アルキレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコールからなる重合体又は共重合体が挙げられる。
直鎖アルキレンエーテル単位としては、炭素数が2〜8の直鎖アルキレンエーテル単位が好ましく、グリコールとして記載すると、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールが好ましく挙げられ、特に好ましくはトリメチレングリコール、テトラメチレングリコールに由来するアルキレンエーテル単位である。
直鎖アルキレンエーテル単位は、炭素数が異なるものが複数であってもよい。
分岐アルキレンエーテル単位は、炭素数3以上の分岐アルキレンエーテル単位で構成される分岐アルキレンエーテル単位である。
分岐アルキレンエーテル単位の炭素数は好ましくは4以上であり、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下、最も好ましくは6以下である。側鎖アルキル基は主鎖アルキレンエーテルの1個の炭素に1つ付いていてもよく、複数についていてもよい。
分岐アルキレンエーテル単位として、グリコールとして記載すると、(1−メチル)エチレングリコール、(2−エチル)エチレングリコール、(2,2−ジメチル)エチレングリコール、(2−プロピル)エチレングリコール、(2,2−ジエチル)エチレングリコール、(3−プロピル)トリメチレングリコール、(2−プロピル)トリメチレングリコール、(2,2−メチルエチル)トリメチレングリコール、(2,2−ジエチル)トリメチレングリコール、(3,3−ジエチル)トリメチレングリコール、(3,3−エチルプロピル)トリメチレングリコール、(3,3−ジエチル)テトラメチレングリコール、(3,3−エチルプロピル)テトラメチレングリコール、(4,4−ジエチル)テトラメチレングリコール、(1−メチル−2−エチル−3−プロピル)テトラメチレングリコール、(3,3−エチルプロピル)ペンタメチレングリコール、(3,3−ジプロピル)ペンタメチレングリコール、(4,4−ジプロピル)ペンタメチレングリコール、(1−メチル−2−エチル−3−プロピル)ペンタメチレングリコール、(1,1−ジエチル−2−プロピル)ペンタメチレングリコールなどが挙げられる。
以上、アルキレンエーテル単位を便宜的にグリコールを例として記載したが、これらグリコールに限らず、これらのアルキレンオキシド、あるいはこれらのポリエーテル形成性誘導体も同様に本明細書に記載したものとして取り扱われる。
ポリアルキレングリコールは、その末端基はヒドロキシル基であることが好ましい。加えて、その片末端あるいは両末端がアルキルエーテル、アリールエーテル、アラルキルエーテル、脂肪酸エステル、アリールエステルなどで封鎖されていてもその性能発現に影響はなく、エーテル化物またはエステル化物が同様に使用できる。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量としては、200〜5000であることが好ましく、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上であり、より好ましくは4000以下、さらに好ましくは3000以下である。上記範囲の上限を超えると、相溶性が低下するので好ましくなく、又上記範囲の下限を下回ると成形時にガスが発生するので好ましくない。
ここでポリアルキレングリコール共重合体の数平均分子量は、JIS K1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
ポリアルキレングリコールの含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.1〜4質量部であることが好ましい。より好ましい含有量は0.15質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上であり、より好ましくは3.5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、特に好ましくは2.5質量部以下、最も好ましくは2質量部以下である。含有量が0.1質量部を下回ると、色相や黄変の改善が不十分となりやすく、4質量部を超えると、ポリカーボネート樹脂の白濁により透過率が低下しやすくなる。
ポリカーボネート樹脂組成物は、さらにリン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤を含有することで、成形品の色相が良好なものとなり、さらに耐熱変色性が向上する。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性が得られる。
ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等が好ましく、中でもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましい。
また、ホスファイト化合物としては、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトのようなペンタエリスリトールジホスファイト構造を有するものもより好ましい。
リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
リン系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.005〜0.5質量部であり、より好ましくは0.007質量部以上、さらに好ましくは0.008質量部以上、特に好ましくは0.01質量部以上であり、また、より好ましくは0.4質量以下、さらに好ましくは0.3質量部以下、特に好ましくは0.2質量部以下、最も好ましくは0.1質量部以下である。リン系安定剤の含有量が前記範囲の0.005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、リン系安定剤の含有量が0.5質量部を超える場合は、耐熱変色性がかえって悪化しやすく、湿熱安定性も低下しやすい。
ポリカーボネート樹脂組成物は、エポキシ化合物を含有することも好ましい。エポキシ化合物をポリアルキレングリコールと併せて含有することで耐熱変色性をより向上させることができる。
エポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられる。具体的には、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、2,3−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4−(3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシル)ブチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6’−メチルシロヘキシルカルボキシレート、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−Aグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス−エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス−エポキシエチレングリコール、ビス−エポキシシクロヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4−ジメチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3,5−ジメチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3−メチル−5−t−ブチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、オクタデシル−2,2−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N−ブチル−2,2−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル−2−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N−ブチル−2−イソプロピル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、オクタデシル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−エチルヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,6−ジメチル−2,3−エポキシシクロヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3−t−ブチル−4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキシルジカルボキシレート、ジ−n−ブチル−3−t−ブチル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキシルジカルボキシレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などを好ましく例示することができる。
エポキシ化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、脂環族エポキシ化合物が好ましく用いられ、特に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましい。
エポキシ化合物の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.0005〜0.2質量部であり、より好ましくは0.001質量部以上、さらに好ましくは0.003質量部以上、特に好ましくは0.005質量部以上であり、また、より好ましくは0.15質量以下、さらに好ましくは0.1質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以下である。エポキシ化合物の含有量が、0.0005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、0.2質量部を超える場合は、耐熱変色性がかえって悪化しやすく、色相や湿熱安定性も低下しやすい。
また、ポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、ポリカーボネート樹脂以外の他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種または二種以上を配合してもよい。
射出成形機1スクリュー3に供給されたポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物のペレット8は、加熱・溶融され、スクリュー3の前進によりノズル5より金型のキャビティ内に射出されることにより、薄肉光学用部材が成形される。
この射出成形時の樹脂温度は260〜400℃であり、好ましくは280℃を超えることが好ましく、より好ましくは300℃超、さらに好ましくは310℃超、特には320℃超であることが好ましい。
本発明において、薄肉光学用部材とは、通常肉厚が1mm以下、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下の板状部を少なくとも有する成形部材(成形品)をいう。ここで、上記薄肉の板状部は、平板であっても曲板状になっていてもよく、平坦な表面であっても、表面に凹凸等を有してもよく、また断面は傾斜面を有していたり、楔型断面等であってもよい。
光学用部材としては、LED、有機EL、白熱電球、蛍光ランプ、陰極管等の光源を直接または間接に利用する機器・器具の部品が挙げられ、導光板や面発光体用部材等が代表的なものとして例示される。
導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の中で、LED等の光源の光を導光するためのものであり、側面または裏面等から入れた光を、通常表面に設けられた凹凸により拡散させ、均一の光を出す。その形状は、通常平板状であり、表面には凹凸を有していても有していなくてもよい。
本発明の方法で成形された導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の分野で好適に使用でき、このような装置の具体例としては、携帯電話、モバイルノート、ネットブック、スレートPC、タブレットPC、スマートフォン、タブレット型端末等の各種携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、各種ディスプレイ、照明機器等が挙げられる。
また、光学用部材としては、自動車あるいはオートバイ等の車両用前照灯(ヘッドランプ)あるいはリアランプ、フォグランプ等において、LED等の光源からの光を導光するライトガイドやレンズ等も好適であり、これらにも好適に使用することができる。
以下、実施例を示して本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
以下の実施例及び比較例に使用した原料成分は以下の表1に記載の通りである。
<実施例1>
上記表1に記載した各原料を下記表2に示す割合でブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度240℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃で4〜8時間、真空乾燥機により乾燥した後、射出成形機1(ソディック社製「HSP100A」)のホッパー上部Aからホッパー7に供給した。
PSA方式による窒素発生装置(不図示)からの窒素ガス(N濃度:99.99%、O濃度:20ppm)を、ホッパー7の下部に設けた窒素ガス供給管9に送り込みながら、ヒーター10により加熱し、窒素ガス供給管の先端9aからスクリュー3に向けて、ペレット供給口6内に15L/minの流量で注入した。供給管の先端9aとスクリュー3の外周の距離は15mmとした。窒素ガス供給管の先端9aの近傍に設けた熱電対(不図示)により測定した窒素ガスの温度は120℃であった。窒素ガスは上方にも移動してホッパー7内部に充満してホッパー内の空気を置換し窒素濃度が95%に到達した。その後30分間ペレット8をホッパー7内に保持した後、ペレットを射出成形機1のスクリュー(スクリュー径22mm)へ窒素ガスと共に送り込み、樹脂温度(設定温度)340℃、金型温度80℃、射出速度40mm/sec、サイクル時間40秒の条件で、長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
評価方法は、以下の通りである。
[YI(300mm)]
上記で得られた長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を用いて、光路長が300mmのYIの測定を行った。測定は長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA1」、C光源、2°視野)を使用した。
[ブロッキング]
成形機ホッパー内を不活性ガスで置換した直後の、ホッパー内でのペレット同士が溶着して1cm以上の塊となる現象の有無を調べた。
[シルバー発生率]
得られた長光路成形品(300mm×7mm×4mm)において、成形品50個中のシルバーストリークスが発生した成形品の個数の割合をシルバー発生率(%)とした。
<実施例2〜17、比較例1〜8>
実施例1において、原料を表2〜3に記載の原料と割合とし、窒素ガス雰囲気保持時間、窒素ガス温度(℃)、窒素ガス流量、窒素ガス注入口とスクリュー外周の距離、樹脂温度を表2〜3に記載した通りとした以外は、実施例1と同様にして、長光路成形品を成形し、評価を行った。
1:射出機
2:バレル
3:スクリュー
4:ノズル
5:ホッパー
6:ペレット供給口
7:ホッパー
8:ペレット
9:窒素ガス供給口
10:ヒーター

Claims (3)

  1. ポリアルキレングリコールを含有するポリカーボネート樹脂組成物のペレットから射出成形により肉厚が1mm以下の薄肉光学用部材を成形する方法であって、
    (i)前記ペレットを射出成形機のホッパーに供給する工程、
    (ii)温度が80〜140℃の窒素ガスを射出成形機のホッパーに供給する工程、
    (iii)ホッパー内にてペレットを窒素ガス雰囲気下で20分以上3時間以下保持する工程、
    (iv)温度が80〜140℃の窒素ガスを射出成形機のシリンダーに供給する工程、
    (v)前記ペレットをシリンダー内に供給し、260〜400℃の樹脂温度で射出成形する工程
    を含むことを特徴とする薄肉光学用部材の成形方法。
  2. ポリカーボネート樹脂組成物中のポリアルキレングリコールの含有量が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.1〜4質量部である請求項1に記載の薄肉光学用部材の成形方法。
  3. ポリカーボネート樹脂組成物が、さらにリン系安定剤を、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.005〜0.5質量部含有する請求項1または2に記載の薄肉光学用部材の成形方法。
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