まず、本実施形態の装置(制御装置10、蓄電池制御装置20、蓄電池30、送配電事業者システム40、小売電気事業者システム50等)のハードウエア構成の一例について説明する。本実施形態の装置が備える各部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
図1は、本実施形態の装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。図1に示すように、装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、周辺回路4Aを有さなくてもよい。
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置(例:キーボード、マウス、マイク等)、外部装置、外部サーバ、外部センサー等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置(例:ディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等)、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
以下、本実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明において利用する機能ブロック図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。これらの図においては、各装置は1つの機器により実現されるよう記載されているが、その実現手段はこれに限定されない。すなわち、物理的に分かれた構成であっても、論理的に分かれた構成であっても構わない。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
また、本明細書において、「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータまたは情報を受信すること等、の少なくともいずれか一方を含む。また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することも含む。
<第1の実施形態>
本実施形態の制御システムは、一の蓄電池に複数のサービスを並行して実施させるための技術を備える。すなわち、複数のサービス各々に対応した充電及び放電を、同タイミングで一の蓄電池に行わせるための技術を備える。当該技術により、蓄電池及びPCSの利用効率が高まる。以下、詳細に説明する。
最初に、本実施形態の制御システムの全体像及び概要を説明する。図2に本実施形態の制御システムの機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御システムは、制御装置10と、蓄電池制御装置20と、蓄電池30と、送配電事業者システム40とを有する。各装置の概要を説明する。
蓄電池30、及び、蓄電池制御装置20は、需要家に保有される装置である。蓄電池30は、PCS及び電池部を含む。PCSは、蓄電池制御装置20からの指示信号に従い、電池部からの放電動作及び電池部への充電動作を行う。PCSは、蓄電池制御装置20における蓄電池30の動作(充放電)を演算する機能を備えてもいい。蓄電池30の構成は特段制限されず、あらゆる構成を採用できる。
蓄電池制御装置20は、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。蓄電池制御装置20は、制御装置10から受信した蓄電池制御信号に基づき、所定の指示信号を蓄電池30に入力する。蓄電池制御装置20の構成は、以下で詳細に説明する。
送配電事業者システム40は、電力の送配電網を管理する事業者に保有される装置である。送配電事業者システム40は、送配電網の状態(例:周波数偏差や連系線潮流等)を監視し、必要に応じて送配電網への電力供給を調整する。送配電事業者システム40は、例えば短周期(例:数分から十数分程度)の変動分を調整するためのLFC(lord frequency control)信号や、発電機等の故障や事故などの非常時に供給力不足を解消するための予備力信号等の需給制御信号を出力する。
これらの需給制御信号に基づき、火力発電や水力発電等の発電装置の出力調整がなされる。また、本実施形態では、需給制御信号が送配電事業者システム40から制御装置10に送信される。制御装置10は、需給制御信号に基づき蓄電池30の出力調整(放電及び充電の調整)を行う。
制御装置10は、事前に登録されている複数の蓄電池30を利用した複数のサービスを提供する事業者(以下、「リソースアグリゲータ」という))に保有される装置である。本実施形態では、リソースアグリゲータは、アンシラリーサービス、及び、エネルギーマネジメントサービスを提供する。
アンシラリーサービスは、主として送配電事業者に向けたサービスである。制御装置10は、電力系統の需給バランス調整に関連して、蓄電池30の充放電を制御する。すなわち、需要過多の場合には、放電し、電力系統に電力を供給する動作を蓄電池30に実行させる。一方、供給過多の場合には、電力系統から受電し、充電する動作を蓄電池30に実行させる。このような制御の一例として、LFC制御が挙げられる。制御装置10は、送配電事業者システム40から需給制御信号(LFC信号)を受信すると、それに応じた内容で動作(充電及び放電)させるための蓄電池制御信号を、複数の蓄電池制御装置20に送信する。蓄電池制御装置20は、制御装置10から受信した蓄電池制御信号に基づき、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。これにより、送配電網の需給バランスが保たれる。その他、制御装置10は、GF(Governor Free)制御のための動作を蓄電池30に実行させることができる。
エネルギーマネジメントサービスは、需要家に向けたサービスである。制御装置10は、電力単価が相対的に安い時間帯に電力を充電し、電力単価が相対的に高い時間帯に電力を放電する充放電動作を蓄電池30に実行させる。すなわち、制御装置10は、電力単価が相対的に安い時間帯に電力を充電し、電力単価が相対的に高い時間帯に電力を放電する充放電スケジュールを生成、若しくは、充放電スケジュールを生成するために必要な情報(小売電気事業者のサービスメニューに応じた時間帯毎の電力単価の情報等)を、複数の蓄電池制御装置20に送信する。蓄電池制御装置20は、制御装置10から受信した充放電スケジュール、若しくは、充放電スケジュールを生成するために必要な情報を用いて自身で作成した充放電スケジュールに基づき、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。これにより、需要家が電力会社(小売電気事業者を含む)に支払う電気料金を抑えることができる。
本実施形態では、アンシラリーサービス(第1のサービス)、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)各々に対応した動作(充電及び放電)を同タイミングで一の蓄電池30に行わせることができる。制御装置10及び蓄電池制御装置20が、このような動作を行わせるための特徴的な構成を備える。以下、制御装置10及び蓄電池制御装置20の構成を説明する。
まず、本実施形態の制御装置10の構成を説明する。図3に本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置10は、第1のサービス部1と、第2のサービス部2と、制御部105と、通信部106とを有する。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20と通信し、情報の送受信を行う。
第1のサービス部1は、アンシラリーサービスのための処理を実行する機能部である。第1のサービス部1は、第1のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40から送信される需給制御信号)を受信する第1の受信部102と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第1の処理部101とを有する。第2のサービス部2は、エネルギーマネジメントサービスのための処理を実行する機能部である。第2のサービス部2は、第2のサービスのための情報(例:時間帯毎の電力単価)を受信する第2の受信部104と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第2の処理部103とを有する。
制御部105は、第1のサービス部1及び第2のサービス部2を制御する。制御部105は、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、エネルギーマネジメントサービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えないように制御する。
当該制御を実現するため、制御部105は、蓄電池30に関する情報であって、アンシラリーサービスのための出力の上限、及び、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限を示す制御情報を取得または自身で設定する。アンシラリーサービスのための出力の上限と、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限との和は、蓄電池30用のPCSの定格出力値以下である。
第1のサービス部1及び第2のサービス部2は、当該制御情報で示される各サービスのための出力の上限を超えないように、各蓄電池30に充電又は放電を実行させる。結果、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、エネルギーマネジメントサービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超える不都合を回避できる。
各サービスのための出力の上限は、例えば、蓄電池30用のPCSの定格出力値を100%とした割合で示されてもよいし、X[W]のように示されてもよい。
各サービスのための出力の上限を示す制御情報は、すべての蓄電池30に共通であってもよい。また、制御情報は、複数の蓄電池30各々に対応して個別に設定されてもよい。その他、複数の蓄電池30をその属性に応じてグループ化し、グループ毎にグループ内で共通の制御情報が設定されてもよい。複数の蓄電池30各々に対応して個別に設定する場合、また、グループ毎にグループ内で共通の制御情報を設定する場合においては、複数の蓄電池30各々に対応する制御情報で示される各タイミングでの第1のサービスのための出力の上限の和が所定範囲に収まる、例えば一定となるように設定してもよい。このようにした場合、タイミングに関わらず、第1のサービスのための出力を安定的に確保できる。
また、制御情報は、すべてのタイミングにおいて共通の内容であってもよいし、時間帯毎に異なる内容であってもよい。後者の場合、例えば1日を複数の時間帯に分割し、時間帯毎に各サービスのための出力の上限が決定されてもよい。
図4に、制御情報の一例を模式的に示す。横軸に時刻、縦軸に各サービスに割り振られた蓄電池30の出力を示す。蓄電池30の出力は、蓄電池30用のPCSの定格出力値を100%とした割合で示している。
図4では、1日分の内容が示されている。図4に示す例の場合、終日、アンシラリーサービス(第1のサービス)のための出力の上限は蓄電池30用のPCSの定格出力値の30%であり、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)のための出力の上限は蓄電池30用のPCSの定格出力値の70%であることが分かる。
図5に、他の一例を模式的に示す。図5に示す例の場合、6時から19時までの時間帯と、19時から6時までの時間帯との間で、各サービスのための出力の上限が異なっている。このように、各時間帯の属性に応じて、各サービスに蓄電池30の出力の上限を割り振ってもよい。この6時から19時や19時から6時は、これに限定されず時間帯別の電気料金(電力単価)にて設定してもよい。具体的には、電気料金(電力単価)が相対的に安い時間帯と、電気料金(電力単価)が相対的に高い時間帯とに基づいて、各サービスのための出力の上限を異ならせる。
図6に、他の一例を模式的に示す。図6に示す例の場合、アンシラリーサービス(第1のサービス)用に確保された出力と、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)用に確保された出力と、両サービス間で融通し合うために確保された出力とが存在する。両サービス間で融通し合うために確保された出力は、各タイミング(各時刻)における各サービスの状態や蓄電池30の状態等に基づき、所定のルールに従い両サービスまたはいずれかのサービスに割り振られる。
例えば、リソースアグリゲータのオペレータが上述のような制御情報を設定し、制御部105に入力してもよい。
その他、制御部105が制御情報を設定してもよい。例えば、制御部105は、蓄電池30を設置する需要家との契約に基づき、アンシラリーサービス及びエネルギーマネジメントサービスで利用する出力の比率を設定してもよい。また、例えば、制御部105は、蓄電池30を保有する各需要家から、アンシラリーサービス及びエネルギーマネジメントサービスのいずれを優先するか、また、各サービスにかける比率等を示す情報を適当なタイミングで取得してもよい。なお、制御部105は、1日を複数の時間帯に分け、時間帯毎に上述のような情報(いずれを優先するか、比率等)を取得または設定してもよい。
そして、制御部105は、当該情報、及び、予め定められたルールに基づき、各需要家の蓄電池30ごとに制御情報を設定してもよい。例えば、制御部105は、優先される方のサービスに、より大きい出力上限を決定することができる。この場合の比率は、予め定められたもの(例えば、7:3、6:4等)であってもよい。その他、制御部105は、需要家が決定した各サービスにかける比率と同じ比率で、各サービスの出力の上限を決定してもよい。なお、図6に示すような制御情報を設定する場合、例えば、両サービス間で融通し合うための出力(予め定められた値)を除いた出力を、上記比率で両サービスに分けてもよい。時間帯毎に上述のような情報(いずれを優先するか、比率等)が取得されている場合、当該時間毎に、例えば上記と同様にして各サービスの出力の上限を設定することができる。
また、制御部105は、第2のサービス(エネルギーマネジメントサービス)のための出力の上限を設定した後に、残りの出力を、第1のサービス(アンシラリーサービス)のための出力に設定してもよい。例えば、制御部105は、まず、ある日のエネルギーマネジメントサービスのための充放電スケジュールに基づき、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限を設定してもよい。例えば、制御部105は、1日を複数の時間帯に分け、各時間帯における出力(充電又は放電)の最大値(需要家の電力需要予測等に基づきスケジュールされている出力(充電又は放電)の最大値)を特定し、特定した最大値、又は、最大値+αを、各時間帯のエネルギーマネジメントサービスのための出力上限として設定してもよい。そして、残り(蓄電池30用のPCSの定格出力値から各時間帯におけるエネルギーマネジメントサービスのための出力上限を引いた値)を、アンシラリーサービスのための出力上限として設定してもよい。
逆に、制御部105は、第1のサービス(アンシラリーサービス)のための出力の上限を設定した後に、残りを、第2のサービス(エネルギーマネジメントサービス)のための出力に設定してもよい。第1のサービス(アンシラリーサービス)のための出力の上限を設定する手段は特段制限されない。
なお、上記エネルギーマネジメントサービスのための充放電スケジュールは、電力単価が相対的に安い時間帯に電力を充電し、電力単価が相対的に高い時間帯に電力を放電するよう設計される。このような充放電スケジュールを生成する手段は設計的事項であり、あらゆる技術を採用できる。
ところで、蓄電池30に2つのサービスを並行して実施させる場合、各サービスで用いる出力[W]の調整のみならず、各サービスで用いる容量[Wh]の調整をも検討する必要がある。しかし、並行して実施される2つのサービスが、アンシラリーサービス及びエネルギーマネジメントサービスである本実施形態の場合、各サービスで用いる容量[Wh]の調整を行う必要性を大幅に低減できる。以下、説明する。
アンシラリーサービスに関連して蓄電池30を制御した場合、蓄電池30は充電処理及び放電処理を比較的短い周期で繰り返すこととなる。いずれか一方のみを長時間にわたって継続することは稀である。このため、アンシラリーサービスでの積算充電量[Wh]と積算放電量[Wh]との差を時系列に観察すると、SOC(State of Charge)の変動は伴うものの、比較的短い時間間隔で繰り返し、当該差が「0」となる時点が現れる。例えば、SOCの変動幅として±15%程度のゆらぎ(つまり、充電側に+15%程度の範囲でうごき、また放電側に−15%程度の範囲でうごくといった動作)はあるものの、平均的には積算充電量と積算放電量とを等しくすることができる。なお、蓄電池30の充放電損失分を補償するようなバイアス制御を含む運用を前提としている。
そして、エネルギーマネジメントサービスにおいては、比較的長い時間(数時間かけて)で、所定量の充電、及び、所定量の放電を達成すればよい。このため、エネルギーマネジメントサービスの目的(比較的長い時間での所定量の充電、及び、所定量の放電)を達成する上で、アンシラリーサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化はほとんど影響しない。すなわち、エネルギーマネジメントサービスの目的を達成する上で、アンシラリーサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化を考慮する必要性は少ないと言える。
また、アンシラリーサービスにおいては、送配電事業者システム40からの指示に従い各タイミングで所定電力[W]での放電及び充電を行えればよい。上述の通り充電処理及び放電処理を比較的短い周期で繰り返すアンシラリーサービスの場合、比較的小さい空き容量と、比較的小さい充電電力の両方が蓄電池30に確保されていれば足りる。そして、充電及び放電を繰り返すエネルギーマネジメントサービスにおいては、SOC「0」、及び、SOC「100%」となる時間帯は稀であり、大部分の時間帯で、アンシラリーサービスのために十分な充電電力量と空き容量の両方が蓄電池30に確保されている。すなわち、アンシラリーサービスを実施する上で、エネルギーマネジメントサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化を考慮する必要性は少ないと言える。
このため、並行して実施される2つのサービスがアンシラリーサービス及びエネルギーマネジメントサービスである本実施形態の場合、2つのサービス間での蓄電池30の容量の調整等は基本的に不要である。
なお、理論上、エネルギーマネジメントサービスにより、蓄電池30の容量が、SOC「0」や「100%」となるタイミングが存在し得る。SOC「0」の場合、アンシラリーサービスでの放電制御が不可となり、SOC「100%」の場合、アンシラリーサービスでの充電制御が不可となる。
このような状況を回避するため、エネルギーマネジメントサービスで利用可能な蓄電池30の容量を予め定めておいてもよい。例えば、エネルギーマネジメントサービスで充電できる電力の上限(例:SOC95%まで充電可能)や、エネルギーマネジメントサービスで放電できる電力の上限(例:SOC5%まで放電可能)を予め定めておいてもよい。かかる場合、制御部105は、エネルギーマネジメントサービスで充放電できる上限及び下限を示す情報をさらに取得または自身で設定する。例えば、リソースアグリゲータのオペレータが決定し、制御部105に入力する。そして、第2のサービス部2は、当該情報に基づき、蓄電池30の動作を制御する。加えて、複数台の蓄電池30を用いてアンシラリーサービスを実施する場合は、SOC「0」又は「100%」になる時間帯を、蓄電池30毎に少しずつ、ずらすような運用を第2のサービス部2が行えば(例:第2の処理部103は、SOCが0又は100%になる時間帯が蓄電池30毎にずれる第2の情報を生成する。)、全ての時間帯で、継続的にアンシラリーサービスを実施することができる。
次に、第1のサービス部1(図3参照)の構成について説明する。第1のサービス部1は、制御部105が取得または自身で設定した制御情報、及び、送配電事業者システム40から受信した需給制御信号(LFC信号等)に基づき、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。第1のサービス部1は、各蓄電池30の出力電力(充電電力及び放電電力)が、制御情報で特定されるアンシラリーサービスのための出力の上限を超えないように、蓄電池30の動作を制御する。以下、アンシラリーサービスで実施されるLFC制御及びGF制御の一例を説明する。
「LFC制御の一例」
第1のサービス部1の第1の処理部101は、制御部105から取得した制御情報に基づき、蓄電池30ごとに、アンシラリーサービスのための出力上限を特定する。なお、図6に示すようにサービス間で融通する出力が存在する場合、制御部105は、サービス間で融通する出力をいずれのサービスに割り振るか決定するための情報(例:需要家毎の契約サービス内容(オール電化等)や、需要家毎の電力需要予測情報等)を収集し、当該情報に基づき当該出力の割り振りを決定する。そして、制御部105は、決定した内容を第1のサービス部1及び第2のサービス部2に送信する。第1の処理部101は、このように制御部105から送信されてきた情報に基づき、アンシラリーサービスのための出力上限を特定する。
第1の処理部101は、アンシラリーサービスのための出力上限を特定した後、蓄電池30ごとに、LFC制御のための出力の上限amax_nを特定する(nは蓄電池30の通番)。amax_nは、蓄電池30用のPCSの定格出力値を100%とした割合で示されてもよいし、x[W]のように示されてもよい。
上限amax_nは、制御情報で示されるアンシラリーサービスのための出力上限であってもよいし、アンシラリーサービスのための出力上限をLFC制御に割り振った値(GF制御に割り振る分を考慮して)であってもよいし、これらに係数βn(βnは0以上1以下)を掛けた値であってもよい。
係数βnは、各蓄電池30の状態(SOC、温度、故障や動作異常の起こる可能性)に応じて定まる。例えば、SOCが所定範囲(例:20%以上80%以下)に入っている場合、すなわち充電電力量と空き容量のバランスが良好である場合、入っていない場合に比べて大きい値を決定してもよい。また、温度が所定値より低い場合、所定値より高い場合に比べて大きい値を決定してもよい。また、故障や動作異常及び通信異常の起こる可能性が所定レベルより高いと判断される場合、所定レベルより低いと判断される場合に比べて小さい値を決定してもよい。各蓄電池30の状態を示す情報から係数βnを決定するアルゴリズムの詳細は設計的事項である。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20各々から所定周期(例:5分)で、各蓄電池30の状態を示す情報を収集する。そして、第1の処理部101は、当該情報に基づき、所定周期(例:15分)で蓄電池30ごとに係数βnを決定し、決定した係数βnを用いて上限amax_nを決定する。
各蓄電池30の上限amax_nを決定した後、第1の処理部101は、複数の蓄電池30各々のamax_nを足し合わせたAmaxを算出する。当該Amaxが、制御装置10により提供されるLFC制御(アンシラリーサービス)で対応可能な蓄電池群全体での出力の上限となる。制御装置10は、所定周期(例:15分)で当該Amaxを送配電事業者システム40に通知する。また、制御装置10は、所定周期(例:15分)で、各蓄電池30に対応して決定したamax_n(蓄電池制御信号)を、対応する蓄電池制御装置20に送信する。
また、第1の受信部102は、送配電事業者システム40からLFC信号を所定周期(例:数秒)で繰り返しまたは不定周期で受信する。LFC信号には、複数の蓄電池30で充電又は放電する電力[W]の指令値が含まれる。送配電事業者システム40は、制御装置10から通知されたAmax以下の範囲で上記指令値を決定し、制御装置10に通知する。なお、LFC信号は、動作内容(充電及び放電)を識別可能になっている。例えば、充電の時は正の値、放電の時は負の値で示されてもよい。
LFC信号がAmax以下の範囲での電力[W]の値として送られてくる場合、LFC信号の受信に応じて、第1の処理部101は、LFC信号で特定される指令値をAmaxで割った値Bを算出する。そして、通信部106は、算出された当該値Bを含む蓄電池制御信号を、複数の蓄電池制御装置20に一斉送信する。ここでの蓄電池制御信号の送信は、所定周期(例:数秒)で繰り返しまたは不定周期で行われる。一斉送信の実現手段としては、例えばマルチキャスト、FM通信等を用いたブロードキャスト、その他の手法を用いることもできる。
各蓄電池制御装置20の算出部22は、通信部21が所定周期(例:15分)で繰り返し受信するamax_nと、通信部21が所定周期(例:数秒)で繰り返しまたは不定周期で受信する値Bとに基づき、対応する蓄電池30の制御内容を算出する。具体的には、蓄電池制御装置20の算出部22は、amax_nとBとの積を、蓄電池30の出力値(充電又は放電)として算出する。
そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、算出したLFC制御のための蓄電池30の出力(充電又は放電)と、各タイミングにおけるエネルギーマネジメントサービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)とを足し合わせることで、各タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。なお、算出部22は、さらに、以下で説明するGF制御のための蓄電池30の出力(充電又は放電)を足し合わせることで、各タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定してもよい。そして、蓄電池制御装置20の蓄電池制御部23は、算出部22が決定した内容で蓄電池30を動作させる。足し合わせる処理においては、充電させる電力及び放電させる電力の一方を正の値で表し、他方を負の値で表すことができる(以下同様)。
当該例の変形例として、送配電事業者システム40は、複数の蓄電池30で充電又は放電する電力[W]の指令値を含むLFC信号に代えて、指令値をAmaxで割った値Bを含むLFC信号を制御装置10に送信してもよい。そして、通信部106は、当該値Bを含む蓄電池制御信号を、複数の蓄電池制御装置20に一斉送信してもよい。この場合、蓄電池制御装置20は、amax_nとBとの積を、蓄電池30の出力値(充電又は放電)として算出する。
他の変形例として、通信部106は、複数の蓄電池制御装置20に、各蓄電池30に対応して決定したamax_nに加えて、Amaxを所定周期(例:15分)で繰り返し送信してもよい。そして、送配電事業者システム40から、複数の蓄電池30で充電又は放電する電力[W]の指令値を含むLFC信号を受信すると、通信部106は、指令値をAmaxで割った値Bに代えて、当該指令値を含むLFC信号を複数の蓄電池制御装置20に一斉送信してもよい。そして、各蓄電池制御装置20が、指令値をAmaxで割った値Bにamax_nを掛けて、蓄電池30の出力値(充電又は放電)を算出してもよい。
他の変形例として、第1の処理部101は、各蓄電池30に対応して決定したamax_nを、Amaxで割った値dnを算出してもよい。そして、通信部106は、amax_nに代えて、dnを、複数の蓄電池制御装置20に所定周期(例:15分)で繰り返し送信してもよい。そして、送配電事業者システム40から、複数の蓄電池30で充電又は放電する電力[W]の指令値を含むLFC信号を受信すると、通信部106は、当該指令値を含むLFC信号を複数の蓄電池制御装置20に一斉送信してもよい。そして、各蓄電池制御装置20が、指令値にdnを掛けて、蓄電池30の出力値(充電又は放電)を算出してもよい。
「GF制御の一例」
第1のサービス部1の第1の処理部101は、制御部105から取得した制御情報に基づき、蓄電池30ごとに、アンシラリーサービスのための出力上限を特定する。なお、図6に示すようにサービス間で融通する出力が存在する場合、制御部105は、サービス間で融通する出力をいずれのサービスに割り振るか決定するための情報(例:需要家毎の契約サービス内容(オール電化等)や、需要家毎の電力需要予測情報等)を収集し、当該情報に基づき当該出力の割り振りを決定する。そして、制御部105は、決定した内容を第1のサービス部1及び第2のサービス部2に送信する。第1の処理部101は、このように制御部105から送信されてきた情報に基づき、アンシラリーサービスのための出力上限を特定する。
第1の処理部101は、アンシラリーサービスのための出力上限を特定した後、蓄電池30ごとに、GF制御のための出力の上限cmax_nを特定する(nは蓄電池の通番)。cmax_nは、蓄電池30用のPCSの定格出力値を100%とした割合で示されてもよいし、x[W]のように示されてもよい。
上限cmax_nは、制御情報で示されるアンシラリーサービスのための出力上限であってもよいし、アンシラリーサービスのための出力上限をGF制御に割り振った値(LFC制御に割り振る分を考慮して)であってもよいし、これらに係数γn(γnは0以上1以下)を掛けた値であってもよい。
係数γnは、各蓄電池30の状態(SOC、温度、故障や動作異常の起こる可能性)に応じて定まる。例えば、SOCが所定範囲(例:20%以上80%以下)に入っている場合、すなわち充電電力量と空き容量のバランスが良好である場合、入っていない場合に比べて大きい値を決定してもよい。また、温度が所定値より低い場合、所定値より高い場合に比べて大きい値を決定してもよい。また、故障や動作異常及び通信異常の起こる可能性が所定レベルより高いと判断される場合、所定レベルより低いと判断される場合に比べて小さい値を決定してもよい。各蓄電池30の状態を示す情報から係数γnを決定するアルゴリズムの詳細は設計的事項である。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20各々から所定周期(例:5分)で、各蓄電池30の状態を示す情報を収集する。そして、第1の処理部101は、当該情報に基づき、所定周期(例:15分)で蓄電池30ごとに係数γnを決定し、決定した係数γnを用いて上限cmax_nを決定する。
各蓄電池30の上限cmax_nを決定した後、第1の処理部101は、蓄電池30ごとに、GF制御の内容を決定する。具体的には、第1の処理部101は、各蓄電池30で充電又は放電する電力[W]の指令値を、系統周波数の基準値からの乖離の程度に応じて定めたGF制御情報(例:関数、対応テーブル等)を生成する。GF制御情報においては、出力の最大値が、上限cmax_n以下となるように定められる。通信部106は、複数の蓄電池制御装置20各々に、各々に対応したGF制御情報を送信する。
各蓄電池制御装置20の通信部21は、制御装置10からGF制御情報を受信する。また、各蓄電池制御装置20の通信部21は、自装置の近くに設置された測定サンサー(例:図17の計量器や蓄電池30のPCS内の内蔵センサー)から、系統周波数の測定値を所定周期(例:0.4秒)で繰り返し受信する。そして、各蓄電池制御装置20の算出部22は、当該測定値と、予め与えられていた基準値とに基づき、系統周波数の基準値からの乖離を繰り返し算出する。また、各蓄電池制御装置20の算出部22は、算出した乖離と、GF制御情報とに基づき、各タイミングにおける複数の蓄電池30で充電又は放電する電力[W]の指令値を特定する。
そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、算出したGF制御のための蓄電池30の出力(充電又は放電)と、各タイミングにおけるエネルギーマネジメントサービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)とを足し合わせることで、各タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。なお、算出部22は、さらに、上述したLFC制御のための蓄電池30の出力(充電又は放電)を足し合わせることで、各タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定してもよい。そして、蓄電池制御装置20の蓄電池制御部23は、決定した内容で蓄電池30に動作させる。
次に、第2のサービス部2の構成について説明する。第2のサービス部2は、制御部105が取得又は自身で設定した制御情報に基づき、蓄電池30の充放電スケジュール(第2の情報)を決定する。例えば、第2のサービス部2は、前日に、翌日1日分の充放電スケジュールを生成する(第2の処理部103)。そして、通信部106は、当該充放電スケジュールを各蓄電池制御装置20に送信する。
第2の処理部103は、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限以下を満たす範囲で、充電及び放電させる充放電スケジュールを生成する。また、エネルギーマネジメントサービスで充電可能な電力の上限(例:SOC95%まで充電可能)、及び、放電可能な電力の上限(例:SOC5%まで放電可能)が定まっている場合、これを満たす範囲で、充電及び放電させる充放電スケジュールを生成する。
充放電スケジュールの生成方法は特段制限されないが、以下一例を説明する。まず、第2の処理部103は、時間帯毎の電力単価(各需要家が電力会社から購入する場合の電力単価。翌日分。)に基づき、充電させる時間帯及び放電させる時間帯を決定することができる。
第2の処理部103は、電力単価が相対的に高い時間帯を放電させる時間帯とし、電力単価が相対的に低い時間帯を充電させる時間帯とする。例えば、第2の処理部103は、電力単価が所定値より高い時間帯を放電させる時間帯とし、当該所定値以下の時間帯を充電させる時間帯としてもよい。所定値は、例えば、時間帯ごとに設定された電力単価(例:X1時からX2時「Y1円/kWh」、X2時からX3時「Y2円/kWh」、・・・)の平均値(Y1、Y2、・・・の平均値)であってもよいし、予め第2の処理部103に与えられた値であってもよい。
そして、第2の処理部103は、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限以下を満たす範囲で、充電させる時間帯に充電させ、かつ、放電させる時間帯に放電させる充放電スケジュールを生成する。なお、これら充放電では、1日をサイクルとして、エネルギーマネジメントサービスで充電可能な電力の上限(例:SOC95%まで充電可能)を超えない範囲で、積算充電量ができるだけ大きくなるのが好ましい。また、エネルギーマネジメントサービスで放電可能な電力の上限(例:SOC5%まで放電可能)を超えない範囲で、積算放電量ができるだけ大きくなるのが好ましい。なお、第2の処理部103は、SOCの値が所定の値以下又は所定の値以上になる時間帯が蓄電池30ごとに異なるように、複数の蓄電池30各々に対応する第2の情報を生成してもよい。
各蓄電池制御装置20の通信部21は、上記充放電スケジュールを受信する(または、時間帯別電力単価の情報やエネルギーマネジメントサービスのための時間帯別の出力の上限値の情報を受信して、算出部22でスケジュールを生成しても良い。その場合は、生成したスケジュールを、通信部21から、制御装置10に送信する)。そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、当該充放電スケジュールに基づき、各タイミングで蓄電池30に充電させる電力、及び、放電させる電力を特定する。そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、各タイミングにおけるエネルギーマネジメントサービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)と、アンシラリーサービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)とを足し合わせることで、当該タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。そして、蓄電池制御装置20の蓄電池制御部23は、特定した内容で蓄電池30を動作させる。
ここで、制御装置10の変形例を説明する。図3に示す例では、各サービス部(第1のサービス部1及び第2のサービス部2)に対応して受信部(第1の受信部102及び第2の受信部104)を設けているが、これに代えて、複数のサービス部に共通の受信部を設けてもよい。また、図3に示す例では、複数のサービス部に共通の通信部106を設けているが、各サービス部に対応して通信部を設けてもよい。当該前提は、以下のすべての実施形態において同様である。
次に、本実施形態の蓄電池制御装置20の構成を説明する。図7に本実施形態の蓄電池制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、蓄電池制御装置20は、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。
通信部21は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関する第2の情報を受信する。
例えば、通信部21は、LFC制御に関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報(例:amax_n、B、指令値、Amax、dn等)を受信することができる。
また、通信部21は、GF制御に関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報(例:GF制御情報)や、系統周波数等を受信することができる。例えば、通信部21は、自装置の近くに設置された測定サンサー(例:図17の計量器や蓄電池30のPCS内の内蔵センサー)から系統周波数を受信することができる。
また、通信部21は、エネルギーマネジメントサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報(充放電スケジュール、若しくは充放電スケジュールを決定するために必要な情報)を受信することができる。
なお、通信部21は、データの輻輳を回避するため、これらの情報各々を受信するための複数の受信部を備えてもよいし、1つの受信部で複数の情報を受信してもよい。また、通信部21は、データの輻輳を回避するため、各種情報を送信するための複数の送信部を備えてもよいし、1つの送信部で各種情報を送信してもよい。
算出部22は、第1の情報及び第2の情報に基づき、蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。具体的には、算出部22は、第1の情報に基づき、アンシラリーサービスに関連して各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を特定する。また、算出部22は、第2の情報に基づき、エネルギーマネジメントサービスに関連して各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を特定する。そして、算出部22は、それらを足し合わせることで、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を特定する。
図8を用いて算出部22による処理の概念を説明する。図8では、横軸に時刻、縦軸に蓄電池30に充電又は放電させる電力(PCSの制御率)を取ったグラフを示している。図中の「第1向け」は、第1の情報に基づき特定された、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第2向け」は、第2の情報に基づき特定された、エネルギーマネジメントンサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。
算出部22は、蓄電池30に充電させる電力をプラスの値、蓄電池30に放電させる電力をマイナスの値とし(逆でもよい)、各タイミングでアンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出している。また、同様にして、各タイミングでエネルギーマネジメントサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出している。各タイミングで各サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を足し合わせることで、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力が算出される。なお、制御情報に基づき各サービスのための出力が調整されているため、いずれのタイミングにおいても、足し合わせた値が、充電出力の制御率100%、及び、放電出力の制御率100%を超えることはない(つまり、PCSの定格出力を超えることは無い)。
蓄電池制御部23は、算出部22により算出された内容で蓄電池30を制御する(充電又は放電させる)。
以上説明した本実施形態によれば、一の蓄電池30にアンシラリーサービスとエネルギーマネジメントサービスとを並行して同時に実施させることができる。すなわち、両サービス各々に対応した充電及び放電を、同タイミングで一の蓄電池30に行わせることができる。当該技術により、蓄電池及びPCSの利用効率が高まる。
また、本実施形態では、事前に、各サービスのためのPCSの出力の上限が定められる。そして、当該上限を満たす範囲で、各サービスでの出力がなされる。このため、各サービスのための出力の和が、蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えるという不都合の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、各サービスのためのPCSの出力の上限を、時間帯毎に変更することができる。このため、各時間帯において優先すべきサービスに、より大きい出力を与えることができる。なお、各サービスのためのPCS出力の上限値の決定は、制御装置10側で実施しても良いが、蓄電池制御装置20側で実施し、その内容を制御装置10に送る形で実施してもよい。
また、本実施形態では、アンシラリーサービスと、エネルギーマネジメントサービスとを、一の蓄電池30に並行して実施させる。上述の通り、これら2つのサービスを組み合わせた本実施形態の場合、蓄電池30の充電電力量及び空き容量の観点においても不都合なく、両サービスを並行して一の蓄電池30に実施させることができる。
なお、時系列に第1の情報を観察すると、第1の情報で特定される「蓄電池30に充電させる充電電力[W]の積算量[Wh]」と、第1の情報で特定される「蓄電池30に放電させる放電電力[W]の積算量[Wh]」とが対応する(互いの値が等しくなる)第1のタイミングが繰り返し現れる。
また、時系列に第2の情報を観察すると、第2の情報で特定される「蓄電池30に充電させる充電電力[W]の積算量[Wh]」と、第2の情報で特定される「蓄電池30に放電させる放電電力[W]の積算量[Wh]」とが対応する(互いの値が等しくなる)第2のタイミングも繰り返し現れる。
そして、第1のタイミングが現れる周期と、第2のタイミングが現れる周期とは互いに異なる。具体的には、第1のタイミングが現れる周期は、第2のタイミングが現れる周期よりも短い。このような関係となる第1のサービスと第2のサービスとを並行して実施させる本実施形態においては、蓄電池30の充電電力量及び空き容量の観点においても不都合なく、両サービスを並行して一の蓄電池30に実施させることができる。
ここで、本実施形態の変形例を説明する。なお、当該変形例は以下の実施形態において適用されてもよい。
「変形例1」
図25に示すように、制御装置10は、第2のサービス部2を有さなくてもよい。そして、第1の受信部102は、各蓄電池30用のPCSの定格出力値[W]を受信し、第1の処理部101は、第1のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を特定するための第1の情報を、各蓄電池30用のPCSの定格出力値[W]に基づいて生成してもよい。第1の処理部101は、第1のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]が各蓄電池30用のPCSの定格出力値[W]未満、例えば定格出力値[W]のQ%(0<Q<100)以下となるように、第1の情報を生成する。例えば、第1の処理部101は、各蓄電池30のLFC制御のための上限amax_n及びGF制御のための上限cmax_nを、これらの和が各蓄電池30用のPCSの定格出力値[W]未満、例えば定格出力値[W]のQ%(0<Q<100)以下となるように決定する。そして、通信部106は、当該第1の情報を蓄電池制御装置20に送信する。
蓄電池制御装置20は、図7に示すように、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。通信部21は、第1の情報を受信する。算出部22は、第1の情報に基づいて、第1のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を特定する。
また、算出部22は、第1の情報及び各蓄電池30用のPCSの定格出力値[W]に基づいて、第2のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を特定する。具体的には、算出部22は、定格出力値[W]から第1のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を引いた値を、第2のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]の最大値として特定する。
そして、算出部22は、第2のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を、当該最大値以下の範囲で決定する。例えば、算出部22は、上述した第2の処理部103と同様の方法で、充電させる時間帯及び放電させる時間帯を決定する。そして、充電させる時間帯においては、上記最大値又はそれに準ずる値で蓄電池30に充電させることを決定する。一方、放電させる時間帯においては、上記最大値以下の範囲で、「所定の測定センサーで測定されたその時点の負荷の総消費電力[W]」を、蓄電池30に放電させることを決定する。
そして、算出部22は、第1の情報に基づいて特定した「第1のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]」と、算出した「第2のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]」とを足し合わせることで、蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を算出する。
蓄電池制御部23は、算出部22により算出された内容で蓄電池30を制御する。
当該変形例の場合、制御装置10から複数の蓄電池制御装置20に送信する情報の量を減らす(第2の情報を送信しない分)ことができる。
「変形例2」
他の変形例を説明する。本変形例の制御装置10の機能ブロック図の一例は、図3で示される。第1のサービス部1、第2のサービス部2及び制御部105の構成は、上述の通りである。通信部106は、第1のサービス部1で生成された第1の情報を蓄電池制御装置20に送信するが、第2のサービス部2で生成された第2の情報を蓄電池制御装置20に送信しない。
当該変形例の蓄電池制御装置20の構成は、変形例1の蓄電池制御装置20の構成と同様である。
当該変形例の場合、制御装置10から複数の蓄電池制御装置20に送信する情報の量を減らす(第2の情報を送信しない分)ことができる。なお、第2のサービス部2が生成した第2の情報は制御装置10内で管理され、各蓄電池制御装置20の制御内容の把握(推測)等に利用される。
「変形例3」
他の変形例を説明する。本変形例の制御装置10の機能ブロック図の一例は、図3で示される。
制御部105は、蓄電池30に関する情報であって、第1のサービスのための出力の上限及び第2のサービスのための出力の上限の少なくとも一方を示す制御情報を取得又は設定する。そして、制御装置10は、第1のサービス部1の第1の処理部101が制御情報に基づき第1の情報を生成する処理、及び、第2のサービス部2の第2の処理部103が制御情報に基づき第2の情報を生成する処理の少なくとも一方を行う。第1のサービス部1の第1の処理部101が制御情報に基づき第1の情報を生成する処理、及び、第2のサービス部2の第2の処理部103が制御情報に基づき第2の情報を生成する処理の詳細は、上述の通りである。
通信部106は、第1の情報及び第2の情報の少なくとも一方(生成された方)を蓄電池制御装置20に送信する。
当該変形例の蓄電池制御装置20の構成は、変形例1の蓄電池制御装置20の構成と同様である。すなわち、蓄電池制御装置20は、受信した第1の情報又は第2の情報に基づき、「第1のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]」、及び、「第2のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]」の少なくとも一方を特定する。そして、PCSの定格出力値から特定した電力を引いた値を、他方のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]の最大値として特定する。その後、算出部22は、他方のサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力[W]を、当該最大値以下の範囲で決定する。
当該変形例の場合、制御装置10から複数の蓄電池制御装置20に送信する情報の量を減らす(第2の情報を送信しない分)ことができる。
<第2の実施形態>
本実施形態は、アンシラリーサービス(第1のサービス)、及び、インバランス回避サービス(第2のサービス)を並行して一の蓄電池30に実施させる点で、第1の実施形態と異なる。
インバランス回避サービスは、小売電気事業者に向けたサービスである。小売電気事業者は、自システムの調整による30分同時同量の達成が困難な場合、リソースアグリゲータに、小売電気事業者が電力供給契約している需要家の有する蓄電池に対して、所定のタイミングで所定量の充電又は放電を依頼する。リソースアグリゲータは、上記依頼に基づき蓄電池30を制御し、所定のタイミングで所定量の充電又は放電を行わせる。
ここで、本実施形態の制御システムの全体像を説明する。図9に本実施形態の制御システムの機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の制御システムは、小売電気事業者システム50を有する点で第1の実施形態と異なる。
小売電気事業者システム50は、小売電気事業者に保有されるシステムである。小売電気事業者システム50は、自システムの調整による30分同時同量の達成が困難な場合、制御装置10に、所定のタイミングでの所定量の充電又は放電を依頼する。
図3に、本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置10は、第1のサービス部1と、第2のサービス部2と、制御部105、通信部106とを有する。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20と通信し、情報の送受信を行う。
第1のサービス部1は、アンシラリーサービスのための処理を実行する機能部である。第1のサービス部1は、第1のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40から送信される需給制御信号)を受信する第1の受信部102と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第1の処理部101とを有する。第2のサービス部2は、インバランス回避サービスのための処理を実行する機能部である。第2のサービス部2は、第2のサービスのための情報(例:小売電気事業者システム50からの充放電依頼)を受信する第2の受信部104と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第2の処理部103とを有する。
制御部105は、第1のサービス部1及び第2のサービス部2を制御する。制御部105は、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、インバランス回避サービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えないように制御することができる。
当該制御を実現するため、制御部105は、蓄電池30に関する情報であって、アンシラリーサービスのための出力の上限、及び、インバランス回避サービスのための出力の上限を示す制御情報を取得または自身で設定する。アンシラリーサービスのための出力の上限と、インバランス回避サービスのための出力の上限との和は、蓄電池30用のPCSの定格出力値以下である。
第1のサービス部1及び第2のサービス部2は、当該制御情報で示される各サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力の上限を超えないように、各蓄電池30の充電又は放電を実行させる。結果、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、インバランス回避サービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超える不都合を回避できる。
制御情報の内容は、第1の実施形態と同様である。例えば、リソースアグリゲータのオペレータが制御情報を設定し、制御部105に入力してもよい。その他、制御部105が制御情報を設定してもよい。制御部105が制御情報を設定する処理は、第1の実施形態と同様である。
ところで、蓄電池30に2つのサービスを並行して実施させる場合、各サービスで用いる出力[W]の調整のみならず、各サービスで用いる容量[Wh]の調整をも検討する必要がある。しかし、並行して実施される2つのサービスが、アンシラリーサービス及びインバランス回避サービスである本実施形態の場合、各サービスで用いる容量[Wh]の調整を行う必要性を大幅に低減できる。以下、説明する。
アンシラリーサービスに関連して蓄電池30を制御した場合、蓄電池30は充電処理及び放電処理を比較的短い周期で繰り返すこととなる。いずれか一方のみを長時間にわたって継続することは稀である。このため、アンシラリーサービスでの積算充電量[Wh]と積算放電量[Wh]との差を時系列に観察すると、SOCの変動は伴うものの、比較的短い時間間隔で繰り返し、当該差が「0」となる時点が現れる。例えば、SOCの変動幅として±15%程度のゆらぎ(つまり、充電側に+15%程度の範囲でうごき、また放電側に−15%程度の範囲でうごくといった動作)はあるものの、平均的には積算充電量と積算放電量とを等しくすることができる。なお、蓄電池30の充放電損失分を補償するようなバイアス制御を含む運用を前提としている。
そして、インバランス回避サービスにおいては、比較的長い時間(例えば30分間)で、所定量の充電、及び、所定量の放電を達成すればよい。このため、インバランス回避サービスの目的(比較的長い時間での所定量の充電、及び、所定量の放電)を達成する上で、アンシラリーサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化はほとんど影響しない。すなわち、インバランス回避サービスの目的を達成する上で、アンシラリーサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化を考慮する必要性は少ないと言える。
また、インバランス回避サービスにおいては、SOC「0」、及び、SOC「100%」とする必要性は低く、むしろ、充電及び放電の両方に対応できるよう、空き容量と充電電力の両方がバランスよく存在するのが好ましい。これは、アンシラリーサービスにおいても同様である。アンシラリーサービスにおいては、送配電事業者システム40からの指示に従い各タイミングで所定電力[W]での放電及び充電を行えればよい。上述の通り充電処理及び放電処理を比較的短い周期で繰り返すアンシラリーサービスの場合、比較的小さい空き容量と、比較的小さい充電電力の両方が蓄電池30に確保されていれば足りる。
すなわち、インバランス回避サービスのために好ましい充電電力量及び空き容量のバランスを保っておけば、アンシラリーサービスにおいて特段不都合はない。このため、アンシラリーサービスの目的を達成する上で、インバランス回避サービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化を考慮する必要性は少ないと言える。
なお、理論上、インバランス回避サービスにより、蓄電池30の容量が、SOC「0」や「100%」となるタイミングが存在し得る。SOC「0」の場合、アンシラリーサービスでの放電制御が不可となり、SOC「100%」の場合、アンシラリーサービスでの充電制御が不可となる。
このような状況を回避するため、インバランス回避サービスで利用可能な蓄電池30の容量を予め定めておいてもよい。例えば、インバランス回避サービスで充電できる電力の上限(例:SOC85%まで充電可能)や、インバランス回避サービスで放電できる電力の上限(例:SOC15%まで放電可能)を予め定めておいてもよい。かかる場合、制御部105は、インバランス回避サービスで充放電できる上限及び下限を示す情報(インバランス回避サービスの実施が予定される時刻を起点に30分間で充電、又は放電できる電力量Whとその電力量を実現するための出力Wの上限、下限の予測・推定値など)をさらに取得する。例えば、リソースアグリゲータのオペレータが決定し、制御部105に入力する。そして、第2のサービス部2は、当該情報に基づき、蓄電池30の動作を制御する。加えて、複数台の蓄電池30を用いてアンシラリーサービスを実施する場合は、SOC「0」又は「100%」になる時間帯を、蓄電池30毎に少しずつ、ずらすような運用を第2のサービス部2が行えば(例:第2の処理部103は、SOCが0又は100%になる時間帯が蓄電池30毎にずれる第2の情報を生成する。)、全ての時間帯で、継続的にアンシラリーサービスを実施することができる。
次に、第1のサービス部1及び第2のサービス部2の構成を説明する。第1のサービス部1の構成は、第1の実施形態と同様である。
第2のサービス部2は、制御部105が取得または自身で設定した制御情報、及び、小売電気事業者システム50から受信する依頼に基づき、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。第2のサービス部2は、各蓄電池30の出力電力(充電電力及び放電電力)が、制御情報で特定されるインバランス回避サービスのための出力の上限を超えないように、蓄電池30の動作を制御する。
例えば、第2の処理部103は、複数の蓄電池制御装置20から所定周期で繰り返し受信する各蓄電池30の状態(例:SOC)を示す情報や、各需要家の現在の電力需要の値(蓄電池の充放電出力を含む)、及び将来の電力需要予測等に基づき、インバランス回避サービスで充電させることができる電力量や放電させることができる電力量等の最新の値、また、将来のインバランス回避サービスの実施が予定される各時間帯の30分毎の推定値を蓄電池30ごとに把握する。そして、第2の処理部103は、それらを足し合わせることで、複数の蓄電池30全体で充電させることができる電力量や放電させることができる放電量等の最新の値、また、将来の各時間帯における推定値を算出する。そして、第2の処理部103は、各需要家の各時間帯のベースラインの情報を考慮し、全蓄電池群で実施可能なインバランス回避用の電力量[Wh]の上限値を、各時間帯に対して、算出する。
制御装置10は、第2の処理部103が算出した上記結果を小売電気事業者システム50に送信する。小売電気事業者システム50は、当該情報に基づき、インバランス回避用に期待できる電力量[Wh]の上限を超えない範囲で、インバランス回避のための依頼(いつ、何Wh分のインバランス回避用の電力量を要求するか)を行う。
第2の処理部103は、第2の受信部104が小売電気事業者システム50から受信した依頼に基づき、充電又は放電を行う電力量[Wh]、及び、時間帯を特定する。そして、第2の処理部103は、依頼の内容、及び、把握している各蓄電池30で充電及び/又は放電できる電力量等に基づき、充電又は放電を行わせる蓄電池30を選択するとともに、各蓄電池30に充電又は放電させる電力量[Wh]を決定する。そして、第2の処理部103は、決定された電力量を、上記時間帯の中で充電又は放電させる充放電スケジュール(第2の情報)を生成する。そして、通信部106は、当該充放電スケジュールを、ベースライン電力の情報とともに、各蓄電池制御装置20に送信する。
なお、第2の処理部103は、各タイミングにおける充電又は放電させる電力が、制御情報で特定されるインバランス回避サービスのための出力の上限を超えないように、充放電スケジュールを生成する。
各蓄電池制御装置20の通信部21は、インバランス回避サービスのための充放電スケジュール及びベースライン電力の情報を受信する。そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、当該充放電スケジュールに基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。なお、充放電スケジュールとしては、例えば、13:00−13:30にベースライン電力(例:1.2kW)を基準に、差分として1kWhの充電がスケジュールされていたような場合、{(需要家の負荷が消費する電力+蓄電池の充電電力)−(ベースライン電力)}×30分=1kWh、となるように、蓄電池の充電電力を制御するというスケジュールである。そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、各タイミングにおけるインバランス回避サービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)と、アンシラリーサービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)とを足し合わせることで、当該タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。そして、蓄電池制御装置20の蓄電池制御部23は、特定した内容で蓄電池30に動作させる。
次に、本実施形態の蓄電池制御装置20の構成を説明する。図7に本実施形態の蓄電池制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、蓄電池制御装置20は、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。
通信部21は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、及び、インバランス回避サービス(第2のサービス)に関する第2の情報を受信する。通信部21が受信するアンシラリーサービスに関する第1の情報は、第1の実施形態と同様である。
例えば、通信部21は、インバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報(充放電スケジュール及びベースライン電力の情報)を、間欠的に(小売電気事業者システム50から依頼がある都度)、繰り返し受信することができる。
なお、通信部21は、データの輻輳を回避するため、これらの情報各々を受信するための複数の受信部を備えてもよいし、1つの受信部で複数の情報を受信してもよい。
算出部22及び蓄電池制御部23の構成は、第1の実施形態と同様である。
以上説明した本実施形態によれば、一の蓄電池30にアンシラリーサービスとインバランス回避サービスとを並行して実施させることができる。すなわち、両サービス各々に対応した充電及び放電を、同タイミングで一の蓄電池30に行わせることができる。当該技術により、蓄電池及びPCSの利用効率が高まる。
また、本実施形態では、事前に、各サービスのためのPCSの出力の上限が定められる。そして、当該上限を満たす範囲で、各サービスでの出力がなされる。このため、各サービスのための出力の和が、蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えるという不都合の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、各サービスのためのPCSの出力の上限を、時間帯毎に変更することができる。このため、各時間帯において優先すべきサービスに、より大きい出力を与えることができる。
また、本実施形態では、アンシラリーサービスと、インバランス回避サービスとを、一の蓄電池30に並行して実施させる。上述の通り、これら2つのサービスを組み合わせた本実施形態の場合、蓄電池30の充電電力量及び空き容量の観点においても不都合なく、両サービスを並行して一の蓄電池30に実施させることができる。
なお、本実施形態では、アンシラリーサービス用のPCSの出力を必ず確保する手法を説明したが、時間帯に応じたサービスの優先順位の状況や需要家の負荷の状態によっては、どちらか一方の出力を止めたり、一方を止めたうえで、止めなかった方のサービス用の出力を増したりすることも可能である。
例えば、インバランス回避サービスを実施する時間帯において、蓄電池制御装置20が、他の機器が電力を使用するであろうため、蓄電池30の充電を増やすとブレーカが落ちるといった不具合を想定した際、それが起きる可能性を示す情報(例:需要家内の総消費電力と、所定値との差が所定レベルより小さくなったことを示す情報)を、需要家側の任意の装置から制御装置10へ送信するようにする。
当該情報の受信に応じて、制御装置10は、インバランス回避サービス時間帯での、アンシラリーサービスを当該需要家の蓄電池30では実施しないことを決定し、その情報を当該需要家の蓄電池制御装置20へ送信する。蓄電池制御装置20は、当該情報に従い、当該時間帯ではインバランス回避サービスに基づいた充放電のみを蓄電池30に実施させる。その際、インバランス回避サービス用の上限出力を蓄電池30用のPCSの定格出力値まで上昇させる。インバランス回避用の充放電では、蓄電池制御装置20がローカルに負荷の電力消費をモニタしながら出力を決定できるため、ブレーカが落ちない範囲で、充放電出力を制御でき、上限出力を上げることで、所定の時間内(30分)で、所望のWhの電力量を達成すれば良いという、インバランス回避において、所望のWh値を、短時間で達成できるため、その後は、インバランス回避サービスを停止し、アンシラリーサービスを再開することが可能になる。
このように、制御装置10の制御部105は、第1のサービス及び第2のサービスの内の一方の実施を停止させることを決定することができる。そして、通信部106は、第1のサービス及び第2のサービスの内の一方の実施を停止させ信号を蓄電池制御装置20に送信することができる。
また、制御部105、第1のサービス及び第2のサービスの内の一方の実施を停止させ、他方の出力の上限を引き上げることを決定することができる。そして、第1のサービスの出力の上限を引き上げられた場合、第1の処理部101は、引き上げられた出力の上限に基づき第1の情報を生成することができる。一方、第2のサービスの出力の上限を引き上げられた場合、第2の処理部103は、引き上げられた出力の上限に基づき第2の情報を生成することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態は、アンシラリーサービス(第1のサービス)、及び、余剰電力吸収サービス(第2のサービス)を並行して一の蓄電池30に実施させる点で、第1及び第2の実施形態と異なる。
余剰電力吸収サービスは、自然エネルギー(例:太陽光)を利用した発電装置等を保有する発電事業者に向けたサービスである。発電事業者は、送配電事業者から出力抑制の要請(電力系統への逆潮流の抑制)を受けると、リソースアグリゲータに、当該出力抑制を回避するための充電を依頼する。リソースアグリゲータは、上記依頼に基づき蓄電池30を制御し、所定のタイミングで充電を行わせる。
出力抑制の要請では、抑制する時間帯(例:翌日1日、翌日の13時から16時等)が定められる。抑制する量は、例えば、出力「0」である場合や、出力の上限(定格出力の○○%)を単位時間帯(例:30分)毎に定められる場合などが考えらえる。
ここで、本実施形態の制御システムの全体像を説明する。図10に本実施形態の制御システムの機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の制御システムは、発電事業者システム60を有する点で第1の実施形態と異なる。
発電事業者システム60は、発電事業者に保有されるシステムである。発電事業者システム60は、送配電事業者システム40から翌日分の出力抑制の要請を受信すると、それを制御装置10に送信し、抑制された分の充電を依頼する。また、発電事業者システム60は、翌日分の発電予測を算出し、制御装置10に送信してもよい。発電予測は、翌日の属性(天気、気温等)等に基づき算出される。発電予測の算出方法の詳細は設計的事項である。
図3に、本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置10は、第1のサービス部1と、第2のサービス部2と、制御部105、通信部106とを有する。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20と通信し、情報の送受信を行う。
第1のサービス部1は、アンシラリーサービスのための処理を実行する機能部である。第1のサービス部1は、第1のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40から送信される需給制御信号)を受信する第1の受信部102と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第1の処理部101とを有する。第2のサービス部2は、余剰電力吸収サービスのための処理を実行する機能部である。第2のサービス部2は、第2のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40からの充電依頼、発電予測)を受信する第2の受信部104と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第2の処理部103とを有する。
制御部105は、第1のサービス部1及び第2のサービス部2を制御する。制御部105は、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、余剰電力吸収サービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えないように制御することができる。
制御部105は、蓄電池30に関する情報であって、アンシラリーサービスのための出力の上限、及び、余剰電力吸収サービスのための出力の上限を示す制御情報を取得又は自身で設定する。アンシラリーサービスのための出力の上限と、余剰電力吸収サービスのための出力の上限との和は、蓄電池30用のPCSの定格出力値以下である。
第1のサービス部1及び第2のサービス部2は、当該制御情報で示される各サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力の上限を超えないように、各蓄電池30の充電又は放電を実行させる。結果、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、余剰電力吸収サービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超える不都合を回避できる。
制御情報の内容は、第1の実施形態と同様である。例えば、リソースアグリゲータのオペレータが制御情報を設定し、制御部105に入力してもよい。その他、制御部105が制御情報を設定してもよい。制御部105が制御情報を設定する処理は、第1の実施形態と同様である。
ところで、蓄電池30に2つのサービスを並行して実施させる場合、各サービスで用いる出力[W]の調整のみならず、各サービスで用いる容量[Wh]の調整をも検討する必要がある。しかし、並行して実施される2つのサービスが、アンシラリーサービス及び余剰電力吸収サービスである本実施形態の場合、各サービスで用いる容量[Wh]の調整を行う必要性を大幅に低減できる。以下、説明する。
アンシラリーサービスに関連して蓄電池30を制御した場合、蓄電池30は充電処理及び放電処理を比較的短い周期で繰り返すこととなる。いずれか一方のみを長時間にわたって継続することは稀である。このため、アンシラリーサービスでの積算充電量[Wh]と積算放電量[Wh]との差を時系列に観察すると、SOCの変動は伴うものの、比較的短い時間間隔で繰り返し、当該差が「0」となる時点が現れる。例えば、SOCの変動幅として±15%程度のゆらぎ(つまり、充電側に+15%程度の範囲でうごき、また放電側に−15%程度の範囲でうごくといった動作)はあるものの、平均的には積算充電量と積算放電量とを等しくすることができる。なお、蓄電池の充放電損失分を補償するようなバイアス制御を含む運用を前提としている。
そして、余剰電力吸収サービスにおいては、比較的長い時間(例えば1時間)で、所定量の充電を達成すればよい。このため、余剰電力吸収サービスの目的(比較的長い時間での所定量の充電)を達成する上で、アンシラリーサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化はほとんど影響しない。すなわち、余剰電力吸収サービスの目的を達成する上で、アンシラリーサービスによる蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化を考慮する必要性は少ないと言える。
また、アンシラリーサービスにおいては、送配電事業者システム40からの指示に従い各タイミングで所定電力[W]での放電及び充電を行えればよい。上述の通り充電処理及び放電処理を比較的短い周期で繰り返すアンシラリーサービスの場合、比較的小さい空き容量と、比較的小さい充電電力の両方が蓄電池30に確保されていれば足りる。例えば、余剰電力吸収サービスで充電可能な電力の上限を予め定めておく(例:SOC95%まで充電可能)ことで、余剰電力吸収サービスによる蓄電池30の空き容量及び充電電力の変化はアンシラリーサービスに影響しない。この例の場合、制御部105は、余剰電力吸収サービスで充電できる上限を示す情報をさらに取得する。例えば、リソースアグリゲータのオペレータが決定し、制御部105に入力する。そして、第2のサービス部2は、当該情報に基づき、蓄電池30の動作を制御する。
次に、第1のサービス部1及び第2のサービス部2の構成を説明する。第1のサービス部1の構成は、第1の実施形態と同様である。
第2のサービス部2は、制御部105が取得または自身で設定した制御情報、及び、発電事業者システム60から受信する依頼に基づき、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。第2のサービス部2は、各蓄電池30の出力電力(充電電力)が、制御情報で特定される余剰電力吸収サービスのための出力の上限を超えないように、蓄電池30の動作を制御する。
例えば、第2の処理部103は、送配電事業者システム40から発電事業者60に送信された出力抑制の要請、及び、各発電事業者システム60から受信した翌日の発電予測に基づき、各タイミングで抑制する必要がある電力、すなわち各タイミングで複数の蓄電池30に充電させる電力を算出する。そして、第2の処理部103は、各タイミングで複数の蓄電池30に充電させる電力を複数の蓄電池30に割り振ることで、複数の蓄電池30各々の充電スケジュールを生成する。
なお、制御装置10は、発電事業者システム60から発電予測を受信する処理に代えて、自装置で発電予測を算出してもよい。
また、制御装置10は、複数の発電事業者システム60各々から依頼を受けた場合、複数の発電事業者各々に対応して各タイミングで充電させる電力を算出した後、それらを足し合わせることで、各タイミングで複数の蓄電池30に充電させる電力を算出することができる。そして、第2の処理部103は、各タイミングで複数の蓄電池30に充電させる電力を複数の蓄電池30に割り振ることで、複数の蓄電池30各々の充電スケジュールを生成することができる。
なお、第2の処理部103は、各蓄電池30に充電させる電力が、余剰電力吸収サービスのための出力の上限を超えないように、各蓄電池30の充電スケジュールを決定する。
各蓄電池制御装置20の通信部21は、余剰電力吸収サービスのための充電スケジュールを受信する。そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、当該充電スケジュールに基づき、各タイミングで蓄電池30に充電させる電力を特定する。そして、蓄電池制御装置20の算出部22は、各タイミングにおける余剰電力吸収サービスのための蓄電池30の出力(充電)と、アンシラリーサービスのための蓄電池30の出力(充電又は放電)とを足し合わせることで、当該タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。そして、蓄電池制御装置20の蓄電池制御部23は、特定した内容で蓄電池30を動作させる。
次に、本実施形態の蓄電池制御装置20の構成を説明する。図7に本実施形態の蓄電池制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、蓄電池制御装置20は、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。
通信部21は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、及び、余剰電力吸収サービス(第2のサービス)に関する第2の情報を受信する。通信部21が受信するアンシラリーサービスに関する第1の情報は、第1及び第2の実施形態と同様である。
例えば、通信部21は、余剰電力吸収サービスに関連して蓄電池30に充電させる電力を特定するための第2の情報(充電スケジュール)を、所定周期(例:1日)で繰り返し受信することができる。
なお、通信部21は、データの輻輳を回避するため、これらの情報各々を受信するための複数の受信部を備えてもよいし、1つの受信部で複数の情報を受信してもよい。また、通信部21は、データの輻輳を回避するため、各種情報を送信するための複数の送信部を備えてもよいし、1つの送信部で各種情報を送信してもよい。
算出部22及び蓄電池制御部23の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
以上説明した本実施形態によれば、一の蓄電池30にアンシラリーサービスと余剰電力吸収サービスとを並行して実施させることができる。すなわち、両サービス各々に対応した充電及び放電を、同じタイミングで一の蓄電池30に行わせることができる。当該技術により、蓄電池及びPCSの利用効率が高まる。
また、本実施形態では、事前に、各サービスのためのPCSの出力の上限が定められる。そして、当該上限を満たす範囲で、各サービスでの出力がなされる。このため、各サービスのための出力の和が、蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えるという不都合の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、各サービスのためのPCSの出力の上限を、時間帯毎に変更することができる。このため、各時間帯において優先すべきサービスに、より大きい出力を与えることができる。
また、本実施形態では、アンシラリーサービスと、余剰電力吸収サービスとを、一の蓄電池30に並行して実施させる。上述の通り、これら2つのサービスを組み合わせた本実施形態の場合、蓄電池30の充電電力量及び空き容量の観点においても不都合なく、両サービスを並行して位置の蓄電池30に実施させることができる。
なお、第1乃至第3の実施形態において、アンシラリーサービスと並行して行わせる第2のサービスを、エネルギーマネジメントサービス、インバランス回避サービス及び余剰電力吸収サービスとする例を説明したが、その他、節電サービス等ネガワットのデマンドレスポンスや、ピークカットを行うエネルギーマネジメントサービス等としても同様の作用効果を実現できる。
ピークカットを行うエネルギーマネジメントサービスにおいては、第2の受信部104は、所定の対象(各電力需要家、複数の電力需要家を含む電力需要家群等)における消費電力[W]の瞬時値や、直近の単位時間における消費電力量[Wh]、又は、これらの予測値等である監視対象を受信する。そして、第2の処理部103は、監視対象の値に基づき、蓄電池30に所定電力[W]で放電させる第2の情報を生成する。例えば、第2の処理部103は、監視対象の値が所定の閾値を超えた場合、放電させる第2の情報を生成する。放電電力[W]は、所定の閾値を上回った程度に応じて決定してもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態は、アンシラリーサービス(第1のサービス)、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)を並行して一の蓄電池30に実施させるとともに、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)と選択的にインバランス回避サービス(第3のサービス)を実施させる点で、第1乃至第3の実施形態と異なる。
ここで、本実施形態の制御システムの全体像を説明する。図9に本実施形態の制御システムの機能ブロック図の一例を示す。
小売電気事業者システム50からインバランス回避サービスのための充電及び放電の依頼がない間、蓄電池制御装置20は、アンシラリーサービスのための充電又は放電と、エネルギーマネジメントサービスのための充電又は放電とを蓄電池30に実施させる。この間、インバランス回避サービスのための充電及び放電は実施されない。
そして、小売電気事業者システム50からインバランス回避サービスのための充電又は放電の依頼があると、蓄電池制御装置20は、アンシラリーサービスのための充電又は放電と、インバランス回避サービスのための充電又は放電とを蓄電池30に実施させる。この間、エネルギーマネジメントサービスのための充電及び放電は実施されない。
このように、小売電気事業者システム50からインバランス回避サービスのための充電及び放電の依頼がない間は、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)を実施させ、当該依頼があると、インバランス回避サービス(第3のサービス)を優先的に実施させる。いずれが実施させられている間も、アンシラリーサービス(第1のサービス)の実施は継続する。
図11に、本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置10は、第1のサービス部1と、第2のサービス部2と、第3のサービス部3と、制御部105、通信部106とを有する。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20と通信し、情報の送受信を行う。
第1のサービス部1は、アンシラリーサービスのための処理を実行する機能部である。第1のサービス部1は、第1のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40から送信される需給制御信号)を受信する第1の受信部102と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第1の処理部101とを有する。第2のサービス部2は、エネルギーマネジメントサービスのための処理を実行する機能部である。第2のサービス部2は、第2のサービスのための情報(例:時間帯毎の電力単価)を受信する第2の受信部104と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第2の処理部103とを有する。第3のサービス部3は、インバランス回避サービスのための処理を実行する機能部である。第3のサービス部3は、第3のサービスのための情報(例:小売電気事業者システム50からの充放電依頼)を受信する第3の受信部106と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第3の処理部107とを有する。
制御部105は、第1のサービス部1、第2のサービス部2及び第3のサービス部3を制御する。制御部105は、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、エネルギーマネジメントサービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えないように制御することができる。また、制御部105は、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、インバランス回避サービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超えないように制御することができる。
当該制御を実現するため、制御部105は、蓄電池30に関する情報であって、アンシラリーサービスのための出力の上限、及び、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限を示す制御情報を取得または自身で設定する。アンシラリーサービスのための出力の上限と、エネルギーマネジメントサービスのための出力の上限との和は、蓄電池30用のPCSの定格出力値以下である。
第1のサービス部1及び第2のサービス部2は、当該制御情報で示される各サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力の上限を超えないように、各蓄電池30の充電又は放電を実行させる。また、第3のサービス部3は、当該制御情報で示されるエネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力の上限を超えないように、各蓄電池30に充電又は放電を実行させる。
結果、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、エネルギーマネジメントサービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超える不都合を回避できる。また、アンシラリーサービスのための出力(充電及び放電)と、インバランス回避サービスのための出力(充電及び放電)との和が蓄電池30用のPCSの定格出力値を超える不都合を回避できる。
制御情報の内容は、第1乃至第3の実施形態と同様である。例えば、リソースアグリゲータのオペレータが制御情報を設定し、制御部105に入力してもよい。その他、制御部105が制御情報を設定してもよい。制御部105が制御情報を設定する処理は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
第1のサービス部1及び第2のサービス部2の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
第3のサービス部3は、制御部105が取得または自身で設定した制御情報、及び、小売電気事業者システム50から受信する依頼に基づき、蓄電池30の動作(充電及び放電)を制御する。第3のサービス部3の構成は、第2の実施形態で説明した第2のサービス部2の構成と同様である。なお、第3の処理部107は、インバランス回避サービス(第3のサービス)のための出力(充電又は放電)が、制御情報で示されるエネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)のための出力の上限を超えないように、充放電スケジュール(第3の情報)を生成する。
図7に本実施形態の蓄電池制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、蓄電池制御装置20は、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。
通信部21は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関する第2の情報、及び、インバランス回避サービス(第3のサービス)に関する第3の情報を受信する。通信部21が受信する各サービスに関する情報は、上記実施形態で説明した通りである。
通信部21は、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を、所定周期で繰り返し受信する。そして、算出部22は、当該第1の情報に基づき、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を繰り返し特定する。
また、通信部21は、エネルギーマネジメントサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報(例:1日分の充放電スケジュール)を受信する。そして、算出部22は、当該第2の情報に基づき、エネルギーマネジメントサービスに関連して各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
また、通信部21は、インバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第3の情報(例:1日よりも短い所定時間分の充放電スケジュール)を、間欠的に受信する。そして、算出部22は、当該第3の情報に基づき、インバランス回避サービスに関連して所定時間帯に蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
算出部22は、上記第1乃至第3の情報に基づき特定した各サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
具体的には、算出部22は、インバランス回避サービスに関連して所定時間帯に蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定した場合、当該所定時間帯においては、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力と、インバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力とを足し合わせることで、各タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。そして、蓄電池制御部23は、決定した内容で蓄電池30に動作させる。
一方、算出部22は、インバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力が特定されていない時間帯においては、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力と、エネルギーマネジメントサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力とを足し合わせることで、各タイミングにおける蓄電池30の出力(充電又は放電)の内容を決定する。そして、蓄電池制御部23は、決定した内容で蓄電池30に動作させる。
すなわち、算出部22は、同じタイミングで蓄電池30に充電又は放電させるための第1の情報、第2の情報及び第3の情報を受信した場合、第1の情報及び第3の情報に基づき、当該タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。
図12に、算出部22による処理の概念を示す。図12では、横軸に時刻、縦軸に蓄電池30に充電又は放電させる電力(PCSの制御率)を取ったグラフを示している。図中の「第1向け」は、第1の情報に基づき特定された、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第2向け」は、第2の情報に基づき特定された、エネルギーマネジメントンサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第3向け」は、第3の情報に基づき特定された、インバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。図より、アンシラリーサービスとエネルギーマネジメントサービス、及び、アンシラリーサービスとインバランス回避サービスは並行して実施され、エネルギーマネジメントサービスとインバランス回避サービスは選択的に実施されることが分かる。
なお、ここでは、第3のサービスを優先的に実施させる例を説明したが、制御装置10は、その都度、いずれを優先させるか決定し、決定した方を優先させてもよい。例えば、制御装置10は、各サービス実施時の需要家やリソースアグリゲータの収益を考慮し、より高い収益がリソースアグリゲータ側で期待できる方を優先させてもよいし、需要家側で期待できる方を優先させてもよいし、又は、リソースアグリゲータと需要家の契約内容にも基づき定まる方を優先させてもよい。しかし、選択の手法はこれに限ったものではない。
例えば、制御装置10は、第2のサービス及び第3のサービスいずれを優先させるか決定すると(制御部105)、決定内容を蓄電池制御装置20に送信する(通信部106)。蓄電池制御装置20は、受信した決定内容で優先される方を優先して、蓄電池30の充放電の内容を決定する。すなわち、通信部21が同じタイミングで蓄電池30に充電又は放電させるための第1の情報、第2の情報及び第3の情報を受信した場合、算出部22は、第1の情報と、優先させる方のサービスに関する情報(第2の情報又は第3の情報)に基づき、当該タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態によれば、3つのサービスを一度に蓄電池30に実施させることができる。このため、蓄電池30の利用効率がさらに高まる。
本実施形態の変形例を説明する。インバランス回避サービスが実施されると、蓄電池30の充電電力量及び空き容量が変化する。当該変化は、エネルギーマネジメントサービスに影響し得る。そこで、第2の処理部103は、インバランス回避サービスの実施に応じて、第2の情報(充放電スケジュール)を生成し直してもよい(更新する)。具体的には、第2の処理部103は、インバランス回避サービス終了時点の蓄電池30の充電電力量及び空き容量を、例えば各蓄電池制御装置20から受信した情報(蓄電池30の最新のSOC等)に基づき把握する。そして、現時点が放電させる時間帯である場合、放電させる時間帯の残りの時間で、現時点の充電電力量を放電させる充放電スケジュールを生成する。一方、現時点が充電させる時間帯である場合、充電させる時間帯の残りの時間で、現時点の空き容量分を充電させる充放電スケジュールを生成する。
すなわち、第2の処理部103は、インバランス回避サービスの実施が終了した時点が第2の情報(充放電スケジュール)で定められる放電時間帯である場合、インバランス回避サービスの実施が終了した時点の蓄電池30の充電電力量を残りの放電時間帯で放電する充放電スケジュール(第2の情報)を新たに生成する。
また、第2の処理部103は、インバランス回避サービスの実施が終了した時点が第2の情報で定められる充電時間帯である場合、インバランス回避サービスの実施が終了した時点の蓄電池30の空き容量分を残りの充電時間帯で充電する充放電スケジュール(第2の情報)を新たに生成する。
当該変形例によれば、インバランス回避サービスの実施による蓄電池30の充電電力量及び空き容量の変化がエネルギーマネジメントサービスに及ぼす影響を軽減することができる。
また、本実施形態の変形例として、第2のサービスを第3の実施形態で説明した余剰電力吸収サービスとしてもよい。この場合も、同様の作用効果を実現できる。
<第5の実施形態>
本実施形態は、アンシラリーサービス(第1のサービス)、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)を並行して一の蓄電池30に実施させるとともに、他のすべてのサービスを停止した状態で単独で行われる緊急対応サービス(第4のサービス)を実施させる点で、第1乃至第4の実施形態と異なる。
ここで、本実施形態の制御システムの全体像を説明する。図2に本実施形態の制御システムの機能ブロック図の一例を示す。
送配電事業者システム40は、緊急時(例:発電機停止等)に、蓄電池30から電力系統に放電させる信号(予備力信号)を送信する。制御装置10は、送配電事業者システム40から予備力信号を受信すると、それを複数の蓄電池制御装置20に送信する。蓄電池制御装置20は、予備力信号を受信すると、他のサービスの実施を停止し、優先的に、予備力信号に基づいた放電を蓄電池30に行わせる。
図13に、本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置10は、第1のサービス部1と、第2のサービス部2と、第4のサービス部4と、制御部105、通信部106とを有する。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20と通信し、情報の送受信を行う。
第1のサービス部1は、アンシラリーサービスのための処理を実行する機能部である。第1のサービス部1は、第1のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40から送信される需給制御信号)を受信する第1の受信部102と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第1の処理部101とを有する。第2のサービス部2は、エネルギーマネジメントサービスのための処理を実行する機能部である。第2のサービス部2は、第2のサービスのための情報(例:時間帯毎の電力単価)を受信する第2の受信部104と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第2の処理部103とを有する。第4のサービス部4は、緊急対応サービスのための処理を実行する機能部である。第4のサービス部4は、第4のサービスのための情報(例:予備力信号)を受信する第4の受信部110と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第4の処理部109とを有する。
第1のサービス部1及び第2のサービス部2の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
第4のサービス部4は、各蓄電池30の出力電力(充電電力及び放電電力)が、定格出力を超えないように、蓄電池30の動作を制御する。
例えば、第4の処理部109は、複数の蓄電池制御装置20から所定周期で繰り返し受信する各蓄電池30の状態(例:SOC)を示す情報とPCSの定格出力の情報(定格出力以下のある出力での放電での継続時間を推定する)に基づき、緊急対応サービスで放電させることができる電力量を蓄電池30ごとに把握する。
そして、第4の処理部109は、複数の蓄電池30各々の上記電力量を足し合わせることで、複数の蓄電池30で放電させることができる電力量を算出する。その後、第4の処理部109は、当該電力量に基づき、複数の蓄電池30で対応可能な最大放電出力と、継続時間を算出する。そして、制御装置10は、当該情報を送配電事業者システム40に送信する。
送配電事業者システム40は、緊急時(例:発電機停止等)、事前に通知された最大放電出力及び継続時間を超えない範囲で、蓄電池30から電力系統に放電させる信号(予備力信号)を制御装置10に送信する。予備力信号としては例えば、出力W値と、継続時間である(継続時間は、予備力信号の形式であらかじめ設定しておいてもよい。例えば、瞬動予備力信号として定めた形式では、10分、運転予備力信号として定めた形式では3時間等である)。第4の処理部109は、当該予備力信号に従った動作を行わせる蓄電池制御信号を各蓄電池制御装置20に送信する。蓄電池制御信号としては例えば、各蓄電池で放電すべき出力W値であり、このW値は、上記継続時間を考慮して決定される。蓄電池制御装置20は、蓄電池制御信号に基づき、蓄電池30の動作を制御する。この制御は、予備力制御を停止する旨の信号がくるまで継続する。
このように、第4の処理部109は、緊急対応サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定するための第4の情報を生成する。例えば、第4の処理部109は、蓄電池30用のPCSの定格出力値を緊急対応サービスのための出力の上限として、第4の情報を生成することができる。そして、通信部106は、蓄電池制御装置20に、第4の情報を送信する。
図7に本実施形態の蓄電池制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、蓄電池制御装置20は、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。
通信部21は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関する第2の情報、及び、緊急対応サービス(第4のサービス)に関する第4の情報を受信する。通信部21が受信する各サービスに関する情報は、上述の通りである。
算出部22は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関する第2の情報に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。また、算出部22は、緊急対応サービス(第4のサービス)に関する第4の情報に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
通信部21は、緊急対応サービスに関する第4の情報を、間欠的に受信する。そして、算出部22は、通信部21が第4の情報を受信した場合、第4のサービスに関する第4の情報に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
すなわち、通信部21が、同じタイミングで蓄電池30に充電又は放電させるための第1の情報、第2の情報、及び、第4の情報を受信した場合、算出部22は、第4の情報に基づき、当該タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。そして、蓄電池制御部23は、決定した内容で蓄電池30に動作させる。すなわち、蓄電池制御部23は、他のサービスのための充放電を停止し、第4のサービスのための充放電のみを蓄電池30に実行させる。
図14に、算出部22による処理の概念を示す。図14では、横軸に時刻、縦軸に蓄電池30に充電又は放電させる電力(PCSの制御率)を取ったグラフを示している。図中の「第1向け」は、第1の情報に基づき特定された、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第2向け」は、第2の情報に基づき特定された、エネルギーマネジメントンサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第4向け」は、第4の情報に基づき特定された、緊急対応サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。図より、アンシラリーサービスとエネルギーマネジメントサービスは並行して実施されることが分かる。また、緊急対応サービスが実施されている間は、アンシラリーサービス及びエネルギーマネジメントサービスが停止することが分かる。
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態によれば、3つのサービスを一度に蓄電池30に実施させることができる。このため、蓄電池30の利用効率がさらに高まる。
本実施形態の変形例として、第2のサービスを、インバランス回避サービス又は余剰電力吸収サービスに置き代えてもよい。この場合も、同様の作用効果を実現できる。
<第6の実施形態>
本実施形態は、アンシラリーサービス(第1のサービス)、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)を並行して一の蓄電池30に実施させ、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)と選択的にインバランス回避サービス(第3のサービス)を実施させるとともに、他のすべてのサービスを停止した状態で単独で行われる緊急対応サービス(第4のサービス)を実施させる点で、第1乃至第5の実施形態と異なる。
ここで、本実施形態の制御システムの機能ブロック図の一例は図9で示される。
図15に、本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置10は、第1のサービス部1と、第2のサービス部2と、第3のサービス部3と、第4のサービス部4と、制御部105、通信部106とを有する。
通信部106は、複数の蓄電池制御装置20と通信し、情報の送受信を行う。
第1のサービス部1は、アンシラリーサービスのための処理を実行する機能部である。第1のサービス部1は、第1のサービスのための情報(例:送配電事業者システム40から送信される需給制御信号)を受信する第1の受信部102と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第1の処理部101とを有する。第2のサービス部2は、エネルギーマネジメントサービスのための処理を実行する機能部である。第2のサービス部2は、第2のサービスのための情報(例:時間帯毎の電力単価)を受信する第2の受信部104と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第2の処理部103とを有する。
第3のサービス部3は、インバランス回避サービスのための処理を実行する機能部である。第3のサービス部3は、第3のサービスのための情報(例:小売電気事業者システム50からの充放電依頼)を受信する第3の受信部106と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第3の処理部107とを有する。第4のサービス部4は、緊急対応サービスのための処理を実行する機能部である。第4のサービス部4は、第4のサービスのための情報(例:予備力信号)を受信する第4の受信部110と、蓄電池30の制御内容を特定するための情報を生成する第4の処理部109とを有する。
第1のサービス部1乃至第4のサービス部4の構成は、第1乃至第5の実施形態と同様である。
図7に本実施形態の蓄電池制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、蓄電池制御装置20は、通信部21と、算出部22と、蓄電池制御部23とを有する。
通信部21は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関する第2の情報、インバランス回避サービス(第3のサービス)に関する第3の情報、及び、緊急対応サービス(第4のサービス)に関する第4の情報を受信する。通信部21が受信する各サービスに関する情報は、上述の通りである。
算出部22は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、及び、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)に関する第2の情報に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。また、算出部22は、アンシラリーサービス(第1のサービス)に関する第1の情報、及び、インバランス回避サービス(第3のサービス)に関する第3の情報に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。そして、蓄電池制御部23は、決定した内容で蓄電池30に動作させる。算出部22による当該処理は、第4の実施形態で説明した通りである。
通信部21は、緊急対応サービスに関する第4の情報を、間欠的に受信する。そして、算出部22は、通信部21が第4の情報を受信した場合、第4のサービスに関する第4の情報に基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。すなわち、通信部21が、同じタイミングで蓄電池30に充電又は放電させるための第1の情報、第2の情報、第3の情報、及び、第4の情報を受信した場合、算出部22は、第4の情報に基づき、当該タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。そして、蓄電池制御部23は、決定した内容で蓄電池30に動作させる。すなわち、蓄電池制御部23は、他のサービスのための充放電を停止し、第4のサービスのための充放電のみを蓄電池30に実行させる。
また、算出部22は、同じタイミングで蓄電池30に充電又は放電させるための第1の情報、第2の情報及び第3の情報を受信し、当該タイミングで蓄電池30に受電又は放電させるための第4の情報を受信していない場合、第1の情報及び第3の情報に基づき、当該タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。
また、算出部22は、同じタイミングで蓄電池30に充電又は放電させるための第1の情報及び第2の情報を受信し、当該タイミングで蓄電池30に受電又は放電させるための第3の情報及び第4の情報を受信していない場合、第1の情報及び第2の情報に基づき、当該タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する。
図16に、算出部22による処理の概念を示す。図16では、横軸に時刻、縦軸に蓄電池30に充電又は放電させる電力(PCSの制御率)を取ったグラフを示している。図中の「第1向け」は、第1の情報に基づき特定された、アンシラリーサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第2向け」は、第2の情報に基づき特定された、エネルギーマネジメントンサービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。
「第3向け」は、第3の情報に基づき特定された、インバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。「第4向け」は、第4の情報に基づき特定された、緊急対応サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を示す。
図より、アンシラリーサービスとエネルギーマネジメントサービス、及び、アンシラリーサービスとインバランス回避サービスは並行して実施され、エネルギーマネジメントサービスとインバランス回避サービスは選択的に実施されることが分かる。また、緊急対応サービスが実施されている間は、アンシラリーサービス、エネルギーマネジメントサービス及びインバランス回避サービスが停止することが分かる。
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態によれば、4つのサービスを一度に蓄電池30に実施させることができる。このため、蓄電池30の利用効率がさらに高まる。
本実施形態の変形例として、第2のサービスを、余剰電力吸収サービスに置き代えてもよい。この場合も、同様の作用効果を実現できる。
<第7の実施形態>
本実施形態は、蓄電池制御装置20及び蓄電池30側の構成が第1乃至第6の実施形態と異なる。制御装置10の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。
図23に、本実施形態の蓄電池制御装置20及び蓄電池30の機能ブロック図の一例を示す。蓄電池制御装置20は、通信部21及び送信部24を有する。
通信部21の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。送信部24は、通信部21が受信した情報、すなわち、「算出部22による蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する処理」に用いられる情報を、蓄電池30のPCS(電池部制御装置)32に送信する。
蓄電池30は、PCS32と電池部33とを有する。電池部33は、PCS32の制御に従い、電力を充電し、また、電力を放電する機能を有する。電池部33の構成は特段制限されず、あらゆる構成を採用できる。
PCS32は、算出部22と電池部制御部31とを有する。算出部22の構成は、第1乃至第6の実施形態で説明した蓄電池制御装置20が備える算出部22と同様である。すなわち、算出部22は、蓄電池制御装置20から送信されてきた情報に基づき、電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。電池部制御部31は、算出部22が算出した内容で、電池部33から充放電させる。PCS32は、GF制御のための系統周波数(測定値)を、自装置内の内蔵センサーで測定してもよいし、測定センサー(例:図17の計量器)から直接又は蓄電池制御装置20を経由して受信してもよい。
なお、PCS32は、蓄電池制御装置20内に備えられてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第6の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
<第8の実施形態>
本実施形態は、蓄電池制御装置20及び蓄電池30側の構成が第1乃至第7の実施形態と異なる。制御装置10の構成は、第1乃至第7の実施形態と同様である。
図24に、本実施形態の蓄電池制御装置20及び蓄電池30の機能ブロック図の一例を示す。蓄電池制御装置20は、通信部21、算出部22−1及び送信部24を有する。
通信部21の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。算出部22−1は、第1乃至第6の実施形態で説明した算出部22が行う処理の一部を実行する。送信部24は、通信部21が受信した情報、すなわち、「算出部22による蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出する処理」に用いられる情報を、蓄電池30のPCS(電池部制御装置)32に送信する。また、送信部24は、算出部22−1が算出した結果をPCS32に送信する。
蓄電池30は、PCS32と電池部33とを有する。電池部33は、PCS32の制御に従い、電力を充電し、また、電力を放電する機能を有する。電池部33の構成は特段制限されず、あらゆる構成を採用できる。
PCS32は、算出部22−2と電池部制御部31とを有する。算出部22−2は、第1乃至第6の実施形態で説明した算出部22が行う処理の一部を実行する。すなわち、算出部22は、蓄電池制御装置20から送信されてきた情報に基づき、電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。電池部制御部31は、算出部22が算出した内容で、電池部33から充放電させる。
本実施形態では、第1乃至第6の実施形態で蓄電池制御装置20の算出部22が行っていた算出処理を、蓄電池制御装置20の算出部22−1とPCS32の算出部22−2とで分担する。
例えば、算出部22−2は、アンシラリーサービスのGF制御に関連して電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。PCS32は、GF制御のための系統周波数(測定値)を、自装置内の内蔵センサーで測定してもよいし、測定センサー(例:図17の計量器)から直接又は蓄電池制御装置20を経由して受信してもよい。
そして、算出部22−1は、アンシラリーサービスのLFC制御に関連して電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。また、算出部22−1は、第2乃至第4のサービスに関連して電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。
そして、PCS32における算出部22−2は、蓄電池制御装置20における算出部22−1が算出した電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力(例:LFC制御のための充電又は放電させる電力)と、自身が算出した電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力(例:GF制御のための充電又は放電させる電力)とを足し合わせることで、電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。
すなわち、算出部22−2は、第1の目的(GF制御)で電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる第1の電力を算出する。また、算出部22−2は、PCS32が外部装置(蓄電池制御装置20)から受信した他の目的(LFC制御、第2のサービス、及び、第3のサービスの中の1つまたは複数)で電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる1つ又は複数の第2の電力を取得する。そして、算出部22−2は、第1の電力と、1つ又は複数の第2の電力とを足し合わせることで、電池部33(蓄電池30)に充電又は放電させる電力を算出する。
なお、ここで例示した分担方法はあくまで一例であり、その他の態様で算出処理を分担してもよい。また、PCS32は、蓄電池制御装置20内に備えられてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第7の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
<実施例>
図17に、本実施例の制御システムの全体像を示す。図中、「一般送配電事業者」に対応して表示されている「中央給電指令所・再エネ・監視制御システム」が、上記実施形態で説明した送配電事業者システム40に対応する。また、「小売電気事業者」に対応して表示されている「電力需給管理・制御システム」が、上記実施形態で説明した小売電気事業者システム50に対応する。また、「RA(リソースアグリゲータ)」に対応して表示されている「需給管理システム・需給制御システム」が、上記実施形態で説明した制御装置10に対応する。また、「各需要家」に対応して表示されている「エッジ端末+ローカル制御装置」が、上記実施形態で説明した蓄電池制御装置20に対応する。
図中、主たる情報の流れを示している。図示する「ローカルループ」では、蓄電池30の状態(SOC、温度等)を示す情報が所定周期で繰り返し、ローカル制御装置に取得される。また、「グローバルループ」では、蓄電池30の状態(SOC、温度等)を示す情報が所定周期で繰り返し、各需要家からRAに送信される。
図18のフローチャートを用いて、中央給電指令所・再エネ・監視制御システム(送配電事業者システム40)の処理の流れの一例を説明する。
S10では、送配電事業者システム40は、アンシラリーサービスの実施情報や予備力容量を繰り返し受信する(S10)。アンシラリーサービスの実施情報は、複数の蓄電池30各々のamax_nを足し合わせたAmaxとして、LFC制御向けの最大出力やGF制御向けの最大出力、LFC制御やGF制御のパフォーマンス情報(制御精度や遅延等を適当な指標で評価した情報)等である。予備力容量は、第5の実施形態で説明した複数の蓄電池30で対応可能な最大放電出力と継続時間等である。
S11では、送配電事業者システム40は、LFC信号を送信する。すなわち、送配電事業者システム40は、アンシラリーサービスの実施情報や送配電網の状態(例:周波数偏差等を示す情報やAR(エリアリクワイアメント)等)に基づき、LFC信号を生成し、制御装置10に送信する。
また、送配電事業者システム40は、異常(発電機停止等)の発生を検知した場合(S12のYes)、蓄電池30から電力を放電させる(送配電網に逆潮流させる)予備力信号を制御装置10に送信する(S13)。
図19のフローチャートを用いて、小売電気事業者システム50の処理の流れの一例を説明する。
S20では、小売電気事業者システム50は、電力需要の予測値を受信(または自身で電力需要予測を実施)し、一方でインバランス容量を受信する。インバランス容量は、インバランス回避サービスに関連して複数の蓄電池30全体で充電させることができる電力量や放電させることができる放電量等の最新の値、また、将来の各時間帯における推定値の算出結果である。
S21では、小売電気事業者システム50は、電力需要予測結果と電力需要計画値とを比較し、所定値以上の差(=インバランス量)があるか判断する(S21)。
所定値以上の差がない場合(S21のNo)、S20に戻り最新の値を取得する。所定値以上の差がある場合(S21のYes)、小売電気事業者システム50はインバランス抑制の依頼を実施するか判断する(S22)。具体的には、小売電気事業者システム50は、S21で算出した差の大きさや、インバランス発生時のペナルティ(料金)と需要家の蓄電池を用いてインバランス回避した際に需要家へ支払うインセンティブ(料金)とを比較し、制御装置10から通知されているインバランス容量等に基づき、依頼を実施するか否かを判断する。
実施しない場合(S22のNo)、S20に戻り処理を繰り返す。実施する場合(S22のYes)、小売電気事業者システム50は、所定の時間帯に所定量を充電又は放電する依頼を制御装置10に送信する(S23)。
図20のフローチャートを用いて、制御装置10の処理の流れの一例を説明する。
S30では、制御装置10は、小売電気事業者システム50からLFC信号を受信する。S31では、制御装置10は、LFC信号を規格化値へ変換する。LFC信号を規格化値へ変換する処理は、例えば、第1の実施形態で説明した「LFC信号で特定される指令値をAmaxで割り、値Bを算出する処理」に相当する。S32では、制御装置10は、すべての蓄電池制御装置20に規格化LFC信号を送信する。送信は不定期、若しくは送信周期TbでありTbは、例えば数秒程度である。
S42では、制御装置10は、送配電事業者システム40から予備力信号を受信する。S43では、制御装置10は、当該予備力信号をすべての蓄電池制御装置20に送信する。
S44では、制御装置10は、小売電気事業者システム50からインバランス抑制依頼を受信する。S45では、制御装置10は、インバランス抑制のための充電又は放電を実施させる蓄電池制御装置20に、実施させる内容を特定するための情報を送信する。実施させる内容は、インバランス抑制依頼に基づき決定された内容である。
S33では、制御装置10は、蓄電池30の状態(SOC等)を示す情報、電力需要量、及び、アンシラリーの実施情報を所定周期Ta(例:5分)で繰り返し受信する。制御装置10は、蓄電池制御装置20から蓄電池30の状態を示す情報を受信する。また、制御装置10は、各需要家の装置から、各需要家の電力需要量を受信する。また、制御装置10は、蓄電池制御装置20からアンシラリーサービスの実施情報を受信する。アンシラリーサービスの実施情報は、各蓄電池30のamax_nとして、LFC向けの最大出力やGF向けの最大出力、LFCやGFのパフォーマンス情報(制御精度や遅延等を適当な指標で評価した情報)等である。
S34では、制御装置10は、各需要家の電力需要を予測する。予測手段は設計的事項である。また、制御装置10は、複数の需要家各々の電力需要を足し合わせることで得た全需要家の電力需要量を用いて、全需要量に対する電力需要も予測する。
S35では、制御装置10は、各需要家の蓄電池30の満充電・枯渇時刻を推定する。制御装置10は、蓄電池30の現在のSOC、及び、各需要家の電力需要の予測結果に基づき、枯渇状態(SOC0%)になる枯渇時刻を推定する。また、制御装置10は、蓄電池30の現在のSOC、及び、需要予測結果と充放電スケジュール等に基づき、満充電状態(SOC100%)になる満充電時刻を推定する。
S36では、制御装置10は、各蓄電池30のLFC制御の最適化係数を算出する。LFC制御の最適化係数は、第1の実施形態で説明したamax_n等に相当する。
S37では、制御装置10は、最適化係数を複数の蓄電池制御装置20各々に送信する。送信周期Tcは、例えば15分である。
S38では、制御装置10は、全蓄電池30の予備力容量を算出する。予備力容量は、第5の実施形態で説明した複数の蓄電池30で対応可能な最大放電出力と継続時間である。S39では、制御装置10は、予備力容量を送配電事業者システム40に送信する。送信周期Taは、例えば5分である。なお、予備力容量としては、放電継続時間10分程度の瞬動予備力容量と、放電継続時間3時間程度の運転予備力容量がある。
S40では、制御装置10は、各蓄電池30、及び、全蓄電池30のインバランス容量を算出する。S41では、制御装置10は、インバランス容量を小売電気事業者システム50に送信する。送信周期Taは、例えば5分である。
図21のフローチャートを用いて、蓄電池制御装置20の処理の流れの一例を説明する。
S50では、蓄電池制御装置20は、予備力信号(第4の情報)を受信したか判断する。受信したと判断した場合、S56に進む。受信していないと判断した場合、S51及びS52に進む。
S56では、蓄電池制御装置20は、予備力信号(第4の情報)に基づき蓄電池30の充放電制御を行う。
S51では、蓄電池制御装置20は、制御装置10から不定期若しくは所定周期Tb(例:数秒程度)でLFC信号を繰り返し受信する。S52では、蓄電池制御装置20は、制御装置10から所定周期Tc(例:15分)でLFC制御のための最適化係数(及び/又はGF制御のための最適化係数)を繰り返し受信する。
S53では、蓄電池制御装置20は、インバランス抑制依頼(インバランス回避に関連して充放電させる内容を特定するための第3の情報)を受信したか判断する。受信したと判断した場合、S54に進む。受信していないと判断した場合、S55に進む。
S54では、蓄電池制御装置20は、インバランス抑制を計画する。具体的には、蓄電池制御装置20は、第3の情報に基づき、インバランス回避に関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
S55では、蓄電池制御装置20は、蓄電池30に充電又は放電させる電力を算出し、当該内容で動作するよう蓄電池30を制御する。
例えば、蓄電池制御装置20は、LFC信号、系統周波数(偏差をGF制御に利用する)、最適化係数等(第1の情報)に基づき特定したアンシラリーサービス用の出力値(充電電力又は放電電力)と、予め制御装置10から取得したエネルギーマネジメントサービス用の充放電計画(第2の情報)とに基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
または、蓄電池制御装置20は、LFC信号、系統周波数(偏差をGF制御に利用する)、最適化係数等(第1の情報)に基づき特定したアンシラリーサービス用の出力値(充電電力又は放電電力)と、S54で算出したインバランス回避サービスに関連して蓄電池30に充電又は放電させる電力とに基づき、各タイミングで蓄電池30に充電又は放電させる電力を特定する。
S57では、蓄電池制御装置20は、アンシラリーの実施情報や、蓄電池30の状態情報を制御装置10に送信する。送信周期Taは例えば5分である。
次に、本実施例の制御システムの具体的な処理例を説明する。
例えば、PCS定格3kW、蓄電池定格6kWhの蓄電池30を制御対象に、エネルギーマネジメントサービスとして、夜間充電・昼間放電を行うとする。このエネルギーマネジメントサービス用の充放電出力最大値として、±1.5kWを確保する(なお、マイナス側の値を放電とし、プラス側の値を充電とする)。残った出力を、アンシラリーサービスに充てるとする。但し、図16に示すように、夜間は放電側出力がまるまる−3kW残り、昼間は、充電側出力がまるまる3kW残る。このため、アンシラリーサービス用となる残った出力は、単純に±1.5kWと算出されない。以下に示すように、時間帯に応じて適切な値が算出される。
今、エネルギーマネジメントサービスとして、例えば23時から7時までに6kWhを満充電させるためには、実効的なPCS充電出力0.75kW(=6kWh/8h)が必要となる。この場合、当該時間帯においては、エネルギーマネジメントサービス用のPCS出力を0.75kWとし、アンシラリーサービス用のPCS出力の上限を2.25kW(=3kW−0.75kW)とする。結果、当該時間帯のPCS出力は、0.75+2.25E(t)となる。なお、E(t)はアンシラリーサービスに関する調整力関数であり、−1から1の間の値をとる。E(t)には周期性が想定される。
一方、7時から23時の時間帯においては、実効的なPCS放電出力の上限を1.5kWとし、アンシラリーサービス用のPCS出力の上限を1.5kW(=3kW−1.5kW)とする。結果、当該時間帯のPCS出力は、1.5F(t)+1.5E(t)となる。なお、F(t)は電力需要に関する需要関数であり、0から1の間の値をとる。
また、途中でイベントとしてインバランス回避依頼が入った場合、23時から7時の時間帯においては、インバランス回避サービス用のPCS出力の上限は0.75kWとなる。そして、7時から23時の時間帯においては、インバランス回避サービス用のPCS出力の上限は1.5kWとなる。
このような制御により、蓄電池30用のPCSの定格出力値±3kWを、サービス向けに最大限活用することができる。
次に、図22を用いて、インバランス回避サービスの実施タイミングを説明する。図示するように、アンシラリーサービス(第1のサービス)は常に実施される。また、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)とインバランス回避サービス(第3のサービス)は選択的に実施される。なお、通常状態においては、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)が実施され、インバランス回避依頼があると、インバランス回避サービス(第3のサービス)が割り込まれる。
小売電気事業者は、例えば前日の8時から9時30分の時間帯においてスポット市場(1日前市場)に参加する。そして、翌日に発電又は販売する電力を購入する。
また、小売電気事業者は、例えば前日の10時から12時の間に、スポット市場での購入実績に基づいて翌日の発電計画を作成する。そして、当該発電計画を送配電事業者に提出する。
また、小売電気事業者は、1時間前計画を策定し、適時、1時間前市場へ参加して需給バランスを調整する。そして、30分同時同量の達成が困難な場合には、RAに所定のタイミングでの充電又は放電を依頼する。当該依頼は、1時間前市場が閉鎖された後、実需用の1時間前から30分前に出力される。
RAは、各需要家のスマートメータから収集された1時間30分前の電力需要情報に基づき、電力需要予測値、及び、現在の蓄電池30の状態(例:SOC等)から、将来の各時間帯における蓄電池30を用いた電力需要の調整余力(電力量、空き容量等)を常に推定している。なお、当該推定結果は、小売電気事業者に送信されてもよい。そして、小売電気事業者は、推定内容に基づき、上記依頼を行うか否かを判断してもよい。
RAは、小売電気事業者から上記依頼を受けると、依頼された充電又は放電のタイミングにおいて、エネルギーマネジメントサービス(第2のサービス)の実施を一旦停止し、インバランス回避サービス(第3のサービス)を割り込ませる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を、前記蓄電池における定格出力値に基づいて生成する第1の処理手段と、
前記蓄電池を制御する蓄電池制御装置に、前記第1の情報を送信する通信手段と、
を有する制御装置。
2. 第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を生成する第1の処理手段と、
前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を生成する第2の処理手段と、
前記蓄電池を制御する蓄電池制御装置に、少なくとも前記第1の情報を送信する通信手段と、を有する制御装置。
3. 1又は2に記載の制御装置において、
前記通信手段は、前記蓄電池制御装置に、前記第1の情報と、前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報とを送信する制御装置。
4. 2又は3に記載の制御装置において、
前記蓄電池に関する情報であって、前記第1のサービスのための出力の上限及び前記第2のサービスのための出力の上限の少なくとも一方を示す制御情報を取得又は設定する制御手段をさらに有し、
前記第1の処理手段が前記制御情報に基づき前記第1の情報を生成する処理、及び、前記第2の処理手段が前記制御情報に基づき前記第2の情報を生成する処理の少なくとも一方を行う制御装置。
5. 4に記載の制御装置において、
前記第1のサービスのための出力の上限と、前記第2のサービスのための出力の上限との和は、前記蓄電池用のPCSの定格出力値以下である制御装置。
6. 4又は5に記載の制御装置において、
前記制御手段は、複数の前記蓄電池各々に対応して異なる内容の前記制御情報を取得又は設定し、
複数の前記蓄電池各々に対応する前記制御情報で示される各タイミングでの前記第1のサービスのための出力の上限の和は所定範囲に収まる制御装置。
7. 4から6のいずれかに記載の制御装置において、
前記第1のサービスは、電力系統の需給バランス調整に関連して前記蓄電池の充放電を制御するLFC(lord frequency control)制御及びGF(Governor Free)制御の少なくとも一方に関するアンシラリーサービスであり、
前記第2のサービスは、電力単価が相対的に安い時間帯に電力を充電し、電力単価が相対的に高い時間帯に電力を放電する充放電動作を前記蓄電池に実行させるエネルギーマネジメントサービス、ピークカットを行うエネルギーマネジメントサービス、小売電気事業者からの依頼に基づき前記蓄電池の充放電を制御するインバランス回避サービス、及び、発電事業者からの依頼に基づき前記蓄電池の充放電を制御する余剰電力吸収サービスの中のいずれかであり、
前記制御手段は、
前記第2のサービスの出力の上限を設定した後、前記第2のサービスの出力の上限に基づき前記第1のサービスの出力の上限を設定する、または、
前記第1のサービスの出力の上限を設定した後、前記第1のサービスの出力の上限に基づき前記第2のサービスの出力の上限を設定する制御装置。
8. 2から7のいずれかに記載の制御装置において、
前記第2の処理手段は、SOCの値が所定の値以下または所定の値以上になる時間帯が前記蓄電池毎に異なる前記第2の情報を生成する制御装置。
9. 2から8のいずれかに記載の制御装置において、
前記第1のサービスと並行し、前記第2のサービスとの間で選択的に行われる第3のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第3の情報を生成する第3の処理手段をさらに有し、
前記通信手段は、前記蓄電池制御装置に前記第3の情報をさらに送信する制御装置。
10. 4から7のいずれかに従属する9に記載の制御装置において、
前記第3の処理手段は、前記第2のサービスのための出力の上限を、前記第3のサービスのための出力の上限として、前記第3の情報を生成する制御装置。
11. 4から7のいずれかに従属する9又は10に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記第2のサービス及び前記第3のサービスのいずれを優先させるかを決定し、
前記通信手段は、前記第2のサービス及び前記第3のサービスのいずれを優先させるか示す情報を、前記蓄電池制御装置に送信する制御装置。
12. 9から11のいずれかに記載の制御装置において、
前記第2の処理手段は、前記第3のサービスの実施に応じて、前記第2の情報を更新する制御装置。
13. 9から12のいずれかに記載の制御装置において、
前記第2のサービスは、電力単価が相対的に安い時間帯に電力を充電し、電力単価が相対的に高い時間帯に電力を放電する充放電動作を前記蓄電池に実行させるエネルギーマネジメントサービスであり、前記第2の情報では、放電時間帯及び充電時間帯のスケジュールが定められており、
前記第3のサービスは、小売電気事業者からの依頼に基づき前記蓄電池の充放電を制御するインバランス回避サービスであり、
前記第2の処理手段は、
前記第3のサービスの実施が終了した時点が前記第2の情報で定められる前記放電時間帯である場合、前記第3のサービスの実施が終了した時点の前記蓄電池の充電電力量を前記放電時間帯で放電する前記第2の情報を新たに生成し、
前記第3のサービスの実施が終了した時点が前記第2の情報で定められる前記充電時間帯である場合、前記第3のサービスの実施が終了した時点の前記蓄電池の空き容量分を前記充電時間帯で充電する前記第2の情報を新たに生成する制御装置。
14. 2から13のいずれかに記載の制御装置において、
すべての前記サービスを停止した状態で単独で行われる第4のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第4の情報を生成する第4の処理手段をさらに有し、
前記通信手段は、前記蓄電池制御装置に前記第4の情報をさらに送信する制御装置。
15. 14に記載の制御装置において、
前記第4の処理手段は、前記蓄電池用のPCSの定格出力値を、前記第4のサービスのための出力の上限として、前記第4の情報を生成する制御装置。
16. 2から15のいずれかに記載の制御装置において、
前記第1の情報で特定される前記蓄電池に充電させる充電電力の積算量と、前記第1の情報で特定される前記蓄電池に放電させる放電電力の積算量とが対応する第1のタイミングが繰り返し現れる制御装置。
17. 16に記載の制御装置において、
前記第2の情報で特定される前記蓄電池に充電させる充電電力の積算量と、前記第2の情報で特定される前記蓄電池に放電させる放電電力の積算量とが対応する第2のタイミングが繰り返し現れ、
前記第1のタイミングが現れる周期と、前記第2のタイミングが現れる周期とは異なる制御装置。
18. 17に記載の制御装置において、
前記第1のタイミングが現れる周期は、前記第2のタイミングが現れる周期よりも短い制御装置。
19. 2に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記第1のサービス及び前記第2のサービスの内の一方の実施を停止させることを決定し、
前記通信手段は、前記第1のサービス及び前記第2のサービスの内の一方の実施を停止させる信号を前記蓄電池制御装置に送信する制御装置。
20. 19に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記第1のサービス及び前記第2のサービスの内の一方の実施を停止させ、他方の出力の上限を引き上げることを決定し、
出力の上限を引き上げられたサービスのための情報を生成する前記第1の処理手段又は前記第2の処理手段は、引き上げられた出力の上限に基づき前記第1の情報又は前記第2の情報を生成する制御装置。
21. 第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を受信する通信手段と、
前記第1の情報に基づいて、第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を算出する算出手段と、
前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて前記蓄電池を制御する蓄電池制御手段とを有する蓄電池制御装置。
22. 21に記載の蓄電池制御装置において、
前記算出手段は、前記第1の情報と前記蓄電池における定格出力値とに基づいて、前記第2の情報を算出する蓄電池制御装置。
23. 第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報、及び、前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を受信する通信手段と、
前記第1の情報及び前記第2の情報に基づき、前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された内容で前記蓄電池を制御する蓄電池制御手段と、
を有する蓄電池制御装置。
24. 21から23のいずれかに記載の蓄電池制御装置において、
前記通信手段は、前記第1のサービスと並行し、前記第2のサービスとの間で選択的に行われる第3のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第3の情報を受信し、
前記算出手段は、前記第1の情報及び前記第3の情報に基づき、前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する蓄電池制御装置。
25. 24に記載の蓄電池制御装置において、
前記通信手段が、同じタイミングで前記蓄電池に充電又は放電させるための前記第1の情報、前記第2の情報及び前記第3の情報を受信した場合、
前記算出手段は、前記第1の情報及び前記第3の情報に基づき、前記タイミングで前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する蓄電池制御装置。
26. 24又は25に記載の蓄電池制御装置において、
前記通信手段が、同じタイミングで前記蓄電池に充電又は放電させるための前記第1の情報、前記第2の情報及び前記第3の情報を受信し、かつ、前記第2のサービス及び前記第3のサービスいずれを優先させるか示す情報を受信した場合、
前記算出手段は、前記第1の情報と、第2の情報及び第3の情報の内の優先させる方のサービスに関する情報とに基づき、前記タイミングで前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する蓄電池制御装置。
27. 21から26のいずれかに記載の蓄電池制御装置において、
前記通信手段は、すべての前記サービスを停止し、単独で行われる第4のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第4の情報を受信し、
前記算出手段は、前記第4の情報に基づき、前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する蓄電池制御装置。
28. 27に記載の蓄電池制御装置において、
前記通信手段が、同じタイミングで前記蓄電池に充電又は放電させるための前記第4の情報及びその他の情報を受信した場合、
前記算出手段は、前記第4の情報に基づき、前記タイミングで前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する蓄電池制御装置。
29. 28に記載の蓄電池制御装置において、
前記通信手段が、同じタイミングで前記蓄電池に充電又は放電させるための前記第4の情報及びその他の情報を受信した場合、
前記蓄電池制御手段は、他の前記サービスのための充放電を停止し、前記第4のサービスのための充放電のみを前記蓄電池に実行させる蓄電池制御装置。
30. 21から29のいずれかに記載の蓄電池制御装置において、
前記第1の情報で特定される前記蓄電池に充電させる充電電力の積算量と、前記第1の情報で特定される前記蓄電池に放電させる放電電力の積算量とが対応する第1のタイミングが繰り返し現れる蓄電池制御装置。
31. 30に記載の蓄電池制御装置において、
前記第2の情報で特定される前記蓄電池に充電させる充電電力の積算量と、前記第2の情報で特定される前記蓄電池に放電させる放電電力の積算量とが対応する第2のタイミングが繰り返し現れ、
前記第1のタイミングが現れる周期と、前記第2のタイミングが現れる周期とは異なる制御装置。
32. 31に記載の蓄電池制御装置において、
前記第1のタイミングが現れる周期は、前記第2のタイミングが現れる周期よりも短い蓄電池制御装置。
33. 1から20のいずれかに記載の制御装置と、
21から32のいずれかに記載の蓄電池制御装置と、
を有する制御システム。
34. 第1の目的で電池部に充電又は放電させる第1の電力を算出し、前記第1の電力と、外部装置から受信した他の目的で前記電池部に充電又は放電させる第2の電力とを足し合わせることで、前記電池部に充電又は放電させる電力を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された内容で前記電池部から充放電させる電池部制御手段と、
を有する電池部制御装置。
35. 34に記載の電池部制御装置において、
前記第1の目的はGF制御であり、前記他の目的はLFC制御を含む電池部制御装置。
36. コンピュータが、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を、前記蓄電池における定格出力値に基づいて生成する第1の処理工程と、
前記蓄電池を制御する蓄電池制御装置に、前記第1の情報を送信する通信工程と、
を実行する制御装置の動作方法。
37. コンピュータを、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を、前記蓄電池における定格出力値に基づいて生成する第1の処理手段、
前記蓄電池を制御する蓄電池制御装置に、前記第1の情報を送信する通信手段、
として機能させるプログラム。
38. コンピュータが、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を生成する第1の処理工程と、
前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を生成する第2の処理工程と、
前記蓄電池を制御する蓄電池制御装置に、少なくとも前記第1の情報を送信する通信工程と、
を実行する制御装置の動作方法。
39. コンピュータを、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を生成する第1の処理手段、
前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を生成する第2の処理手段、
前記蓄電池を制御する蓄電池制御装置に、少なくとも前記第1の情報を送信する通信手段、
として機能させるプログラム。
40. コンピュータが、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を受信する通信工程と、
前記第1の情報に基づいて、第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を算出する算出工程と、
前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて前記蓄電池を制御する蓄電池制御工程と、
を実行する蓄電池制御装置の動作方法。
41. コンピュータを、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報を受信する通信手段、
前記第1の情報に基づいて、第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を算出する算出手段、
前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて前記蓄電池を制御する蓄電池制御手段、
として機能させるプログラム。
42. コンピュータが、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報、及び、前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を受信する通信工程と、
前記第1の情報及び前記第2の情報に基づき、前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出された内容で前記蓄電池を制御する蓄電池制御工程と、
を実行する蓄電池制御装置の動作方法。
43. コンピュータを、
第1のサービスに関連して蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第1の情報、及び、前記第1のサービスと並行して行われる第2のサービスに関連して前記蓄電池に充電又は放電させる電力を特定するための第2の情報を受信する通信手段、
前記第1の情報及び前記第2の情報に基づき、前記蓄電池に充電又は放電させる電力を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された内容で前記蓄電池を制御する蓄電池制御手段、
として機能させるプログラム。
44. コンピュータが、
第1の目的で電池部に充電又は放電させる第1の電力を算出し、前記第1の電力と、外部装置から受信した他の目的で前記電池部に充電又は放電させる第2の電力とを足し合わせることで、前記電池部に充電又は放電させる電力を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出された内容で前記電池部から充放電させる電池部制御工程と、
を実行する電池部制御装置の動作方法。
45. コンピュータを、
第1の目的で電池部に充電又は放電させる第1の電力を算出し、前記第1の電力と、外部装置から受信した他の目的で前記電池部に充電又は放電させる第2の電力とを足し合わせることで、前記電池部に充電又は放電させる電力を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された内容で前記電池部から充放電させる電池部制御手段、
として機能させるプログラム。