JP6838740B2 - アルキレンオキサイド付加物の製造方法 - Google Patents

アルキレンオキサイド付加物の製造方法 Download PDF

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本発明はアルキレンオキサイド付加物の製造方法に関する。アルキレンオキサイド付加物は、界面活性剤として各種洗剤や化学品等の原料として広く使用されている。アルキレンオキサイド付加物の製造方法は広く知られており、有機アルコール、有機酸、有機アミン、有機アミド、有機エステル、油脂類等の出発原料を液状にし、該原料中にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドをガス状態で吹き込み、アルキレンオキサイドと出発原料とを接触させて付加反応を行わせることによって得られている。かかる付加反応は、撹拌機を備えたオートクレーブと称される耐圧性の容器の中で密閉下の加圧状態で行われ、生成するアルキレンオキサイド付加物が目的量に達するまでアルキレンオキサイドと原料の撹拌が続けられる。撹拌機は、モータと該モータで回転する回転軸と該回転軸に取付けられた撹拌羽根とを備えている。撹拌羽根の羽根部は、パドル型のもの、タービン型のもの、リボン型のもの、スクリュー型のもの、マックスブレンド型のもの、フルゾーン型のもの等各種が使用されているが、液体と気体の混合反応で実績の高いタービン型のものが多く使用されている。本発明は、かかるアルキレンオキサイド付加物の製造方法の改良に関する。
従来、前記のようなアルキレンオキサイド付加物の製造方法として、モータ駆動の回転軸に格子状の羽根や垂直方向に連続する羽根を取付け、かかる羽根を回転させることにより、液状の出発原料とガス状のアルキレンオキサイドとの接触を促して、付加反応を効率的に行なわせる方法が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。しかし、これらの従来法には、格子状の羽根や垂直方向に連続する羽根を回転させるために大型のモータが必要となり、相応に装置全体も大型化するため、非経済的であるという問題があり、また液状の出発原料とかかる出発原料中を通るガス状のアルキレンオキサイドとの接触を相応に促すことはできるものの、出発原料中を通過してオートクレーブの上部空間に溜ったガス状のアルキレンオキサイドとの接触には配慮されていないという問題がある。
オートクレーブ内に液状の出発原料を装填し、密閉して、撹拌下に、かかる原料の下部からガス状のアルキレンオキサイドを吹き込んで、双方を接触させ、アルキレンオキサイド付加物を製造するという従来一般のアルキレンオキサイド付加物の製造方法においては、吹き込んだガス状のアルキレンオキサイドが液状の出発原料中を通過して、オートクレーブの上部空間に溜まることを避けられず、これが付加反応の効率を低下させ、付加反応に長い時間がかかる原因となっていて、付加反応に長い時間がかかると、生成したアルキレンオキサイド付加物が高温にさらされる時間もそれだけ長くなって解重合が生じ、品質も低下することになるのであるが、特許文献1や2のような従来法には、かかる原因に配慮されていないのである。
また従来、前記のようなアルキレンオキサイド付加物の製造方法としては、フォーリングフィルムリアクターや複合金属酸化物触媒を用いる方法も提案されている(例えば特許文献3及び4参照)。しかし、これらの従来法には、相応に装置全体が複雑化し、作業も厄介である上、従来の装置を利用できないという問題がある。
特開平11−267484号公報 特開2003−342361号公報 特開平11−152242号公報 特開2001−261816号公報
本発明が解決しようとする課題は、オートクレーブ内の上部空間に溜まるガス状のアルキレンオキサイドにも配慮して、液状の出発原料とガス状のアルキレンオキサイドとの接触を促して付加反応を効率的に行なわせることにより所望のアルキレンオキサイド付加物を相応に短い時間で製造することができ、しかもかかる製造を従来一般の製造装置をできるだけ利用して経済的に且つ簡便に行なうことができるアルキレンオキサイド付加物の製造方法を提供するところにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、オートクレーブ内に装填した液状の出発原料中に、撹拌羽根による撹拌下で、ガス状のアルキレンオキサイドを吹き込んで付加反応させ、アルキレンオキサイド付加物を製造する方法においては、付加反応の進行に伴って、オートクレーブ内の液面は生成したアルキレンオキサイド付加物に見合う分だけ上昇し続けるが、反応開始から反応終了まで常時、このように上昇し続ける液面を撹拌羽根により撹拌して、オートクレーブ内の上部空間におけるガス状のアルキレンオキサイドを液中に巻き込むことが肝要であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、オートクレーブ内に装填した液状の出発原料中に、撹拌羽根による撹拌下で、ガス状のアルキレンオキサイドを吹き込んで付加反応させ、アルキレンオキサイド付加物を製造する方法において、付加反応中、オートクレーブ内の液面を撹拌羽根により撹拌して、オートクレーブ内の上部空間におけるガス状のアルキレンオキサイドを液中に巻き込み、付加反応を促進させることを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法に係る。
本発明に係るアルキレンオキサイド付加物の製造方法(以下、本発明の製造方法という)は、付加反応中、オートクレーブ内の上部空間におけるガス状のアルキレンオキサイドを液中に巻き込み、付加反応を促進させることを特徴とする。オートクレーブ内に装填した液状の出発原料中に、撹拌羽根による撹拌下で、ガス状のアルキレンオキサイドを液状の出発原料の下部から吹き込んで、双方を接触させ、付加反応させると、吹き込んだガス状のアルキレンオキサイドの一部が液状の出発原料中を通過してオートクレーブ内の上部空間に溜まる。この上部空間に溜まったガス状のアルキレンオキサイドが、そのままでは付加反応を効率的に行なう上で妨げとなる。本発明では、上部空間に溜まったガス状のアルキレンオキサイドを、液面における撹拌羽根の撹拌により液中に巻き込んで、双方の接触を促して付加反応を効率的に行なわせるのである。
オートクレーブ内の上部空間に溜まったガス状のアルキレンオキサイドを液中に巻き込むためには、付加反応中、オートクレーブ内の液面で撹拌羽根により渦流を起こすことが肝要であり、本発明ではその手段を特に制限しないが、撹拌機のモータ駆動の回転軸に1段又は2段以上で撹拌羽根を取付け、かかる撹拌羽根のうちで少なくとも最上段の撹拌羽根は回転軸に昇降可能に取付けて、この撹拌羽根には浮きを装備し、該浮きの浮力により、最上段の撹拌羽根をオートクレーブ内の液面と共に上昇させながら回転させて、液面で渦流を起こすようにする方法が用いられる
撹拌羽根をモータ駆動の回転軸に1段又は2段以上で取付ける場合において、回転軸に撹拌羽根を1段のみで取付ける場合、かかる1段の撹拌羽根は前記した最上段の撹拌羽根となる。回転軸に撹拌羽根を2段以上の複数段で取付ける場合、これら複数段の撹拌羽根の全てを前記した最上段の撹拌羽根と同様の構成にすることもできる。
かかる撹拌機の撹拌羽根の羽根部は、パドル型のもの、タービン型のもの、リボン型のもの、スクリュー型のもの、マックスブレンド型のもの、フルゾーン型のもの等各種仕様のものが挙げられるが、少なくとも最上段の撹拌羽根部はパドル型のもの又はタービン型のものが好ましく、パドル型のものがより好ましい。素材としては、出発原料、触媒、アルキレンオキサイド、反応生成物による腐食を考慮し、ステンレス製もしくはグラスライニングされた鉄鋼製のものが挙げられる。
オートクレーブと称される耐圧性の容器の素材としては、原料や併用する触媒による腐食を考慮し、触媒が塩基性化合物の場合はステンレス製のものが好ましく、触媒が酸性化合物の場合はグラスライニングされた鉄鋼製のものが好ましい。また耐圧レベルとしては最大4メガパスカルまであれば十分である。通常使用されているオートクレーブの耐圧レベルは1メガパスカル程度である。
アルキレンオキサイド付加物の出発原料としては、有機アルコール、有機酸、有機アミン、有機アミド、有機エステル、油脂等が挙げられる。これらのうちで、有機アルコールとしては、1)メチルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ノナノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソテトラコサニルアルコール、2−プロピルアルコール、12−エイコシルアルコール、ビニルアルコール、ブテニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、オレイルアルコール、エイコセニルアルコール、2−メチル−2−プロピレン−1−オール、6−エチル−2−ウンデセン−1−オール、2−オクテン−5−オール、15−ヘキサデセン−2−オール等の炭素数1〜40の1価の脂肪族アルコール、2)フェノール、プロピルフェノール、オクチルフェノール、トリデシルフェノール等の1価の芳香族アルコール、3)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等の2〜4価の脂肪族アルコールが挙げられるが、なかでも炭素数1〜26の1価の脂肪族アルコールや2価の脂肪族アルコールが好ましく、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールがより好ましい。
アルキレンオキサイド付加物の出発原料となる有機酸としては、これも各種が挙げられるが、なかでも酢酸、酪酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸等の炭素数2〜22の1価の脂肪酸が好ましく、カプリル酸、オレイン酸がより好ましい。
アルキレンオキサイド付加物の出発原料となる有機アミンとしては、1)メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン等の脂肪族アミン、2)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、オクチルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物の出発原料となる有機アミドとしては、ジエタノールアミンモノラウロアミド、ジエタノールアミンモノオレオアミド、ジエチレントリアミンジオクチルアミドなどの脂肪族アミドが挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物の出発原料となる有機エステルとしては、1)オクチルステアレート、オレイルラウレート、オレイルオレート、1,6−ヘキサンジオールジデカノエート、トリメチロールプロパンモノオレートジラウレート、ジラウリルアジペート、ジオレイルチオジプロピオネート、ジオレイルアゼレート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエート等の脂肪族完全エステル、2)ベンジルステアレート、ベンジルラウレート、ビスフェノールAジラウレート、ジイソステアリルイソフタレート、トリオクチルトリメリテート等の芳香族エステル、3)ソルビタンモノラウラート、ソルビタントリオレアート、ソルビトールテトラオレアート、グリセリンモノオレアート、ジグリセリンジラウラート等の多価アルコール部分エステル等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物の出発原料となる油脂としては、ヤシ油、パーム油、ナタネ油、ヒマワリ油、ゴマ油、大豆油、あまに油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、魚油、牛脂等が挙げられるが、なかでもヤシ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油が好ましい。
また前記のような出発原料に付加反応させるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが挙げられるが、なかでもエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが好ましい。これらのアルキレンオキサイドは単独で或いは混合で使用できる。混合で使用する場合、出発原料に対するアルキレンオキサイドの付加形態としては、ランダム付加、ブロック付加、ランダム・ブロック付加が挙げられる。
出発原料とアルキレンオキサイドを付加反応させる際の反応温度は90〜150℃が好ましく、110〜130℃がより好ましい。90℃未満では反応が遅く、効率が悪い。また150℃より高くなると解重合を併発し、目的とした分子量のものが得られない。反応圧力は0.2〜1.5MPaが好ましく、0.4〜0.6MPaがより好ましい。使用する場合の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソディウムメチラート等の塩基性化合物、メタンスルホン酸等の酸性化合物、ハイドロタルサイト等の複合金属水酸化物等が挙げられ、これらは単独で使用することもできるが、必要に応じて併用することもできる。かかる触媒の使用量は出発原料100質量部に対して0.01〜5質量部の割合とするのが好ましく、0.1〜0.8質量部の割合とするのがより好ましい。
以上説明した本発明によると、オートクレーブ内の上部空間に溜まるガス状のアルキレンオキサイドにも配慮して、液状の出発原料とガス状のアルキレンオキサイドとの接触を促して付加反応を効率的に行なわせることにより所望のアルキレンオキサイド付加物を相応に短い時間で製造することができ、しかもかかる製造を従来一般の製造装置をできるだけ利用して経済的に且つ簡便に行なうことができるという効果がある。
本発明の実施形態を一部縦断面で例示する全体図。 図1の部分拡大縦断面図。 図1の部分拡大横断面図。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
図1において、有底円筒状の槽本体11に蓋体としての上鏡12が開閉可能に被着されている。槽本体11の側周面にはジャケット13が設けられており、ジャケット13には加熱用の水蒸気と冷却用の水が通されるようになっている。図1ではジャケット13は槽本体11の側周面の内側に設けられているが、かかるジャケットは槽本体の側周面の外側に設けることもできるし、またかかるジャケットに代えて蛇管を周設することもできるし、またかかるジャケットにはヒータを内蔵させることもできる。上鏡12には供給口15,16,17が設けられており、供給口17からは先端がリング状部18に形成された供給管19が槽本体11内へと挿入されていて、リング状部18には図示しない複数の開口部が設けられている。
上鏡12の上部の中央部にはモータ21が支持されており、モータ21の回転軸31は槽本体11内へと挿入されている。槽本体11と上鏡12との間及び上鏡12と回転軸31との間はシールされており、したがって槽本体11と上鏡12とは密閉系を形成している。
槽本体11内に挿入された回転軸31には合計3段で撹拌羽根41,42,43が取付けられている。1段目の撹拌羽根41及び2段目の撹拌羽根42は回転軸31に固定的に取付けられており、3段目の撹拌羽根すなわち最上段の撹拌羽根43は回転軸31に昇降可能に取付けられている。回転軸31にはストッパ43a,43bが取付けられており、ストッパ43a,43bによって最上段の撹拌羽根43の上昇位置と下降位置が制限されている。
図2において、撹拌羽根43は、リング状のボス51と、ボス51の上部に左右対称で取付けられた合計2枚の羽根部61,62と、ボス51の下部に取付けられた中空構造でリング状の浮き71を備えている。ボス51及び浮き71の内周面は回転軸31の外周面と摺嵌しており、羽根部61,62はパドル型となっている。図2では浮き71はボス51の下部に取付けられているが、かかる浮きはボスの上部に取付けることもでき、この場合に羽根部は浮きの上部に取付ける。かかる浮きは、羽根部の上部や下部に取付けることもできるし、またボスや羽根部を中空構造とし、結果としてそれらの内部に形成することもできる。
図3において、回転軸31の外周面にその軸線に沿いガイドレール81,82が前後(図3では上下)対称に突設されており、ボス51及び浮き71の内周面にはガイドレール81,82と摺嵌する条溝91,92が前後(図3では上下)対称に形成されている。ボス51及び浮き71と共に羽根部61,62が、浮き71の浮力により、条溝91,92を介しガイドレール81,82に案内されて、回転軸31の軸線に沿い、槽本体11内の溶液の液面Aと共に昇降するようになっている。
槽本体11内に供給口15から装填した液状の出発原料中に、撹拌羽根41,42,43による撹拌下で、ガス状のアルキレンオキサイドを液状の出発原料中に供給口17、供給管19及びリング状部18を介してリング状部18の複数のノズル部から吹き込んで、双方を接触させ、付加反応させると、吹き込んだガス状のアルキレンオキサイドの一部が液状の出発原料中を通過して槽本体11と上鏡12で囲まれるオートクレーブ内の上部空間に溜まり、この上部空間に溜まったガス状のアルキレンオキサイドがそのままでは付加反応を効率的に行なう上で妨げとなるので、本発明では、上部空間に溜まったガス状のアルキレンオキサイドを、付加反応の進行に伴い上昇する液面Aと共に撹拌羽根43を上昇させてその撹拌により液中に巻き込み、双方の接触を促して、付加反応を効率的に行なわせる。
試験区分1(付加反応)
実施例1
図1〜図3について前述した実施状態で、次のように付加反応を行なった。内容5Lのオートクレーブを用い、ラウリルアルコール1.6kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム4.7gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、エチレンオキサイド2.6kgを連続的に供給開始した。2.0時間後にエチレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.5時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4.2kgを得た。
実施例2
実施例1と同様にして、ラウリルアルコール1.3kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム3.9gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、プロピレンオキサイド2.8kgを連続的に供給開始した。3.0時間後にプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.8時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル4.1kgを得た。
実施例3
実施例1と同様にして、ラウリルアルコール1.1kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム5.6gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、ブチレンオキサイド3.0kgを連続的に供給開始した。3.5時間後にブチレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.5時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシブチレンラウリルエーテル4.1kgを得た。
実施例4
実施例1と同様にして、ブチルアルコール0.32kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム0.9gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、エチレンオキサイド1.9kg及びプロピレンオキサイド2.0kgを同時に連続的に供給開始した。4.0時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.8時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル4.2kgを得た。
実施例5
実施例1と同様にして、オレイン酸0.24kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム0.7gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、エチレンオキサイド1.2kg及びプロピレンオキサイド2.8kgを同時に連続的に供給開始した。7.0時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.0時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオレイン酸エステル4.2kgを得た。
実施例6
実施例1と同様にして、エチレングリコール0.13kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム0.4gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、エチレンオキサイド2.9kg及びプロピレンオキサイド1.2kgを同時に連続的に供給開始した。4.6時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.8時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール4.2kgを得た。
実施例7
実施例1と同様にして、ヤシ油1.8kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム0.4gを加え、撹拌速度100rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、エチレンオキサイド1.5kg及びプロピレンオキサイド1.0kgを同時に連続的に供給開始した。2.8時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.7時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヤシ油4.3kgを得た。
実施例8
実施例1と同様にして、ラウリルアルコール1.6kgを装填し、触媒として水酸化ナトリウム4.7gを加え、撹拌速度50rpmで撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換した後、110℃に加熱し、エチレンオキサイド2.6kgを連続的に供給開始した。2.2時間後にエチレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.5時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4.2kgを得た。
比較例1
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例1と同様にして、エチレンオキサイドの供給を開始した。3.0時間後にエチレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、0.8時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4.2kgを得た。
比較例2
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例2と同様にして、プロピレンオキサイドの供給を開始した。4.7時間後にプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.5時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル4.1kgを得た。
比較例3
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例3と同様にして、ブチレンオキサイドの供給を開始した。5.5時間後にブチレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、2.2時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシブチレンラウリルエーテル4.1kgを得た。
比較例4
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例4と同様にして、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給を開始した。6.4時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.5時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル4.2kgを得た。
比較例5
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例5と同様にして、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給を開始した。10.6時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.8時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオレイン酸エステル4.2kgを得た。
比較例6
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例6と同様にして、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給を開始した。6.8時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.5時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール4.2kgを得た。
比較例7
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例7と同様にして、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給を開始した。4.0時間後にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.2時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヤシ油4.3kgを得た。
比較例8
全ての撹拌羽根41〜43を回転軸31に固定して行なったこと以外は実施例8と同様にして、エチレンオキサイドの供給を開始した。4.2時間後にエチレンオキサイド全量の供給を終え、引き続きオートクレーブ内の圧力が下がりきるまで撹拌を継続し、1.6時間後に撹拌を止めて反応を終了した。オートクレーブ内を冷却後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4.2kgを得た。
以上の各実施例と対応する各比較例との相違は、各実施例では最上段の撹拌羽根43を回転軸31に昇降可能に取付けたのに対し、各比較例では最上段の撹拌羽根43も、他の撹拌羽根41,42と同様、回転軸31に固定して取付けた点だけである。
試験区分2(評価)
試験区分1の各実施例について、対応する各比較例との間の、いずれも下記の反応時間の差(時)、熟成時間の差(時)、反応時間の時短率(%)、熟成時間の時短率(%)、反応時間の効果判定及び熟成時間の効果判定を求め、結果を表1にまとめて示した。
反応時間の差:対応する比較例の反応時間から実施例の反応時間を引いた値(例えば、比較例1の反応時間−実施例1の反応時間)。
熟成時間の差:対応する比較例の熟成時間から実施例の熟成時間を引いた値(例えば、比較例1の熟成時間−実施例1の熟成時間)。
反応時間の時短率:各実施例の反応時間の差を対応する比較例の反応時間で割った値のパーセント(例えば、(実施例1の反応時間の差/比較例1の反応時間)×100)。
熟成時間の時短率:各実施例の熟成時間の差を対応する比較例の熟成時間で割った値のパーセント(例えば、(実施例1の熟成時間の差/比較例1の熟成時間)×100)。
反応時間の効果判定:下記の基準で判定した。
◎:反応時間の時短率が、40%以上の実施例
○:反応時間の時短率が、20%以上で40%未満の実施例
熟成時間の効果判定:下記の基準で判定した。
◎:熟成時間の時短率が、40%以上の実施例
○:熟成時間の時短率が、30%以上で40%未満の実施例
表1の結果からも明らかなように、本発明によれば、アルキレンオキサイドの付加反応が効率的に行なわれている。
11 槽本体
12 上鏡
13 ジャケット
15〜17 供給口
18 リング状部
19 供給管
21 モータ
31 回転軸
41〜43 撹拌羽根
51 ボス
61,62 羽根部
71 浮き
81 ガイドレール
91 条溝

Claims (3)

  1. オートクレーブ内に装填した液状の出発原料中に、撹拌羽根による撹拌下で、ガス状のアルキレンオキサイドを吹き込んで付加反応させ、アルキレンオキサイド付加物を製造する方法において、付加反応中、オートクレーブ内の液面を撹拌羽根により撹拌して、オートクレーブ内の上部空間におけるガス状のアルキレンオキサイドを液中に巻き込み、付加反応を促進させ
    少なくとも最上段の撹拌羽根が、撹拌機のモータ駆動の回転軸に昇降可能に取付けられており、浮きを備えていて、該浮きの浮力により、オートクレーブ内にて付加反応の進行に伴い上昇する液面と共に上昇して、該液面で渦流を起こすようにしたものであることを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
  2. 出発原料が、炭素数1〜26の1価の脂肪族アルコール、炭素数1〜26の2価の脂肪族アルコール、炭素数2〜22の1価の脂肪酸及び油脂から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
  3. アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドである請求項1又は2に記載のアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
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