JP6837920B2 - ラップドvベルト、及びラップドvベルトの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ラップドVベルト、及びラップドVベルトの製造方法に関する。
従来より、動力を伝達する伝動ベルトとして、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルトなど、摩擦によって動力を伝達するベルトが広く知られている。Vベルトは、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。そして、Vベルトとしては、ラップドVベルト及びローエッジVベルトが、用いられている。ラップドVベルトは、外被布で周囲表面の全体が覆われたVベルトとして構成されている。一方、ローエッジVベルトは、摩擦によって動力を伝達する側面のゴム層が露出した状態のVベルトとして構成されている。即ち、ローエッジVベルトは、ゴム層の表面を覆う布として外周側の表面の上布及び内周側の表面の下布のみが設けられ、側面の全表面において、ゴム層が露出している。
ラップドVベルトは、コンプレッサー、発電機、ポンプなどの一般産業用機械、或いは、田植え機、草刈り機などの農業機械、等において、伝動ベルトとして広く用いられている。ラップドVベルトは、ベルト内周側に圧縮ゴム層が設けられ、ベルト外周側に伸張ゴム層が設けられている。更に、ラップドVベルトにおいては、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間において、心線が埋設されている。そして、ラップVベルトは、圧縮ゴム層と心線と伸張ゴム層とを有して環状に設けられた無端状のベルトコア部の周囲表面の全体がベルトコア部の周方向の全長に亘って外被布で覆われて被覆されている。
例えば、特許文献1においては、上述したラップドVベルトとして構成される伝動ベルトの製造方法が開示されている。特許文献1に開示される伝動ベルトの製造方法によれば、まず、特許文献1の図8を参照して、上芯ゴムシート4(伸張ゴム層)と心線3とV芯ゴムシート5(圧縮ゴム層)との3層からなる比較的幅の広い未加硫のベルト体veが生成される。次に、この未加硫のベルト体veとして構成された未加硫の状態の筒状のベルトスリーブが所定幅毎に切断され、更にそれらにおけるV芯ゴムシート5側の部分が切除されるスカイブ処理が行われることにより、略V字状の断面を有する小割りベルトvcが形成される。この小割りベルトvcにゴム付きカバー帆布G(外被布)が被覆され、加硫処理が施されることにより、ラップドVベルトが製造される。
また、図17は、従来から知られているラップドVベルトの製造方法を説明するための模式図である。従来は、圧縮ゴム層となる未加硫の状態のゴム層101、心線102、及び伸張ゴム層となる未加硫の状態のゴム層103が積層されて形成された未加硫の状態の環状体100において、ゴム層101の角部分が切除されるスカイブ処理が行われ、環状体100に面取りが施される。そして、未加硫の状態の環状体100の周囲表面の全体に対して環状体100の周方向の全長に亘って外被布104が巻かれる。環状体100の周囲表面の全体が外被布104で覆われることにより、未加硫の状態のゴムベルト105が形成される。その後、未加硫の状態の環状体100の周囲表面の全体が外被布104で覆われた未加硫の状態のゴムベルト105は、リングモールド110(環状金型)に嵌め込まれた状態で加硫される。これにより、断面V字状のラップドVベルト106が製造される。
上記のように、特許文献1に開示されたような従来のラップドVベルトの製造においては、未加硫の状態のベルトスリーブが所定幅毎に切断され、未加硫の状態の環状体においてスカイブ処理が行われる。そして、スカイブ処理が終了した環状体の周囲表面の全体が外被布で覆われることで構成された未加硫の状態のゴムベルトが加硫され、ラップドVベルトが作製される。尚、ローエッジVベルトの製造においては、未加硫のゴム層の外周側及び内周側の表面に布が積層されて構成された未加硫の状態の筒状のベルトスリーブが、加硫される。そして、加硫されて硬化した状態の筒状のベルトスリーブが、所定幅毎に切断され、ローエッジVベルトが作製される。
特開2005−096257号公報
ところで、上述したラップドVベルトの製造方法では、未加硫の状態のベルトスリーブが切断されて形成された未加硫の状態の環状体において角部分が切除されるスカイブ処理が必要となる。未加硫の状態のゴムは、加硫後の硬化したゴムに比して軟らかいため、安定した正確な切除処理が難しい。更に、未加硫の状態のゴムは、切除処理時の発熱による粘性の上昇が生じ易いため、切除処理用の工具に対して粘着が生じ易く、安定した正確な切除処理が難しい。このため、上述したラップドVベルトの製造方法では、未加硫の状態のゴムに対するスカイブ処理が必要であり、安定した正確なスカイブ処理が難しい。このようなスカイブ処理が必要なことに伴い、上述したラップドVベルトの製造方法では、以下のような問題点がある。
例えばスカイブ処理により切除される部分が左右で不均一であった場合、心線の並びが乱れ、ベルト幅方向一方側の心線が上方にずれてしまうことがある。ラップドVベルトにおいて心線の並びが乱れると、ベルト走行時の振れが大きくなり、ベルト左右の両側面の摩耗が促進され早期破損の原因となる。
また、スカイブ処理による切除部分が狙い値よりも大きくなると、ベルト全体のボリュームが小さくなり、製品の断面寸法が下限寄りとなってしまう。そうなると、規格品よりもプーリ内側で走行することになるため、耐屈曲性が劣る結果になる。
一方、スカイブ処理による切除部分が狙い値よりも小さくなると、ベルト全体のボリュームが大きくなり、製品の断面寸法が上限寄りとなってしまう。そうなると、ベルトが曲がりにくくなるため、上述した場合と同様、耐屈曲性が劣る結果になる。
また、上述のようにしてスカイブ処理を行うと、その際に切除された部分がスカイブ屑として発生するため、そのスカイブ屑を再利用するための手間(再利用可能なスカイブ屑を選別する工程等)がかかってしまう。
更に、上述のようなスカイブ処理を行った後の環状体に対して外被布を巻くと、以下のような問題点が生じる。具体的には、図17に示すスカイブ処理後の環状体は、横断面形状が六角形状となっており、その環状体に外被布を巻くと、折り目が多くなるのでその折り目部分を十分に押さえきれずに、外被布がコア(環状体)から浮いてしまう場合がある。尚、環状体の横断面形状とは、環状体の周方向(即ち、環状体の長手方向)に垂直な断面における環状体の断面の形状である。このように外被布がコアから浮いた状態で当該環状体を環状金型に形成されたV字状の溝部に嵌め込んで加硫すると、加硫後にシワが発生したラップドVベルトが生成されてしまう。
このようなラップドVベルトのシワの問題を解決するために、環状体に対する外被布のカバーリングを行うマシンでは、未加硫ゴムベルトの角毎に外被布を押さえる羽根がマシンの両サイドに設けられている。しかしながら、その機構は、非常に複雑である。そして、このマシンでは、ベルトの形状に応じて外被布を押さえるために羽根部分の調整が必要となり、その調整のための作業時間が長時間に及んでしまう場合もある。そして、この問題は、スカイブ処理後の環状体の形状が左右対称でない場合(具体的には、スカイブ処理によって切除される部分が右側と左側とで異なる場合)に、特に顕著となる。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、少ない作業工程及び作業時間で製造可能であり、且つ耐久性、特性の均一性、及び不良率の観点において優れたラップドVベルトを提供すること、並びにそのようなラップドVベルトの製造方法を提供することである。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係るラップドVベルトは、圧縮ゴム層、心線、及び伸張ゴム層が内周側から外周側へ向かって順に積層された環状のベルトコア部と、該ベルトコア部の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って覆う外被布とを有する環状のラップドVベルトであって、前記圧縮ゴム層及び前記伸張ゴム層は、同じ厚さに設定されている。
この構成を有するラップドVベルトによれば、ラップドVベルトを製造する際に従来必要であったスカイブ処理の工程を省略してラップドVベルトを製造することができる。
具体的には、この構成を有するラップドVベルトを製造する際、ラップドVベルトのコア部分となる環状体の横断面形状が台形状となるようにベルトスリーブを周方向に沿って切断すれば、複数の環状体が形成される。そうすると、2種類の環状体が形成される。具体的には、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が内側ゴム層となる環状体(第1環状体)と、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が外側ゴム層となる環状体(第2環状体)と、が形成される。尚、環状体の横断面形状とは、環状体の周方向(即ち、環状体の長手方向)に垂直な断面における環状体の断面の形状である。
上述のようにして形成された第1環状体及び第2環状体のうち、第2環状体については、横断面形状の台形の長辺側の部分がベルトの外周側にあるため、そのままの状態でベルトコア部(第2ベルトコア部)として用いることができる。そして、この第2ベルトコア部の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆った後に加硫工程を行うことにより、ラップドVベルトを製造することができる。
一方、第1環状体については、横断面形状の台形の長辺側の部分が、ベルトの内周側にあるため、そのままの状態ではベルトコア部として使用することができない。第1環状体については、内周側の部分と外周側の部分とを反転させることにより、横断面形状の台形の長辺側の部分をベルトの外周側にもってくることができる。よって、第1環状体の内周側の部分と外周側の部分とを反転させることにより、ベルトコア部(第1ベルトコア部)を形成することができる。そして、この第1ベルトコア部の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆った後に加硫工程を行うことにより、ラップドVベルトを製造することができる。
上述のようにして製造されたラップドVベルトは、第1環状体及び第2環状体のうちいずれの環状体を用いて製造しても、概ね同程度の特性を保つことができる。具体的には、第1環状体及び第2環状体を形成する基となる部材であるベルトスリーブにおいて、内側ゴム層と外側ゴム層とを同じ厚さに設定すれば、以下のようになる。具体的には、第1環状体の内周側と外周側とを反転させて第1ベルトコア部を形成しても、その第1ベルトコア部の圧縮ゴム層(ベルトコア部の内周側のゴム層)の厚さと第2ベルトコア部の圧縮ゴム層の厚さとを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部の伸張ゴム層(ベルトコア部の外周側のゴム層)の厚さと第2ベルトコア部の伸張ゴム層の厚さとを同じにできる。すなわち、この構成によれば、第1ベルトコア部から製造されたラップドVベルトの各ゴム層の厚さと、第2ベルトコア部から製造されたラップドVベルトの各ゴム層の厚さとが同じとなるため、特性が均一化されたラップドVベルトを得ることができる。
そして、この構成によれば、従来のラップドVベルトを製造する際に未加硫の状態のゴムの切除処理として必要であったスカイブ処理の工程を省略することが可能となる。そうすると、スカイブ処理により切除される部分が左右不均一となってしまうことによる心線の並びの乱れを防止できるため、ベルトの耐久性を向上できる。
また、スカイブ処理の工程を省略することで、スカイブ処理により切除される部分が狙い値から大きく外れた場合に生じる耐屈曲性の劣化を防止できる。
更に、スカイブ処理の工程を省略することで、スカイブ屑が発生しなくなるため、スカイブ屑を再利用するための手間を省くことができる。
また、スカイブ処理が行われた環状体(横断面形状が六角形状の環状体)に対してカバーリング処理を行う際の外被布の浮きを防止できるため、ラップドVベルトにおけるシワの発生を抑制できる。
従って、この構成によれば、少ない作業工程及び作業時間で製造可能であり、且つ耐久性、特性の均一性、及び不良率の観点において優れたラップドVベルトを提供できる。
(2)好ましくは、前記圧縮ゴム層及び前記伸張ゴム層は、同じ材料で構成されている。
この構成によれば、第1ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの伸張ゴム層を構成する材料と、第2ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの伸張ゴム層を構成する材料とを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの圧縮ゴム層を構成する材料と、第2ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの圧縮ゴム層を構成する材料とを同じにできる。すなわち、この構成によれば、ラップドVベルトの特性を均一化できる。
(3)好ましくは、前記ベルトコア部の横断面形状は、等脚台形状である。尚、ベルトコア部の横断面形状とは、ベルトコア部の周方向(即ち、ベルトコア部の長手方向)に垂直な断面におけるベルトコア部の断面の形状である。
この構成では、ラップドVベルトの横断面形状を左右対称にできるため、ラップドVベルトの特性をより均一化できる。尚、ラップドVベルトの横断面形状とは、ラップドVベルトの周方向(即ち、ラップドVベルトの長手方向)に垂直な断面におけるラップドVベルトの断面の形状である。
(4)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係るラップドVベルトの製造方法は、未加硫の状態の内側ゴム層、心線、及び未加硫の状態の外側ゴム層が内周側から外周側へ向かって順に積層された筒状のベルトスリーブ、を周方向に沿って切断することにより得られた複数の環状体、から環状のラップドVベルトを製造するラップドVベルトの製造方法であって、同じ厚さに設定された前記内側ゴム層及び前記外側ゴム層を用いて未加硫の状態の前記ベルトスリーブを生成する工程と、前記環状体の横断面形状が台形状となるように前記ベルトスリーブを周方向に沿って切断して未加硫の状態の複数の前記環状体を形成する工程と、複数の前記環状体のうち、前記横断面形状における台形の長辺側のゴム層が前記内側ゴム層となる第1環状体、における内周側の部分と外周側の部分とを反転させて、第1ベルトコア部を形成する工程と、前記第1ベルトコア部、及び、複数の前記環状体のうち前記横断面形状における台形の長辺側のゴム層が前記外側ゴム層となる第2環状体としての第2ベルトコア部、のそれぞれの周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆うことにより、前記第1ベルトコア部及び前記第2ベルトコア部のそれぞれから未加硫ゴム成形体を形成する工程と、前記未加硫ゴム成形体を加硫する工程と、を含む。
この方法によれば、ラップドVベルトを製造する際に従来必要であったスカイブ処理の工程を省略してラップドVベルトを製造することができる。
この方法では、ラップドVベルトのコア部分となる環状体の横断面形状が台形状となるように、ベルトスリーブが周方向に沿って切断されることにより、複数の環状体が形成される。そうすると、2種類の環状体が形成される。具体的には、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が内側ゴム層となる環状体(第1環状体)と、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が外側ゴム層となる環状体(第2環状体)と、が形成される。尚、環状体の横断面形状とは、環状体の周方向(即ち、環状体の長手方向)に垂直な断面における環状体の断面の形状である。
上述のようにして形成された第1環状体及び第2環状体のうち、第2環状体については、横断面形状の台形の長辺側の部分がベルトの外周側にあるため、そのままの状態でベルトコア部(第2ベルトコア部)として用いることができる。そして、この第2ベルトコア部の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆った後に加硫工程を行うことにより、ラップドVベルトを製造することができる。
一方、第1環状体については、横断面形状の台形の長辺側の部分が、ベルトの内周側にあるため、そのままの状態ではベルトコア部として使用することができない。第1環状体については、内周側の部分と外周側の部分とを反転させることにより、横断面形状の台形の長辺側の部分をベルトの外周側にもってくることができる。よって、第1環状体の内周側の部分と外周側の部分とを反転させることにより、ベルトコア部(第1ベルトコア部)を形成することができる。そして、この第1ベルトコア部の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆った後に加硫工程を行うことにより、ラップドVベルトを製造することができる。
上述のようにして製造されたラップドVベルトは、第1環状体及び第2環状体のうちいずれの環状体を用いて製造しても、概ね同程度の特性を保つことができる。具体的には、第1環状体及び第2環状体を形成する基となる部材であるベルトスリーブにおいて、内側ゴム層と外側ゴム層とを同じ厚さに設定している。こうすると、第1環状体の内周側と外周側とを反転させて第1ベルトコア部を形成しても、その第1ベルトコア部の圧縮ゴム層(ベルトコア部の内周側のゴム層)の厚さと第2ベルトコア部の圧縮ゴム層の厚さとを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部の伸張ゴム層(ベルトコア部の外周側のゴム層)の厚さと第2ベルトコア部の伸張ゴム層の厚さとを同じにできる。すなわち、この方法によれば、第1ベルトコア部から製造されたラップドVベルトの各ゴム層の厚さと、第2ベルトコア部から製造されたラップドVベルトの各ゴム層の厚さとを同じにできるため、各々の特性が均一化されたラップドVベルトを製造できる。
そして、この方法によれば、従来のラップドVベルトを製造する際に未加硫の状態のゴムの切除処理として必要であったスカイブ処理の工程を省略することができる。そうすると、スカイブ処理により切除される部分が左右不均一となってしまうことによる心線の並びの乱れを防止できるため、ベルトの耐久性を向上できる。
また、スカイブ処理の工程を省略することで、スカイブ処理により切除される部分が狙い値から大きく外れた場合に生じる耐屈曲性の劣化を防止できる。
更に、スカイブ処理の工程を省略することで、スカイブ屑が発生しなくなるため、スカイブ屑を再利用するための手間を省くことができる。
また、スカイブ処理が行われた環状体(横断面形状が六角形状の環状体)に対してカバーリング処理を行う際の外被布の浮きを防止できるため、ラップドVベルトにおけるシワの発生を抑制できる。
従って、この方法によれば、少ない作業工程及び作業時間で製造可能であり、且つ耐久性、特性の均一性、及び不良率の観点において優れたラップドVベルトの製造方法を提供できる。
(5)好ましくは、前記内側ゴム層及び前記外側ゴム層は、同じ材料で構成されている。
この方法によれば、第1ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの伸張ゴム層を構成する材料と、第2ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの伸張ゴム層を構成する材料とを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの圧縮ゴム層を構成する材料と、第2ベルトコア部から生成されるラップドVベルトの圧縮ゴム層を構成する材料とを同じにできる。すなわち、この方法によれば、ラップドVベルトの特性を均一化できる。
(6)好ましくは、前記環状体の前記横断面形状は、等脚台形状である。
この方法では、ラップドVベルトの横断面形状を左右対称にできるため、ラップドVベルトの特性をより均一化できる。尚、ラップドVベルトの横断面形状とは、ラップドVベルトの周方向(即ち、ラップドVベルトの長手方向)に垂直な断面におけるラップドVベルトの断面の形状である。
本発明によると、少ない作業工程及び作業時間で製造可能であり、且つ耐久性、特性の均一性、及び不良率の観点において優れたラップドVベルトを提供できる。また、本発明によると、そのようなラップドVベルトの製造方法を提供できる。
本発明の実施形態に係るラップドVベルトを示す図であって、(A)は外形図、(B)は図1(A)のIB−IB線における断面図である。 圧縮ゴム層及び伸張ゴム層を構成する材料の組成比の一例を示す表である。 図1に示すラップドVベルトの製造方法を示すフローチャートである。 図3のステップS1で用いられる1軸成形機の構成を示す模式図である。 ベルトスリーブを示す図であって、(A)は外形図、(B)は図5(A)のVB−VB線における部分断面図である。 ベルトスリーブから複数の環状体を生成する工程を説明するための模式図であって、ベルトスリーブ及び環状体については横断面を示す図である。 環状体の横断面図であって、(A)は第1環状体の横断面図、(B)は第2環状体の横断面図である。 第1環状体から未加硫ゴム成形体を生成する過程を説明するための図であって、図8(A)は第1環状体の断面図、図8(B)は第1ベルトコア部の断面図、図8(C)は未加硫ゴム成形体の断面図、である。 第2環状体から未加硫ゴム成形体を生成する過程を説明するための図であって、図9(A)は第2環状体の断面図、図9(B)は未加硫ゴム成形体の断面図、である。 加硫処理を行うためのリングモールドの部分断面図である。 実施例に係るラップドVベルトのサンプル品の外被布をフリクション処理する際に用いられる未加硫ゴム組成物の組成比の一例を示す表である。 実施例に係るラップドVベルトのサンプル品の接着ゴム層に用いられるクロロプレンゴムの組成比の一例を示す表である。 (A)は、縦型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図、(B)は、縦型走行試験の試験結果を示す表である。 (A)は、縦型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図、(B)は、縦型走行試験の試験結果を示す表である。 (A)は、横型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図、(B)は、横型走行試験の試験結果を示す表である。 (A)は、横型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図、(B)は、横型走行試験の試験結果を示す表である。 従来から知られているラップドVベルトの製造方法を説明するための模式図である。
図1は、本発明の実施形態に係るラップドVベルト1を示す図であって、(A)は外形図、(B)は図1(A)のIB−IB線における断面図である。
本実施形態に係るラップドVベルト1は、周囲表面の全体が外被布6で覆われた無端状のベルトである。ラップドVベルト1は、動力を伝達するベルトとして用いられ、例えば、コンプレッサー、発電機、ポンプ等の一般産業用機械、及び、コンバイン、田植え機、草刈り機等の農業機械に広く使われる。しかし、ラップドVベルト1の用途はこれらに限らず、その他の機械に使用されてもよい。
[ラップドVベルトの構成]
ラップドVベルト1は、図1に示すように、無端状に形成されたベルトコア部2と、該ベルトコア部2の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って覆う外被布6とを備えている。
ベルトコア部2は、圧縮ゴム層3及び伸張ゴム層4と、これらの間に埋め込まれた心線5とを有している。ベルトコア部2は、図1(B)に示すように、横断面形状(ラップドVベルト1の周方向(即ち、ラップドVベルト1の長手方向)に垂直な断面形状)が台形状に形成されている。より詳しくは、ベルトコア部2は、横断面形状が等脚台形状に形成されている。
圧縮ゴム層3は、ベルトコア部2における径方向内側の部分を構成する環状に形成された部材である。圧縮ゴム層3は、図1(B)を参照して、横断面形状(ラップドVベルト1の周方向(即ち、ラップドVベルト1の長手方向)に垂直な断面形状)が台形状に形成されている。
図2は、圧縮ゴム層3を構成する材料の組成比の一例を示す表である。圧縮ゴム層3は、図2の表で示す組成比を有する材料によって構成される。
伸張ゴム層4は、ベルトコア部2における径方向外側の部分を構成する環状に形成された部材である。伸張ゴム層4は、圧縮ゴム層3と概ね同じ周長を有している。伸張ゴム層4は、圧縮ゴム層3との間で心線5を挟んだ状態で圧縮ゴム層3に重ねられた状態となっている。伸張ゴム層4も、圧縮ゴム層3と同様、横断面形状(ラップドVベルト1の周方向(即ち、ラップドVベルト1の長手方向)に垂直な断面形状)が台形状に形成されている。伸張ゴム層4の幅方向における最も長い部分の長さは、圧縮ゴム層3の幅方向における最も長い部分の長さよりも、長く設定されている。
そして、伸張ゴム層4の厚みは、圧縮ゴム層3の厚みと同じとなるように設定されている。具体的には、伸張ゴム層4の厚みの設計値と、圧縮ゴム層3の厚みの設計値とは、同じである。
但し、圧縮ゴム層3の厚みと伸張ゴム層4の厚みとは、公差の範囲内であれば、異なっていてもよい。例えば、本実施形態に係る圧縮ゴム層3及び伸張ゴム層4の厚みの設計値は、例えば一例として3.7mmである。厚みの設計値が3.7mm程度のゴム層の厚み公差は、一般的に±0.15mm程度である。すなわち、圧縮ゴム層3及び伸張ゴム層4の厚みの設計値が3.7mm程度である場合、圧縮ゴム層3と伸張ゴム層4との厚みの寸法差の実測値が0.3mmまでであれば、両者の厚みの設計値は同じであると考えることができる。
なお、例えば、圧縮ゴム層及び伸張ゴム層の厚みの設計値が12mm未満である場合、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との厚みの寸法差の実測値が0.3mmまでであれば、両者の厚みの設計値は同じであると考えることができる。また、圧縮ゴム層及び伸張ゴム層の厚みの設計値が12mm以上且つ24mm未満である場合、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との厚みの寸法差の実測値が0.4mmまでであれば、両者の厚みの設計値は同じであると考えることができる。また、圧縮ゴム層及び伸張ゴム層の厚みの設計値が24m以上且つ30mm未満である場合、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との厚みの寸法差の実測値が0.5mmまでであれば、両者の厚みの設計値は同じであると考えることができる。
また、伸張ゴム層4は、圧縮ゴム層3と同じ材料で構成されている。例えば一例として、伸張ゴム層4は、図2の表で示す組成比を有する材料によって構成される。
心線5は、圧縮ゴム層3と伸張ゴム層4との間で挟まれた状態で保持されている。心線5は、圧縮ゴム層3及び伸張ゴム層4が延びる方向に沿って螺旋状に巻かれた1本の心線である。これにより、心線5は、ラップドVベルト1の破断を防止する補強部材として機能する。
そして、心線5は、ベルトコア部2の厚み方向における中央部分に設けられている。なお、ベルトコア部2中における心線5の上下位置は、圧縮ゴム層3及び伸張ゴム層4の公差の範囲内において、中央部分から上下方向へずれる場合がある。
外被布6は、ベルトコア部2の周囲表面の全体を周方向の全長に亘って覆う帆布として設けられている。外被布6は、ベルトコア部2に対して隙間なく密着して設けられている。
[ラップドVベルトの製造方法]
図3は、図1に示すラップドVベルト1の製造方法を示すフローチャートである。以下では、図3等を参照して、ラップドVベルト1の製造方法を説明する。
図4は、ステップS1で用いられる1軸成形機30の構成を示す模式図である。ステップS1では、ラップドVベルト1の基となる筒状のベルトスリーブ10が形成される。
図5は、ベルトスリーブ10を示す図であって、(A)は外形図、(B)は図5(A)のVB−VB線における部分断面図である。ベルトスリーブ10は、未加硫の状態(即ち、加硫が行われていない状態)の内側ゴム層11、心線5、及び未加硫の状態の外側ゴム層12が内周側から外周側へ向かって順に積層されて筒状に形成されている。内側ゴム層11及び外側ゴム層12としては、互いに同じ厚みを有し且つ同じ材料で構成されたゴム層が採用される。また、内側ゴム層11及び外側ゴム層12は、幅が600mm〜1200mm程度のゴム層である。
ステップS1では、図5に示すベルトスリーブ10が形成される。ベルトスリーブ10の形成には、例えば一例として、複数のプレート部材32が円形状となるように配列されたマントル31を有する1軸成形機30が用いられる(図4参照)。マントル31の外周面は、円筒状に形成された可撓性のゴムスリーブ33で覆われている。1軸成形機30では、未加硫の内側ゴム層11がゴムスリーブ33の外周面に巻き付けられた状態で、その両端部が接合される。そして、その内側ゴム層11の外周面に心線5が螺旋状に巻き付けられた後、その外側に未加硫の外側ゴム層12が巻き付けられた状態で、その両端部が接合される。これにより、内側ゴム層11、心線5、及び外側ゴム層12を積層し、ベルトスリーブ10を形成することができる。このように、ステップS1は、同じ厚さに設定された内側ゴム層11及び外側ゴム層12を用いて未加硫の状態のベルトスリーブ10を生成する工程として構成されている。
なお、内側ゴム層11の外周面、及び外側ゴム層12の内周面には、それぞれ、例えばカレンダー処理により接着ゴム層(図示省略)が圧着されている。これにより、内側ゴム層11、心線5、及び外側ゴム層12を互いに接着することができる。
図6は、ベルトスリーブ10から複数の環状体15を生成する工程を説明するための模式図であって、ベルトスリーブ10及び環状体15については横断面を示す図である。また、図7は、環状体15の横断面図であって、図7(A)は第1環状体16の横断面図、図7(B)は第2環状体17の横断面図である。なお、図6では、図面が煩雑になるのを避けるため、断面を示すハッチングを省略している。
ステップS2では、ステップS1によって生成された未加硫の状態のベルトスリーブ10が幅方向に分割されることにより、未加硫の状態の複数の環状体15が生成される。
ベルトスリーブ10は、図6に示す第1切断線L1及び第2切断線L2に沿って切断されることにより、複数の環状体15に分割される。図6を参照して、第1切断線L1は、ベルトスリーブ10の内周側から、該ベルトスリーブ10の外周側且つ幅方向一方側へ向かって斜め方向に延びている。第2切断線L2は、ベルトスリーブ10の内周側から、該ベルトスリーブ10の外周側且つ幅方向他方側へ向かって斜め方向に延びている。ベルトスリーブ10の厚み方向を基準線とした第1切断線L1及び第2切断線L2の角度θは、同じである。
図6を参照して、ベルトスリーブ10は、回転刃35が第1切断線L1に沿って斜め方向に進出されつつ、ベルトスリーブ10が巻き掛けられたプーリ(図示省略)が回転駆動されることにより、第1切断線L1で切断される。次に、回転刃35とは別の回転刃36がベルトスリーブ10を第2切断線L2に沿って切断する。これにより、第1切断線L1及び第2切断線L2によって切断された部分を、環状体15として得ることができる。そして、回転刃35,36による当該切断工程が、ベルトスリーブ10の幅方向一方側から他方側へ向かって順次、行われることにより、その都度、環状体15を得ることができる。各環状体15の横断面形状は、図6及び図7に示すように、台形状、より詳しくは等脚台形状に形成されている。尚、環状体15の横断面形状とは、環状体15の周方向(即ち、環状体15の長手方向)に垂直な断面における環状体15の断面の形状である。上記のように、ステップS2は、環状体15の横断面形状が台形状となるようにベルトスリーブ10を周方向に沿って切断して未加硫の状態の複数の環状体15を形成する工程として構成されている。
本実施形態では、ベルトスリーブ10から、2種類の環状体15、具体的には、第1環状体16及び第2環状体17が形成される。図7を参照して、第1環状体16は、複数の環状体15のうち、該第1環状体16の横断面形状における台形の長辺側のゴム層が内側ゴム層11で構成された環状体である。一方、第2環状体17は、複数の環状体15のうち、該第2環状体17の横断面形状における台形の長辺側のゴム層が外側ゴム層12で構成された環状体である。
次に、ステップS3では、複数の環状体15が、第1環状体16と第2環状体17とに選別される。
図8は、第1環状体16から未加硫ゴム成形体20を生成する過程を説明するための図であって、図8(A)は第1環状体16の断面図、図8(B)は第1ベルトコア部18の断面図、図8(C)は未加硫ゴム成形体20の断面図、である。
ステップS4では、図8(A)に示す第1環状体16の内周面側と外周面側とが反転させられることにより、図8(B)に示す第1ベルトコア部18が形成される。尚、第1ベルトコア部18は、加硫後の状態においては、図1(B)に示すベルトコア部2となる。上記のようにして形成された第1ベルトコア部18は、図8(B)を参照して、横断面形状(第1ベルトコア部18の周方向(即ち、第1ベルトコア部18の長手方向)に垂直な断面形状)における外周側のゴム層が内側ゴム層11で構成される一方、内周側のゴム層が外側ゴム層12で構成される。すなわち、第1ベルトコア部18では、外側ゴム層12が圧縮ゴム層3として機能する一方、内側ゴム層11が伸張ゴム層4として機能する。上記のように、ステップS4は、複数の環状体15のうち、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が内側ゴム層11となる第1環状体16、における内周側の部分と外周側の部分とを反転させて、第1ベルトコア部18を形成する工程として構成されている。
図9は、第2環状体17から未加硫ゴム成形体20を生成する過程を説明するための図であって、図9(A)は第2環状体17の断面図、図9(B)は未加硫ゴム成形体20の断面図、である。
第2環状体17については、ステップS4のような反転処理を施すことなく、各第2環状体17をそのまま第2ベルトコア部19とすることができる(ステップS5)。尚、第2ベルトコア部19は、加硫後の状態においては、図1(B)に示すベルトコア部2となる。上記により、第2ベルトコア部19は、横断面形状(第2ベルトコア部19の周方向(即ち、第2ベルトコア部19の長手方向)に垂直な断面形状)における内周側のゴム層が内側ゴム層11で構成される一方、外周側のゴム層が外側ゴム層12で構成される。すなわち、図9(A)を参照して、第2ベルトコア部19では、内側ゴム層11が圧縮ゴム層3として機能する一方、外側ゴム層12が伸張ゴム層4として機能する。
次に、ステップS6では、ステップS4及びステップS5の各ステップで生成された第1ベルトコア部18及び第2ベルトコア部19のそれぞれの周囲表面の全体に、それぞれの周方向の全長に亘って、外被布6が巻き付けられる(図8(C)及び図9(B)参照)。外被布6の巻き付けは、例えば所定のカバーリングマシン(図示省略)を用いて行われる。このようにして第1ベルトコア部18及び第2ベルトコア部19のそれぞれに外被布6が巻き付けられることにより、加硫が行われる前のゴム成形体である未加硫ゴム成形体20が生成される。上記のように、ステップS6は、第1ベルトコア部18及び第2ベルトコア部19のそれぞれの周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆うことにより、第1ベルトコア部18及び第2ベルトコア部19のそれぞれから未加硫ゴム成形体20を形成する工程として構成されている。
図10は、加硫処理を行うためのリングモールド36(環状金型)の部分断面図である。ステップS7では、ステップS6で生成された未加硫ゴム成形体20に対して、加硫処理が行われる。即ち、ステップS7は、未加硫ゴム成形体20を加硫する工程として構成されている。加硫処理では、各未加硫ゴム成形体20がリングモールド36に嵌め込まれた状態で加熱されることにより、加硫される。これにより、加硫処理が適切に施されたラップドVベルト1が製造される。なお、図7及び図10を参照して、環状体15の幅寸法Bw及び厚さ寸法Btと、リングモールド36における対応する部分の寸法Rw及び寸法Rtとの間には、以下の関係式が成り立つ。
[数1]
Bw=A×Rw … (1)
[数2]
Bt=A×Rt … (2)
なお、A及びAはそれぞれ所定係数であって、例えば一例として、0.92≦A≦0.96、0.94≦A≦0.98、である。A及びAの値は、ベルトの形、仕様、加硫方法等によって異なってくる。
[実施例]
次に、上述した本実施形態のラップドVベルトの実施例について説明する。本実施例では、VベルトのJIS規格で定められている種類のうちA形及びB形を採用し、ラップドVベルトのサンプル品を作成した。JIS規格A形のラップドVベルトのサンプル品としては、幅寸法12.5mm、厚さ9.0mmを狙い値としたラップドVベルトのサンプル品を作成した。JIS規格B形のラップドVベルトのサンプル品としては、幅寸法16.5mm、厚さ11.0mmを狙い値としたラップドVベルトのサンプル品を作成した。
(1)外被布
JIS規格A形及びB形のいずれのラップドVベルトのサンプル品においても、外被布としては、綿の織布(平織り、繊度20番手の経糸と20番手の緯糸とで構成、経糸及び緯糸の糸密度75本/50mm、目付け280g/m)に対して、図11の表に示す配合の未加硫ゴム組成物でフリクション処理したものを用いた。
(2)心線
JIS規格A形のラップドVベルトのサンプル品においては、心線としては、ポリエステル繊維の撚りコード(平均線径1.194mm)を用いた。一方、JIS規格B形のラップドVベルトのサンプル品においては、心線としては、ポリエステル繊維の撚りコード(平均線径1.518mm)を用いた。
(3)接着ゴム層
JIS規格A形及びB形のいずれのラップドVベルトのサンプル品においても、接着ゴム層(圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間に設けられた接着層)としては、図12の表に示す配合のクロロプレンゴム組成物を用いた。
(4)圧縮ゴム層及び伸張ゴム層
JIS規格A形及びB形のいずれのラップドVベルトのサンプル品においても、圧縮ゴム層及び伸張ゴム層としては、図2の表に示す配合のクロロプレンゴム組成物を用いた。
また、本実施例における各ゴム層の厚さ、及びカット幅(図7における寸法Bw)については、以下のようにして設定した。具体的には、上述した寸法値(JIS規格A形のラップドVベルトの寸法値:幅寸法12.5mm、厚さ9.0mm、JIS規格B形のラップドVベルトの寸法値:幅寸法16.5mm、厚さ11.0mm)を有するラップドVベルトを作成する際に必要となる各ゴム層の寸法を、上述した式(1)及び式(2)の係数を変えていくつか算出し、それらの寸法に基づく未加硫ゴム成形体サンプル品を複数種類、作成した。そして、それら複数種類のサンプルのうち、作業性(例えば、外被布のカバーリング性、未加硫ゴム成形体のリングモールドへのセット性等)、静的評価(各ゴム層の断面形状等)に優れたものを、以下で説明する動的評価試験を行う対象となるラップドVベルトのサンプル品(以下、スカイブレス品と称する)として採用した。尚、以下、JIS規格A形のラップドVベルトのサンプル品としてのスカイブレス品については、JIS規格A形のスカイブレス品と称し、JIS規格B形のラップドVベルトのサンプル品としてのスカイブレス品については、JIS規格B形のスカイブレス品と称する。JIS規格A形のスカイブレス品の寸法値は、図7を参照して、Bw=12.2mm、Bt=8.6mm、各ゴム層の厚み=2.8mm、であった。JIS規格B形のスカイブレス品の寸法値は、図7を参照して、Bw=16.2mm、Bt=10.6mm、各ゴム層の厚み=3.6mm、であった。
[本実施例に係るスカイブレス品の動的評価試験結果]
本実施例に係るスカイブレス品は、従来のラップドVベルト(以下スカイブ品と称する)と比べて、以下の点が大きく異なる。具体的には、スカイブ品は、圧縮ゴム層の方が伸張ゴム層よりも厚い。すなわち、スカイブレス品では、ベルト厚み方向における心線ラインの高さ位置がスカイブ品よりも低くなっているため、スカイブ品と比べて屈曲による発熱が高いと推測される。この点を踏まえて、以下では、スカイブ品及びスカイブレス品の双方を対象として、各ベルトの走行時におけるベルト側面部分の温度を測定した。
<縦型走行試験>
〔JIS規格A形のスカイブレス品及びスカイブ品についての試験〕
A.試験方法
図13(A)は、JIS規格A形のスカイブレス品及びスカイブ品についての縦型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図である。縦型走行試験では、駆動プーリ40の下方に、間隔を空けて従動プーリ41が配置されている。本試験では、上述した一対のプーリ40,41にラップドVベルト(JIS規格A形のスカイブ品又はJIS規格A形のスカイブレス品)が巻き掛けられた状態において、従動プーリ41によってラップドVベルトに40kgfの荷重が付与される。この状態において駆動プーリ40が回転駆動されることにより、ラップドVベルトが走行する。そして、本試験では、所定時間走行後の各ラップドVベルトの側面温度を計測した。なお、各プーリ40,41の径は60mm、駆動プーリ40の回転数は3600rpm、試験時の環境温度(室温)は30度、である。
B.試験結果
図13(B)は、JIS規格A形のスカイブレス品及びスカイブ品についての縦型走行試験の試験結果を示す表である。図13(B)に示すように、実施例に係るJIS規格A形のスカイブレス品は、走行初期段階ではベルトの側面温度が高かったが、走行時間が増す毎に、比較例に係るJIS規格A形のスカイブ品との温度差が縮まる傾向にある。すなわち、実施例に係るJIS規格A形のスカイブレス品の側面温度は、走行時間が長くなるにつれて、比較例に係るJIS規格A形のスカイブ品の側面温度と遜色がなくなるため、発熱による耐久性への影響は少ないと推測される。
〔JIS規格B形のスカイブレス品及びスカイブ品についての試験〕
A.試験方法
図14(A)は、JIS規格B形のスカイブレス品及びスカイブ品についての縦型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図である。縦型走行試験では、駆動プーリ40の下方に、間隔を空けて従動プーリ41が配置されている。本試験では、上述した一対のプーリ40,41にラップドVベルト(JIS規格B形のスカイブ品又はJIS規格B形のスカイブレス品)が巻き掛けられた状態において、従動プーリ41によってラップドVベルトに60kgfの荷重が付与される。この状態において駆動プーリ40が回転駆動されることにより、ラップドVベルトが走行する。そして、本試験では、所定時間走行後の各ラップドVベルトの側面温度を計測した。なお、各プーリ40,41の径は100mm、駆動プーリ40の回転数は3600rpm、試験時の環境温度(室温)は30度、である。
B.試験結果
図14(B)は、JIS規格B形のスカイブレス品及びスカイブ品についての縦型走行試験の試験結果を示す表である。図14(B)に示すように、実施例に係るJIS規格B形のスカイブレス品は、走行初期段階ではベルトの側面温度が高かったが、走行時間が増す毎に、比較例に係るJIS規格B形のスカイブ品との温度差が縮まる傾向にある。すなわち、実施例に係るJIS規格B形のスカイブレス品の側面温度は、走行時間が長くなるにつれて、比較例に係るJIS規格B形のスカイブ品の側面温度と遜色がなくなるため、発熱による耐久性への影響は少ないと推測される。
<横型走行試験>
〔JIS規格A形のスカイブレス品及びスカイブ品についての試験〕
A.試験方法
図15(A)は、JIS規格A形のスカイブレス品及びスカイブ品についての横型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図である。横型走行試験では、駆動プーリ42の側方に、間隔を空けて従動プーリ43が配置されている。本試験では、上述した一対のプーリ42,43にラップドVベルト(JIS規格A形のスカイブ品又はJIS規格A形のスカイブレス品)が巻き掛けられた状態において、従動プーリ43によってラップドVベルトに60kgfの荷重が付与される。この状態において駆動プーリ42が回転駆動されることにより、ラップドVベルトが走行する。そして、本試験では、所定時間走行後の各ラップドVベルトの側面温度を計測した。なお、各プーリ42,43の径は100mm、駆動プーリ42の負荷は6PS、駆動プーリ42の回転数は1800rpm、試験時の環境温度(室温)は30度、である。
B.試験結果
図15(B)は、JIS規格A形のスカイブレス品及びスカイブ品についての横型走行試験の試験結果を示す表である。本試験においても、上述した縦型走行試験と同様の傾向が得られた。具体的には、図15(B)に示すように、実施例に係るJIS規格A形のスカイブレス品は、走行初期段階ではベルトの側面温度が高かったが、走行時間が増す毎に、比較例に係るJIS規格A形のスカイブ品との温度差が縮まる傾向にある。すなわち、実施例に係るJIS規格A形のスカイブレス品の側面温度は、走行時間が長くなるにつれて、比較例に係るJIS規格A形のスカイブ品の側面温度と遜色がなくなるため、発熱による耐久性への影響は少ないと推測される。
〔JIS規格B形のスカイブレス品及びスカイブ品についての試験〕
A.試験方法
図16(A)は、JIS規格B形のスカイブレス品及びスカイブ品についての横型走行試験で用いられる装置を模式的に示す図である。横型走行試験では、駆動プーリ42の側方に、間隔を空けて従動プーリ43が配置されている。本試験では、上述した一対のプーリ42,43にラップドVベルト(JIS規格B形のスカイブ品又はJIS規格B形のスカイブレス品)が巻き掛けられた状態において、従動プーリ43によってラップドVベルトに100kgfの荷重が付与される。この状態において駆動プーリ42が回転駆動されることにより、ラップドVベルトが走行する。そして、本試験では、所定時間走行後の各ラップドVベルトの側面温度を計測した。なお、各プーリ42,43の径は120mm、駆動プーリ42の負荷は8PS、駆動プーリ42の回転数は1800rpm、試験時の環境温度(室温)は30度、である。
B.試験結果
図16(B)は、JIS規格B形のスカイブレス品及びスカイブ品についての横型走行試験の試験結果を示す表である。本試験においても、上述した縦型走行試験と同様の傾向が得られた。具体的には、図16(B)に示すように、実施例に係るJIS規格B形のスカイブレス品は、走行初期段階ではベルトの側面温度が高かったが、走行時間が増す毎に、比較例に係るJIS規格B形のスカイブ品との温度差が縮まる傾向にある。すなわち、実施例に係るJIS規格B形のスカイブレス品の側面温度は、走行時間が長くなるにつれて、比較例に係るJIS規格B形のスカイブ品の側面温度と遜色がなくなるため、発熱による耐久性への影響は少ないと推測される。
ところで、従来から知られているラップドVベルトの製造方法では、図17を参照して、環状体における内周側の部分がスカイブ処理されて六角形状とされた後、カバーリング処理及び加硫処理が行われることにより、ラップドVベルトが製造されていた。
しかしこの方法によると、以下のような問題点が生じる。具体的には、例えばスカイブ処理により切除される部分が左右で不均一であった場合、心線の並びが乱れ、ベルト幅方向一方側の心線が上方にずれてしまうことがある。ラップドVベルトにおいて心線の並びが乱れると、ベルト走行時の振れが大きくなり、ベルト左右の両側面の摩耗が促進され早期破損の原因となる。
また、スカイブ処理による切除部分が狙い値から大きく外れると、製品の断面寸法が上限寄り又は下限寄りとなってしまうため、耐屈曲性能が劣る結果になる。
また、上述のようにしてスカイブ処理を行うと、その際に切除された部分がスカイブ屑として発生するため、そのスカイブ屑を再利用するための手間(再利用可能なスカイブ屑を選別する工程等)がかかってしまう。
更に、上述のようなスカイブ処理を行って、横断面形状が六角形状となった環状体に対して外被布を巻くと、角が6箇所と多いため、折り目が多くなるのでその折り目部分を十分に押さえきれずに、外被布がコア(環状体)から浮いてしまう場合がある。そうなると、加硫後にシワが発生したラップドVベルトが生成されてしまう。
この点につき、上述したラップドVベルト1の製造方法によれば、ラップドVベルトを製造する際に従来必要であったスカイブ処理の工程を省略してラップドVベルトを製造することができる。
具体的には、図6及び図7を参照して、ラップドVベルト1を製造する際、ラップドVベルト1のコア部分となる環状体15の横断面形状が台形状となるようにベルトスリーブ10を周方向に沿って切断すれば、複数の環状体15が形成される。そうすると、2種類の環状体16,17が形成される。具体的には、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が内側ゴム層11となる環状体15(第1環状体16)と、横断面形状における台形の長辺側のゴム層が外側ゴム層12となる環状体15(第2環状体17)と、が形成される。
上述のようにして形成された第1環状体16及び第2環状体17のうち、第2環状体17については、図9を参照して、横断面形状の台形の長辺側の部分がベルトの外周側にあるため、そのままの状態でベルトコア部(第2ベルトコア部19)として用いることができる。そして、この第2ベルトコア部19の外周を外被布6で覆った後に加硫工程を行うことにより、ラップドVベルト1を製造することができる。
一方、第1環状体16については、図8を参照して、横断面形状の台形の長辺側の部分が、ベルトの内周側にあるため、そのままの状態ではベルトコア部として使用することができない。第1環状体16については、内周側の部分と外周側の部分とを反転させることにより、横断面形状の台形の長辺側の部分をベルトの外周側にもってくることができる。よって、第1環状体16の内周側の部分と外周側の部分とを反転させることにより、ベルトコア部(第1ベルトコア部18)を形成することができる。そして、この第1ベルトコア部18の外周を外被布6で覆った後に加硫工程を行うことにより、ラップドVベルト1を製造することができる。
上述のようにして製造されたラップドVベルト1は、第1環状体16及び第2環状体17のうちいずれの環状体を用いて製造しても、概ね同程度の特性を保つことができる。具体的には、第1環状体16及び第2環状体17を形成する基となる部材であるベルトスリーブでは、内側ゴム層11と外側ゴム層12とが同じ厚さに設定されている。そうすると、第1環状体16の内周側と外周側とを反転させて第1ベルトコア部18を形成しても、その第1ベルトコア部18の圧縮ゴム層3(ベルトコア部の内周側のゴム層)の厚さと第2ベルトコア部19の圧縮ゴム層3の厚さとを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部18の伸張ゴム層4(ベルトコア部の外周側のゴム層)の厚さと第2ベルトコア部19の伸張ゴム層4の厚さとを同じにできる。すなわち、ラップドVベルト1によれば、第1ベルトコア部18から製造されたラップドVベルト1の各ゴム層3,4の厚さと、第2ベルトコア部19から製造されたラップドVベルト1の各ゴム層3,4の厚さとが同じとなるため、特性が均一化されたラップドVベルトを得ることができる。
そしてラップドVベルト1によれば、従来のラップドVベルトを製造する際に未加硫の状態のゴムの切除処理として必要であったスカイブ処理の工程を省略することが可能となる。そうすると、スカイブ処理により切除される部分が左右不均一となってしまうことによる心線の並びの乱れを防止できるため、ベルトの耐久性を向上できる。
また、スカイブ処理の工程を省略することで、スカイブ処理により切除される部分が狙い値から大きく外れた場合に生じる耐屈曲性の劣化を防止できる。
更に、スカイブ処理の工程を省略することで、スカイブ屑が発生しなくなるため、スカイブ屑を再利用するための手間を省くことができる。
また、スカイブ処理が行われた環状体(横断面形状が六角形状の環状体)に対してカバーリング処理を行う際の外被布の浮きを防止できるため、ラップドVベルトにおけるシワの発生を抑制できる。
[効果]
以上説明したように、上記実施形態に係るラップドVベルト1によれば、少ない作業工程及び作業時間で製造可能であり、且つ耐久性、特性の均一性、及び不良率の観点において優れたラップドVベルトを提供できる。
また、ラップドVベルト1によれば、第1ベルトコア部18から生成されるラップドVベルト1の伸張ゴム層4を構成する材料と、第2ベルトコア部19から生成されるラップドVベルト1の伸張ゴム層4を構成する材料とを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部18から生成されるラップドVベルト1の圧縮ゴム層3を構成する材料と、第2ベルトコア部19から生成されるラップドVベルト1の圧縮ゴム層3を構成する材料とを同じにできる。すなわち、ラップドVベルト1によれば、ラップドVベルトの特性を均一化できる。
また、ラップドVベルト1によれば、ラップドVベルトの横断面形状を左右対称にできるため、ラップドVベルトの特性をより均一化できる。
また、上述したラップドVベルト1の製造方法によれば、少ない作業工程及び作業時間で製造可能であり、且つ耐久性、特性の均一性、及び不良率の観点において優れたラップドVベルトの製造方法を提供できる。
また、上述したラップドVベルト1の製造方法によれば、第1ベルトコア部18から生成されるラップドVベルト1の伸張ゴム層4を構成する材料と、第2ベルトコア部19から生成されるラップドVベルト1の伸張ゴム層4を構成する材料とを同じにでき、且つ、第1ベルトコア部18から生成されるラップドVベルト1の圧縮ゴム層3を構成する材料と、第2ベルトコア部19から生成されるラップドVベルト1の圧縮ゴム層3を構成する材料とを同じにできる。すなわち、この方法によれば、ラップドVベルト1の特性を均一化できる。
また、上述したラップドVベルト1の製造方法によれば、ラップドVベルト1の横断面形状を左右対称にできるため、ラップドVベルト1の特性をより均一化できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のような変形例を実施してもよい。
(1)上述した実施形態では、圧縮ゴム層3及び伸張ゴム層4を構成する材料の組成比の一例として図2を例示した。また、外被布6に対してフリクション処理を行うために用いられる未加硫ゴム組成物の組成比の一例として図11を例示した。また、接着ゴム層を構成する材料の組成比の一例として図12を例示した。しかし、これらに限らず、各構成要素を構成する材料の組成比は、図2、図11、及び図12に示したもの以外であってもよい。
本発明は、ラップドVベルト、及びラップドVベルトの製造方法として広く適用することができるものである。
1 ラップドVベルト
2 ベルトコア部
3 圧縮ゴム層
4 伸張ゴム層
5 心線
6 外被布
10 ベルトスリーブ
11 内側ゴム層
12 外側ゴム層
15 環状体
16 第1環状体
17 第2環状体
18 第1ベルトコア部
19 第2ベルトコア部
20 未加硫ゴム成形体

Claims (3)

  1. 未加硫の状態の内側ゴム層、心線、及び未加硫の状態の外側ゴム層が内周側から外周側へ向かって順に積層された筒状のベルトスリーブ、を周方向に沿って切断することにより得られた複数の環状体、から環状のラップドVベルトを製造するラップドVベルトの製造方法であって、
    同じ厚さに設定された前記内側ゴム層及び前記外側ゴム層を用いて未加硫の状態の前記ベルトスリーブを生成する工程と、
    未加硫の状態の前記ベルトスリーブの外周面から内周面にまで亘って前記ベルトスリーブの厚み方向を基準線として斜め方向に延びる切断線に沿って回転刃を進出させながら前記ベルトスリーブを回転駆動させて前記ベルトスリーブを切断することで、前記環状体の横断面形状が台形状となるように未加硫の状態の前記ベルトスリーブを周方向に沿って切断して未加硫の状態の複数の前記環状体を形成する工程と、
    複数の前記環状体のうち、前記横断面形状における台形の長辺側のゴム層が前記内側ゴム層となる第1環状体、における内周側の部分と外周側の部分とを反転させて、第1ベルトコア部を形成する工程と、
    前記第1ベルトコア部、及び、複数の前記環状体のうち前記横断面形状における台形の長辺側のゴム層が前記外側ゴム層となる第2環状体としての第2ベルトコア部、のそれぞれの周囲表面の全体であって前記横断面形状が台形状である未加硫の状態の前記第1ベルトコア部及び前記第2ベルトコア部のそれぞれの周囲表面の全体を周方向の全長に亘って外被布で覆うことにより、前記第1ベルトコア部及び前記第2ベルトコア部のそれぞれから未加硫ゴム成形体を形成する工程と、
    前記未加硫ゴム成形体を加硫する工程と、
    を含むことを特徴とする、ラップドVベルトの製造方法。
  2. 請求項に記載のラップドVベルトの製造方法において、
    前記内側ゴム層及び前記外側ゴム層は、同じ材料で構成されていることを特徴とする、ラップドVベルトの製造方法。
  3. 請求項又は請求項に記載のラップドVベルトの製造方法において、
    前記環状体の前記横断面形状は、等脚台形状であることを特徴とする、ラップドVベルトの製造方法。
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