JPWO2015104778A1 - 耐油性伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

伝動ベルトBは、ベルト本体(10)と、ベルト本体(10)を被覆する内被布(16)及び当該内被布(16)を更に被覆する外被布(17)を含む補強布とを備える。内被布(16)と外被布(17)との間又は外被布(17)表面に、フッ素樹脂からなる被膜(18)が形成されている。

Description

本開示は、伝動ベルトに関するものである。
各種機械装置や自動車等に用いられるエンジンやモーター等の回転動力を伝達する手段として、一般に摩擦伝動ベルトや歯付ベルト等の伝動ベルトが用いられている。機械装置の例として切削加工用の工作機械があり、これを用いて切削加工を行う際、潤滑性を得る目的や冷却の目的のために切削油剤が用いられる。
このような油剤は伝動ベルトに付着し、ベルトを膨潤により寸法変化させる原因となる。
これに対し、例えば特許文献1には、歯付ゴムベルトにおける少なくとも歯部表面をフッ素樹脂フィルムにより被覆することが開示されている。
実開平2−141742号公報
しかしながら、既知の伝動ベルトにおける耐油性は満足の行くものとは言えず、油の付着が避けられない使用条件下にて伝動ベルトに要求される耐油性に対応できる伝動ベルトが求められている。以上に鑑み、本開示の目的は、より耐油性の高い伝動ベルトを提供することである。
前記の目的を達成するために、本開示の伝動ベルトは、ベルト本体と、ベルト本体を被覆する内被布及び当該内被布を更に被覆する外被布を含む補強布とを備え、内被布と外被布との間に、フッ素樹脂からなる被膜が形成されている。
このような伝動ベルトは、フッ素樹脂からなる被膜によってベルト本体に対する油剤の侵入を抑制することができるので、耐油性に優れる。また、フッ素樹脂からなる被膜を内被布と外被布との間に設けることにより、被膜を補強布の外側に設けた場合に比べて、ベルトを使用した際に当該被膜が摩擦によって摩耗するのを抑制し、耐油性をより長時間維持することができる。
尚、補強布は、内被布及び外被布に加えて更に他の布を備える3層以上の構造であっても良い。
また、フッ素樹脂による被膜は、補強布のフリクションゴムにフッ素樹脂粒子を分散させて、加硫の際に被膜化させることにより形成されるのであっても良い。
このようにすると、仮にフッ素樹脂からなる膜を個別に設ける場合にはそのための工程が必要となるのとは異なり、追加の工程を要することなくフッ素樹脂の被膜を形成して耐油性を向上させることができる。
また、フリクションゴムの原料ゴム100質量部に対するフッ素樹脂の配合量は、20質量部以上で且つ80質量部以下であっても良い。
フリクションゴムが形成された布が形成のために望ましいタック性を備え且つ十分な耐油性を実現するためには、フッ素樹脂の配合量は、前記のようにフリクションゴムの原料ゴム100質量部に対して20〜80質量部であるのが好ましい。また、30質量以上で且つ60質量部以下であれば、更に好ましい。
また、フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであっても良い。
本開示の技術によると、耐油性に優れた伝動ベルトを実現することができる。
図1は、本開示の一実施形態における伝動ベルトを例示する図である。 図2(a)及び(b)は、図1の伝動ベルトにおける補強布とフッ素樹脂からなる被膜に関して説明する図である。 図3(a)〜(g)は、図1の伝動ベルトの製造方法を説明する図である。 図4は、本開示の実施例及び比較例の伝動ベルトについて、油剤に浸漬した際の重量変化を示す図である。 図5は、本開示の実施例及び比較例の伝動ベルトについて、油剤に浸漬した際の上端の幅の変化を示す図である。 図6は、本開示の実施例及び比較例の伝動ベルトについて、油剤に浸漬した際の厚さの変化を示す図である。 図7は、本実施形態の伝動ベルトについて、フリクションゴムに配合するフッ素樹脂粒子量の影響を示す図である。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の例示的VベルトB(伝動ベルト)を示す図である。当該VベルトBは、例えば、農業機械や産業機械に使用されるものである。また、VベルトBの寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、ベルト周長700〜5000mm、ベルト幅16〜17mm、及びベルト厚さ8〜10mmである。
VベルトBは、ベルト内周側(プーリ接触側)の底部ゴム層11と、中間の接着ゴム層12との二層に構成されたベルト本体10を備える。接着ゴム層12には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。また、ベルト本体10の全体が補強布15によって覆われており、VベルトBはラップドベルトとなっている。
ここで、補強布15は、図1では一層に示しているが、複数の布を含み、且つ、耐油性を向上させる処理が施された布である。これに関し、VベルトBの模式的な断面図である図2(a)を参照してより詳しく説明する。
図2(a)において、ベルト本体10は、図1と同様に底部ゴム層11及び接着ゴム層12を有し、接着ゴム層12には心線14が埋設されている。
ベルト本体10を被覆する補強布15は、ベルト本体を覆う内被布16と、内被布16の外側を更に覆う外被布17を含む。更に、内被布16と外被布17との間において、耐油性を向上させるための被膜18が形成されている。被膜18は、内被布16の外側に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂を含むフリクションゴムの層として形成されている。
また、被膜18は、外被布17の外側に設けられていても良い。この場合を図2(b)に示す。ベルト本体10に関しては図2(a)と同様である。
底部ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム成分としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、単一種で構成されていてもよいし、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
また、底部ゴム層11を形成するゴム組成物に対する配合剤としては、カーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等が挙げられる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラックが挙げられる。補強剤としてはシリカも挙げられる。補強剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。補強材は、耐摩耗性及び耐屈曲性のバランスが良好となるという観点から、ゴム成分100質量部に対する配合量が30〜80質量部であることが好ましい。
加硫促進剤としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛(亜鉛華)などの金属酸化物、金属炭酸塩、ステアリン酸などの脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加硫促進剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
架橋剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物が挙げられる。架橋剤として、硫黄を用いたものでもよく、また、有機過酸化物を用いたものでもよく、さらには、それらの両方を併用したものでもよい。架橋剤は、硫黄の場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が0.5〜4.0質量部であることが好ましく、有機過酸化物の場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
老化防止剤としては、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系、亜
リン酸エステル系のものが挙げられる。老化防止剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0〜8質量部である。
軟化剤としては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系軟化剤、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系軟化剤が挙げられる。軟化剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。石油系軟化剤以外の軟化剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば2〜30質量部である。
尚、配合剤として、スメクタイト族、バーミュライト族、カオリン族等の層状珪酸塩が含まれていてもよい。
また、底部ゴム層11は、摩擦係数低減材を含有していても良い。摩擦係数低減材としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維などの短繊維や超高分子量ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
次に、接着ゴム層12は、断面横長矩形の帯状に構成されている。接着ゴム層12は、ゴム成分に種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。
接着ゴム層12を形成するゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。接着ゴム層12のゴム成分は底部ゴム層11のゴム成分と同一であることが好ましい。
配合剤としては、底部ゴム層11と同様、例えば、カーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等が挙げられる。
底部ゴム層11及び接着ゴム層12は、別配合のゴム組成物で形成されていてもよく、また、同じ配合のゴム組成物で形成されていてもよい。
また、心線14は、ポリエステル繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸で構成されている。心線14は、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。
また、補強布15を構成する内被布16及び外被布17は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等によって構成されている。内被布16及び外被布17は、ベルト本体10等に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、及び/又は、ベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理が施される。
更に、内被布16及び外被布17の少なくとも一方について、ベルト本体10とは反対側になる表面に、フッ素樹脂粒子を分散させたゴムがフリクションゴムとしてすり込まれている。これにより、加硫の際に、外被布17の外側、又は、外被布17と内被布16との間に、フッ素樹脂からなる被膜18が形成される。
次に、ラップドVベルトであるVベルトBの製造方法について、図3(a)〜(g)を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、マントル21に、圧縮ゴム層用のクロロプレンゴム組成物等のゴムシート22を複数回巻き付け、その上に、接着ゴム層用のゴムシート22を巻き付ける。更にその上に、図3(b)に示すように、接着剤を付着させたポリエステルコード等の心線14を螺旋状に巻き付ける。その上に、図3(c)に示すように、接着ゴム層用のゴムシート22を巻き付けて、円筒状の積層構造体20を作製する。
次いで、図3(d)に示すように、円筒状の積層構造体20をマントル21上で所定幅に輪切りにした後、それらをマントル21から取り外す。
次いで、図3(e)に示すように、環状の積層構造体20を、ゴム層の厚い側を外側にして一対のプーリ間に巻き掛け、回転させながら両エッジを斜めにカットしてV形状にスカイビング加工する。
続いて、図3(f)に示すように、V形状にスカイビング加工した環状の積層構造体20の外周を包むように、補強布15となるベルト形成用布25によりラッピングする。尚、図3(f)のベルト形成用布25は一層に示されているが、これは図を簡単に表すためであり、それぞれ内被布16及び外被布17となる二層のベルト形成用布を用いて積層構造体20を二重に被覆する。また、これらの二層のベルト形成用布の少なくとも一方について、外側の表面に、フッ素樹脂粒子を分散させたフリクションゴムがすり込まれている。
そして、図3(g)に示すように、ラッピングした環状の積層構造体20を円筒金型23に外嵌めし、円筒金型23ごと加硫缶に入れて加熱及び加圧する。このとき、環状の積層構造体20のゴム成分が架橋して一体化することによりベルト形成用布25が補強布15となってラップドVベルトであるVベルトBが製造される。
この際、積層構造体20を二重のゴム成分が架橋するのと同時に、フリクションゴムに分散されたフッ素樹脂粒子が被膜化して図2(a)及び(b)に示す被膜18となる。この結果、VベルトBの耐油性が向上する。
ゴム組成物を用いたベルトに油剤が付着すると、ゴムが膨潤し、ベルトに寸法変化が生じる。このような寸法変化が生じた場合、ベルトとプーリとの嵌合性が悪化し、ベルトの摩耗の促進、ベルトの伝動能力の低下等の原因となる。このことから、油剤が付着した際の寸法変化が小さいベルトの方が、耐油性が高いと考えることができる。
これに関して、図4、図5及び図6に示す。図4、図5及び6は、ゴム組成物としてクロロプレンゴムを用いた本実施形態のVベルトB(実施例)と、比較例としての天然ゴム系Vベルト(比較例1)及びクロロプレン系Vベルト(比較例2)とについて、油剤に浸漬させた際の重量変化、上幅の変化及び厚さの変化率を示す。
ここで、実施例のVベルトBにおいて、フリクションゴムには、その原料ゴム100質量部に対して50質量部のフッ素樹脂が分散されている。
また、比較例1の天然ゴム系Vベルトは、ゴム組成物として天然ゴムを用い、フリクションゴムに対するフッ素樹脂粒子の分散を行わないことの他は、実施例のVベルトBと同様に作成されたVベルトである。また、比較例2のクロロプレン系Vベルトは、フリクションゴムに対するフッ素樹脂粒子の分散を行わないことの他は、実施例のVベルトBと同様に作成されたVベルトである。また、ベルトの上幅とは、Vベルトにおけるプーリ接触面とは反対の面の幅である。
図4、図5及び図6に示すとおり、実施例のVベルトBは、比較例1及び2のVベルトに対して油剤に浸漬させた際の膨張が顕著に小さくなっている。
例えば、図4に示す重量変化率を浸漬時間80時間において比較する。天然ゴム系Vベルトは20%以上、クロロプレン系Vベルトは10%以上、それぞれ重量が増加しているのに対し、本実施形態のVベルトBの場合、重量の増加量は5%程度である。
また、図5に示すベルト上幅の変化量について、同じく浸漬時間80時間において比較する。比較例1の天然ゴム系Vベルトでは7%程度、比較例2のクロロプレン系Vベルトでは3.5%程度、それぞれ幅が増加しているのに対し、実施例のVベルトBの場合、幅の増加量は2%程度である。
更に、図6に示すベルトの厚さの変化量について、同じく浸漬時間80時間において比較する。比較例1の天然ゴム系Vベルトでは22%程度、比較例2のクロロプレン系Vベルトでは8%以上、それぞれベルトの厚さが増加しているのに対し、実施例のVベルトBの場合、厚さの増加量は6%以下である。
以上のように、ベルト本体を被覆する補強布に、フッ素樹脂からなる被膜を設けることにより、ベルトの寸法変化に大きく影響する心体(ベルト本体)の膨潤を抑制することができる。実施例のVベルトBと比較例2のクロロプレン系Vベルトとを比較すると、フッ素樹脂からなる被膜を設けることにより重量及び寸法の変化は半分程度に抑制されている。このように、実施例のVベルトBによると、ベルトの耐油性が向上し、ベルトに油剤が付着した際の摩耗の促進、伝動能力の低下を抑制することができる。
次に、フリクションゴムに対するフッ素樹脂の配合量(分散量)と、耐油性との関係について、図7に示す。
図7は、フリクションゴムに対するフッ素樹脂粒子の分散量と、未加硫帆布の接着力(実践にて示す)及びベルトの重量変化(破線にて示す)との関係を示す。いずれも、フッ素樹脂粒子を配合していないフリクションゴムの場合を100とする相対値によって示している。
また、フッ素樹脂粒子の分散量は、フリクションゴムの原料ゴムの質量に対する百分率にて示している。従って、例えば、配合量50%の場合、原料ゴム100質量部に対してフッ素樹脂粒子が50質量部分散されていることになる。
図7に示すとおり、フッ素樹脂粒子の配合量が20%未満ではベルト重量変化はあまり抑制されていない。つまり、耐油性の向上はわずかである。配合量を20%以上とすると、配合量が増えるにつれて耐油性は向上する。しかし、配合量を50%よりも大きくしても、耐油性の有意な向上は見られない。更に、配合量が80%以上となるベルトは製造が困難である。
また、未加硫帆布の接着力については、フッ素樹脂粒子の配合量が増えるにつれて低下している。特に、配合量が70%を超えると接着力の低下が急峻になっている。
以上から、フリクションゴムの原料ゴム100質量部に対し、フッ素樹脂粒子の配合量(分散量)は、20質量部以上で且つ80質量部以下であることが好ましい。これにより、製造されるベルトの耐油性がより確実に向上する。また、当該配合量を原料ゴム100質量部に対して30質量部以上で且つ70質量部以下とすることにより、耐油性を更に向上させながら、接着力(タック性)の低下を抑制できる。
更に、フッ素樹脂粒子の配合量を原料ゴム100質量部に対して50質量部以上で且つ60質量部以下とするのが更に好ましい。つまり、配合量が約50質量部を超えるとそれ以上の耐油性の向上は見られないことから、配合量が50質量部を超える程度の配合量とするのが良い。しかし、配合量が大きくなると接着力が低下し、ベルトの製造は次第に難しくなり、フッ素樹脂粒子のコストも増加する。従って、フッ素樹脂の配合量は、例えば60質量部程度以下にするのが良い。このような範囲とすることにより、できるだけ耐油性を向上しながら、接着力の低下を抑え且つフッ素樹脂粒子の使用量も抑えることができる。
尚、以上ではVベルトを例としているが、これには限定されず、例えば平ベルトにおいても、補強布にフッ素樹脂からなる被膜を形成することによりベルトの耐油性を向上させることができる。
また、以上では、内被布16及び外被布17の2層からなる補強布15を例示したが、補強布15は、更に他の布を備える3層以上の構造を有していても良い。他の布は、内被布16よりも内側又は外被布17よりも外側のどちらに備えられていても良い。また、他の布と、内被布16又は外被布17との間にも、フッ素樹脂から成る被膜が備えられていても良い。これにより、例えば耐油性が更に向上する。
本開示のベルトによると、耐油性に優れた伝動ベルトを実現できるので、例えば切削加工用の機械装置のような油剤が付着しやすい目的に使用する伝動ベルトとして有用である。
10 ベルト本体
11 底部ゴム層
12 接着ゴム層
14 心線
15 補強布
16 内被布
17 外被布
18 被膜
20 積層構造体
21 マントル
22 ゴムシート
23 円筒金型
25 ベルト形成用布

Claims (6)

  1. ベルト本体と、
    前記ベルト本体を被覆する内被布及び当該内被布を更に被覆する外被布を含む補強布とを備え、
    前記内被布と前記外被布との間に、フッ素樹脂からなる被膜が形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 請求項1において、
    前記フッ素樹脂による被膜は、前記補強布のフリクションゴムにフッ素樹脂粒子を分散させて、加硫の際に被膜化させることにより形成されることを特徴とする伝動ベルト。
  3. 請求項2において、
    前記フリクションゴムの原料ゴム100質量部に対するフッ素樹脂の配合量は、20質量部以上で且つ80質量部以下であることを特徴とする伝動ベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする伝動ベルト。
  5. 請求項2において、
    前記フリクションゴムの原料ゴム100質量部に対するフッ素樹脂の配合量は、50質量部以上で且つ60質量部以下であることを特徴とする伝動ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    前記補強布は、前記内被布よりも内側又は前記外被布よりも外側に、更に他の布を備える3層以上の構造であることを特徴とする伝動ベルト。
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