JP6747881B2 - ラップドvベルト及びその製造方法 - Google Patents
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(2)ゴム膜形成処理(未加硫のゴム組成物を溶剤に溶かしてゴム糊を生成し、当該ゴム糊を布帛12bx1の表面に塗布した後、溶剤を蒸発させることで、布帛12bx1の表面に未加硫のゴム組成物の膜を形成する処理)
(3)フリクション処理(カレンダーロールを用い、互いに異なる表面速度で回転するロール間に未加硫のゴム組成物と布帛12bx1とを同時に通過させることで、布帛12bx1の繊維間にまで未加硫のゴム組成物を擦り込む処理)
(4)ソーキング処理(希薄なゴム糊を入れた浸せき槽の中に布帛12bx1を通した後、2本のロール間に布帛12bx1を通して布帛12bx1に付着した過剰のゴム糊を除くことで、布帛12bx1の繊維内部にゴム糊を浸透させる処理)
本願発明者は、実施例として、下記の材料を用いて貫通孔形成前の第1実施形態に係るベルト100と同様のベルトを第1実施形態に係る製造方法により製造した。また、比較例として、補強層12bが無い点を除き実施例と同様のベルトを公知の製造方法により製造した。
実施例及び比較例に係るベルトを2本ずつ用意し、それぞれ長さ略600mmとなるように切断した。そして、実施例及び比較例に係るベルトそれぞれにおいて、「貫通孔無し」の試験片と「貫通孔有り」の試験片とを作製した。「貫通孔無し」の試験片は、上記のとおり長さ略600mmとなるように切断しただけで、貫通孔を形成していないものである。「貫通孔有り」の試験片は、上記のとおり長さ略600mmとなるように切断した後、2つの貫通孔80(それぞれ直径8mmであり、ベルト長手方向の中央を挟んで29mmピッチでベルト長手方向に互いに離隔して配置された2つの貫通孔80)を形成したものである。そして、各試験片について、引張試験機(アムスラー試験機)を用いて引張り速度50mm/minで試験片が破断するまで引張り、7.8kN時伸び、破断時伸び及び破断時強度を測定した(下記表4参照)。
実施例及び比較例に係るベルトを、それぞれ掴み代を除く長さが150mmとなるよう切断し、ベルト長手方向一端に直径10mmの貫通孔を1つ形成したものを試験片とした。そして、各試験片について、引張試験機(オートグラフ)の上部に固定ピンを有する固定具を配置し、貫通孔に固定ピンを挿入し且つ試験片のベルト長手方向他端をチャックで掴み、試験片を固定した。そして、引張速度50mm/minで固定具を上方に引き上げ、試験片が破断したときの強度を測定した(下記表5参照)。
実施例及び比較例に係るベルトにおいて、2つの貫通孔80(それぞれ直径8mmであり、ベルト長手方向の中央を挟んで29mmピッチでベルト長手方向に互いに離隔して配置された2つの貫通孔80)を形成した上で、第4〜第6実施形態のように各貫通孔80にタイン5を挿入し、圃場にて実機耐久試験を行った。実機について、機種はヘーメーカ(集草機)、タインは2列で18本、作業幅は160cm、作業速度は5〜8km/時、適応トラクターは9.5〜22kW(13〜30PS)である。実機耐久試験では、寿命を測定すると共に、寿命時の破損状況を確認した(下記表6参照)。
比較例、実施例1〜6及び参考例1、2に係るベルトを、それぞれ外径315mmの2つのプーリに巻回し、従動側のプーリに軸荷重500kgを付与しながら、雰囲気温度23℃、負荷30ps・回転数1800rpmで回転させ、寿命を測定した(下記表7参照)。本試験においては、貫通孔80を起点とした亀裂の長さが5mm以上となったときに寿命と判断した。
・伸張層と圧縮層との間に接着ゴム層を設けてもよい。
・圧縮層は、圧縮ゴム層以外の要素を含んでもよい。
・貫通孔の数は、1又は複数であってよく、特に限定されない。
・貫通孔は、ベルトにおける任意の位置に形成されてよい。例えば、貫通孔は、ベルト幅方向の中心にその中心が配置されることに限定されず、ベルト幅方向の中心から外れた位置にその中心が配置されてもよい。この場合、貫通孔の中心を、ベルト幅方向の中心から両側にベルトの幅の30%の範囲内に配置することで、貫通孔に棒等の凸部を挿入してベルトを走行させたときにベルトが傾いてしまう問題を抑制することができる。
・貫通孔の形状は、円形に限定されず、例えば楕円形や矩形であってもよい。
・ベルト内面側において圧縮層と外被布との間、及び、ベルト内面側において外被布の圧縮層とは反対側の面、の両方に耐亀裂層を設けてもよい。
・外被布の内層及び外層の片方を、耐亀裂層としてもよい。
6 止め板
7 ナット
10 ベルト本体
10y 外面
11 圧縮層
11a 圧縮ゴム層
12 伸張層
12a 伸張ゴム層
12b 補強層
12bx ゴム付き布帛層
12bx1 布帛
13 心線
13x 心線の中心位置
50 外被布
60 耐亀裂層
80 貫通孔
100;200;300;400;500 ラップドVベルト
100x;200x;300x;400x;500x ベルト内面側
100y;200y;300y;400y;500y ベルト外面側
θ 交差角度
h1 第1長さ
h2 第2長さ
H ベルトの厚み
Claims (9)
- ベルト長手方向と直交する断面がV字状に形成されたベルト本体と、
前記ベルト本体の前記断面の周囲を被覆する外被布と、を備えたラップドVベルトにおいて、
前記ベルト本体は、
ベルト内面側に配置された圧縮層であって、ゴム組成物で構成される圧縮ゴム層を有する圧縮層と、
ベルト外面側に配置された伸張層であって、ゴム組成物で構成される伸張ゴム層を有する伸張層と、
前記圧縮層と前記伸張層との間に埋設された心線と、を有し、
前記伸張層は、布帛と前記布帛に付着したゴム組成物とでそれぞれ構成される複数層のゴム付き布帛層がベルト厚み方向に互いに積層された補強層をさらに有し、前記伸張ゴム層及び前記補強層がベルト厚み方向に互いに積層されており、
ベルト厚み方向に貫通し且つ集草爪の固定具の凸部が挿入される貫通孔が形成されており、
前記ラップドVベルトの内面から、前記補強層を構成する前記複数層のゴム付き布帛層のうちベルト厚み方向に関して前記ベルト本体の外面に最も近い位置にあるゴム付き布帛層までの、ベルト厚み方向の長さである第1長さが、前記ラップドVベルトの厚みの80〜98%であり、
前記ラップドVベルトの内面から、前記補強層を構成する前記複数層のゴム付き布帛層のうちベルト厚み方向に関して前記ベルト本体の外面から最も遠い位置にあるゴム付き布帛層までの、ベルト厚み方向の長さである第2長さが、前記ラップドVベルトの厚みの76〜96%で且つ前記第1長さよりも短いことを特徴とする、ラップドVベルト。 - 前記伸張層は、ベルト厚み方向に関して前記ベルト本体の外面と前記心線の中心との中間位置よりも前記外面に近い位置に配置された前記補強層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラップドVベルト。
- 前記布帛は、経糸と緯糸との交差角度の中心方向がベルト長手方向と平行になるよう配置された平織りの織物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のラップドVベルト。
- 前記交差角度は、110°〜130°であることを特徴とする、請求項3に記載のラップドVベルト。
- 前記ベルト内面側において前記圧縮層と前記外被布との間に、アラミドシート、アラミドメッシュ、アラミドバンド、アラミド・ナイロン複合シート及びカーボンシートの少なくともいずれかで構成される耐亀裂層が設けられたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のラップドVベルト。
- 前記ベルト内面側において前記外被布の前記圧縮層とは反対側の面に、アラミドシート、アラミドメッシュ、アラミドバンド、アラミド・ナイロン複合シート及びカーボンシートの少なくともいずれかで構成される耐亀裂層が設けられたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のラップドVベルト。
- 前記耐亀裂層のベルト幅方向の長さは、前記ベルト内面側における当該ラップドVベルトのベルト幅方向の長さの70〜95%であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のラップドVベルト。
- 前記外被布は、内層と、前記内層の外側に設けられた外層とを含み、
少なくとも前記外層が、アラミドシート、アラミドメッシュ、アラミドバンド、アラミド・ナイロン複合シート及びカーボンシートの少なくともいずれかで構成される耐亀裂層であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のラップドVベルト。 - ベルト長手方向と直交する断面がV字状に形成されたベルト本体を作製するベルト本体作製工程と、
前記ベルト本体作製工程の後、前記ベルト本体の前記断面の周囲を外被布で被覆する被覆工程と、
前記被覆工程の後、前記ベルト本体の加硫を行う加硫工程と、を備えたラップドVベルトの製造方法において、
前記ベルト本体作製工程は、
布帛と前記布帛に付着したゴム組成物とでそれぞれ構成される複数層のゴム付き布帛層がベルト厚み方向に互いに積層された補強層を作製する補強層作製工程と、
前記補強層作製工程の後、成形ドラムに、圧縮ゴム層を構成する未加硫のゴム組成物シート、心線、伸張ゴム層を構成する未加硫のゴム組成物シート、及び、前記補強層を順に巻き付け、ベルト内面側に前記圧縮ゴム層を有する圧縮層が配置され、ベルト外面側に、前記伸張ゴム層と前記補強層とを有する伸張層が配置され、且つ、前記伸張ゴム層及び前記補強層がベルト厚み方向に互いに積層され、前記圧縮層と前記伸張層との間に前記心線が埋没された、前記ベルト本体の前駆体を作製する前駆体作製工程と、
前記前駆体作製工程の後、前記前駆体を切断し、前記断面をV字状に形成する切断工程と、を有し、
前記加硫工程の後、ベルト厚み方向に貫通し且つ集草爪の固定具の凸部が挿入される貫通孔を形成する貫通孔形成工程をさらに備え、
前記前駆体作製工程において、
前記ラップドVベルトの内面から、前記補強層を構成する前記複数層のゴム付き布帛層のうちベルト厚み方向に関して前記ベルト本体の外面に最も近い位置にあるゴム付き布帛層までの、ベルト厚み方向の長さである第1長さを、前記ラップドVベルトの厚みの80〜98%とし、
前記ラップドVベルトの内面から、前記補強層を構成する前記複数層のゴム付き布帛層のうちベルト厚み方向に関して前記ベルト本体の外面から最も遠い位置にあるゴム付き布帛層までの、ベルト厚み方向の長さである第2長さを、前記ラップドVベルトの厚みの76〜96%で且つ前記第1長さよりも短くすることを特徴とする、ラップドVベルトの製造方法。
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