JP6837257B2 - 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に係り、特に電子制御装置を内蔵した電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
一般的な産業機械分野においては、電動モータによって機械系制御要素を駆動することが行われているが、最近では電動モータの回転速度や回転トルクを制御する半導体素子等からなる電子制御部を電動モータに一体的に組み込む、いわゆる機電一体型の電動駆動装置が採用され始めている。
機電一体型の電動駆動装置の例として、例えば自動車の電動パワーステアリング装置においては、運転者がステアリングホィールを操作することにより回動するステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出し、この検出値に基づいてステアリングシャフトの回動方向と同じ方向へ回動するように電動モータを駆動し、操舵アシストトルクを発生させるように構成されている。この電動モータを制御するため、電子制御部(ECU:Electronic Control Unit)がパワーステアリング装置に設けられている。
従来の電動パワーステアリング装置としては、例えば、特開2015−134598号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1には、電動モータ部と電子制御部とにより構成された電動パワーステアリング装置が記載されている。そして、電動モータ部の電動モータは、アルミ合金等から作られた筒部を有するモータハウジングに収納され、電子制御部の電子部品が実装された基板は、モータハウジングの軸方向の出力軸とは反対側に配置されたECUハウジングに収納されている。ECUハウジングの内部に収納される基板は、電源回路部、電動モータを駆動制御するMOSFET、或いはIGBT等のようなパワースイッチング素子を有する電力変換回路部と、パワースイッチング素子を制御する制御回路部を備え、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータの入力端子とはバスバーを介して電気的に接続されている。
そして、ECUハウジングに収納された電子制御部には、合成樹脂から作られたコネクタ端子組立体を介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が供給されている。コネクタ端子組立体は蓋体として機能しており、ECUハウジングに形成された開口部を塞ぐようにして電子制御部と接続され、また固定ボルトによってECUハウジングの外表面に固定されている。
尚、この他に電子制御装置を一体化した電動駆動装置としては、電動ブレーキや各種油圧制御用の電動油圧制御器等が知られているが、以下の説明では代表して電動パワーステアリング装置について説明する。
特開2015−134598号公報
ところで、特許文献1に記載されている電動パワーステアリング装置は、自動車のエンジンルーム内に配置されることから、小型に構成されることが必要である。特に最近では自動車のエンジンルーム内は、排気ガス対策機器や安全対策機器等の補機類が多く設置される傾向にあり、電動パワーステアリング装置を含めて各種補機類はできるだけ小型化することや部品点数を低減することが求められている。
そして、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、特に電源回路部、電力変換回路部の熱を外部に放熱するためのヒートシンク部材が、モータハウジングとECUハウジングの間に配置されている。このため、ヒートシンク部材の分だけ余分に軸方向の長さが長くなる傾向になる。また、電源回路部や電力変換回路部を構成する電気部品は発熱量が大きく、小型化する場合はこの熱を効率よく外部に放熱する必要がある。したがって、軸方向の長さをできるだけ短くすると共に、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することができる電動駆動装置が求められている。
更に、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、電力変換回路部は合成樹脂でパッケージされたパワーモジュールで構成されており、このパワーモジュールはヒートシンク部材に固定ボルトによって固定される形態となっている。したがって、この固定ボルトを取り付ける領域分だけパワーモジュールの形状が大きくなり、電動パワーステアリング装置の小型化を阻害するという課題がある。
また、これに加えて固定ボルトによってパワーモジュールをヒートシンク部材に固定するため、固定ボルト分だけの部品点数が増えると共に、固定ボルトがねじ込まれるボルト孔の加工や、固定ボルトによる固定作業等の加工工数や組み工数も増えて製造単価が高くなるという課題も生じるようになる。
本発明の目的は、軸方向の長さをできるだけ短くすると共に、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することができ、更には電力変換回路部を小型化することができる電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の特徴は、電動モータの回転軸の出力部とは反対側のモータハウジングの端面部に、少なくとも電源回路部及び電力変換回路部で発生した熱をモータハウジングに伝熱させる放熱部を形成すると共に、回転軸の周囲の端面部に弾発機能部材を有する電力変換回路部固定部材を取り付け、弾発機能部材によって電力変換回路部を放熱部に押圧、保持した、ところにある。
本発明によれば、電源回路部及び電力変換回路部で発生した熱をモータハウジングの端面部に伝熱させることで、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできる。また、モータハウジングは十分な熱容量を有しているので、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することができる。更に、弾発機能部材によって電力変換回路部を放熱部に押圧、保持するため、電力変換回路部を固定するための固定ボルトを省略することを可能とし、電力変換回路部を小型化できる。
本発明が適用される一例としての操舵装置の全体斜視図である。 本発明の実施形態になる電動パワーステアリング装置の全体斜視図である。 図2に示す電動パワーステアリング装置の分解斜視図である。 図3に示すモータハウジングの斜視図である。 図4に示すモータハウジングを軸方向に断面した断面図である。 図4に示すモータハウジングに電力変換回路部を載置した状態を示す斜視図である。 図4に示すモータハウジングに電源回路部を載置した状態を示す斜視図である。 図4に示すモータハウジングに制御回路部を載置した状態を示す斜視図である。 組み上がった電動パワーステアリング装置の電子制御部付近を軸方向に断面した断面図である。 図9に示す電力変換回路部固定部材の全体構成を示す斜視図である。 図9に示す電力変換回路部固定部材の外観側面を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に本発明が適用される一例として、操舵装置の構成について図1を用いて簡単に説明する。
まず、自動車の前輪を操舵するための操舵装置について説明する。操舵装置1は図1に示すように構成されている。図示しないステアリングホイールに連結されたステアリングシャフト2の下端には図示しないピニオンが設けられ、このピニオンは車体左右方向へ長い図示しないラックと噛み合っている。このラックの両端には前輪を左右方向へ操舵するためのタイロッド3が連結されており、ラックはラックハウジング4に覆われている。そして、ラックハウジング4とタイロッド3との間にはゴムブーツ5が設けられている。
ステアリングホイールを回動操作する際のトルクを補助するため、電動パワーステアリング装置6が設けられている。即ち、ステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサ7が設けられ、トルクセンサ7の検出値に基づいてラックにギヤ10を介して操舵補助力を付与する電動モータ部8と、電動モータ部8に配置された電動モータを制御する電子制御装置(ECU)部9とが設けられている。電動パワーステアリング装置6の電動モータ部8は、出力軸側の外周部の3箇所が図示しないボルトを介してギヤ10に接続され、電動モータ8部の出力軸とは反対側に電子制御部9が設けられている。
電動パワーステアリング装置6においては、ステアリングホイールが操作されることによりステアリングシャフト2がいずれかの方向へ回動操作されると、このステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクをトルクセンサ7が検出し、この検出値に基づいて制御回路部が電動モータの駆動操作量を演算する。この演算された駆動操作量に基づき、電力変換回路部のパワースイッチング素子により電動モータが駆動され、電動モータの出力軸はステアリングシャフト1を操作方向と同じ方向へ駆動するように回動される。出力軸の回動は、図示しないピニオンからギヤ10を介して図示しないラックへ伝達され、自動車が操舵されるものである。これらの構成、作用は既によく知られているので、これ以上の説明は省略する。
上述したように、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、特に電源回路部、電力変換回路部の熱を外部に放熱するためのヒートシンク部材が、モータハウジングとECUハウジングの間に配置されている。このため、ヒートシンク部材の分だけ余分に軸方向の長さが長くなる傾向になる。また、電源回路部や電力変換回路部を構成する電気部品は発熱量が大きく、小型化する場合はこの熱を効率よく外部に放熱してやる必要がある。したがって、軸方向の長さをできるだけ短くすると共に、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することができる電動駆動装置が求められている。
また、固定ボルトによってパワーモジュールをヒートシンク部材に固定するため、パワーモジュールに固定ボルトを取り付ける領域が必要となり、パワーモジュールが大型化する。パワーモジュールが大型化すると、電動パワーステアリング装置の小型化を阻害し、エンジンルーム内へ効率的に搭載できなくなる。また、固定ボルト分だけ部品点数が増えると共に、固定ボルトがねじ込まれるボルト孔の加工や、固定ボルトによる固定作業等の加工工数や組み工数も増えて製造単価が高くなるという課題も生じるようになる。
このような背景から、本実施形態では次のような構成の電動パワーステアリング装置を提案するものである。つまり、本実施形態においては、電動モータの回転軸の出力部とは反対側のモータハウジングの端面部に、少なくとも電源回路部及び電力変換回路部で発生した熱をモータハウジングに伝熱させる放熱部を形成する、構成としたものである。このような構成によれば、電源回路部及び電力変換回路部で発生した熱をモータハウジングの端面部に伝熱させることで、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできるようになる。また、モータハウジングは十分な熱容量を有しているので、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱できる。
更に、回転軸の周囲の端面部に弾発機能部材を有する電力変換回路部固定部材を取り付け、弾発機能部材によって電力変換回路部を放熱部側に向けて押圧して、電力変換回路部を放熱部に押圧、保持する、構成としたものである。このような構成によれば、電力変換回路部固定部材の弾発機能部材によって電力変換回路部を放熱部側に押圧、保持したので、固定ボルトを省略して電力変換回路部を小型化できる。
また、本実施形態では固定ボルトを省略できるので、固定ボルト分の部品点数を低減でき、しかも固定ボルトがねじ込まれるボルト孔の加工や、固定ボルトによる固定作業も省略でき、製造単価を下げることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態になる電動パワーステアリング装置の具体的な構成について、図2乃至図11を用いて詳細に説明する。尚、図2は本実施形態になる電動パワーステアリング装置の全体的な構成を示した図面であり、図3は図2に示す電動パワーステアリング装置の構成部品を分解して斜め方向から見た図面であり、図4から図8は各構成部品の組み立て順序にしたがって各構成部品を組み付けていった状態を示す図面であり、図9から図11は、電力変換回路部固定部材の構成を説明する図面である。したがって、以下の説明では、各図面を適宜引用しながら説明を行うものとする。
図2に示すように、電動パワーステアリング装置を構成する電動モータ部8は、アルミ合金等から作られた筒部を有するモータハウジング11及びこれに収納された図示しない電動モータとから構成され、電子制御部9は、モータハウジング11の軸方向の出力軸とは反対側に配置された、アルミ合金等で作られた金属カバー12及びこれに収納された図示しない電子制御部から構成されている。
モータハウジング11と金属カバー12はその対向端面で、接着剤、或いは溶着、或いは固定ボルトによって一体的に固定されている。金属カバー12の内部の収納空間に収納された電子制御部は、必要な電源を生成する電源回路部や、電動モータ部8の電動モータを駆動制御するMOSFET或いはIGBT等からなるパワースイッチング素子を有する電力変換回路や、このパワースイッチング素子を制御する制御回路部からなり、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータのコイル入力端子とはバスバーを介して電気的に接続されている。
金属カバー12の端面にはコネクタ端子組立体13が固定ボルトによって固定されている。コネクタ端子組立体13には電力供給用のコネクタ端子形成部13A、検出センサ用のコネクタ端子形成部13B、制御状態を外部機器に送出する制御状態送出用のコネクタ端子形成部13Cを備えている。そして、金属カバー12に収納された電子制御部は、合成樹脂から作られた電力供給用のコネクタ端子形成部13Aを介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が検出センサ用のコネクタ形成端子部13Bを介して供給され、現在の電動パワーステアリング装置の制御状態信号が制御状態送出用のコネクタ端子形成部13Cを介して送出されている。
図3に電動パワーステアリング装置6の分解斜視図を示している。モータハウジング11には内部に円環状の鉄製のサイドヨーク(図示せず)が嵌合されているものもあり、このサイドヨーク内に電動モータ(図示せず)が収納されているものである。電動モータの出力部14はギヤを介してラックに操舵補助力を付与している。尚、電動モータの具体的な構造は良く知られているので、ここでは説明を省略する。
モータハウジング11はアルミ合金から作られており、電動モータで発生した熱や、後述する電源回路部や電力変換回路部で発生した熱を外部大気に放出するヒートシンク部材として機能している。電動モータとモータハウジング11で電動モータ部を構成している。
電動モータ部の出力部14の反対側のモータハウジング11の端面部15には電子制御部ECが取り付けられている。電子制御部ECは、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18から構成されている。モータハウジング11の端面部15は、モータハウジング11と一体的に形成されているが、この他に端面部15だけを別体に形成し、ボルトや溶接によってモータハウジング11と一体化しても良いものである。
ここで、電力変換回路部16、電力変換回路部17、制御回路部18は冗長系を構成するものであり、主電子制御部と副電子制御部の二重系を構成している。そして、通常は主電子制御部と副電子制御部を合せて正規の電子制御部として機能させ、一方の電子制御部に異常、故障が生じると、他方の電子制御部で半分の能力によって電動モータを制御、駆動されるようになっている。。この場合、電動モータの能力は半分となるが、いわゆる「リンプホーム機能」は確保されるようになっている。
したがって、主電子制御部と副電子制御部の熱がモータハウジング11に伝えられるものである。
ただ、本実施形態では採用していないが、主電子制御部によって電動モータが制御、駆動されているが、主電子制御部に異常や故障が生じると、副電子制御部に切り換えられて電動モータが制御、駆動されるようになるものもある。したがって、主電子制御部からの熱がモータハウジング11に伝えられ、主電子制御部に異常や故障が生じると、主電子制御部が停止して副電子制御部が作動し、モータハウジング11には副電子制御部からの熱が伝えられるものである。
電子制御部ECは制御回路部18、電源回路部17、電力変換回路部16、コネクタ端子組立体13から構成されており、端面部15側から離れる方向に向かって、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18、コネクタ端子組立体13の順序で配置されている。制御回路部18は電力変換回路部16のスイッチング素子を駆動する制御信号を生成するもので、マイクロコンピュータ、周辺回路等から構成されている。電源回路部17は、電力変換回路部16への電源を供給するもので、コンデンサ、コイル、スイッチング素子等から構成されている。電力変換回路部16は、電動モータのコイルに流れる電力を調整するもので、3相の上下アームを構成するスイッチング素子等から構成されている。
電子制御部ECで発熱量が多いのは、主に電力変換回路部16、電源回路部17であり、電力変換回路部16、電源回路部17の熱は、アルミ合金からなるモータハウジング11から放熱されるものである。尚、本実施形態では、電動モータの回転軸の端部側のモータハウジング11の端面部に、弾発機能部材36と防水通気機能部材44を有する電力変換回路部固定部材35が取り付けられる構成となっている。この電力変換回路部固定部材35に形成した弾発機能部材36によって電力変換回路部16をモータハウジング11の端面に形成した放熱部側に向けて押圧して、電力変換回路部16を放熱部に押圧、保持している。また、防水通気機能部材44によって水分の通過を防止し空気や水蒸気の通過を許すようにして、電子制御部の収納空間の内圧変動を抑制し、更に電子制御部の収納空間への水分の侵入を抑制するようにしている。尚、これらの構成については、後述する。
制御回路部18と金属カバー12の間には、合成樹脂からなるコネクタ端子組立体13が設けられており、車両バッテリ(電源)や電動パワーステアリング装置の現在の制御状態を外部の図示しない他の制御装置と接続されている。もちろん、このコネクタ端子組立体13は、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18と電気的に接続されていることはいうまでもない。
金属カバー12は、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18を収納してこれらを水密的に封止する機能を備えているものであり、本実施形態では溶着によってモータハウジング11に固定されている。この金属カバー12は金属で作られているので、電力変換回路部16、電源回路部17等によって発生した熱を外部に放熱する機能も併せ備えている。
次に、図4から図8に基づき各構成部品の構成と組み立て方法について説明する。先ず、図4はモータハウジング11の外観を示しており、図5はその軸方向断面を示している。図4、図5において、モータハウジング11は、筒状の形態に形成されて側周面部11Aと、側周面部11Aの一端を閉塞する端面部15と、側周面部11Aの他端を閉塞する端面部19とから構成されている。本実施形態では、モータハウジング11は有底円筒状であり、側周面部11Aと端面部15は一体的に形成されている。また、端面部19は、蓋の機能を備えており、側周面部11Aに電動モータを収納した後に側周面部11Aの他端を閉塞するものである。
図5にあるように、側周面部11Aの内部には、鉄心にコイル20が巻回されたステータ21が嵌合されており、このステータ21の内部に、永久磁石を埋設したロータ22が回転可能に収納されている。ロータ22には回転軸23が固定されており、一端は出力部14となり、他端は回転軸23の回転位相や回転数を検出するための回転検出部24となっている。回転検出部24には永久磁石が設けてあり、端面部15に設けた貫通孔25を貫通して外部に突き出している。そして、図示しないGMR素子等からなる感磁部によって回転軸23の回転位相や回転数を検出するようになっている。
図4に戻って、回転軸23の出力部14とは反対側に位置する端面部15の面には本実施形態の特徴である電力変換回路部16、電源回路部17の放熱領域15A,15Bが形成されている。端面部15の四隅には、基板固定凸部26が一体的に植立されており、内部にねじ穴が形成されている。基板固定凸部26は後述する制御回路部18の基板を固定するために設けられている。また、後述する電力変換用放熱領域15Aから植立した基板固定凸部26には、これも後述する電源用放熱領域15Bと軸方向で同じ高さの基板受け部27が形成されている。この基板受け部27は後述する電源回路部17のガラスエポキシ基板31を載置するためのものである.
端面部15を形成する、回転軸23と直交する径方向の平面領域は2分割されている。1つは電力変換回路部16が取り付けられる電力変換用放熱領域15Aを形成し、もう1つは電源回路部17が取り付けられる電源用放熱領域15Bを形成している。本実施形態では、電力変換用放熱領域15Aの方が電源用放熱領域15Bより面積が大きく形成されている。これは、上述したように二重系を採用しているため、電力変換回路部16の設置面積を確保するためである。
そして、電力変換用放熱領域15Aと電源用放熱領域15Bは、軸方向(回転軸23が延びる方向)に向けて高さが異なる段差を有している。つまり、電源用放熱領域15Bは、電動モータの回転軸23の方向で見て、電力変換用放熱領域15Aに対して離れる方向に段差を有して形成されている。この段差は、電力変換回路部16を設置した後に電源回路部17を設置した場合に、電力変換回路部16と電源回路部17が夫々干渉しない長さに設定されている。
電力変換用放熱領域15Aには、3個の細長い矩形の突状放熱部28が形成されている。この突状放熱部28は後述する二重系の電力変換回路部16が設置されるものである。また、突状放熱部28は、電動モータの回転軸23の方向で見て電動モータから離れる方向に突出して延びているものである。
また、電源用放熱領域15Bは平面状であって、後述する電源回路部17が設置されるものである。したがって、突状放熱部28は電力変換回路部16で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能し、電源用放熱領域15Bは電源回路部17で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能するものである。尚、突状放熱部28は省略することができ、この場合は電力変換用放熱領域15Aが電力変換回路部16で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能する。
このように、本実施形態になるモータハウジング11の端面部15においては、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできるようになるものである。また、モータハウジング11は十分な熱容量を有しているので、電源回路部17や電力変換回路部16の熱を効率よく外部に放熱することができるようになるものである。
次に、図6は電力変換回路部16を突条放熱部28に設置した状態を示している。図6にある通り、電力変換用放熱領域15Aに形成された突状放熱部28の上部には二重系よりなる電力変換回路部16が設置されている。電力変換回路部16を構成するスイッチング素子は銅などの金属で構成されたリードフレームに載置され、放熱されやすく構成されている。そして、スイッチング素子及びリードフレームを含めて合成樹脂によってパッケージ化されている。電力変換回路部16と突状放熱部28の間には、伝熱性グリースが塗布され、電力変換回路部16の熱を突状放熱部28に伝え易くしている。
したがって、電力変換回路部16は突状放熱部28に熱的に接続される構成となっている。このため、スイッチング素子で発生した熱を効率良く突状放熱部28に伝熱させることができる。また、図3にもあるように、電力変換回路部16は、回転軸23の端部に取り付けられた電力変換回路部固定部材35の弾発機能部材36によって突状放熱部28側に向けて押圧、保持されている。
突状放熱部28に伝えられた熱は電力変換用放熱領域15Aに拡散され、更にモータハウジング11の側周面部11Aに伝熱されて外部に放熱されるものである。ここで、上述した通り、電力変換回路部16の軸方向の高さは、電源用放熱領域15Bの高さより低くなっているので、後述する電源回路部17と干渉することはないものである。
次に、図7は電力変換回路部16の上から電源回路部17を設置した状態を示している。図7にある通り、電源用放熱領域15Bの上部には電源回路部17が設置されている。電源回路部17を構成するコンデンサ29やコイル30等はガラスエポキシ基板31に載置されている。電源回路部17も二重系が採用されており、図からわかるように、夫々対称にコンデンサ29やコイル30等からなる電源回路が形成されている。
このガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B側の面は、電源用放熱領域15Bと接触するようにして端面部15に固定されている。固定方法は、図7にあるように、基板固定凸部26の基板受け部27に設けられたねじ穴に図示しない固定ボルトによって固定されている。また、電源用放熱領域15Bに設けられたねじ穴にも図示しない固定ボルトによって固定されている。
尚、電源回路部17がガラスエポキシ基板31で形成されているため、両面実装が可能となっている。そして、ガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B側の面には、図示しないGMR素子やこれの検出回路等からなる回転位相、回転数検出部が実装され、回転軸23に設けた回転検出部24と協働して、回転軸23の回転位相や回転数を検出するようになっている。
このように、ガラスエポキシ基板31は電源用放熱領域15Bに接触するようにして固定されているので、電源回路部17で発生した熱を効率良く電源用放熱領域15Bに伝熱させることができる。電源用放熱領域15Bに伝えられた熱は、モータハウジング11の側周面部11Aに拡散して伝熱されて外部に放熱されるものである。ここで、ガラスエポキシ基板31と電源用放熱領域15Bの間は、熱伝達性の良い接着剤、放熱グリース、放熱シートのいずれか1つを介在させることで、更に熱伝達性能を向上させることができる。
次に、図8は電源回路部17の上から制御回路18を設置した状態を示している。図8にある通り、電源回路部17の上部には制御回路部18が設置されている。制御回路部18を構成するマイクロコンピュータ32や周辺回路33はガラスエポキシ基板34に載置されている。制御回路部18も二重系が採用されており、図からわかるように、夫々対象にマイクロコンピュータ32や周辺回路33からなる制御回路が形成されている。尚、マイクロコンピュータ32や周辺回路33は、ガラスエポキシ基板34の電源回路17側の面に設けられていても良いものである。
このガラスエポキシ基板34は、図8にあるように、基板固定凸部26の頂部に設けられたボルト穴に図示しない固定ボルトによって固定されており、電源回路部17のガラスエポキシ基板31と制御回路部18のガラスエポキシ基板34の間は、図7に示す電源回路部17のコンデンサ29やコイル30等が配置される空間となっている。
次に、図9から図11に基づいて電力変換回路部固定部材の構成を説明する。図9において、電子制御部ECは、モータハウジング11の端面部15に隣接して配置されており、金属カバー12によって覆われることで、金属カバー12と端面部15によって形成された収納空間Shに電子制御部ECが収納されている。
そして、回転軸23の出力部14とは反対側の端部には、磁石保持部37が固定されており、更にこれに回転検出部24を構成する永久磁石(センサマグネット)38が収納、固定されている。この回転軸23の端部、磁石保持部37、永久磁石38は、モータハウジング11の端面部15を越えて電子制御部EC側に延びている。電子制御部EC側に配置されている電源回路部17のガラスエポキシ基板31のモータハウジング11側の面には、GMR素子のような感磁機能を有する磁気センサ39が固定されており、永久磁石38の回転によって回転軸23の回転位相等を検出している。
磁石保持部37及び永久磁石38の外周囲側には、互いに間隔をあけて電力変換回路部固定部材35が固定されている。この電力変換回路部固定部材35は、図からわかるように円形の中空壁面部と底面壁部を備える中空有底形状(いわゆるカップ状の形態)に形成されている。これについては図10、図11で説明する。そして、電力変換回路部固定部材35は、永久磁石38及び磁石保持部37の外周面を覆うようにして、端面部15に形成した固定孔40に圧入や接着等の固定方法によって強固に固定されている。
固定孔40は、端面部15の中央付近に形成した回転軸23が貫通する貫通孔41の外側周囲に円形状に形成されており、固定孔40の内周側に電力変換回路部固定部材35の中空部を形成する外側周面42が圧入、或いは接着等の固定方法で固定されている。貫通孔41にはボールベアリング45が介装されており、このボールベアリング45に回転軸23が回転可能に軸支されている。したがって、モータハウジング11の内部と電子制御部ECの内部に形成された収納空間Shは、基本的には端面部15及び電力変換回路部固定部材35によって水密的に隔離される形態となっている。
図10、図11に示しているように、電力変換回路部固定部材35の中空壁面部である外側周面42は、径方向外側に延びる略矩形の弾発機能部材36が形成されている。弾発機能部材36は夫々90°間隔を置いて三方向に配置された弾発付与部36Aを備えており、これらの弾発付与部36Aは、図6に示すこれも夫々90°間隔を置いて三方向に配置された、電力変換回路16を弾発的に突状放熱部28側に向けて押圧する機能を備えているものである。
電力変換回路部固定部材35は、アルミ合金や合成樹脂等によって中空有底形状のカップ状に形成されており、その外側周面42に弾発機能部材36が形成されている。弾発機能部材36は、ばね鋼板等の弾発機能を備えた材料を打抜いて形成しても良いし、図示しないばねによって剛性の有る金属板に弾発機能を付与し、電力変換回路部16を弾発的に突状放熱部28側に向けて押圧するようにしても良いものである。
1つの弾発付与部36Aは、本実施形態では3本の櫛歯状(或いはフォーク状)の弾発片36Pからなっており、電力変換回路部16の長手方向にほぼ均等間隔に位置するように、互いの間隔がほぼ同じ長さに決められている。これによって、電力変換回路部16から突状放熱部28にかかる面圧を、より均一化して放熱性を向上することが可能となる。尚、弾発片36Pの数は任意であり、適切な本数を決めれば良いものである。
そして、電力変換回路部16は、回転軸23の周囲の端面部15に取り付けられた電力変換回路部固定部材35の弾発機能部材36に形成された弾発片30Pによって、突状放熱部28側に向けて弾発的に押圧、保持されることになる。
これによって、電力変換回路部16に固定ボルトを取り付ける領域が必要なくなるので、電力変換回路部を小型化することができ、このため電動パワーステアリング装置の大型化を抑制することができる。更に、固定ボルトを使用しないので、部品点数を低減できると共に、固定ボルトがねじ込まれるボルト孔の加工や、固定ボルトによる固定作業が不要となるので製造単価を低減することも可能となる。
更に、モータハウジング11の内部と電子制御部ECの間は通気性を確保して、温度変動による内圧変動を抑えることが必要である。しかしながら、電力変換回路部固定部材35によってモータハウジング11の内部と電子制御部ECの収納空間を隔離する形態にすると、モータハウジング11の内部と電子制御部ECの収納空間は通気性が喪失されることになる。
このため、電力変換回路部固定部材35にモータハウジング11の内部と電子制御部ECの収納空間を通気する通気孔を形成すると、モータハウジング11内に侵入した水分が、電子制御部ECの収納空間側にも侵入する恐れが高くなり、仮に水分が電子制御部ECの収納空間Shに侵入すると、電子回路に障害を生じるようになる。
そこで、本実施形態によれば、電力変換回路部固定部材35の底面壁部35Tにモータハウジング11の内部と電子制御部ECの収納空間Shを通気する通気孔43を形成すると共に、この通気孔43に防水通気機能部材である防水通気膜44を配置するようにしている。防水通気膜44は、空気や水蒸気は通過するが水分は通過させないという、防水性及び通気性の双方の機能を備える防水通気膜である。この防水通気膜44は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを延伸加工したフィルムとポリウレタンポリマーを複合化して作ることができる。
したがって、モータハウジング11の内部は、貫通孔41、電力変換回路部固定部材35の内部空間、防水通気膜44を介して電子制御部ECの収納空間に流体的に接続されているので、電力変換回路部固定部材35の通気孔43に設けた防水通気膜44によってモータハウジング11の内部と電子制御部ECの間の通気を確保できると共に、モータハウジング11内に侵入した水分が、電子制御部EC側にも侵入する現象を回避することが可能となる。
次に、図3に示す状態で、コネクタ端子組立体13が電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18と接続され、更に図2に示すように金属カバー12によって電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18が水密的に封止されるものである。これによって、電動パワーステアリング装置の組み付けが完了するものである。
以上述べたように、本実施形態によれば、電力変換用放熱領域15Aに形成された突状放熱部28の上部に電力変換回路部16が設置されている。したがって、電力変換回路部16のスイッチング素子で発生した熱を効率良く突状放熱部28に伝熱させることができる。更に、突状放熱部28に伝えられた熱は電力変換用放熱領域15Aに拡散され、モータハウジング11の側周面部11Aに伝熱されて外部に放熱される。
同様に、電源用放熱領域15Bの上部には電源回路部17が設置されている。電源回路部17の回路素子が載置されたガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B側の面は、電源用放熱領域15Bと接触するようにして端面部15に固定されている。したがって、電源回路部17で発生した熱を効率良く電源用放熱領域15Bに伝熱させることができる。電源用放熱領域15Bに伝えられた熱は、モータハウジング11の側周面部11Aに拡散して伝熱されて外部に放熱される。
このような構成によれば、少なくとも電源回路部17及び電力変換回路部16で発生した熱をモータハウジング11の端面部15に伝熱させることで、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできる。また、モータハウジング11は十分な熱容量を有しているので、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することができる。
また、電力変換回路部16は、回転軸23の周囲の端面部15に取り付けられた電力変換回路部固定部材35の弾発機能部材36によって、突状放熱部28側に向けて弾発的に押圧、保持されている。これによって、電力変換回路部16に固定ボルトを取り付ける領域が必要なくなるので電力変換回路部を小型化することができ、このため電動パワーステアリング装置の大型化を抑制することができる。更に、固定ボルトを使用しないので、部品点数を低減できると共に、固定ボルトがねじ込まれるボルト孔の加工や、固定ボルトによる固定作業が不要となるので、製造単価を低減することも可能となる。
更に、電力変換回路部固定部材35の通気孔43に設けた防水通気膜44によってモータハウジング11の内部と電子制御部ECの間の通気を確保できると共に、モータハウジング11内に侵入した水分が、電子制御部EC側にも侵入する現象を回避することが可能となる。
以上述べた通り、本発明は電動モータの回転軸の出力部とは反対側のモータハウジングの端面部に、少なくとも電源回路部及び電力変換回路部で発生した熱をモータハウジングに伝熱させる放熱部を形成した、構成を採用している。これによれば、電源回路部及び電力変換回路部で発生した熱をモータハウジングの端面部に伝熱させることで、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできるようになる。また、モータハウジングは十分な熱容量を有しているので、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することができる。更に、電力変換回路部固定部材の弾発機能部材によって電力変換回路部を放熱部側に向けて押圧、保持したので、電力変換回路部を固定する固定ボルトを省略して電力変換回路部を小型化することができる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
6…電動パワーステアリング装置、8…電動モータ部、9…電子制御部、11…モータハウジング、12…金属カバー、13…コネクタ端子組立体、14…出力部、15…端面部、16…電力変換回路部、17…電源回路部、18…制御回路部、19…端面部、20…コイル、21…ステータ、22…ロータ、23…回転軸、24…回転検出部、25…貫通孔、26…基板固定凸部、27…基板受け部、28…突状放熱部、29…コンデンサ、30…コイル、31…ガラスエポキシ基板、32…マイクコンピュータ、33…周辺回路、34…ガラスエポキシ基板、35…電力変換回路部固定部材、36…弾発機能部材、36A…弾発付与部、36P…弾発片、36T…頂面、37…磁石保持部、38…永久磁石、39…磁気センサ、40…固定孔、41…貫通孔、42…外側周面、43…通気孔、44…防水通気膜、45…ボールベアリング。

Claims (12)

  1. 機械系制御要素を駆動する電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための制御回路部、電源回路部、電力変換回路部からなる電子制御部とを備え、
    前記モータハウジングの前記端面部の側には電力変換用放熱領域が形成され、前記電力変換用放熱領域には前記電力変換回路部が設置され、
    中空壁面部と底面壁部を備えた中空有底形状に形成され、かつ、弾発機能部材を有する電力変換回路部固定部材を有し、前記中空壁面部は、前記モータハウジングの前記端面部を貫通する前記回転軸の周囲に形成した固定孔に圧入され、前記中空壁面部が圧入された状態で、前記弾発機能部材が径方向に延びて前記電力変換回路部を前記電力変換用放熱領域に押圧及び保持することを特徴とする電動駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電動駆動装置において、
    前記弾発機能部材は、前記電力変換回路部を押圧するように前記中空壁面部の外周面から径方向に延びていることを特徴とする電動駆動装置。
  3. 請求項2に記載の電動駆動装置において、
    前記弾発機能部材は複数の弾発片を備えており、前記弾発片は、前記電力変換回路部にほぼ均等間隔に位置するように、互いの間隔が決められていることを特徴とする電動駆動装置。
  4. 請求項1に記載の電動駆動装置において、
    前記モータハウジングの前記端面部の側には前記電力変換用放熱領域、及び前記電源回路部が設置される電源用放熱領域が形成され、前記電源用放熱領域は、前記電動モータの回転軸方向で見て、前記電力変換用放熱領域に対して離れる方向に段差を有して形成されていることを特徴とする電動駆動装置。
  5. 請求項4に記載の電動駆動装置において、
    前記電力変換用放熱領域には、前記電動モータの回転軸方向で見て前記電動モータから離れる方向に延びた突状放熱部が形成されていることを特徴とする電動駆動装置。
  6. 請求項に記載の電動駆動装置において、
    前記電子制御部は、前記電動モータの回転軸方向で見て前記電動モータから離れる方向に、前記電力変換回路部、前記電源回路部、前記制御回路部の順番で配置されていることを特徴とする電動駆動装置。
  7. ステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサからの出力に基づきステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータと、
    前記電動モータが収納されたモータハウジングと、
    前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための制御回路部、電源回路部、電力変換回路部からなる電子制御部とを備え、
    前記モータハウジングの前記端面部の側には電力変換用放熱領域が形成され、前記電力変換用放熱領域には前記電力変換回路部が設置され、
    中空壁面部と底面壁部を備えた中空有底形状に形成され、かつ、弾発機能部材を有する電力変換回路部固定部材を有し、前記中空壁面部は、前記モータハウジングの前記端面部を貫通する前記回転軸の周囲に形成した固定孔に圧入され、前記中空壁面部が圧入された状態で、前記弾発機能部材が径方向に延びて前記電力変換回路部を前記電力変換用放熱領域に押圧及び保持することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項7に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記弾発機能部材は、前記電力変換回路部を押圧するように前記中空壁面部の外周面から径方向に延びていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記弾発機能部材は複数の弾発片を備えており、前記弾発片は、前記電力変換回路部にほぼ均等間隔に位置するように、互いの間隔が決められていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータハウジングの前記端面部の側には前記電力変換用放熱領域、及び前記電源回路部が設置される電源用放熱領域が形成され、前記電源用放熱領域は、前記電動モータの回転軸方向で見て、前記電力変換用放熱領域に対して離れる方向に段差を有して形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項10に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記電力変換用放熱領域には、前記電動モータの回転軸方向で見て前記電動モータから離れる方向に延びた突状放熱部が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  12. 請求項10に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記電子制御部は、前記電動モータの回転軸方向で見て前記電動モータから離れる方向に、前記電力変換回路部、前記電源回路部、前記制御回路部の順番で配置されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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