以下、本開示の例示的な実施の形態を開示する。なお、以下に示される実施の形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。また、以下の実施の形態は開示の技術を限定するものではない。
図1は、本実施の形態の無線通信システム1の一例を示す模式図である。
無線通信システム1は、情報処理装置10と、観測装置12と、情報処理装置10と無線通信する複数の無線通信装置14と、を備える。情報処理装置10と観測装置12とは、有線または無線により通信可能に接続されている。
情報処理装置10は、対象領域P内の無線通信装置14と、直接または観測装置12を介して無線通信する装置である。情報処理装置10は、対象領域P内の無線通信装置14に対して、後述する指示コードなどの各種の無線信号を送信する。
対象領域Pは、予め定めた領域であればよい。本実施の形態では、対象領域Pは、1つまたは複数の観測装置12が無線通信装置14と無線通信する対象の領域である。対象領域Pの形状、および大きさは限定されない。対象領域Pは、例えば、建物、建物内の空間、または、部屋、などの予め定められた範囲内の領域である。
観測装置12は、対象領域P内の無線通信装置14へ各種の無線信号を発信する。また、観測装置12は、対象領域P内の無線通信装置14から無線信号を受信する。すなわち、観測装置12は、対象領域P内の無線通信装置14へ無線信号を発信する発信局、および、対象領域P内の無線通信装置14から無線信号を受信する受信局、として機能する。
本実施形態では、無線通信システム1は、3つの観測装置12(観測装置12A〜観測装置12C)を備える形態を一例として説明する。しかし、無線通信システム1が備える観測装置12の数は、3つに限定されない。また、無線通信装置14と情報処理装置10とが直接無線通信可能な構成である場合には、観測装置12を備えない構成であってもよい。本実施の形態では、情報処理装置10は、観測装置12を介して無線通信装置14と無線通信する形態を一例として説明する。すなわち、本実施の形態では、情報処理装置10と無線通信装置14との通信は、無線通信装置14を介して行うものとして説明する。
無線通信装置14は、情報処理装置10と無線通信可能な無線通信装置である。上述したように、本実施の形態では、無線通信装置14は、観測装置12を介して情報処理装置10と無線通信する。
無線通信装置14は、例えば、Bluetooth(登録商標)により通信する機能が実装され、Bluetooth Low Energy(BLE)などの無線通信規格に基づく無線信号を発信および受信する。なお、無線通信装置14の用いる無線通信規格は、Bluetoothを用いた形態に限定されない。例えば、無線通信装置14は、IrDA(Infrared Data Association)などの赤外通信規格を用いて無線通信してもよい。
無線通信装置14は、無線信号を、直接、観測装置12へ送信してもよいし、マルチホップ無線通信により無線信号を観測装置12へ送信してもよい。マルチホップ無線通信により無線信号を観測装置12へ送信する場合には、無線通信装置14は、他の1または複数の無線通信装置14を中継して、信号の発信元の無線通信装置14から受信した無線信号を観測装置12へ転送する。観測装置12は、受信した無線信号を情報処理装置10へ出力する。
本実施の形態では、無線通信装置14は、対象16に設けられている。詳細には、1つの対象16に対して、少なくとも1つの無線通信装置14が設けられている。本実施の形態では、1つの対象16に対して、1つの無線通信装置14が設けられている形態を、一例として説明する。
対象16は、無線通信装置14を搭載可能な物である。対象16は、生物、非生物、の何れであってもよい。例えば、対象16は、人、動物、移動体(車両、飛行機、ドローン)、物品、などである。物品は、例えば、靴、衣服、箱、などであるが、これらに限定されない。
対象16は、移動可能であってもよいし、移動不可能であってもよい。移動可能である場合、対象16は、動力機構を備えた構成とすることで移動可能であってもよいし、他の対象によって運搬されるなど、外力によって移動可能であってもよい。本実施の形態では、対象16が、位置移動可能である場合を、一例として説明する。
例えば、対象16が物品である場合、1つの物品に対して、1つの無線通信装置14が設けられている。
このため、無線通信装置14は、対象16の位置移動に伴って、位置移動可能である。無線通信装置14は、タグと称される場合がある。無線通信装置14は、対象16に設けられることで、対象16の管理などのために用いられる。
次に、無線通信システム1の機能的構成を説明する。
図2は、無線通信システム1の機能ブロック図の一例である。
まず、情報処理装置10について説明する。
情報処理装置10は、制御部20と、第1の記憶部22と、通信部24と、UI(ユーザ・インターフェース)部26と、を備える。制御部20と、第1の記憶部22、通信部24、およびUI部26とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
第1の記憶部22は、各種の情報を記憶する。本実施の形態では、第1の記憶部22は、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bを記憶する。これらの情報の詳細は後述する。第1の記憶部22は、HDD(ハードディスクドライブ)などの公知の記憶媒体である。なお、第1の記憶部22を、外部装置に設けてもよい。
通信部24は、観測装置12と通信するための通信インターフェースである。なお、通信部24は、観測装置12および無線通信装置14と通信するための通信インターフェースであってもよい。
UI部26は、ユーザからの操作指示を受付ける入力機能と、画像を表示する表示機能と、を備える。入力機能は、例えば、キーボード、マウス、などである。表示機能は、例えば、液晶表示装置や、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどである。UI部26は、入力機能と表示機能を一体に備えたタッチパネルであってもよい。
制御部20は、受付部20Aと、生成部20Bと、送信制御部20Cと、を備える。
上記各部は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
受付部20Aは、対象情報を受付ける。対象情報は、対象16の特徴に関する情報と、対象16を備えた無線通信装置14の識別情報と、を含む。
対象16の特徴に関する情報とは、対象16の特徴を示す1または複数の特徴項目と、特徴項目の特徴値と、を含む情報である。
対象16の特徴とは、他の対象16との区別に用いる事の可能なポイントを示す。対象16の特徴は、例えば、対象16の外観の特徴、対象16の製造に関する特徴、対象16の機能の特徴、対象16に付与された特徴、などである。対象16が靴である場合、対象16の外観の特徴は、例えば、色、サイズ、などである。対象16の製造に関する特徴は、対象16の製造メーカ、製造条件、販売メーカ、などである。対象16の機能の特徴は、例えば、対象16の用途、対象16を備えた無線通信装置14に設けられた電池の電圧、電池の交換日時、などである。対象16に付与された特徴は、例えば、対象16の価格などである。なお、対象16の特徴は、これらに限定されない。
特徴項目とは、対象16の特徴を予め定めた分類条件に従って1または複数のカテゴリに分類した、各カテゴリを特定する情報である。特徴項目は、例えば、色、サイズ、製造メーカ、用途、価格、電池電圧、交換日時、などである。なお、対象16の特徴項目は、これらに限定されない。
特徴値は、特徴項目の実際の内容を示す値である。特徴値は、数字、文字、記号の何れで表してもよい。特徴項目が色である場合、該特徴項目の特徴値は、例えば、青、赤、白、黒、などである。特徴項目がサイズである場合、該特徴項目の特徴値は、例えば、25.0、25.5、26.0、26.5、27.0、28.0、29.0などである。特徴項目が製造メーカである場合、該特徴項目の特徴値は、A社、B社、などである。特徴項目が用途である場合、該特徴項目の特徴値は、サッカー、バレーなどである。特徴項目が価格である場合、該特徴項目の特徴値は、金額を示す数値で表される。なお、特徴値は、これらに限定されない。
対象16を備えた無線通信装置14の識別情報とは、対象16が設けられた無線通信装置14を識別する情報である。無線通信装置14の識別情報は、タグIDと称される場合がある。以下では、無線通信装置14の識別情報を、タグIDと称して説明する場合がある。
受付部20Aは、例えば、UI部26から対象情報を受付ける。例えば、ユーザは、UI部26を操作することで、対象情報を入力する。すると、受付部20Aは、UI部26から対象情報を受付ける。なお、受付部20Aは、外部装置などから無線通信または有線通信により、対象情報を受信することで、対象情報を受付けてもよい。
受付部20Aは、受付けた対象情報を、第2の情報22Bへ登録する。
図3は、第2の情報22Bのデータ構成の一例を示す模式図である。図3には、対象16が“靴”である場合の、第2の情報22Bのデータ構成の一例を示した。
第2の情報22Bは、タグIDと、特徴項目と、を対応付けた情報である。第2の情報22Bのデータ形式は限定されない。第2の情報22Bのデータ形式は、例えば、テーブルであってもよいし、データベースであってもよい。
受付部20Aは、対象情報を受付けるごとに、対象情報に含まれるタグIDと、対象情報に含まれる特徴項目の特徴値と、を対応づけて第2の情報22Bへ登録する。なお、1つの対象情報には、1つのタグIDと、該タグIDによって識別される無線通信装置14を備えた対象16に関する情報と、が含まれるものと想定して説明する。
受付部20Aによって第2の情報22Bが更新されることで、複数の無線通信装置14の各々のタグIDと、無線通信装置14をそれぞれ備えた複数の対象16の各々の、1または複数の特徴項目の各々の特徴値と、が第2の情報22Bへ登録される。なお、本実施の形態では、1つの対象16の特徴を示す特徴項目は、複数である場合を一例として説明する。このため、第2の情報22Bには、1つのタグIDに対して、複数の特徴項目の各々の特徴値が登録される。なお、1つの対象16を示す特徴項目は、1つであってもよい。この場合、第2の情報22Bには、1つのタグIDに対して、1つの特徴項目(例えば、“色”)のみが登録されることとなる。
なお、図3に示すように、第2の情報22Bは、タグIDおよび特徴項目に加えて、更に他の情報を登録したものであってもよい。例えば、第2の情報22Bは、対象情報を情報処理装置10で受付けた時間(データ受信時間)を登録したものであってもよい。
なお、受付部20Aは、第2の情報22Bを外部装置などから無線通信または有線通信により受信し、第1の記憶部22へ記憶してもよい。
図2に戻り説明を続ける。生成部20Bは、第2の情報22Bが第1の記憶部22に記憶されると、第1の情報22Aを生成する。
例えば、生成部20Bは、第2の情報22Bに予め定めた数以上のタグIDと、タグIDの各々に対応する特徴項目の特徴値が登録されたときに、第2の情報22Bを生成してもよい。また、生成部20Bは、ユーザによるUI部26の操作指示などによって第1の情報22Aの生成指示が入力されたときに、第1の情報22Aを生成してもよい。
なお、生成部20Bは、第2の情報22Bが第1の記憶部22に記憶され、且つ、後述する送信制御部20Cによる指示コードの送信処理(詳細後述)が開始される前に、第1の情報22Aを生成すればよい。
第1の情報22Aの生成について説明する。
図4は、第1の情報22Aのデータ構成の一例を示す模式図である。第1の情報22Aは、無線通信装置14をそれぞれ備えた複数の対象16の特徴項目の特徴値と、特徴値の属するグループのグループ識別情報と、を対応付けた情報である。図4中、記号“:”の左側の数値は、グループ識別情報の一例である。また、記号“:”の右側の文字列は、特徴値の一例である。
グループとは、特徴項目に示される複数種類の特徴値を、予め定めたグループ分類条件に従って複数のグループに分類したときの、各グループを示す。グループ分類条件は、特徴項目ごとに予め定めればよい。
例えば、特徴項目“色”の複数種類の特徴値“青”、“黒”、“緑”、“赤”、“白”、“金”、“銀”を、該特徴値の示す値に従って複数のグループに分類したと想定する。この場合、例えば、各色である“青”、“黒”、“緑”、“赤”、“白”、“金”、“銀”の各々が、互いに異なるグループに分類された状態となる。
また、例えば、特徴項目“価格”の複数種類の特徴値“1〜5000円”を、予め定めた価格範囲ごとに区切ることで複数のグループに分類したと想定する。この場合、例えば、“1〜100円”、“101〜500円”、“501〜1000円”、“1001〜2000円”、“2001〜3000円”、“3001〜4000円”、“4001〜5000円”の各々が、互いに異なるグループに分類された状態となる。
グループ識別情報は、上記グループを識別するための情報である。例えば、図4に示すように、グループ識別情報は、“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”、“7”などの数字で表される。なお、グループ識別情報のデータ形式は限定されない。例えば、グループ識別情報のデータ形式は、文字や数字などのテキスト形式であってもよいし、バイナリ形式であってもよい。本実施の形態では、グループ識別情報が、テキスト形式である場合を一例として説明する。
生成部20Bは、第2の情報22B(図3参照)に示される、複数の特徴項目の各々ごとに、特徴項目に示される複数の特徴値を、特徴項目ごとに予め定めたグループ分類条件に従って複数のグループに分類する。そして、生成部20Bは、特徴項目ごとに、分類したグループの各々にグループ識別情報を付与する。なお、グループ識別情報は、特徴項目内で一意に識別可能な情報であればよく、複数の特徴項目間で、同じ値のグループ識別情報が含まれていてもよい。
そして、生成部20Bは、特徴項目ごとに、特徴値と該特徴値の属するグループのグループ識別情報と、を対応づけて登録することで、第1の情報22Aを生成する。すなわち、本実施の形態では、生成部20Bは、特徴値とグループ識別情報とを複数の特徴項目ごとに対応付けた第1の情報22Aを第1の記憶部22へ記憶する。
このため、図4に示すように、第1の情報22Aには、無線通信装置14を備えた対象16の複数の特徴項目(例えば、“色”、“サイズ”、“製造メーカ”、“用途”、“価格”)の各々ごとに、複数の特徴値と、複数の特徴値の各々が属するグループのグループ識別情報(例えば、“1”〜“7”などの数字)と、が対応付けられた状態となる。
なお、制御部20は、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bを外部装置などから無線通信または有線通信により受信し、第1の記憶部22へ記憶してもよい。この場合、外部装置では、上述した処理を実行することで、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bを生成すればよい。
図2に戻り説明を続ける。第1の記憶部22に第1の情報22Aおよび第2の情報22Bが記憶された状態となった後に、生成部20Bは、無線通信装置14の呼出コードを生成する。
呼出コードとは、情報処理装置10が無線通信装置14を呼び出すときに用いるコードである。呼出コードは、無線通信装置14を備えた対象16の、特徴項目の特徴値の属するグループのグループ識別情報によって構成される。すなわち、呼出コードは、無線通信装置14を備えた対象16の特徴値が属するグループの、グループ識別情報を含む。
生成部20Bは、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bを用いて、複数の無線通信装置14の各々ごとに、呼出コードを生成する。
生成部20Bは、タグIDごとに、タグIDに対応する複数の特徴項目の各々の特徴値を、該第2の情報22Bから読取る。そして、生成部20Bは、第1の情報22Aにおける、読取った特徴項目の特徴値に対応するグループ識別情報を特定する。
そして、生成部20Bは、無線通信装置14ごとに、無線通信装置14を備えた対象16の、特徴項目の特徴値の属するグループのグループ識別情報を、当該無線通信装置14の呼出コードとして生成する。
なお、生成部20Bは、1つの特徴項目のグループ識別情報から構成された呼出コードを生成してもよいし、複数の特徴項目の各々のグループ識別情報から構成された呼出コードを生成してもよい。
1つの特徴項目の各々のグループ識別情報から構成された呼出コードとする場合、生成部20Bは、1つのグループ識別情報からなる、すなわち、1桁の呼出コードを生成する。
一方、複数の特徴項目の各々のグループ識別情報から構成された呼出コードとする場合、生成部20Bは、複数の特徴項目の各々のグループ識別情報からなる、すなわち、複数桁の呼出コードを生成する。
この場合、生成部20Bは、複数の特徴項目の各々の特徴値が属するグループのグループ識別情報を、特徴項目ごとに予め定めた桁位置に配置した、呼出コードを生成すればよい。
なお、生成部20Bが、複数の特徴項目の各々のグループ識別情報からなる、複数桁の呼出コードを生成する場合、呼出コードおよび後述する指示コードの桁数は同じであり、予め定めた桁数以下とすることが好ましい。
桁数が同じである、とは、コードに含まれる特徴項目の数、特徴項目の種類、および特徴項目の桁位置が同じであることを意味する。
この予め定めた桁数は、1桁以上で且つ予め定めた桁数以下の範囲の値であればよい。予め定めた桁数、すなわち桁数の上限は、例えば、“5”である。この数は、予め定めればよい。予め定めた数が“5”であり、且つ、グループ識別情報が文字列によって表される場合、呼出コードおよび後述する指示コードは、5ケタの文字列によって表されることとなる。また、この場合、呼出コードおよび後述する指示コードは、5種類の特徴項目の各々のグループ識別情報を含むものとなる。
呼出コードおよび後述する指示コードの桁位置に対応する特徴項目の種類は、予め定めればよい。また、呼出コードと後述する指示コードと、の各桁位置に対応する特徴項目の種類は、互いに同じであるものとする。
例えば、呼出コードおよび指示コードの1桁目は特徴項目“色”を表し、2桁目は特徴項目“サイズ”を表し、3桁目は特徴項目“製造メーカ”を表し、4桁目は特徴項目“用途”を表し、5桁目は特徴項目“価格”を表すことを、予め定めたと想定する。
この場合、生成部20Bは、第2の情報22Bにおける、タグID“9000”によって識別される無線通信装置14の呼出コードとして、以下の呼出コードを生成する。
具体的には、生成部20Bは、タグID“9000”に対応する特徴項目の各々の特徴値(特徴項目“色”の特徴値“青”、特徴項目“サイズ”の特徴値“26.0”、特徴項目“製造メーカ”の特徴値“D社”、特徴項目“用途”の特徴値“野球”、特徴項目“価格”の特徴値“4800”円、特徴項目“電池電圧”の特徴値“3.0V”、特徴項目“交換日時”の特徴値“2019.1”)を読取る。
そして、生成部20Bは、読取ったこれらの特徴項目ごとに、読取った特徴値のグループ識別情報を、第1の情報22Aを用いて特定する。この場合、生成部20Bは、特徴項目“色”の特徴値“青”のグループ識別情報“1”、特徴項目“サイズ”の特徴値“26.0”のグループ識別情報“3”、特徴項目“製造メーカ”の特徴値“D社”のグループ識別情報“4”、特徴項目“用途”の特徴値“野球”のグループ識別情報“6”、特徴項目“価格”の特徴値“4800”円のグループ識別情報“7”を第1の情報22Aから特定する。
そして、生成部20Bは、タグID“9000”によって識別される無線通信装置14の呼出コードとして、特定した上記グループ識別情報を上記特徴項目ごとに予め定めた桁位置に配置することで、呼出コード“13467”を生成する。
同様にして、生成部20Bは、第2の情報22Bに登録されているタグIDによって識別される無線通信装置14ごとに、呼出コードを生成する。
なお、呼出コードおよび後述する指示コードにおける、特徴項目の桁位置は、ユーザによるUI部26の操作指示などによって適宜変更可能としてもよい。また、呼出コードおよび後述する指示コードを構成する、特徴項目の種類、特徴項目の数、および特徴項目の桁位置は、予め定めればよく、ユーザによるUI部26の操作指示などによって適宜変更可能としてもよい。
送信制御部20Cは、生成部20Bによって生成された複数の呼出コードの各々を、呼出コードの生成に用いた特徴値に対応するタグIDによって識別される無線通信装置14へ、観測装置12を介して送信する。本実施の形態では、送信制御部20Cは、呼出コードと、呼出コードの登録指示と、を含む呼出コード登録指示信号を、無線通信装置14へ送信する。
このように、送信制御部20Cは、後述する指示コードを無線通信装置14へ送信する送信処理を実行する前に、無線通信装置14ごとに生成した呼出コードを含む呼出コード登録指示信号を、予め無線通信装置14へ送信する。
第1の記憶部22に第1の情報22Aおよび第2の情報22Bが記憶され、送信制御部20Cが呼出コード登録指示信号を無線通信装置14へ送信することで、指示コードの送信処理前の事前処理が終了する。すなわち、無線通信装置14の各々には、指示コードの送信処理が実行される前に、呼出コードが予め記憶された状態となる。また、情報処理装置10の第1の記憶部22には、指示コードの送信処理が実行される前に、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bが予め記憶された状態となる。
すると、受付部20Aは、駆動対象のグループ識別情報の選択を、受付可能な状態となる。
本実施の形態では、受付部20Aは、駆動対象の複数の無線通信装置14をそれぞれ備えた複数の対象16のグループ識別情報の選択を、UI部26から受付ける。例えば、ユーザが、無線通信システム1が管理する複数の無線通信装置14の内、特定の条件を満たす複数の無線通信装置14を同時に呼び出す事を希望した場合を想定する。無線通信システム1が管理する複数の無線通信装置14とは、第2の情報22BにタグIDが登録され、且つ、呼出コードを送信済の無線通信装置14である。
例えば、ユーザは、UI部26を操作することで、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通する特徴値の属するグループを、特徴項目ごとに選択する。
例えば、制御部20は、第1の情報22Aを示す画像をUI部26へ表示する。詳細には、制御部20は、第1の情報22Aの内、呼出コードを構成する複数の桁位置の各々に対して予め定められた特徴項目の、特徴値およびグループ識別情報の一覧を、UI部26へ表示する。本実施の形態では、第1の情報22AがUI部26へ表示される。
ユーザは、表示された第1の情報22Aを確認しながら、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々を備えた対象16に共通する特徴値の属するグループを、特徴項目ごとに選択する。
すると、受付部20Aは、特徴項目ごとに選択されたグループ識別情報を、UI部26から受付部20Aを介して受付ける。
例えば、ユーザが、特徴項目“色”の特徴値“青”、および、特徴項目“サイズ”の特徴値“26.0”である対象16に設けられた無線通信装置14を駆動することを希望していると想定する。この場合、ユーザは、UI部26を操作することで、特徴項目“色”の特徴値“青”の属するグループのグループ識別情報“1”と、特徴項目“サイズ”の特徴値“26.0”の属するグループのグループ識別情報“3”と、を選択する。
このため、この場合、送信制御部20Cは、特徴項目“色”のグループ識別情報“1”と、特徴項目“サイズ”のグループ識別情報“3”とを、受付部20Aを介してUI部26から受け付ける。
生成部20Bは、受付部20Aで受付けたグループ識別情報を、特徴項目ごとに予め定められた桁位置に配置することで、指示コードを生成する。
なお、呼出コードを構成する複数の桁位置の各々に対して予め定められた特徴項目の全てではなく、一部の特徴項目のグループ識別情報を用いて、指示コードを生成することをユーザが望む場合がある。言い換えると、ユーザが、呼出コードの複数の桁位置の各々に予め定められた特徴項目の全てではなく、一部の特徴項目を用いて、複数の無線通信装置14を同時に呼出すことを所望する場合がある。
この場合、上述したように、呼出のための検索対象外とされた特徴項目については、グループ識別情報が選択されないこととなる。このため、受付部20Aは、呼出コードを構成する複数の桁位置の各々に対して予め定められた特徴項目の内、一部の特徴項目のグループ識別情報を受付けない場合がある。
この場合、生成部20Bは、受付部20Aを介してUI部26から選択を受付けなかった特徴項目については、全てのグループ識別情報を示すワイルドカードを、対応する桁位置に配置すればよい。
例えば、上述したように、生成部20Bが、特徴項目“色”のグループ識別情報“1”と、特徴項目“サイズ”のグループ識別情報“3”とを、受付部20Aを介してUI部26から受け付けたと想定する。
この場合、生成部20Bは、特徴項目“色”のグループ識別情報“1”を1桁目に配置し、特徴項目“サイズ”のグループ識別情報“3”を2桁目に配置し、指定されていない特徴項目の桁位置にはワイルドカードを配置する。このため、この場合、送信制御部20Cは、指示コード“13000”を生成する。すなわち、この場合、指示コードに含まれるグループ識別情報の少なくとも一つが、ワイルドカードで表されることとなる。なお、“0”は、ワイルドカードを示す特殊文字の一例であり、この表記に限定されない。
そして、送信制御部20Cは、生成部20Bで生成した指示コードを、情報処理装置10が無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信する、指示コードの送信処理を実行する。無線通信可能な、とは、情報処理装置10が、直接または観測装置12を介して無線通信を行う事が可能であることを示す。
すなわち、送信制御部20Cは、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々を備えた対象16に共通するグループ識別情報を含む指示コードを、無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信する。言い換えると、本実施の形態では、送信制御部20Cは、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通する、複数の特徴項目の各々のグループ識別情報を、特徴項目ごとに予め定めた桁位置に配置した指示コードを、無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信する。
本実施の形態では、送信制御部20Cは、生成した指示コードを、観測装置12を介して対象領域P内の無線通信装置14の全てに送信する。このため、駆動対象の無線通信装置14を備えた対象16の特徴に応じたグループ識別情報によって表される指示コードが、無線通信装置14に送信される。なお、無線通信装置14の駆動を停止させる場合にも、送信制御部20Cは、同様のコードを無線通信装置14へ送信すればよい。
次に、無線通信装置14の機能について説明する。
無線通信装置14は、制御部30と、第2の記憶部32と、通信部34と、駆動部36と、を備える。制御部30と、第2の記憶部32、通信部34、および駆動部36とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
第2の記憶部32は、各種の情報を記憶する。本実施の形態では、第2の記憶部32は、情報処理装置10から観測装置12を介して受信した呼出コードを記憶する。第2の記憶部32は、公知の記憶媒体である。
通信部34は、他の装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、通信部34は、観測装置12、他の無線通信装置14、および情報処理装置10の少なくとも1つと無線通信するための通信インターフェースである。
駆動部36は、無線通信装置14を駆動させる。駆動とは、光の発光、音の出力、振動の発生、形態変化、などのユーザが身体的間隔によって知覚可能な状態変化を無線通信装置14に生じさせることを示す。形態変化とは、色、形、および大きさ、の少なくとも1つが変化することを意味する。
駆動部36は、上記状態変化を無線通信装置14に生じさせる機能を有する。例えば、駆動部36は、ライト、スピーカ、振動装置、形態変化のための駆動機構、などである。なお、駆動部36は、発光、音の出力、振動の発生、および形態変化、の少なくとも1つを実現する機器であればよい。
制御部30は、通信制御部30A、記憶制御部30B、取得部30C、および駆動制御部30Dを備える。
上記各部は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
通信制御部30Aは、情報処理装置10から、観測装置12および通信部34を介して、呼出コード登録指示信号を受信する。
記憶制御部30Bは、通信制御部30Aが呼出コード登録指示信号を受信すると、呼出コード登録指示信号に含まれる呼出コードを、第2の記憶部32へ記憶する。このため、無線通信装置14には、無線通信装置14を備えた対象16の特徴値に属するグループ識別情報によって構成された呼出コードが登録された状態となる。すなわち、第2の記憶部32には、呼出コードが予め記憶された状態となる。
また、通信制御部30Aは、情報処理装置10から、観測装置12および通信部34を介して、指示コードを受信する。
通信制御部30Aが指示コードを受信すると、取得部30Cは、通信制御部30Aから指示コードを取得する。
駆動制御部30Dは、取得部30Cで取得した指示コードと、第2の記憶部32に記憶されている呼出コードと、が一致するか否かを判断する。
詳細には、呼出コードおよび指示コードが、複数桁で表される場合、指示コードと呼出コードを、同じ桁位置ごとに値を比較し、全ての桁位置の値が同じであると判定した場合、呼出コードと指示コードとが一致すると判断する。
また、上述したように、指示コードの少なくとも1つの桁位置の値が、ワイルドカードで表される場合がある。この場合、駆動制御部30Dは、指示コードにおけるワイルドカードで表された桁位置を特定し、呼出コードにおける特定した桁位置の値がいかなる値であっても、該桁位置については同じ値であると判定すればよい。
そして、駆動制御部30Dは、指示コードと呼出コードとが一致すると判断すると、駆動部36を駆動する。
詳細には、駆動制御部30Dは、情報処理装置10から受信した指示コードと、第2の記憶部32に記憶されている呼出コードとが一致する場合、発光、音の出力、振動の発生、および形態変化、の少なくとも1つを実現するように、駆動部36を制御する。
このため、情報処理装置10が送信した指示コードと一致する呼出コードを記憶した複数の無線通信装置14が、同時に駆動することとなる。よって、情報処理装置10は、複数の無線通信装置14を容易に同時に駆動させることができる。
例えば、情報処理装置10の送信制御部20Cが、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bに基づいて、指示コード“13000”を生成し、無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信したと想定する。上述したように、指示コード“13000”は、特徴項目“色”のグループ識別情報“1”、特徴項目“サイズ”のグループ識別情報“3”、特徴項目“製造メーカ”、“用途”、および“価格”のグループ識別情報がワイルドカードである“0”を示す。
この場合、該指示コード“13000”を受信した複数の無線通信装置14の内、呼出コードの桁位置の1つ目が“1”であり、桁位置の2つ目が“3”である複数の無線通信装置14が、駆動することとなる。具体的には、特徴項目“色”がグループ識別情報“1”によって表される“青”であり、且つ、特徴項目“サイズ”がグループ識別情報“3”によって表される“26.0”の対象16に備えられた複数の無線通信装置14が、同時に駆動することとなる。
このように、本実施の形態の無線通信システム1では、複数の無線通信装置14を容易に同時に駆動させることができる。
次に、無線通信システム1が実行する情報処理の流れを説明する。
まず、無線通信システム1が実行する、事前処理の流れの一例を説明する。事前処理とは、情報処理装置10が指示コードの送信処理を行う前に実行される処理である。
図5は、情報処理装置10が実行する事前処理の流れの一例を示す、フローチャートである。
情報処理装置10の受付部20Aは、UI部26から対象情報を受付ける(ステップS100)。受付部20Aは、ステップS100で受付けた対象情報を、第2の情報22Bへ登録する(ステップS102)。
生成部20Bは、第1の記憶部22に記憶された第2の情報22Bを用いて、第1の情報22Aを生成する(ステップS104)。生成部20Bは、特徴項目ごとに、特徴値と該特徴値の属するグループのグループ識別情報と、を対応づけて登録することで、第1の情報22Aを生成する。そして、生成部20Bは、生成した第1の情報22Aを第1の記憶部22へ記憶する(ステップS106)。
次に、生成部20Bは、第1の情報22Aおよび第2の情報22Bを用いて、複数の無線通信装置14の各々ごとに、呼出コードを生成する(ステップS108)。
送信制御部20Cは、ステップS108生成された複数の呼出コードの各々を、呼出コードの生成に用いた特徴値に対応するタグIDによって識別される無線通信装置14へ送信する(ステップS110)。上述したように、本実施の形態では、送信制御部20Cは、呼出コードと、呼出コードの登録指示と、を含む呼出コード登録指示信号を、無線通信装置14へ送信する。そして、本ルーチンを終了する。
図6は、無線通信装置14が実行する事前処理の流れの一例を示す、フローチャートである。
無線通信装置14の取得部30Cは、情報処理装置10から呼出コード登録指示信号を受信したか否かを判断する(ステップS200)。受信していないと判断すると(ステップS200:No)、本ルーチンを終了する。
一方、受信したと判断すると(ステップS200:Yes)、ステップS202へ進む。ステップS202では、記憶制御部30Bが、ステップS200で受信した、呼出コード登録指示信号に含まれる呼出コードを、第2の記憶部32へ記憶する(ステップS
202)。このため、無線通信装置14には、無線通信装置14を備えた対象16の特徴値に属するグループ識別情報によって構成された呼出コードが登録された状態となる。そして、本ルーチンを終了する。
次に、無線通信システム1が実行する指示コードの送信処理の流れの一例を説明する。
図7は、情報処理装置10が実行する指示コードの送信処理の流れの一例を示す、フローチャートである。
情報処理装置10の受付部20Aは、ユーザによるUI部26の操作指示によって、特徴項目ごとに選択されたグループ識別情報を、UI部26から受付部20Aを介して受付ける(ステップS300)。ステップS300の処理によって、受付部20Aは、駆動対象の無線通信装置14を備えた対象16のグループ識別情報の、選択を受付ける。
生成部20Bは、ステップS300で受付けたグループ識別情報を、特徴項目ごとに予め定められた桁位置に配置することで、指示コードを生成する(ステップS302)。
送信制御部20Cは、ステップS302で生成された指示コードを、観測装置12を介して、対象領域P内の無線通信装置14の全てに送信する(ステップS304)。そして、本ルーチンを終了する。
図8は、無線通信装置14が実行する情報処理の流れの一例を示す、フローチャートである。図8は、情報処理装置10が指示コードの送信処理を実行するときに、無線通信装置14で実行される情報処理の一例である。
無線通信装置14の取得部30Cは、取得部30Cが、指示コードを取得したか否かを判断する(ステップS400)。取得部30Cは、通信制御部30Aが通信部34および観測装置12を介して情報処理装置10から、指示コードを受信したか否かを判別することで、ステップS400の判断を行う。
指示コードを取得しない場合(ステップS400:No)、本ルーチンを終了する。一方、指示コードを取得したと判断すると(ステップS400:Yes)、ステップS402へ進む。
ステップS402では、駆動制御部30Dが、ステップS400で取得した指示コードと、第2の記憶部32に記憶されている呼出コードと、が一致するか否かを判断する(ステップS402)。不一致であると判断した場合(ステップS402:No)、本ルーチンを終了する。一方、一致すると判断した場合(ステップS402:Yes)、ステップS404へ進む。
ステップS404では、駆動制御部30Dは、情報処理装置10から受信した指示コードと、第2の記憶部32に記憶されている呼出コードとが一致する場合、発光、音の出力、振動の発生、および形態変化、の少なくとも1つを実現するように、駆動部36を制御する(ステップS404)。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の無線通信システム1は、情報処理装置10と、情報処理装置10と無線通信する複数の無線通信装置14と、を備える。情報処理装置10は、第1の記憶部22と、送信制御部20Cと、を備える。第1の記憶部22は、無線通信装置14をそれぞれ備えた複数の対象16の特徴項目の特徴値と、特徴値の属するグループのグループ識別情報と、を対応付けた第1の情報22Aを記憶する。送信制御部20Cは、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通するグループ識別情報を含む指示コードを、無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信する。
無線通信装置14は、第2の記憶部32と、取得部30Cと、駆動制御部30Dと、を備える。第2の記憶部32は、当該無線通信装置14を備えた対象16の、特徴項目の特徴値の属するグループのグループ識別情報を、当該無線通信装置14の呼出コードとして記憶する。取得部30Cは、指示コードを取得する。駆動制御部30Dは、取得した指示コードに含まれるグループ識別情報が呼出コードと一致する場合、当該無線通信装置14に設けられた駆動部36を駆動する。
ここで、従来技術では、特定の1つの無線通信装置を選択的に駆動させることは可能であるが、複数の無線通信装置を同時に駆動させることは困難であった。
例えば、荷物、探し物、物品を保持するトレイ、などの対象16に無線通信装置を取り付け、特定の無線通信装置を遠隔から駆動させることで、該無線通信装置を取付けられた対象16の位置特定や対象16を保持したユーザの呼出などを行う場合がある。このとき、複数の無線通信装置を同時に呼び出す必要が発生する場合がある。例えば、複数の荷物などの対象16を同時に移動させる場合や、複数の対象16の各々を保持したユーザに同時に注意を喚起させる場合などである。
しかし、従来技術では、呼出対象の複数の無線通信装置に、順次信号を送信することで、複数の無線通信装置を駆動させており、同時に複数の無線通信装置を駆動させることは困難であった。
また、予め、複数の対象16を複数の群に分類し、群ごとに同じ識別情報(タグID)を割当てて管理することで、該群に属する対象16に付与された無線通信装置14を同時に呼び出す従来技術もある。しかし、この従来技術では、予め定めた特定の群に属する無線通信装置14しか同時に駆動させることができず、呼出対象の無線通信装置14が固定となっていた。また、この従来技術では、同時に駆動させる無線通信装置14の数も限定されていた。
このため、従来技術では、特定の1つの無線通信装置を選択的に駆動させることは可能であるが、複数の無線通信装置を同時に駆動させることは困難であった。
一方、本実施の形態の無線通信システム1では、情報処理装置10が、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通するグループ識別情報を含む指示コードを、無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信する。そして、無線通信装置14では、取得した指示コードに含まれるグループ識別情報が当該無線通信装置14に記憶された呼出コードと一致する場合、当該無線通信装置14に設けられた駆動部36を駆動する。
このように、本実施の形態の無線通信システム1では、無線通信装置14を備えた対象16の、特徴項目の特徴値の属するグループのグループ識別情報を、当該無線通信装置14の呼出コードとして用い、該無線通信装置14に予め記憶する。そして、情報処理装置10では、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通するグループ識別情報を含む指示コードを、複数の無線通信装置14の各々に送信する。そして、無線通信装置14では、取得した指示コードと予め記憶した呼出コードとが一致する場合、該無線通信装置14の駆動部36を駆動する。
このため、本実施の形態の無線通信システム1では、情報処理装置10が送信した指示コードに一致する呼出コードを記憶した複数の無線通信装置14を、同時に駆動させることができる。
従って、本実施の形態の無線通信システム1は、複数の無線通信装置14を同時に駆動させることができる。
また、本実施の形態の無線通信システム1では、指示コードとして、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通するグループ識別情報を用いる。また、本実施の形態の無線通信システム1では、呼出コードとして、無線通信装置14を備えた対象16の、特徴項目の特徴値の属するグループのグループ識別情報を用いる。
このように、本実施の形態の無線通信システム1では、指示コードおよび呼出コードが、無線通信装置14の固有の識別情報ではなく、無線通信装置14を備えた対象16の、特徴項目の特徴値の属するグループのグループ識別情報によって表される。このため、本実施の形態の無線通信システム1は、上記効果に加えて、駆動対象とする無線通信装置14の選択制限の抑制、および、駆動対象の無線通信装置14の個数制限の抑制を図ることができる。
また、情報処理装置10の第1の記憶部22は、特徴値とグループ識別情報とを複数の特徴項目ごとに対応付けた第1の情報22Aを予め記憶する。情報処理装置10の送信制御部20Cは、駆動対象の複数の無線通信装置14の各々をそれぞれ備えた対象16に共通する、複数の特徴項目の各々のグループ識別情報を、特徴項目ごとに予め定めた桁位置に配置した指示コードを、無線通信可能な複数の無線通信装置14の各々へ送信する。
そして、無線通信装置14の第2の記憶部32は、当該無線通信装置14を備えた対象16の、複数の特徴項目の各々の特徴値の属するグループのグループ識別情報を、特徴項目ごとに予め定めた桁位置に配置した呼出コードを予め記憶する。無線通信装置14の駆動制御部30Dは、取得した指示コードが呼出コードと一致する場合、駆動部36を駆動する。
このため、本実施の形態の無線通信システム1では、複数種類の様々な特徴項目のグループ識別情報によって識別されるグループに属する特徴値を有する対象16に備えられた無線通信装置14を選択的に駆動させるための指示コードを、無線通信装置14へ送信することができる。このため、本実施の形態の無線通信システム1は、上記効果に加えて、駆動対象とする無線通信装置14の選択制限の抑制、および、駆動対象の無線通信装置14の個数制限の抑制を更に図ることができる。
また、指示コードおよび呼出コードの桁数は同じであり、且つ、予め定めた桁数以下である。このように、本実施の形態の無線通信システム1では、予め定めた桁数のコードを用いて、複数の無線通信装置14を同時に駆動させることができるため、少ないデータ量および通信量で、複数の無線通信装置14を同時に駆動させることができる。
また、指示コードに含まれる前記グループ識別情報の少なくとも1つは、ワイルドカードである。このため、少なくとも1つの特徴項目については、全てのグループ識別情報によって識別されるグループに属する特徴値の対象16に付与された無線通信装置14を、駆動対象として指定することができる。従って、本実施の形態の無線通信システム1では、上記効果に加えて、駆動対象とする無線通信装置14の選択制限の抑制、および、駆動対象の無線通信装置14の個数制限の抑制を図ることができる。
(ハードウェア構成)
次に、上記実施の形態の情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14のハードウェア構成の一例を説明する。図9は、情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14のハードウェア構成図の一例を示す図である。
情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14は、CPU80などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)84、およびHDD(ハードディスクドライブ)86などの記憶装置と、各種機器とのインターフェースであるI/F部88と、各部を接続するバス90とを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14では、CPU80が、ROM82からプログラムをRAM84上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現される。
なお、情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDD86に記憶されていてもよい。また、情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM82に予め組み込まれて提供されていてもよい。
また、情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、情報処理装置10、観測装置12、および無線通信装置14で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
なお、上記には、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。