JP6835816B6 - グラスアイオノマーセメントを製造するためのパーツキット、その製造方法及びその使用 - Google Patents

グラスアイオノマーセメントを製造するためのパーツキット、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、グラスアイオノマーセメント(glass ionomer cement、GIC)を製造するためのパーツキットであって、セメントは、2種のペーストを混合することによって得ることができる、パーツキットに関する。
グラスアイオノマーセメントは、30年を超えて、歯科修復治療のために使用されてきた。
典型的には、グラスアイオノマーセメントは、粉末部分を液体部分と混合することによって反応させる。
粉末の構成成分は、典型的に、必須の又は重要な構成成分として、酸反応性充填剤(例えばフルオロアルミノシリケートガラス)を含む。
液体の構成成分は、典型的に、必須の構成成分として、水、ポリカルボン酸、及び凝結特性を調整するための錯化剤(例えば酒石酸)を含む。
グラスアイオノマーセメントの主な利点は、歯牙構造への自己接着性、フッ化物の放出、及び1つの部分の中に置かれる能力(バルク充填)であると言われている。
何人かの施術者により報告されている欠点は、樹脂系複合充填材料について報告されている物性−機械的特性と比べて、グラスアイオノマーセメントは脆弱性があり、物性−機械的特性が比較的低いことである。
したがって、特にグラスアイオノマーセメントの曲げ強度を改善するために、多様なアプローチがなされてきた。
例えば、ポリカルボン酸の全体的な含有量を、酸反応性充填剤と比べて増加させることによって、曲げ強度は改善され得ることが報告されている。
しかしながら、液体部分中に含有されているポリカルボン酸の量を増加させると、液体部分は粘性になりすぎ、粉末の構成成分と液体の構成成分とを適切に混合することがほとんど不可能になる。
この問題を克服するために、乾燥形態にある一部のポリカルボン酸を粉末の構成成分中へ入れることが示唆された。
しかしながら、これを行うと、製品の貯蔵安定性が負の影響を受けることがあることが、認められた。時間が経つと、空気中に存在する湿気が粉末の構成成分中へ移動し始め、少なくとも部分的に、グラスアイオノマー反応の開始を引き起こすことがある。
粉末部分の、周囲の湿気への感受性を克服するために、少なくとも粉末の構成成分の部分をカプセル化することが考えられた。乾燥剤を粉末部分へ加えることもまた、考えられた。別のアプローチは、最終製品、又は少なくとも粉末部分を、防湿性のホイルブリスター中へ梱包することであった。しかしながら、この種類の梱包は、きわめて高価であり、かつ使用後に廃棄物を生み出し、これは望ましくない。
更に、粒子のカプセル化は、容易でないことが多く、かつカプセル化された粉末の全体的な反応性に影響を及ぼすことがある。乾燥剤を加えることについても同じことが当てはまる。
したがって、特に最近の歯科用材料の点で満たされるべき要件に関して、依然として改善の余地がある。
米国特許第4,376,835号(Schmittら)は、フルオロケイ酸アルミニウムカルシウムのガラス粉末を記載しており、ここで、粉末の粒子の表面におけるカルシウムは、枯渇している。ガラス粉末は、フルオロケイ酸アルミニウムカルシウムの粉末粒子を、カルシウム塩を形成する酸で表面処理して、処理した粒子からカルシウム塩を洗い落とし、洗った粒子を乾燥させることによって調製され得る。ガラス粉末から形成されたセメントは、一方で十分な処理時間を許容しながらも、水への感受性の期間を短縮させる。
米国特許第6,719,834号(Braunら)は、少なくとも2つの反応パートナー:a)少なくとも1種の金属−陽イオン放出性化合物、及びb)少なくとも1種が少なくとも部分的に水溶性である、固体状へ転換され得る1種以上の多価電解質を含有する多価電解質セメントに関し、ここで、反応パートナー(a)及び/又は(b)のうちの少なくとも一部は、有機表面被覆剤で被覆されている。多価電解質セメントは、貯蔵において安定であり、かつ容易に混合され得る。
WO2012/101432は、グラスアイオノマーセメントとリン酸亜鉛との混合物に関する。好ましくは、この組成物は、酸反応性成分として、40〜95重量%のフルオロシリケートガラスと、5〜60重量%の酸化亜鉛とを含む。この組成物は、具体的には歯科修復材料として、かつ整形外科手術において、ヒトの硬組織の修復で使用するためのものである。
欧州特許第2,011,469号は、ヒドロキシアパタイトが反応性成分としてグラスアイオノマーセメントへ加えられる、組成物を記載している。
欧州特許第0,694,298号は、ポリアルケン酸とフッ化物ガラスとの間の粉末状の反応生成物を含む、予形成されたグラスアイオノマー充填剤の使用に関する。この充填剤は、フッ化物イオンを放出することができる。ほとんどの例が樹脂含有光硬化性歯科用組成物中での充填剤の使用に関する一方で、この、カルボキシレートセメント中で予形成されたグラスアイオノマーを、塩基性成分としての酸化亜鉛及び酸化マグネシウムと共に使用する例もある。しかし、従来のグラスアイオノマー中での予形成されたグラスアイオノマー充填剤の使用に関する例は見出されなかった。更に、こうした予形成されたグラスアイオノマー充填剤の製造が、いくつかのステップを含むことが理解されなければならない。
米国特許第5,318,929号は、特にグラスアイオノマーセメントを形成するのに使用され得るアパタイト含有ガラスセラミック、並びにグラスアイオノマーセメントの既知の技術的解決策に相対する操作性及び接着性を改善させる生体材料を開示している。
米国特許第4,738,722号は、充填剤として、フルオロボロホスホロカルシウムアミノケイ酸塩、酸化亜鉛(5〜20%)、及び酸化亜鉛の約半分の量の代わりに二酸化チタンを含有する、歯科で使用するための緩衝グラスアイオマーセメントを記載している。
米国特許第6,355,585号は、機械的強度が高いグラスアイオノマーセメントのためのガラス粉末を開示し、これは、グラスアイオノマーセメントのためのガラス粉末中で、主軸長さが短軸長さの3〜1,000倍である形の、グラスアイオノマーセメントのためのガラス粉末を含有する。記載されているガラス粉末の組成物は、酸反応性フルオロアルミノシリケートガラスを指す。
米国特許第8,083,844号は、グラスアイオノマーセメント中の充填剤としての、ヒドロキシアパタイトの使用を記載している。
特開2002−275017号公報は、歯科用グラスアイオノマーセメントを調製するための材料を記載している。粉末状の材料は、粉末状の不活性な充填剤とのバランスを取って、フルオロアルミノシリケートガラス粉末が10〜50重量%、特定の酸化物から選択される粉末が10重量%以下を占める。フルオロアルミノシリケートガラス粉末の含有量(10〜50重量%)が減少しているために、グラスアイオノマーセメントは、一時的な接着使用及び一時的な封着使用に優れる、すなわち機械的特性が低下していると言われる。圧縮強度値が70MPa未満の範囲内にあることが、報告されている。
米国特許第5,520,922号(Gasserら)は、(A)25〜80重量%の、(a)アルミニウムフルオロシリケートガラス、(b)特定のポリマーのポリ酸、(c)水を含有するグラスアイオノマーセメントと、(B)25〜75重量%の、重金属元素のフッ化物及び/又は酸化物とを含む、歯根管のための充填性材料に関する。一例では、75gのカルシウムタングステート、25gのフルオロケイ酸アルミニウムカルシウムのガラス、及び4gの焼成ケイ酸、並びに顔料を含有するセメント粉末が記載されている。このセメント粉末は、適切なセメント液体と混合されて、圧縮強度が90MPaである硬化された生成物をもたらす。
米国特許出願公開第2007/0254998号(Orlowskiら)は、グラスアイオマータイプの歯科用セメント組成物を記載しており、これは、第1の構成成分がアクリル酸のポリマーの水溶液を含み、第2の実質的に無水の構成成分が、水溶性/水混和性モノマー又は1分子当たり少なくとも1つの−OH基を有するプレポリマーを含む媒質中に、アルカリガラスフラックスを含む。
米国特許出願公開第2007/0072957(A1)号(Noguchiら)は、第1のペーストと第2のペーストとを含む歯科用ペーストグラスアイオノマーセメント組成物を記載しており、第1のペーストは、とりわけ、20〜60重量%の不飽和カルボン酸ポリマー、10〜60重量%の、不飽和カルボン酸ポリマーと反応せず水中で単分散状態にない充填剤、0.1〜10重量%のコロイドシリカ、20〜60重量%の水を含み、第2のペーストは、50〜85重量%のフルオロアルミノシリケートガラス粉末、0.01〜10重量%の増粘剤、及び20〜45重量%の水を含む。
本発明の目的は、容易に混合させることができ、かつ硬化後に適切な又は改善された物性(曲げ強度及び/又は圧縮強度のような)を示すグラスアイオノマーセメントを提供することである。
この目的は、パーツキット、及びパーツキットのペーストを本明細書に記載のように混合したときに得られるグラスアイオノマーセメントによって達成することができる。
一実施形態では、本発明は、歯科で使用するためのグラスアイオノマーセメントを調製するためのパーツキットであって、ペーストAとペーストBとを含み、
ペーストAが、
水、
酸反応性無機充填剤C、
非酸反応性充填剤Aを含み、
ペーストBが、
水、
ポリ酸、
錯化剤、
非酸反応性充填剤Bを含み、
非酸反応性充填剤Bの平均粒子サイズが、非酸反応性充填剤Aの平均粒子サイズよりも大きく、
ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の水の含有量が、20重量%を下回る、又は19重量%を下回る、パーツキットを特徴とする。
別の実施形態では、本発明は、硬化性グラスアイオノマーセメント組成物を製造する方法であって、本明細書に記載のパーツキットの、ペーストAとペーストBとを混合するステップを含む、方法に関する。
本発明はまた、2つのコンパートメントであるコンパートメントAとコンパートメントBとを備え、コンパートメントAが、ペーストAを含有し、コンパートメントBが、ペーストBを含有し、ペーストAとペーストBとが、本明細書に記載されたものであり、コンパートメントAとコンパートメントBとの双方が、ノズル、又は静的混合チップのエントランスオリフィスを受けるための境界面を備える、本明細書に記載のパーツキットを貯蔵するための装置を対象とする。
本発明はまた、本明細書に記載のパーツキットのペーストAとペーストBとを混合して混合物を得、この混合物を硬化させることによって、得ることができる又は得られる、歯科で使用するための硬化された組成物も対象とする。
その上、本発明は、歯科用目的のための、具体的には歯科用セメント、歯科用充填材料、歯科用コアビルドアップ材料、又は歯科用根管充填材料としての、パーツキット、及び本明細書に記載のそれぞれのペーストを混合して得ることができる又は得られるセメント組成物を使用する方法を特徴とする。
別段の定義がされていない限り、本明細書では、以下の用語は、所与の意味を有する:
「歯科用組成物」又は「歯科で使用するための組成物」又は「歯科分野で使用されることになる組成物」は、歯科分野で使用され得る任意の組成物である。この点において、組成物は、患者の健康にとって有害であるべきでなく、したがって、組成物から出て移動することができる有害及び有毒な構成成分を含まない。歯科用組成物は、典型的には硬化性組成物であり、これは、約30分、又は約20分、又は約10分の時間枠内での、約15〜50℃、又は約20〜40℃の範囲の温度を含む周囲条件において硬化され得る。これよりも高い温度は、患者に痛みをもたらすことがあり、患者の健康に有害な場合があるため、推奨されない。歯科用組成物は、典型的に、同程度の小容量、すなわち約0.1〜約100mL、又は約0.5〜約50mL、又は約1〜約30mLの範囲の容量で、施術者に提供される。したがって、有用な梱包装置の貯蔵容量は、これらの範囲内である。
「重合性成分」は、例えば、重合若しくは化学的架橋を起こす加熱、又は例えば放射線誘導重合若しくは例えばレドックス開始剤の使用による架橋によって硬化され得る又は固化され得る、任意の構成成分である。重合性成分は、1つのみ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含有することができる。重合性基の典型例としては、例えば、(メチル)アクリレート基中に存在するビニル基等の不飽和炭素基が挙げられる。
本明細書に記載のセメント組成物は、組成物全体に対して、約0.5、又は1重量%を上回る量の重合性成分を含有しない。本明細書に記載のセメント組成物は、本質的に、(メタ)アクリレート基を有する重合性成分を含まない。
「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合することで分子量が増加する、重合性基((メタ)アクリレート基を含む)を有する化学式により特徴付けられ得る任意の化学物質である。通常、モノマーの分子量は、与えられた化学式に基づいて単純に算出することができる。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(すなわち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(すなわち、CH=C(CH)−C(O)−O−)のいずれかを指す短縮語である。
「開始剤」は、例えばレドックス/自己硬化化学反応、又は放射誘導反応によって、又は加熱誘導反応によって、重合性成分又はモノマーの硬化プロセスを始める又は開始することができる物質である。
「粉末」は、振とうされる又は傾けられる際に自由に流動することができる多数の微細な粒子からなる乾燥したバルク固体を意味する。
「粒子」は、幾何学的に決定され得る形状を有する固体である物質を意味する。粒子は、典型的には、例えば粒体の粒径又は直径に関して解析することができる。
粉末の平均粒子サイズは、粒径分布の積算曲線から得ることができ、かつ測定された特定の粉末混合物の粒体の粒径の算術平均として定義される。それぞれの測定は、市販の粒度計(例えばCILAS Laser Diffraction Particle Size Analysis Instrument)を用いて行うことができる。
粒子サイズの測定に関する用語「d50/μm」は、解析される容量内の粒子のうちの50%がxμmを下回るサイズを有することを意味する。例えば100μm(d50)を下回る粒子サイズの値は、解析される容量内で、粒子の50%が100μmを下回るサイズを有することを意味する。
「ペースト」は、液体中に分散した、軟らかく、粘性の固体の塊を意味する。「粘性の」は、粘度が約3Pas(23℃において)を上回っていることを意味する。
「液体」は、周囲条件(例えば23℃)において構成成分を少なくとも部分的に分散させ得る又は溶解させ得る任意の溶媒又は液体を意味する。液体は、典型的には、約10Pasを下回る、又は約8Pasを下回る、又は約6Pasを下回る粘度を有する。
「グラスアイオノマーセメント」又は「GIC」は、水の存在下、酸反応性ガラスとポリ酸との反応によって硬化(curing)又は硬化(hardening)するセメントを意味する。
「樹脂修正グラスアイオノマーセメント」又は「RM−GIC」(Resin modified glass ionomer cement、RM−GIC)は、重合性成分(複数可)、開始剤系、及び典型的には2−ヒドロキシル−エチル−メタクリレート(2−hydroxyl−ethyl−methacrylate、HEMA)を更に含有するGICを意味する。
「酸反応性充填剤」は、(ポリ)酸の存在下で化学的に反応して硬化反応へ至らせる充填剤を意味する。
「非酸反応性充填剤」は、(ポリ)酸と混合された場合に、6分以内に化学反応を示さない充填剤、又は低下した(すなわち時間が遅れた)硬化反応のみを示す充填剤を意味する。
酸反応性充填剤を非酸反応性充填剤と区別するために、次の試験が行われ得る又は行われることになる:組成物を、パートAとパートBとを質量比3:1で混合して調製し、ここで、パートAは、分析されることになる充填剤が100重量%を占め、パートBは、ポリ(アクリル酸コマレイン酸)(Mw:約20,000+/−3,000)が43.6重量%、水が47.2重量%、酒石酸が9.1重量%、安息香酸が0.1重量を占める。
充填剤は、レオメータを用いた振動測定を行うことによって、8mmのプレート、0.75mmの間隙、28℃において、振動数1.25Hz、変形率1.75%の条件を適用して測定した場合、上記の組成物の調製後6分以内にせん断応力が50,000Pa未満であった場合に、非酸反応性であると特徴づけられる。
「陽イオン還元アルミノシリケートガラス」は、ガラス粒子の表面領域中の陽イオンの含有量がガラス粒子の内側領域に比べて少ないガラスを意味する。これらのガラスは、ポリアクリル酸水溶液との接触の際に、典型的な酸反応性充填剤と比べてはるかにゆっくりと反応する。非酸反応性充填剤の例としては、石英ガラス又は酸化ストロンチウム系ガラスが挙げられる。更なる例は、本明細書中で以下に示す。陽イオン還元は、ガラス粒子の表面処理によって達成することができる。好適な表面処理としては、酸洗浄(例えばリン酸での処理)、ホスフェートでの処理、酒石酸等のキレート剤での処理、及びシラン又は酸性若しくは塩基性シラノール溶液での処理が挙げられるが、これらに限定されない。
「ポリ酸」又は「ポリアルケン酸」は、複数の(例えば10個を上回る、又は20個を上回る、又は50個を上回る)酸繰り返し単位を有するポリマーを意味する。つまり、酸繰り返し単位は、ポリマー主鎖に結合している、又はポリマー主鎖から垂れ下がっている。
「錯化剤」は、部分を含み、カルシウム又はマグネシウムのような金属イオンで錯体を形成することができる低分子量の作用剤、例えば酒石酸を意味する。
「貯蔵安定な組成物」は、使用されるときに、重大な性能の問題(例えば曲げ強度若しくは圧縮強度の低下、及び/又は所望の期間(例えば6分超の凝結時間)中に硬化しない)を示すことなく、適切な期間にわたって(例えば周囲条件下で少なくとも約12か月)貯蔵され得る組成物である。貯蔵安定性を測定するための好適な試験は、以下の実施例のセクションにおいて示す。
「硬化性(hardenable)」又は「硬化性(curable)」は、組成物が、例えばグラスアイオノマーセメント反応を行うことによって、化学的架橋、放射線誘導重合又は架橋のような追加の硬化系を必要とせずに、硬化され得る又は固化され得ることを意味する。
組成物は、特定の構成成分を本質的な特徴として含有しない場合、この構成成分を「本質的に又は実質的に含まない」。したがって、この構成成分は、それ自体で、又は他の構成成分若しくは他の構成成分の成分と組み合わせてのいずれによっても、故意に組成物に添加されることはない。
特定の構成成分を本質的に含まない組成物は、通常、組成物又は材料の全体に対して、約1重量%未満、又は約0.5重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満の量の構成成分を含有する。組成物は、この構成成分を全く含有しなくてもよい。しかしながら、時には、例えば用いられる原料中に含有されている不純物のために、この構成成分が、少量、存在するのを回避できないこともある。
「周囲条件」は、本発明の組成物が、貯蔵及び取扱い中に通常置かれる条件を意味する。周囲条件は、例えば、約900〜約1100mbarの圧力、約−10〜約60℃の温度、及び約10〜約100%の相対湿度であり得る。実験室では、周囲条件は、約23℃及び約1013mbarに調整される。歯科及び歯列矯正分野では、周囲条件は、約950〜約1050mbarの圧力、約15〜約40℃の温度、及び約20〜約80%の相対湿度として合理的に理解される。
本明細書で使用する場合、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1種の」、及び「1種以上の」は、互換的に使用される。用語「含む(comprises)」又は「含有する(contains)」及びこれらの変形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲で記載される場合、限定的な意味を有するものではない。用語「含む(comprising)」はまた、更に限定的な表現である「本質的に〜からなる」及び「〜からなる」も含む。
更に本明細書において、端点による数値範囲の記載には、その範囲内に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)。
用語に「(複数可)」を付加することは、その用語が単数形及び複数形を含むべきであることを意味する。例えば、用語「添加剤(複数可)」は、1種の添加剤及び複数の(例えば2種、3種、4種等)添加剤を意味する。
別段の指定のない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、以下に説明したもの等の物性の測定値を表す全ての数は、全ての場合に用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
利点/効果
本明細書に記載のグラスアイオノマーセメント組成物を製造するためのパーツキットは、いくつかの有利な特性を有する。
従来のグラスアイオノマー材料が、通常、粉末系/液体系として提供されている一方、ペースト/ペースト系は、2種の構成成分の手による混合操作を単純化させるだけでなく、2種の構成成分が例えば静的混合装置を用いて混合される場合に、いわゆる自動混合系の適用も可能にする。
自動混合系で適切に混合されるためには、それぞれのペーストは、適切な粘度を有する必要がある。粘度が高すぎる場合、静的混合カニューレを介してペーストを圧縮することが難しくなり得る。
粘度を調整するために、典型的には水のような溶媒が組成物へ加えられる。しかしながら、水の含有量が多すぎることになる場合、硬化された組成物の機械的特性の低下がもたらされ得る。
特定の理論による束縛を望むことなく、組成物中の水の全体的な含有量を、粉末/ペーストのグラスアイオノマー材料のレベル近くまで減少させることは、圧縮強度のような機械的特性の低下の回避に役立ち得ることが見出された。
水の含有量を減少させると、典型的には、それぞれのペーストの密度の上昇をもたらす。本発明によれば、水の低含有量は、異なる手段によって達成される:
非酸反応性充填剤を、グラスアイオノマーセメント反応に必要とされるポリ酸を含有するペースト(ペーストB)へ加えると、水の含有量が減少したペーストBの製剤化が可能になる。
更に、グラスアイオノマーセメント反応に必要とされる酸反応性充填剤を含有するペースト(ペーストA)は、非酸反応性充填剤もまた含有すべきである。
しかしながら、ポリ酸を含有するペースト(ペーストB)中に含有されている非酸反応性充填剤の粒子サイズは、酸反応性充填剤を含有するペースト(ペーストA)中に含有されている非酸反応性充填剤の粒子サイズよりも大きくなければならない。
さもなければ、ペーストは、充填剤粒子の大きい表面に起因して、粘性になりすぎることがある。静的混合機を用いてそれぞれのペーストを混合することが難しくなり得る。
ペーストA中の非酸反応性充填剤Aの粒子サイズもまた、小さすぎることはない。充填剤の粒子サイズが小さすぎる場合、充填剤粒子の表面は大きくなることになり、したがって、充填剤の含有量が多いが水の含有量が少ないペーストを製剤化することが、より難しくなる。
グラスアイオノマーセメント組成物を、本明細書に記載のペーストAとペーストBとを含んでペーストAが、ペーストBに比べて水の含有量が少ないペースト/ペースト系として製剤化することがまた、混合プロセスの促進に役立ち得ることも見出された。
非酸反応性充填剤(複数可)を、本明細書に記載のパーツキットの双方のペーストであるペーストAとペーストBとへ加えることもまた、混合プロセスの促進に役立ち得ることも見出された。
平均粒子サイズが1μm〜最大数μmであることが、ポリ酸を含有するペースト(ペーストB)にとって好適であることが見出された。
したがって、本明細書に記載のパーツキットは、当業者が優れた取扱い特性を有する組成物を提供することを可能にする。
本明細書に記載のパーツキットは、2種のペーストを含む。これらの2種のペーストの混合の際に、更なるペーストの形態にある組成物が得られる。その組成物は、いわゆるグラスアイオノマーセメント反応によって硬化する。
本明細書に記載のパーツキットは、ペーストAを含む。
ペーストAは、水を含有する。
水は、蒸留水、脱イオン水、又は味のない(plain)水道水であってよい。典型的には、脱イオン水が使用される。
水の量は、適切な取扱い特性及び混合特性を提供するのに、並びに特にセメント反応において、イオン輸送を許容するのに、十分であるべきである。
水は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも5、又は少なくとも7、又は少なくとも9重量%、
上限:最大18、又は最大16、又は最大14重量%、
範囲:5〜18、又は7〜16、又は9〜14重量%
(重量%はペーストAの重量に対するものである)で存在する。
水の量が少なすぎると、得られるペーストの作用可能な粘稠性を得ることが難しくなり得る。
水の量が多すぎると、同様に、得られるペーストの作用可能な粘稠性を得ることが難しくなり得る。更に、所望の機械的特性を達成することが、難しくなる。
ペーストAは、酸反応性無機充填剤Cを含有する。
酸反応性充填剤Cの性質及び構造は、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。酸反応性充填剤Cは、グラスアイオノマーセメント反応を受けることができなければならない。
一実施形態によれば、酸反応性充填剤Cは、以下のパラメータ:
平均粒子サイズ:約3〜約10μm、
(d10/μm):0.5μm〜3μm;(d50/μm):2μm〜7μm;(d90/μm):6μm〜15μm、
脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:6〜10、又は7〜10、又は8〜10、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
酸反応性充填剤Cの平均粒子サイズが上に概説した範囲を上回る場合、本明細書に記載のパーツキットの部分中に含有されている組成物を混合したときに得られる組成物の粘稠性は、適切なものとはならず、所望の機械的特性は、負の影響を受けることがある。
酸反応性充填剤Cの平均粒子サイズが、上に概説した範囲を下回る場合、凝結時間は速すぎることになる。
好適な酸反応性充填剤Cとしては、金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、又は酸反応性ガラスが挙げられる。
典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が挙げられる。
典型的な金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
典型的な酸反応性ガラスとしては、アルミノシリケートガラス、特に、フルオロアルミノシリケート(fluoroaluminosilicate、FAS)ガラスが挙げられる。
FASガラスがとりわけ好ましい。FASガラスは典型的には、ガラスが硬化性組成物の他の構成成分と混合されたときに、硬化された歯科用組成物を得ることができるのに十分な量の溶出性陽イオンを含有する。
FASガラスはまた、典型的には、硬化された組成物が抗う触性を有するのに十分な量の溶出性フッ化物イオンを含有する。
ガラスは、フッ化物、シリカ、アルミナ、及び他のガラス形成成分を含有する溶解物から、FASガラス製造技術における当業者によく知られている技術を用いて作ることができる。FASガラスは、典型的には、十分に微細に分割された粒子の形態であり、その結果、それらは、他のセメントの構成成分と都合よく混合することができ、得られた混合物が口腔内に使用されるときに、良好に機能する。
好適なFASガラスは、当業者によく知られており、かつ多種多様な民間の供給元から入手可能であり、多くは、現在利用可能なガラスアイオノマーセメント内に見出され、例えば商品名Ketac(商標)Molar、又はKetac(商標)Fil Plus(3M ESPE Dental)、及びFUJI(商標)IX(G−C Dental Industrial Corp.、東京、日本)で市販されているものである。
フルオロアルミノシリケートガラスは、シリカとアルミナとクリオライトとフルオライトとの混合物を縮合することによって調製することができる。
有用な酸反応性ガラスはまた、Si/Al比によっても特徴づけることができる。Si/Al比(重量%による)が1.5を下回る、又は1.4を下回る、又は1.3を下回る充填剤が、有用であることが見出された。
好適な酸反応性充填剤はまた、例えばSchott AG(ドイツ)、又はSpeciality Glass(米国)から市販されている。
所望であれば、酸反応性充填剤Cの混合物を使用することができる。
酸反応性充填剤Cは、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40重量%、
上限:最大90、又は最大85、又は最大80重量%、
範囲:20〜90、又は30〜85、又は40〜80重量%
(重量%はペーストAの重量に対するものである)で存在する。
酸反応性充填剤の量が多すぎる場合、本明細書に記載のパーツキットのペーストは、適切に混合され得ない。更に、得られる組成物の、適切な粘稠性及び許容される機械的特性を得ることが難しくなり得る。
酸反応性充填剤の量が少なすぎる場合、本明細書に記載のパーツキットのそれぞれのペーストを混合することによって好適なペーストを得ることはできない。更に、機械的特性は、劣ったものとなり得る。
ペーストAは、非酸反応性無機充填剤Aを含有する。
非酸反応性充填剤は、水の存在下でポリ酸と組み合わされた場合、グラスアイオノマーセメント反応において全く硬化しない充填剤であるか、又は遅れた硬化反応を示すだけの充填剤であるか、のいずれかである。
非酸反応性充填剤の、より正確な定義は、上に付与されている。
非酸反応性充填剤Aの性質及び構造もまた、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。
非酸反応性充填剤Aは、好ましくは無機充填剤である。
非酸反応性充填剤Aは、非毒性で、ヒトの口腔内での使用に好適であるべきである。
非酸反応性充填剤Aは、放射線不透過性又は放射線透過性であり得る。
一実施形態によれば、非酸反応性充填剤Aは、以下のパラメータ:
平均粒子サイズ:約10nm〜約500nm、
2μmより大きい粒子を含有しない、
脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:4〜7、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
非酸反応性充填剤Aの平均粒子サイズが上に概説した範囲を上回る場合、得られたペーストの粘稠性は、適切でないことがあり、加えて、所望の機械的特性を得ることが難しくなることがある。
非酸反応性充填剤Aの平均粒子サイズが上に概説した範囲を下回る場合、得られたペーストの所望の粘稠性は、適切でないことがある。
好適な非酸反応性充填剤Aの例としては、天然に存在する又は合成の材料であり、以下が挙げられるが、これらに限定されない:カオリン;シリカ粒子(例えばサブミクロンの焼成シリカ、例えば商品名「AEROSIL」で入手可能なもの、例えばDegussa AG(Hanau、ドイツ)製の「OX 50」、「130」「150」及び「200」のシリカ、並びにHDK、例えばWacker(Munich、ドイツ)製の「H15」、「H20」、「H2000」、並びにCABOT Corp.(Tuscola,IL)製のCAB−O−SIL M5シリカ)、アルミナ、チタニア並びにジルコニアの各粒子である。
これらの非酸反応性充填剤Aの混合物がまた想定される。
時々、非酸反応性充填剤Aは、液体(例えば水)中の粒子の分散体又はゾルとして提供される。
充填剤が水性分散体又はゾルとして提供される場合、水性分散体又はゾル中の水の量は、組成物中の水及び充填剤の量が算出される又は測定されるときに、考慮されなければならない。
好適な非酸反応性充填剤Aはまた、例えばObermeier(Bad Berleburg、ドイツ)製の、タイプ「50/50%」を含む商品名Levasil(商標)で、水性分散体としても市販されており、ここで、%値は充填剤の含有量を示す。
非酸反応性充填剤Aの粒子の表面は、通常、例えばシランで、表面処理されていない。
一実施形態によれば、非酸反応性充填剤Aは、シリカ、(アルミノ)ケイ酸塩、アルミナ、及びこれらの混合物から選択される。
非酸反応性充填剤Aは、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも1、又は少なくとも3、又は少なくとも5重量%、
上限:最大50、又は最大40、又は最大30重量%、
範囲:1〜50、又は3〜40、又は5〜30重量%
(重量%はペーストAの重量に対するものである)で存在する。
ペーストAは、典型的には、以下の特徴:
粘度:200〜50,000Pas(28℃、直径10mm、せん断速度1s−1)、
密度:1.9〜2.8g/cm
pH値:7〜10、又は8〜10(脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌したペーストA 1gについてpH電極で測定して)、のうちのいずれか、2つ以上、又は全てによって特徴づけることができる。
本明細書に記載のパーツキットは、ペーストBを含む。
ペーストBは、水を含有する。ペーストB中に含有される水は、ペーストAについて説明したものである。
水は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも7、又は少なくとも9、又は少なくとも11重量%、
上限:最大20、又は最大19、又は最大18重量%、
範囲:7〜20、又は9〜19、又は11〜18重量%
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ペーストBは、ポリ酸を含有する。
ポリ酸の性質及び構造もまた、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。しかしながら、ポリ酸は、グラスアイオノマー材料中で、良好な貯蔵性、取扱い特性及び混合特性を付与するのに十分な、並びに良好な材料特性をもたらすのに十分な分子量を有するべきである。
一実施形態によれば、ポリ酸は、以下のパラメータ:
固体である(23℃において)、
分子量(molecular weight、Mw):約2,000〜約250,000、又は約5,000〜約100,000(ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリアクリル酸ナトリウム塩の標準物質に対して評価する)、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
ポリ酸の分子量が多すぎる場合、本明細書に記載のパーツキット中に含有されている組成物を混合したときに得られるペーストの作用可能な粘稠性を得ることが、難しくなり得る。更に、組成物の調製が難しくなり得る。加えて、得られた混合物又は組成物は、粘着性が高くなりすぎることがある(すなわち適用のために使用される歯科用器具へ接着してしまう)。
ポリ酸の分子量が少なすぎる場合、得られたペーストの粘度は低過ぎるものになり得、機械的特性は劣ったものになり得る。
典型的には、ポリ酸は、複数の酸繰り返し単位を有するポリマーである。
本明細書に記載のセメント組成物のために使用されるポリ酸は、重合性基を実質的に含まない。
ポリ酸は、完全に水溶性である必要はないが、典型的には、他の水性組成物と組み合わされたときに実質的な沈殿を受けないように、少なくとも十分、水混和性である。
ポリ酸は、例えば酸反応性充填剤及び水の存在下で、硬化性であるが、エチレン性不飽和基は含有しない。
つまり、ポリ酸は、不飽和酸を重合することによって得られるポリマーである。しかしながら、製造プロセスに起因して、ポリ酸は、回避できない微量の(例えば使用されるモノマーの量に対して、最大1、又は0.5、又は0.3重量%)遊離モノマーを依然として含有し得る。
典型的には、不飽和酸は、炭素、硫黄、リン、又はホウ素のオキシ酸(すなわち酸素含有酸)である。より典型的には、それは、炭素のオキシ酸である。
好適なポリ酸としては、例えばポリアルケン酸、例えば不飽和モノ−、ジー、又はトリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。
ポリアルケン酸は、不飽和脂肪族カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、アコニット酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、及びチグリン酸の単独重合及び共重合によって調製することができる。
好適なポリ酸としてはまた、マレイン酸とエチレンとの交互コポリマー(例えばモル比1:1で)が挙げられる。
好適なポリ酸はまた、以下の文献:米国特許第4,209,434号(Wilsonら)、米国特許第4,360,605号(Schmittら)にも記載されている。ポリ酸の説明に関するこれらの文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
好適なポリ酸はまた、例えば3M ESPE(例えばKETAC(商標)Fil Plus Handmix)、又はGC Company(例えばFuji(商標)IX GP Handmix)製の市販の製品の液体の構成成分中の水溶液として含まれる。
ポリ酸の量は、酸反応性充填剤と反応するのに、かつ所望の硬化特性を有するアイオノマー組成物を提供するのに、十分であるべきである。
ポリ酸は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも3、又は少なくとも5、又は少なくとも10重量%、
上限:最大70、又は最大60、又は最大50重量%、
範囲:3〜70、又は5〜60、又は10〜50重量%
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ポリ酸の量が多すぎる場合、本明細書に記載のパーツキット中に含有される組成物を混合したときに得られるペーストの作用可能な粘稠性を得ることが、難しくなり得る。更に、組成物の調製が難しくなり得る。加えて、得られた混合物又は組成物は、粘着性が高くなりすぎることがある(すなわち適用のために使用される歯科用器具へ接着してしまう)。
ポリ酸の量が少なすぎる場合、本明細書に記載のパーツキット中に含有される組成物を混合したときに得られるペーストの作用可能な粘稠性を得ることもまた、難しくなり得る。更に、所望の機械的特性を達成することが難しくなる。
ペーストBは、非酸反応性充填剤Bを含有する。
ペーストB中に含有されている非酸反応性充填剤Bは、ペーストAについて説明した、非酸反応性充填剤Aと同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。しかしながら、ペーストB中に含有されている非酸反応性充填剤Bの平均粒子サイズは、ペーストA中に含有されている非酸反応性充填剤Aの平均粒子サイズよりも大きい。
一実施形態によれば、非酸反応性充填剤Bは、以下のパラメータ:
平均粒子サイズ:約1〜約10μm、
(d10/μm):0.2μm〜2μm、(d50/μm):0.5μm〜5μm、(d90/μm):1μm〜15μm、
脱イオン水10mL中で5分間撹拌された充填剤1gの分散体のpH値:4〜7、又は4〜6、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
好適な非酸反応性充填剤Bの例としては、天然に存在する又は合成の材料であり、以下が挙げられるが、これらに限定されない:石英;窒化物(例えば窒化ケイ素);例えばZr、Sr、Ce、Sb、Sn、Ba、Zn及びAlから誘導されるガラス;ホウケイ酸ガラス;カオリン;シリカ粒子(例えば粒子サイズが好適な石英ガラス又は焼成シリカ)、アルミナ、チタニア及びジルコニアの各粒子。
一実施形態によれば、非酸反応性充填剤Bは、石英、酸化チタン、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、及びこれらの混合物から選択される。
所望であれば、酸反応性充填剤Bの粒子の表面は、表面処理され得る。好適な表面処理剤としては、シラン、例えば粒子の化学的特性を修正するために有機官能基を有するトリメトキシシランが挙げられる。好適なシランは、例えば、酸性特性を修正するためのシラン(アミノ基を有する又はカルボン酸基を有する)、又は疎水性/親水性を修正するためのシラン(アルカン鎖を有する又はポリエチレングリコール鎖を有する)である。
非酸反応性充填剤Bは、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも5、又は少なくとも10、又は少なくとも15重量%、
上限:最大60、又は最大50、又は最大40重量%、
範囲:5〜60、又は10〜50、又は15〜40重量%
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ペーストBは、錯化剤を含有する。
錯化剤又はキレート剤の性質及び構造もまた、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。
錯化剤は、以下のパラメータ:
溶解性:水に可溶である(23℃において少なくとも50g/水1L)、
分子量:50〜500g/mol、又は75〜300g/mol、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
錯化剤の特定の例としては、酒石酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetra acetic acid、EDTA)、サリチル酸、メリト酸、ジヒドロキシ酒石酸、ニトリロ三酢酸(nitrilotriacetic acid、NTA)、2,4及び2,6ジヒドロキシ安息香酸、ホスホノカルボン酸、ホスホノコハク酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
更なる例は、例えば米国特許第4,569,954号(Wilsonら)に見出すことができる。この文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
錯化剤は、典型的には、ポリ酸のみを含有するそのペースト、すなわちペーストBへ加えられる。
錯化剤は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも0.1、又は少なくとも1.0、又は少なくとも1.5重量%、
上限:最大12、又は最大10、又は最大8重量%、
範囲:0.1〜12、又は1.0〜10、又は1.5〜8重量%
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ペーストBは、典型的には、以下の特徴:
粘度:1000〜50000Pas(28℃、直径10mm、せん断速度1s−1)、
密度:1.5〜2.0g/cm
pH値:1〜4(脱イオン水10mL中に分散させて約5分間撹拌したペースト1gについてpH電極で測定して)、のうちのいずれか、2つ以上、又は全てによって特徴づけることができる。
本明細書に記載のパーツキットの、ペーストA、又はペーストB、又はペーストA及びペーストB、のいずれかはまた、溶媒(複数可)も含有することができる。
溶媒(複数可)又は共溶媒(複数可)の添加は、組成物の粘度及び粘稠性を調整するのに役立ち得る。
使用され得る溶媒(複数可)の例としては、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール)、ポリアルコール/ポリオール(例えばエチレングリコール、グリセロール)、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に記載のパーツキットの、ペーストA、又はペーストB、又はペーストA及びペーストBはまた、添加剤も含有することができる。
存在し得る添加剤としては、指示薬(複数可)、染料(複数可)、顔料(複数可)、粘度調整剤(複数可)、界面活性剤(複数可)、緩衝剤(複数可)、安定剤(複数可)、保存剤(複数可)(例えば安息香酸)が挙げられる。
上記の添加剤のうちの任意のものの組合せもまた、利用され得る。当業者であれば、所望の結果を達成するために、過度な実験をすることなく、そのような添加剤の任意の1種の選択及び量を選ぶことができる。
これらの構成成分(複数可)が存在する必要性はないが、存在する場合、個々の構成成分は、典型的に、ペーストそれぞれ(A又はB)の重量に対して、5重量%未満、又は3重量%未満、又は1重量%未満の量で存在する。
これらの構成成分(複数可)の有用な範囲としては、ペーストそれぞれ(A又はB)の重量に対して、0.01〜5重量%、又は0.05〜3重量%、又は0.1〜1重量%が挙げられる。
典型的には、本明細書に記載のパーツキットの、ペーストAも、ペーストBも、ペーストA及びペーストBも、以下の構成成分:
a)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量のHEMA、
b)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の重合性成分(複数可)、
c)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の、重合性成分(複数可)又はモノマー(複数可)を硬化するのに好適な開始剤成分(複数可)、
d)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の、メトキシフェノール又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルオールのような阻害剤(複数可)、
e)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の、ゼオライト(複数可)のような乾燥剤(複数可)、のうちのいずれをも、単独でも組合せでも含有しない。
したがって、本明細書に記載のパーツキットの粉末部分と液体部分とを混合したときに得られる組成物は、いわゆる樹脂修正グラスアイオノマーセメント(RM−GIC)ではなく、したがって、重合に基づく硬化系を含有しない。
具体的には、本明細書に記載のセメント組成物は、レドックス開始剤系、又は熱的誘導開始剤系、又は放射線誘導開始系を含有しない。
特に、本明細書に記載のセメント組成物は、組成物全体の重量に対して、1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る、又は0.1重量%を上回る量の、以下の構成成分:
(a)及び(b)
(b)及び(c)
(a)、(b)及び(c)
(b)、(c)及び(d)
(a)、(b)、(c)及び(d)
を含有しない。
つまり、本明細書に記載のセメント組成物は、典型的に、これらの組成物のいずれをも、単独でも組合せでも本質的に含まない。
本明細書に記載のパーツキットの、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られるグラスアイオノマーセメント組成物は、典型的には、以下の通り特徴づけることができる:
水を、以下の量で含む:
下限:少なくとも6、又は少なくとも8、又は少なくとも10重量%、
上限:最大20、又は最大19、又は最大18重量%、
範囲:6〜20、又は8〜19、又は10〜18重量%、
非酸反応性充填剤Aを、以下の量で含む:
下限:少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも3重量%、
上限:最大40、又は最大30、又は最大20重量%、
範囲:1〜40、又は2〜30、又は3〜20重量%、
非酸反応性充填剤Bを、以下の量で含む:
下限:少なくとも2、又は少なくとも4、又は少なくとも6重量%、
上限:最大50、又は最大40、又は最大30重量%、
範囲:2〜50、又は4〜40、又は6〜30重量%、
酸反応性充填剤Cを、以下の量で含む:
下限:少なくとも10、又は少なくとも20、又は少なくとも30重量%、
上限:最大80、又は最大75、又は最大70重量%、
範囲:10〜80、又は20〜75、又は30〜70重量%、
ポリ酸を、以下の量で含む:
下限:少なくとも2、又は少なくとも4、又は少なくとも7重量%、
上限:最大50、又は最大40、又は最大30重量%、
範囲:2〜50、又は4〜40、又は7〜30重量%、
錯化剤を、以下の量で含む:
下限:少なくとも0.1、又は少なくとも0.5、又は少なくとも1.0重量%、
上限:最大10、又は最大8、又は最大6重量%、
範囲:0.1〜10、又は0.5〜8、又は1.0〜6重量%。
上記の量に関して、重量%は、パーツキットのペーストを混合したときに得られる組成物全体の重量を指す。
ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物中に含有されている充填剤A、B及びCの量は、典型的に、50重量%を上回る、又は55重量%を上回る、又は60重量%を上回る。
ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の水の含有量は、20重量%を下回る、又は19重量%を下回る、又は重量18%を下回る、又は17重量%を下回る。
含有量が多い充填剤と含有量が少ない水とを組み合わせると、典型的に、硬化された組成物の、圧縮強度のような機械的特性を改善させるのに役立つ。
本発明はまた、本明細書に記載のパーツキットのそれぞれのペーストを混合したときに得られる組成物にも関する。
一実施形態によれば、本明細書に記載のパーツキットの2種のペーストを混合することによって得られる又は得ることができるセメント組成物は、硬化の前に又は間に、以下のパラメータ:
凝結時間:EN−ISO 9917−1:2007に従って測定して、約5、又は4、又は3分以内、
作用時間:EN−ISO 9917−1:2007に従って測定して、約4、又は3、又は2、又は1分以内、
貯蔵安定である、のうちの少なくとも1つ又は双方を満たす。
所望であれば、凝結時間及び硬化の挙動は、以下の実施例のセクションでより詳しく説明されるように、測定され得る。
本明細書に記載のセメント組成物は、典型的に、施術者が、組成物を適切に混合することだけでなく、組成物を、クラウン、ブリッジ、根管又は義歯の表面へ適用することをも可能にするのに十分な作用時間を有する。
更に、本明細書に記載のセメント組成物は、施術者にとって時間の節約になり、かつ患者にとって好都合な、適切な凝結時間を有する。
別の実施形態によれば、本明細書に記載のパーツキットの2種のペーストを混合することによって得られる又は得ることができるセメント組成物は、硬化後に、以下のパラメータ:
曲げ強度:EN−ISO 9917−2:2010に従って測定して、約20MPaを上回り、又は約25MPaを上回り、ただし、組成物を被覆するためにガラススラブがホイルの代わりに使用される、
圧縮強度:EN−ISO 9917−1/2007に従って測定して、約100MPaを上回り、又は約120MPaを上回り、又は約150MPaを上回り、ただし、組成物を被覆するためにガラススラブがホイルの代わりに使用される、のうちの少なくとも1つ以上、時々は全てを満たす。
所望であれば、これらのパラメータは、以下の実施例のセクションで記載されるように測定され得る。
市販されている最新技術のグラスアイオノマーセメントと比べ、本明細書に記載のセメント組成物は、容易に混合することができ、かつ凝結時間のような他の重要なパラメータに影響を及ぼすことなく、適切な、圧縮強度のような機械的特性を有する。
一実施形態によれば、本発明は、
ペーストAが、
10〜13重量%の量の水、
65〜80重量%の量の、3〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつ金属酸化物、酸反応性ガラス、及びこれらの混合物から選択される、酸反応性無機充填剤C、
6〜20重量%の量の、10〜500nmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつシリカ、アルミナ、及びこれらの混合物から選択される、非酸反応性充填剤Aを含み、
ペーストBが、
12〜19重量%の量の水、
35〜50重量%の量のポリ酸、
3〜8重量%の量の錯化剤、
25〜40重量%の量の、1〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつ石英、カオリン、シリカ、アルミナ、及びこれらの混合物から選択される非酸反応性充填剤Bを含み、
重量%が、ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものであり、
ペーストAもペーストBも、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の重量に対して1.0重量%を上回る量の重合性成分(複数可)を含まず、
ペーストAは、1.9〜2.8g/cmの範囲内の密度を有し、ペーストBは、1.5〜2.0g/cmの範囲内の密度を有し、並びに/又は
ペーストAは、200〜50,000Pasの範囲内の粘度を有し、ペーストBは、1,000〜50,000Pasの範囲内の粘度を有し、粘度は、せん断速度1s−1にて、直径10mmのプレートで28℃で測定される、本明細書に記載のパーツキットを対象とする。
別の実施形態によれば、本発明は、
ペーストAが、
10〜15重量%の量の水、
65〜80重量%の量の、3〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつ金属酸化物、酸反応性ガラス、及びこれらの混合物から選択される、酸反応性無機充填剤C、
6〜20重量%の量の、10〜500nmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつシリカ、アルミナ、及びこれらの混合物から選択される、非酸反応性充填剤Aを含み、
ペーストBが、
11〜19重量%の量の水、
15〜30重量%の量のポリ酸、
2〜8重量%の量の錯化剤、
40〜60重量%の量の、1〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつ石英、カオリン、シリカ、アルミナ、及びこれらの混合物から選択される非酸反応性充填剤Bを含み、
重量%が、ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものであり、
ペーストAもペーストBも、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の重量に対して1.0重量%を上回る量の重合性成分(複数可)を含まず、
ペーストAは、1.9〜2.8g/cmの範囲内の密度を有し、ペーストBは、1.5〜2.0g/cmの範囲内の密度を有し、並びに/又は
ペーストAは、200〜50,000Pasの範囲内の粘度を有し、ペーストBは、1,000〜50,000Pasの範囲内の粘度を有し、粘度は、せん断速度1s−1において、直径10mmのプレートで28℃で測定される、本明細書に記載のパーツキットを対象とする。
本明細書に記載のパーツキットのペーストは、それぞれのペーストの個々の構成成分を単に混合することによって製造することができる。
必要であれば、充填剤粒子は、ボールミルのような、当業者に既知の設備を用いて、所望の粒子サイズへとミリングすることができる。
混合は、手によるか、又は混合機若しくは混錬機のような機械装置により、達成することができる。混合の期間は、組成物及び混合装置に応じて様々であってよく、均質なペーストを得るのに十分長い期間であるべきである。
本明細書に記載のパーツキットは、異なる実施形態において施術者へ提供され得る。
ペーストは、別々の封着可能な容器(例えばプラスチック又はガラスで作製された)中に含有され得る。
使用のために、施術者は、ペースト状の構成成分の適切な量を容器から取り、その量を混合プレート上で手で混合してもよい。
好ましい実施形態によれば、ペーストは、貯蔵装置の別々のコンパートメント中に含有される。
貯蔵装置は、典型的に、それぞれのペーストを貯蔵するための2つのコンパートメントを備え、各コンパートメントには、それぞれのペーストを送達するためのノズルが備えられている。一旦、適切な量が送達されたら、次いで、ペーストは、混合プレート上で手で混合され得る。
別の好ましい実施形態によれば、貯蔵装置は、静的混合チップを受けるための境界面を有する。混合チップは、それぞれのペーストを混合するために使用される。静的混合チップは、例えばSulzerMixpac companyから市販されている。好適な貯蔵装置は、カートリッジ、注射器及びチューブを含む。
貯蔵装置は、典型的に2つのハウジング又はコンパートメントを備え、これは、ノズルを有する前端、及び後端、及び少なくとも1つの、ハウジング又はコンパートメント中で移動可能なピストンを有する。
使用され得るカートリッジは、例えば米国特許出願公開第2007/0090079号、又は米国特許第5,918,772号に記載され、その開示は、参照により組み込まれる。使用され得るカートリッジの一部は、例えば、SulzerMixpac AG(スイス)から市販されている。使用され得る静的混合チップは、例えば米国特許出願公開第2006/0187752号、又は米国特許第5,944,419号に記載され、その開示は、参照により組み込まれる。使用され得る混合チップは、同様に、SulzerMixpac AG(スイス)から市販されている。
他の好適な貯蔵装置は、例えばWO2010/123800(3M)、WO2005/016783(3M)、WO2007/104037(3M)、WO2009/061884(3M)(特に、図14に示す装置)又はWO2009/061884(3M)(特に、図14に示す装置)に記載されている。これらの参考文献の内容も、同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
別法では、好ましくはないが、本明細書に記載のペースト/ペースト組成物は、2つの個々の注射器中で付与され得、その個々のペーストは、手で混合されてから使用され得る。
したがって、本発明はまた、本明細書に記載のパーツキットを貯蔵するための装置も対象とし、装置は、2つのコンパートメントであるコンパートメントAとコンパートメントBとを備え、コンパートメントAは、ペーストAを含有し、コンパートメントBは、ペーストBを含有し、ペーストAとペーストBとは本明細書に記載されたものであり、コンパートメントAとコンパートメントBとの双方は、ノズル、又は静的混合チップのエントランスオリフィスを受けるための境界面を備える。
ペーストAとペーストBとの混合比は、典型的には、容積に対して、3:1〜1:2、好ましくは2:1〜1:2である。
別法では、ペーストAとペーストBとの混合比は、典型的には、重量に対して、6:1〜1:1、好ましくは4:1〜1:1である。
それぞれのペーストを混合したときに得られる又は得ることができる組成物は、歯科用セメント、歯科用充填材、歯科用コアビルドアップ材料、又は歯科用根管充填材料として、又はそれらを製造するために、とりわけ有用である。
典型的な適用は、
a)ペーストAとペーストBとを混合して硬化性組成物を得るステップ
b)硬化性組成物を、歯の硬組織表面へ適用するステップ、
c)硬化組成物を硬化させるステップ、を含む。
本明細書に記載のパーツキットは、典型的には、更に、使用指示書を含む。
使用指示書は、典型的には、パーツキットをどのように貯蔵するか、パーツキットのペーストをどのように混合するか、及び/又はペーストを混合して得られた組成物を歯の硬組織表面へどのように適用するかの助言を含む。
本発明の歯科用組成物中で使用される全ての構成成分は、十分に生体適合性であるべきであり、つまり、この組成物は、生体組織内で、有毒反応、有害反応又は免疫反応を引き起こすべきでない。
本明細書に引用された特許、特許文献及び刊行物の完全な開示は、あたかもそれぞれが個々に組み込まれるかのように、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明への様々な改変及び変更は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなしに、当業者には明らかとなる。上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の組成物及び方法の、製造及び使用の説明を提供する。本発明は、本明細書に開示されている実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の多くの代替的な実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、なされ得ることを認めるであろう。
以下の実施例は、例示するために与えられるが、本発明の範囲を限定するものではない。
別段の指定がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。更に、別段の指定がない限り、全ての実験は、周囲条件(23℃、1013mbar)において実施した。
方法
密度
ペーストの密度は、規定の容積の容器中にペーストを充填することによって、かつペーストを含む場合の及び含まない場合の容器を秤量することによって測定した。規定の容積で割った重量の差により、ペーストの密度を得る。容器を充填する間、気泡の包含を最小限にするように注意を払った。更に、もう1度測定を実施して2つの結果を平均した。
粘度
ペーストの粘度を、Anton Paar製のPhysica MCR 300レオメータで測定した。測定は、直径が10mmのディスクのセットアップ上で、回転ディスクにおいて実施した。温度を28℃、間隙を2mm、せん断速度を1s−1に設定した。
30〜35秒で測定して取った、5つの値を平均した。繰り返しの測定を、全試料について行った。
圧縮強度(Compressive Strength、CS)
圧縮強度の測定を、EN−ISO 9917−1:2007に従って実施したが、ただし、組成物を被覆するためにガラススラブをホイルの代わりに使用する。
直径4mm、高さ6mmの円筒形の見本を使用した。材料の見本は、スプリット型を用いて、室温、相対湿度50%において調製した。型を、顕微鏡のスライド上に置き、気泡の包含を回避するために、混合した材料で完全に充填した。充填した型をすぐに、別のガラススラブで被覆し、わずかな圧力でスクリュークランプ中に固定して過剰な材料を押出し成形した。アセンブリ全体を、36℃において、かつ少なくとも95%の相対湿度において貯蔵した。混合開始1時間後に、型から見本を取り出し、すぐに36℃において水中に置いた。各材料につき6つの見本を調製した。材料を、混合開始24時間後に測定した。測定の前に、各見本の正確な直径を測定した。Zwick universal testing machine(Zwick GmbH&Co.KG,Ulm、ドイツ)を用いて圧縮負荷をかけ、クロスヘッド速度1mm/分において操作して、見本の強度を測定した。結果を、6回の反復の平均として報告した。
曲げ強度(Flexural Strength、FS)
曲げ強度を、EN ISO 9917−2:2010に基づいて測定したが、ただし、組成物を被覆するためにガラススラブをホイルの代わりに使用する。
見本を、寸法25mm×2mm×2mmの矩形スプリット型を用いて試料を調製した以外は、上の圧縮強度試験について説明したように調製した。見本を、支持体上で、クロスヘッド速度1mm/分において、20mm離して3点曲げに供した。
pH値の測定
所望であれば、充填剤成分及びペーストのpH値を、次のように測定することができる:充填剤又はペースト1.0gを脱イオン水10mL中に分散させて約5分間撹拌する。校正されたpH電極をサスペンション中に浸し、撹拌している間にpH値を測定する。
貯蔵安定性
所望であれば、貯蔵安定性を、次のプロセスに従って測定することができる:ペーストを、23℃において相対湿度約50%という条件下で、所与の期間にわたり貯蔵した。貯蔵後、ペーストを混合したときに得られる組成物を、機械的性能について解析した。機械的特性(例えば曲げ強度、圧縮強度)の偏差が+/−20%を超えない場合、組成物は、貯蔵安定であると考えられる。
粒子サイズ(非酸反応性充填剤B及び酸反応性充填剤Cに好適な、マイクロサイズの粒子)
平均粒子サイズを含む粒径分布を、Cilas 1064(FA.Quantacrome)粒径検出装置で測定した。測定の間、試料を正確に分散させるために、超音波を用いた。
粒子サイズ(非酸反応性充填剤Aに好適な、ナノサイズの粒子)
633nmの光波長を有する赤色レーザーを備えた光散乱型粒径測定器(Malvern Instruments Inc.,Westborough,MAから商品名「ZETA SIZER−Nano Series、Model ZEN3600」で入手可能)を用いて粒子サイズ測定を行った。それぞれの試料を、1cm平方のポリスチレン試料キュベット内で分析した。試料を1:100で希釈し、例えば試料1gを脱イオン水100gに付与して混合した。 試料キュベットを、希釈した試料約1グラムで充填した。次いで試料キュベットを器具内に置き、25℃において平衡化させた。器具のパラメータは次のように設定した:分散剤の屈折率1.330、分散剤の粘度0.8872mPas、材料の屈折率1.43、及び材料の吸着値0.00ユニット。その後、自動粒径測定操作を実行した。粒子サイズの最良の測定値を得るために、器具は、自動的にレーザー光の位置及び減衰器の設定を調整した。
光散乱型粒径測定装置は、レーザーで試料を照射し、粒子から散乱された光の強度変動を173度の角度で解析した。粒子サイズを算出するため、器具により光子相関分光法(Photon Correlation Spectroscopy、PCS)の方法を用いた。PCSは、液体中の粒子のブラウン運動を測定するために、変動する光の強度を用いる。次に、粒子サイズは、測定された速度で移動する球体の直径になるよう計算される。
粒子によって散乱される光の強度は、粒子直径の6乗に比例する。Z平均粒径又はキュムラント平均は、強度分布から計算される平均であり、計算は、粒子が単峰性、単分散性、及び球状であるという仮定に基づく。変動する光の強度から計算される関連する関数は、強度分布及びその平均である。強度分布の平均は、粒子が球状であるという仮定に基づき計算される。Z平均粒径及び強度分布平均の双方とも、より小さい粒子に対するよりも、より大きな粒子に対して、感度が高い。
体積分布は、所与の寸法範囲内の粒子に相当する粒子の総体積の百分率をもたらす。体積平均粒子サイズは、体積分布の平均に相当する粒子サイズである。粒子の体積は直径の3乗に比例するため、この分布は、より大きな粒子に対しては、Z平均粒径よりも感度が低い。したがって、体積平均は、典型的には、Z平均粒径よりも小さい値である。
この文献の範囲では、Z平均サイズは、「平均粒子サイズ」と称される。
分子量
所望であれば、分子量(Mw)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって、ポリアクリル酸ナトリウム塩の標準物質に対して測定することができる。
具体的には、次の設備が有用であることを見出した:2PSS Suprema 3000A、8300mm、10μmのカラム;溶出剤:84mM Na2HPO4+200ppmのNaN3:流速:1mL/分を備えたPSS SECurity GPC System。
Figure 0006835816
石英の表面処理(非酸反応性充填剤B)
p−トルエンスルホン酸一水和物7.5mgと、脱イオン水2.3gと、イソプロピルアルコール2.3gと、シラン(X−12−967C)4.5gとを混合し、25℃において1時間撹拌した。得られた溶液は、pH値が3であった。石英粉末150gとイソプロピルアルコール200gとを混合した。アンモニア溶液(25%)を、pH値8〜9に達するまで、混合物へ滴下で加えた。アンモニア添加の際に混合物の粘度が上がったので、イソプロピルアルコール50gを更に加えた。25℃において1時間撹拌した後、シラン溶液を加え、25℃において更に3時間撹拌した。混合物を回転蒸留機中で乾燥させた。その乾燥物質をふるい(500μm)、シラン化を、回転蒸留機中で固定させた(標準圧力、100℃、1時間)。
ペーストA1
Levasil(商標)50/50% 1.00g及びアイオノマーグラス粉末(Ketac(商標)Molar)3.00gを含有する組成物を調製した。磁気撹拌器で混合して、均質な混合物を得た。
ペーストA2
Levasil(商標)50/50% 3.20g及びアイオノマーグラス粉末(Ketac(商標)Molar)11.20gを含有する組成物を調製した。スパチュラを用いた手による混合によって、均質な混合物を得た。
ペーストA3
Levasil(商標)200/40% 0.80g及びアイオノマーグラス粉末(Ketac(商標)Molar)2.80gを含有する組成物を調製した。磁気撹拌器で混合して、均質な混合物を得た。
ペーストA4
Levasil(商標)300/30% 0.80g及びアイオノマーグラス粉末(Ketac(商標)Molar)2.80gを含有する組成物を調製した。磁気撹拌器で混合して、均質な混合物を得た。
ペーストB1
脱イオン水1.30g、酒石酸0.36g、ポリ酸3.26g及び石英粉末(表面処理した)2.28gを含有する組成物を調製した。混練機で混合して、均質な混合物を得た。
ペーストB2
脱イオン水1.30、酒石酸0.36g、ポリ酸3.26g及びカオリン粉末2.28gを含有する組成物を調製した。混練機で混合して、均質な混合物を得た。
本発明の実施例1
ペーストA2を、ペーストB1と、重量比1.5:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
本発明の実施例2
ペーストA3を、ペーストB1と、重量比1.5:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
本発明の実施例3
ペーストA4を、ペーストB1と、重量比1.5:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
本発明の実施例4
ペーストA1を、ペーストB1と、重量比1.5:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
本発明の実施例5
ペーストA2を、ペーストB2と、重量比1.5:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
比較例のペーストA1
脱イオン水3.662g、Levasil(商標)300/30% 0.333g、メチルセルロース0.005g及びアイオノマーグラス粉末(Ketac(商標)Molar)6.000gを含有する組成物を調製した。磁気撹拌機で混合して、均質な混合物を得た。
比較例のペーストB1
脱イオン水3.733g、Levasil(商標)300/30% 0.267g、ポリ酸4.500g及び石英粉末1.500gを含有する組成物を調製した。磁気撹拌機で混合して、均質な混合物を得た。
比較例1
比較例のペーストA1を、比較例のペーストB1と、重量比3:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
比較例2
比較例のペーストA1を、比較例のペーストB1と、重量比2:1で、スパチュラで激しく混合した。混合物が固体へ硬化するまでの時間を観察した。曲げ強度及び圧縮強度のための試験見本を調製し、脱イオン水中、36℃において1日貯蔵してその後試験した。
比較例のペーストA2
脱イオン水0.36g及びアイオノマーグラス粉末(Ketac(商標)Molar)1.64gを含有する組成物を調製した。均質な混合物は得られなかった。
Figure 0006835816

Figure 0006835816
知見
本発明の実施例の強度の測定値は、より多く水を含有している最新技術の組成物で得られうるものの値を超えた。
混合手順の間、全ての本発明の実施例は、良好で容易な混合性を示した。流動性は、混合の間に大きく改善した。本発明の実施態様の一部を以下の項目1−15に記載する。
項目1
歯科で使用するためのグラスアイオノマー組成物を調製するためのパーツキットであって、ペーストAとペーストBとを含み、
ペーストAが、
水、
酸反応性無機充填剤C、
非酸反応性充填剤Aを含み、
ペーストBが、
水、
ポリ酸、
錯化剤、
非酸反応性充填剤Bを含み、
非酸反応性充填剤Bの平均粒子サイズが、非酸反応性充填剤Aの平均粒子サイズよりも大きく、
ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の水の含有量が、20重量%を下回る、パーツキット。
項目2
ペーストAの水の含有量が、ペーストBの水の含有量よりも少ない、項目1に記載のパーツキット。
項目3
前記非酸反応性充填剤Aが、以下の特徴:
脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:4〜7、
10nm〜500nmの範囲内の平均粒子サイズを有する、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、項目1又は2に記載のパーツキット。
項目4
前記非酸反応性充填剤Bが、以下の特徴:
脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:4〜7、
1〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有する、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、項目1〜3のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目5
前記非酸反応性充填剤Aが、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、項目1〜4のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目6
前記非酸反応性充填剤Bが、石英、窒化物、カオリン、ホウケイ酸ガラス、酸化ストロンチウム系ガラス、酸化バリウム系ガラス、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、項目1〜5のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目7
前記酸反応性無機充填剤Cが、以下の特徴:
脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:6〜10、
3〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有する、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、項目1〜6のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目8
前記酸反応性無機充填剤Cが、塩基性金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、重量%によるSi/Al比が1.5を下回るガラス、及びこれらの混合物から選択される、項目1〜7のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目9
ペーストAが、以下のパラメータ:
粘度:せん断速度1s −1 で測定して、28℃で200〜50,000、
密度:1.9〜2.8g/cm
pH値:脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌したペーストA 1gについてpH電極で測定して7〜10、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、項目8に記載のパーツキット。
項目10
ペーストBが、以下のパラメータ:
粘度:せん断速度1s −1 で測定して、28℃で1,000〜50,000、
密度:1.5〜2.0g/cm
pH値:脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌したペーストB 1gについてpH電極で測定して1〜4、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、項目1〜9のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目11
ペーストAが、
5〜18重量%の量の水、
20〜90重量%の量の、3〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつ金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、フルオロアルミノシリケートガラス、及びこれらの混合物から選択される、前記酸反応性無機充填剤C、
1〜50重量%の量の、10nm〜500nmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、前記非酸反応性充填剤Aを含み、
ペーストBが、
7〜20重量%の量の水、
3〜70重量%の量の前記ポリ酸、
0.1〜12重量%の量の前記錯化剤、
5〜60重量%の量の、1〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有し、かつ石英、カオリン、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、前記非酸反応性充填剤Bを含み、
重量%が、ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものであり、
ペーストAもペーストBも、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の重量に対して1重量%を上回る量の重合性構成成分を含まないことを特徴とする、項目1〜10のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目12
ペーストAもペーストBも、以下の構成成分:
約1重量%を上回る量の重合性構成成分、
1重量%を上回る量の、重合性構成成分を硬化するのに好適な開始剤構成成分、
1重量%を上回る量の阻害剤、
1重量%を上回る量の乾燥剤、のうちの少なくとも1種以上又は全てを含まず、
重量%が、ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものである、項目1〜11のいずれか一項に記載のパーツキット。
項目13
項目1〜13のいずれか一項に記載のパーツキットのペーストAとペーストBとを混合して混合物を得、前記混合物を硬化させることによって得ることができ、以下のパラメータ:
曲げ強度:EN−ISO 9917−2:2010に従って測定して20MPaを上回る、
圧縮強度:EN−ISO 9917−1/2007に従って測定して100MPaを上回る、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、歯科で使用するための硬化された組成物。
項目14
2つのコンパートメントであるコンパートメントAとコンパートメントBとを備え、コンパートメントAが、ペーストAを含有し、コンパートメントBが、ペーストBを含有し、ペーストAとペーストBとが、項目1〜13のいずれか一項に記載されたものであり、コンパートメントAとコンパートメントBとの双方が、ノズル又は静的混合チップのエントランスオリフィスを受けるための境界面を備える、項目1〜12のいずれか一項に記載のパーツキットを貯蔵するための装置。
項目15
歯科用セメント、歯科用充填材料、歯科用コアビルドアップ材料又は歯科用根管充填材料としての、又はそれらを調製するための、項目13に記載の組成物、項目14に記載の装置、又は項目1〜12のいずれか一項に記載のパーツキットの使用。

Claims (10)

  1. 歯科で使用するためのグラスアイオノマー組成物を調製するためのパーツキットであって、ペーストAとペーストBとを含み、
    ペーストAが、
    水、
    3〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有する酸反応性無機充填剤C、
    10nm〜500nmの範囲内の平均粒子サイズを有する非酸反応性充填剤Aを含み、
    ペーストBが、
    水、
    ポリ酸、
    錯化剤、
    1〜10μmの範囲内の平均粒子サイズを有する非酸反応性充填剤Bを含み、
    ーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の水の含有量が、20重量%を下回り、
    重量%が、ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものであり、
    ペーストAもペーストBも、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の重量に対して1重量%を上回る量の重合性構成成分を含まない、パーツキット。
  2. ペーストAの水の含有量が、ペーストBの水の含有量よりも少ない、請求項1に記載のパーツキット。
  3. 前記非酸反応性充填剤Aが、以下の特徴:
    脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:4〜7、
    より特徴づけられる、請求項1又は2に記載のパーツキット。
  4. 前記非酸反応性充填剤Bが、以下の特徴:
    脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:4〜7、
    より特徴づけられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーツキット。
  5. 前記非酸反応性充填剤Aが、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーツキット。
  6. 前記非酸反応性充填剤Bが、石英、窒化物、カオリン、ホウケイ酸ガラス、酸化ストロンチウム系ガラス、酸化バリウム系ガラス、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーツキット。
  7. 前記酸反応性無機充填剤Cが、以下の特徴:
    脱イオン水10mL中で5分間撹拌した充填剤1gの分散体のpH値:6〜10、
    より特徴づけられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーツキット。
  8. 前記酸反応性無機充填剤Cが、塩基性金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、重量%によるSi/Al比が1.5を下回るガラス、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーツキット。
  9. ペーストBが、以下のパラメータ:
    粘度:せん断速度1s−1で測定して、28℃で1,000〜50,000、
    密度:1.5〜2.0g/cm
    pH値:脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌したペーストB 1gについてpH電極で測定して1〜4、のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパーツキット。
  10. ペーストAが、
    5〜18重量%の量の水、
    20〜90重量%の量の、属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、フルオロアルミノシリケートガラス、及びこれらの混合物から選択される、前記酸反応性無機充填剤C、
    1〜50重量%の量の、リカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、前記非酸反応性充填剤Aを含み、
    ペーストBが、
    7〜20重量%の量の水、
    3〜70重量%の量の前記ポリ酸、
    0.1〜12重量%の量の前記錯化剤、
    5〜60重量%の量の、英、カオリン、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、前記非酸反応性充填剤Bを含
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のパーツキット。
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