JP6835026B2 - ロープ振れ検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロープ振れ検出装置に関し、特に、地震等によりエレベータが設置された建物が揺れるのに起因して生じる主ロープや釣合ロープの振れを検出するロープ振れ検出装置に関する。
近年、建築物の高層化が進むにつれ、ロープ式エレベータにおいて、地震や強風による建物の揺れに伴う主ロープ等の振れが問題になっている。
高層建物に設置されるロープ式エレベータの多くは、かごの昇降路最上部よりも上に機械室が設けられ、かごを駆動する巻上機が当該機械室に設置されている。巻上機を構成する綱車には、主ロープが掛けられており、主ロープの一端側にはかごが、他端側には釣合おもりが連結されて、それぞれが主ロープによって吊下げられている。また、かごと釣合おもりの間には、最下端に釣合車がかけられた釣合ロープが垂下されている。
そして、原動機によって前記綱車を正転または逆転することにより、鉛直方向に敷設された一対のかご用ガイドレールに案内されたかごが昇降される構成となっている。
このような構成のエレベータにおいて、例えば、長周期地震動により建物が揺れると、建物最上部からかごを吊下げている主ロープやかごから垂下されている釣合ロープ(以下、本欄および[発明が解決しようとする課題]欄において、主ロープと釣合ロープを総称して、単に「ロープ」とする。)が、建物の揺れとほぼ同じ向きに、水平方向に振れる(以下、この水平方向のロープの振れを「横振れ」と称する。)。
従来、建物に設置された長周期振動感知器によって感知される当該建物の揺れの大きさから、横振れの大きさを推定し、当該横振れの大きさの程度に応じて、エレベータの管制運転を実施し、一時的にエレベータの運行を停止する等している。しかしながら、建物の揺れの大きさから把握できる横振れの大きさは、あくまで推定であるため、実際には、エレベータを一時停止させるには及ばない大きさの横振れで済んでいる場合もあると考えられる。この場合、不必要にエレベータの運行が停止されることとなるため、利用者へのサービスの低下を招いてしまう。
これに対し、ロープの横振れの大きさが、ある閾値を超えたか否かを直接的に検出するロープ振れ検出装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1のロープ振れ検出装置は、投光器と受光器が1組となったセンサを有している。このセンサを第1のロープ横振動センサ12とし、特許文献1の段落[0028]、[0029]において、
『図4は図1の第1のロープ横振動センサ12の第1の例を示す平面図である。この例では、第1のロープ横振動センサ12は、検出光20を投光する投光器21と、検出光20を受光する受光器22とを有している。投光器21及び受光器22は、真上から見てかご7の幅方向(図のY軸方向)の両側に配置されている。検出光20は、かご7の幅方向に平行かつ水平に投光されている。
かご7の前後方向(図のX軸方向)への主ロープ6の横振動の振幅が予め設定された振幅閾値に達すると、検出光20が遮断される。即ち、この例では、主ロープ6の横振動に応じて断続的なON/OFF信号が出力される。上記のように2つの振幅閾値を設定する場合には、主ロープ6から検出光20までの距離が異なるように、2組の投光器21及び受光器22が配置される。』
と記されている。
特許文献1のロープ振れ検出装置によれば、主ロープ6のX軸方向の横振れの大きさの程度を2段階で検出することが可能となる。
また、特許文献1には、第2の例として、図5に、投光器21と受光器22をかご7の前後方向(図のX軸方向)両側に設置した例が開示されている。
よって、特許文献1の図4と図5、およびこれに関する記載から、特許文献1のロープ振れ検出装置によれば、かご7の前後方向(図4のX軸方向)と幅方向(図5のY軸方向)に振れる主ロープ6の横振れの大きさの程度をそれぞれ2段階で検出することが可能となる。
特開2014−156298号公報(特許第5791645号) 特開2006−124102号公報(特許第4773704号)
しかしながら、上記したように、ロープは建物の揺れの向きとほぼ同じ向きに振れるため、ロープの振れの方向は、かごの幅方向と前後方向に限られない。よって、特許文献1のセンサ(投光器と受光器の1組)を用いて、上記方向以外のロープの横振れを検出しようとすると、さらに多くのセンサが必要となる。
また、利用者の安全を最優先としつつ、サービスの低下を招かないよう、ロープの横振れの大きさ(地震等の規模)に応じて、管制運転のレベルを細かく設定したいとする要請がある。管制運転のレベルを細かく設定するためには、ロープの横振れの大きさの程度を、2段階を超える複数段階で検出する必要があるが、特許文献1のセンサでこれに対処しようとすると、さらに多くのセンサが必要となる。
本発明は、上記した課題に鑑み、センサの個数を増やすことなく、ロープのあらゆる方向の横振れの大きさを検出することが可能なロープ振れ検出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係るロープ振れ検出装置は、かごと釣合おもりとが主ロープでつるべ式に吊り下げられると共に、前記かごと前記釣合おもりとの間に、最下端に釣合車がかけられた釣合ロープが垂下され、前記かごと前記釣合おもりとが昇降路内を反対向きに昇降する構成とされたエレベータ用のロープ振れ検出装置であって、前記かごおよび前記釣合おもりの昇降経路外に設置されており、その設置位置を含む水平面に存する昇降路内の物体の前記設置位置からの方向と距離を計測し、当該方向と距離を位置情報として出力する一台の測域センサと、前記測域センサから出力される位置情報から、前記かごを吊るす主ロープ部分および前記かごから垂下された釣合ロープ部分のいずれかのロープ部分の前記水平面内における位置座標を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された前記ロープ部分の前記位置座標から、当該ロープ部分が横振れしたときの当該横振れの前記水平面における振幅を割り出す割出手段と、を含むことを特徴とする。
また、前記検出手段は、前記測域センサから出力される前記物体の位置情報に基づいて定められる当該物体の前記水平面内における位置座標の内、前記水平面において前記ロープ部分のみが存在すると想定される領域を想定座標領域とし、前記想定座標領域外に属する位置座標を排除することにより、前記ロープ部分の前記水平面内における位置座標を検出することを特徴とする。
この場合に、前記検出手段は、前記かごの昇降位置に応じて、前記想定座標領域の範囲を切り換えることを特徴とする。
さらに、前記かごには、その下端部からトラベリングケーブルが垂下されており、前記検出手段は、前記かごが前記設置位置よりも下方に位置するときには前記想定座標領域を第1の想定座標領域とし、前記かごが前記設置位置よりも上方に位置するときには、前記想定座標領域を前記第1の想定座標領域から前記トラベリングケーブルが存在すると想定される領域を除外した第2の想定座標領域とすることを特徴とする。
また、前記かごには、その下端部からトラベリングケーブルが垂下されており、前記検出手段は、平面視で、前記水平面において前記ロープ部分および前記トラベリングケーブルのみが存すると想定される想定座標領域が記憶された想定座標領域記憶部と、不要座標排除部と、を含み、前記不要座標排除部は、前記想定座標領域記憶部を参照し、前記測域センサから出力される前記物体の位置情報に基づいて定められる当該物体の前記水平面内における位置座標の内、前記かごが前記設置位置よりも下方に位置するときには、前記想定座標領域外に属する位置座標を排除することにより、前記ロープ部分の前記水平面内における位置座標を検出し、前記かごが前記設置位置よりも上方に位置するときには、さらに、前記想定座標領域内における最も大きな物体の位置座標を排除することにより、前記ロープ部分の前記水平面内における位置座標を検出することを特徴とする。
あるいは、前記測域センサは、3次元の測域センサであって、さらに、前記水平面を含む上下方向の空間に存する前記物体の前記設置位置からの方向と距離を計測して、当該方向と距離を位置情報として出力し、前記検出手段は、さらに、前記測域センサから出力される位置情報から、前記ロープ部分の前記空間における位置座標を検出し、前記検出手段によって検出された前記ロープ部分の前記空間における前記位置座標から、当該ロープ部分の鉛直方向に対する傾きに異常がないかどうかを判定する傾き異常判定手段を、さらに含むことを特徴とする。
上記の構成からなる本発明に係るロープ振れ検出装置によれば、測域センサから、その設置位置を含む水平面に存する昇降路内の物体の前記設置位置からの方向と距離が位置情報として出力され、当該位置情報から、かごを吊るす主ロープ部分およびかごから垂下された釣合ロープ部分のいずれかのロープ部分の前記水平面内における位置座標が検出されて、検出された前記ロープ部分の前記位置座標から、当該ロープ部分が横振れしたときの当該横振れの前記水平面における振幅が割り出される。
したがって、当該ロープ振れ検出装置によれば、一台の測域センサで(すなわち、センサの個数を増やすことなく)、前記ロープ部分の任意の方向の振幅(ロープのあらゆる方向の横振れの大きさ)を検出することができる。
実施形態1に係るロープ振れ検出装置を有するエレベータの概略構成を示す図である。 上記エレベータにおける各種ロープの掛け方(ローピング)の一例を示す図である。 主ロープ群を構成する複数本の主ロープの配列の一例を説明するための概念図である。 上記ロープ振れ検出装置の構成要素である測域センサの上部近傍で切断した昇降路内を示す平面図である。 (a)は制御回路ユニットの機能ブロック図であり、(b)はロープ振れ量検出部の詳細な機能ブロック図である。 (a)は、上記測域センサの1回の走査で検出された物体の座標をプロットした図であり、(b)は、上記制御回路ユニットの不要座標排除部によって、(a)に示す座標から不要な座標を排除した結果を示す図である。 図6(b)に示す複数の座標の内の特定の一の座標を所定時間(当該所定時間中の複数回の走査)モニタリングした結果を示す図である。 上記実施形態の変形例における想定座標領域を説明するための図である。 (a)は、実施形態2に係るロープ振れ検出装置の構成要素である測域センサの上部近傍で切断した昇降路内を示す平面図であり、(b)は、当該測域センサの1回の走査において、想定座標領域内で検出された物体の座標をプロットした図である。 実施形態2における制御回路ユニットの機能ブロック図である。 実施形態3における制御回路ユニットの機能ブロック図である。 実施形態3の3次元の測域センサの一走査で検出された物体の座標の内、制御回路ユニットにおける傾き割出部に入力された座標を、xyz直交座標軸において、y軸方向から視た図である。
以下、本発明に係るロープ振れ検出装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るロープ振れ検出装置の構成要素である測域センサ52を有するエレベータ10が収納された昇降路12内を乗り場(不図示)側から見た正面図(図1には、測域センサ52は現れていない。)であり、図2は、エレベータ10の右側面図である。
図1、図2に示すように、エレベータ10は駆動方式としてトラクション方式を採用したロープ式エレベータである。昇降路12最上部よりも上の建物14部分に機械室16が設けられている。機械室16には、巻上機18とそらせ車20が設置されている。巻上機18を構成する綱車22とそらせ車20には、複数本の主ロープが巻き掛けられている。この複数本の主ロープを「主ロープ群24」と称することとする(なお、図1において、主ロープ群24は正確な本数で記載していない。)。
主ロープ群24の一端部にはかご26が連結されており、他端部には釣合いおもり28が連結されていて、かご26と釣合おもり28とが主ロープ群24でつるべ式に吊り下げられている。
かご26と釣合おもり28との間には、最下端に釣合車30がかけられた複数本の釣合ロープが垂下されている。この複数本の釣合ロープを「釣合ロープ群32」と称することとする。本例では、主ロープ群24を構成する主ロープの本数と釣合ロープ群32を構成する釣合ロープの本数は同数(本例では、8本)である。主ロープと釣合ロープの径は、一般的に、10mm〜20mmである。なお、主ロープ群24を構成する主ロープの本数と、釣合ロープ群32を構成する本数は、上記の本数に限らず、エレベータの仕様に応じて任意に選択される。
かご26の下端部からはトラベリングケーブル34が垂下されていて、トラベリングケーブル34のかご26とは反対側の端部は、昇降路12の上下方向における中程の側壁に設置されたケーブル接続箱(不図示)に接続されている。すなわち、トラベリングケーブル34は、かご26の下端部と前記ケーブル接続箱との間で、細長いU字状に吊り下げられている。トラベリングケーブル34は、かご26と後述する制御盤44との間で電力・信号を伝送するケーブルであり、かご26の動きに合わせて昇降するケーブルである。トラベリングケーブル34としては、一般的には平形ケーブルが用いられ、例えば、その厚みは15mmで幅が100mm程度である。
昇降路12内には、一対のかご用ガイドレール36,38と一対の釣合いおもり用ガイドレール40,42とが、上下方向に敷設されている(いずれも、図1、図2において不図示、図4を参照)。
上記の構成を有するエレベータ10において、不図示の巻上機モータにより綱車22が正転または逆転されると、綱車22に巻き掛けられた主ロープ群24が走行し、主ロープ群24で吊り下げられたかご26と釣合おもり28が互いに反対向きに昇降する。また、これに伴って、かご26と釣合おもり28との間に垂下された釣合ロープ群32は、釣合車30において折り返し走行する。さらに、かご26の昇降に伴って、U字状に吊り下げられたトラベリングケーブル34の下端部も上下方向に変位する。
機械室16には、巻上機18やかご26に設置された各種装置(不図示)に電力を供給する電源ユニット(不図示)、および、これらの装置を制御する制御回路ユニット46(図5)を有する制御盤44が設置されている。
制御回路ユニット46は、CPUにROM、RAMが接続された構成を有している(いずれも、不図示)。前記CPUは、前記ROMに格納された各種制御プログラムを実行することにより、巻上機18などを統括的に制御して、円滑なかごの昇降動作等による通常運転を実現する一方、地震などが発生した場合には、乗客の安全を図るため管制運転を実現する。
ここで、図2に示すように、主ロープ群24において、かご26を吊り下げる部分をかご側主ロープ部分24Aと称し、釣合おもり28を吊り下げる部分を釣合おもり側主ロープ部分24Bと称することとする。また、釣合ロープ群32において、かご26から垂下された部分(かご26と釣合車30との間の釣合ロープ群32部分)をかご側釣合ロープ部分32Aと称し、釣合おもり28から垂下された部分(釣合おもり28と釣合車30との間の釣合ロープ群32部分)を釣合おもり側釣合ロープ部分32Bと称することとする。上記の定義に従えば、主ロープ群24に占めるかご側主ロープ部分24Aと釣合おもり側主ロープ部分24Bの長さ(範囲)、および、釣合ロープ群32に占めるかご側釣合ロープ部分32Aと釣合おもり側釣合ロープ部分32B長さ(範囲)は、かご26および釣合おもり28の昇降位置によって伸縮(変動)する。
主ロープ群24を構成する複数本(本例では8本)の主ロープM1〜M8の配列について、図3を参照しながら説明する。図3は、綱車22とかご26との間の主ロープ群24部分、すなわち、かご側主ロープ部分24Aを表した概念図である。
図3(a)の上図は、綱車22およびかご側主ロープ部分24Aの一部を正面から見た図であり、図3(a)の下図は、かご26を上面から見た図である。図3(a)の下図は、主ロープ群24を構成する主ロープM1〜M8のかご26に対する平面視における連結位置と主ロープM1〜M8との対応関係を示す図である。図3(b)は、綱車22、かご側主ロープ部分24A、およびかご26の一部を左側方から見た図である。
8本の主ロープM1〜M8は、図3(a)の上図に示すように、この順で、綱車22に水平方向(綱車22の軸心方向)に等間隔で巻き掛けられている。主ロープM1〜M8の下端部は、図3(a)の下図に示すように、奇数番目の主ロープM1,M3,M5,M7と偶数番目の主ロープM2,M4,M6,M8とで2列に振り分けて、かご26に連結されている。
このように、2列に振り分けるのは、1列で連結すると、主ロープM1〜M8端部をかご26へ連結する止め金具(シャックルロッド)の大きさ(外径)の影響により、綱車22における主ロープM1〜M8の間隔よりも大きくなり、かご26上部の限られたスペースを有効に用いるのに支障があるからである。
かご26への連結位置における主ロープM1,M3,M5,M7の間隔も、主ロープM2,M4,M6,M8の間隔も等間隔であり、主ロープM1〜M8の水平方向の間隔も等間隔である。よって、綱車22からかご26に至る主ロープ群24部分(かご側主ロープ部分24A)の主ロープM1,M3,M5,M7、主ロープM2,M4,M6,M8、および主ロープM1〜M8の水平方向の間隔は、上下いずれの位置においても等間隔である。
なお、釣合おもり側主ロープ部分24Bにおける主ロープM1〜M8の配列の態様も、上記したかご側主ロープ部分24Aと基本的に同様である(図8)。また、釣合ロープ群32を構成する複数本(本例では8本)の釣合ロープC1〜C8に関しても、その折り返し位置が綱車22になるか釣合車30になるかが異なるだけで(すなわち、上下方向が反対になるだけで)、かご側釣合ロープ部分32A、釣合おもり側釣合ロープ部分32Bにおける複数本のロープの配列は、図8、図4に各々示すように、基本的に、それぞれ、かご側主ロープ部分24A、釣合おもり側主ロープ部分24Bと同様である。
上記の構成を有するエレベータ10が設置される建物14が長周期地震や強風によって揺れると、主ロープ群24や釣合ロープ群32は、建物14とほぼ同じ向きに横振れする。この場合、横振れの程度に応じた管制運転を実現するため、横振れの振幅の程度を検出するためのロープ振れ検出装置が設けられている。
当該ロープ振れ検出装置の構成要素である測域センサ52が、図2に示すように、昇降路12の上下方向における中央の側壁に設置されている。ここで、昇降路12は、図4に示すように、本例では、四つの側壁54で囲まれた空間であり、この四つの側壁54を区別する必要がある場合は、符号「54」にアルファベットA,B,C,Dを付すこととする。測域センサ52は、乗り場(不図示)側の側壁54Aに設置されている。また、測域センサ52は、図2、図4に示すように、かご26および釣合おもり28の昇降経路外に設置されている。
測域センサ52は、その設置位置を含む水平面に存する昇降路12内の物体(通常、複数)の当該設置位置からの方向と距離を計測し、当該方向と距離を2次元位置情報として出力する。前記2次元位置情報は、極座標形式である。
測域センサ52は、例えば、所定角度間隔(例えば、0.125度)でレーザ光を出射して前記水平面を扇状に走査し、出射したレーザ光毎に物体まで往復してくる時間を計測し、距離に換算する光飛行時間測距法(Time of Flight)により、測域センサ52の設置位置から物体までの距離を計測する公知の2次元測域センサ(Laser Range Scanner)である。走査1回当たりの時間(走査時間)は、例えば、25msecである。測域センサ52の走査角度αは、図4に示すように180度に近い大きさであり、測域センサ52の設置位置を含む水平面における昇降路12のほぼ全域が走査範囲になっている。
長周期地震や強風に起因して横振れしているかご側主ロープ部分24Aおよびかご側釣合ロープ部分32Aの前記水平面における振幅を検出する方法について、図4〜図7を適宜参照しながら説明する。
測域センサ52からの前記2次元位置情報は、制御回路ユニット46の図5(a)に示すロープ振れ量検出部50に入力される。制御回路ユニット46は、ロープ振れ量検出部50の他、運転制御部48を含む。運転制御部48は、上述したように、各種装置を制御して前記通常運転や前記管制運転を実現する。
極座標形式の2次元位置情報は、ロープ振れ量検出部50の図5(b)に示す座標変換部502によって、直交座標(xy直交座標)に変換される。
当該直交座標は、例えば、測域センサ52(図6(a)では不図示)の設置位置を原点とする図6(a)に示すようなxy直交座標である。
図6(a)には、かご側主ロープ部分24Aおよび釣合おもり側釣合ロープ部分32Bが測域センサ52の走査範囲に入っている状態(図4に示す状態)において一走査で検出された物体の座標がプロットされている。
図6(a)において、プロットされた座標に対応する物体の符号を括弧付きで記すこととする(図6(b)、図9(b)、図12についても同様)。
上述した測域センサ52の検出原理から理解されるように、第1の物体が検出された場合、測域センサ52から見て、第1の物体の背後に隠れた第2の物体(または、その部分)は検出されない。例えば、側壁54Bの一部が検出されていないのは、当該一部が測域センサ52から見てガイドレール36の背後に隠れているからであり、釣合ロープC1〜C8が検出されないのは、釣合ロープC1〜C8が主ロープM1〜M8の背後に隠れているからである。
ここで、図6(a)に記した座標の内、必要な座標は、言うまでも無く、かご側主ロープ部分24Aに係る主ロープM1〜M8の座標であり、その他の物体の座標は、当該主ロープM1〜M8の特定のためには支障となる。なお、かご26が測域センサ52よりも上方に位置する場合には、検出対象として必要となるのは、かご側釣合ロープ部分32Aに係る釣合ロープC1〜C8である。
そこで、かご側主ロープ部分24A、およびかご側釣合ロープ部分32Aに生じ得る横振れの想定範囲を考慮し、測域センサ52の走査面(水平面)において、かご側主ロープ部分24A、およびかご側釣合ロープ部分32Aのみが存在すると想定される想定座標領域R1(図6において、一点鎖線で囲まれた領域)を予め設定しておく。本例では、想定座標領域R1は、図6(a)に示すように、4点P1〜P4の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)によって画定される。このP1〜P4の前記座標の一組は、「R1画定情報として」、ロープ振れ量検出部50の想定座標領域記憶部506(図5(b))に記憶されている。
上述したように、測域センサ52から出力される2次元位置情報は、座標変換部502に入力され、座標変換部502において極座標から直交座標に変換される。変換後の座標(直交座標)は、座標変換部502から出力され、不要座標排除部504に入力される。
不要座標排除部504は、想定座標領域記憶部506に記憶されている前記R1画定情報を参照し、座標変換部502からの物体の座標の内、想定座標領域R1内に属する座標のみを出力し、出力された当該座標は振幅割出部508へ入力される。換言すると、不要座標排除部504は、座標変換部502からの物体の座標の内、想定座標領域R1外に属する座標を排除して出力し、出力された当該座標は振幅割出部508へ入力される。
図6(b)は、振幅割出部508へ入力された前記座標を前記直交座標にプロットした図である。図6(b)に示すように、振幅割出部508に入力された座標は想定座標領域R1内に存する物体、すなわち、主ロープM1〜M8に対するもののみになっている。
ここで、長周期地震や強風に伴う建物14の揺れに起因してかご側主ロープ部分24Aが横振れする場合、かご側主ロープ部分24Aを構成する主ロープM1〜M8の各々は、独立して横振れするものの、障害物が無い場合には、基本的には同じ挙動で横振れする。すなわち、図4に示す配列を維持したまま、横振れする。
そこで、振幅割出部508は、主ロープM1〜M8の内の一の主ロープの変位から、かご側主ロープ部分24A全体の走査面(水平面)における振幅を割り出すこととしている。
具体的には、例えば、図6(b)に示す主ロープ(M1)の変位から当該振幅を割り出す。また、主ロープM1の変位は、主ロープM1に対応する座標の内、図6(b)の紙面に向かって最も左端の座標(Xm1、Ym1)で特定する。当該座標は、主ロープM1〜M8に対応する座標の内、X座標値が最も小さい座標として特定される。以下、かご側主ロープ部分24A全体の振幅の割出に用いる座標(Xm1、Ym1)を「特定座標」と称することとする。
振幅割出部508は、測域センサ52の一走査毎に不要座標排除部504から入力される座標から特定座標(Xm1、Ym1)を所定時間(複数回の走査に亘って)モニタリングする。当該所定時間は、例えば、想定される横振れの最大周期(例えば、10秒)である。この所定時間を以下、「観測時間」と言う。
1回のモニタリングの結果を図7に示す。1回のモニタリングにおける複数の特定座標(Xm1、Ym1)は、図7に示すように、直線的に列を成す(以下、この列を「座標列」と称する。)。振幅割出部508は、当該座標列の両端に位置する座標(Xe1,Ye1)、(Xe2,Ye2)を抽出し、この2点間の距離SXを演算する。SXが、1回のモニタリングの観測時間中に生じた最大振幅SXとみなされる。
振幅割出部508は、SXを振れレベル判定部510へ出力する。振れレベル判定部510は、振幅割出部508から入力されるSXに基いて、横振れの大きさのレベルを判定する。
振れレベル判定部510は、予め定められた振幅の基準値S1、S2、S3、S4(S1<S2<S3<S4)と振幅SXを以下のように比較し、振幅SXが振れレベルL0(管制運転不要レベル)、L1(特低レベル)、L2(低レベル)、L3(高レベル)、およびL4(極高レベル)のいずれに該当するかを判定する。
SX<S1→L0
S1≦SX<S2→L1
S2≦SX<S3→L2
S3≦SX<S4→L3
S4≦SX →L4
振れレベル判定部510は、判定結果の振れレベル(L0、L1、L2、L3、L4のいずれか)を運転制御部48へ出力する。
運転制御部48は、振れレベル判定部510から入力される振れレベルに応じた管制運転を実施する。レベル毎に異なる管制運転の内容については省略する。
実施形態1では、測域センサ52と制御盤44のロープ振れ量検出部50とでロープ振れ検出装置56が構成されており(図5)、以上説明したように、ロープ振れ検出装置56によれば、測域センサ52から、その設置位置を含む水平面に存する物体の当該設置位置からの方向と距離が2次元位置情報として出力され、当該2次元位置情報から、かご26を吊るすかご側主ロープ部分24Aおよびかご26から垂下されたかご側釣合ロープ部分32Aのいずれかのロープ部分の前記水平面内における位置座標が検出されて、検出された前記ロープ部分の前記位置座標から、当該ロープ部分が横振れしたときの当該横振れの前記水平面における振幅が割り出される。
したがって、ロープ振れ検出装置56によれば、測域センサ52一台で(すなわち、センサの個数を増やすことなく)、前記ロープ部分の任意の方向の振幅(ロープのあらゆる方向の横振れの大きさ)を検出することができる。
(変形例)
上記実施形態では、かご26が測域センサ52よりも下方に位置するため(図2、図4)、測域センサ52の走査面における想定座標領域R1にかご側主ロープ部分24Aが存する場面を例に説明した。これに対し、かご26が測域センサ52よりも上方に位置する場合、測域センサ52の想定座標領域R1には、かご側釣合ロープ部分32Aに加え、トラベリングケーブル34が存することとなる(図8:なお、図8において想定座標領域R1は不記入)。すなわち、想定座標領域R1は、平面視で、測域センサ52の走査面(水平面)において、かご側主ロープ部分24A、かご側釣合ロープ部分32A、およびかご16から垂下されたトラベリングケーブル34のみが存すると想定される座標領域でもあるからである。
よって、かご26が測域センサ52よりも上方に位置する場合、座標変換部502から出力される座標の内、トラベリングケーブル34に対応する座標を排除する必要がある。このため、変形例では、想定座標領域R1(図4)内においてトラベリングケーブル34が存在し得る範囲を想定座標領域R1から除外し、第2の想定座標領域として、図8に示す想定座標領域R2を予め設定しておく。本例では、想定座標領域R2は、図8に示すように、6点P1〜P3、P5〜P7の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X5,Y5)、(X6,Y6)、(X7、Y7)によって画定される。すなわち、P4、P5、P6、P7、P4をこの順で結んだ線分によって囲まれた四角の領域が、想定座標領域R1(図4)内においてトラベリングケーブル34が存在し得る範囲である(当該四角の領域を「トラベリングケーブル排除領域」と称することとする。)。
P1〜P3、P5〜P7の座標の一組は、「R2画定情報」として、ロープ振れ量検出部50の想定座標領域記憶部506(図5(b))に記憶されている。
運転制御部48から不要座標排除部504へ、昇降路12の上下方向におけるかご26の現在位置を示す情報(以下、「昇降位置情報」と言う。)が出力される。
不要座標排除部504は、運転制御部48から出力される前記昇降位置情報を参照し、かご26が測域センサ52の設置位置よりも上方に位置するか下方に位置するかで、前記R1画定情報と前記R2画定情報の内、参照する画定情報を切り換える。
すなわち、かご26が測域センサ52の設置位置よりも下方に位置するときには、不要座標排除部504は、想定座標領域記憶部506に記憶されているR1画定情報を参照して、座標変換部502からの物体の座標の内、想定座標領域R1内に属する座標のみを振幅割出部508へ出力する。一方、かご26が測域センサ52の設置位置よりも上方に位置するときには、不要座標排除部504は、想定座標領域記憶部506に記憶されているR2画定情報を参照して、座標変換部502からの物体の座標の内、想定座標領域R2内に属する座標のみを振幅割出部508へ出力する。
このように、不要座標排除部504と想定座標領域記憶部506とは、測域センサ52から出力される2次元位置情報から、かご側主ロープ部分24Aおよびかご側釣合ロープ部分32Aのいずれかのロープ部分の、測域センサ52の設置位置を含む水平面における位置座標を検出する検出手段として機能する。
なお、かご26が測域センサ52の設置位置よりも上方に位置する場合で、かご側釣合ロープ部分32Aの横振れが大きい場合、かご側釣合ロープ部分32A全体の振幅を割り出すために特定した一の釣合ロープ(例えば、釣合ロープC1)が、上記トラベリングケーブル排除領域に進入してしまう可能性がある。この場合、進入中の釣合ロープC1の座標は、不要座標排除部504で排除され、振幅割出部508へ入力されないことが起こり得る。そうすると、上記実施形態と同じ手法では、釣合ロープC1の振幅を得ることができない。
そこで、このような場合を想定し、以下のようにして、釣合ロープC1の振幅を割り出すようにしても構わない。すなわち、片振幅を割り出して、当該片振幅を2倍することにより振幅を得るのである。
それには、先ず、かご側釣合ロープ部分32Aに横振れが生じていない状態で、予め、釣合ロープC1を検出して、その特定座標の座標値を記憶しておく(当該座標値を以下「中央値」と称する。)。
そして、横振れが生じて、図7に示したのと同様なモニタリング結果が得られると(但し、上記トラベリングケーブル排除領域内の座標は得られない)、その座標列の両端の座標の内、トラベリングケーブル排除領域から遠い方の座標の座標値と中央値とから片振幅を割り出す。そして、割り出した片振幅を2倍することにより、釣合ロープC1、ひいては、かご側釣合ロープ部分32Aの振幅とするのである。
<実施形態2>
かご26が測域センサ52よりも上方に位置する場合、想定座標領域R1内にトラベリングケーブル34が存することとなるため、実施形態1の上記変形例では、想定座標領域R1からトラベリングケーブル34が存在すると想定される領域(トラベリングケーブル排除領域)を除外した想定座標領域R2を設定し、上述のようにして、振幅割出部508において振幅を割り出す対象の座標からトラベリングケーブル34に対応する座標を排除した。
これに対し、実施形態2では、かご26が測域センサ52よりも上方に位置する場合に想定座標領域R1内に存し得る物体、すなわち、かご側釣合ロープ部分32Aおよびトラベリングケーブル34からトラベリングケーブル34の座標を排除するため、釣合ロープC1〜C8各々の大きさ(直径)とトラベリングケーブル34の大きさ(幅)の違いを利用することとしている。
実施形態2では、トラベリングケーブル34の幅を検出するため、図9(a)に示すように、測域センサ52は、トラベリングケーブル34の幅方向と直交する向きに存する側壁54Bに設置されている。
実施形態2は、測域センサ52の設置位置、不要座標排除部1504における処理の一部が異なること以外は、基本的には、実施形態1およびその変形例と同様である。よって、実施形態2において、実施形態1およびその変形例と実質的に同じ構成部分については、実施形態1と同じ符号を付して、その説明については必要に応じて言及するに止め、以下異なる部分を中心に説明する。
実施形態2でも、実施形態1と同じ想定座標領域R1を設定している。但し、測域センサ52の設置位置を原点とするxy直交座標系を採用している関係上、想定座標領域R1を画定する4点P8〜P11は、昇降路12を平面視した場合における各々の位置は、それぞれP1〜P4(図6)と同じであるが、その座標(X8,Y8)、(X9,Y9)、(X10,Y10)、(X11,Y11)の値は、実施形態1の4点P1〜P4の座標の値とは異なっている。
実施形態2では、このP8〜P11の前記座標の一組が、「R1画定情報」として、ロープ振れ量検出部50の想定座標領域記憶部1506(図10)に記憶されている。
実施形態2において、座標変換部502から出力される物体の座標から、不要座標排除部1504において、想定座標領域R1外に属する座標を排除した結果を図9(b)に示す。
図9(b)において、釣合ロープC4,C6,C8が検出されていないのは、これらが、測域センサ52から見て、釣合ロープC1、C3、C5の背後に隠れているからである。
不要座標排除部1504は、図9(b)に示す複数の座標を、その連続性からグループ分けし、個々のグループを一の物体と看做す。
そして、不要座標排除部1504は、グループ各々に属する一連の座標(連続する座標)の内の両端の座標間の距離を演算して、当該距離をその物体の大きさとする。本例では、釣合ロープC1、C2、C3、C5、C7の大きさ(各々の径に相当)、およびトラベリングケーブル34の大きさ(幅に相当)が得られる。
不要座標排除部1504は、得られた大きさの最も大きな物体(グループ)の座標を排除した上で残りの座標を出力し、出力された座標は振幅割出部508へ入力される。
上述したように、トラベリングケーブル34の幅が100mmであるのに対し、釣合ロープC1、C2、C3、C5、C7の径は、10mm〜20mm程度である。よって、両者は、その大きさ(径と幅)で識別できるため、不要座標排除部1504は、トラベリングケーブル34の座標を排除して、釣合ロープC1、C2、C3、C5、C7の座標のみを振幅割出部508へと出力することとなる。
ここで、長周期地震や強風に伴う建物14の揺れに起因してかご側釣合ロープ部分32Aが横振れする場合、かご側釣合ロープ部分32Aを構成する釣合ロープC1〜C8の各々は、主ロープM1〜M8と同様、独立して横振れするものの、障害物が無い場合には、基本的には同じ挙動で横振れする。すなわち、図9(a)に示す配列を維持したまま、横振れする。
そこで、振幅割出部508は、釣合ロープC1〜C8の内の一の釣合ロープの変位から、かご側釣合ロープ部分32A全体の走査面(水平面)における振幅を割り出すこととしている。
具体的には、例えば、図9(b)に示す釣合ロープ(C1)の変位から当該振幅を割り出す。また、釣合ロープC1の変位は、釣合ロープC1に対応する座標の内、図9(b)の紙面に向かって最も左端の座標(Xc1、Yc1)で特定する。当該座標は、釣合ロープC1、C2、C3、C5、C7に対応する座標の内、Y座標値が最も小さい座標として特定される。座標(Xc1、Yc1)を特定座標として、かご側釣合ロープ部分32A全体の振幅の割出手順は、上述した実施形態1の場合と同様なので、その説明については省略する。
<実施形態3>
実施形態1、実施形態2では、測域センサ52の設置位置近傍におけるかご側主ロープ部分24Aやかご側釣合ロープ部分32Aに横振れが発生した場合の振幅を検出した。実施形態3では、さらに、前記横振れがある程度まで収束した後、エレベータの運転を再開する前に、かご側主ロープ部分24Aやかご側釣合ロープ部分32の傾きを検出することとしている。横振れが収束しても、当該横振れが継続している間に、主ロープM1〜M8、釣合ロープC1〜C8が、昇降路12内の他の機器や他の設備に引っ掛かってしまう場合がある。この場合、正常であれば、略鉛直方向に延びる主ロープM1〜M8、釣合ロープC1〜C8において、引っ掛かってしまったロープは、当該鉛直方向に対して異常に傾いてしまう。そこで、実施形態3では、エレベータの運転再開に支障がないかどうかの判断材料の一つとして、ロープの傾きを検出することとしている。
このため、2次元測域センサである測域センサ52に代えて、実施形態3では、3次元の測域センサ(3次元スキャナ)である測域センサ252を備えている。測域センサ252は、公知の3次元スキャナである。測域センサ252は、実施形態1の測域センサ52と同じ位置に設置されている(図2、図4参照)。
実施形態3は、測域センサの他、座標変換部、不要座標排除部における処理の一部が異なり、傾き割出部512、傾きレベル判定部514(図11)を有している以外は、基本的には、実施形態1およびその変形例と同様である。よって、実施形態3において、実施形態1およびその変形例と実質的に同じ構成部分については、実施形態1と同じ符号を付して、その説明については必要に応じて言及するに止め、以下異なる部分を中心に説明する。
図11に示す実施形態3の測域センサ252は、実施形態1の測域センサ52の走査面(水平面)を含む上下方向の空間に存する物体の、測域センサ252の設置位置からの方向と距離を計測して、当該方向と距離を3次元位置情報として出力する。前記3次元位置情報は、球座標形式である。
測域センサ252からの3次元位置情報は座標変換部2502に入力される。入力された3次元位置情報は、座標変換部2502において、球座標からxyz直交座標に変換される。当該xyz直交座標は、測域センサ252の設置位置を原点とする座標であり、当該原点を含むxy平面(xy直交座標)は、実施形態1のxy直交座標(図6、図7)と同じである。
不要座標排除部2504は、上記直交座標における物体の座標(座標変換部2502から出力される座標の一部)から、実施形態1の不要座標排除部504(図5(b))と同様、想定座標領域記憶部506に記憶されている前記R1画定情報を参照し、想定座標領域R1外に属する座標を排除して出力する。出力された当該座標は振幅割出部508へ入力される。振幅割出部508および振れレベル判定部510における処理は実施形態1と同様なので、その説明については省略する。
実施形態3において、不要座標排除部2504は、前記R1画定情報を参照し、座標変換部2502から出力される物体の座標(xyz直交座標)の内、平面視で(すなわち、z軸方向から視て)、そのxy座標が想定座標領域R1外となる座標を排除して出力する。出力された当該座標(xyz直交座標)は、傾き割出部512に入力される。
図12は、測域センサ252の一走査で検出された物体の座標の内、傾き割出部512に入力された座標を、xyz直交座標軸において、y軸方向から視た図である。
図12(a)は、かご側主ロープ部分24Aに問題が生じていない状態(正常な状態)を示している。この場合、主ロープM1〜M8の各々は、略鉛直方向に延びている。
主ロープM1〜M8のいずれかが、昇降路12内の他の機器や他の設備に引っ掛かってしまい、鉛直方向に対して異常に傾くと、当該傾いた主ロープは、傾いていない他の複数の主ロープの集まりから離れてしまう場合が多い(図12(b)、図12(c))。そこで、傾き割出部512は、図12の紙面に向かって、x軸方向の最も右側で上下方向に連続する座標(当該連続する座標を「右側エッジ座標」と称することとする。)と最も左側で上下方向に連続する座標(当該連続する座標を「左側エッジ座標」と称することとする。)を抽出する。そして、右側エッジ座標および左側エッジ座標の連続する向きの鉛直方向に対する傾きを割り出す。主ロープM1〜M8の内、右側エッジ座標の傾きは最も右側で検出された主ロープの傾きに他ならず、左側エッジ座標の傾きは最も左側で検出された主ロープの傾きに他ならない。
図12(a)の場合、主ロープM8の傾きが右側エッジ座標の傾きとして割り出され、主ロープM1の傾きが左側エッジ座標の傾きとして割り出される。
傾き割出部512は、割り出した傾き(右側エッジ座標の傾きと左側エッジ座標の傾き)を出力し、出力された当該傾きは傾きレベル判定部514に入力される。
傾きレベル判定部514は、入力された傾きと予め設定された傾きの基準値とを比較する。傾きレベル判定部514は、入力された傾きが傾きの基準値を超えているときは、「傾きが異常」である旨を、入力された傾きが基準値以内のときは、「傾きは正常」である旨を運転制御部48へ通知する。すなわち、傾き割出部512と傾きレベル判定部514とは、かご側主ロープ部分24Aやかご側釣合ロープ部分32の鉛直方向に対する傾きに異常がないかどうかを判定する異常判定手段516として機能する。
図12(b)は主ロープM8が異常に傾いた例を、図12(c)は、主ロープM6が異常に傾いた例をそれぞれ示している。
「傾きが異常」である旨の通知を受けると、運転制御部48は、保守作業員による復旧作業が完了するまで、通常運転を禁止する。
「傾きが正常」である旨の通知を受けると、運転制御部48は、その他の異常が検出されず、また必要に応じてなされる保守作業員による点検等が終了したのを条件に通常運転を許可する。
以上、本発明に係るロープ振れ検出装置を実施形態に基いて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
(1)実施形態1とその変形例、および実施形態2では、測域センサ52から出力される極座標の2次元位置情報をxy直交座標に座標変換した上で、振幅を割り出すこととしたが、座標変換することなく、極座標のまま、振幅を割り出すようにしても構わない。また、実施形態3も同様、座標変換することなく、測域センサ252が出力する球座標をそのまま用いて、振幅を割り出すこととしても構わない。
(2)実施形態1とその変形例、および実施形態2において不要座標排除部504は、想定座標領域R1内または想定座標領域R2内の全ての座標を振幅割出部508へ出力したが、これに限らず、特定座標のみを出力することとしても構わない。振幅の割り出しには、特定座標があれば足りるからである。
すなわち、かご側主ロープ部分24A、かご側釣合ロープ部分32Aの位置座標の代表値として特定座標を出力しても構わない。
本発明に係るロープ振れ検出装置は、例えば、高層建築物に設置される昇降行程の長いエレベータにおいて、長周期地震動等に起因する主ロープや釣合ロープの横振れの振幅の程度を検出する装置として好適に利用可能である。
50 ロープ振れ量検出部
52,252 測域センサ
56 ロープ振れ検出装置

Claims (3)

  1. かごと釣合おもりとが主ロープでつるべ式に吊り下げられると共に、前記かごと前記釣合おもりとの間に、最下端に釣合車がかけられた釣合ロープが垂下され、前記かごと前記釣合おもりとが昇降路内を反対向きに昇降する構成とされたエレベータ用のロープ振れ検出装置であって、
    前記かごおよび前記釣合おもりの昇降経路外に設置されており、その設置位置を含む水平面に存する昇降路内の物体の前記設置位置からの方向と距離を計測し、当該方向と距離を位置情報として出力する一台の測域センサと、
    前記測域センサから出力される位置情報から、前記かごを吊るす主ロープ部分および前記かごから垂下された釣合ロープ部分のいずれかのロープ部分の前記水平面内における位置座標を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された前記ロープ部分の前記位置座標から、当該ロープ部分が横振れしたときの当該横振れの前記水平面における振幅を割り出す割出手段と、
    を含むことを特徴とするロープ振れ検出装置。
  2. 前記検出手段は、前記測域センサから出力される前記物体の位置情報に基づいて定められる当該物体の前記水平面内における位置座標の内、前記水平面において前記ロープ部分のみが存在すると想定される領域を想定座標領域とし、前記想定座標領域外に属する位置座標を排除することにより、前記ロープ部分の前記水平面内における位置座標を検出することを特徴とする請求項1に記載のロープ振れ検出装置。
  3. 前記測域センサは、3次元の測域センサであって、さらに、前記水平面を含む上下方向の空間に存する前記物体の前記設置位置からの方向と距離を計測して、当該方向と距離を位置情報として出力し、
    前記検出手段は、さらに、前記測域センサから出力される位置情報から、前記ロープ部分の前記空間における位置座標を検出し、
    前記検出手段によって検出された前記ロープ部分の前記空間における前記位置座標から、当該ロープ部分の鉛直方向に対する傾きに異常がないかどうかを判定する傾き異常判定手段を、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロープ振れ検出装置。
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