JP6834534B2 - イヤホン - Google Patents
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Description
そのため、音筒部を含むハウジングの内部におけるスピーカユニットの放音面側の前方の空間を形成する前方気室が、音筒部先端の放音孔のみが開口し、他が密閉されるよう形成されている場合、イヤーピースを外耳道内に挿入すると、前方気室及び外耳道の内部空間が密閉状態となることから、内気が圧縮されて圧力が上昇する。
また、外耳道に挿入したイヤーピースを抜き取る時には、逆の作用により前方気室及び外耳道の内部空間の内気が密閉状態で膨張し圧力が降下する。
また、イヤホンの本体に対し弁部材が小さいため、製造が容易ではない。
1)スピーカユニットと、
内部に前記スピーカユニットを収容し、前記スピーカユニットの放音面側に第1の空間を形成する第1気室と前記スピーカユニットに対し前記放音面側とは反対側に第2の空間を形成する第2気室とを、耳介への装着方向及び抜去の方向に対応した一の方向に並設して有するハウジングと、
前記第1気室に接続して突出形成されイヤーピースが装着される音筒部と、
前記ハウジングの第2気室側に配置され、前記ハウジングに対して前記一の方向に所定の範囲で移動可能に係合する可動ハウジングと、
を備え、
前記ハウジングと前記可動ハウジングとを含んで、
前記可動ハウジングが前記所定の範囲における第1の位置にあるときに、前記第1の空間と前記ハウジングに対する外部空間とを連通させ、前記第1の位置とは異なる前記所定の範囲における第2の位置にあるときに、前記第1の空間と前記外部空間とを非連通かつ前記第2の空間と前記外部空間とを連通させる弁構造が形成されており、
前記可動ハウジングの前記第1の位置は、前記第2の位置から前記ハウジングを前記耳介に装着する際の外力で押し込まれる位置であることを特徴とするイヤホンである。
以下の説明において、前後方向を図1に示した矢印で規定する。前方は、イヤホン51を装着する耳(頭部)側となる。
各図において、スピーカユニットSPから外部に引き出されているコード及びブッシングは、不図示である。
音筒部2には、柔軟なイヤーピース4が着脱自在に取り付けられている。
区画壁5には、中央に孔5aが形成されている。孔5aにはスピーカユニットSPが、放音面SPaがハウジング1の前側となる姿勢で密着装着されている。
前気室Rfの内部の前空間Vfは、音筒部2の内部の空間Vtと連通している。
後気室Rbは、ハウジング1とスピーカユニットSPと後述する可動ハウジング6とにより形成されている。
スピーカユニットSPから出力された音は、前空間Vf及び空間Vtを通過して音筒部2の先端から外部に放出される。
前通気孔1fと後通気孔1bとは、軸線CL1に平行方向に並べて設けられている。
前通気孔1fと後通気孔1bは、区画壁5を挟み、区画壁5に近い位置に形成されている。
可動ハウジング6は、ハウジング1の内面にほぼ密着して摺動する筒状の基部6aと、基部6aに対し小径で後方に延びる連結部6bと、連結部6bの後方に接続し、連結部6bよりも大径(この例では基部6aと同径)の押引部6cとを有する。
区画壁5には、延出部6dの断面形状に対応した形状で貫通孔5bが形成されている。延出部6dは、貫通孔5b内に前後移動可能に挿通されている。
延出部6dと貫通孔5bとの間の隙間は微小とされ、前空間Vfと後空間Vbとは、貫通孔5bを含め、区画壁5及びスピーカユニットSPにより実質的に非連通となっている。
従って、可動ハウジング6が前方に移動すると、付勢部材7は圧縮されて可動ハウジング6を後方に付勢し、可動ハウジング6が後方に移動すると、付勢部材7は伸張されて可動ハウジング6を前方に付勢する(引っ張る)。
また、可動ハウジング6は、ハウジング1に対し、基準位置から付勢部材7の引っ張り反発力に抗して後方に引き出したときに、所定の引き出し位置となる抜去時位置で突き当て感又はクリック感が生じるように構成されている。
可動ハウジング6の基準位置は、イヤホン51の使用状態での位置である。
前孔6d1及び後孔6d2と、前通気孔1f及び後通気孔1bと、の連通・非連通関係を、図4〜図6を参照して説明する。
基準位置の図4は、図3におけるA部拡大図に相当する。
図4に示されるように、基準位置において、ハウジング1の前通気孔1fは延出部6dにより塞がれ、後通気孔1bは可動ハウジング6の後孔6d2と連通する。
これにより、空間Vt及び空間Vtに連通した前空間Vfは、音筒部2の先端側のみが外部空間Vgに開放され他の部位が閉じた空間となる。
従って、後空間Vbは、後孔6d2及び後孔6d2と連通した後通気孔1bがダクトとして機能して、イヤホンとして低音が補強された良好な再生音が得られる。
イヤホン51を耳介に装着する際のイヤーピース4の外耳道への挿入においては、ハウジング1が耳介の奥に位置して指が届きにくいことから、使用者は、図5に示されるように、イヤホン51の後端部に設けられた押引部6cを指で押してイヤーピース4を挿入する。
この場合、まず、使用者の指によって、基準位置にある可動ハウジング6が、ハウジング1に対し、付勢部材7を圧縮させつつ前方に距離Laだけ押し込まれて挿入時位置に達する。
さらに指での押し込みが継続されると、可動ハウジング6が挿入時位置にある状態でハウジング1が前方に押し込まれてイヤーピース4が外耳道内に挿入され、装着が完了する。
距離Laは、前通気孔1fと後通気孔1bとの間の前後方向ピッチである。
これにより、イヤーピース4の外耳道内への挿入で前空間Vfの空気が外部へ逃げることができ、前空間Vf,空間Vt,及び外耳道内空間の圧力が外気圧より高くなることはなく、外気圧と同じ圧力に維持される。
従って、イヤホン51の耳介への装着時に、使用者が鼓膜の違和感を覚えることはなく、スピーカユニットSPの駆動系に不具合を生じる虞はない。
耳介に装着したイヤホン51を取り外す際には、ハウジング1が耳介の奥に位置していることから、使用者は、図6に示されるように、押引部6cを指で摘んで耳介の外部となるハウジング1の後方へ引くようにすると耳介からイヤホン51を抜去しやすい。
これにより、まず、基準位置にある可動ハウジング6が、ハウジング1に対し、付勢部材7を引っ張りつつ距離Lbだけ後方に引き出され、抜去時位置に達する。
さらに、指での引っ張りが継続されると、可動ハウジング6が抜去時位置にある状態でハウジング1が後方に引っ張られることで、イヤーピース4が外耳道から抜き取られイヤホン51の取り外しが完了する。
図4に示されるように、距離Lbは、可動ハウジング6が基準位置にあるときの、前通気孔1fと前孔6d1との間の前後方向のピッチである。
これにより、前空間Vfと外部空間Vgとが連通する。
イヤーピース4の外耳道内からの抜去中に、外部空間Vgの空気が前空間Vfへ流入することにより、前空間Vf,空間Vt,及び外耳道内空間の圧力が外気圧より低くなることはなく、外気圧と同じ圧力に維持される。
そのため、イヤホン51の耳介からの取り外し時に、使用者が鼓膜の違和感を覚えることはなく、スピーカユニットSPの駆動系に不具合を生じる虞はない。
図7及び図4〜図6からも明らかなように、イヤホン51においては、ハウジング1及び可動ハウジング6を含んで、前空間Vf及び後空間Vbと、外部空間Vgと、の連通及び非連通を選択する弁構造BKが構成されている。
これにより、イヤホン51の耳介に対する装脱時の、外耳道内の圧力変動が防止される。
また、可動ハウジング6の基準位置から他の二つの位置への移動は、装脱させる際の使用者の押引部6cを押す又は引く装脱動作のみで自然に行われる。これにより、使用者が別途装脱以外の動作を行うことなく容易にかつ確実に外耳道内の圧力変動を防止することができる。これによりイヤホン51の取り扱いは大変容易になっている。
さらに、可動ハウジング6は、イヤホン51において比較的大きい部材であり、イヤホン51の構造は単純なので、製造が容易である。
可動ハウジング6の押引部6cの形状は、平板状でなく傘状であってもよい。
また、押引部6cの外径は、ハウジング1よりも大きく、ハウジング1の側面を覆うように形成されていてもよい。
前通気孔1fと後通気孔1bとは、周方向において同じ位置に形成されていなくてもよい。周方向にずれた位置に形成され、可動ハウジング6に、可動ハウジング6の前後方向位置に応じて連通か非連通かを選択実現する孔を前通気孔1f,後通気孔1bに対応した周方向位置に形成してもよい。
例えば、ハウジング1自体が、後通気孔1bが連通した後気室Rbを有し、可動ハウジング6は、後気室Rbに対し単に後通気孔1bを開閉するように移動する構成であってもよい。
1a 底壁、 1b 後通気孔、 1f 前通気孔
2 音筒部
4 イヤーピース
5 区画壁、 5a 孔、 5b 貫通孔
6 可動ハウジング
6a 基部、 6b 連結部、 6c 押引部、 6d 延出部
6d1 前孔、 6d2 後孔
7 付勢部材
51 イヤホン
CL1 軸線
La,Lb 距離、 Lc ピッチ
Rb 後気室、 Rf 前気室
SP スピーカユニット、 SPa 放音面
Vb 後空間、 Vf 前空間、 Vt 空間、 Vg 外部空間
Claims (4)
- スピーカユニットと、
内部に前記スピーカユニットを収容し、前記スピーカユニットの放音面側に第1の空間を形成する第1気室と前記スピーカユニットに対し前記放音面側とは反対側に第2の空間を形成する第2気室とを、耳介への装着方向及び抜去の方向に対応した一の方向に並設して有するハウジングと、
前記第1気室に接続して突出形成されイヤーピースが装着される音筒部と、
前記ハウジングの第2気室側に配置され、前記ハウジングに対して前記一の方向に所定の範囲で移動可能に係合する可動ハウジングと、
を備え、
前記ハウジングと前記可動ハウジングとを含んで、
前記可動ハウジングが前記所定の範囲における第1の位置にあるときに、前記第1の空間と前記ハウジングに対する外部空間とを連通させ、前記第1の位置とは異なる前記所定の範囲における第2の位置にあるときに、前記第1の空間と前記外部空間とを非連通かつ前記第2の空間と前記外部空間とを連通させる弁構造が形成されており、
前記可動ハウジングの前記第1の位置は、前記第2の位置から前記ハウジングを前記耳介に装着する際の外力で押し込まれる位置であることを特徴とするイヤホン。 - 前記弁構造は、前記第2の位置をはさんで前記第1の位置とは反対側となる前記所定の範囲における第3の位置において前記第1の空間と前記外部空間とを連通させ、前記第3の位置は、前記耳介に装着された前記ハウジングを前記耳介から抜去する際の外力で引き出される位置であることを特徴とする請求項1記載のイヤホン。
- 前記第1の位置にある前記可動ハウジングを前記第2の位置に移動させるように付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項1記載のイヤホン。
- 前記第1の位置及び前記第3の位置にある前記可動ハウジングを前記第2の位置に移動させるように付勢することを特徴とする請求項2記載のイヤホン。
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