JP5278395B2 - ヘッドホン - Google Patents
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また、いわゆるオーバーヘッドタイプであって耳介を覆うような大型のイヤーパッドを備えたヘッドホンにおいて、イヤーパッドの頭部に当接する当接面を含む平面とハウジングに収納されたスピーカユニットの駆動軸に直交する平面とが非平行とされ、そのヘッドホン装着状態において、頭部前方に向かうに従って、駆動軸に直交する平面がイヤーパッドの頭部に当接する当接面を含む平面に接近するものが知られている(例:特許文献2)。
左耳用のユニット101Lのハウジング102の内部には、スピーカユニットSPが収納されている。ハウジング102の頭部側の外面には、イヤーパッド106が取り付けられている。
スピーカユニットSPの振動板SDBの面をこの耳甲介腔E2の傾斜に合わせるように、駆動軸CL102を傾斜させる。
具体的には、駆動軸CL2に直交する面の頭部前方側が中心線CL101に接近する姿勢となるようにスピーカユニットSPを配設する。
従って、図14のように、ハウジング102の中央下部にコードの引きだし部HDがある場合、その引きだし部HDのブッシング4の根元部分に視覚的に溶け込み目立たないような態様で音質調整孔103を設け、外部から認識されにくいようにすることが望まれる。
すなわち、ハウジング102の内部において、スピーカユニットSPが、その前方側ほど頭部中心線CL101に接近するように傾斜して配設されていることから、分割線CL103に対する前方側の空間Vfが後方側の空間Vrよりも容積が大きくなっている。
これにより、スピーカユニットSPの背面とハウジング102の内面との距離は、前方側の方が大きくなっている。
すなわち、仮想的に、ハウジング102の内部空間を、スピーカユニットSPを挟んだ2つの空間に分割されているものとみなすことができる。
一方、スピーカユニットSPの振動板SDBのバックキャビティについては、分割線CL103に対して前方側の部分のバックキャビティが空間Vf、後方側の部分のバックキャビティが空間Vrに相当する。
そのため、振動板SDBの振動が少なくとも前方側と後方側とで均一にならず、音響的に歪みが生じ、良好な再生音が得られにくくなることが懸念される。
1) スピーカ(11)と、
前記スピーカ(11)が取り付けられたバッフル板(54)と、
前記スピーカ(11)の背面側を覆い前記バッフル板(54)と共に前記スピーカ(11)の前記背面側にバックキャビティ部(BC)を形成するハウジング(52)と、
前記ハウジング(52)に設けられ前記バックキャビティ部(BC)と外部空間とを連通する連通孔(55)と、
耳介(E1)を囲うようリング状に形成され頭部(H)に装着した使用状態で前記頭部(H)と前記ハウジング(52)との間に位置するイヤーパッド(53)と、を備え、
前記使用状態で、
前記バッフル板(54)は、頭部前方側ほど前記頭部に接近するよう配置されると共に、
前記バックキャビティ部(BC)を前記ハウジング(52)の頭部前後方向の分割線CL3に対する前方側空間(Vf)と後方側空間(Vr)とに仮想的に分割した際に、前記連通孔(55)は、前記前方側空間(Vf)と前記後方側空間(Vr)とにそれぞれ開口する第1の開口部(55a)と第2の開口部(55b)とを有し、
前記前方側空間(Vf)の容積Vffと前記後方側空間(Vr)の容積Vrrとが不等で、かつ、前記第1の開口部(55a)の開口面積ARfと前記第2の開口部(55b)の開口面積ARrとが不等であることを特徴とするヘッドホン(HP)である。
2) 前記前方側空間(Vf)と前記後方側空間(Vr)とを、前記スピーカ(11)と共に仕切る仕切壁(57)を有することを特徴とする1)項に記載のヘッドホン(HP)である。
ユニット151は、ハウジング52と、ハウジング52の頭部H側の面に取り付けられたイヤーパッド53と、を有している。
ハウジング52の内部には、バッフル板54が設けられており、バッフル板54にはスピーカユニット11が取り付けられている。
頭部Hの左の耳介E1における耳甲介腔E2(破線で示す)は、前方側が頭部Hの中心線CL101に接近するよう傾斜している。
具体的には、駆動軸CL2に直交する面の頭部前方側が頭部Hの中心線CL101に接近する姿勢となるようにスピーカユニット11が配設されている。
この貫通孔55は、設計試作段階でその形状等を調整してヘッドホン50の音質調整が行われる孔であるので、以下音質調整孔55と称する。
さらに、図1に示すように、外開口部55sと内開口部55a,55bとの間にダクト56s,56a,56bが形成されている。
具体的には、外開口部55s側のダクト56sと、ダクト56sから分岐して内開口部55aに繋がるダクト56aと、ダクト56sから分岐して内開口部55bに繋がるダクト56bとを有している。
従って、スピーカユニット11に対するバックキャビティ部BCである内部空間Vfと内部空間Vrとの容積の違いから生じる振動板SDBのアンバランスな振動を均一化して、良好な再生音を提供することができる。
Vrr<Vff・・・(式1) かつ ARr≠ARf・・・(式2)
の関係が満たされる。
(式1)及び(式2)を満たし、かつ、ARf+ARr≦ARs・・・(式3)
とされているとよい。
仕切壁57は、スピーカユニット11に密着するように設けられ、スピーカユニット11と共にハウジング52の内部を2つの内部空間Vf,Vrに分割する。
このユニット151Aでは、内部空間Vf,Vrが完全に独立した空間になるので、内開口部55a,55bやダクト56a,56bの開口面積や断面積の影響が振動板の振動により顕著に影響する。
従って、精緻な音質調整が必要な場合に有効である。
この場合、ハウジング52の引きだし部HDには、独立した複数の開口が視認されるので、1つの開口(図1,図2)とするか別の変形例である複数の開口とするかは、外観デザイン的観点から選択することができる。
ヘッドホン50は、使用状態と使用状態から折り畳まれた収納状態との2つの態様を取り得る。図3は折り畳んだ収納状態を示している。
また、本体部3L,3Rには、イヤーパッド6がそれぞれ着脱可能に取り付けられている。
以下、ベース7,リングベース8,オーナメントリング9,及びカバー10を組み合わせた筐体を便宜的にハウジングHGと称する。
従って、スピーカユニット11はハウジングHGに収納され、ブッシング4はハウジングHGから突出するように設けられている。
バッフルボード部7aの表面は、それを含む平面がフランジ部7bを含む平面に対して直交せず所定の角度で傾くように形成されている。
スピーカユニット11は、ベース7のリブ7cの内側に収納され接着剤によりベース7に対して固定されている。スピーカユニット11から出力された音声は、放音孔7dを通過して外部に放出される。
また、他端部には、フランジ部4dの一辺をU字状に抉る凹部4eが形成されている。
図5では、ブッシング4が貫通孔9aに挿入される前の状態でコード5が挿通されている状態を示している。図5において、コード5には、その外形の寸法を拡大する外形寸法拡大部GKが設けられている。実施例において外形寸法拡大部GKは結び玉5aである。この外形寸法拡大部GKの外形寸法は、貫通孔4aの最小径よりも大きくなるように設定されている。従って、外形寸法拡大部GKは貫通孔4aに進入することができず、コード5の引き抜きが防止される。
また、コード5の結び玉5aよりも先端側(先端コード部5b)の端部は芯線が露出するよう加工され、スピーカユニット11の図示しない端子に電気的に接続される。
オーナメントリング9は、筒部9bにブッシング4が挿入された状態でリングベース8の端部に係合している。接着剤によりリングベース8に対して固定してもよい。
また、カバー10は、一方の長手軸CL1端に切り欠き10cが形成されている(図4,図9,及び図11参照)。
この切り欠き10cから、オーナメントリング9の筒部9b外部に突出するようになっている。すなわち、筒部9bの一部がハウジングHGから外部に露出するようになっている。
ハウジングHGは、外観形状として外形が略楕円状に形成されている。ハウジングHGには、その長手軸CL1に沿ってオーナメントリング9の筒部9bの一部が長手軸CL1に沿って外部に突出するように設けられ、突出した筒部9bの先端からブッシング4の先端筒部4cが突出し、先端筒部4cの先端から長手軸CL1に沿ってコード5が引き出されている。
オーナメントリング9にはクロムメッキなどの装飾加工が施される。
ブッシング4は、柔軟性を有する材料で形成されている。材料例はシリコーンゴムである。
オーナメントリング9の筒部9bの貫通孔9aの内径は、ブッシング4の筒部4bの外径とほぼ同じかわずかに小さく設定されている。従って、貫通孔9aに対してブッシング4はガタなく挿入されている。
ブッシング4の筒部4bの貫通孔4aの内径は、コード5の外形とほぼ同じに設定されている。従って、貫通孔4bに対してコード5はほとんどガタなく挿通されている。
図10は、本体部3Lからカバー10を取り外した状態を示す斜視図である。
図11は、本体部3Lを図9におけるS3−S3で切断し矢印DR3方向から見た斜視的断面図である。
筒部9bのスピーカユニット11側の端部は、ブッシング4のフランジ部4dに突き当たるようになっている。また、その状態でブッシング4の凹部4eに対応する部分には、凹部4eの凹み形状に対応して凹部4eを覆わないよう切り込まれた切り欠き部9b1が形成されている(図5も参照)。
また、カバー10の内側の面10aにおけるコード5の引き出し側には、長手軸CL1をまたぐようにリブ10bが設けられている。リブ10bの先端の中央部分は平面的にも断面的にも曲線状に抉られた抉り部10b1が形成されている。
この空間Vにコード5の外形寸法拡大部GKが収められている。従って、凹部4eには外形寸法拡大部GKの少なくとも一部が収められている。実施例において外形寸法拡大部GKは結び玉5aである。
外形寸法拡大部GKである結び玉5aは、その先端側(スピーカユニット11側)がベース7のリブ7cによって位置が規制され、側面側が抉り部10b1及び凹部4eによって位置が規制され、他端側(ブッシング4側)が凹部4eによって位置が規制されている。
これにより、ブッシング4の長手軸CL1回りの回動が防止されている。
これにより、先端筒部4cを摘んでブッシング4を引き抜こうとしても、引き抜くことはできない。また、ブッシング4がオーナメントリング9に対して移動してしまうこともない。
このように、ブッシング4に対して筒部9bで覆われる部分を設けていることにより、凹部4eが形成されていても屈曲に対してブッシング4が裂けるなどの不具合が極めて生じにくくなっている。
また、筒部4bから先端側の先端筒部4cが筒部9bから開放されて屈曲可能となっているので、コード5に負荷される屈曲に対し良好な耐屈曲性が発揮される。
また、コード5の先端コード部5bを、外形寸法拡大部GK(結び玉5a)から長手軸CL1方向ではない、例えば長手軸CL1に直交する方向に引き出すようにしている。
長手軸CL1方向は、実施例において、ブッシング4の貫通孔4aの軸方向と一致する。ハウジングHGが長手軸CL1を有さない外形形状を有する場合は、先端コード部5bは、貫通孔4aの軸方向ではない方向に引き出されるようになっていればよい。
従って、本体部の外形が従来と同じサイズであってもより大きなスピーカユニットを採用することができる。逆に、従来と同じサイズのスピーカユニットを採用しても本体部の外形をより小型にすることができる。
これにより、本体部3Lの内部におけるブッシング4が占める空間の体積が減少している。
従って、本体部の外形が従来と同じサイズであってもより大きなスピーカユニットを採用することができる。逆に、従来と同じサイズのスピーカユニットを採用しても本体部の外形をより小型にすることができる。
また、本体部の外形及びスピーカユニットが従来と同じサイズである場合に、内部の空間容積(いわゆるバックキャビティに相当)(概ねVff+Vrrに相当)を大きくできるので、低音の量感が増した良好な再生音をユーザに提供することができる。
しかしながら、実施例では、外観上、オーナメントリング9の筒部9bを介してブッシング4が露出して突出するので、オーナメントリング9の色や表面処理を適宜工夫することができ違和感を減少させるためのデザイン上の自由度が増す。従って、ヘッドホン50の外観性能をより向上させることが可能である。
具体的には、ヘッドホン50は、図1に示される仮想的に2分割されたハウジング内空間Vf,Vrを有し、分割された各空間Vf,Vrと外部空間とを連通する2つのダクト部56a,56bを有している。
そして、図11に示すように、内部空間Vrと内部空間Vfとが仮想的に形成され、それぞれの容積Vrrと容積Vffとが、Vrr<Vff・・・(式1)を満たすようになっている。
一方、カバー10に設けられた切り欠き10cとオーナメントリング9の筒部9bとの間には隙間が設けられている。この隙間が音質調整孔55となっている(図10,図11参照)。
壁部10kf,10krとリブ10b(図10参照)との間には、スリット10stが設けられており、スリット10stにはブッシング4のフランジ部4dが隙間なく挿入される。
壁部10kfと壁部10krとは、凹んだ曲面を有する連結部10mで連結されている。そして、連結部10mのリブ10b側の部分は、オーナメントリング9の筒部9bの外形形状と合致するような形成された当接部10m1とされており、ハウジングHGが組み立てられた際に、筒部9bの表面と密着するようになっている。
連結部10mの当接部10m1を挟んだリブ10bの反対側は、筒部9bの表面と隙間が生じるような内面形状で形成された内壁部10m2とされている。
また、切り欠き10nfの面積(抉られた範囲の面積)ARnfと、切り欠き10nrの面積(抉られた範囲の面積:矢視S12図参照)ARnrとは、
ARnf≠ARnrとされている。さらに、図12においては、ARnf<ARnr となっている。
従って、図1の構成が具現化されている。
2L,2R ハンガ部
3L,3R 本体部
4 ブッシング
4a 貫通孔
4b 筒部
4c 先端筒部
4d フランジ部
4e 凹部
5 コード
5a 結び玉
5b 先端コード部
6 イヤーパッド
7 ベース
7a バッフルボード部
7b フランジ部
7c リブ
7d 放音孔
8 リングベース
9 オーナメントリング
9a 貫通孔
9b 筒部
9b1 切り欠き部
9c 輪部
10 カバー
10b リブ
10b1 抉り部
10c 切り欠き
10kf,10kr 壁部
10m 連結部
10m1 当接部
10m2 内壁部
10nf,10nr 切り欠き
10st スリット
11 スピーカユニット
50,50A ヘッドホン
52 ハウジング
53 イヤーパッド
54 バッフル板
55 貫通孔(音質調整孔)
55a,55b 内開口部
55s 外開口部
56s,56a,56b ダクト
57 仕切壁
151,151A ユニット
ARf,ARs,ARr 開口面積(断面積)
BS ブッシング
CD コード
CL1 長手軸
CL2 駆動軸
CL3 分割線
CL101 (頭部の)中心線
E1 耳介
E2 耳甲介腔
GK 外形寸法拡大部
H 頭部
HD 引きだし部
HG ハウジング
SDB 振動板
V 空間
Vf,Vr 内部空間
Vff,Vrr 容積
Y タッピングネジ
Claims (2)
- スピーカと、
前記スピーカが取り付けられたバッフル板と、
前記スピーカの背面側を覆い前記バッフル板と共に前記スピーカの前記背面側にバックキャビティ部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ前記バックキャビティ部と外部空間とを連通する連通孔と、
耳介を囲うようリング状に形成され頭部に装着した使用状態で前記頭部と前記ハウジングとの間に位置するイヤーパッドと、を備え、
前記使用状態で、
前記バッフル板は、頭部前方側ほど前記頭部に接近するよう配置されると共に、
前記バックキャビティを前記ハウジングの頭部前後方向の分割線に対する前方側空間と後方側空間とに仮想的に分割した際に、前記連通孔は、前記前方側空間と前記後方側空間とにそれぞれ開口する第1の開口部と第2の開口部とを有し、
前記前方側空間の容積Vffと前記後方側空間の容積Vrrとが不等で、かつ、前記第1の開口部の開口面積ARfと前記第2の開口部の開口面積ARrとが不等であることを特徴とするヘッドホン。 - 前記前方側空間と前記後方側空間とを、前記スピーカと共に仕切る仕切壁を有することを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
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