JP6834336B2 - 液体吐出装置、洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents

液体吐出装置、洗浄装置および洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する技術に関する。
液体吐出ヘッドを洗浄する場合に、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外す作業が必要になると、液体吐出ヘッドの洗浄に多くの時間がかかってしまう。このため、例えば特許文献1のように、液体吐出装置に液体吐出ヘッドを装着したまま、液体吐出ヘッドを洗浄することで、洗浄時間を短くする技術が開発されている。特許文献1では、液体吐出装置に液体吐出ヘッドをホームポジションに移動させて液体吐出ヘッドに洗浄液を供給する。このとき液体吐出ヘッドから排出される流体は、ホームポジションに設けられた廃液タンクに排出される。
特開2014−193555号公報
しかしながら、特許文献1のように液体吐出ヘッドに洗浄液を供給することによって液体吐出ヘッドから排出される流体を廃液タンクに排出する場合には、廃液タンクの容量に応じた洗浄しかできない。例えば廃液タンクの容量以上の洗浄液を液体吐出ヘッドに供給しながら洗浄することはできず、洗浄液を循環させて洗浄することもできない。廃液タンクの容量を増やせばよいとも考えられるが、そのようにすれば、液体吐出装置が大型化してしまう。以上の事情を考慮して、本発明は、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化することを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る液体吐出装置は、筐体と、筐体内の液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズルから排出される流体を筐体内で収容する廃液タンクと、ノズルから排出される流体を、筐体内の廃液タンクに排出せずに筐体外に排出可能な排出口と、を備える。以上の態様によれば、ノズルから排出される流体を、筐体内の廃液タンクに排出せずに筐体外に排出可能な排出口を備えるので、例えば洗浄液や空気などが液体吐出ヘッドに供給されることによってノズルから排出される流体(洗浄液、インク、空気など)を、筐体内の廃液タンクに排出せずに、排出口から筐体外に排出できる。そのため、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、廃液タンクを用いずに、多量の洗浄液で液体吐出ヘッドを強力に洗浄でき、また洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッドを洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮でき、しかも筐体内の廃液タンクを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置自体の小型化も可能である。このように、本態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化できる。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、ノズルから廃液タンクまでの廃液流路の途中に設けられて排出口と連通し、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出するか排出口に排出するかを切り替える切替弁を備える。以上の態様によれば、切替弁によって、ノズルから排出される流体を、筐体内の廃液タンクへ排出せずに、排出口から筐体外に排出するように切り替えることができる。これにより、廃液タンクを用いる選択も用いない選択もできるので、廃液タンクの寿命を延ばすことができる。また、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出する場合と、排出口に排出する場合とで、ノズルから切替弁までの流路を共用できる。
[態様3]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様3)に係る液体吐出装置は、筐体と、筐体内の液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズルから排出される流体を移送するための筐体内のポンプと、ノズルから排出される流体を、筐体内のポンプを用いずに筐体外へ排出可能な排出口と、を備える。以上の態様によれば、例えば洗浄液が液体吐出ヘッドに供給されることによってノズルから排出される流体を、筐体内のポンプを用いずに排出口から筐体外に排出できる。そのため、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、筐体内のポンプを用いずに、例えば筐体外のポンプ(洗浄装置のポンプなど)を用いて、多量の洗浄液で液体吐出ヘッドを強力に洗浄でき、また洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッドを洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮でき、しかも筐体内のポンプを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置自体の小型化も可能である。このように、本態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化できる。
[態様4]
態様3の好適例(態様4)において、筐体内に設けられた廃液タンクと、ノズルから廃液タンクまでの廃液流路の途中に設けられて排出口と連通し、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出するか排出口に排出するかを切り替える切替弁と、を備える。以上の態様によれば、切替弁によって、ノズルから排出される流体を、筐体内の廃液タンクへ排出せずに、排出口から筐体外に排出するように切り替えることができる。これにより、廃液タンクを用いる選択も用いない選択もできるので、廃液タンクの寿命を延ばすことができる。また、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出する場合と、排出口に排出する場合とで、ノズルから切替弁までの流路を共用できる。
[態様5]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様5)に係る液体吐出装置は、液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズルから排出される流体を移送するためのポンプと、ノズルと廃液タンクを連通する廃液流路と、ノズルから排出される流体を、ポンプを用いずに排出可能な排出口と、廃液流路の途中に設けられて排出口と連通し、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出するか排出口に排出するかを切り替える切替弁と、を備える。以上の態様によれば、例えば洗浄液などの流体が液体吐出ヘッドに供給されることによってノズルから排出される流体を、液体吐出装置に備えられたポンプも廃液タンクも用いずに、排出口から排出するように、切替弁を切り替えることができる。そのため、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、多量の洗浄液で液体吐出ヘッドを強力に洗浄でき、また洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッドを洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮でき、しかも液体吐出装置に備えられたポンプも廃液タンクも用いないから、これらを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置自体の小型化も可能である。このように、本態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化できる。
[態様6]
態様1から態様5の好適例(態様6)において、液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体供給源の接続部と、液体吐出ヘッドに洗浄に用いる流体を供給するための接続部とを交換して、同じ部位に装着可能な装着部を備える。以上の態様によれば、液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体供給源の接続部と、液体吐出ヘッドに洗浄に用いる流体を供給するための接続部とを交換して、同じ部位に装着可能な装着部を備えるので、これらの接続を1つの装着部で兼用できる。したがって、それぞれの接続部を、異なる部位に別々に接続する場合に比較して、装着部の構成を簡素化できる。
[態様7]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様7)に係る液体吐出装置は、液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズルから排出される流体を収容する廃液タンクと、ノズルと廃液タンクを連通する廃液流路と、ノズルから排出される流体を排出可能な排出口と、廃液流路の途中に設けられて排出口と連通し、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出するか排出口に排出するかを切り替える切替弁と、を備える。以上の態様によれば、例えば洗浄液が液体吐出ヘッドに供給されることによってノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出せずに、排出口から排出するように、切替弁を切り替えることができる。そのため、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、液体吐出装置に備えられた廃液タンクも用いずに、多量の洗浄液で液体吐出ヘッドを強力に洗浄でき、また洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッドを洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮でき、しかも液体吐出装置内の廃液タンクを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置自体の小型化も可能である。このように、本態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化できる。
[態様8]
態様2と態様4と態様5と態様7の何れかの好適例(態様8)において、排出口を切替弁に連通する排出流路の径は、少なくとも廃液流路の径よりも大きい。以上の態様によれば、排出口を切替弁に連通する排出流路の径は、少なくとも廃液流路の径よりも大きいから、排出口から洗浄液などの多量の流体を効率的に排出できるため、液体吐出ヘッドの洗浄を効果的に行うことができる。
[態様9]
態様2と態様4と態様5と態様7の何れかの好適例(態様9)において、液体供給源と有線または無線で通信する通信部を備え、通信部の通信結果に基づいて、ノズルから排出される流体を、廃液タンクに排出するか排出口に排出するかの何れかに切替弁が切り替えられる。以上の態様によれば、例えば通信部の通信結果から液体供給源が接続されているか否かが分かるので、液体供給源が接続されている場合(非洗浄時)に、ノズルから排出される流体を廃液タンクに排出するように、切替弁が切り替えられる。また、液体供給源が接続されていない場合(洗浄時)に、ノズルから排出される流体が排出口に排出するように、切替弁が切り替えられる。このように、液体吐出装置側で自動的に切替弁を切り替えるので、使用者が切替弁を切り替える場合に比較して、使用者による切替弁の誤操作を効果的に抑制できる。
[態様10]
態様2と態様4と態様5と態様7と態様9の何れかの好適例(態様10)において、切替弁は、大気開放可能である。以上の態様によれば、切替弁を大気開放することによって、洗浄後に排出口に残留する流体も効果的に排出できる。これにより、洗浄後に排出口内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
[態様11]
態様1または態様10の好適例(態様11)において、ノズルから排出される流体を排出口に移送するためのポンプを備える。以上の態様によれば、ノズルから排出される流体を排出口に移送するためのポンプを備えるから、ノズルから排出される流体の移送効率を高めることができるので、ポンプを用いない場合に比較して、液体吐出ヘッドを効果的に洗浄できる。また、液体吐出装置に備えられる既存のポンプ(例えばノズルを封止するキャップに設けられてノズルを吸引するポンプなど)を、本態様のポンプとして、液体吐出ヘッドの洗浄に用いることもできる。
[態様12]
態様3と態様5と態様11の何れかの好適例(態様12)において、ポンプは、ノズルを吸引するように動作し、液体供給源から供給された液体をノズルから吸引する場合よりも、ノズルから排出する流体を吸引する場合の方が、吸引力が強力になるようにポンプが動作する。以上の態様によれば、液体供給源から供給された液体をノズルから吸引する場合よりも、ノズルから排出する流体を吸引する場合の方が、吸引力が強力になるようにポンプが動作するから、例えば液体吐出装置に備えられる既存のポンプを、液体吐出ヘッドの洗浄に用いる場合であっても、液体吐出ヘッドを効果的に洗浄できる。
[態様13]
態様1から態様12の何れかの好適例(態様13)において、排出口を覆うカバーを備える。以上の態様によれば、排出口をカバーで覆うことにより、排出口内へのゴミの侵入を防ぐことができる。
[態様14]
態様1から態様13の何れかの液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する洗浄装置であって、液体吐出装置に装着された液体吐出ヘッドに、洗浄に用いる流体を供給する供給流路と、排出口から排出される流体を回収する回収流路と、を備える。以上の態様によれば、洗浄装置の供給流路から液体吐出ヘッドに、洗浄に用いる流体が供給されることによって、ノズルから排出される流体が排出口から排出され、その流体を洗浄装置の回収流路を通して回収できる。そのため、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、廃液タンクを用いずに、洗浄に用いる流体を多量にして液体吐出ヘッドを強力に洗浄でき、また洗浄に用いる流体を循環させて効率よく液体吐出ヘッドを洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮でき、しかも筐体内の廃液タンクを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置自体の小型化も可能である。このように、本態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化できる。
[態様15]
態様14の好適例(態様15)において、液体吐出ヘッドに供給流路を接続するための接続部を備え、接続部は、液体供給源の接続部を液体吐出ヘッドに接続するために液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、液体供給源の接続部と交換して装着可能である。以上の態様によれば、液体吐出装置が備えられる装着部の同じ部位に、液体供給源の接続部と交換して、供給流路の接続部を装着できるから、それぞれの接続部を異なる部位に別々に接続する場合に比較して、装着部の構成を簡素化できる。
[態様16]
態様14または態様15の好適例(態様16)において、回収流路の途中に設けられ、ノズルから排出される流体を、排出口を介して回収流路へ向けて移送するためのポンプを備える。以上の態様によれば、洗浄装置のポンプによって、液体吐出ヘッドのノズルから排出される流体を、排出口を介して回収流路へ向けて、加圧ではなく、吸引により流体を移送できる。したがって、液体吐出ヘッド内の異物や気泡などを効果的に排出できる。
[態様17]
態様14から態様16の何れかの好適例(態様17)において、回収流路から供給流路へ流体を移送させるための循環流路を備える。以上の態様によれば、回収流路で回収された流体を、循環流路によって供給流路へ戻すことができるので、その流体を再び液体吐出ヘッドに供給できる。これにより、洗浄に用いる液体を液体吐出ヘッドに循環させる循環洗浄を行うことができるので、洗浄に用いる液体が多量でなくても効果的に液体吐出ヘッドを洗浄できる。
[態様18]
態様14から態様17の何れかの好適例(態様18)において、流体を貯留するタンクとして、少なくとも、循環流路に設けられる第1タンクおよび供給流路に設けられる第2タンクを備える。以上の態様によれば、少なくとも、循環流路に設けられる第1タンクおよび供給流路に設けられる第2タンクを備えるから、第1タンクを循環洗浄に用いて、第2タンクを非循環洗浄に用いることもできる。また、洗浄に用いる流体の種類を第1タンクと第2タンクとで変えることにより、循環洗浄と非循環洗浄とで異なる種類の流体によって洗浄することもできる。さらに、非循環洗浄で用いる第2タンクは加温せず、循環洗浄で用いる第1タンクを加温することもできる。これにより、循環洗浄の洗浄効果を高めることができる。
[態様19]
態様14から態様18の何れかの好適例(態様19)において、以上の態様によれば、フィルターによって供給流路を通る流体に含まれる異物を除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッドの循環洗浄において、フィルターによって異物が除去された流体を、供給流路を通して液体吐出ヘッドに戻すことができる。これにより、洗浄による液体吐出装置内のフィルターの負担を軽減できるので、液体吐出装置内のフィルターの寿命を延ばすことができる。
[態様20]
態様14から態様19の何れかの好適例(態様20)において、供給流路の途中に設けられ、大気開放に切り替え可能な大気開放弁を備える。以上の態様によれば、大気開放弁を大気開放することによって、洗浄後に供給流路に残留する流体も効率的に排出できる。これにより、例えば液体吐出ヘッドの装着部から供給流路に連通する接続部を取り外す際に、供給流路内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
[態様21]
態様14から態様20の何れかの好適例(態様21)において、供給流路の途中に設けられた開閉弁を備える。以上の態様によれば、開閉弁を閉じることで、供給流路内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
[態様22]
態様14から態様21の何れかの好適例(態様22)において、供給流路の途中に設けられた負圧発生機構を備える。以上の態様によれば、負圧発生機構によって供給流路内に負圧を発生させることで、供給流路内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
[態様23]
態様1から態様13の何れかの液体吐出装置における液体吐出ヘッドの洗浄方法の好適例(態様23)であって、液体吐出装置に装着された液体吐出ヘッドに、洗浄に用いる流体を供給することによって、液体吐出ヘッドのノズルから流体を排出する第1工程と、ノズルから排出される流体を、液体吐出装置の排出口を介して回収する第2工程と、を備える。以上の態様によれば、液体吐出装置に装着された液体吐出ヘッドに、洗浄に用いる流体を供給することによって、液体吐出ヘッドのノズルから流体を排出する第1工程と、ノズルから排出される流体を、液体吐出装置の排出口を介して回収する第2工程を行うことによって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置に装着したまま洗浄できる。したがって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮できる。しかも液体吐出装置内の廃液タンクを使わないで洗浄できるので、液体吐出装置内の廃液タンクを大型化しなくても強力な洗浄ができる。これにより、液体吐出装置自体の小型化も可能である。このように、本態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置を小型化できる。
[態様24]
態様23の好適例(態様24)において、第2工程で回収した流体を、液体吐出装置へ供給して、液体吐出ヘッドのノズルから排出する第3工程を備える。以上の態様によれば、第2工程で回収した流体を、液体吐出装置へ供給して、液体吐出ヘッドのノズルから排出する第3工程を行うことによって、液体吐出ヘッドを液体吐出装置に装着したまま、洗浄に用いる流体を液体吐出ヘッドに循環させる洗浄(循環洗浄)ができる。
[態様25]
態様23または態様24の好適例(態様25)において、液体吐出ヘッドの洗浄後に、液体吐出装置の排出口の流体を空気で排出する。以上の態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄後に、排出口の流体を空気で排出するから、排出口に残留する流体が垂れることを抑制できる。
[態様26]
態様23から態様25の何れかの好適例(態様26)において、液体吐出ヘッドの洗浄履歴を記憶部に記憶しておき、その洗浄履歴に基づいて次回の液体吐出ヘッドの洗浄を行う。以上の態様によれば、液体吐出ヘッドの洗浄履歴を記憶部に記憶しておき、その洗浄履歴に基づいて次回の液体吐出ヘッドの洗浄を行うから、例えば前回までの液体吐出ヘッドの洗浄では洗浄不足の場合には、洗浄時間を長くして次回の液体吐出ヘッドの洗浄を行うことも可能となる。
[態様27]
態様24の好適例(態様27)において、洗浄に用いる流体を液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、排出口から排出する流体を回収する回収流路と、回収流路から供給流路へ流体を移送させるための循環流路と、流体を貯留するタンクとして、少なくとも、循環流路に設けられる第1タンクおよび供給流路に設けられる第2タンクと、を具備する洗浄装置を備え、第1タンク内の流体を用いて、第1工程から第3工程により液体吐出ヘッドに流体を循環させて洗浄を行う循環洗浄工程と、第2タンク内の流体を用いて、第1工程から第2工程により液体吐出ヘッドに流体を循環させずに洗浄を行う非循環洗浄工程と、を備える。以上の態様によれば、循環洗浄工程で用いる流体と、非循環洗浄工程で用いる流体を別々にすることができる。また、第1タンクと第2タンクとで異なる種類の流体を用いることで、循環洗浄工程と非循環洗浄工程とで、洗浄に用いる液体の種類を変えることもできる。
[態様28]
態様27の好適例(態様28)において、非循環洗浄工程の後に、循環洗浄工程を行う。以上の態様によれば、先ず非循環洗浄工程にて第2タンクからの流体を液体吐出ヘッドに流して洗浄し、次に循環洗浄工程にて第1タンクからの流体を液体吐出ヘッドに循環させて洗浄することができる。これにより、非循環洗浄工程で液体吐出ヘッド内の汚れを落としてから、循環洗浄工程を行うことができるので、循環洗浄による洗浄効果を向上できる。また、循環洗浄に用いる第1タンク内の流体のみを加温対象とすることができ、その熱を無駄なく洗浄に用いることができる。
[態様29]
態様27の好適例(態様29)において、循環洗浄工程の後に、非循環洗浄工程を行う。以上の態様によれば、先ず循環洗浄工程にて第1タンクからの流体を液体吐出ヘッドに循環させて洗浄し、次に非循環洗浄工程にて第2タンクからの流体を液体吐出ヘッドに流して洗浄することができる。これにより、非循環洗浄工程では、循環洗浄を行った流体とは異なる流体を液体吐出ヘッドに流すことができる。したがって、例えば循環洗浄では洗浄効果の高い流体を用い、非循環洗浄では液体の充填性のよい流体を用いることができるため、循環洗浄による洗浄効果を高めつつ、非循環洗浄後の液体の充填性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る液体吐出装置の構成図である。 液体吐出部の断面図である。 液体吐出ヘッドの洗浄装置の構成を説明するための図である。 液体吐出ヘッドの洗浄処理を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。本実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体12に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、筐体11を備える。筐体11は典型的には略直方体の形状である。ただし、筐体11の形状は直方体に限られない。筐体11内には、制御装置20と搬送機構22と移動機構23とキャリッジ24と液体吐出ヘッド26と液体供給源14とメンテナンスユニット30とが設けられている。図1では、1個の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載した場合を例示しているが、これに限られず、複数個の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載してもよい。
液体供給源14は、液体吐出装置10の本体に着脱可能な箱状の容器からなるインクタンクタイプのカートリッジである。なお、液体供給源14は、箱状の容器に限られず、袋状の容器からなるインクパックタイプのカートリッジであってもよい。液体供給源14には、インクが貯留される。インクは、黒色インクであってもよく、カラーインクであってもよい。液体供給源14に貯留されるインクは、液体吐出ヘッド26にポンプ(図示略)で圧送される。液体供給源14は、液体吐出ヘッド26に連通するための接続部142を備える。接続部142は、液体吐出ヘッド26が備える装着部262に着脱自在に装着される。具体的には接続部142は、装着部262のインク供給針やインク供給孔に連通するための孔を備えるコネクターである。
制御装置20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の制御部202と半導体メモリ等の記憶部203とを含んで構成され、記憶部203に記憶された制御プログラムを制御部202が実行することで液体吐出装置10の各要素を統括的に制御する。媒体12に形成すべき画像を表す印刷データがホストコンピューター等の外部装置(図示略)から制御装置20に供給される。制御装置20は、印刷データで指定された画像が媒体12に形成されるように液体吐出装置10の各要素を制御する。
搬送機構22は、制御装置20による制御のもとで媒体12をY方向(副走査方向)に搬送し、移動機構23は、制御装置20による制御のもとでキャリッジ24をX方向(主走査方向)に往復させる。なお、搬送機構22および移動機構23の構成は以上の例示に限定されない。液体吐出ヘッド26は、略箱状のキャリッジ24に搭載され、液体供給源14から供給されるインクを制御装置20による制御のもとで媒体12に吐出する。制御装置20は、Y方向に交差するX方向に沿ってキャリッジ24を往復させる。搬送機構22による媒体12の搬送とキャリッジ24の反復的な往復とに並行して液体吐出ヘッド26が媒体12にインクを吐出することで媒体12の表面に所望の画像が形成される。なお、液体供給源14を液体吐出ヘッド26とともにキャリッジ24に搭載することも可能である。
図1に示す液体吐出ヘッド26の吐出面(媒体12との対向面)には、2つのノズル列L1、L2が配置される。各ノズル列L1、L2は、Y方向に沿って直線状に配列された複数のノズルNの集合である。各ノズル列L1、L2のノズルNからは、液体供給源14から供給されるインクが吐出される。なお、各ノズル列L1、L2に供給されるインクは、同じ色であっても、異なる色であってもよい。また、ノズルNの構成は、例示したものに限られず、液体吐出ヘッド26の吐出面に、3つ以上のノズル列を配置してもよく、ノズル列の各々を複数列(例えば千鳥配列またはスタガ配列)とすることも可能である。
液体吐出ヘッド26は、液体吐出部264を具備する。液体吐出部264は、液体供給源14から供給されるインクを複数のノズルNから媒体12に吐出する。液体吐出部264は、相異なるノズルNに対応する複数の吐出部を包含する。各吐出部には、液体供給源14からのインクが供給される。各吐出部には、印刷データに基づく駆動信号(駆動パルス)が制御部202から供給される。各吐出部は、駆動信号に応じてノズルNからインクを吐出する。
図2は、任意の1個の吐出部266に着目した液体吐出部264の断面図である。図2に示す液体吐出部264は、流路基板71の一方側に圧力室基板72と振動板73と圧電素子74と支持体75とが配置されるとともに他方側にノズル板76が配置された構造体である。流路基板71と圧力室基板72とノズル板76とは例えばシリコンの平板材で形成され、支持体75は例えば樹脂材料の射出成形で形成される。複数のノズルNはノズル板76に形成される。図4の構成では、ノズル板76のうち媒体12に対向する面が、液体吐出ヘッド26の吐出面260を構成する。
流路基板71には、開口部712と分岐流路(絞り流路)714と連通流路716とが形成される。分岐流路714および連通流路716はノズルNごとに形成された貫通孔であり、開口部712は複数のノズルNにわたり連続する開口である。支持体75に形成された収容部(凹部)752と流路基板71の開口部712とを相互に連通させた空間は、支持体75の導入流路754を介して液体供給源14から供給されるインクを貯留する共通液室(リザーバー)SRとして機能する。
圧力室基板72には開口部722がノズルNごとに形成される。振動板73は、圧力室基板72のうち流路基板71とは反対側の表面に設置された弾性変形可能な平板材である。圧力室基板72の各開口部722の内側で振動板73と流路基板71とに挟まれた空間は、共通液室SRから分岐流路714を介して供給されるインクが充填される圧力室(キャビティ)SCとして機能する。各圧力室SCは、流路基板71の連通流路716を介してノズルNに連通する。圧力室SCと共通液室SRと、これらを連通する開口部712および分岐流路714と、連通流路716とで構成される空間が、液体吐出ヘッド26の内部空間SDを構成する。
振動板73のうち圧力室基板72とは反対側の表面にはノズルNごとに圧電素子74が形成される。各圧電素子74は、第1電極742と第2電極746との間に圧電体744を介在させた駆動素子である。第1電極742および第2電極746の一方に駆動信号が供給され、所定の基準電位が他方に供給される。駆動信号の供給により圧電素子74が変形することで振動板73が振動すると、圧力室SC内の圧力が変動して圧力室SC内のインクがノズルNから吐出される。具体的には、駆動信号の振幅に応じた吐出量のインクがノズルNから吐出される。図2に例示した1個の吐出部266は、圧電素子74と振動板73と圧力室SCとノズルNとを包含する部分である。なお、圧電素子74の構成は、上述したものに限られない。
図1のメンテナンスユニット30は、例えばX方向においてキャリッジ24のホームポジション(待機位置)となる非印字領域Hに配置される。メンテナンスユニット30は、キャリッジ24が非印字領域Hにあるときに、液体吐出ヘッド26のメンテナンスを行う。メンテナンスユニット30は、制御部202によって制御されるキャッピング機構32とノズルNから排出される流体(洗浄液、インクなど)を収容する廃液タンク34とを備える。廃液タンク34内には、例えばインクや洗浄液を保持する吸収材が設けられている。
キャッピング機構32は、液体吐出ヘッド26の吐出面260をキャッピングするために用いられる。キャッピング機構32は、吐出面260のノズルNを封止するキャップ322を備える。キャップ322は、Z方向の負側が開口した箱状に形成される。キャップ322の開口縁部が吐出面260に当接することで、吐出面260のノズルNが封止される。キャップ322は、モーター(図示略)によって、吐出面260に接触するZ方向の負側または吐出面260から離間するZ方向の正側に移動可能である。制御装置20は、キャップ322で吐出面260に当接してノズルNを封止する。このとき、後述する図3のポンプ35でノズルNから増粘インクや気泡を吸引することで、これらをキャップ322に排出させることができる。キャップ322に排出されたインクは、後述する図3に示す廃液流路33を介して廃液タンク34に廃棄される。
ところで、このような液体吐出ヘッド26では、ノズルNの目詰まり解消などために、インクの代わりに洗浄液などの洗浄に用いる流体を供給することによって洗浄が行われる。この場合、仮に液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外して洗浄するとすれば、非常に手間と時間がかかる。そこで、本実施形態の液体吐出装置10は、液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外さずに洗浄できるように構成されている。
以下、このような液体吐出装置10とその液体吐出ヘッド26を洗浄する洗浄装置40の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド26の洗浄装置40の構成を説明するための図である。図3の洗浄装置40は、液体吐出装置10とは別体であり、洗浄作業時に使用者が液体吐出装置10に装着するものである。図3では、液体吐出ヘッド26を非印字領域Hに移動させた状態で、液体吐出装置10に洗浄装置40を装着した場合を示している。
図3に示すように、本実施形態の液体吐出装置10は、ノズルNから排出される流体を、筐体11内の廃液タンク34に排出せずに筐体11外に排出可能な排出口38を備える。これにより、洗浄に用いる流体(洗浄液や空気など)が液体吐出ヘッド26に供給されることによってノズルNから排出される流体(洗浄液、インク、空気など)を、筐体11内の廃液タンク34に排出せずに、排出口38から筐体11外に排出できる。そのため、液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外すことなく、廃液タンク34を用いずに、多量の洗浄液で液体吐出ヘッド26を強力に洗浄でき、また洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッド26を洗浄することもできる。
したがって、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮でき、しかも筐体11内の廃液タンク34を大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置10自体の小型化も可能である。このように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置10を小型化できる。
なお、液体吐出装置10は、排出口38を覆うカバー381を備える。カバー381は、開閉可能に筐体11に設けられている。排出口38を使うときにはカバー381を開き、排出口38を使わないときにはカバー381を閉じることができる。これにより、排出口38内へのゴミの侵入を防ぐことができる。
廃液タンク34には、廃液流路33が設けられている。廃液流路33の一端はキャップ322に接続されており、廃液流路33の他端は廃液タンク34に接続されている。これにより、廃液タンク34は、廃液流路33によってキャップ322の内部空間を介してノズルNと連通する。
廃液流路33の途中には、切替弁36が設けられている。切替弁36は、排出流路382を介して排出口38に連通している。切替弁36は、制御部202によって制御され、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出するか、排出口38に排出するかを切り替え可能である。したがって、切替弁36によって、ノズルNから排出される流体を、筐体11内の廃液タンク34へ排出せずに、排出口38から筐体11外に排出するように切り替えることができる。これにより、廃液タンク34を用いる選択も用いない選択もできるので、廃液タンク34の寿命を延ばすことができる。また、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出する場合と、排出口38に排出する場合とで、廃液流路33のうちノズルNから切替弁36までの流路を共用できる。
なお、排出口38を切替弁36に連通する排出流路382および排出口38の径は、少なくとも廃液流路33の径よりも大きい。この構成によれば、排出口38から洗浄液などの多量の流体を効率的に排出できるため、液体吐出ヘッド26の洗浄を効果的に行うことができる。ここでの「径」は管路の内径であり、もし排出流路382と排出口38と廃液流路33の何れかにおいて「径」が異なる部分がある場合には、「径」はその管路の平均径であり、より好ましくはその管路の最小径である。
さらに、切替弁36には、大気に連通する大気開放流路362が接続している。廃液流路33または排出流路382を大気開放流路362に連通するように切替弁36を切り替えることで、廃液流路33または排出流路382に空気が導入され、大気開放することができる。切替弁36を大気開放することによって、洗浄後に排出口38に残留するインクや洗浄液などの流体も効果的に排出できる。これにより、洗浄後に排出口38内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
廃液流路33のうち、キャップ322と切替弁36との間には、ポンプ35が設けられている。ポンプ35を駆動することで、キャップ322からインクや洗浄液を吸引してキャップ322内に排出し、さらにキャップ322から廃液流路33を通して廃液タンク34または排出口38に向けて移送できる。また、ノズルNから排出される流体を、筐体11内のポンプ35を用いて排出口38から筐体11外に排出することもできる。なお、筐体11内のポンプ35を用いずに、筐体11外のポンプ(例えば後述の洗浄装置40のポンプ45)を用いて排出口38から筐体11外に排出することもできる。これによれば、筐体11内のポンプ35を大型化しなくても、筐体11外の強力なポンプによって、強力な洗浄ができるので、液体吐出装置10の小型化も可能である。
図3に示すように、本実施形態の洗浄装置40は、液体吐出ヘッド26の装着部262から洗浄に用いる流体(洗浄液、空気など)を供給して、ノズルNから排出される流体を排出口38から筐体11外に排出させることができる。このような洗浄装置40を用いることで、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10に装着したまま洗浄できる。洗浄装置40は、筐体41を備える。筐体41内には、制御装置50と第1タンクT1と第2タンクT2と廃液タンクDと切替弁43と切替弁47とポンプ45とが設けられている。制御装置50は、切替弁43と切替弁47とポンプ45を含む洗浄装置40の各部を制御する。第1タンクT1は、第1洗浄液を貯留し、第2タンクT2は第2洗浄液を貯留する。廃液タンクDは廃棄される流体を貯留する。なお、第1タンクT1と第2タンクT2と廃液タンクDの各々は、着脱可能なカートリッジによって交換可能に構成してもよい。
本実施形態において、第1タンクT1は、液体吐出ヘッド26に第1洗浄液を循環させながら洗浄する後述の循環洗浄工程に用いられ、第2タンクT2は、液体吐出ヘッド26に第2洗浄液を循環させずに洗浄する後述の非循環洗浄工程に用いられる。このように、本実施形態では、循環洗浄工程で用いる流体と、非循環洗浄工程で用いる流体を別々にすることができる。第1洗浄液と第2洗浄液は、液体吐出ヘッド26の洗浄に用いる流体の具体例であり、第1洗浄液と第2洗浄液は、同じ種類の洗浄液でもよく、異なる種類の洗浄液でもよい。第1タンクT1と第2タンクT2とで異なる種類の流体を用いることで、循環洗浄工程と非循環洗浄工程とで、洗浄に用いる液体の種類を変えることもできる。さらに、非循環洗浄で用いる第2タンクT2は加温せず、循環洗浄で用いる第1タンクT1を加温することもできる。これにより、循環洗浄の洗浄効果を高めることができる。なお、第1タンクT1と第2タンクT2の使い方は、上述した例示に限られない。
洗浄装置40は、洗浄に用いる流体(第1洗浄液、第2洗浄液など)を液体吐出ヘッド26に供給する供給流路42と、排出口38から排出される流体を回収する回収流路44と、回収流路44から供給流路42へ流体を移送させるための循環流路46とを備える。上記第1タンクT1は循環流路46に設けられ、第2タンクT2は供給流路42に設けられる。
供給流路42は、液体吐出ヘッド26と第1タンクT1とを連通する管路である。供給流路42は、切替弁43により第2タンクT2にも連通可能である。すなわち、供給流路42の途中に切替弁43が設けられ、切替弁43には第2タンクT2の供給流路434が連通している。切替弁43は、液体吐出ヘッド26に供給流路42を介して、第1タンクT1からの第1洗浄液を供給するか、第2タンクT2からの第2洗浄液を供給するかを切り替えることができる。
供給流路42の一部は筐体41外に延出して、液体吐出ヘッド26に着脱可能に接続される。具体的には、供給流路42が筐体41外に延出する部分の端部には、液体吐出ヘッド26に供給流路42を接続するための接続部422が設けられている。接続部422は、液体吐出ヘッド26の装着部262に、液体供給源14の接続部142と交換して装着可能である。このように、1つの装着部262で、液体供給源14の接続部142と供給流路42の接続部422とを同じ部位に、交換して接続できるので、それぞれの接続部142、422を異なる部位に別々に接続する場合に比較して、装着部262の構成を簡素化できる。
具体的には接続部422は、接続部142と同様の形状であり、装着部262のインク供給針やインク供給孔に連通するための孔を備えるコネクター(洗浄液供給用の治具)である。装着部262に異なる色のインクを導入する複数のインク供給針やインク供給孔がある場合には、接続部422や接続部142にも各インク供給針やインク供給孔に対応する孔が形成される。この場合、装着部262から見た接続部422の形状が非対称(例えば左右非対称)となるようにしてもよい。この構成によれば、同じインク供給針やインク供給孔には、常に同じ接続部422の孔が連通するように装着できるので、装着部262に接続部422の装着と取り外しを繰り返すときでも、異なる色のインクが混合することを防止できる。
図3に示すように、液体吐出装置10は、液体供給源14と有線または無線で通信する通信部204を備える。通信部204の通信結果に基づいて、ノズルNから排出される流体を排出する流路を、廃液タンク34に連通するか排出口に連通するかに切替弁43が切り替えられる。このような通信部204による通信および切替弁43の切り替え制御は、液体吐出装置10の制御部202によって行われる。
例えば制御部202は、液体供給源14の接続部142や洗浄装置40の接続部422に設けられたIC(Integrated Circuit)チップ(タグ)またはRF(Radio Frequency)チップ(タグ)などの情報(液体供給源14や洗浄装置40の識別情報など)を通信部204によって取得する。例えば液体供給源14の情報を取得できた場合に液体供給源14の接続部142が装着部262に接続されている(非洗浄時である)と判断する。他方、液体供給源14の情報を取得できなかった場合に液体供給源14の接続部142が装着部262に接続されていない(洗浄時である)と判断する。あるいは、洗浄装置40の情報を取得できた場合に洗浄装置40の接続部422が装着部262に接続されている(洗浄時である)と判断し、洗浄装置40の情報を取得できなかった場合に洗浄装置40の接続部422が装着部262に接続されていない(非洗浄時である)と判断するようにしてもよい。制御部202は、非洗浄時であると判断した場合に、ノズルNから排出される流体を廃液タンク34に排出するように切替弁43を切り替える。他方、制御部202は、洗浄時であると判断した場合に、ノズルNから排出される流体を排出口38に排出するように切替弁43を切り替える。このように、液体吐出装置10側で自動的に切替弁43を切り替えるので、使用者が切替弁43を切り替える場合に比較して、使用者による切替弁43の誤操作を効果的に抑制できる。
なお、切替弁43には大気に連通する大気開放流路432が接続しており、切替弁43は大気開放弁としても機能する。切替弁43によって、第1タンクT1と第2タンクT2との連通を遮断して、大気開放流路432に連通することによって、大気開放流路432からの空気を供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に送り込むことができる。これにより、液体吐出ヘッド26内に残留する流体を空気で排出できる。したがって、ここでの空気は、洗浄に用いる流体に含まれる。また、切替弁43を大気開放することによって、洗浄後に供給流路42に残留する流体も効果的に排出できる。これにより、例えば供給流路42の接続部422を取り外す際に、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
供給流路42の途中には、供給流路42を開閉する開閉弁424が設けられている。開閉弁424は、弁を開く度合いを変えられるチョーク弁などで構成してもよい。この構成によれば、例えば液体吐出ヘッド26の装着部262から接続部422を取り外す際に、開閉弁424を閉じることで、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。なお、供給流路42の途中には、例えば自己封止弁などの負圧発生機構を設けるようにしてもよい。負圧発生機構によって供給流路42内に負圧を発生させることで、例えば供給流路42の接続部422を取り外す際に、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。供給流路42の途中に、負圧発生機構と開閉弁424のいずれか一方を設けるようにしてもよく、また両方設けてもよい。
供給流路42の途中には、フィルターFが設けられている。供給流路42を通る流体に含まれる異物をフィルターFによって除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッド26の循環洗浄において、フィルターFによって異物が除去された流体を、供給流路42を通して液体吐出ヘッド26に戻すことができる。これにより、洗浄による液体吐出装置10内のフィルターの負担を軽減できるので、液体吐出装置10内のフィルターの寿命を延ばすことができる。なお、供給流路42にフィルターFを設けた場合を例示したが、これに限られず、回収流路44または循環流路46にフィルターFを設けるようにしてもよい。またフィルターFは1つに限られず、複数設けるようにしてもよい。
回収流路44は、液体吐出装置10の排出口38と廃液タンクDとを連通する管路である。回収流路44の一部が筐体41外に延出し、排出口38に着脱可能に接続される。具体的には、回収流路44のうち筐体41外に延出する部分の端部には、排出口38と着脱可能に接続するための接続部442が設けられている。例えば接続部442は、排出口38に着脱可能な継手である。排出口38に接続部442を接続する場合には、排出口38のカバー381を開いて接続する。これにより、接続部442を介して排出口38と回収流路44とが連通する。
回収流路44の途中には切替弁47が設けられ、切替弁47には循環流路46が連通している。切替弁43は、排出口38を廃液タンクDに連通するか、循環流路46に連通するかを切り替えることができる。回収流路44の途中には、ポンプ45が設けられている。本実施形態では、切替弁47と接続部442との間にポンプ45を設けた場合を例示する。洗浄装置40のポンプ45によって、液体吐出ヘッド26のノズルNから排出される流体を、排出口38を介して回収流路44へ向けて、加圧ではなく、吸引により流体を移送できる。したがって、液体吐出ヘッド26内の異物や気泡などを効果的に排出できる。
洗浄装置40のポンプ45は、液体吐出装置10のポンプ35よりも強力な吸引力(移送力)にすることができる。このようなポンプ45によれば、液体吐出装置10のポンプ35を用いずに、ポンプ35よりも強力な洗浄装置40のポンプ45を用いて、ノズルNから排出される流体を、排出口38を介して回収流路44に移送することができる。したがって、液体吐出装置10のポンプ35を大型化しなくても、強力に洗浄できるので、液体吐出装置10を小型化できる。なお、本実施形態では、切替弁47と接続部442との間にポンプ45を設けた場合を例示したが、ポンプ45を配置する部位はこれに限られない。
また、液体吐出ヘッド26の洗浄時に、液体吐出装置10に備えられる既存のポンプ35を用いて、ノズルNから排出される洗浄液などの流体を排出口38に移送するようにしてもよい。これによれば、ノズルNから排出される流体の移送効率を高めることができるので、ポンプ35を用いない場合に比較して、液体吐出ヘッド26を効果的に洗浄できる。また、このように液体吐出装置10に備えられる既存のポンプ35を用いれば、ノズルNから排出する流体を吸引することも可能である。ノズルNから排出する流体を吸引する場合には、液体供給源14から供給されたインクをノズルNから吸引する場合よりも、ノズルNから排出する洗浄液などの流体を吸引する場合の方が、吸引力が強力になるように、回転数を上げるなどしてポンプ35を動作させてもよい。このようにすることで、液体吐出装置10に備えられる既存のポンプ35を、液体吐出ヘッド26の洗浄に用いる場合であっても、液体吐出ヘッド26を効果的に洗浄できる。なお、液体吐出ヘッド26の洗浄では、ポンプ35とポンプ45を併用してもよく、いずれかを用いるようにしてもよい。
循環流路46は、回収流路44と供給流路42とを第1タンクT1を介して連通する管路である。循環流路46を設けることによって、回収流路44で回収された流体を、循環流路46で供給流路42へ戻すことができるので、その流体を再び液体吐出ヘッド26に供給できる。これにより、洗浄に用いる液体を液体吐出ヘッド26に循環させる循環洗浄を行うことができるので、洗浄に用いる液体が多量でなくても効果的に液体吐出ヘッド26を洗浄できる。循環流路46は、回収流路44の切替弁47と第1タンクT1に接続され、第1タンクT1の内部流路を経由する。ここでは、切替弁47から第1タンクT1の内部流路までを循環流路46とする。
以下、第1タンクT1の構成例について説明する。図3に示すように第1タンクT1は、流体を貯留する貯留室t1と、貯留室t1に貯留されている流体を供給流路42に供給する供給口62と、回収流路44からの流体を貯留室t1に回収する回収口64とを備える。供給口62と回収口64の各々は、貯留室t1に連通しており、供給口62と回収口64は貯留室t1と共に、循環流路46が経由する第1タンクT1の内部流路を構成する。第1タンクT1を循環洗浄に用いる場合には、貯留室t1に貯留される流体は、洗浄開始前は第1洗浄液のみであるが、洗浄が開始されると、液体吐出ヘッド26に供給されることによって、第1洗浄液に残留インクなどが混ざった流体となって排出口38から排出され、回収流路44を介して回収口64から貯留室t1に回収される。
供給口62には、フィルターF’が設けられている。フィルターF’によって供給口62から供給流路42に供給する流体に含まれる異物を除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッド26の循環洗浄において、回収口64から回収される流体に異物が混入していたとしても、フィルターF’によって異物が除去された流体を、供給流路42を通して液体吐出ヘッド26に戻すことができる。なお、本実施形態では。供給口62のみにフィルターF’を設けた場合を例示したが、これに限られず、回収口64にフィルターF’を設けるようにしてもよく、また供給口62と回収口64の両方にフィルターF’を設けるようにしてもよい。
第1タンクT1には、貯留室t1に貯留される流体の温度を調整する温度調整部65が設けられている。図3に示すように、第1タンクT1は、貯留室t1の壁面との間に隙間Qが空くように、貯留室t1を囲繞する囲繞部t2を備える。本実施形態では、貯留室t1を略箱状に形成し、囲繞部t2を貯留室t1よりもやや大きめの略箱状に形成することで、貯留室t1と囲繞部t2との間に隙間Qが形成されるようにしている。なお、貯留室t1は、囲繞部t2内のリブ(図示略)などによって固定される。隙間Qは熱媒体によって満たされ、温度調整部65は、熱媒体の温度を調整することで貯留室t1内の液体の温度を調整する。熱媒体としては、ウォーターバス用の液体を用いる。ただし、空気や窒素などの気体を熱媒体として用いてもよい。これによれば、貯留室t1内の流体の温度を貯留室t1の外側から熱媒体で間接的に調整できる。液体吐出ヘッド26の洗浄やインクの充填性(流路内の濡れ性を高めてインクが供給され易くする)に適した温度に設定できる。例えば貯留室t1内の液体を常温(例えば15℃〜25℃)よりも高い所定の温度(例えば40℃〜70℃)に加温する。これにより、第1タンクT1を用いた循環洗浄の効果を高めることができる。なお、上述したように温度調整部65によって貯留室t1内の液体を温めてもよいが、冷やすようにしてもよい。なお、貯留室t1と囲繞部t2とは、少なくとも一部が透明な部材で形成されている。これにより、貯留室t1の内部が見えるので、貯留室t1内の流体の量や色などを確認できる。なお、貯留室t1と囲繞部t2は一部だけでなく、全部を透明な部材で構成してもよい。
次に、本実施形態に係る洗浄装置40を用いて液体吐出ヘッド26を洗浄する方法について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る洗浄装置40の制御装置50が行う液体吐出ヘッド26の洗浄処理を示すフローチャートである。液体吐出ヘッド26の洗浄を行う場合には、液体吐出ヘッド26の装着部262から液体供給源14の接続部142を取り外して、図3に示すように洗浄装置40の接続部422を液体吐出ヘッド26の装着部262に接続すると共に、洗浄装置40の接続部442を液体吐出装置10の排出口38に接続する。
このように洗浄装置40を液体吐出装置10に接続することによって、液体吐出装置10に液体吐出ヘッド26を装着したまま、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出せずに排出口38に排出するように切替弁36を切り替えて、洗浄装置40で液体吐出ヘッド26の洗浄を開始する。切替弁36の切り替えは、上述したように液体吐出装置10側の制御部202が自動で行うようにしてもよく、液体吐出装置10の操作パネル(図示略)からの使用者の指示に基づいて制御部202が行うようにしてもよい。
図4に示すように、先ずステップS101にて制御装置50は、洗浄に用いる流体として空気を液体吐出ヘッド26に供給してインクを排出する。具体的には制御装置50は、切替弁43を大気開放に切り替えると共に、回収流路44が廃液タンクDに連通するように切替弁47を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略10秒)駆動する。こうして、切替弁43からの空気を、供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、液体吐出ヘッド26内に残留するインクをノズルNから排出する(第1工程)。ノズルNから排出されるインクは、排出口38を介して回収流路44で回収され(第2工程)、廃液タンクDに排出される。ここでは、ポンプ45によりノズルNからインクを吸引して、回収流路44へ移送できるので、インクの排出効率を高めることができる。
次にステップS102にて制御装置50は、洗浄に用いる流体として第2洗浄液を液体吐出ヘッド26に供給して非循環洗浄を行う(非循環洗浄工程)。非循環洗浄によって、第2洗浄液が通る流路とキャップ322内を洗浄する。具体的には制御装置50は、供給流路42が第2タンクT2に連通するように切替弁43を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略15秒)駆動する。こうして、第2タンクT2の第2洗浄液を、供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、洗浄による廃液や空気などの流体をノズルNから排出する(第1工程)。ノズルNから排出される流体は、排出口38から排出されて回収流路44で回収され(第2工程)、廃液タンクDに排出される。
次にステップS103にて制御装置50は、洗浄に用いる流体として第1洗浄液を液体吐出ヘッド26に供給して循環洗浄を行う(循環洗浄工程)。循環洗浄によって、第1洗浄液を循環させることで、第2洗浄液が通る流路とキャップ322内をさらに洗浄する。これによれば、ノズルNの目詰まりなどを解消させることもできる。具体的には制御装置50は、供給流路42が第1タンクT1に連通するように切替弁43を切り替えると共に、回収流路44が循環流路46に連通するように切替弁47を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略10秒)駆動する。
こうして、第1タンクT1の第1洗浄液を、供給口62から供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、洗浄による廃液や空気などの流体をノズルNから排出する(第1工程)。ノズルNから排出された流体は、排出口38から排出されて回収流路44で回収される(第2工程)。回収流路44で回収された流体は、廃液タンクDに排出されることなく、循環流路46を介して回収口64から第1タンクT1に戻され、再び供給口62から供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給され、ノズルNから流体が排出される(第3工程)。これら第2工程と第3工程が繰り返されることによって、液体吐出ヘッド26の循環洗浄が行われる。このように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10に装着したまま、液体吐出ヘッド26の循環洗浄が可能となる。循環洗浄では、上述したように第1タンクT1で貯留される流体が常温よりも高い所定の温度に加温されるので、循環洗浄の効果を高めることができる。
次にステップS104にて制御装置50は、循環洗浄によって液体吐出ヘッド26などに残留する洗浄液(ここでは第2洗浄液)を廃液タンクDに排出して、一連の洗浄処理を終了する。具体的には制御装置50は、切替弁43を大気開放に切り替える共に、回収流路44が廃液タンクDに連通するように切替弁47を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略10秒)駆動する。こうして、切替弁47からの空気を、供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、液体吐出ヘッド26内の第2洗浄液をノズルNから排出する。このとき、排出口38に残留する流体も空気で排出されるので、後述のように洗浄装置40の接続部442を液体吐出装置10の排出口38から取り外す際に、排出口38に残留する流体が垂れることを抑制できる。
図4に示す洗浄装置40による洗浄処理の完了後は、洗浄装置40の接続部422を液体吐出ヘッド26の装着部262から取り外すと共に、洗浄装置40の接続部442を液体吐出装置10の排出口38から取り外してカバー381を閉める。この際、開閉弁424を閉じてから洗浄装置40の接続部422を取り外すことで、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
続いて、液体吐出ヘッド26の装着部262に液体供給源14の接続部142を装着し、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出するように切替弁36を切り替えて、液体吐出ヘッド26内にインクを充填する。インクの充填後は、テスト印刷を行うようにしてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、洗浄装置40により洗浄液などの流体が液体吐出ヘッド26に供給されることによってノズルNから排出される流体を、液体吐出装置10に備えられたポンプ35も廃液タンク34も用いずに、排出口38から排出するように、切替弁36を切り替えることができる。そのため、液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外すことなく、洗浄装置40によって多量の洗浄液で液体吐出ヘッド26を強力に洗浄でき、また少量の洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッド26を洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮できる。しかも液体吐出装置10に備えられたポンプ35も廃液タンク34も用いないから、これらを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置10自体の小型化も可能である。このように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置10を小型化できる。
また、図4の洗浄処理では、第2洗浄液による非循環洗浄工程(ステップS102)後に、第1洗浄液による循環洗浄工程(ステップS103)を行うことから、第2洗浄液で非循環洗浄工程にて液体吐出ヘッド26内の汚れを落としてから、別の第1洗浄液で循環洗浄工程を行うことができるので、循環洗浄による洗浄効果を向上できる。また、循環洗浄に用いる第1タンクT1内の第1洗浄液のみを加温対象とすることができ、その熱を無駄なく洗浄に用いることができる。
なお、図4の洗浄処理において、循環洗浄工程(ステップS103)の後に、非循環洗浄工程(ステップS102)を行うようにしてもよい。具体的には、先ず循環洗浄工程にて第1タンクT1からの第1洗浄液を液体吐出ヘッド26に循環させて洗浄し、次に非循環洗浄工程にて第2タンクT2からの第2洗浄液を液体吐出ヘッド26に流して洗浄することができる。これにより、非循環洗浄工程では、循環洗浄を行った洗浄液とは異なる洗浄液を液体吐出ヘッド26に流すことができる。したがって、例えば循環洗浄では洗浄効果の高い洗浄液を用い、非循環洗浄ではインクの充填性(濡れ性)のよい洗浄液を用いることができるため、循環洗浄による洗浄効果を高めつつ、非循環洗浄後のインク充填性を高めることができる。例えば界面活性剤の量を変えたり、粘性を変えたりすることで、洗浄液のインク充填性を高めることができるので、非循環洗浄で用いる第2洗浄液としてはこのようにインクの充填性を高めることができる洗浄液を用いることができる。
なお、液体吐出ヘッド26の洗浄履歴(例えば洗浄の日時、洗浄処理の内容、洗浄時間など)を例えば記憶部203に記憶しておき、その洗浄履歴に基づいて次回の液体吐出ヘッド26の洗浄を行うようにしてもよい。例えば前回の洗浄の日時が所定の日時よりも長い場合には、次回の洗浄時間を前回よりも長くするということも可能である。
<変形例>
以上に例示した各実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様は、上述した態様1〜29の例示であってもよいし、以下に例示するものであってもよい。これらの例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)上述した各実施形態では、液体吐出ヘッド26を搭載したキャリッジ24をX方向に沿って反復的に往復させるシリアルヘッドを例示したが、液体吐出ヘッド26を媒体12の全幅にわたり配列したラインヘッドにも本発明を適用可能である。
(2)上述した各実施形態では、圧力室に機械的な振動を付与する圧電素子を利用した圧電方式の液体吐出ヘッド26を例示したが、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させる発熱素子を利用した熱方式の液体吐出ヘッドを採用することも可能である。
(3)上述した各実施形態で例示した液体吐出装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
10…液体吐出装置、11…筐体、12…媒体、14…液体供給源、142…接続部、20…制御装置、202…制御部、203…記憶部、204…通信部、22…搬送機構、23…移動機構、24…キャリッジ、26…液体吐出ヘッド、260…吐出面、262…装着部、264…液体吐出部、266…吐出部、30…メンテナンスユニット、32…キャッピング機構、322…キャップ、33…廃液流路、34…廃液タンク、35…ポンプ、36…切替弁、362…大気開放流路、38…排出口、381…カバー、382…排出流路、40…洗浄装置、41…筐体、42…供給流路、422…接続部、424…開閉弁、43…切替弁、432…大気開放流路、434…供給流路、44…回収流路、442…接続部、45…ポンプ、46…循環流路、47…切替弁、50…制御装置、62…供給口、64…回収口、65…温度調整部、71…流路基板、712…開口部、714…分岐流路、716…連通流路、72…圧力室基板、722…開口部、73…振動板、74…圧電素子、742…第1電極、744…圧電体、746…第2電極、75…支持体、754…導入流路、76…ノズル板、D…廃液タンク、F、F’…フィルター、H…非印字領域、L1、L2…ノズル列、N…ノズル、Q…隙間、SC…圧力室、SD…内部空間、SR…共通液室、T1…第1タンク、T2…第2タンク、t1…貯留室、t2…囲繞部。

Claims (25)

  1. 筐体と、
    前記筐体内の液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから排出される流体を前記筐体内で収容する廃液タンクと、
    前記ノズルから排出される流体を、前記筐体内の廃液タンクに排出せずに前記筐体外に排出可能な排出口と、
    前記液体吐出ヘッドに液体を供給するための前記液体供給源の接続部と、前記液体吐出ヘッドの洗浄に用いる流体を供給するための接続部とを交換して、同じ部位に装着可能な装着部と、
    を備える液体吐出装置。
  2. 前記ノズルから前記廃液タンクまでの廃液流路の途中に設けられて前記排出口と連通し、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかを切り替える切替弁を備える請求項1の液体吐出装置。
  3. 液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから排出される流体を移送するためのポンプと、
    前記ノズルと廃液タンクを連通する廃液流路と、
    前記ノズルから排出される流体を、前記ポンプを用いずに排出可能な排出口と、
    前記廃液流路の途中に設けられて前記排出口と連通し、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかを切り替える切替弁と、
    前記液体吐出ヘッドに液体を供給するための前記液体供給源の接続部と、前記液体吐出ヘッドの洗浄に用いる流体を供給するための接続部とを交換して、同じ部位に装着可能な装着部と、
    を備える液体吐出装置。
  4. 液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから排出される流体を収容する廃液タンクと、
    前記ノズルと前記廃液タンクを連通する廃液流路と、
    前記ノズルから排出される流体を排出可能な排出口と、
    前記廃液流路の途中に設けられて前記排出口と連通し、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかを切り替える切替弁と、
    を備え、
    前記排出口を前記切替弁に連通する排出流路の径は、少なくとも前記廃液流路の径よりも大きい液体吐出装置。
  5. 液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから排出される流体を収容する廃液タンクと、
    前記ノズルと前記廃液タンクを連通する廃液流路と、
    前記ノズルから排出される流体を排出可能な排出口と、
    前記廃液流路の途中に設けられて前記排出口と連通し、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかを切り替える切替弁と、
    を備え、
    前記液体供給源と有線または無線で通信する通信部を備え、
    前記通信部の通信結果に基づいて、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかの何れかに前記切替弁が切り替えられる液体吐出装置。
  6. 液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから排出される流体を収容する廃液タンクと、
    前記ノズルと前記廃液タンクを連通する廃液流路と、
    前記ノズルから排出される流体を排出可能な排出口と、
    前記廃液流路の途中に設けられて前記排出口と連通し、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかを切り替える切替弁と、
    を備え、
    前記切替弁は、大気開放可能である液体吐出装置。
  7. 液体供給源から供給された液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから排出される流体を収容する廃液タンクと、
    前記ノズルと前記廃液タンクを連通する廃液流路と、
    前記ノズルから排出される流体を排出可能な排出口と、
    前記廃液流路の途中に設けられて前記排出口と連通し、前記ノズルから排出される流体を、前記廃液タンクに排出するか前記排出口に排出するかを切り替える切替弁と、
    前記ノズルから排出される流体を前記排出口に移送するためのポンプと、
    を備える液体吐出装置。
  8. 前記ポンプは、前記ノズルを吸引するように動作し、
    前記液体供給源から供給された液体を前記ノズルから吸引する場合よりも、前記ノズルから排出する流体を吸引する場合の方が、吸引力が強力になるように前記ポンプが動作する請求項3または請求項7の液体吐出装置。
  9. 前記排出口を覆うカバーを備える請求項1から請求項8の何れかの液体吐出装置。
  10. 請求項1から請求項9の何れかの液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する洗浄装置であって、
    前記液体吐出装置に装着された前記液体吐出ヘッドに、洗浄に用いる流体を供給する供給流路と、
    前記排出口から排出される流体を回収する回収流路と、を備える洗浄装置。
  11. 前記液体吐出ヘッドに前記供給流路を接続するための接続部を備え、
    前記接続部は、前記液体供給源の接続部を前記液体吐出ヘッドに接続するために前記液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、前記液体供給源の接続部と交換して装着可能である請求項10の洗浄装置。
  12. 前記回収流路の途中に設けられ、前記ノズルから排出される流体を、前記排出口を介して前記回収流路へ向けて移送するためのポンプを備える請求項10または請求項11の洗浄装置。
  13. 前記回収流路から前記供給流路へ前記流体を移送させるための循環流路を備える請求項10から請求項12の何れかの洗浄装置。
  14. 前記流体を貯留するタンクとして、少なくとも、前記循環流路に設けられる第1タンクおよび前記供給流路に設けられる第2タンクを備える請求項13の洗浄装置。
  15. 前記供給流路の途中に設けられたフィルターを備える請求項10から請求項14の何れかの洗浄装置。
  16. 前記供給流路の途中に設けられ、大気開放に切り替え可能な大気開放弁を備える請求項10から請求項15の何れかの洗浄装置。
  17. 前記供給流路の途中に設けられた開閉弁を備える請求項10から請求項16の何れかの洗浄装置。
  18. 前記供給流路の途中に設けられた負圧発生機構を備える請求項10から請求項17の何れかの洗浄装置。
  19. 請求項1から請求項9の何れかの液体吐出装置における液体吐出ヘッドの洗浄方法であって、
    前記液体吐出装置に装着された前記液体吐出ヘッドに、洗浄に用いる流体を供給することによって、前記液体吐出ヘッドのノズルから流体を排出する第1工程と、
    前記ノズルから排出される流体を、前記液体吐出装置の排出口を介して回収する第2工程と、を備える洗浄方法。
  20. 前記第2工程で回収した流体を、前記液体吐出装置へ供給して、前記液体吐出ヘッドのノズルから排出する第3工程を備える請求項19の洗浄方法。
  21. 前記液体吐出ヘッドの洗浄後に、前記液体吐出装置の排出口の流体を空気で排出する請求項19または請求項20の洗浄方法。
  22. 前記液体吐出ヘッドの洗浄履歴を記憶部に記憶しておき、その洗浄履歴に基づいて次回の液体吐出ヘッドの洗浄を行う請求項19から請求項21の何れかの洗浄方法。
  23. 洗浄に用いる流体を前記液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、
    前記排出口から排出する流体を回収する回収流路と、
    前記回収流路から前記供給流路へ流体を移送させるための循環流路と、
    前記流体を貯留するタンクとして、少なくとも、前記循環流路に設けられる第1タンクおよび前記供給流路に設けられる第2タンクと、を具備する洗浄装置を備え、
    前記第1タンク内の流体を用いて、前記第1工程から前記第3工程により前記液体吐出ヘッドに前記流体を循環させて洗浄を行う循環洗浄工程と、
    前記第2タンク内の流体を用いて、前記第1工程から前記第2工程により前記液体吐出ヘッドに前記流体を循環させずに洗浄を行う非循環洗浄工程と、を備える請求項20の洗浄方法。
  24. 前記非循環洗浄工程の後に、前記循環洗浄工程を行う請求項23の洗浄方法。
  25. 前記循環洗浄工程の後に、前記非循環洗浄工程を行う請求項23の洗浄方法。
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