JP2018065257A - 洗浄装置およびカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄装置用のカートリッジを小型化した洗浄装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置10の液体吐出ヘッド26を洗浄する洗浄装置40であって、洗浄に用いる流体を液体吐出ヘッド26に供給する供給流路42と、液体吐出ヘッド26から排出する流体を、液体吐出装置10の排出口38から回収するための回収流路44と、回収流路44から供給流路42に流体を移動させるための循環流路46と、を備え、循環流路46は、流体を貯留する着脱自在なカートリッジ60の内部流路を経由するよう構成した。
【選択図】図3
【解決手段】液体吐出装置10の液体吐出ヘッド26を洗浄する洗浄装置40であって、洗浄に用いる流体を液体吐出ヘッド26に供給する供給流路42と、液体吐出ヘッド26から排出する流体を、液体吐出装置10の排出口38から回収するための回収流路44と、回収流路44から供給流路42に流体を移動させるための循環流路46と、を備え、循環流路46は、流体を貯留する着脱自在なカートリッジ60の内部流路を経由するよう構成した。
【選択図】図3
Description
本発明は、液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する技術に関する。
液体吐出ヘッドを洗浄する場合に、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外す作業が必要になると、液体吐出ヘッドの洗浄に多くの時間がかかってしまう。このため、例えば特許文献1のように、液体吐出装置に液体吐出ヘッドを装着したまま、液体吐出ヘッドに洗浄液を循環させて洗浄することで、洗浄時間を短くする技術が開発されている。さらに特許文献1は、インクも循環させることができるので、インク循環用と洗浄液循環用を兼ねるカートリッジが液体吐出装置に着脱可能な構成である。具体的には特許文献1では、1つのカートリッジの内部に、インク用の循環流路(供給インク室と回収インク室とこれらに連通する流路など)と、洗浄液用の循環流路(洗浄液室とこれに連通する流路)が別々に設けられている。
しかしながら、特許文献1のようにインク循環用と洗浄液循環用を兼ねるカートリッジを液体吐出装置に着脱可能とする構成では、1つのカートリッジの内部に、インク用の循環流路と、洗浄液用の循環流路とを別々に備えるので、カートリッジが大型化してしまう。さらにそのようなカートリッジを装着する液体吐出装置も大型化してしまう。しかも、インクと洗浄液の一方のみを交換したい場合でも、カートリッジ全体を交換しなければならない。以上の事情を考慮して、本発明は、洗浄装置用のカートリッジを小型化することを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る洗浄装置は、液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する洗浄装置であって、洗浄に用いる流体を液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、液体吐出ヘッドから排出する流体を、液体吐出装置の排出口から回収するための回収流路と、回収流路から供給流路に流体を移動させるための循環流路と、を備え、循環流路は、流体を貯留する着脱自在なカートリッジの内部流路を経由する。以上の態様によれば、液体吐出ヘッドから排出する流体を、液体吐出装置の排出口から回収するので、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、液体吐出ヘッドを洗浄できる。しかも、回収流路によって液体吐出ヘッドから回収された流体を、循環流路を介して供給流路から液体吐出ヘッドに戻すことによって、循環洗浄を行うことができる。また、本態様のカートリッジはその内部流路を循環流路が経由するものであり、インク用の循環流路は設けられていない。したがって、例えば洗浄液用の循環流路のみならず、インク用の循環流路も備えるカートリッジに比較して、カートリッジを小型化できる。また、洗浄装置と液体吐出装置とが別々であるので、インク用のカートリッジと洗浄液用のカートリッジとが装着される液体吐出装置に比較して、液体吐出装置を小型化できる。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る洗浄装置は、液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する洗浄装置であって、洗浄に用いる流体を液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、液体吐出ヘッドから排出する流体を、液体吐出装置の排出口から回収するための回収流路と、回収流路から供給流路に流体を移動させるための循環流路と、を備え、循環流路は、流体を貯留する着脱自在なカートリッジの内部流路を経由する。以上の態様によれば、液体吐出ヘッドから排出する流体を、液体吐出装置の排出口から回収するので、液体吐出装置から液体吐出ヘッドを取り外すことなく、液体吐出ヘッドを洗浄できる。しかも、回収流路によって液体吐出ヘッドから回収された流体を、循環流路を介して供給流路から液体吐出ヘッドに戻すことによって、循環洗浄を行うことができる。また、本態様のカートリッジはその内部流路を循環流路が経由するものであり、インク用の循環流路は設けられていない。したがって、例えば洗浄液用の循環流路のみならず、インク用の循環流路も備えるカートリッジに比較して、カートリッジを小型化できる。また、洗浄装置と液体吐出装置とが別々であるので、インク用のカートリッジと洗浄液用のカートリッジとが装着される液体吐出装置に比較して、液体吐出装置を小型化できる。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備える。以上の態様によれば、液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備えるから、通信部によって液体吐出装置との間で様々な情報をやり取りすることができる。
態様1の好適例(態様2)において、液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備える。以上の態様によれば、液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備えるから、通信部によって液体吐出装置との間で様々な情報をやり取りすることができる。
[態様3]
態様2の好適例(態様3)において、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出装置が備える表示部に表示するための情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出装置が備える表示部に表示するための情報が含まれるから、洗浄装置側に表示部を設ける必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
態様2の好適例(態様3)において、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出装置が備える表示部に表示するための情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出装置が備える表示部に表示するための情報が含まれるから、洗浄装置側に表示部を設ける必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
[態様4]
態様2または態様3の好適例(態様4)において、カートリッジ内の流体の残量を検知する残量検知部を備え、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、残量検知部で検知された流体の残量の情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、残量検知部で検知された流体の残量情報が含まれるから、カートリッジの流体の残量に応じた動作が可能となる。例えばカートリッジ内の前記流体の残量に応じて、使用者にカートリッジの交換を促したり、洗浄動作を中断したりすることも可能となる。
態様2または態様3の好適例(態様4)において、カートリッジ内の流体の残量を検知する残量検知部を備え、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、残量検知部で検知された流体の残量の情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、残量検知部で検知された流体の残量情報が含まれるから、カートリッジの流体の残量に応じた動作が可能となる。例えばカートリッジ内の前記流体の残量に応じて、使用者にカートリッジの交換を促したり、洗浄動作を中断したりすることも可能となる。
[態様5]
態様2から態様5の何れかの好適例(態様5)において、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出ヘッドの洗浄についての進行状況の情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出ヘッドの洗浄についての進行状況の情報が含まれるから、洗浄の進行状態に応じた動作が可能となる。例えば何らかの異常が発生して洗浄動作の途中で中断した場合に、その進行状況を記憶しておくことで、異常の解消後に、中断した後からの洗浄動作を再開することもできる。
態様2から態様5の何れかの好適例(態様5)において、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出ヘッドの洗浄についての進行状況の情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、液体吐出ヘッドの洗浄についての進行状況の情報が含まれるから、洗浄の進行状態に応じた動作が可能となる。例えば何らかの異常が発生して洗浄動作の途中で中断した場合に、その進行状況を記憶しておくことで、異常の解消後に、中断した後からの洗浄動作を再開することもできる。
[態様6]
態様1から態様5の好適例(態様6)において、異常を検知する異常検知部を備え、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、異常検知部で検知された情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、異常検知部で検知された情報が含まれるから、検知された情報に応じた動作が可能となる。例えば液漏れ、過加熱、モーターの過負荷などが検知されたときに、使用者に異常を告知したり、洗浄動作を中断したりすることもできる。
態様1から態様5の好適例(態様6)において、異常を検知する異常検知部を備え、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、異常検知部で検知された情報が含まれる。以上の態様によれば、通信部によって液体吐出装置に送信する情報には、異常検知部で検知された情報が含まれるから、検知された情報に応じた動作が可能となる。例えば液漏れ、過加熱、モーターの過負荷などが検知されたときに、使用者に異常を告知したり、洗浄動作を中断したりすることもできる。
[態様7]
態様1から態様6の好適例(態様7)において、液体吐出装置からの電力が供給される電源供給部を備える。以上の態様によれば、液体吐出装置からの電力を電源供給部によって洗浄装置の各部に供給することができる。これにより、洗浄装置側に電源を設ける必要がなくなるので、洗浄装置を小型化できる。
態様1から態様6の好適例(態様7)において、液体吐出装置からの電力が供給される電源供給部を備える。以上の態様によれば、液体吐出装置からの電力を電源供給部によって洗浄装置の各部に供給することができる。これにより、洗浄装置側に電源を設ける必要がなくなるので、洗浄装置を小型化できる。
[態様8]
態様1から態様7の何れかの好適例(態様8)において、カートリッジは、電力が供給される電源端子を備える。以上の態様によれば、カートリッジは、電力が供給される電源端子を備えるから、例えばカートリッジが電力を必要とする部品(ヒータなど)を備える場合であっても、そのような部品に電力を供給する電源をカートリッジ側に設ける必要がなくなるので、カートリッジを小型化できる。
態様1から態様7の何れかの好適例(態様8)において、カートリッジは、電力が供給される電源端子を備える。以上の態様によれば、カートリッジは、電力が供給される電源端子を備えるから、例えばカートリッジが電力を必要とする部品(ヒータなど)を備える場合であっても、そのような部品に電力を供給する電源をカートリッジ側に設ける必要がなくなるので、カートリッジを小型化できる。
[態様9]
態様1から態様8の何れかの好適例(態様9)において、流体を収容する廃液タンクと、回収流路と循環流路との間に設けられ、回収流路を廃液タンクに連通するか回収流路を循環流路に連通するかを切り替える切替弁と、を備える。以上の態様によれば、切替弁によって回収流路を廃液タンクに連通することで、循環流路の流体を廃液タンクへ排出できる。本態様によれば、例えば切替弁によって回収流路を廃液タンクに連通して循環流路の流体を廃液タンクへ排出してから、切替弁によって回収流路を循環流路に連通して新しい洗浄液で循環洗浄を再開することもできる。このように、循環洗浄の途中で、新しい洗浄液で洗浄することも可能となる。
態様1から態様8の何れかの好適例(態様9)において、流体を収容する廃液タンクと、回収流路と循環流路との間に設けられ、回収流路を廃液タンクに連通するか回収流路を循環流路に連通するかを切り替える切替弁と、を備える。以上の態様によれば、切替弁によって回収流路を廃液タンクに連通することで、循環流路の流体を廃液タンクへ排出できる。本態様によれば、例えば切替弁によって回収流路を廃液タンクに連通して循環流路の流体を廃液タンクへ排出してから、切替弁によって回収流路を循環流路に連通して新しい洗浄液で循環洗浄を再開することもできる。このように、循環洗浄の途中で、新しい洗浄液で洗浄することも可能となる。
[態様10]
態様1から態様9の何れかの好適例(態様10)において、カートリッジを第1カートリッジとすると、第1カートリッジとは別に、流体を貯留する第2カートリッジを備え、第1カートリッジは、循環流路に着脱可能であり、第2カートリッジは、供給流路または循環流路に着脱可能である。以上の態様によれば、第1カートリッジと第2カートリッジの各々の流体を使った洗浄を行うことができる。例えば第1カートリッジと第2カートリッジの各々の流体を、洗浄性の異なる流体にすることができる。また、第1カートリッジと第2カートリッジの各々の流体を、液体吐出ヘッドの洗浄を主目的とする流体と、液体吐出ヘッドへのインクの充填性を高めることを主目的とする流体とに分けることもできる。
態様1から態様9の何れかの好適例(態様10)において、カートリッジを第1カートリッジとすると、第1カートリッジとは別に、流体を貯留する第2カートリッジを備え、第1カートリッジは、循環流路に着脱可能であり、第2カートリッジは、供給流路または循環流路に着脱可能である。以上の態様によれば、第1カートリッジと第2カートリッジの各々の流体を使った洗浄を行うことができる。例えば第1カートリッジと第2カートリッジの各々の流体を、洗浄性の異なる流体にすることができる。また、第1カートリッジと第2カートリッジの各々の流体を、液体吐出ヘッドの洗浄を主目的とする流体と、液体吐出ヘッドへのインクの充填性を高めることを主目的とする流体とに分けることもできる。
[態様11]
態様1から態様10の好適例(態様11)において、液体吐出ヘッドに供給流路を接続するための接続部を備え、液体供給源の接続部を液体吐出ヘッドに接続するために液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、液体供給源の接続部と交換して、供給流路を接続する接続部を装着可能である。以上の態様によれば、液体供給源の接続部を液体吐出ヘッドに接続するために液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、液体供給源の接続部と交換して、供給流路を接続する接続部を装着可能であるから、洗浄装置における供給流路を接続するための機構を簡素化できる。
態様1から態様10の好適例(態様11)において、液体吐出ヘッドに供給流路を接続するための接続部を備え、液体供給源の接続部を液体吐出ヘッドに接続するために液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、液体供給源の接続部と交換して、供給流路を接続する接続部を装着可能である。以上の態様によれば、液体供給源の接続部を液体吐出ヘッドに接続するために液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、液体供給源の接続部と交換して、供給流路を接続する接続部を装着可能であるから、洗浄装置における供給流路を接続するための機構を簡素化できる。
[態様12]
態様1から態様11の何れかの洗浄装置のカートリッジであって、供給流路に流体を供給する供給口と、回収流路からの流体を回収する回収口と、供給口と回収口とを連通して内部流路を構成し、流体を貯留する貯留室と、を備える。以上の態様によれば、カートリッジは、供給流路に前記流体を供給する供給口と、回収流路からの流体を回収する回収口と、供給口と回収口とを連通して内部流路を構成し、流体を貯留する貯留室を備えるから、供給口と回収口とにより洗浄装置の流路に簡単に装着できる。
態様1から態様11の何れかの洗浄装置のカートリッジであって、供給流路に流体を供給する供給口と、回収流路からの流体を回収する回収口と、供給口と回収口とを連通して内部流路を構成し、流体を貯留する貯留室と、を備える。以上の態様によれば、カートリッジは、供給流路に前記流体を供給する供給口と、回収流路からの流体を回収する回収口と、供給口と回収口とを連通して内部流路を構成し、流体を貯留する貯留室を備えるから、供給口と回収口とにより洗浄装置の流路に簡単に装着できる。
[態様13]
態様12の好適例(態様13)において、供給口と回収口との間にフィルターを備える。以上の態様によれば、フィルターによって供給口から供給流路に供給する流体に含まれる異物を除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッドの循環洗浄において、回収口から回収される流体に異物が混入していたとしても、フィルターによって異物が除去された流体を、供給流路を通して液体吐出ヘッドに戻すことができる。
態様12の好適例(態様13)において、供給口と回収口との間にフィルターを備える。以上の態様によれば、フィルターによって供給口から供給流路に供給する流体に含まれる異物を除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッドの循環洗浄において、回収口から回収される流体に異物が混入していたとしても、フィルターによって異物が除去された流体を、供給流路を通して液体吐出ヘッドに戻すことができる。
[態様14]
態様12または態様13の好適例(態様14)において、貯留室内の流体の温度を調整するための温度調整部を備える。以上の態様によれば、温度調整部によって、貯留室内の液体の温度を温めてもよく、冷やしてもよい。液体吐出ヘッドの洗浄やインクの充填性に適した温度に設定できる。例えば貯留室内の液体を常温よりも高い所定の温度に加温する。これにより、カートリッジ内の流体を用いた循環洗浄の効果を高めることができる。
態様12または態様13の好適例(態様14)において、貯留室内の流体の温度を調整するための温度調整部を備える。以上の態様によれば、温度調整部によって、貯留室内の液体の温度を温めてもよく、冷やしてもよい。液体吐出ヘッドの洗浄やインクの充填性に適した温度に設定できる。例えば貯留室内の液体を常温よりも高い所定の温度に加温する。これにより、カートリッジ内の流体を用いた循環洗浄の効果を高めることができる。
[態様15]
態様14の好適例(態様15)において、貯留室との間に隙間が空くように、貯留室を囲繞する囲繞部を備え、隙間は、熱媒体によって満たされ、温度調整部は、熱媒体の温度を調整することで貯留室内の流体の温度を調整する。以上の態様によれば、熱媒体の温度を調整することで貯留室内の流体の温度を調整するから、貯留室内の流体の温度を貯留室の外側から熱媒体で間接的に調整できる。
態様14の好適例(態様15)において、貯留室との間に隙間が空くように、貯留室を囲繞する囲繞部を備え、隙間は、熱媒体によって満たされ、温度調整部は、熱媒体の温度を調整することで貯留室内の流体の温度を調整する。以上の態様によれば、熱媒体の温度を調整することで貯留室内の流体の温度を調整するから、貯留室内の流体の温度を貯留室の外側から熱媒体で間接的に調整できる。
[態様16]
態様12または態様15の好適例(態様16)において、供給口および回収口が配置される面と同じ面に、電力が供給される電源端子が配置される。以上の態様によれば、供給口および回収口が配置される面と同じ面に、電力が供給される電源端子が配置されるから、電源端子の着脱が容易であり、カートリッジ側の電源端子と洗浄装置側の端子との接触性を高めることができる。
態様12または態様15の好適例(態様16)において、供給口および回収口が配置される面と同じ面に、電力が供給される電源端子が配置される。以上の態様によれば、供給口および回収口が配置される面と同じ面に、電力が供給される電源端子が配置されるから、電源端子の着脱が容易であり、カートリッジ側の電源端子と洗浄装置側の端子との接触性を高めることができる。
[態様17]
態様12から態様16の何れかの好適例(態様17)において、貯留室は、少なくとも一部が透明な部材で形成されている。以上の態様によれば、貯留室は、少なくとも一部が透明な部材で形成されているから、貯留室の内部が見えるので、貯留室内の流体の量や色などを確認できる。
態様12から態様16の何れかの好適例(態様17)において、貯留室は、少なくとも一部が透明な部材で形成されている。以上の態様によれば、貯留室は、少なくとも一部が透明な部材で形成されているから、貯留室の内部が見えるので、貯留室内の流体の量や色などを確認できる。
図1は、本発明の実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。本実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体12に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、筐体11を備える。筐体11は典型的には略直方体の形状である。ただし、筐体11の形状は直方体に限られない。筐体11内には、制御装置20と搬送機構22と移動機構23とキャリッジ24と液体吐出ヘッド26と液体供給源14とメンテナンスユニット30とが設けられている。図1では、1個の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載した場合を例示しているが、これに限られず、複数個の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載してもよい。
液体供給源14は、液体吐出装置10の本体に着脱可能な箱状の容器からなるインクタンクタイプのカートリッジである。なお、液体供給源14は、箱状の容器に限られず、袋状の容器からなるインクパックタイプのカートリッジであってもよい。液体供給源14には、インクが貯留される。インクは、黒色インクであってもよく、カラーインクであってもよい。液体供給源14に貯留されるインクは、液体吐出ヘッド26にポンプ(図示略)で圧送される。液体供給源14は、液体吐出ヘッド26に連通するための接続部142を備える。接続部142は、液体吐出ヘッド26が備える装着部262に着脱自在に装着される。具体的には接続部142は、装着部262のインク供給針やインク供給孔に連通するための孔を備えるコネクターである。
制御装置20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の制御部202と半導体メモリ等の記憶部203とを含んで構成され、記憶部203に記憶された制御プログラムを制御部202が実行することで液体吐出装置10の各要素を統括的に制御する。媒体12に形成すべき画像を表す印刷データがホストコンピューター等の外部装置(図示略)から制御装置20に供給される。制御装置20は、印刷データで指定された画像が媒体12に形成されるように液体吐出装置10の各要素を制御する。
搬送機構22は、制御装置20による制御のもとで媒体12をY方向(副走査方向)に搬送し、移動機構23は、制御装置20による制御のもとでキャリッジ24をX方向(主走査方向)に往復させる。なお、搬送機構22および移動機構23の構成は以上の例示に限定されない。液体吐出ヘッド26は、略箱状のキャリッジ24に搭載され、液体供給源14から供給されるインクを制御装置20による制御のもとで媒体12に吐出する。制御装置20は、Y方向に交差するX方向に沿ってキャリッジ24を往復させる。搬送機構22による媒体12の搬送とキャリッジ24の反復的な往復とに並行して液体吐出ヘッド26が媒体12にインクを吐出することで媒体12の表面に所望の画像が形成される。なお、液体供給源14を液体吐出ヘッド26とともにキャリッジ24に搭載することも可能である。
図1に示す液体吐出ヘッド26の吐出面(媒体12との対向面)には、2つのノズル列L1、L2が配置される。各ノズル列L1、L2は、Y方向に沿って直線状に配列された複数のノズルNの集合である。各ノズル列L1、L2のノズルNからは、液体供給源14から供給されるインクが吐出される。なお、各ノズル列L1、L2に供給されるインクは、同じ色であっても、異なる色であってもよい。また、ノズルNの構成は、例示したものに限られず、液体吐出ヘッド26の吐出面に、3つ以上のノズル列を配置してもよく、ノズル列の各々を複数列(例えば千鳥配列またはスタガ配列)とすることも可能である。
液体吐出ヘッド26は、液体吐出部264を具備する。液体吐出部264は、液体供給源14から供給されるインクを複数のノズルNから媒体12に吐出する。液体吐出部264は、相異なるノズルNに対応する複数の吐出部を包含する。各吐出部には、液体供給源14からのインクが供給される。各吐出部には、印刷データに基づく駆動信号(駆動パルス)が制御部202から供給される。各吐出部は、駆動信号に応じてノズルNからインクを吐出する。
図2は、任意の1個の吐出部266に着目した液体吐出部264の断面図である。図2に示す液体吐出部264は、流路基板71の一方側に圧力室基板72と振動板73と圧電素子74と支持体75とが配置されるとともに他方側にノズル板76が配置された構造体である。流路基板71と圧力室基板72とノズル板76とは例えばシリコンの平板材で形成され、支持体75は例えば樹脂材料の射出成形で形成される。複数のノズルNはノズル板76に形成される。図2の構成では、ノズル板76のうち媒体12に対向する面が、液体吐出ヘッド26の吐出面260を構成する。
流路基板71には、開口部712と分岐流路(絞り流路)714と連通流路716とが形成される。分岐流路714および連通流路716はノズルNごとに形成された貫通孔であり、開口部712は複数のノズルNにわたり連続する開口である。支持体75に形成された収容部(凹部)752と流路基板71の開口部712とを相互に連通させた空間は、支持体75の導入流路754を介して液体供給源14から供給されるインクを貯留する共通液室(リザーバー)SRとして機能する。
圧力室基板72には開口部722がノズルNごとに形成される。振動板73は、圧力室基板72のうち流路基板71とは反対側の表面に設置された弾性変形可能な平板材である。圧力室基板72の各開口部722の内側で振動板73と流路基板71とに挟まれた空間は、共通液室SRから分岐流路714を介して供給されるインクが充填される圧力室(キャビティ)SCとして機能する。各圧力室SCは、流路基板71の連通流路716を介してノズルNに連通する。圧力室SCと共通液室SRと、これらを連通する開口部712および分岐流路714と、連通流路716とで構成される空間が、液体吐出ヘッド26の内部空間SDを構成する。
振動板73のうち圧力室基板72とは反対側の表面にはノズルNごとに圧電素子74が形成される。各圧電素子74は、第1電極742と第2電極746との間に圧電体744を介在させた駆動素子である。第1電極742および第2電極746の一方に駆動信号が供給され、所定の基準電位が他方に供給される。駆動信号の供給により圧電素子74が変形することで振動板73が振動すると、圧力室SC内の圧力が変動して圧力室SC内のインクがノズルNから吐出される。具体的には、駆動信号の振幅に応じた吐出量のインクがノズルNから吐出される。図2に例示した1個の吐出部266は、圧電素子74と振動板73と圧力室SCとノズルNとを包含する部分である。なお、圧電素子74の構成は、上述したものに限られない。
図1のメンテナンスユニット30は、例えばX方向においてキャリッジ24のホームポジション(待機位置)となる非印字領域Hに配置される。メンテナンスユニット30は、キャリッジ24が非印字領域Hにあるときに、液体吐出ヘッド26のメンテナンスを行う。メンテナンスユニット30は、制御部202によって制御されるキャッピング機構32とノズルNから排出される流体(洗浄液、インクなど)を収容する廃液タンク34とを備える。廃液タンク34内には、例えばインクや洗浄液を保持する吸収材が設けられている。
キャッピング機構32は、液体吐出ヘッド26の吐出面260をキャッピングするために用いられる。キャッピング機構32は、吐出面260のノズルNを封止するキャップ322を備える。キャップ322は、Z方向の負側が開口した箱状に形成される。キャップ322の開口縁部が吐出面260に当接することで、吐出面260のノズルNが封止される。キャップ322は、モーター(図示略)によって、吐出面260に接触するZ方向の負側または吐出面260から離間するZ方向の正側に移動可能である。制御装置20は、キャップ322で吐出面260に当接してノズルNを封止する。このとき、後述する図3のポンプ35でノズルNから増粘インクや気泡を吸引することで、これらをキャップ322に排出させることができる。キャップ322に排出されたインクは、後述する図3に示す廃液流路33を介して廃液タンク34に廃棄される。
ところで、このような液体吐出ヘッド26では、ノズルNの目詰まりの解消などために、インクの代わりに洗浄液などの洗浄に用いる流体を供給することによって洗浄が行われる。この場合、仮に液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外して洗浄するとすれば、非常に手間と時間がかかる。そこで、本実施形態の液体吐出装置10は、液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外さずに洗浄できるように構成されている。
以下、このような液体吐出装置10とその液体吐出ヘッド26を洗浄する洗浄装置40の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド26の洗浄装置40の構成を説明するための図である。図3の洗浄装置40は、液体吐出装置10とは別体であり、洗浄作業時に使用者が液体吐出装置10に装着するものである。図3では、液体吐出ヘッド26を非印字領域Hに移動させた状態で、液体吐出装置10に洗浄装置40を装着した場合を示している。
本実施形態の液体吐出装置10は、ノズルNから排出される流体を、筐体11内の廃液タンク34に排出せずに筐体11外に排出可能な排出口38を備える。これにより、洗浄に用いる流体(洗浄液や空気など)が液体吐出ヘッド26に供給されることによってノズルNから排出される流体(洗浄液、インク、空気など)を、筐体11内の廃液タンク34に排出せずに、排出口38から筐体11外に排出できる。そのため、液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外すことなく、廃液タンク34を用いずに、多量の洗浄液で液体吐出ヘッド26を強力に洗浄でき、また洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッド26を洗浄することもできる。
したがって、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮でき、しかも筐体11内の廃液タンク34を大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置10自体の小型化も可能である。このように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置10を小型化できる。
なお、液体吐出装置10は、排出口38を覆うカバー381を備える。カバー381は、開閉可能に筐体11に設けられている。排出口38を使うときにはカバー381を開き、排出口38を使わないときにはカバー381を閉じることができる。これにより、排出口38内へのゴミの侵入を防ぐことができる。
廃液タンク34には、廃液流路33が設けられている。廃液流路33の一端はキャップ322に接続されており、廃液流路33の他端は廃液タンク34に接続されている。これにより、廃液タンク34は、廃液流路33によってキャップ322の内部空間を介してノズルNと連通する。
廃液流路33の途中には、切替弁36が設けられている。切替弁36は、排出流路382を介して排出口38に連通している。切替弁36は、制御部202によって制御され、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出するか、排出口38に排出するかを切り替え可能である。したがって、切替弁36によって、ノズルNから排出される流体を、筐体11内の廃液タンク34へ排出せずに、排出口38から筐体11外に排出するように切り替えることができる。これにより、廃液タンク34を用いる選択も用いない選択もできるので、廃液タンク34の寿命を延ばすことができる。また、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出する場合と、排出口38に排出する場合とで、廃液流路33のうちノズルNから切替弁36までの流路を共用できる。
なお、排出口38を切替弁36に連通する排出流路382および排出口38の径は、少なくとも廃液流路33の径よりも大きい。この構成によれば、排出口38から洗浄液などの多量の流体を効率的に排出できるため、液体吐出ヘッド26の洗浄を効果的に行うことができる。ここでの「径」は管路の内径であり、もし排出流路382と排出口38と廃液流路33の何れかにおいて「径」が異なる部分がある場合には、「径」はその管路の平均径であり、より好ましくはその管路の最小径である。
さらに、切替弁36には、大気に連通する大気開放流路362が接続している。廃液流路33または排出流路382を大気開放流路362に連通するように切替弁36を切り替えることで、廃液流路33または排出流路382に空気が導入され、大気開放することができる。切替弁36を大気開放することによって、洗浄後に排出口38に残留するインクや洗浄液などの流体も効果的に排出できる。これにより、洗浄後に排出口38内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
廃液流路33のうち、キャップ322と切替弁36との間には、ポンプ35が設けられている。ポンプ35を駆動することで、キャップ322からインクや洗浄液を吸引してキャップ322内に排出し、さらにキャップ322から廃液流路33を通して廃液タンク34または排出口38に向けて移送できる。また、ノズルNから排出される流体を、筐体11内のポンプ35を用いて排出口38から筐体11外に排出することもできる。なお、筐体11内のポンプ35を用いずに、筐体11外のポンプ(例えば後述の洗浄装置40のポンプ45)を用いて排出口38から筐体11外に排出することもできる。これによれば、筐体11内のポンプ35を大型化しなくても、筐体11外の強力なポンプによって、強力な洗浄ができるので、液体吐出装置10の小型化も可能である。
図3に示すように、本実施形態の洗浄装置40は、液体吐出ヘッド26の装着部262から洗浄に用いる流体(洗浄液、空気など)を供給して、ノズルNから排出される流体を排出口38から筐体11外に排出させることができる。このような洗浄装置40を用いることで、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10に装着したまま洗浄できる。
洗浄装置40は、筐体41を備える。筐体41内には、制御装置50と第1タンクT1と第2タンクT2と廃液タンクDと切替弁43と切替弁47とポンプ45とが設けられている。制御装置50は、切替弁43と切替弁47とポンプ45を含む洗浄装置40の各部を制御する。第1タンクT1は、第1洗浄液を貯留し、第2タンクT2は第2洗浄液を貯留する。廃液タンクDは廃棄される流体を貯留する。第1タンクT1と第2タンクT2と廃液タンクDの各々は、着脱可能なカートリッジにより構成されており、交換可能である。
洗浄装置40は、液体吐出装置10からの電力が供給され、その電力を各部に供給する電源供給部56を備える。例えば液体吐出装置10側に設けられたインターフェースに、洗浄装置40の電源供給部56を接続することで、液体吐出装置10から電力が供給される。これによれば、洗浄装置40側に電源を設ける必要がなくなるので、洗浄装置40を小型化できる。ただし、洗浄装置40側に電源を設けることも可能である。
本実施形態において、第1タンクT1は、液体吐出ヘッド26に第1洗浄液を循環させながら洗浄する後述の循環洗浄工程に用いられ、第2タンクT2は、液体吐出ヘッド26に第2洗浄液を循環させずに洗浄する後述の非循環洗浄工程に用いられる。このように、本実施形態では、循環洗浄工程で用いる流体と、非循環洗浄工程で用いる流体を別々にすることができる。第1洗浄液と第2洗浄液は、液体吐出ヘッド26の洗浄に用いる流体の具体例であり、第1洗浄液と第2洗浄液は、同じ種類の洗浄液でもよく、異なる種類の洗浄液でもよい。第1タンクT1と第2タンクT2とで異なる種類の流体を用いることで、循環洗浄工程と非循環洗浄工程とで、洗浄に用いる液体の種類を変えることもできる。さらに、非循環洗浄で用いる第2タンクT2は加温せず、循環洗浄で用いる第1タンクT1を加温することもできる。これにより、循環洗浄の洗浄効果を高めることができる。なお、第1タンクT1と第2タンクT2の使い方は、上述した例示に限られない。
洗浄装置40は、洗浄に用いる流体(第1洗浄液、第2洗浄液など)を液体吐出ヘッド26に供給する供給流路42と、排出口38から排出される流体を回収する回収流路44と、回収流路44から供給流路42へ流体を移送させるための循環流路46とを備える。上記第1タンクT1は循環流路46に設けられ、第2タンクT2は供給流路42に設けられる。
供給流路42は、液体吐出ヘッド26と第1タンクT1とを連通する管路である。供給流路42は、切替弁43により第2タンクT2にも連通可能である。すなわち、供給流路42の途中に切替弁43が設けられ、切替弁43には第2タンクT2の供給流路434が連通している。切替弁43は、液体吐出ヘッド26に供給流路42を介して、第1タンクT1からの第1洗浄液を供給するか、第2タンクT2からの第2洗浄液を供給するかを切り替えることができる。
供給流路42の一部は筐体41外に延出して、液体吐出ヘッド26に着脱可能に接続される。具体的には、供給流路42が筐体41外に延出する部分の端部には、液体吐出ヘッド26に供給流路42を接続するための接続部422が設けられている。接続部422は、液体吐出ヘッド26の装着部262に、液体供給源14の接続部142と交換して装着可能である。このように、1つの装着部262で、液体供給源14の接続部142と供給流路42の接続部422とを同じ部位に、交換して接続できるので、それぞれの接続部142、422を異なる部位に別々に接続する場合に比較して、装着部262の構成を簡素化できる。
具体的には接続部422は、接続部142と同様の形状であり、装着部262のインク供給針やインク供給孔に連通するための孔を備えるコネクター(洗浄液供給用の治具)である。装着部262に異なる色のインクを導入する複数のインク供給針やインク供給孔がある場合には、接続部422や接続部142にも各インク供給針やインク供給孔に対応する孔が形成される。この場合、装着部262から見た接続部422の形状が非対称(例えば左右非対称)となるようにしてもよい。この構成によれば、同じインク供給針やインク供給孔には、常に同じ接続部422の孔が連通するように装着できるので、装着部262に接続部422の装着と取り外しを繰り返すときでも、異なる色のインクが混合することを防止できる。
図3に示すように、液体吐出装置10は、液体供給源14と有線または無線で通信する通信部204を備える。通信部204の通信結果に基づいて、ノズルNから排出される流体を排出する流路を、廃液タンク34に連通するか排出口に連通するかに切替弁43が切り替えられる。このような通信部204による通信および切替弁43の切り替え制御は、液体吐出装置10の制御部202によって行われる。
例えば制御部202は、液体供給源14の接続部142や洗浄装置40の接続部422に設けられたIC(Integrated Circuit)チップ(タグ)またはRF(Radio Frequency)チップ(タグ)の情報(液体供給源14や洗浄装置40の識別情報など)を通信部204によって取得する。例えば液体供給源14の情報を取得できた場合に液体供給源14の接続部142が装着部262に接続されている(非洗浄時である)と判断する。他方、液体供給源14の情報を取得できなかった場合に液体供給源14の接続部142が装着部262に接続されていない(洗浄時である)と判断する。あるいは、洗浄装置40の情報を取得できた場合に洗浄装置40の接続部422が装着部262に接続されている(洗浄時である)と判断し、洗浄装置40の情報を取得できなかった場合に洗浄装置40の接続部422が装着部262に接続されていない(非洗浄時である)と判断するようにしてもよい。制御部202は、非洗浄時であると判断した場合に、ノズルNから排出される流体を廃液タンク34に排出するように切替弁43を切り替える。他方、制御部202は、洗浄時であると判断した場合に、ノズルNから排出される流体を排出口38に排出するように切替弁43を切り替える。このように、液体吐出装置10側で自動的に切替弁43を切り替えるので、使用者が切替弁43を切り替える場合に比較して、使用者による切替弁43の誤操作を効果的に抑制できる。
なお、切替弁43には大気に連通する大気開放流路432が接続しており、切替弁43は大気開放弁としても機能する。切替弁43によって、第1タンクT1と第2タンクT2との連通を遮断して、大気開放流路432に連通することによって、大気開放流路432からの空気を供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に送り込むことができる。これにより、液体吐出ヘッド26内に残留する流体を空気で排出できる。したがって、ここでの空気は、洗浄に用いる流体に含まれる。また、切替弁43を大気開放することによって、洗浄後に供給流路42に残留する流体も効果的に排出できる。これにより、例えば供給流路42の接続部422を取り外す際に、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
供給流路42の途中には、供給流路42を開閉する開閉弁424が設けられている。開閉弁424は、弁を開く度合いを変えられるチョーク弁などで構成してもよい。この構成によれば、例えば液体吐出ヘッド26の装着部262から接続部422を取り外す際に、開閉弁424を閉じることで、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。なお、供給流路42の途中には、例えば自己封止弁などの負圧発生機構を設けるようにしてもよい。負圧発生機構によって供給流路42内に負圧を発生させることで、例えば供給流路42の接続部422を取り外す際に、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。供給流路42の途中に、負圧発生機構と開閉弁424のいずれか一方を設けるようにしてもよく、また両方設けてもよい。
供給流路42の途中には、フィルターFが設けられている。供給流路42を通る流体に含まれる異物をフィルターFによって除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッド26の循環洗浄において、フィルターFによって異物が除去された流体を、供給流路42を通して液体吐出ヘッド26に戻すことができる。これにより、洗浄による液体吐出装置10内のフィルターの負担を軽減できるので、液体吐出装置10内のフィルターの寿命を延ばすことができる。なお、供給流路42にフィルターFを設けた場合を例示したが、これに限られず、回収流路44または循環流路46にフィルターFを設けるようにしてもよい。またフィルターFは1つに限られず、複数設けるようにしてもよい。
回収流路44は、液体吐出装置10の排出口38と廃液タンクDとを連通する管路である。回収流路44の一部が筐体41外に延出し、排出口38に着脱可能に接続される。具体的には、回収流路44のうち筐体41外に延出する部分の端部には、排出口38と着脱可能に接続するための接続部442が設けられている。例えば接続部442は、排出口38に着脱可能な継手である。排出口38に接続部442を接続する場合には、排出口38のカバー381を開いて接続する。これにより、接続部442を介して排出口38と回収流路44とが連通する。
回収流路44の途中には切替弁47が設けられ、切替弁47には循環流路46が連通している。切替弁43は、排出口38を廃液タンクDに連通するか、循環流路46に連通するかを切り替えることができる。回収流路44の途中には、ポンプ45が設けられている。洗浄装置40のポンプ45によって、液体吐出ヘッド26のノズルNから排出される流体を、排出口38を介して回収流路44へ向けて、加圧ではなく、吸引により流体を移送できる。したがって、液体吐出ヘッド26内の異物や気泡などを効果的に排出できる。
洗浄装置40のポンプ45は、液体吐出装置10のポンプ35よりも強力な吸引力(移送力)にすることができる。このようなポンプ45によれば、液体吐出装置10のポンプ35を用いずに、ポンプ35よりも強力な洗浄装置40のポンプ45を用いて、ノズルNから排出される流体を、排出口38を介して回収流路44に移送することができる。したがって、液体吐出装置10のポンプ35を大型化しなくても、強力に洗浄できるので、液体吐出装置10を小型化できる。なお、本実施形態では、切替弁47と接続部442との間にポンプ45を設けた場合を例示したが、ポンプ45を配置する部位はこれに限られない。
また、液体吐出ヘッド26の洗浄時に、液体吐出装置10に備えられる既存のポンプ35を用いて、ノズルNから排出される洗浄液などの流体を排出口38に移送するようにしてもよい。これによれば、ノズルNから排出される流体の移送効率を高めることができるので、ポンプ35を用いない場合に比較して、液体吐出ヘッド26を効果的に洗浄できる。また、このように液体吐出装置10に備えられる既存のポンプ35を用いれば、ノズルNから排出する流体を吸引して排出することも可能である。ノズルNから排出する流体を吸引する場合には、液体供給源14から供給されたインクをノズルNから吸引する場合よりも、ノズルNから排出する洗浄液などの流体を吸引する場合の方が、吸引力が強力になるように、回転数を上げるなどしてポンプ35を動作させてもよい。このようにすることで、液体吐出装置10に備えられる既存のポンプ35を、液体吐出ヘッド26の洗浄に用いる場合であっても、液体吐出ヘッド26を効果的に洗浄できる。なお、液体吐出ヘッド26の洗浄では、ポンプ35とポンプ45を併用してもよく、いずれかを用いるようにしてもよい。
循環流路46は、回収流路44と供給流路42とを第1タンクT1を介して連通する管路である。循環流路46を設けることによって、回収流路44で回収された流体を、循環流路46で供給流路42へ戻すことができるので、その流体を再び液体吐出ヘッド26に供給できる。これにより、洗浄に用いる液体を液体吐出ヘッド26に循環させる循環洗浄を行うことができるので、洗浄に用いる液体が多量でなくても効果的に液体吐出ヘッド26を洗浄できる。循環流路46は、回収流路44の切替弁47と第1タンクT1に接続され、第1タンクT1の内部流路を経由する。ここでは、切替弁47から第1タンクT1の内部流路までを循環流路46とする。
ここで、第1タンクT1の構成例について説明する。本実施形態の第1タンクT1は、図4および図5に示すようなカートリッジ60によって構成される。図5は、カートリッジ60の構成を示す外観斜視図である。カートリッジ60は、洗浄装置40に着脱可能に構成されている。具体的には図4および図5に示すように、カートリッジ60は、流体を貯留する貯留室t1と、貯留室t1に貯留されている流体を供給流路42に供給する供給口62と、回収流路44からの流体を貯留室t1に回収する回収口64とを備える。供給口62と回収口64の各々は、貯留室t1に連通しており、供給口62と回収口64は貯留室t1と共に、循環流路46が経由する内部流路を構成する。
カートリッジ60を循環洗浄に用いる場合には、貯留室t1に貯留される流体は、洗浄開始前は第1洗浄液のみであるが、洗浄が開始されると、液体吐出ヘッド26に供給されることによって、第1洗浄液に残留インクなどが混ざった流体となって排出口38から排出され、回収流路44を介して回収口64から貯留室t1に回収される。このように、本実施形態のカートリッジ60は、洗浄に用いる流体を循環する循環流路46が経由する内部流路を構成し、流体を貯留する着脱可能なカートリッジであるから、例えば洗浄液用の循環流路46のみならず、インク用の循環流路も備えるカートリッジに比較して、カートリッジ60を小型化できる。また、カートリッジ60は、供給口62と回収口64とにより洗浄装置40の流路に簡単に装着できる。
供給口62には、フィルターF’が設けられている。フィルターF’によって供給口62から供給流路42に供給する流体に含まれる異物を除去できる。したがって、例えば液体吐出ヘッド26の循環洗浄において、回収口64から回収される流体に異物が混入していたとしても、フィルターF’によって異物が除去された流体を、供給流路42を通して液体吐出ヘッド26に戻すことができる。なお、本実施形態では。供給口62のみにフィルターF’を設けた場合を例示したが、これに限られず、回収口64にフィルターF’を設けるようにしてもよく、また供給口62と回収口64の両方にフィルターF’を設けるようにしてもよい。
カートリッジ60には、貯留室t1に貯留される流体の温度を調整する温度調整部65が設けられている。カートリッジ60は、第1タンクT1は、貯留室t1の壁面との間に隙間Qが空くように、貯留室t1を囲繞する囲繞部t2を備える。本実施形態では、貯留室t1を略箱状に形成し、囲繞部t2を貯留室t1よりもやや大きめの略箱状に形成することで、貯留室t1と囲繞部t2との間に隙間Qが形成されるようにしている。なお、貯留室t1は、囲繞部t2内のリブ(図示略)などによって固定される。隙間Qは熱媒体によって満たされ、温度調整部65は、熱媒体の温度を調整することで貯留室t1内の液体の温度を調整する。熱媒体としては、ウォーターバス用の液体を用いる。ただし、空気や窒素などの気体を熱媒体として用いてもよい。これによれば、貯留室t1内の流体の温度を貯留室t1の外側から熱媒体で間接的に調整できる。液体吐出ヘッド26の洗浄やインクの充填性(流路内の濡れ性を高めてインクが供給され易くする)に適した温度に設定できる。例えば貯留室t1内の液体を常温(例えば15℃〜25℃)よりも高い所定の温度(例えば40℃〜70℃)に加温する。これにより、カートリッジ60を用いた循環洗浄の効果を高めることができる。なお、上述したように温度調整部65によって貯留室t1内の液体を温めてもよいが、冷やすようにしてもよい。なお、貯留室t1と囲繞部t2とは、少なくとも一部が透明な部材で形成されている。これにより、貯留室t1の内部が見えるので、貯留室t1内の流体の量や色などを確認できる。なお、貯留室t1と囲繞部t2は一部だけでなく、全部を透明な部材で構成してもよい。
図4及び図5に示すように、カートリッジ60は、電力が供給される電源端子66を備える。洗浄装置40にカートリッジ60が装着されると、電源供給部56に接続される洗浄装置40側の端子(図示略)に、電源端子66が接触して電気的に接続される。これにより、電源供給部56からの電力が上述の温度調整部65に供給される。これによれば、温度調整部65に電力を供給する電源をカートリッジ60側に設ける必要がなくなるので、カートリッジ60を小型化できる。
図4および図5に示すように、カートリッジ60の電源端子66は、供給口62および回収口64が配置される面Cと同じ面に配置される。これにより、電源端子66の着脱が容易であり、カートリッジ60側の電源端子66と洗浄装置40側の端子(図示略)との接触性を高めることができる。
なお、本実施形態では、第1タンクT1をカートリッジ60により構成した場合を例示したが、第2タンクT2や廃液タンクDもカートリッジで構成可能である。第1タンクT1を構成するカートリッジ60を第1カートリッジとし、第2タンクT2を構成するカートリッジを第2カートリッジとすると、第1カートリッジは、循環流路46に着脱可能であり、第2カートリッジは、供給流路42に着脱可能である。ただし、第2カートリッジを循環流路46に着脱可能に設けてもよい。また、貯留室t1には、大気開放穴68が囲繞部t2を貫通して形成されており、大気開放穴68は、異物が混入しないように、空気を通すシール部材682で閉塞されている。
図3に示すように、洗浄装置40は、液体吐出装置10の通信部204と有線または無線で通信する通信部52を備える。通信部52によって液体吐出装置10との間で様々な情報をやり取りすることができる。例えば通信部52によって液体吐出装置10に送信する情報には、液体吐出装置10が備える表示部15に表示するための情報が含まれる。これによれば、洗浄装置40側に表示部を設ける必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。ただし、洗浄装置40側に表示部を設けてこれらの情報を表示することも可能である。また、通信部52によって液体吐出装置10に送信する情報には、液体吐出ヘッド26の洗浄についての進行状況の情報が含まれる。これによれば、液体吐出装置10は、洗浄の進行状態に応じた動作が可能となる。例えば何らかの異常が発生して洗浄動作の途中で中断した場合に、その進行状況を記憶部203に記憶しておくことで、異常の解消後に、中断した後からの洗浄動作を再開することもできる。
図3に示すように、洗浄装置40は、異常を検知する異常検知部54を備える。異常検知部54は、例えばカートリッジ60、他のタンク、各流路などからの液漏れの検知、カートリッジ60の温度調整部65による過加熱の検知、ポンプ45のモーターの過負荷などを検知可能である。通信部52によって液体吐出装置10に送信する情報には、異常検知部54で検知された情報が含まれる。これによれば、例えば液漏れ、過加熱、モーターの過負荷などが異常検知部54によって検知されたときに、使用者に異常を告知したり、洗浄動作を中断したりすることもできる。
なお、カートリッジ60には、貯留室t1内の流体の残量を検知する残量検知部67を設け、通信部52によって液体吐出装置10に送信する情報に、残量検知部67で検知された流体の残量の情報が含まれるようにしてもよい。これにより、液体吐出装置10は、カートリッジ60の流体の残量に応じた動作が可能となる。例えばカートリッジ60の流体の残量に応じて、使用者にカートリッジ60の交換を促したり、洗浄動作を中断したりすることも可能となる。流体の残量の情報を、液体吐出装置10の表示部15に表示させるようにしてもよい。
また、カートリッジ60には、洗浄装置40への装着状態をロック状態または非ロック状態にするロック機構(図示略)を設けてもよい。ロック機構は、例えばカートリッジ60に設けられるフックで洗浄装置40に掛止する構成にすることができる。また、洗浄装置40にはロック機構の状態の状態を検知するロック検知部(図示略)を設けることによって、制御装置50がロック検知部の検知結果に応じて、洗浄装置40を制御するようにしてもよい。例えば制御装置50は、ロック検知部がロック状態を検知したときに、カートリッジ60が装着されていると判断し、洗浄動作を開始できるようにする。他方、ロック検知部が非ロック状態を検知したときに、カートリッジ60が外されていると判断し、洗浄動作を開始できないようにする。なお、接続部422と接続部442の各々にも、ロック機構およびロック検知部を設けるようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る洗浄装置40を用いて液体吐出ヘッド26を洗浄する方法について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る洗浄装置40の制御装置50が行う液体吐出ヘッド26の洗浄処理を示すフローチャートである。液体吐出ヘッド26の洗浄を行う場合には、洗浄装置40において、第1タンクT1のカートリッジ60、第2タンクT2、廃液タンクDのカートリッジをそれぞれ装着する。そして、液体吐出ヘッド26の装着部262から液体供給源14の接続部142を取り外し、図3に示すように洗浄装置40の接続部422を液体吐出ヘッド26の装着部262に接続すると共に、洗浄装置40の接続部442を液体吐出装置10の排出口38に接続する。
このように洗浄装置40を液体吐出装置10に接続することによって、液体吐出装置10に液体吐出ヘッド26を装着したまま、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出せずに排出口38に排出するように切替弁36を切り替えて、洗浄装置40で液体吐出ヘッド26の洗浄を開始する。切替弁36の切り替えは、上述したように液体吐出装置10側の制御部202が自動で行うようにしてもよく、液体吐出装置10の操作パネル(図示略)からの使用者の指示に基づいて制御部202が行うようにしてもよい。
図6に示すように、先ずステップS101にて制御装置50は、洗浄に用いる流体として空気を液体吐出ヘッド26に供給してインクを排出する。具体的には制御装置50は、切替弁43を大気開放に切り替える共に、回収流路44が廃液タンクDに連通するように切替弁47を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略10秒)駆動する。こうして、切替弁43からの空気を、供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、液体吐出ヘッド26内に残留するインクをノズルNから排出する(第1工程)。ノズルNから排出されるインクは、排出口38を介して回収流路44で回収され(第2工程)、廃液タンクDに排出される。ここでは、ポンプ45によりノズルNからインクを吸引して、回収流路44へ移送できるので、インクの排出効率を高めることができる。
次にステップS102にて制御装置50は、洗浄に用いる流体として第2洗浄液を液体吐出ヘッド26に供給して非循環洗浄を行う(非循環洗浄工程)。非循環洗浄によって、第2洗浄液が通る流路とキャップ322内を洗浄する。具体的には制御装置50は、供給流路42が第2タンクT2に連通するように切替弁43を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略15秒)駆動する。こうして、第2タンクT2の第2洗浄液を、供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、洗浄による廃液や空気などの流体をノズルNから排出する(第1工程)。ノズルNから排出される流体は、排出口38から排出されて回収流路44で回収され(第2工程)、廃液タンクDに排出される。
次にステップS103にて制御装置50は、洗浄に用いる流体として第1洗浄液を液体吐出ヘッド26に供給して循環洗浄を行う(循環洗浄工程)。循環洗浄によって、第1洗浄液を循環させることで、第2洗浄液が通る流路とキャップ322内をさらに洗浄する。これによれば、ノズルNの目詰まりなどを解消させることもできる。具体的には制御装置50は、供給流路42が第1タンクT1に連通するように切替弁43を切り替えると共に、回収流路44が循環流路46に連通するように切替弁47を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略10秒)駆動する。
こうして、第1タンクT1の第1洗浄液を、供給口62から供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、洗浄による廃液や空気などの流体をノズルNから排出する(第1工程)。ノズルNから排出された流体は、排出口38から排出されて回収流路44で回収される(第2工程)。回収流路44で回収された流体は、廃液タンクDに排出されることなく、循環流路46を介して回収口64から第1タンクT1に戻され、再び供給口62から供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給され、ノズルNから流体が排出される(第3工程)。これら第2工程と第3工程が繰り返されることによって、液体吐出ヘッド26の循環洗浄が行われる。このように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10に装着したまま、液体吐出ヘッド26の循環洗浄が可能となる。循環洗浄では、上述したように第1タンクT1で貯留される流体が常温よりも高い所定の温度に加温されるので、循環洗浄の効果を高めることができる。
次にステップS104にて制御装置50は、循環洗浄によって液体吐出ヘッド26などに残留する洗浄液(ここでは第2洗浄液)を廃液タンクDに排出して、一連の洗浄処理を終了する。具体的には制御装置50は、切替弁43を大気開放に切り替える共に、回収流路44が廃液タンクDに連通するように切替弁47を切り替えて、ポンプ45を所定時間(例えば略10秒)駆動する。こうして、切替弁47からの空気を、供給流路42を介して液体吐出ヘッド26に供給することによって、液体吐出ヘッド26内の第2洗浄液をノズルNから排出する。このとき、排出口38に残留する流体も空気で排出されるので、後述のように洗浄装置40の接続部442を液体吐出装置10の排出口38から取り外す際に、排出口38に残留する流体が垂れることを抑制できる。
図6に示す洗浄装置40による洗浄処理の完了後は、洗浄装置40の接続部422を液体吐出ヘッド26の装着部262から取り外すと共に、洗浄装置40の接続部442を液体吐出装置10の排出口38から取り外してカバー381を閉める。この際、開閉弁424を閉じてから洗浄装置40の接続部422を取り外すことで、供給流路42内に残留する流体が垂れることを抑制できる。
続いて、液体吐出ヘッド26の装着部262に液体供給源14の接続部142を装着し、ノズルNから排出される流体を、廃液タンク34に排出するように切替弁36を切り替えて、液体吐出ヘッド26内にインクを充填する。インクの充填後は、テスト印刷を行うようにしてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、洗浄装置40により洗浄液などの流体が液体吐出ヘッド26に供給されることによってノズルNから排出される流体を、液体吐出装置10に備えられたポンプ35も廃液タンク34も用いずに、排出口38から排出するように、切替弁36を切り替えることができる。そのため、液体吐出装置10から液体吐出ヘッド26を取り外すことなく、洗浄装置40によって多量の洗浄液で液体吐出ヘッド26を強力に洗浄でき、また少量の洗浄液を循環させて効率よく液体吐出ヘッド26を洗浄することもできる。したがって、液体吐出ヘッド26を液体吐出装置10から取り外して洗浄する場合に比較して、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮できる。しかも液体吐出装置10に備えられたポンプ35も廃液タンク34も用いないから、これらを大型化しなくても強力な洗浄ができるので、液体吐出装置10自体の小型化も可能である。このように、本実施形態によれば、液体吐出ヘッド26の洗浄時間を短縮しつつ、液体吐出装置10を小型化できる。
また、図6の洗浄処理では、第2洗浄液による非循環洗浄工程(ステップS102)後に、第1洗浄液による循環洗浄工程(ステップS103)を行うことから、第2洗浄液で非循環洗浄工程にて液体吐出ヘッド26内の汚れを落としてから、別の第1洗浄液で循環洗浄工程を行うことができるので、循環洗浄による洗浄効果を向上できる。また、循環洗浄に用いる第1タンクT1内の第1洗浄液のみを加温対象とすることができ、その熱を無駄なく洗浄に用いることができる。
なお、図6の洗浄処理において、循環洗浄工程(ステップS103)の後に、非循環洗浄工程(ステップS102)を行うようにしてもよい。具体的には、先ず循環洗浄工程にて第1タンクT1からの第1洗浄液を液体吐出ヘッド26に循環させて洗浄し、次に非循環洗浄工程にて第2タンクT2からの第2洗浄液を液体吐出ヘッド26に流して洗浄することができる。これにより、非循環洗浄工程では、循環洗浄を行った洗浄液とは異なる洗浄液を液体吐出ヘッド26に流すことができる。したがって、例えば循環洗浄では洗浄効果の高い洗浄液を用い、非循環洗浄ではインクの充填性(濡れ性)のよい洗浄液を用いることができるため、循環洗浄による洗浄効果を高めつつ、非循環洗浄後のインク充填性を高めることができる。例えば界面活性剤の量を変えたり、粘性を変えたりすることで、洗浄液のインク充填性を高めることができるので、非循環洗浄で用いる第2洗浄液としてはこのようにインクの充填性を高めることができる洗浄液を用いることができる。
なお、液体吐出ヘッド26の洗浄履歴(例えば洗浄の日時、洗浄処理の内容、洗浄時間など)を例えば記憶部203に記憶しておき、その洗浄履歴に基づいて次回の液体吐出ヘッド26の洗浄を行うようにしてもよい。例えば前回の洗浄の日時が所定の日時よりも長い場合には、次回の洗浄時間を前回よりも長くするということも可能である。
<変形例>
以上に例示した各実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様は、上述した態様1〜29の例示であってもよいし、以下に例示するものであってもよい。これらの例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
以上に例示した各実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様は、上述した態様1〜29の例示であってもよいし、以下に例示するものであってもよい。これらの例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)上述した各実施形態では、液体吐出ヘッド26を搭載したキャリッジ24をX方向に沿って反復的に往復させるシリアルヘッドを例示したが、液体吐出ヘッド26を媒体12の全幅にわたり配列したラインヘッドにも本発明を適用可能である。
(2)上述した各実施形態では、圧力室に機械的な振動を付与する圧電素子を利用した圧電方式の液体吐出ヘッド26を例示したが、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させる発熱素子を利用した熱方式の液体吐出ヘッドを採用することも可能である。
(3)上述した各実施形態で例示した液体吐出装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
10…液体吐出装置、11…筐体、12…媒体、14…液体供給源、142…接続部、15…表示部、20…制御装置、202…制御部、203…記憶部、204…通信部、22…搬送機構、23…移動機構、24…キャリッジ、26…液体吐出ヘッド、260…吐出面、262…装着部、264…液体吐出部、266…吐出部、30…メンテナンスユニット、32…キャッピング機構、322…キャップ、33…廃液流路、34…廃液タンク、35…ポンプ、36…切替弁、362…大気開放流路、38…排出口、381…カバー、382…排出流路、40…洗浄装置、41…筐体、42…供給流路、422…接続部、424…開閉弁、43…切替弁、432…大気開放流路、434…供給流路、44…回収流路、442…接続部、45…ポンプ、46…循環流路、47…切替弁、50…制御装置、52…通信部、54…異常検知部、56…電源供給部、60…カートリッジ、62…供給口、64…回収口、65…温度調整部、66…電源端子、67…残量検知部、68…大気開放穴、682…シール部材、71…流路基板、712…開口部、714…分岐流路、716…連通流路、72…圧力室基板、722…開口部、722…各開口部、73…振動板、74…圧電素子、742…第1電極、744…圧電体、746…第2電極、75…支持体、754…導入流路、76…ノズル板、D…廃液タンク、F、F’…フィルター、H…非印字領域、L1、L2…ノズル列、N…ノズル、Q…隙間、SC…圧力室、SD…内部空間、SR…共通液室、T1…第1タンク、t1…貯留室、t2…囲繞部、C…面、T2…第2タンク。
Claims (17)
- 液体吐出装置の液体吐出ヘッドを洗浄する洗浄装置であって、
洗浄に用いる流体を前記液体吐出ヘッドに供給する供給流路と、
前記液体吐出ヘッドから排出する流体を、前記液体吐出装置の排出口から回収するための回収流路と、
前記回収流路から前記供給流路に前記流体を移動させるための循環流路と、を備え、
前記循環流路は、前記流体を貯留する着脱自在なカートリッジの内部流路を経由する
洗浄装置。 - 前記液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備える
請求項1の洗浄装置。 - 前記通信部によって前記液体吐出装置に送信する情報には、前記液体吐出装置が備える表示部に表示するための情報が含まれる
請求項2の洗浄装置。 - 前記カートリッジ内の前記流体の残量を検知する残量検知部を備え、
前記通信部によって前記液体吐出装置に送信する情報には、前記残量検知部で検知された前記流体の残量の情報が含まれる
請求項2または請求項3の洗浄装置。 - 前記通信部によって前記液体吐出装置に送信する情報には、前記液体吐出ヘッドの洗浄についての進行状況の情報が含まれる
請求項2から請求項4の何れかの洗浄装置。 - 異常を検知する異常検知部を備え、
前記通信部によって前記液体吐出装置に送信する情報には、前記異常検知部で検知された情報が含まれる
請求項2から請求項5の何れかの洗浄装置。 - 前記液体吐出装置からの電力が供給される電源供給部を備える
請求項1から請求項6の何れかの洗浄装置。 - 前記カートリッジは、電力が供給される電源端子を備える
請求項1から請求項7の何れかの洗浄装置。 - 前記流体を収容する廃液タンクと、
前記回収流路と前記循環流路との間に設けられ、前記回収流路を前記廃液タンクに連通するか前記回収流路を前記循環流路に連通するかを切り替える切替弁と、を備える
請求項1から請求項8の何れかの洗浄装置。 - 前記カートリッジを第1カートリッジとすると、前記第1カートリッジとは別に、前記流体を貯留する第2カートリッジを備え、
前記第1カートリッジは、前記循環流路に着脱可能であり、
前記第2カートリッジは、前記供給流路または前記循環流路に着脱可能である
請求項1から請求項9の何れかの洗浄装置。 - 前記液体吐出ヘッドに前記供給流路を接続するための接続部を備え、
前記液体供給源の接続部を前記液体吐出ヘッドに接続するために前記液体吐出装置に備えられる装着部の同じ部位に、前記液体供給源の接続部と交換して、前記供給流路を接続する接続部を装着可能である
請求項1から請求項10の何れかの洗浄装置。 - 請求項1から請求項11の何れかの洗浄装置のカートリッジであって、
前記供給流路に前記流体を供給する供給口と、
前記回収流路からの前記流体を回収する回収口と、
前記供給口と前記回収口とを連通して前記内部流路を構成し、前記流体を貯留する貯留室と、を備える
カートリッジ。 - 前記供給口と前記回収口との間にフィルターを備える
請求項12のカートリッジ。 - 前記貯留室内の流体の温度を調整するための温度調整部を備える
請求項12または請求項13のカートリッジ。 - 前記貯留室との間に隙間が空くように、前記貯留室を囲繞する囲繞部を備え、
前記隙間は、熱媒体によって満たされ、
前記温度調整部は、前記熱媒体の温度を調整することで前記貯留室内の流体の温度を調整する
請求項14のカートリッジ。 - 前記供給口および前記回収口が配置される面と同じ面に、電力が供給される電源端子が配置される
請求項12から請求項15の何れかのカートリッジ。 - 前記貯留室は、少なくとも一部が透明な部材で形成されている
請求項12から請求項16の何れかのカートリッジ。
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KR20200071003A (ko) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 제록스 코포레이션 | 아이들 기간 중에 프린트헤드로부터의 잉크의 건조를 감소시키기 위한 시스템 및 방법 |
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