JP6833180B2 - ヘアオイル組成物 - Google Patents

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Description

厚みのある塗布感がありながらも、ドライ後の毛髪を滑らかにし、へたれさせることなくまとめる効果に優れたヘアオイル組成物に関する。
毛髪は、紫外線や冬場の乾燥、静電気などにより日常的にダメージを受けており、加えて近年ではカラーリングやパーマネント処理等によって毛髪が痛むケースが増えている。このように痛んだ毛髪を保護する目的で、従来からコンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料が使用されてきたが、より毛髪になじみやすく、手厚い保護が可能であるヘアオイルの使用が増加している。
従来より、ヘアオイルには、一般的にツバキ油、オリーブ油などの植物油が用いられており、これらに植物油以外の様々な油剤を加え、パサついて広がった毛髪をまとめ、指通りを滑らかにするといった効果を付与する改良がなされてきた。
例えば、特許文献1には、オリゴマーエステル誘導体、高分子量シリコーン油及び揮発性油剤を混合することにより、ドライ後のしなやかさとまとまりに優れたヘアオイル組成物が開示されている。また、特許文献2には、植物油とポリオキシエチレン置換型シリコーン油を混合することにより、毛髪に対してしっとりかつサラサラした感触を付与しながらも、毛髪をまとめる効果に優れたヘアオイル組成物が開示されている。
特開2007−269726号公報 特開2009−221143号公報
しかしながら、従来のヘアオイルは、毛髪をまとめる効果が高い反面、毛髪が自然なふくらみを失い、ボリューム感が出なくなる場合があり、特に毛量に悩む消費者にとっては毛髪が減少したかのような印象を与えてしまうため、好ましくない。そのため、毛髪の広がりを抑えつつもボリューム感を損なわないヘアオイルが求められている。
一方、最近では、消費者の価値観も多様化し、まとまりや滑らかさといった使用感だけでなく、塗布時の厚みといった高級感をもたらす感触も求められるようになった。しかし、塗布時の厚みを出そうと植物油やシリコーン油の配合量を増やすと、まとまりや滑らかさといった使用感が悪くなる場合がある。そのため、塗布時の厚みといった感触と使用感の両立が課題となっている。
本発明の課題は、厚みのある塗布感に優れ、ドライ後に毛髪のボリューム感を損なわずに、滑らかさとまとまりを付与できるような、ヘアオイル組成物を提供することである。
本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意検討を行った結果、高分子量アルキルオキシラン誘導体、25℃において液状のトリグリセライドおよび25℃において液状のエステル油からなる群より選ばれた一種以上の成分、揮発性炭化水素油および揮発性シリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の成分を組み合わせて配合することにより、厚みのある塗布感に優れ、ドライ後に毛髪のボリューム感を損なわずに、滑らかさとまとまりを付与するヘアオイル組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(A)下記式(1)で表され、下記式(2)、式(3)および式(4)を満足するアルキルオキシラン誘導体を0.1〜5質量%、
(B)25℃において液状のトリグリセライドおよび25℃において液状のエステル油からなる群より選ばれた一種以上の成分を15〜45質量%、および
(C)揮発性炭化水素油および揮発性シリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の成分を50〜80質量%
含むことを特徴とする、ヘアオイル組成物に係るものである。

O−(AO)−H ・・・・(1)

(式(1)中、
は炭素数1〜22の炭化水素基を示し、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは25以上の数を示す。)

0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

(式(2)において、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)

=W1/2/W5% ・・・(3)
0.30≦A≦0.70 ・・・(4)

(式(3)および式(4)において、前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点のうち溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとし、点Rと交点Tの距離をW1/2とし、点Rと点Sの距離をW5%とする。)
本発明のヘアオイル組成物は、厚みのある塗布感に優れ、ドライ後に毛髪のボリューム感を損なわずに、滑らかさとまとまりを付与する効果に非常に優れている。
図1は、本発明にて定義されるMとMを説明するためのモデルクロマトグラム図である。 図2は、本発明にて定義されるW1/2とW5%を説明するためのモデルクロマトグラム図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明のヘアオイル組成物は、下記の(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含有する。以下、(A)成分、(B)成分、および(C)成分を順次説明する。
〔(A)成分〕
本発明に用いられる(A)成分は、下記式(1)で表されるアルキルオキシラン誘導体である。

O−(AO)−H ・・・・(1)
式(1)において、Rで示される炭素数1〜22の炭化水素基は、炭素と水素からなる官能基であり、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基から選ばれる1種であり、好ましくはアルキル基またはアルケニル基である。
の炭素数は14以下が好ましく、6以下が更に好ましい。Rは、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基またはアルケニル基がさらに好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が最も好ましい。
は、直鎖炭化水素基であってよく、分岐鎖炭化水素基であってよいが、直鎖炭化水素基であることが好ましい。特に、炭素数1〜6の直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などを挙げることができる。Rで示される炭素数1〜22の炭化水素基は1種のみでも、2種以上でもよい。
式(1)において、AOは炭素数3のオキシアルキレン基であり、具体的にはトリメチレン基またはメチルエチレン基であるが、メチルエチレン基が好ましい。
式(1)において、nは、オキシアルキレン基AOの平均付加モル数で、25以上である。nが25未満であると粘度が低く、塗布時の厚みに欠ける場合がある。こうした観点からは、nを25以上とするが、50以上が更に好ましい。しかしながら、nが大きくなるにつれてヘアオイル組成物のべたつきが上昇し、ドライ後に毛髪のボリューム感が損なわれるため、nは150以下であることが好ましく、120以下であることが更に好ましい。
(A)成分は、更に下記の式(2)を満足する。

0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

(式(2)において、クロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)
すなわち、本発明で用いるアルキルオキシラン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において、示差屈折率計を用いて得られたクロマトグラムによって規定される。このクロマトグラムとは、屈折率強度と溶出時間との関係を表すグラフである。
ここで、図1は、アルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるクロマトグラムのモデル図であり、横軸は溶出時間を、縦軸は示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度を示す。
ゲル浸透クロマトグラフに試料溶液を注入して展開すると、最も分子量の高い分子から溶出が始まり、屈折率強度の増加に伴い、溶出曲線が上昇していく。その後、屈折率強度が最大となる極大点Kを過ぎると、溶出曲線は下降していく。
/Mは、それぞれ、以下のようにしてクロマトグラムから算出する。
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、垂線の長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとする。
(3) 点Oと点Qを結んだ直線Gと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をPとする。
(4) 点Oと交点Pの距離をM、交点Pと点Qの距離をMとする。
また、本発明のアルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、クロマトグラムの屈折率強度の極大点が複数ある場合は、それらのうち屈折率強度が最も大きい点を極大点Kとする。さらに同じ屈折率強度の極大点が複数ある場合は、溶出時間の遅いほうを屈折率強度の極大点Kとする。この際、ゲル浸透クロマトグラフィーに使用した展開溶媒などに起因するピークや、使用したカラムや装置に起因するベースラインの揺らぎによる疑似ピークは除く。
ここで、(A)成分は、M/Mが0.35≦M/M≦0.75を満たすものである。
/Mが0.75より大きくなると、アルキルオキシラン誘導体の粘度が低下し、これをヘアオイルに配合した際、十分な塗布時の厚みをもたらさない。この観点から、M/Mを0.75以下とするが、0.62以下とすることが更に好ましい。また、M/Mが小さくなるほど、分子量分布における高分子量側の偏りが大きくなり、アルキルオキシラン誘導体の粘度が上昇する。すわなち、M/Mが0.35より小さくなると、粘度が高くなりすぎ、ドライ後に毛髪のボリューム感が損なわれる原因となる。このため、M/Mを0.35以上とするが、0.36以上とすることが更に好ましい。
また、本発明で用いるアルキルオキシラン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムが左右非対称であり、以下に示すようにして求められるクロマトグラムのピークの非対称値Aが式(3)、式(4)を満たす。

=W1/2/W5% ・・・(3)
0.30≦A≦0.70 ・・・(4)
図2のクロマトグラムのモデル図を参照しつつ、Asの算出方法について更に説明する。横軸は溶出時間を、縦軸は示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度を示す。
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、その長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/20となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとする。
(3) 点Rと点Sを結んだ直線Hと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をTとする。
(4) 点Rと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。
本発明において、Aは0.30≦A≦0.70を満たす。Aを0.70以下とすることによって、粘度が適度に向上し、塗布時の厚みを付与することができる。この観点からは、Aを0.65以下とすることが更に好ましい。
また、Aが小さくなるほど、分子量分布における高分子量側の偏りが大きくなり、それに由来する粘度の上昇などが見られる。よって、ドライ後に毛髪のボリューム感を保つ観点から、Aを0.30以上とするが、0.57以上とすることが更に好ましい。
本発明において、M、MおよびAsを求めるためのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、システムとしてSHODEX(登録商標)
GPC101GPC専用システム、示差屈折率計としてSHODEX RI−71s、ガードカラムとしてSHODEX KF−G、カラムとしてSHODEX KF804Lを3本連続装着し、カラム温度40℃、展開溶剤としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、得られた反応物の0.1重量%テトラヒドロフラン溶液0.1mlを注入し、BORWIN GPC計算プログラムを用いて、屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得る。
(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計含有量を100質量%としたとき、(A)成分の含有量は、0.1〜5質量%とする。(A)成分の含有量が0.1質量%未満であると、塗布時の厚みが損なわれることに加え、ドライ後の滑らかさが感じられなくなるので、0.1質量%以上とするが、0.5質量%以上が好ましく、0.8質量%以上が更に好ましい。また、(A)成分の含有量が5質量%を超えると、使用感が重たくなり、ドライ後に毛髪のボリューム感が損なわれるので、5質量%以下とするが、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。
〔(B)成分〕
本発明で用いられる(B)成分は、25℃において液状のトリグリセライドおよび25℃において液状のエステル油からなる群より選ばれた一種以上の成分である。
トリグリセライドには植物油と合成油があり、植物油の例としては、ツバキ油、オリーブ油、アボガド油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、ヒマワリ油、ゴマ油等が挙げられる。合成油の例としては、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2
− エチルヘキサン酸グリセリル、トリ( カプリル・カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
エステル油の例としては、パルミチン酸エチルへキシル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
これらの中でも、毛髪保護の観点からトリグリセライドが好ましく、植物油がより好ましく、ツバキ油、オリーブ油は特に好ましい。また、(B)成分は、1種または2種以上を用いることができる。
(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計含有量を100質量%としたとき、(B)成分の含有量は、15〜45質量%である。(B)成分の含有量が15質量%未満では、ドライ後のまとまり及び滑らかさが失われてしまうので、15質量%以上とするが、20質量%以上が好ましく、25質量%以上が更に好ましい。また、(B)成分の含有量が45質量%を超えると、ドライ後に毛髪のボリューム感が損なわれるので、45質量%以下とするが、40質量%以下が好ましく、35質量%以下が更に好ましい。
〔(C)成分〕
本発明に用いられる(C)成分は、揮発性炭化水素油および揮発性シリコーン油からなる群より選ばれた一種以上である。毛髪上で速やかに揮散し、乾燥する性質を有するという観点から、37℃における動粘度が15mm/s以下である揮発性炭化水素が好ましく、また25℃における動粘度が20mm/s以下である揮発性シリコーン油が好ましい。
こうした揮発性系炭化水素油としては、例えば、水添ポリイソブテン、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられ、揮発性低分子シリコーンとしては、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルトリメチコン等が挙げられる。なかでも、水添ポリイソブテン、イソドデカン、デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましく、水添ポリイソブテンはさらに好ましい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計含有量を100質量%としたとき、本発明のヘアオイル組成物中における(C)成分の含有量は、50〜80質量%とする。成分(C)の含有量が50質量%未満では、ドライ後に毛髪のボリューム感が損なわれるので、50質量%以上とするが、55質量%以上が好ましく、60質量%以上が更に好ましい。また、成分(C)の含有量が80質量%を超えると、ドライ後に毛髪がパサつきまとまりにくくなってしまうので、80質量%以下とするが、75質量%以下が好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
本発明のヘアオイル組成物は、上記の必須成分(A)〜(C)に加えて、ヘアオイル等の毛髪化粧料に通常使用される他の成分を含有していてもよい。他の成分の具体例としては、保湿剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤、植物抽出物、香料等が挙げられる。
<M、MおよびAs値>
昭和電工製GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定装置を用いて、前述のようにして、M、MおよびAsを求めた。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。実施例1〜7、及び、比較例1〜3で用いている化合物A−1〜3は次のように合成した。
(参考合成例:複合金属シアン化物錯体触媒の合成)
塩化亜鉛2.1gを含む2.0mlの水溶液中に、カリウムヘキサシアノコバルテートKCo(CN)を0.84g含む15mlの水溶液を、40℃にて攪拌しながら15分間かけて滴下した。滴下終了後、水16ml、tert−ブチルアルコール16gを加え、70℃に昇温し、1時間攪拌した。室温まで冷却後、濾過操作(1回目濾過)を行い、固体を得た。この固体に、水14ml、tert−ブチルアルコール8.0gを加え、30分間攪拌したのち濾過操作(2回目濾過)を行い、固体を得た。
さらに再度、この固体にtert−ブチルアルコール18.6g、メタノール1.2gを加え、30分間攪拌したのち濾過操作(3回目濾過)を行い、得られた固体を40℃、減圧下で3時間乾燥し、複合金属シアン化物錯体触媒0.7gを得た。
(化合物A−1〜3)
温度計、圧力計、安全弁、窒素ガス吹き込み管、撹拌機、真空排気管、冷却コイル、蒸気ジャケットを装備したステンレス製5リットル(内容積4,890ml)の耐圧反応装置に、ブチルプロピレングリコール200gと参考合成例の複合金属シアン化物錯体触媒0.2gを仕込んだ。窒素置換後、110℃へと昇温し、0.3MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン210gを4時間かけて仕込んだ。この際、反応槽内の圧力と温度の経時的変化を測定した。
4時間後、反応槽内の圧力が急激に減少した。その後、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、徐々にメチルオキシランを投入し、3,287gのメチルオキシランを撹拌下に連続的に加圧添加した。このとき、メチルオキシランを840g添加するまでの時間は60分、2,100g添加するまでの時間は108分、3,287g添加するまでの時間は132分であった。
添加終了後、110℃で1時間反応させた後、反応槽より1,680gを抜き取った。
さらに、反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン174gを20分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より619gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。得られた反応物(化合物A−1)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。
その結果、M/Mは0.52、Asは0.61であった。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン121gを30分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より370gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。得られた反応物(化合物A−2)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。
その結果、M/Mは0.42、Asは0.59であった。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン122gを30分かけて添加した。110℃で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。得られた反応物(化合物A−3)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。
その結果、M/Mは0.36、Aは0.57であった。
化合物A−1〜3、及び、(A’)成分であるPREMINOL S1004F(旭硝子(株)製、高分子量・低副生物ポリエーテルポリオール、官能基数1)のクロマトグラムから求められるML/MHおよびAsの値、さらに化合物の特性を表1に示す。
なおPREMINOL S1004Fについては、クロマトグラムの屈折率極大点が一つではなく、単峰系のピークでないため、最大屈折率極大点をもつピークにおけるM/MおよびAの値を示す。
なお、表1中、水酸基価はJIS
K−1557−1、動粘度はJIS K−2283、不飽和度はJIS K−1557に準拠して測定したものであり、分子量は水酸基価より算出したものである。
Figure 0006833180

〔実施例1〜7、比較例1〜3〕
表2、表3に示す組成および下記製法にてヘアオイルを調製し、これらについて下記評価法で使用テストを行った。その結果も併せて表2、表3に示す。
(製法)
表1中の成分(A)〜(C)を均一に混合溶解してヘアオイル組成物を得た。
〔評価項目及び評価基準〕
(1)厚みのある塗布感
20名の女性(24才〜58才)をパネラーとし、ヘアオイルを手のひらに取り、タオルドライ後に根元から毛先に向かって塗布した際の厚みについて下記のように判定し、20名の合計値を求めて、判定を行った。

2点: 根元から毛先まで、ヘアオイルを毛髪に塗り込んでいる感覚がある
1点: 毛先にかけてヘアオイルの塗布感が十分に得られない
0点: 塗布はじめから終わりまで、ヘアオイルの塗布感が十分に得られない
(2) ドライ後の滑らかさ
20名の女性(24才〜58才)をパネラーとし、タオルドライ後にヘアオイルを使用し乾燥させた後の毛髪の滑らかさについて下記のように判定し、20名の合計値を求めて、判定を行った。

2点: 毛髪の滑り性がよく、非常に滑らかである
1点: 毛髪の滑り性がややよく、程々に滑らかである
0点: 毛髪の滑り性が悪く、滑らかさが不十分である
(3) ドライ後のボリューム感
20名の女性(24才〜58才)をパネラーとし、タオルドライ後にヘアオイルを使用し乾燥させた後の毛髪のボリューム感について下記のように判定し、20名の合計値を求めて、判定を行った。

2点: ボリューム感が十分にある
1点: ボリューム感が程よくある
0点: ボリューム感が失われている
(4) ドライ後のまとまり
20名の女性(24才〜58才)をパネラーとし、タオルドライ後にヘアオイルを使用し乾燥させた後の毛髪のまとまりについて下記のように判定し、20名の合計値を求めて、判定を行った。

2点: パサつきがなく、毛先までまとまっていると感じる
1点: パサつきが抑えられ、ややまとまっていると感じる
0点: まとまっているとは感じない、もしくは広がっている、パサついていると感じる
〔判定基準〕
◎・・・合計点が35点以上
○・・・合計点が30点以上35点未満
△・・・合計点が20点以上30点未満
×・・・合計点が20点未満
Figure 0006833180

Figure 0006833180


注1:「パールリーム3」(日油(株)社製)
実施例1〜7より、本発明による成分を用いたヘアオイル組成物はいずれも、厚みのある塗布感に優れ、ドライ後に毛髪のボリューム感を損なわずに、滑らかさとまとまりを付与する効果に優れていた。
一方、比較例1〜3では、十分な効果が得られていない。
比較例1では、(A)成分を配合していないことから、塗布時の厚み、ドライ後の滑らかさが失われている。
比較例2では、(B)成分の配合量が少ないことから、ドライ後の滑らかさ及びまとまりが弱くなっている。
比較例3では、(A)成分に換えて、本発明外の分子量分布の狭いアルキルオキシラン誘導体(A’)が配合されていることから、厚みのある塗布感とドライ後のボリューム感が失われている。

Claims (1)

  1. (A)下記式(1)で表され、下記式(2)、式(3)および式(4)を満足するアルキルオキシラン誘導体を0.1〜5質量%、
    (B)25℃において液状のトリグリセライドおよび25℃において液状のエステル油からなる群より選ばれた一種以上の成分を15〜45質量%、および
    (C)揮発性炭化水素油および揮発性シリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の成分を50〜80質量%
    含むことを特徴とする、ヘアオイル組成物

    O−(AO)−H ・・・・(1)

    (式(1)中、
    は炭素数1〜22の炭化水素基を示し、
    AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
    nは25以上の数を示す。)

    0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

    (式(2)において、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)

    =W1/2/W5% ・・・(3)
    0.30≦A≦0.70 ・・・(4)

    (式(3)および式(4)において、前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点のうち溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとし、点Rと交点Tの距離をW1/2とし、点Rと点Sの距離をW5%とする。)
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