JP6805947B2 - 固形石けん組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、起泡性に優れ、かつ弾力性に富む泡質を有すると共に、洗い上がりはしっとりとした使用感であり、さらに保存安定性や成型性に優れた固形石けん組成物に関する。
従来、顔や身体等の皮膚用の洗浄剤には、脂肪酸塩である石けんが主に使用されている。石けんは、洗浄後に独特のさっぱり感を有するだけでなく、生分解性も良好であり、環境に対しても優しい基剤であり、中でも固形石けんは最も一般的な皮膚用洗浄剤として広く使われている。また、飽和脂肪酸のみを使用した固形石けんは起泡性および保存安定性は良いものの、敏感肌の人の中には石けん特有の洗い上がりのさっぱり感をつっぱり感として感じる場合があった。
このような洗い上がりのつっぱり感を解決するために、たとえば特許文献1に示されるように、高級脂肪酸塩にトレハロース等を混合した固形石けん組成物が開示されている。しかし、本組成物は、泡立ちや泡質、洗い上がり時の使用感は考慮されているものの、成型性、保存安定性に関しては十分なものではなかった。
ここで言う成型性とは、型打ちの際に金型と同様の固形石けん組成物が得られる度合いを示しており、成型性が十分でない例としては金型に付着物が残り、形が崩れてしまうことなどが挙げられる。また、保存安定性とは、固形石けん組成物が湿潤と乾燥の条件下に連続でさらされた際の型崩れの度合いについて示しており、それが十分でない例としては乾燥時のひび割れなどが挙げられる。
石けんの成型性を向上させるための解決策として、特許文献2には、脂肪酸石けんにポリオキシアルキレン型非イオン系界面活性剤や重量平均分子量が200〜25000のポリエチレングリコール等を混合した石けん組成物が開示されている。しかし、本組成物は成型性の他に洗い上がり時の使用感などは考慮されているものの、起泡性や泡の弾力性ついては不十分であった。
さらに、特許文献3には、高級脂肪酸塩にアルキルベタインやベントナイト等を混合した固形石けん組成物が開示されている。しかし、本組成物は泡立ちや泡の弾力性は考慮されているものの、洗い上がり時の使用感に関しては十分なものではなかった。
これらの技術により、起泡性や洗い上がりの使用感、成型性の改善はなされているものの、それらの効果に加え、弾力性に富む泡質、しっとりとした洗い上がり、優れた成型性や保存安定性が全て考慮されている固形石けん組成物は得られておらず、その開発が求められている。
特開2009−256535号公報 特開2002−114994号公報 特開2005−82685号公報
本発明の課題は、起泡性に優れ、かつ弾力性に富む泡質を有すると共に、洗い上がりはしっとりとした使用感であり、さらに保存安定性や成型性に優れた固形石けん組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記(A)、(B)(C)の特定の3成分を特定の割合で組み合わせることによって、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち本発明は、以下のものである。
下記の成分(A)を0.1〜5質量%、成分(B)を70〜90質量%、および成分(C)を0.1〜10質量%含有することを特徴とする、固形石けん組成物。
(A)式(1)で表され、かつ下記式(2)、式(3)および式(4)の関係を満足するアルキルオキシラン誘導体

O−(AO)n−H ・・・・(1)

(式(1)中、
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは69〜130の数を示す。)

0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

(ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)

As=W1/2/W5% ・・・(3)
0.30≦As≦0.70 ・・・(4)

(前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点のうち溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとしたとき、点Rと交点Tの距離をW1/2とし、点Rと点Sの距離をW5%とする。)

(B)炭素数12〜16の飽和脂肪酸塩

(C)炭素数3または4の2〜3価のアルコール
本発明の固形石けんは、起泡性に優れ、かつ弾力性に富む泡質を有すると共に、洗い上がりはしっとりとした使用感であり、さらに保存安定性や成型性に優れたものである。
図1は本発明にて定義されるMとMを説明するためのモデルクロマトグラム図である。 図2は本発明にて定義されるW1/2とW5%を説明するためのモデルクロマトグラム図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の固形石けん組成物は、下記(A)、(B)および(C)の各成分を含有する。以下、成分(A)から順次説明する。
〔成分(A):アルキルオキシラン誘導体〕
本発明に使用するアルキルオキシラン誘導体は、式(1)で表され、かつ式(2)、式(3)および式(4)の関係を満足する。

O−(AO)n−H ・・・・(1)

(式(1)中、
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは69〜130の数を示す。)

0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)
As=W1/2/W5% ・・・(3)
0.30≦As≦0.70 ・・・(4)
式(1)において、R 炭素数1〜6のアルキル基である。
は、直鎖アルキル基であってよく、分岐鎖アルキル基であってよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。
特に、炭素数1〜6の直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などを挙げることができる。Rで示される炭素数1〜アルキル基は1種のみでも、2種以上でもよい。
AOは、炭素数3のオキシアルキレン基であり、具体的にはトリメチレン基またはメチルエチレン基であるが、メチルエチレン基が好ましい。
また、nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数で69以上である。nが69未満であると泡の弾力性や洗い上がりの肌のしっとり感が不十分である可能性がある。こうした観点からは、nを69以上とするが、洗い上がりの肌のしっとり感の点では、80以上が好ましく、110以上がさらに好ましい。
また、nが大きくなるにつれて組成物の粘度が上昇し、ハンドリング性が劣化するので、ハンドリングの点から、nは130以下であることがさらに好ましい。
本発明で用いるアルキルオキシラン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において、示差屈折率計を用いて得られたクロマトグラムによって規定される。このクロマトグラムとは、屈折率強度と溶出時間との関係を表すグラフである。
ここで、図1は、アルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるクロマトグラムのモデル図であり、横軸は溶出時間を、縦軸は示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度を示す。
ゲル浸透クロマトグラフに試料溶液を注入して展開すると、最も分子量の高い分子から溶出が始まり、屈折率強度の増加に伴い、溶出曲線が上昇していく。その後、屈折率強度が最大となる極大点Kを過ぎると、溶出曲線は下降していく。
/Mは、それぞれ、以下のようにしてクロマトグラムから算出する。
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、垂線の長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとする。
(3) 点Oと点Qを結んだ直線Gと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をPとする。
(4) 点Oと交点Pの距離をM、交点Pと点Qの距離をMとする。
また、本発明のアルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、クロマトグラムの屈折率強度の極大点が複数ある場合は、それらのうち屈折率強度が最も大きい点を極大点Kとする。さらに同じ屈折率強度の極大点が複数ある場合は、溶出時間の遅いほうを屈折率強度の極大点Kとする。この際、ゲル浸透クロマトグラフィーに使用した展開溶媒などに起因するピークや、使用したカラムや装置に起因するベースラインの揺らぎによる疑似ピークは除く。
また、本発明で用いるアルキルオキシラン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムが左右非対称であり、以下に示すようにして求められるクロマトグラムのピークの非対称値Asが前記式(3)、式(4)を満たす。
図2のクロマトグラムのモデル図を参照しつつ、Asの算出方法について更に説明する。横軸は溶出時間を、縦軸は示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度を示す。
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、その長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/20となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとする。
(3) 点Rと点Sを結んだ直線Hと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をTとする。
(4) 点Rと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。
本発明において、M、MおよびAsを求めるためのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、システムとしてSHODEX(登録商標)
GPC101GPC専用システム、示差屈折率計としてSHODEX RI−71s、ガードカラムとしてSHODEX KF−G、カラムとしてSHODEX KF804Lを3本連続装着し、カラム温度40℃、展開溶剤としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、得られた反応物の0.1重量%テトラヒドロフラン溶液0.1mlを注入し、BORWIN GPC計算プログラムを用いて、屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得る。
本発明の固形石けん組成物において、成分(A)の含有量は、固形石けん組成物の全体を100重量%としたとき、0.1〜5質量%とする。成分(A)の含有量が0.1質量%を下回ると、泡の弾力性、成型性が低下するので、0.1質量%以上とするが、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上が更に好ましい。また、成分(A)の含有量が5質量%を超えると、起泡性や成型性が低下するので、5質量%以下とするが、4質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることが更に好ましい。
〔成分(B):炭素数12〜16の飽和脂肪酸塩〕
本発明で使用する飽和脂肪酸塩は、飽和脂肪酸と塩基とを反応させて得られる炭素数12〜16の飽和脂肪酸塩である。炭素数12〜16の直鎖飽和脂肪酸が特に好ましい。
また、固形石けん組成物の泡立ち、泡質の点から、本発明に使用する飽和脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸のみで構成され(すなわちラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸の合計量が100質量%である)、ラウリン酸が5〜50質量%、ミリスチン酸が40〜80質量%、パルミチン酸が5〜20質量%であるものがより好ましく、さらに好ましくは、ラウリン酸が10〜40質量%、ミリスチン酸が55〜75質量%、パルミチン酸5〜15質量%のものである。
一方、飽和脂肪酸と反応させる塩基としては、アルカリ金属、アンモニウム、またはアルカノールアミンが挙げられ、泡立ち、泡質の点から、ナトリウムおよびカリウムのアルカリ金属からなる塩基が好ましい。ナトリウムおよびカリウムからなる塩基は、ナトリウム/カリウムの質量比が99/1〜50/50であるものがより好ましく、90/10〜60/40であるものがさらに好ましい。
さらに、固形石けん組成物全体を100質量%としたとき、(B)成分の含有量は、70〜90質量%とする。成分(B)の含有量が70質量%を下回ると、泡量、成型性、保存安定性が低下するおそれがあるので、70質量%以上とするが、80質量%以上が好ましい。また、(B)成分の含有量が90質量%を超えても成型性が低下するおそれがある。
〔成分(C):炭素数3または4の2〜3価アルコール〕
本発明の固形石けん組成物では、炭素数3または4の2〜3価アルコールを使用する。この多価アルコールとしては、例えばプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられ、グリセリンが特に好ましい。
また、本発明の固形石けん組成物全体を100質量%としたとき、成分(C)の含有量は、固形石けん組成物中、0.1〜10質量%とする。成分(C)の含有量が0.1質量%を下回ると、洗浄時の溶解性、すすぎ後の保湿感、成型性が低下するおそれがあるので、0.1質量%以上とするが、0.3質量%以上が更に好ましい。また、成分(C)の含有量が10質量%を超えると、石けんの成型性、保存安定性が低下するおそれがあるので、10質量%以下とするが、5質量%以下が好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
本発明の固形石けん組成物には、本発明の性能を損なわない範囲で、洗浄剤に使用されている添加剤を配合することも可能である。添加剤としては、例えば、高級アルコール、シリコーン誘導体、蛋白誘導体、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ラノリン、レシチン、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等の油性基剤、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミノ酢酸塩、アミドアミノ酸塩等の両性界面活性剤、アシルメチルタウリン塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子、pH調製剤である酸およびアルカリ、殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、色素、香料等を配合することができる。
固形石けん組成物全体を100質量%としたとき、水の含有量は、
3〜18質量%が好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。また、成分(A)〜(C)および水を除く添加剤の含有量は、8質量%以下が好ましく、5質量%以下が更に好ましく、添加剤を含まなくとも良い。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、各種物性値については、下記に示す方法によって測定した。
<M、MおよびAs値>
昭和電工製GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定装置を用いて、前述のようにして、M、MおよびAsを求めた。
〔成分(A)の調製〕
温度計、圧力計、安全弁、窒素ガス吹き込み管、撹拌機、真空排気管、冷却コイル、蒸気ジャケットを装備したステンレス製5リットル(内容積4,890ml)の耐圧反応装置にブチルプロピレングリコール200gと複合金属シアン化物錯体触媒0.2gを仕込んだ。窒素置換後、110℃へと昇温し、0.3MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン210gを4時間かけて仕込んだ。この際、反応槽内の圧力と温度の経時的変化を測定した。
4時間後、反応槽内の圧力が急激に減少した。その後、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、徐々にメチルオキシランを投入し、3,287gのメチルオキシランを撹拌下に連続的に加圧添加した。このとき、メチルオキシランを840g添加するまでの時間は60分、2,100g添加するまでの時間は108分、3,287g添加するまでの時間は132分であった。
添加終了後、110℃で1時間反応させた後、反応槽より1,680gを抜き取った。反応槽の残存物を110℃へと昇温し、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン696gを77分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より1,188gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン291gを35分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より752gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。さらに、反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン174gを20分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より619gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。
得られた反応物(高分子量アルキルシラン誘導体1:n=69について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。その結果、M/Mは0.52であり、Asは0.61であった。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン121gを30分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より370gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。
得られた反応物(高分子量アルキルシラン誘導体2:n=89)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。その結果、M/Mは0.42であり、Asは0.59であった。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン122gを30分かけて添加した。110℃で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。
得られた反応物(高分子量アルキルシラン誘導体3:n=121)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。その結果、M/Mは0.36であり、Asは0.57であった。
(成分(A’))
一方、以下のように、表1、2に示すような本発明外の成分(A’)を準備した。
(高分子量アルキルシラン誘導体4)
「PREMINOL S1004F」(旭硝子株式会社製)
n=55 M/M=1.05 As=0.97
(シリコン類)
KF−96−1000cs(粘度が950〜1050mm/sのジメチコン)
(低分子量アルキルシラン誘導体)
「ユニオールD−1200」日油株式会社製
重合度20のポリプロピレングリコール
/M=1.01: As=1.02
〔固形石けん組成物の調製〕
脂肪酸を5L双腕式混練機(入江商会(株)製PNV−5型)に入れて約80℃で溶解した後、28質量%アルカリ水溶液を用いて中和した。中和点はフェノールフタレイン指示液を用いて微紅色であることを確認した。次に、グリセリン(日油(株)製「RG−S」)、クエン酸およびラウリン酸を添加し、加熱攪拌により水分10質量%前後まで乾燥して、石けん素地を得た。
得られた石けん素地に、表1、表2に示すように、上述した各成分(A)または成分(A’)、成分(B)、成分(C)を加えてよく混合し、口金にハチノス状の金具を付けたプロッダー(日本化工機(株)製「ミニソーププロッダー」)とロールミル(アイメックス(株)製「BR-150型ベンチロール」)で3回混練を繰り返した。次いで、プロッダーの口金をソープバーが押し出せる形状のものに取り替えて押し出しを行って、ソープバーを得た。さらに、得られたソープバーを型打ち機(日本化工機(株)製「FP−171」)により成形して固形石けんを得た。
〔実施例1〜4、比較例1〜5〕
実施例および比較例の各固形石けん組成物を泡立てた際の起泡性や弾力性といった泡質およびそれらの泡質の持続性、洗い上がりの使用感、製造時の成型性および保存安定性について、それぞれ後述する評価方法により試験を行った。評価結果を表1、表2に併せて示す。
〔起泡性〕
10名の女性(10代〜30代)をパネラーとし、石けんを手に取って泡立てた際の泡立ちについて下記の基準に基づき評価した。
2点・・速やかに泡立つ。
1点・・泡立ちがやや遅い。
0点・・泡立ちが遅い。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎: 合計点が16 〜20点
○: 合計点が11〜15点
△: 合計点が6〜10点
×: 合計点が0〜5点
〔弾力性〕
10名の女性(10代〜30代)をパネラーとし、石けんを手に取って泡立てた際の泡質について下記の基準に基づき評価した。
2点・・泡のきめ細かく弾力性に富んでいる。
1点・・泡のきめや弾力性がやや不十分である。
0点・・泡のきめや弾力性が足りない
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎: 合計点が16〜20点
○: 合計点が11〜15点
△: 合計点が6〜10点
×: 合計点が0〜5点
〔洗い上がりの使用感〕
10名の女性(20〜40代)をパネラーとして、固形石けんを泡立てた後、流水で十分にすすぎ、タオルで水分を拭き取った後の状態について、下記の基準で判定した。
2点・・しっとり感が長く肌に留まると感じた場合。
1点・・ しっとり感を感じるが、しばらくすると感じなくなる場合。
0点・・ しっとり感を感じなかった場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎: 合計点が16〜20点
○: 合計点が11〜15点
△: 合計点が6〜10点
×: 合計点が0〜5点
〔成型性〕
上記製造例に準じて押し出し機と型打ち機を用いて、固形石けん10個を成形した後、金型への付着物の有無を目視で観察し、さらに成形後の個々の石鹸の外観を目視で観察して下記の基準で判定した。
○: 金型に付着物がなく、成形後の石けん表面にひび割れが見られない。
×: 金型に付着物が見られるか、成形後の石けん表面にひび割れが見られる。
〔保存安定性〕
得られた石鹸に針金を通して、石鹸全体を針金で吊り下げながら約20℃の水中に90分間浸漬した。次いで、石鹸を取り出し、針金で吊り下げたまま20℃恒温槽にて一昼夜放置して乾燥させた。乾燥させた石鹸の表面のひび割れを観察し、保存安定性について、以下の基準で判定した。
○: 全くひび割れがない。
△: 浅いまたは小さいひび割れがある。
×: 深いまたは大きいひび割れがある。
Figure 0006805947

Figure 0006805947

本発明に係る実施例1〜4の固形石けん組成物は、速泡性、泡量、泡の弾力性、泡の持続性、すすぎ後の持続的なうるおい感、成型性および保存安定性に優れていた。
比較例1の固形石けんは、成分(A)を含有しないので、泡の弾力性、持続性、洗い上がりの使用感、成型性、保存安定性が不十分であった。
比較例2の固形石けんは、成分(A)の含有量が多いので、起泡性、成型性が不十分であった。
比較例3の固形石けんは、成分(A)に代えて、本発明外の高分子量アルキルシラン誘導体4を含有するので、保存安定性が不十分であった。
比較例4の固形石けんは、成分(A)に代えて、シリコン類を含有するので、泡の弾力性、持続性、洗い上がりの使用感、保存安定性が不十分であった。
比較例5 の固形石けんは、成分(A)に代えて、式(1)中におけるnが25未満の低分子量アルキルオキシラン誘導体を含有するので、泡の弾力性、洗い上がりの使用感が不十分であった。

Claims (1)

  1. 下記の成分(A)を0.1〜5質量%、成分(B)を70〜90質量%、および成分(C)を0.1〜10質量%含有することを特徴とする、固形石けん組成物。

    (A)式(1)で表され、かつ下記式(2)、式(3)および式(4)の関係を満足するアルキルオキシラン誘導体

    O−(AO)n−H ・・・・(1)

    (式(1)中、
    は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
    AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
    nは69〜130の数を示す。)

    0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

    (ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)

    As=W1/2/W5% ・・・(3)
    0.30≦As≦0.70 ・・・(4)

    (前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点のうち溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとしたとき、点Rと交点Tの距離をW1/2とし、点Rと点Sの距離をW5%とする。)

    (B)炭素数12〜16の飽和脂肪酸塩

    (C)炭素数3または4の2〜3価のアルコール
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