JP6832767B2 - 電動機用ヨーク、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
たとえば、特許文献1には、永久磁石を備えたロータと、コイルが巻回されるステータと、を備えたモータに対して、磁性材からなる磁性管をステータの内径に密着させる構成が開示されている。
図1は、本第1実施形態に係る電動機101の全体構成を示す概略構成図(断面図)である。電動機101は、例えば電気自動車等の車両に動力源として搭載される。
なお、本願発明の給電ユニットは、車両用の電動機101に限らず、固定式の電動機やその他用途の電動機にも適用が可能である。
ケース102は、両端が閉止された略円筒形状を備え、その内部に、円柱状の空間が形成されている。
ロータ103は、ケース102の軸心部に回転可能に軸支されている。
ステータ104は、図2に示すように、筒形状を備え、図1に示すように、筒内にロータ103が配置される。そして、ステータ104は、図2に示すように、コア板積層体105と、コア板積層体105に装着されたコイル106とを備えている。
つまり、本実施形態の電動機用ヨークは、コア板積層体105として、ステータ104を構成している。
コア板10は、図3に示すように、円環状に打ち抜かれた薄板状の磁性鋼板で形成されている。また、コア板10は、スロット11、ティース12、背面側コア13、および前面側コア14を備えている。
ティース12は、スロット11とスロット11の間に位置し、径方向に沿って延在し、前面側コア14と背面側コア13とを連結している。また、ティース12には、コイル106がSC形式で巻回される(図2参照)。
背面側コア13は、隣接するティース12の外径側を繋いでいる。
前面側コア14は、ロータ103(図1参照)に面しつつ、隣接するティース12の内径側を繋いでいる。
そして、隣接する一対のティース12と、前面側コア14と、背面側コア13とで磁路MCが形成されている。なお、ティース12は、隣接する磁路MCを兼ねている。
前面側コア14の幅寸法は、ティース12側の根元部分から徐々に狭くなり、薄肉部15で最も狭くなるように設定されている。
薄肉部15は、前面側コア14の板厚方向に窪む半円形の窪みによって形成され、その板厚寸法が、前面側コア14におけるティース12側の根元部分よりも薄くなるように設定されている。
つまり、磁気回路の中で、磁束密度が、薄肉部15の中央部分で最も高くなるように(磁束が前面側コア14の中央部分に集中するように)、前面側コア14の形状が設定されている。
コア板10の形成には、コア板10の外形形状、およびスロット11を打ち抜く型抜き工程と、鍛造やプレス等の潰し加工、および切削加工等によって、薄肉部15を形成する減肉工程とが行われる。なお、型抜き工程と減肉工程の作業順は、スロット11、および薄肉部15の形状等を考慮し、適宜決定される。
なお、図6、図7は、電動機101の一例であり、最適な減肉率は機種によって異なる。
たとえば、トルクリプルが最も顕著に表れるトルク域、乗員が違和感を受け易い運転状況で多用されるトルク域、および他の関連機器への影響が大きなトルク域等を設定トルクに設定することができる。そして、設定される各トルク域に応じて、高調波成分を考慮しつつ、薄肉部15の減肉率を設定する。
本第1実施形態の電動機用ヨークでは、前面側コア14におけるティース12間の中間部分(周方向の中間部分)に、他の部位よりも板厚が薄く設定された薄肉部15を備えている(図3参照)。
これによって、ティース12の一端側から前面側コア14における磁束変動が緩やかになるため、トルクリプルが低減されるとともに、渦電流損の発生を抑制することができる。
これによって、高トルク領域でのトルク低下を抑制することができる。
そして、薄肉部15は、潰し加工や切削加工等の比較的安価な加工方法での形成が可能である。
以上のことから、薄肉部15を設けることで、低コストでトルクリプルを低減することができる。
これによって、ティース12の一端側から前面側コア14における磁束変動が、さらに緩やかになるため、トルクリプルが低減されるとともに、渦電流損の発生を抑制することができる。
これによって、ティース12の一端側から前面側コア14における磁束変動を、緩やかにすることができる。
なお、本第1実施形態では、電動機用ヨークとして、ステータ104を構成するコア板積層体105を例示したが、これに限定されるものではない。たとえば、ロータ103を構成するヨークとして採用することも可能であり、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
前述の電動機用ヨーク(コア板積層体105)は、前面側コア14の中央部分で分割せずに一体に構成されており、磁路MCが途中で途切れずに閉じているが、このような構成に限定するものではない。
たとえば、第2実施形態では、図8、図9に示すように、前面側コア14には、薄肉部15の中央部分に、スロット11に通じるスリット16が形成されている。
つまり、前面側コア14は、一方のティース12側と、他方のティース12側とに2分割されている。そして、スリット16によって、磁路MCが開いている。
次に、潰し加工によって薄肉部15を形成する減肉工程を行う。
本第2実施形態のような構成にすることによって(図8参照)、前述の第1実施形態で得られる作用効果に加え、前面側コア14での磁束漏れが防止されて、急激な磁束密度の変化が抑制され、渦電流損をさらに低減することができる。
また、スロット11が開いていることで、巻線をティース12に巻掛ける作業を効率よく行うことができる。
つまり、潰し加工によってスリット16周辺部分が圧延されて薄肉化し、薄肉部15が形成され、圧延によって、スリット16の間隔が狭まる。
これによって、スリット16の間隔を、プレス加工では打ち抜きが困難な間隔に狭めることができる。
次に、本第3実施形態に係る電動機用ヨークの作用効果について説明する。
本第3実施形態の薄肉部15は、径方向に沿って板厚が変化するように設定されている。このような構成とした場合であっても、前述の第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、本第3実施形態の別態様として、図12に示すように、薄肉部15を径方向に沿ってロータ側で薄く、スロット側で厚くなるようにテーパー状に変化する形態を採用することも可能である。そして、このような形態とすることで、本第3実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、磁束変動を緩やかにすることができる。
本第4実施形態では、各前面側コア14に薄肉部15が形成され、各薄肉部15は、幅、および板厚がそれぞれに設定されている。
これによって、各薄肉部15が対応する高調波成分の次数毎にトルクリプルを抑制することができるため、より安定したトルクを発生することができる。
また、選択される薄肉部15の形状を、1枚のコア板10の周方向に変える構成とするだけでなく、コア板積層体105の積層方向に変える構成とすることも可能である。
さらに、本願発明の電動機用ヨークを第1実施形態〜第4実施形態のように、ステータ104のコア板積層体105に適用した場合、ステータ104は回転体ではないので、同一形状の薄肉部15を回転対称に配置する必要はない。このため、全ての薄肉部15を異なった形状とすることも可能である。
12 ティース
14 前面側コア
15 薄肉部
103 ロータ
104 ステータ
105 電動機用ヨーク(コア板積層体)
Claims (6)
- 円環形状を有する薄板状の磁性材からなり、積層されてロータとステータのどちらか一方を構成するコア板と、
該コア板を構成し、径方向に沿って延在するティースと、
該コア板を構成し、隣接する該ティースの一端側の間に位置しつつ、該ロータと該ステータの他方に面する前面側コアと、
を備えた電動機用ヨークにおいて、
前記前面側コアは、
前記ティース間の中間部分に位置する部位に、他の部位よりも板厚が薄く設定された薄肉部を備え、
前記薄肉部は、径方向に沿って板厚が変化する
ことを特徴とする電動機用ヨーク。 - 前記コア板は、
前記ステータを構成しつつ、径方向に沿って板面を貫通する長孔からなるスロットを備え、
前記薄肉部は、
径方向に沿って前記ロータ側で薄く、該スロット側で厚く、階段状に変化する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動機用ヨーク。 - 前記コア板は、
前記ステータを構成しつつ、径方向に沿って板面を貫通する長孔からなるスロットを備え、
前記薄肉部は、
径方向に沿って前記ロータ側で薄く、該スロット側で厚くなるようにテーパ状に変化する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動機用ヨーク。 - 前記前面側コアは、
隣接するティースの一端側を連結する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電動機用ヨーク。 - 前記前面側コアは、
前記薄肉部の中央部分で、一方の前記ティース側と、他方の該ティース側とに2分割されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電動機用ヨーク。 - 請求項5に記載の電動機用ヨークを製造する電動機用ヨークの製造方法において、
前面側コアを2分割する型抜き工程の後に、
潰し加工によって薄肉部を形成する減肉工程を行う
ことを特徴とする電動機用ヨークの製造方法。
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