JP6832746B2 - 回転電機、スロット絶縁紙、回転電機の固定子の製造方法、及びスロット絶縁紙の製造方法 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1による回転電機100を模式的に示す断面図であり、回転中心に沿った断面を示している。図2は図1のII−II線に沿う断面図であり、回転中心に直交する断面を示している。
回転子4は、回転電機100の界磁である。また、回転子4は、略円筒形の回転子鉄心40と、複数の永久磁石41とを有している。回転子鉄心40は、鉄等の強磁性体により構成されている。永久磁石41は、回転子鉄心40の外周面に貼り付けられている。回転子鉄心40の中心には、回転軸5が固定されている。
固定子3は、回転電機100の電機子である。また、固定子3は、回転子4の外周側に一定の空隙を介して配置されている。さらに、固定子3は、固定子鉄心30と、複数の固定子巻線35とを有している。
図3は図2の固定子鉄心30の一部を拡大して示す断面図であり、固定子巻線35が取り除かれた状態を示している。外周側鉄心30aの内周部には、ティース31と同数の切欠37が設けられている。各切欠37の断面形状は、固定子鉄心30の径方向内側へ向けて広がったV字形である。
図4は図2の固定子3の一部を拡大して示す断面図である。各スロット36の断面形状は、長方形である。固定子巻線35のスロット36に挿入されている部分であるスロット挿入部51の占積率を高くするため、断面が長方形のコイル導体51a,51b,51c,51dが用いられている。
本実施の形態のスロット絶縁紙9は、2枚の不織布間に樹脂フィルムを挟み込んだ3層構造のシートにより構成されている。また、本実施の形態のスロット絶縁紙9の厚さ寸法は、0.15mmである。但し、スロット絶縁紙9の材料及び厚さ寸法はこれに限定されない。
次に、スロット絶縁紙9のスロット36への挿入方法について説明する。スロット絶縁紙9をスロット36に挿入する場合、まずスロット絶縁紙9をスロット36の入口に配置する。そして、図12に示すように、板状の挿入治具94でスロット絶縁紙9の径方向絶縁部93を内周方向に押す。これにより、図13に示すように、スロット絶縁紙9がスロット36内に挿入される。
次に、固定子巻線35のスロット36への挿入方法について説明する。固定子巻線35をスロット36に挿入する場合、図15に示すように、内周側鉄心30bの外周部に、内周側鉄心30bの周方向への固定子巻線35の位置を規制する複数の規制治具53を装着する。このとき、規制治具53をティース31の先端に嵌合させる。
スロット絶縁紙9を製造する場合、矩形のシートを折り曲げることにより、互いに対向する一対の周方向絶縁部92と、周方向絶縁部92の端部間を繋いでいる径方向絶縁部93とを形成する。そして、径方向絶縁部93を金型でプレスすることにより、径方向スロット収納部93aに突起部93a1を形成する。
次に、図18はこの発明の実施の形態2による回転電機の要部断面図である。
<スロット絶縁紙形状>
実施の形態2のスロット絶縁紙9は、一対の周方向絶縁部92及び径方向絶縁部93に加えて、開口絶縁部95をさらに有している。開口絶縁部95は、一方の周方向絶縁部92の径方向絶縁部93とは反対側の端部から、他方の周方向絶縁部92へ向けて突出している。
次に、固定子巻線35のスロット36への挿入方法について説明する。固定子巻線35をスロット36に挿入する場合、図19に示すように、内周側鉄心30bの外周部に、内周側鉄心30bの周方向への固定子巻線35の位置を規制する複数の規制治具53を装着する。このとき、規制治具53をティース31の先端に嵌合させる。
次に、図24はこの発明の実施の形態3による回転電機の要部断面図である。固定子鉄心30は、複数の薄板301を積層して構成されている。この例では、薄板301として電磁鋼板が用いられている。突起部93a1は、スロット36の底面側へ突出した位置ずれ防止突起部としての複数の凸部93a1aを含んでいる。
また、位置ずれ防止突起部は、必ずしも等間隔で配置する必要はなく、1つ1つの間隔が薄板301の板厚の正の整数倍になっていればよい。
さらにまた、突起部の個数は特に限定されない。
さらに、上記の例では、スロット形状が長方形であるため、断面が長方形のコイル導体を用いたが、コイル導体の断面形状はこれに限定されない。例えば、スロット形状が台形であれば、コイル導体の断面を台形としてもよい。その場合、台形断面のコイル導体は、一般的な丸断面又は長方形断面のコイル導体を塑性変形させて製作することができる。
また、上記の例では、固定子鉄心30が外周側鉄心30aと内周側鉄心30bとに分割されており、内周側鉄心30bの径方向外側にスロット36の開口が設けられているが、固定子鉄心の構造はこれに限定されない。例えば、スロットの開口が径方向内側にあり、固定子巻線が径方向外側へ向けてスロット内に挿入されるタイプの固定子鉄心であってもよい。
さらに、この発明は、スロット絶縁紙を用いる種々のタイプの回転電機に適用できる。
Claims (12)
- スロットが設けられている固定子鉄心と、前記スロットに設けられている固定子巻線と、前記スロット内で前記固定子鉄心と前記固定子巻線との間に介在しているスロット絶縁紙とを有している固定子を備え、
前記スロット絶縁紙は、
前記固定子鉄心の周方向の前記固定子巻線の両端面に接する一対の周方向絶縁部と、
前記スロットの底部で前記一対の周方向絶縁部を繋いでいる径方向絶縁部と
を有しており、
前記径方向絶縁部には、前記径方向絶縁部の厚さ方向へ突出した突起部が設けられており、
前記径方向絶縁部の厚さ寸法が前記周方向絶縁部の厚さ寸法よりも大きい回転電機。 - 前記スロットの底部は、前記スロットにおいて前記固定子に対向する回転子側の底部である請求項1記載の回転電機。
- 前記突起部は、前記スロットの底部と前記固定子巻線との間で潰されている請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
- 前記突起部は、稜線が前記固定子鉄心の軸方向の端面に平行な山状である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記スロット絶縁紙は、一方の前記周方向絶縁部の前記径方向絶縁部とは反対側の端部から他方の前記周方向絶縁部へ向けて突出した開口絶縁部をさらに有している請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記固定子鉄心は、複数の薄板を積層して構成されており、
前記突起部は、前記スロットの底面側へ突出した複数の位置ずれ防止突起部を含み、
前記位置ずれ防止突起部は、前記薄板の厚さ寸法の正の整数倍の間隔で配置されている請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の回転電機。 - 固定子鉄心のスロット内で前記固定子鉄心と固定子巻線との間に介在するスロット絶縁紙であって、
互いに対向する一対の周方向絶縁部と、
前記一対の周方向絶縁部の端部間を繋いでいる径方向絶縁部と
を備え、
前記径方向絶縁部には、前記径方向絶縁部の厚さ方向に突出した突起部が設けられており、
前記径方向絶縁部の厚さ寸法が前記周方向絶縁部の厚さ寸法よりも大きいスロット絶縁紙。 - 一方の前記周方向絶縁部の前記径方向絶縁部とは反対側の端部から他方の前記周方向絶縁部へ向けて突出した開口絶縁部をさらに備えている請求項7記載のスロット絶縁紙。
- 前記径方向絶縁部の形状は長方形であり、
2つ以上の前記突起部が前記径方向絶縁部の長辺に平行な方向に互いに間隔をおいて配置されている請求項7又は請求項8に記載のスロット絶縁紙。 - 互いに対向する一対の周方向絶縁部と、前記一対の周方向絶縁部の端部間を繋いでいる径方向絶縁部とを有しており、前記径方向絶縁部に前記径方向絶縁部の厚さ方向に突出した突起部が設けられており、前記径方向絶縁部の厚さ寸法が前記周方向絶縁部の厚さ寸法よりも大きいスロット絶縁紙を、固定子鉄心のスロット内に挿入するとともに、固定子巻線を前記スロット内に挿入して、前記固定子鉄心と前記固定子巻線との間に介在させる回転電機の固定子の製造方法。
- 前記スロット絶縁紙を前記スロット内に挿入する際に、前記径方向絶縁部を前記スロットの底部に押し付けて前記突起部を潰す請求項10記載の回転電機の固定子の製造方法。
- シートを折り曲げることにより、互いに対向する一対の周方向絶縁部と、前記一対の周方向絶縁部の端部間を繋いでいる径方向絶縁部とを形成するとともに、前記径方向絶縁部を金型でプレスすることにより、前記径方向絶縁部の厚さ方向に突出した突起部を前記径方向絶縁部に形成し、前記径方向絶縁部の厚さ寸法を前記周方向絶縁部の厚さ寸法よりも大きくするスロット絶縁紙の製造方法。
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