以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載されている装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。また、図4〜図9は、天板1の各構成部品の上下をひっくり返した状態の斜視図であるが、説明の便宜上、天板1の使用状態である図1,図2の方向の定義に準じて説明する。
図1〜図3を参照し、天板1の外観構造を説明する。天板1は、図示しないキッチンのキャビネット上面に設けられた開口に上方から落とし込まれて設置されるビルトインコンロに使用される天板である。天板1は、キャビネット内に設置されるビルトインコンロの筐体(図示略)の上部に位置決めされ、ネジ止め固定される。
図1,図2に示すように、天板1は、平面視略矩形状に形成され、後端側を除く前側部分にガラス製のトッププレート2を備え、後端側にアルミ製の後板3を備える。天板1は、外周部に枠の無い所謂「フレームレス」タイプの天板である。トッププレート2と後板3の夫々の下面には、板金のプレス加工成型品である支持板5(図3,図4参照)が接着剤で固定されている。トッププレート2と後板3は、一枚の支持板5によって上側に支持されている。
図3に示すように、支持板5の下面側において、右端部の後端側には、金属製の補強板7が固定されている。左端部の後端側にも、金属製の補強板8が固定されている。補強板7,8は、支持板5の下面において、トッププレート2を上側に支持する部分(後述するプレート支持部51)と、後板3を上側に支持する部分(後述する後板支持部62)との境界部分を跨ぐようにして固定されている。それ故、支持板5の当該境界部分は、補強板7,8により補強されている。
天板1の下面側において、右端側にはトップ固定板9が前後方向に移動可能に設けられ、左端側にはトップ固定板10が前後方向に移動可能に設けられている。トップ固定板9,10は、前後方向に延びる細板状に形成されている。トップ固定板9の前端部には、前方に突出する係止爪部91が設けられている。トップ固定板10の前端部には、前方に突出する係止爪部101が設けられている。トップ固定板9の後端部には、操作螺子95が固定されている。操作螺子95は、後板3に設けられた後述する右側ガイド孔303を上方に挿通する。トップ固定板10の後端部には、操作螺子105が固定されている。操作螺子105は、後板3に設けられた後述する左側ガイド孔305を上方に挿通する。
作業者は、天板1を筐体の上部に位置決めした状態で、天板1の上側から操作螺子95(図1参照)を前方にスライド操作すると、トップ固定板9が前方にスライド移動し、係止爪部91が、筺体の前壁の上部右側に設けられた係止孔(図示略)に係止する。一方、操作螺子105を前方にスライド操作すると、トップ固定板10が前方にスライド移動し、係止爪部101が、筺体の前壁の上部左側に設けられた係止孔(図示略)に係止する。これにより、天板1の前端側が筐体の前壁に対して仮固定される。仮固定された天板1の後端側を、筐体に対してネジ止め固定することで、天板1が筐体に固定される。
このような天板1の下面側において、その外周縁部に沿うようにして、ゴム製のパッキン6(図2〜図4参照)が接着剤で固定されている。パッキン6は平面視四角枠状に形成されている。キャビネット内に設置された筐体の上部に、天板1をネジ止め固定することにより、パッキン6はキャビネット上面に接触し、そのパッキン6がキャビネット上面との間において押し潰されることによって、天板1の外周がシールされる。
図1,図4を参照して、トッププレート2の構造を説明する。トッププレート2は、平面視略矩形状に形成され、右手前にはバーナ開口11、左手前にはバーナ開口12、略中央の奥側にはバーナ開口13が設けられている。バーナ開口11〜13は平面視略円形状に形成されている。バーナ開口11〜13には、ビルトインコンロの筐体内に設けられる各種コンロバーナ(図示略)が下方から上方に向けて挿通される。図1に示すように、バーナ開口11の内周縁部にはカバーリング15、バーナ開口12の内周縁部にはカバーリング16、バーナ開口13の内周縁部にはカバーリング17が設けられている。
図1,図4,図6を参照して、後板3の構造を説明する。後板3は、アルミ板金のプレス加工成型品であり、平面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。後板3の上面における左右方向の略中央部には、外周部よりも下方に一段低くなった凹部31が設けられている。凹部31は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。凹部31の略中央には、排気口301が設けられている。排気口301は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。排気口301は、筐体内に設けられるグリル庫(図示略)のグリル排気口の直上に配置される。凹部31には、多数のスリットを備えるカバー(図示略)が上方から設置され、排気口301が覆われるようになっている。
排気口301の右側には、右側ガイド孔303と固定孔304が前後方向に並んで設けられている。右側ガイド孔303は、固定孔304の後方に配置され、前後方向に長い長孔である。右側ガイド孔303には、操作螺子95が上下方向に挿入される。操作螺子95は、平座金一体螺子である。それ故、操作螺子95は、緩めることによって右側ガイド孔303に沿って前後方向に移動可能となり、締めることによって天板1(後板3)に対して固定される。操作螺子95は、右側ガイド孔303を介して天板1の下面側においてトップ固定板9の後端部に設けられた連結孔93と連結する。それ故、作業者は、操作螺子95を用いることで、天板1の上面側において、トップ固定板9をスライド移動させることができ、さらに天板1に対して位置を固定できる。固定孔304には、天板1の後端側を筺体上部に固定する為のネジ(図示略)が締結される。
排気口301の左側にも、左側ガイド孔305と固定孔306が前後方向に並んで設けられている。左側ガイド孔305は、固定孔306の後方に配置され、前後方向に長い長孔である。左側ガイド孔305には、操作螺子95と同じ操作螺子105が上下方向に挿入される。操作螺子105は、左側ガイド孔305を介して天板1の下面側においてトップ固定板10の後端部に設けられた連結孔103と連結する。それ故、作業者は、操作螺子105を用いることで、天板1の上面側において、トップ固定板10をスライド移動させることができ、さらに天板1に対して位置を固定できる。固定孔306には、天板1の後端側を筺体上部に固定する為のネジ(図示略)が締結される。
後板3において、凹部31の周囲を取り囲む後縁部及び左右両縁部には、上側に隆起する隆起部32が設けられている。隆起部32は、凹部31の周囲を取り囲む平面視略逆U字状(図1参照)に形成され、且つ断面視略逆U字状に形成されている(図4,図9,図10参照)。隆起部32は、上板部321、外板部322、内板部323を備える。上板部321は、平面視逆U字状に形成され、ほぼ水平に左右方向に延びる板部である。外板部322(図2,図4参照)は、上板部321の外周部から下方に突出している。内板部323は、上板部321の内周部から下方に突出し、凹部31の外周部と接続している(図9,図10参照)。それ故、隆起部32は、凹部31よりも上側に隆起するように形成されている。上板部321の外周部と外板部322の接続部分、上板部321の内周部と内板部323の接続部分は、夫々、略円弧状に屈曲している。
図3〜図5を参照して、支持板5の構造を説明する。支持板5は、例えば一枚の板金によるプレス加工成型品である。図4に示すように、支持板5は、平面視略矩形状に形成されている。支持板5は、後端側を除く前側にプレート支持部51を備え、後端側に後板支持部62を備える。プレート支持部51は、平面視略矩形状に形成され、その上面にトッププレート2を貼着して支持する。後板支持部62は、プレート支持部51の後部の左右両側部より後方に向けて延びる平面視逆U字状に形成され、その上部に、後板3を貼着して支持する。
先ず、プレート支持部51の構造を説明する。図4に示すように、プレート支持部51の右手前には開口部55、左手前には開口部56、略中央の奥側には開口部57が設けられている。開口部55〜57は、平面視略円形状に形成され、トッププレート2のバーナ開口11〜13に夫々対応している。開口部55には、バーナ開口11に挿通して係止されたカバーリング15(図1参照)の下部が挿通され、その下部には、トッププレート2と支持板5を間に挟み込んだ状態で、押え板21(図3参照)がネジ止め固定されている。押え板21は平面視略矩形状に形成され、その上面の4つの角部には、上方に突出する略半球状の突出部211(4つのうち1つのみ符号有)が夫々設けられている。押え板21は、これら4つの突出部211を介して支持板5の下面に押し当てられている。開口部55の周囲には、下方に切り起こした4つの突起片551(4つのうち1つのみ符号有)が設けられている。4つの突起片551は、カバーリング15に固定された押え板21の左右の両端部に夫々当接する。それ故、押え板21を支持板5の下面に取り付ける際、これら4つの突起片551の内側に押え板21を配置すればよいので、押え板21の位置決めが容易である。このような構造により、カバーリング15は、トッププレート2のバーナ開口11に対して所定範囲内において前後方向に移動可能である。
なお、詳述しないが、開口部55と同様に、開口部56には、バーナ開口12に挿通して係止されたカバーリング16(図1参照)の下部が挿通され、その下部には、トッププレート2と支持板5を間に挟み込んだ状態で、押え板22(図3参照)がネジ止め固定されている。押え板22も、上面に設けられた4つの突出部221(4つのうち1つのみ符号有)を介して支持板5の下面に押し当てられている。開口部55の周囲には、下方に切り起こした4つの突起片561(4つのうち1つのみ符号有)が設けられている。4つの突起片561は、カバーリング16に固定された押え板22の左右の両端部に夫々当接する。このような構造により、カバーリング16は、トッププレート2のバーナ開口12に対して所定範囲内において前後方向に移動可能である。
また、開口部57には、バーナ開口13に挿通して係止されたカバーリング17(図1
参照)の下部が挿通され、その下部には、トッププレート2と支持板5を間に挟み込んだ状態で、押え板23(図3参照)がネジ止め固定されている。押え板23も、上面に設けられた4つの突出部231(4つのうち1つのみ符号有)を介して支持板5の下面に押し当てられている。開口部57の周囲には、下方に切り起こした4つの突起片571(4つのうち1つのみ符号有)が設けられている。4つの突起片571は、カバーリング17に固定された押え板23の左右の両端部に夫々当接する。このような構造により、カバーリング17は、トッププレート2のバーナ開口13に対して所定範囲内において前後方向に移動可能である。
上記の通り、カバーリング15〜17は、トッププレート2のバーナ開口11〜13に対して所定範囲内において前後方向に移動可能であるので、筺体の上部に天板1を取り付ける際、筺体側に設けられた各コンロバーナに対して、天板1側のバーナ開口11〜13及びカバーリング15〜17との位置合わせを先に行ってから、天板1を筐体上部に載置してネジ止め固定できる。
また、図3,図4に示すように、支持板5の下面の右前方角部には、下方に切り起こした支持片58が設けられている。支持片58は、正面視略矩形状に形成され、その中央には、差込孔581(図4参照)が設けられている。差込孔581には、トップ固定板9の係止爪部91が後方から差し込まれる(図3参照)。一方、支持板5の下面の左前方角部にも、下方に切り起こした支持片59が設けられている。支持片59も、正面視略矩形状に形成され、その中央には、差込孔591(図4参照)が設けられている。差込孔591には、トップ固定板10の係止爪部101が後方から差し込まれる(図3参照)。
さらに、支持板5の下面の右端側における前後方向略中央には、下方に切り起こした支持片60が設けられている。支持片60は、下方に突出し、且つ先端側が右方に屈曲して略水平に延びる正面視略逆L字状に形成されている。支持片60の右方に延びる先端部上には、トップ固定板9の中間部に設けられた差込片92が接触して支持される(図3参照)。一方、支持板5の下面の左端側における前後方向略中央にも、下方に切り起こした支持片61が設けられている。支持片61は、下方に突出し、且つ先端側が左方に屈曲して略水平に延びる正面視略逆L字状に形成されている。支持片61の左方に延びる先端部上には、トップ固定板10の中間部に設けられた差込片102が接触して支持される(図3参照)。
図4に示すように、支持板5の前縁部、右縁部の前側部、左縁部の前側部には、平面視略U字形状の前側突出片541が設けられている。前側突出片541は、支持板5の前縁部、右縁部の前側部、左縁部の前側部から下方に突出し、且つ先端側が外方に屈曲されて略水平に延びる断面視略L字状に形成されている。支持板5の右縁部の後端側部分には、平面視略直線状の右側突出片542が設けられている。右側突出片542は、支持板5の右縁部の後端側部分から下方に突出し、且つ先端側が右側方に屈曲されて略水平に延びる断面視略L字状に形成されている。支持板5の左縁部の後端側部分には、平面視略直線状の左側突出片543(図4,図6参照)が設けられている。左側突出片543は、支持板5の左端部の後端側部分から下方に突出し、且つ先端側が左側方に屈曲されて略水平に延びる断面視略L字状に形成されている。
なお、プレート支持部51の大きさは、トッププレート2の大きさよりも小さい。それ故、前側突出片541、右側突出片542、左側突出片543は、トッププレート2の前縁部、右縁部、左縁部よりも内側に位置するように配置される(図7参照:左側突出片543の周囲を図示)。
次に、後板支持部62の構造を説明する。図4,図5に示すように、後板支持部62は、プレート支持部51の後部の左右両側部より後方に向けて延びる平面視逆U字状に形成されている。後板支持部26の内側には、平面視略矩形状の開口部63が形成されている。開口部63の位置は、後板3の排気口301の位置に対応する。開口部63の周縁部のうち前縁部には、上方に突出する正面視横長略矩形状のリブ631が設けられている。リブ631は、後板支持部62の前側部分を左右方向に延設されている。これにより、後板支持部62の剛性が向上する。
後板支持部62は、内側及び外側の両側が切り起された断面視略U字状に形成され、底壁部65、外壁部66、内壁部67を備える。底壁部65は、平面視略逆U字状に形成されている。底壁部65の下面には、内側下面651と外側下面652が設けられている(図5,図9,図10参照)。内側下面651は、底壁部65の下面のうち内側略半分の領域に形成されている。外側下面652は、底壁部65の下面のうち外側略半分の領域であって、内側下面651に対して上段(図4,図5においては下方、図9,図10においては上方)となる位置に形成されている。内側下面651と外側下面652の間には、段差部653が設けられている。外側下面652は、パッキン6の貼着面6A(図9,図10参照)を貼り付ける部位である。内側下面651の長手方向に直交する幅方向の長さは、少なくともパッキン6の貼着面6Aの幅よりも大きいのが好ましい。
外壁部66は、底壁部65の外周部から上方に略直角に屈曲して切り起されている。内壁部67は、底壁部65の内周部から上方に略直角に屈曲して切り起されている。内壁部67のうち、開口部63の後縁部側に位置する部分の下端部には、前方に突出する突出片68(図5参照)が設けられている。
図4,図5に示すように、後板支持部62の底壁部65の内側下面651であって、右後方角部と左後方角部には、下方に突出する平面視略円形状の凸部691が夫々設けられている。また、プレート支持部51の下面であって、後板支持部62と接続する右後方角部と左後方角部には、下方に突出する平面視略円形状の凸部692が夫々設けられている。後述するように、右側の凸部691,692は、支持板5の下面右側において、プレート支持部51と後板支持部62の境界部分を跨ぐようにして、補強板7を位置決めする。左側の凸部691,692は、支持板5の下面左側において、プレート支持部51と後板支持部62の境界部分を跨ぐようにして、補強板8を位置決めする。
なお、上記構造を有する支持板5の下面において、プレート支持部51の下面と、後板支持部62の底壁部65の内側下面651とは、互いに同一高さ位置であり、同一平面を形成している。それ故、平板状の補強板7,8を支持板5の下面に密着して固定できる。
図4,図7を参照し、補強板7,8の構造を説明する。左側の補強板8は、板金により形成され、本体部81、屈曲部82、L字屈曲部83を備える。本体部81は平面視前後方向に延びる細長の平板である。本体部81の前端部には、板厚方向に貫通する貫通孔85が設けられている。本体部81の後端部には、板厚方向に貫通する貫通孔84が設けられている。貫通孔84,85の径は、支持板5の下面に設けられた凸部691,692の径よりもやや大きい。L字屈曲部83は、本体部81の内側端部86に設けられ、下方に突出し且つ先端側が内側に略直角に屈曲する正面視略逆L字状に形成されている。屈曲部82は、本体部81の前端部から右方に略直角に屈曲し、さらに前方に向かって略直角に屈曲する平面視略L字状に形成されている。
図4に示すように、右側の補強板7は、補強板8と左右対称形状の構造を備える。補強板7は、板金により形成され、本体部71、屈曲部72、L字屈曲部73を備える。本体部71の前端部には、貫通孔75が設けられている。本体部71の後端部には、貫通孔74が設けられている。L字屈曲部73は、本体部71の内側端部76に設けられ、下方に突出し且つ先端側が内側に略直角に屈曲する正面視略逆L字状に形成されている。屈曲部72は、本体部71の前端部から左方に略直角に屈曲し、さらに前方に向かって略直角に屈曲する平面視略L字状に形成されている。
上記構成を備える天板1の組立工程の一例を説明する。
[第1工程:支持板5にトッププレート2を固定]
支持板5のプレート支持部51の上面側(図5参照)に対して、トッププレート2の下面を接着剤で貼着する(図4,図7参照)。このとき、プレート支持部51の開口部55〜57に対し、トッププレート2のバーナ開口11〜13が夫々対応するように配置する。プレート支持部51の前側突出片541、右側突出片542、左側突出片543(図3,図4参照)の各先端部は、トッププレート2の前縁部及び左右両縁部の内側に夫々配置される。例えば、図7,図11に示すように、左側突出片543の先端部は、トッププレート2の左縁部の内側に位置するように配置される。これにより、トッププレート2の前縁部及び左右両縁部の夫々の下面は、プレート支持部51の前側突出片541、右側突出片542、左側突出片543の各先端よりも外方に張り出した状態となる。
[第2工程:支持板5に後板3を固定]
支持板5の後板支持部62の上面側(図5参照)に対して、後板3を上方から配置する。図6に示すように、後板3の隆起部32の内側に対して、後板支持部62を配置する。このとき、後板支持部62の外壁部66の外面部を、後板3の隆起部32の内面部に近接するように配置する(図9,図10参照)。これにより、後板支持部62に対して隆起部32の位置決めが容易にできる。そして、外壁部66の外面部に接着剤を塗布する塗布部40を設けることで、外壁部66の外面部に対して隆起部32の内面部を接着できる。即ち、外壁部66の外面部と、隆起部32の内面部との間に、塗布部40を設けることができる。これにより、後板支持部62に対して後板3の隆起部32全体を強固に固定できる。
[第3工程:支持板5に補強板7,8を固定]
次いで、トッププレート2と後板3が固定された支持板5の下面に対して、補強板7,8を固定する。先ず、図4,図7に示すように、補強板8の貫通孔84,85を、支持板5の下面の左側に設けられた凸部691,692に係合させる。これにより、補強板8は、支持板5の下面左側におけるプレート支持部51と後板支持部62の境界部分を跨ぐようにして配置される。補強板8は、支持板5のプレート支持部51の下面と、後板支持部62の底壁部65の内側下面651とに対して接着剤で固定する。上記の通り、プレート支持部51の下面と内側下面651は互いに同一平面であるので、平板状の補強板8を密着して固定できる。補強板8の外側に向く外側端部87は、底壁部65の段差部653と同一位置に配置される(図7,図9参照)。補強板8のL字屈曲部83は、凹部31の下面の左側の一部を下方から覆うように配置される(図3,図7参照)。
一方、補強板7も補強板8と同様に、補強板8の貫通孔84,85を、支持板5の下面の右側に設けられた凸部691,692に係合させる。これにより、補強板7は、支持板5の下面の右側におけるプレート支持部51と後板支持部62の境界部分を跨ぐようにして配置される。補強板7も、支持板5の下面に接着剤で固定する。支持板5の後板支持部62において、補強板7も、支持板5のプレート支持部51の下面と、後板支持部62の底壁部65の内側下面651とに対して接着剤で固定する。上記の通り、プレート支持部51の下面と内側下面651は互いに同一平面であるので、平板状の補強板7を密着して固定できる。補強板7の外側に向く外側端部77(図4参照)は、底壁部65の段差部653と同一位置に配置される。補強板7のL字屈曲部73は、凹部31の下面の右側の一部を下方から覆うように配置される(図3参照)。
[第4工程:パッキン6を貼着]
トッププレート2、後板3、補強板7,8が固定された支持板5の下面に対して、パッキン6を接着剤で固定する。図7に示すように、トッププレート2の前縁部及び左右両縁部の夫々の下面は、プレート支持部51の前側突出片541、右側突出片542、左側突出片543の外方に張り出している。この外方に張り出した張出部201が、パッキン6の貼り代となる。一方、支持板5の後板支持部62では、底壁部65の外側下面652が、パッキン6の貼り代となる。張出部201の高さと、外側下面652の高さは同一である。四角枠状のパッキン6の貼着面6Aを、これら張出部201と外側下面652に沿って接着剤で貼着する。
ここで、図6に示すように、支持板5の左縁部において、プレート支持部51の左縁部に設けられた左側突出片543の先端部(図11中P1位置参照)と、後板支持部62の底壁部65の段差部653(図9中P2位置参照)とが、左右方向において同一位置に配置されている。さらに、図7に示すように、補強板8の外側端部87も、左側突出片543の先端部、及び段差部653と同一位置に配置されている。これにより、張出部201においては、左側突出片543の先端部に沿ってパッキン6を貼着し、底壁部65の外側下面652においては、段差部653に沿ってパッキン6を貼着し、補強板8の部分においては、補強板8の外側端部87に沿ってパッキン6を貼着できる。
一方、支持板5の右縁部においても、プレート支持部51の右縁部に設けられた右側突出片542(図3,図4参照)の先端部と、後板支持部62の底壁部65の段差部653とが、左右方向において同一位置に配置されている(図3参照)。さらに、補強板7の外側端部77も、右側突出片542の先端部と、後板支持部62の底壁部65の段差部653と同一位置に配置されている。これにより、張出部201においては、右側突出片542の先端部に沿ってパッキン6を貼着し、底壁部65の外側下面652においては、段差部653に沿ってパッキン6を貼着し、補強板7の部分においては、補強板7の外側端部77に沿ってパッキン6を貼着できる。また、トッププレート2の前縁部の張出部201においては、支持板5の前縁部に設けられた前側突出片541の先端部に沿ってパッキン6を貼着できる。これにより、フレームレスの天板1であっても、トッププレート2の張出部201、及び支持板5の後板支持部62の外側下面652に沿って、パッキン6を歪みなく貼着できる。
そして、支持板5の下面側において、トップ固定板9,10を夫々取り付けることによって、天板1の組立工程が完了する。なお、本実施形態の組立工程の順番は一例であって、例えば、第1工程と第2工程の順番を逆にしてもよい。
また、上記の組立構造を有する天板1において、後板支持部62の底壁部65に設けられた段差部653の高さL1(図9参照)は、支持板5の厚み分に対応している。これにより、トッププレート2の張出部201の高さと、支持板5の後板支持部62の外側下面652の高さを揃えることができる。即ち、トッププレート2と後板3の境界部分においてパッキン6を貼着する部分を面一にできるので、パッキン6をより簡単に貼着できる。また、上記の通り、支持板5の下面において、補強板7,8を固定する部分を面一にできるので、補強板7,8を平板状に形成できる。平板状に形成された補強板7,8の外側端部77,87と、プレート支持部51の右側突出片542及び左側突出片543の夫々の先端部と、後板支持部62の段差部653とが左右方向において同一位置となっているので、パッキン6による補強板7,8とのシール性を高めることができる。
また、天板1は、板金のプレス加工成型品である支持板5により、ガラス製のトッププレート2と後板3を支持する構成を採用する。これにより、フレームレスの天板1であっても、簡易な構成で、トッププレート2及び後板3を支持できる。また、一枚の板金で支持板5を構成できるので、天板1の部品点数が減り、コストを低減できる。
また、支持板5の後板支持部62は断面視U字状に形成されている。これにより、後板支持部62の剛性が向上するので、後板3を確実に支持できる。また、後板支持部62の外壁部66の外面部が、後板3の隆起部32の外板部322の内面部に近接して配置されるようにしたことで、後板3の位置決めが容易になる。さらに、外壁部66の外面部と外板部322の内面部との間に、接着剤の塗布部40を設けることができるので、後板支持部62に対して後板3の隆起部32を強固に固定できる。
以上説明において、トッププレート2が本発明の「天板本体」の一例である。支持板5のプレート支持部51が本発明の「本体支持部」の一例である。
以上説明したように、本実施形態の天板1は、ビルトインコンロ用の天板である。天板1は、トッププレート2、後板3、支持板5を備える。支持板5は、プレート支持部51と後板支持部62を備える。プレート支持部51は、トッププレート2を上側に支持する。後板支持部62は、プレート支持部51の後方に設けられ、後板3を上側に支持する。支持板5は、板金のプレス加工成型品である。後板3の後縁部及び左右両縁部には、中央部よりも上側に隆起する隆起部32が形成されている。後板支持部62は、プレート支持部51の後部の左右両側部より後方に向けて延びる平面視逆U字状に形成されている。そのような後板支持部62は、後板3の隆起部32の下面に固定されている。上記構成によれば、板金のプレス加工品である支持板5により、トッププレート2と後板3を支持する構成を採用する。これにより、フレームレスの天板1であっても、簡易な構成で、トッププレート2及び後板3を支持できる。また、一枚の板金で支持板5を構成できるので、天板1の部品点数が減り、コストを低減できる。
また、上記実施形態では、後板3の隆起部32は、断面視逆U字状に形成されている。そして、支持板5の後板支持部62は、内側及び外側が切り起された断面視U字状に形成されている。これにより、後板支持部62の剛性が向上するので、後板3を確実に支持できる。また、後板支持部62の外壁部66の外面部が、後板3の隆起部32の外板部322の内面部に近接して配置されるようにしたことで、後板3の位置決めが容易になる。さらに、外壁部66の外面部と外板部322の内面部との間に、接着剤の塗布部40を設けることができるので、後板支持部62に対して後板3の隆起部32を強固に固定できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。本実施形態の天板1のトッププレート2には、3つのバーナ開口11〜13を備えるが、バーナ開口の数は、これに限らず自由に変更可能である。また、本実施形態のトッププレート2はガラス製であるが、他素材のトッププレートでもよく、例えば鋼板にガラスコートを施したものでもよい。
また、上記実施形態の天板1は、ビルトインコンロの筺体の上部に仮固定する為に、下面側にトップ固定板9,10を備えるが、これらは省略してもよい。天板1の筐体への仮固定構造については、上記実施形態に限定されない。また、押え板21〜23についても省略可能である。また、補強板7,8についても省略可能である。また、パッキン6は、四角枠状に形成されているが、分断されていてもよい。さらに、パッキン6の材質についてはゴムに限らず、樹脂等の他材質でも適用可能であるが、弾性及び耐熱性を有するものが好ましい。
また、上記実施形態では、外壁部66の外面部に接着剤を塗布する塗布部40を設けているが、外壁部66の外面部に近接する後板3の隆起部32の内面部に塗布部を設けてもよい。
1 天板
2 トッププレート
3 後板
5 支持板
26 後板支持部
32 隆起部
40 塗布部
51 プレート支持部
62 後板支持部
66 外壁部
67 内壁部
322 外板部
323 内板部