JP6832466B1 - 橋梁段差抑制部材、橋梁段差抑制構造、及び橋桁復旧方法 - Google Patents

橋梁段差抑制部材、橋梁段差抑制構造、及び橋桁復旧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】橋梁支承が損壊した場合であっても、橋梁上部工が脱落して、橋梁に大きな段差が生じるのを抑制することが可能な橋梁段差抑制部材、橋梁段差抑制構造、及び橋桁復旧方法を提供すること。【解決手段】橋脚と、前記橋脚に配置された橋梁支承と、前記橋梁支承を介して前記橋脚に配置された橋梁上部工121と、前記橋梁上部工121に取り付けられ、前記橋脚との間に間隙をあけて配置された橋梁段差抑制部材140と、を備えた橋梁段差抑制構造100であって、前記橋脚段差抑制部材140は、流体保持部材としてエアバック145を備えていることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、橋梁支承が損壊した場合等において、橋梁上部工の脱落により橋梁に大きな段差が生じるのを抑制することが可能な橋梁段差抑制部材、橋梁段差抑制構造、及び橋桁復旧方法に関する。
従来、道路橋をはじめとする橋梁として、例えば、橋桁(橋梁上部工)を橋梁支承を介して橋脚(橋梁下部工)に設置する構造が広く用いられている。
このような橋梁では、例えば、大規模地震等によって橋梁支承が損壊した場合には、橋梁上部工が橋脚上に脱落してしまい、橋梁と接続される道路等の間に大きな段差が生じる虞がある。
そこで、大規模地震等で橋梁支承が損壊した場合であっても、橋梁上部工が橋脚に完全に脱落して通行が困難な段差が形成されるのを防止して、橋梁を緊急輸送道路等として活用するために、橋桁(橋梁上部工)と橋脚(橋梁下部工)の間に配置して、橋桁が脱落した場合に、橋桁と橋脚の間隔が一定以下になるのを防止するための段差防止装置(間隔保持材)が普及している。
このような段差防止装置として、従来、例えば、略直方体の鋼製のブロックを用いることが一般的である。
しかしながら、段差防止装置(鋼製ブロック)は、橋梁上部工の支持に充分な強度を確保する必要があるために、必然的に大型化しやすく、一基当たりの重量が約100kgを超過することも多い。したがって、段差防止装置の設置する際の作業性、取扱い性がよくない。
そこで、作業性、取扱い性を向上して、橋梁上部工の下方の橋梁支承や落橋防止ケーブル等の橋梁付帯物の周囲の狭いスペースに効率的に設置することが可能な段差防止装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2019−138094号公報
しかしながら、特許文献1に記載の段差防止装置は、筐体(本体)の軽量化により筐体自体の作業性は向上する可能性があるものの、筐体に充填材を充填する装置等や充填する手間、時間が必要となり、効率的な設置が可能とは限らない。しかも、充填材は、流体、液体、発泡剤等で構成されており、金属のように充分な強度を備えていないため、充填材で充分な強度を確保することは困難である。
その結果、段差防止装置として使用するためには、筐体の板厚を厚くする等、筐体自体の強度を高くする必要があり、段差防止装置として充分な軽量化、小型化は困難である。
しかも、段差防止装置としてとして用いるために、筐体に充填材を充填すると、重量が増加して取扱い性が低下する。
一方、橋梁は、例えば橋梁支承を定期的(例えば、5年に一度)に点検することが法令で定められるなど、橋梁付帯物等の点検が必要となる場合がある。
このように、橋梁支承等を充分に点検するためには、橋梁支承や橋梁付帯物の周囲に充分なスペースを確保することが望まれるが、上記段差防止装置は、筐体に充填材を充填したままでは、重量が大きく取扱い性がよくない。
また、筐体から充填材を取り除くためには、取り除くための装置や取り除いた充填材を一時的に仮置きするスペースが必要であり、鋼製ブロック等からなる従来の段差防止装置と同様に、点検のためのスペースを確保することは容易ではなく点検を効率的に行うことはできない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、橋梁支承が損壊した場合であっても、橋梁上部工の脱落により橋梁に大きな段差が生じるのを抑制することが可能で、設置、点検等を効率的に行うことができ、ひいては橋梁段差が生じた場合に、橋梁段差を小さくすることが可能な橋梁段差抑制部材、橋梁段差抑制構造を提供し、ひいては橋梁段差抑制部材を用いて、橋桁を復旧することが可能な橋桁復旧方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、橋脚と、前記橋脚に配置された橋梁支承と、前記橋梁支承を介して前記橋脚に配置された橋梁上部工と、を備えた橋梁に適用され、前記橋脚と前記橋梁上部工のいずれか一方に取り付けられ他方との間に間隙をあけて配置される橋脚段差抑制部材であって、エアバックからなる流体保持部材と、前記流体保持部材を前記橋脚又は前記橋梁上部工に取り付けるための取付けプレートと、を備え、前記流体保持部材は、外部と密閉可能に形成された流体保持空間を有し、前記流体保持空間に、気体からなる流体を流入し又は排出させることにより少なくとも上下方向に膨張し又は収縮するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制部材によれば、流体保持部材を備えていて、橋脚と橋梁上部工のいずれか一方に取り付けられ、他方との間に間隙をあけて配置されている。そして、流体保持部材は、外部と密閉可能に形成された流体保持空間を有し、流体保持空間に、流体を流入し又は排出させることにより少なくとも上下方向に膨張し又は収縮するように構成されてるので、橋梁上部工の脱落により橋梁に大きな段差が生じるのを抑制することができる。
また、構造が簡単で小型化することができるので、設置、点検等を効率的に行うことができる。
また、流体保持部材が、エアバックにより構成されているので、設置場所の制約が少なく、エアバックに容易に気体からなる流体を流入、排出させて膨張、収縮させることができる。
ここで、流体の種類については任意に設定することが可能である。例えば、気体でもいいし、液体でもよい。また、気体としては、設置場所が限定されないので空気(エア)を用いること好適であるが、例えば、窒素等、空気以外の気体を用いてもよい。
また、流体として液体を用いる場合の液体の種類についても任意に設定することが可能であり、例えば、水や作動油等を適用することが好適である。また、液体を用いる場合には、気体よりも高圧で使用することが可能であるので大きな荷重を発生させることが可能である。
また、液体は圧縮性が小さいことから、上下方向位置等を正確に保持させる場合等に好適である。
また、流体保持部材の外形形状は任意に設定することが可能である。例えば、直方体や、平面視円形、多角形(例えば、八角形等)の円柱、多角柱や、略楕円体、略球状態のもの、水平方向に延在するホース状部材であってもよい。なお、上下方向のみに膨張する流体保持部材を用いることは、流体保持部材により発生させる容積あたりの力(荷重)を効率的に大きくできる点で好適である。
また、橋脚段差抑制部材が、橋脚と橋梁上部工(他方)との間に間隙をあけて配置されているので、流体保持部材が熱膨張した場合の影響や、流体保持部材のすれ等に起因する劣化、損傷を抑制することができる。
ここで、橋梁上部工が脱落することにより形成される段差(例えば、橋梁と道路の間に形成される段差、橋桁と橋桁の間に形成される段差等)を、橋梁段差という場合があるものとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の橋梁段差抑制部材であって、前記流体保持部材は、外形形状が直方体に形成されていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制部材によれば、流体保持部材が、外形形状が直方体に形成されているので、橋梁上部工と橋梁の狭い間隔に効率的かつ安定して配置することができる。
また、流体保持部材により発生させる容積あたりの力(荷重)を効率的に大きくできるので、橋梁段差抑制部材を小型化することが可能であり、効率的に設置又は点検、メンテナンスすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の橋梁段差抑制部材であって、前記流体保持部材に流体を流入する流体供給手段を、備えていることを特徴としている。
この発明に係る橋梁段差抑制部材によれば、流体供給手段を備えているので、流体保持部材に流体を流入することが可能とされる。
その結果、橋梁支承の損壊等により橋梁上部工が脱落した場合に、ほかの場所から流体供給手段を搬入することなく、流体保持部材に流体を流入して橋梁上部工を上方に移動させることができる。
その結果、効率的かつ短期間で橋梁段差を小さくして、緊急輸送道路等として活用することが可能となる。
また、流体保持部材を効率的に膨張又は収縮させて、橋梁段差抑制部材を効率的に点検、メンテナンスすることができる。
ここで、流体供給手段としては、例えば、エアポンプ、水又は油圧ポンプのほか、圧縮空気が貯留されたタンク等、種々のものを適用してもよい。
請求項4に記載の発明は、橋梁段差抑制構造であって、橋脚と、前記橋脚に配置された橋梁支承と、前記橋梁支承を介して前記橋脚に配置された橋梁上部工と、を有する橋梁と、請求項1〜3のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制部材と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、橋梁と、橋梁段差抑制部材と、を備えているので、橋梁支承が損壊した場合であっても、橋梁上部工の脱落により橋梁に大きな段差が生じるのを抑制するとともに、効率的に設置、点検等を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の橋梁段差抑制構造であって、前記橋梁段差抑制部材は、前記橋梁上部工の下面に取り付けられていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、橋梁段差抑制部材は、橋梁上部工の下面に取り付けられているので、例えば、橋梁上部工の脱落に際して、橋梁上部工が水平方向に移動した場合であっても、橋梁上部工は、確実に橋梁段差抑制部材を介して橋梁の上に脱落する。
したがって、橋梁上部工の脱落により橋梁に大きな段差が生じるのを抑制することができる。
また、流体保持部材と橋脚の間に間隙が形成されているので、流体保持部材が熱膨張した場合の影響や、すれ等により劣化、損傷するのを抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の橋梁段差抑制構造であって、前記橋梁段差抑制部材は、前記橋脚上に配置されていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、橋梁段差抑制部材は、橋脚上に配置されているので、橋梁段差抑制部材の大きさや重量に関わりなく、橋梁段差抑制部材を安定して配置することができる。
また、橋梁上部工に橋梁段差抑制部材の重量が付加されることがなく、橋梁段差抑制部材を保持するために橋梁上部工を補強する必要がなく、橋梁上部工の大型化や重量が増大するのを抑制することができる。
また、流体保持部材と橋梁上部工の間に間隙が形成されているので、流体保持部材が熱膨張した場合の影響や、すれ等により劣化、損傷するのを抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、流体供給手段を用いて前記流体保持部材に流体を供給することにより、前記橋梁上部工を上方に移動するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、橋梁上部工が脱落した際に、流体供給手段を用いて流体保持部材に流体を供給することにより、橋梁上部工を上方に移動するように構成されているので、橋梁上部工が脱落して橋梁段差が生じた場合に、橋梁上部工を上方に移動させて橋梁段差を小さくすることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、前記流体保持部材の設置状態における上下方向に膨張可能な寸法は、橋梁に生じる段差と対応させて設定されていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、流体保持部材の設置状態における上下方向に膨張可能な寸法が、橋梁に生じる段差と対応させて設定されているので、橋梁上部工が脱落した場合に、流体供給手段を用いて流体保持部材に流体を供給して流体保持部材を膨張させることにより橋梁上部工を上方に移動させて、橋梁段差を所望の寸法(例えば、ゼロ、又はあらかじめ設定した許容値等)に設定することができる。
ここで、橋梁に生じる段差と対応させて設定するとは、橋梁上部工が脱落した場合に、橋梁段差を所望の寸法(例えば、ゼロ、又はあらかじめ設定した許容値等)とするために、橋梁上部工を上昇させる数値をいう。
請求項9に記載の発明は、請求項4〜7のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、前記流体保持部材の設置状態における上下方向に膨張可能な寸法は、前記橋梁支承の高さ寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、流体保持部材に流体を流入する流体供給手段を、備えているので、流体保持部材に容易かつ効率的に流体保持部材に流体を供給することが可能であり、橋梁上部工が脱落して生じた橋梁段差を短時間で小さくすることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項4〜9のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、前記流体保持部材に流体を流入する流体供給手段を、備えていることを特徴とする。
この発明に係る橋梁段差抑制構造によれば、流体保持部材に流体を流入する流体供給手段を、備えているので、流体保持部材に容易かつ効率的に流体保持部材に流体を供給することが可能であり、橋梁上部工が脱落して生じた橋梁段差を短時間で小さくすることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の橋梁段差抑制構造における橋桁復旧方法であって、流体供給手段を用いて前記流体保持部材に流体を流入して前記流体保持部材を膨張させて、前記橋梁上部工を前記橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置に持ち上げる橋桁持ち上げ工程と、損損壊した橋梁支承に代えて交換用橋梁支承を設置する交換用橋梁支承設置工程と、前記流体保持部材内の流体を抜いて前記流体保持部材を収縮させて前記橋梁上部工を橋梁支承の上に載置するとともに前記橋脚段差抑制部材と前記橋梁上部工又は前記橋脚の間に間隙を形成する流体保持部材調整工程と、を備えることを特徴とする。

この発明に係る橋桁復旧方法によれば、橋桁持ち上げ工程において、流体供給手段を用いて流体保持部材に流体を流入して流体保持部材を膨張させて、橋梁上部工を橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置に持ち上げ、交換用橋梁支承設置工程において、損損壊した橋梁支承に代えて交換用橋梁支承を設置し、流体保持部材調整工程において、流体保持部材内の流体を抜いて流体保持部材を収縮させて橋梁上部工を橋梁支承の上に載置するとともに橋脚段差抑制部材と橋梁上部工又は橋脚の間に間隙を形成することが可能である。
その結果、橋梁段差抑制部材を用いて、橋梁支承を効率的に取り替えて、橋桁を短時間で復旧することができる。
ここで、損壊した橋梁支承の取り外し、及び橋梁上部工への交換用橋梁支承の取り付けのタイミングは任意に設定することが可能である。
すなわち、損壊した橋梁支承の取り外しは、橋梁上部工上昇前、橋梁上部工を上昇させている途中、橋梁上部工の上昇完了後のいずれでもよい。また、交換用橋梁支承の取り付けは、橋梁上部工を載置したとき、載置後間隙の形成が完了するまでの間、間隙形成後のいずれでもよい。
本発明に係る橋梁段差抑制構造、及び橋梁段差抑制部材によれば、橋梁支承が損壊した場合であっても、橋梁上部工の脱落により橋梁に大きな段差が生じるのを抑制することが可能で、設置、点検等を効率的に行うことができる。
また、必要に応じて橋梁段差が生じた後に流体を供給した場合には、橋梁段差を小さくすることができる。
本発明の第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造の概略構成を説明する側面から見た概略構成図である。 第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造の概略構成を説明する橋梁の長手方向に沿って見た概略構成図である。 第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造の概略構成を説明する橋梁の平面図であり、プリキャスト床版を除いた状態を示している。 第1実施形態に係る橋梁段差抑制部材の概略構成を説明する橋梁の長手方向に沿って見た概略構成図である。 第1実施形態に係る橋梁段差抑制部材の概略構成を説明する斜視図である。 第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造の作用を説明する側面から見た概念図であり、(A)は橋梁上部工が橋梁支承で支持されている状態を、(B)は橋梁支承が損壊した状態を、(C)は橋梁段差抑制部材を用いて橋梁上部工を上昇させた状態を示している。 第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造における橋桁復旧方法の一例を説明する側面から見た概念図であり、(A)は橋梁段差抑制部材を用いて橋梁上部工を橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置に上昇させ橋脚上に交換用橋梁支承を設置した状態を、(B)は橋梁上部工を橋梁支承に載置させた状態を、(C)は交換用橋梁支承を用いて橋桁復旧が完了した状態を示している。 本発明の第2実施形態に係る橋梁段差抑制構造の概略構成を説明する側面から見た概略構成図である。 第2実施形態に係る橋梁段差抑制部材の概略構成を説明する斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造の概略構成を説明する図であり、図1は橋梁を側面から見た図であり、図2は橋梁の長手方向に沿って見た図であり、図3は橋梁のプリキャスト床版を除いた状態を示す平面図である。
また、図4、図5は、橋梁段差抑制部材の概略構成を説明する図であり、図4は橋梁の長手方向に沿って見た概略構成図であり、概略構成を説明する斜視図である。
図1〜図5において、符号100は橋梁段差抑制構造を、符号110は橋梁を、符号111は橋脚を、符号115は橋梁支承を、符号120は橋桁を、符号121は橋梁上部工を、符号140は橋梁段差抑制部材を、符号145はエアバック(流体保持部材)を、符号Gは接続される道路を、符号Dは間隙を示している。
また、符号Xは橋軸方向を、符号Yは橋軸直交方向を、符号Zは上下方向(鉛直方向)を示している。また、橋軸方向X及び橋軸直交方向Yはそれぞれ水平方向に配置され、上下方向Zと互いに直交している。
また、橋軸方向Xに沿って橋梁100が接続される道路Gに向かって見たときの左右を左側L、右側Rといい、橋軸方向Xにおいて橋桁110が延在する側を前方側A、道路が接続される側を後方側Bという場合がある。
橋梁段差抑制構造100は、図1〜図3に示すように、例えば、橋梁110と、橋梁段差抑制部材140と、を備えている。
橋梁110は、例えば、橋脚111と、橋梁支承115と、橋軸方向Xに沿って延在する橋桁120と、を備えており、橋桁120は、橋梁支承115を介して橋脚111に配置されている。
すなわち、橋梁段差抑制構造100は、例えば、橋脚111と、橋梁支承115と、橋梁支承115を介して橋脚111に配置された橋梁上部工121と、橋脚111と橋梁上部工121の間に配置された橋梁段差抑制部材140と、を備えている。
また、橋桁120は、例えば、橋梁上部工121と、プリキャスト床版125と、を備えていて、橋梁上部工121の上面には、複数のプリキャスト床版125が橋軸直交方向Yに沿って配置されている。
また、この実施形態において、橋桁110(橋梁100)の端部側は、例えば、道路Gに接続されている。
橋脚111の構成は任意に設定することが可能であるが、例えば、RC( Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート)又はPC( Prestressed Concrete)等を用いることが可能である。
また、橋脚111は、図示しないが、橋軸方向Xに沿って見たときに、例えば、略T字形(不図示)に形成されていて地面から立設されている。
橋梁支承115は、図1、図2に示すように、例えば、橋脚111の上面111Fに配置され、アンカーボルト(取付部材)115Sにより橋脚111に固定されている。
また、橋梁支承115は、橋梁上部工121の下面121Fに配置され、ボルト(取付部材)115Tにより橋梁上部工121に取り付けられている。
また、この実施形態において、橋梁支承115は、例えば、下沓部材116と、上沓部材117と、円形支持ピン118と、を備えている。すなわち、橋梁支承115は、ピン支承とされている。
また、下沓部材116の上部及び上沓部材117の下部には、それぞれ橋軸直交方向Yに沿って円形穴(不図示)が形成されていて、この円形穴(不図示)に円形支持ピン118が挿通され、連結されている。
そして、下沓部材116と、上沓部材117とは、互いに円形支持ピン118周りに回動可能とされている。
橋梁上部工121は、図1、図2に示すように、例えば、下部フランジ部122と、ウェブ123と、上部フランジ部124と、を備えている。
また、橋梁上部工121は、橋軸方向Xに沿って延在している。
下部フランジ部122は、図2に示すように、橋軸方向Xに沿って見たときに、左右LR方向に沿って略水平に形成されている。
ウェブ123は、下部フランジ部122の左右LR方向の中央に接続され、上方に向かって延在している。
上部フランジ部124は、左右LR方向に沿って略水平に形成され、左右LR方向の中央部にウェブ123の上端部が接続されている。
すなわち、橋梁上部工121は、橋軸方向Xに沿って見たときに、アルファベットの「H」を横に倒した断面形状を有しており、例えば、H形鋼等を適用して構成することが可能である。
また、橋梁上部工121は、図2に示すように、例えば、橋桁120の下部に橋軸方向Xに沿って、左右LRに二列に配置されている。
また、橋梁上部工121の上面121Eには、例えば、頭付きスタッドや孔あき鋼板ジベル等のずれ止め(不図示)を介してプリキャスト床版125が固定されている。
橋梁段差抑制部材140は、図5に示すように、例えば、エアバック(流体保持部材)145と、取付プレート150と、を備えている。
エアバック(流体保持部材)145は、図1〜図5に示すように、例えば、直方体に形成され、内部にエア保持空間(流体保持空間、不図示)を有する袋体とされている。
また、エアバック145には、空気(流体)を流入させ、又は排出させるエア流通路が形成されている。
このエア流通路には、例えば、エアポンプ(流体供給手段、不図示)が接続されている。そして、エアバック(流体保持部材)145は、エア保持空間(流体保持空間、不図示)にエアを流入又は排出させることにより、上下方向Zに膨張、又は収縮することが可能とされている。
エアバック(流体保持部材)145を形成する材料については任意に設定することが可能である。例えば、帆布、シート状ゴム、シート状樹脂材料等、エア保持空間(流体保持空間、不図示)に保持した空気が抜けずに、強度等が確保可能なものを適用することができる。
取付プレート150は、例えば、平面視矩形に形成されていて、図4、図5に示すように、エアバック(流体保持部材)145から前後方向AB方向に張り出すように形成されていて、張り出し部分は、橋梁上部工121に橋梁段差抑制部材140を取り付けるための取付フランジ部とされている。
また、取付プレート150の下面には、例えば、接着剤等を用いてエアバック(流体保持部材)145が取り付けられている。
また、橋梁段差抑制部材140は、図4、図5に示すように、例えば、橋梁上部工121の下面に取付ボルト140Tにより取り付けられている。
また、橋梁段差抑制部材140は、例えば、重力で上下方向Zに伸長した状態で、橋梁段差抑制部材140の下面140Fと橋脚111の上面111Fの間には間隙Dが形成されている。
すなわち、エアバック(流体保持部材)145には、上下方向Zに伸長した状態の上下方向Zの寸法が橋梁支承115よりも小さくなるように、保持する空気量が設定されていている。
以下、橋梁段差抑制部材140の設置について説明する。
(1)まず、橋梁上部工121の下面121Fに、橋梁段差抑制部材140の取付プレート150を配置する。
(2)次に、取付ボルト140Tを用いて橋梁上部工121に取付プレート150を固定して、橋梁上部工121の下面121Fに橋梁段差抑制部材140を取り付ける。
(3)次いでに、エアポンプ(流体供給手段、不図示)を用いて、エアバック(流体保持部材)145に空気を流入する。このとき、例えば、橋梁段差抑制部材140の下面140Fと橋脚111の上面111Fの間に間隙Dを形成されるように、流入させる空気量を設定する。
また、例えば、橋梁段差抑制部材140、橋梁支承115や落橋防止ケーブル等の橋梁付帯物の点検やメンテナンスを実施する場合には、上記(1)〜(3)と逆の手順で橋梁段差抑制部材140を分解して取り外す。
なお、橋梁段差抑制部材140は、協調上部工121から容易に取り外し可能に構成(例えば、寸法、重量、取り付け手段等)されていることが好適であるが、例えば、エアバック145を収縮させることにより、点検等に必要な充分なスペースが確保可能に構成してもよい。
次に、図6を参照して、第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造100の作用について説明する。
図6は、第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造の作用を説明する側面から見た概念図であり、図6(A)は橋梁上部工が橋梁支承で支持されている状態を、図6(B)は橋梁支承が損壊した状態を、図6(C)は橋梁段差抑制部材を用いて橋梁上部工を上昇させた状態を示している。
橋梁段差抑制構造100は、図6(A)に示すように、橋梁上部工121が橋梁支承115で支持されている状態では、橋梁110と道路Gの間には段差がなく、段差抑制部材140の下面140Fと、橋脚111の上面111Fとの間に間隙Dが確保されている。
次に、橋梁段差抑制構造100は、例えば、地震等により橋梁支承が115が損壊されて符号115Aで示すような状態になると、橋桁120は下方に脱落する。
このとき、図6(B)に示すように、脱落した橋桁120(橋梁上部工121の下部)は、下部に取り付けられた段差抑制部材140の下面140Fが橋脚111の上面111Fと当接して、橋梁段差が生じる。
一方、橋梁段差抑制構造100が橋梁段差抑制部材140を備えているので、大きな橋梁段差が形成されることは抑制される。
以下、図6(C)を参照して、橋梁段差抑制構造100における脱落した橋桁120を上昇させて、脱落により生じた橋梁段差を小さくする方法について説明する。
脱落した橋桁120を上昇させる際には、例えば、エアポンプ(流体供給手段、不図示)を用いて、エアバック145に空気を流入する。
エアバック145に空気を流入すると、エアバック145が膨張する。
そして、図6(C)に示すように、膨張したエアバック145により、橋梁上部工121が矢印K方向に移動する。
その結果、橋梁段差抑制構造100に生じた橋梁段差は小さく(又はゼロに)なり、緊急輸送等に用いることが可能になる。
ここで、橋桁120が脱落していな状態では、橋梁段差抑制部材140は、重力により上下方向に伸長(垂下)しているので、橋梁上部工121が脱落した場合の橋梁段差は、橋梁段差抑制部材140の下面140Fと橋脚111の間に形成される(見かけ上の)間隙Dよりも大きくなる。
したがって、例えば、橋梁段差をあらかじめ設定した段差(例えば、ゼロ)にするためには、エアバック145の上下方向Zの膨張しろを、見かけ上の間隙Dではなく橋梁段差を考慮して設定することが好適である。
次に、図7を参照して、第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造100における橋桁復旧方法について説明する。
図7は、第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造における橋桁復旧方法の一例を説明する側面から見た概念図であり、図7(A)橋梁段差抑制部材を用いて橋梁上部工を橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置に上昇させ橋脚上に交換用橋梁支承を設置した状態を、図7(B)は橋梁上部工を橋梁支承に載置させた状態を、図7(C)は交換用橋梁支承を用いて橋桁復旧が完了した状態を示している。交換用橋梁支承を配置した状態を示している。
図7において、符号115Bは交換用橋梁支承を、符号145Aは、橋梁上部工を橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置まで上昇させるために膨張したエアバック(流体保持部材)を示している。
第1実施形態に係る橋桁復旧方法は、橋桁持ち上げ工程と、橋梁支承取り替え工程と、橋桁下降工程と、橋脚段差抑制部材調整工程と、を備えている。
橋梁段差抑制構造100は、橋桁120が脱落すると、橋桁120(橋梁上部工121)の下部に取り付けられた段差抑制部材140が橋脚111と当接して、橋梁段差が生じる。(図6(B)参照)
(1)橋桁持ち上げ工程
橋桁持ち上げ工程では、流体供給手段を用いて流体保持部材に流体を流入して流体保持部材を膨張させて、橋梁上部工を橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置に持ち上げる。
具体的には、エアポンプ(不図示)を用いて、エアを流入させてエアバック(流体保持部材)145を膨張させる。
そして、図7(A)に示すように、エアバック(流体保持部材)145により橋梁上部工121を矢印K方向に持ち上げて、橋梁上部工121の下面121Fを橋梁支承115の高さ寸法よりも高い位置に位置させる。具体的には、交換用橋梁支柱115Bが橋脚111に容易に設置可能な高さまで持ち上げることが好適である。
ここで、一点鎖線の枠で囲んだ(損壊した)部分は、取り外された橋梁支承115Aをしめしている。橋梁支承115Aは、橋梁上部工121の上昇前、橋梁上部工121を上昇させている途中、橋梁上部工121の上昇完了後のいずれで取り外してもよい。
(2)交換用橋梁支承設置工程
橋梁支承取り替え工程では、損壊した橋梁支承に代えて交換用橋梁支承を橋脚上に設置する。
具体的には、図7(A)に示すように、取り除いた損壊した橋梁支承115Aに代えて、橋脚111の上に交換用橋梁支承115Bを設置する。
(3)流体保持部材調整工程
流体保持部材調整工程では、流体保持部材内の流体を抜いて流体保持部材を収縮させて橋梁上部工を橋梁支承の上に載置するとともに橋脚段差抑制部材と橋梁上部工又は橋脚の間に間隙を形成する。
具体的には、まず、エアバック(流体保持部材)145から空気を抜いてエアバック(流体保持部材)145を収縮させる。
そして、図7(B)に示すように、橋脚111の上に設置した交換用橋梁支承115Bの上に橋梁上部工121を載置する。
次に、エアバック(流体保持部材)145から空気を抜いて、エアバック(流体保持部材)145をさらに収縮させる。
そして、図7(C)に示すように、橋梁段差抑制部材140の下面と橋脚111の上面111Fの間に間隙Dを形成する。
なお、橋梁上部工121への交換用橋梁支承115Bの取り付けは、橋梁上部工121を交換用橋梁支承115Bに載置したとき、交換用橋梁支承115Bに載置後間隙Dの形成が完了するまでの間、間隙Dを形成後のいずれで実施してもよい。
以上のように、交換用橋梁支承115Bを用いた橋桁120の復旧が完了する。
このように、橋梁段差抑制部材140を橋桁復旧に用いる場合には、橋梁上部工121の下面121Fが橋梁支承115の高さ寸法よりも高い位置まで上昇し、橋梁支承115が容易に交換可能な充分なスペースが確保可能に、エアバック145の上下方向Zの膨張しろを設定することが好適である。
第1実施形態に係る橋梁段差抑制構造100、橋梁段差抑制部材140によれば、エアバック(流体保持部材)145を備えているので、橋梁上部工121の脱落により大きな橋梁段差が生じるのを抑制することができる。
また、橋梁段差抑制構造100、橋梁段差抑制部材140によれば、小型(コンパクト)で軽量なユニット構造とすることができるので、施工性を向上することができる。特に、現地で施工する場合に、施工重量が小さくなる。
また、橋梁段差抑制構造100、橋梁段差抑制部材140によれば、ユニット化により、点検したい橋梁支承115の近傍のみ分解することができる。
また、橋梁段差抑制構造100、橋梁段差抑制部材140によれば、エアバック(流体保持部材)145の外形形状が直方体に形成されているので、橋梁上部工121と橋脚111の間に効率的かつ安定して配置することができる。
また、エアバック145が発生する容積あたりの力(荷重)を大きく設定することができるので、構造が簡単で、橋梁段差抑制部材140を小型化することができ、効率的に設置又は点検、メンテナンスすることができる。
また、橋梁段差抑制構造100、橋梁段差抑制部材140によれば、流体保持部材が、エアバック145により構成されているので、設置場所が限定されず、エアバック145に容易に空気を流入、排出させて膨張、収縮させることができる。
また、橋梁段差抑制構造100、橋梁段差抑制部材140によれば、エアポンプ(流体供給手段、不図示)を備えているので、エアバック145に容易に空気を流入することができる。
その結果、橋梁支承115の損壊等により橋梁上部工121が脱落した場合に、エアバック145に空気を流入することにより、橋梁上部工121を上方に移動させることができる。
その結果、橋梁段差を小さくして、例えば、緊急輸送道路等として活用することができる。
また、エアバック145を膨張又は収縮させることにより、橋梁段差抑制部材140を効率的に点検、メンテナンスすることができる。
また、橋梁段差抑制構造100によれば、橋梁段差抑制部材140が橋梁上部工121の下面121Fに配置されているので、橋梁支承115が損壊する等により橋梁上部工121が脱落した場合に、橋梁上部工121に大きな衝撃エネルギーが付加されるのを抑制することができる。
また、橋梁段差抑制構造100によれば、エアバック145の下側に間隙Dが形成されているので、エアバック145が熱膨張した場合の影響や、すれ等により劣化、損傷するのを抑制することができる。
また、橋梁段差抑制構造100によれば、エアバック145の膨張しろが、橋梁上部工121の下面が橋梁支承115の高さ寸法よりも大きく設定されているので、橋桁持ち上げ工程において、エアバック145を膨張させて橋梁上部工121を橋梁支承115B(115)の高く持ち上げ、交換用橋梁支承設置工程において、損損壊した橋梁支承115Aに代えて交換用橋梁支承115Bを設置し、流体保持部材調整工程において、エアバック145を収縮させて橋梁上部工212を橋梁支承125Bの上に載置するとともに橋脚段差抑制部材140と橋脚111の間に間隙Dを形成するので、橋梁段差抑制部材140を用いて、橋梁支承125を効率的に取り替えて、橋桁120を短時間で復旧することができる。
<第2実施形態>
次に、図8、図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る橋梁段差抑制構造の概略構成を説明する側面から見た概略構成図である。また、図9は、橋梁段差抑制部材の概略構成を説明する斜視図である。
図8、図9において、符号200は橋梁段差抑制構造を、符号240は橋梁段差抑制部材を、符号Mは間隙を示している。
橋梁段差抑制構造200は、図8、図9に示すように、例えば、橋梁110と、橋梁段差抑制部材240と、を備えている。橋梁110については、第1実施形態と同じであるので、同じ符号を付して説明を省略する。
すなわち、橋梁段差抑制構造200は、図8、図9に示すように、例えば、橋脚111と、橋梁支承115と、橋梁支承115を介して橋脚111に配置された橋梁上部工121と、橋脚111と橋梁上部工121の間に配置された橋梁段差抑制部材240と、を備えている。
橋梁段差抑制部材240は、図8、図9に示すように、例えば、橋脚111の上面111Fにアンカーボルト240Tにより固定され、橋梁上部工121と橋脚111の間に配置されている。
また、橋梁段差抑制部材240は、上下方向Zの寸法が、橋梁支承115よりも小さく設定されていて、橋梁段差抑制部材240の上面240Eと橋梁上部工121の下面121Fの間には間隙Mが形成されている。
また、この実施形態において、橋梁段差抑制部材240は、図9に示すように、例えば、エアバック(流体保持部材)145と、ベースプレート250と、を備えている。
そして、エアバック(流体保持部材)145は、ベースプレート250に、取付部材(不図示)により取り付けられている。
なお、エアバック(流体保持部材)145については、第1実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
ここで、橋梁段差抑制部材240の設置について説明する。
(1)まず、橋脚111の上面111Fにベースプレート250を配置し、アンカーボルト240Tを用いてベースプレート250を橋脚111に固定する。
(2)次に、ベースプレート250の上に、エアバック(流体保持部材)145を配置し、例えば、取付ボルト(不図示)等によりエアバック(流体保持部材)145をベースプレート250に取り付ける。なお、エアバック(流体保持部材)145を、接着剤によりベースプレート250に取り付けてもよい。
(3)次いで、エアポンプ(流体供給手段、不図示)を用いて、エアバック(流体保持部材)145に空気を流入して、橋梁段差抑制部材240の上面240Eと橋梁上部工121の下面121Fの間に間隙Mを形成する。
そして、例えば、橋梁段差抑制部材240、橋梁支承115や落橋防止ケーブル等の橋梁付帯物の点検やメンテナンスを実施する場合には、上記(1)〜(3)と逆の手順で橋梁段差抑制部材240を取り外す。
なお、橋梁段差抑制部材240は、橋脚111から容易に取り外し可能に構成(例えば、寸法、重量、取り付け手段等)されていることが好適であるが、例えば、エアバック145を収縮させることにより、点検等に必要な充分なスペースが確保可能に構成してもよい。
ここで、橋桁120が脱落していな状態では、橋梁段差抑制部材240は、橋梁段差抑制部材240の上面240Eと橋梁上部工121の間に(見かけ上の)間隙Mが形成されているが、このとき、エアバック145は重力により上下方向に収縮しているので、橋梁段差をあらかじめ設定した段差(例えば、ゼロ)にするためには、エアバック145の上下方向Zの膨張しろを、見かけ上の間隙Mではなく重力による収縮等を考慮して設定することが好適である。
第2実施形態に係る橋梁段差抑制構造200、橋梁段差抑制部材240によれば、例えば、橋梁支承115が損壊した場合であっても、橋梁上部工121の脱落により橋梁110に大きな段差が生じるのを抑制することができる。また、設置、点検等を効率的に行うことができる。
また、橋梁段差抑制構造200によれば、橋梁段差抑制部材240が、橋脚111の上面111Fに配置されているので、橋梁段差抑制部材240の大きさや重量に関わりなく、橋梁段差抑制部材240を安定して配置することができる。
また、橋梁段差抑制構造200によれば、橋梁上部工121に橋梁段差抑制部材240の重量が付加されないので、橋梁段差抑制部材240を保持するために橋梁上部工121を補強する必要がなく、橋梁上部工121の大型化や重量が増大するのを抑制することができる。
また、橋梁段差抑制構造200によれば、エアバック145の上側に間隙Mが形成されているので、エアバック145が熱膨張した場合の影響や、すれ等により劣化、損傷するのを抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
また、上記実施形態においては、流体保持部材に流入する流体がエアである場合について説明したが、例えば、流体保持部材に流入する流体として、空気以外の気体(例えば、窒素)を用いてもよいし、気体(空気)に代えて、例えば、水、作動油等の液体を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、エアバック(流体保持部材)145の外形形状が直方体である場合について説明したが、直方体に代えて、平面視円形の円柱状のものや、平面視多角形(例えば、八角形等)の多角柱のものを用いてもよい。また、略楕円体や略球状態のもの、あるいは、水平方向に延在するホース状部材(例えば、消防用ホース等)を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、橋梁段差抑制部材140が、取付ボルト140Tにより、橋梁上部工121の下面121Fに取り付けられている場合について説明したが、橋梁上部工121に橋梁段差抑制部材140を取り付ける方法については任意に設定することができる。例えば、溶接や他の取付部材(例えば、クランプ部材等)を用いて橋梁上部工121に橋梁段差抑制部材140を取り付けてもよい。
また、上記実施形態においては、橋梁段差抑制部材240が、橋脚111上に配置されたベースプレート250に、取付ボルト(不図示)を用いてエアバック(流体保持部材)145を取り付ける場合について説明したが、エアバック(流体保持部材)145の下部に下面壁部(不図示)を形成して、この張り出し部分をフランジ部として、このフランジ部をアンカーボルト240Tによって橋脚111に固定してもよい。
また、棒状の鋼材を曲げて形成した取付部材や帯鋼等を用いて、ベースプレート250にエアバック145を取り付けてもよい。
また、上記実施形態においては、橋梁段差抑制構造100が、橋梁段差抑制部材140を用いて、橋桁120を復旧可能に構成されている場合について説明したが、橋梁段差抑制構造100が、橋梁段差抑制部材140を用いて橋桁120を復旧可能に構成するかどうかは任意に設定することができる。例えば、橋梁段差抑制部材140を用いて、通行可能な程度に橋桁120の高さを保持する構成としてもよい。
また、橋梁段差抑制構造200が、橋梁段差抑制構造100と同様に、橋梁段差抑制部材240を用いることにより、橋桁120を復旧可能に構成してもよい。
また、上記実施形態においては、橋梁段差抑制構造100、200を適用する橋梁110が道路橋である場合について説明したが、道路橋に限定されることなく、他の用途の橋梁に適用してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
100、200 橋梁段差抑制構造
110 橋梁(道路橋)
111 橋脚
115 橋梁支承
120 橋桁
121 橋梁上部工
122 プレキャスト床版
140、240 橋梁段差抑制部材
145 エアバック(流体保持部材)

Claims (11)

  1. 橋脚と、前記橋脚に配置された橋梁支承と、前記橋梁支承を介して前記橋脚に配置された橋梁上部工と、を備えた橋梁に適用され、前記橋脚と前記橋梁上部工のいずれか一方に取り付けられ他方との間に間隙をあけて配置される橋脚段差抑制部材であって、
    エアバックからなる流体保持部材と、
    前記流体保持部材を前記橋脚又は前記橋梁上部工に取り付けるための取付けプレートと、
    を備え、
    前記流体保持部材は、
    外部と密閉可能に形成された流体保持空間を有し、前記流体保持空間に、気体からなる流体を流入し又は排出させることにより少なくとも上下方向に膨張し又は収縮するように構成されている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制部材。
  2. 請求項1に記載の橋梁段差抑制部材であって、
    前記流体保持部材は、
    外形形状が直方体に形成されている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制部材。
  3. 請求項1又は2に記載の橋梁段差抑制部材であって、
    前記流体保持部材流体を流入する流体供給手段を、備えている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制部材。
  4. 橋脚と、
    前記橋脚に配置された橋梁支承と、
    前記橋梁支承を介して前記橋脚に配置された橋梁上部工と、を有する橋梁と、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制部材と、
    を備えていることを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  5. 請求項4に記載の橋梁段差抑制構造であって、
    前記橋梁段差抑制部材は、
    前記橋梁上部工の下面に取り付けられている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  6. 請求項4に記載の橋梁段差抑制構造であって、
    前記橋梁段差抑制部材は、
    前記橋脚上に配置されている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、
    流体供給手段を用いて前記流体保持部材に流体を供給することにより、前記橋梁上部工を上方に移動するように構成されている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  8. 請求項4〜7のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、
    前記流体保持部材の設置状態における上下方向に膨張可能な寸法は、橋梁に生じる段差と対応させて設定されている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  9. 請求項4〜7のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、
    前記流体保持部材の設置状態における上下方向に膨張可能な寸法は、前記橋梁支承の高さ寸法よりも大きく設定されている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  10. 請求項4〜9のいずれか一項に記載の橋梁段差抑制構造であって、
    前記流体保持部材に流体を流入する流体供給手段を、備えている
    ことを特徴とする橋梁段差抑制構造。
  11. 請求項9に記載の橋梁段差抑制構造における橋桁復旧方法であって、
    流体供給手段を用いて前記流体保持部材に流体を流入して前記流体保持部材を膨張させて、前記橋梁上部工を前記橋梁支承の高さ寸法よりも高い位置に持ち上げる橋桁持ち上げ工程と、
    損損壊した橋梁支承に代えて交換用橋梁支承を設置する交換用橋梁支承設置工程と、
    前記流体保持部材内の流体を抜いて前記流体保持部材を収縮させて前記橋梁上部工を橋梁支承の上に載置するとともに前記橋脚段差抑制部材と前記橋梁上部工又は前記橋脚の間に間隙を形成する流体保持部材調整工程と、
    を備えることを特徴とする橋桁復旧方法。
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