JP7050143B2 - スライド装置及びスライド式支柱 - Google Patents

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本発明は、スライド対象物をスライドさせるスライド装置やスライド式支柱に関するものである。
工事現場において工事用の仮設構造物を設置する場合に、地盤の強化や整地を目的とする地盤整備を行うことは工期の長期化やコストの増加を招き、不経済である。そのため、仮設構造物は十分な地盤整備を行わずに設置される場合は、仮設構造物において重量物を取り扱うなどした場合には、地盤が沈下して仮設構造物を支持する一部の支柱が沈み込む恐れがある。
従来、支柱が沈下した場合には沈下した支柱をジャッキアップし、空いたスペースにスペーサを噛ませることにより元の高さに戻す対策が行われる。下記特許文献1には、そうした場合において支柱に取り付けるジャッキ受け用のブラケットが開示されている。
実用新案登録第3189210号公報
しかしながら、仮設構造物を設置した後に、一部の支柱が地盤沈下により沈下した場合に、その支柱をジャッキアップして、空いたスペースにスペーサを噛ませることが設置条件によって困難な場合がある(例えば、支柱が水中に沈んでいる場合など)。
また、仮設構造物を設置するに際し、その設置場所が整地されていない土地である場合には、仮設構造物における各支柱の設置位置のレベルが異なることがある。また、沼地、河川、港湾等の水辺や、崖際等に仮設構造物を設置する場合には、支柱の設置位置が水中や崖下等となり、設置位置に作業員を配置することが困難な場合がある。
本発明は、こうした事情を鑑み、支柱の設置位置のレベルがまちまちであったり、支柱の設置位置が水中等で作業員を配置しにくい位置であったりしても容易に据え付けが可能であり、また、据付後に支柱が沈下した場合にその支柱をジャッキアップして、空いたスペースにスペーサを噛ませるといった作業が不要なスライド式支柱を提供することを課題の1つとする。
また、支柱等のスライド対象物を直線状に一方から他方へ(例えば、上方から下方)又は他方から一方へ(例えば、下方から上方)とスライド方向に沿ってスライドさせることができるスライド装置を提供することを課題の1つとする。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、支柱、床又は壁の何れかであるスライド対象物を直線状に一方から他方へ又は他方から一方へとスライド方向に沿ってスライドさせるスライド装置であって、前記スライド対象物に固定される土台部と、前記スライド方向に沿って設けられたストランドと、前記土台部における前記スライド方向の一方に対応する面に固定される第1引張機と、前記土台部における前記スライド方向の他方に対応する面に固定される第2引張機と、を備え、前記ストランドは、前記スライド対象物とは別体の物であって、且つ前記スライド対象物とともにスライドしない物に対して固定され、前記スライド対象物を前記スライド方向の一方にスライドさせる場合には、前記第2引張機が前記ストランドを前記スライド方向の他方に引っ張り、前記スライド対象物を前記スライド方向の他方にスライドさせる場合には、前記第1引張機が前記ストランドを前記スライド方向の一方に引っ張ることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、地盤に立設される支柱本体と、前記支柱本体が鉛直方向に移動できるように前記支柱本体を鉛直に支持する支持部と、前記支柱本体に固設される土台部と、前記支柱本体に沿って固設されるストランドと、前記土台部の上面に固設され、前記ストランドを引っ張ることが可能な上側引張機と、を備え、前記ストランドは、前記支柱本体とは別体の物であって、且つ前記支柱本体とともにスライドしない物に対して固設され、前記上側引張機は、前記ストランドを上方に引っ張ることにより前記支柱本体を下降させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスライド式支柱であって、前記支持部は、上下に離間して配される上側支持部と下側支持部とを有し、前記土台部は、前記支柱本体における前記上側支持部と前記下側支持部の間に固設され、前記ストランドは、前記上側支持部と前記下側支持部に固設されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のスライド式支柱であって、前記支柱本体、構造物を支持し、前記支持部は、前記構造物に固設されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、前記上側引張機は、前記ストランドに掛かる荷重が減少した場合に、前記ストランドを上方に引っ張ることにより前記支柱本体を下降させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、前記ストランドに掛かる荷重を監視する監視機器を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、前記土台部の下面に固設され、前記ストランドを引っ張ることが可能な下側引張機を備え、前記下側引張機は、前記ストランドを下方に引っ張ることにより前記支柱本体を上昇させることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、前記支柱本体は、底部にベースプレートを有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項2乃至7の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、前記支柱本体は、杭状になっていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載のスライド装置であって、前記スライド対象物は床であり、前記土台部は前記床に固定され、前記ストランドは前記床を支持する支柱に固定され、前記支柱は前記床とともにスライドせず、前記スライド方向は上下方向であり、前記第1引張機は前記土台部の上面に固定され、前記第2引張機は前記土台部の下面に固定され、前記床を上方にスライドさせる場合には、前記第2引張機が前記ストランドを下方に引っ張り、前記床を下方にスライドさせる場合には、前記第1引張機が前記ストランドを上方に引っ張ることを特徴とする。
請求項1の記載の発明によれば、第1引張機又は第2引張機がそれぞれストランドをスライド方向の一方又は他方に引っ張ることによりスライド対象物をスライド方向の一方から他方へ又は他方から一方へとスライドさせることができる。
請求項2に記載の発明によれば、上側引張機がストランドを上方に引っ張ることにより支柱本体を下降させることから、支柱本体の設置位置のレベルがまちまちであったり、支柱本体の設置位置が水中等で作業員を配置しにくい位置であったりしても容易に支柱本体の据え付けが可能であり、また、据付後に支柱本体が沈下した場合であっても支柱本体を下降させるだけで地盤に押しつけることができるため、支柱本体をジャッキアップして、空いたスペースにスペーサを噛ませるといった作業が不要なる。
第1実施形態に係る仮設構造物の正面図である。 第1実施形態に係る仮設構造物の平面図である。 第1実施形態に係る仮設構造物における支柱の部分拡大図である。 (A)-(G)は、第1実施形態に係るジャッキの動作例を示す遷移図である。 第2実施形態に係る仮設構造物の正面図である。 第3実施形態に係る仮設構造物の正面図である。 第4実施形態に係るスライド式の床の正面図である。 第4実施形態に係るスライド式の床の正面図である。
[1.第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、第1実施形態のスライド式支柱2は、地盤に立設される支柱本体13と、支柱本体13を鉛直に且つ鉛直方向に移動可能に支持する第1スライドパッド8、第2スライドパッド9、第3スライドパッド10(以下、まとめて「スライドパッド8、9、10」という場合がある)と、支柱本体13に固設された(固定して設けられた)ステージ11と、支柱本体13に沿って固設されるストランド12と、ステージ11の上面に固設され、ストランド12を引っ張ることが可能な上側ジャッキ20Aと、を備える。上側ジャッキ20Aは、ストランド12を上方に引っ張ることにより支柱本体13を下降させる。
スライド式支柱2は、仮設構造物1の4隅に設けられ、仮設構造物1を支持する。仮設構造物1は、スライド式支柱2の他に、第1水平部材3、第2水平部材4、第3水平部材5(以下、まとめて「水平部材3、4、5」という場合がある)と、補助支柱6と、を有する。なお、第1実施形態では、仮設構造物1の4隅にスライド式支柱2を設ける場合について説明するが、スライド式支柱2は仮設構造物1の任意の位置に任意の本数設けることができる。
スライドパッド8、9、10は、それぞれ、水平部材3、4、5に固設され、支柱本体13に作用する水平方向の力を支持する。
支柱本体13は円柱形状をしており、その上部は第3水平部材5よりも上方に突出し、また、その下部は第1水平部材3よりも下方に突出している。支柱本体13の底面にはベースプレート7が設けられている。支柱本体13の底面にベースプレート7を設けることにより、支柱本体13の設置位置が地耐力の低い軟弱な地盤であっても安定して支持力を確保することができる。なお、支柱本体13の設置位置が水底のようにヘドロや土砂などの軟弱な地表である場合には、底面積の大きなベースプレート7を設けて重圧面積を大きくすることにより支柱本体13の支持力を確保することができる。
ストランド12は、ぴんと張った状態でその両端が、上下に離間して配された第1スライドパッド8(「下側支持部」の一例)と第2スライドパッド9(「上側支持部」の一例)にそれぞれ固設されている。
ステージ11は、支柱本体13における第1スライドパッド8と第2スライドパッド9の間に固設されている。図3に示すように、ステージ11の上面には上側ジャッキ20Aが固設され、ステージ11の下面には上側ジャッキ20Aと天地逆転した状態で下側ジャッキ20Bが固設されている。以下、上側ジャッキ20A及び下側ジャッキ20Bをまとめて「ジャッキ20」という場合がある。ステージ11には、ストランド12が上下に通る孔が形成されており、上側ジャッキ20A及び下側ジャッキ20Bはこの孔から出るストランド12を把持する。
ここで、図4を用いて上側ジャッキ20Aの構成と動作の概略を説明する。上側ジャッキ20Aは、ストランド12を把持する第1グリップ22及び第2グリップ23と、第1グリップ22を上方へと押し上げる油圧ジャッキ21を有する。油圧ジャッキ21はシリンダ21aとピストン21bを有する。上側ジャッキ20Aは、図示しない制御装置により制御される。
制御装置は、第1グリップ22及び第2グリップ23について、ストランド12の把持状態に関して、把持する状態(「閉状態」という)と、把持しない状態(「開状態」という)の何れかの状態に制御する。
次にジャッキ20がストランド12を上方に引っ張る際の手順について説明する。まず、図4(A)に示すように、初期状態では、第1グリップ22及び第2グリップ23が閉状態に制御されている。このとき、ストランド12の荷重は第2グリップ23に掛かっている。
次いで、制御装置は、図4(B)に示すように、第2グリップ23を開状態とする。これにより、ストランド12の荷重は第1グリップ22に掛かる。
次いで、制御装置は、図4(C)に示すように、油圧ジャッキ21をジャッキアップする(シリンダ21aからピストン21bを伸長させる)。これにより、シリンダ21aからピストン21bが伸長した分だけストランド12が上方に引き上げられる。
次いで、制御装置は、油圧ジャッキ21をジャッキダウンするために、図4(D)に示すように、第2グリップ23を閉状態とし、次いで、図4(E)に示すように、第1グリップ22を開状態とする。これにより、ストランド12の荷重が第1グリップ22に掛かっていた状態から、ストランド12の荷重が第2グリップ23に掛かる状態へと遷移する。
次いで、制御装置は、図4(F)に示すように、油圧ジャッキ21をジャッキダウンする。
次いで、制御装置は、図4(G)に示すように、第1グリップ22を閉状態とする。これにより、ジャッキ20は図4(A)に示す状態と同様となる(但し、第1グリップ22及び第2グリップ23がストランド12を把持している位置は異なる)。
以降、図4(A)~図(G)を繰り返すことにより、ストランド12を引き上げ続けることができる。
上側ジャッキ20Aは、ストランド12を上方に引っ張ることにより支柱本体13を下降(下方に移動)させる。このとき、ストランド12の一端は第1スライドパッド8に固設されているため、第1水平部材3が上方に吊り上げられ、下方に沈み込まない。
なお、ここでは上側ジャッキ20Aの構成及び動作の概略について説明したが、下側ジャッキ20Bは、上側ジャッキ20Aを天地逆転してステージ11の下側に固設したものであり、その構成及び動作は同様である。つまり、下側ジャッキ20Bは、上側ジャッキ20Aがストランド12を上方に引っ張る代わりに、ストランド12を下方に引っ張る。そして、下側ジャッキ20Bは、ストランド12を下方に引っ張ることにより支柱本体13を上昇(上方に移動)させる。
スライド式支柱2を含む仮設構造物1を設置する場合には、事前に設置する地盤のレベル(高さ)を測定し、その結果に基づいて各支柱本体13の長さ(第1水平部材3から下方に突き出す長さ)を調整して仮設構造物1を据え付ける。これにより、仮設構造物1の据付レベルを均一にすることができる。
平時において、上側ジャッキ20Aは、支柱本体13の底部のベースプレート7が地盤に押しつけられた状態においてストランド12を把持し続ける。このとき、上側ジャッキ20Aの第1グリップ22及び第2グリップ23の少なくとも一方が閉状態に制御されたままストランド12を把持する。一方、下側ジャッキ20Bの第1グリップ22及び第2グリップ23は開状態に制御されたままストランド12を把持しない。
上側ジャッキ20Aには、ストランド12の荷重を監視する監視機器(図示しない)が接続されている。監視機器によりストランド12の荷重を監視することにより、地盤の沈下状況を把握することができる。上側ジャッキ20Aは、ストランド12に掛かる荷重が減少した場合(すなわち、地盤が沈下した場合)に、支柱本体13の底部が沈下した地盤に押しつけられるまで(すなわち、ストランド12に一定の荷重が掛かるまで)ストランド12を上方に引っ張り続ける。
以上説明したように、第1実施形態のスライド式支柱2は、地盤に立設される支柱本体13と、支柱本体13を鉛直に且つ鉛直方向に移動可能に支持する第1スライドパッド8、第2スライドパッド9、第3スライドパッド10(「支持部」の一例)と、支柱本体13に固設された(固定して設けられた)ステージ11(「土台部」の一例)と、支柱本体13に沿って固設されるストランド12と、ステージ11の上面に固設され、ストランド12を引っ張ることが可能な上側ジャッキ20A(「上側引張機」の一例)と、を備え、上側ジャッキ20Aは、ストランド12を上方に引っ張ることにより支柱本体13を下降させる。
したがって、第1実施形態のスライド式支柱2によれば、上側ジャッキ20Aがストランド12を上方に引っ張ることにより支柱本体13を下降させることから、支柱本体13の設置位置のレベルがまちまちであったり、支柱本体13の設置位置が水中等で作業員を配置しにくい位置であったりしても容易に支柱本体13の据え付けが可能であり、また、据付後に支柱本体13が沈下した場合であっても支柱本体13を下降させるだけで地盤に押しつけることができるため、支柱本体13をジャッキアップして、空いたスペースにスペーサを噛ませるといった作業が不要なる。
例えば、仮設構造物1を海や河川又は崖方向に張り出して設置する場合(すなわち、スライド式支柱2を水中や崖下などに立設する場合)、支柱本体13の設置位置である水中や崖下に作業員を配置することは困難であるが、第1実施形態におけるスライド式支柱2によれば、上側ジャッキ20Aにより支柱本体13を下降させるだけで作業員を配置することなく容易に設置することができる。なお、一部の支柱本体13が立設される地盤のレベルが仮設構造物1の据付レベルより大幅に低い場合には、当該一部の支柱本体13の長さをそのレベル差に応じた長さとすることができる。
また、港湾等の工事は軟弱な地盤で行われる場合があるが、第1実施形態におけるスライド式支柱2を用いることで、そのような軟弱な地盤にも容易に仮設構造物1を設置することができる。
また、第1実施形態のスライド式支柱2は、上側ジャッキ20Aが、ストランド12に掛かる荷重が減少した場合(すなわち、支柱本体13が設置する地盤が沈下した場合)に、ストランド12を上方に引っ張ることにより支柱本体13を下降させる。
これにより、支柱本体13が設置する地盤が沈下した場合であっても、仮設構造物1の据付レベルを水平に保つことができ、支柱本体13が沈下することにより仮設構造物1に過剰な負担が掛かることを防止できる。また、仮設構造物1上で重量物を取り扱う場合は、さらに大きな荷重が支柱本体13に掛かりさらに地盤が沈下することが考えられるが、その場合には、上側ジャッキ20Aにより支柱本体13をさらに下方に押し付けることにより、仮設構造物1の据付レベルを水平に維持することができ、延いては重量物を取り使う工事の安全を確保できる。
さらに、第1実施形態のスライド式支柱2は、ステージ11の下面に固設され、ストランド12を引っ張ることが可能な下側ジャッキ20B(「下側引張機」の一例)を備え、下側ジャッキ20Bは、ストランド12を下方に引っ張ることにより支柱本体13を上昇させる。
これにより、仮設構造物1を撤去する際、下側ジャッキ20Bによりストランド12を引き下げることにより支柱本体13を引き抜くことができ、撤去作業が容易になる。
ところで、第1実施形態のスライド式支柱2は、支柱本体13を上下方向にスライドさせるスライド装置を含んでいる。このスライド装置は、支柱本体13(「スライド対象物」の一例)を直線状に上方から下方(「一方から他方」の一例)へ又は下方から上方(「他方から一方」の一例)へとスライド方向に沿ってスライドさせるスライド装置であって、ステージ11(「土台部」の一例)が支柱本体13に固定され、ストランド12がスライド方向に沿って設けられ、上側ジャッキ20A(「第1引張機」の一例)がステージ11における上方に対応する面に固定され、下側ジャッキ20B(「第2引張機」の一例)がステージ11における下方に対応する面に固定され、支柱本体13を上方にスライドさせる場合には、下側ジャッキ20Bがストランド12を下方に引っ張り、支柱本体13を下方にスライドさせる場合には、上側ジャッキ20Aがストランド12を上方に引っ張る。
したがって、スライド装置によれば、上側ジャッキ20A又は下側ジャッキ20Bがそれぞれストランド12を上方又は下方に引っ張ることにより支柱本体13を上方から下方へ又は下方から上方へとスライドさせることができる。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図5に示すように、仮設構造物1の既設部分1Aに新設部分1Bを増設する際、既設部分1Aと新設部分1Bの地盤のレベルが異なる場合がある。このような場合には、既設部分1Aより水平部材3、4、5を延長し、その端部に支柱本体13の長さ(第1水平部材3から下方に突き出す長さ)を調整したスライド式支柱2を設置することで、既設部分1Aと同レベルの新設部分1Bを増設することができる。この手法は、河川や港湾に設置した仮設構造物1を河川や海側に張出が必要となる場合にも利用することができ、仮設構造物1より水平部材3、4、5(梁)を張り出し、その先にスライド式支柱2を設置することで、容易に仮設構造物1を延長することができる。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。杭打機、クローラクレーンのように作業時に機体が水平であることが要求される建設機械を、図6に示すように地盤が平坦でない場所で使用する際、簡易的な仮設構造物51を設置する場合がある。図6の例のように、第2水平部材4、第3水平部材5を有さない仮設構造物51では、第2水平部材4が無く、第2スライドパッド9により支柱本体13を支持することができない。そこで、支柱本体13を支持するガイド52を立設し、ストランド12の一端をガイド52の固定用部材52A(「支持部」の一例)に固設させ、他端を第1スライドパッド8に固設させることで第2スライドパッド9の代用とすることができる。これにより、図1のスライド式支柱2と同様に、ジャッキ20により、支柱本体13を上昇・下降させることができる。よって、仮設構造物51を早期に設置することができ、仮設構造物51上で建設機械Jを安全に使用することができる。
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図7、図8に示すように、貨物船Sから貨物をクレーンCで荷揚げすることがある。このとき、貨物船Sのサイズや岸壁の条件によって貨物船Sを岸壁に近づけることができない場合などには、陸地から海側に仮設の床72を突き出して設置し、床72の上にクレーンCを配置して荷揚げを行うことがある。ところが、貨物船Sに十分に貨物が積載されている状態(図7の状態)から、貨物が荷揚げされ貨物船Sの積載量が減ってくると図8に示すように吃水線が下降する(貨物船Sが浮き上がる)。このとき、床72の高さがそのままだとクレーンCにより荷揚げを継続することができなくなる場合があるため、容易に床72を上下にスライドさせることができるスライド装置が求められている。
第4実施形態では、床72を上下にスライドさせるスライド装置及び当該スライド装置を有するスライド式の床72について説明する。スライド式の床72は、地盤に立設される支柱本体13と、支柱本体13を鉛直に且つ鉛直方向に移動可能に支持する第1スライドパッド8と、ステージ固定部材71A、71Bを用いて床72に固設されたステージ11と、支柱本体13に沿って固設されるストランド12と、ステージ11の上面に固設され、ストランド12を引っ張ることが可能な上側ジャッキ20Aと、を備える。また、床72の下方の海中にはケーソン73が設置されている。なお、ストランド12は支柱本体13に沿って固設されていればよく、支柱本体13に固設してもよいし、他の物に固設してもよい。
支柱本体13は、床72の4隅に設けられ、床72を支持する。また、スライド装置は支柱本体13毎に設けられており、それぞれが同調して床72を上下にスライドさせることにより床72の水平を維持する。スライドパッド8は、床72に固設され、支柱本体13に作用する水平方向の力を支持する。支柱本体13は円柱形状をしており、その下部は床72よりも下方に突出している。海中に設けられる支柱本体13の底面にはベースプレート7が設けられている。ストランド12は、床72がスライドする距離分の長さを有し、支柱本体13における床72がスライドする範囲に固設されている。
ステージ固定部材71A、71Bは、床72のスライドパッド8上に支柱本体13が通る孔をよけて固設されている。ステージ11は、支柱本体13には固定されておらず、ステージ固定部材71A、71Bを介して床72に固設されている。ステージ11の上面には上側ジャッキ20Aが固設され、ステージ11の下面には上側ジャッキ20Aと天地逆転した状態で下側ジャッキ20Bが固設されている。
そして、床72(「スライド対象物」の一例)を上方(「スライド方向の一方」)にスライドさせる場合には、下側ジャッキ20B(「第2引張機」の一例)がストランド12を下方(「スライド方向の他方」)に引っ張り、床72を下方(「スライド方向の他方」)にスライドさせる場合には、上側ジャッキ20Aがストランド12を上方(「スライド方向の一方」)に引っ張る。
以上説明したように、第4実施形態のスライド装置は、床72(「スライド対象物」の一例)を直線状に上方から下方(「一方から他方」の一例)へ又は下方から上方(「他方から一方」の一例)へとスライド方向に沿ってスライドさせるスライド装置であって、ステージ11(「土台部」の一例)が床72に固定され、ストランド12がスライド方向に沿って設けられ、上側ジャッキ20A(「第1引張機」の一例)がステージ11における上方に対応する面に固定され、下側ジャッキ20B(「第2引張機」の一例)がステージ11における下方に対応する面に固定され、床72を上方にスライドさせる場合には、下側ジャッキ20Bがストランド12を下方に引っ張り、床72を下方にスライドさせる場合には、上側ジャッキ20Aがストランド12を上方に引っ張る。
したがって、第4実施形態のスライド装置によれば、上側ジャッキ20A又は下側ジャッキ20Bがそれぞれストランド12を上方又は下方に引っ張ることにより床72を上方から下方へ又は下方から上方へとスライドさせることができる。これにより、貨物船Sの吃水線の変動に合わせて、床72の高さを変更することができ、クレーンCにより荷揚げを継続することができる。
なお、上記各実施形態では、支柱本体13が円柱形状である場合について説明したが、支柱本体13は、円柱形状以外の形状であってもよい。例えば、支柱本体13は平面視四角形(すなわち角柱)や、平面視H型形状であってもよい。この場合、スライドパッド8、9、10は支柱本体13の形状に応じて適宜仕様変更することとする。
また、上記各実施形態では、支柱本体13の底部にベースプレート7を設けることとしたが、支柱本体13を杭状にすることとしてもよい。杭状の支柱本体13は上側ジャッキ20Aにより地盤に打設することができる。
さらに、第1実施形態、第2実施形態では、ストランド12は、第1スライドパッド8と第2スライドパッド9の間に固設することとしたが、第1スライドパッド8と第3スライドパッド10の間に固設してもよい。また、ストランド12を第2スライドパッド9と第3スライドパッド10の間に固設し、ステージ11、上側ジャッキ20A及び下側ジャッキ20Bを支柱本体13における第2スライドパッド9と第3スライドパッド10の間に設けることとしてもよい。
さらにまた、上記各実施形態では、スライド対象物である支柱本体13や床72を上下(垂直方向)にスライドさせる場合について説明したが、本発明のスライド装置はスライド対象物を水平方向にスライドさせる場合にも利用することができる。例えば、垂直に立設された壁(「スライド対象物」の一例)にステージ11を固定し、左右方向に沿ってストランド12を設け、ステージ11における左(「スライド方向の一方」)に対応する面に左側ジャッキ(「第1引張機」の一例)を固定し、ステージ11における右方(「スライド方向の他方」)に対応する面に右側ジャッキ(「第2引張機」の一例)を固定し、壁を左方にスライドさせる場合には、右側ジャッキがストランド12を右方に引っ張り、壁を右方にスライドさせる場合には、左側ジャッキがストランド12を左方に引っ張る。これにより、壁を左右にスライドさせることができる。
1 仮設構造物
1A 既設部分
1B 新設部分
2 スライド式支柱
3 第1水平部材
4 第2水平部材
5 第3水平部材
6 補助支柱
7 ベースプレート
8 第1スライドパッド
9 第2スライドパッド
10 第3スライドパッド
11 ステージ
12 ストランド
13 支柱本体
20A 上側ジャッキ
20B 下側ジャッキ
21 油圧ジャッキ
21a シリンダ
21b ピストン
22 第1グリップ
23 第2グリップ
51 仮設構造物
52 ガイド
52A 固定用部材
71A、71B ステージ固定部材
72 床
73 ケーソン
J 建設機械
S 貨物船

Claims (10)

  1. 支柱、床又は壁の何れかであるスライド対象物を直線状に一方から他方へ又は他方から一方へとスライド方向に沿ってスライドさせるスライド装置であって、
    前記スライド対象物に固定される土台部と、
    前記スライド方向に沿って設けられたストランドと、
    前記土台部における前記スライド方向の一方に対応する面に固定される第1引張機と、
    前記土台部における前記スライド方向の他方に対応する面に固定される第2引張機と、
    を備え、
    前記ストランドは、前記スライド対象物とは別体の物であって、且つ前記スライド対象物とともにスライドしない物に対して固定され、
    前記スライド対象物を前記スライド方向の一方にスライドさせる場合には、前記第2引張機が前記ストランドを前記スライド方向の他方に引っ張り、
    前記スライド対象物を前記スライド方向の他方にスライドさせる場合には、前記第1引張機が前記ストランドを前記スライド方向の一方に引っ張ることを特徴とするスライド装置。
  2. 地盤に立設される支柱本体と、
    前記支柱本体が鉛直方向に移動できるように前記支柱本体を鉛直に支持する支持部と、
    前記支柱本体に固設される土台部と、
    前記支柱本体に沿って固設されるストランドと、
    前記土台部の上面に固設され、前記ストランドを引っ張ることが可能な上側引張機と、
    を備え、
    前記ストランドは、前記支柱本体とは別体の物であって、且つ前記支柱本体とともにスライドしない物に対して固設され、
    前記上側引張機は、前記ストランドを上方に引っ張ることにより前記支柱本体を下降させることを特徴とするスライド式支柱。
  3. 請求項2に記載のスライド式支柱であって、
    前記支持部は、上下に離間して配される上側支持部と下側支持部とを有し、
    前記土台部は、前記支柱本体における前記上側支持部と前記下側支持部の間に固設され、
    前記ストランドは、前記上側支持部と前記下側支持部に固設されることを特徴とするスライド式支柱。
  4. 請求項2又は3に記載のスライド式支柱であって、
    前記支柱本体、構造物を支持し、
    前記支持部は、前記構造物に固設されることを特徴とするスライド式支柱。
  5. 請求項2乃至4の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、
    前記上側引張機は、前記ストランドに掛かる荷重が減少した場合に、前記ストランドを上方に引っ張ることにより前記支柱本体を下降させることを特徴とするスライド式支柱。
  6. 請求項2乃至5の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、
    前記ストランドに掛かる荷重を監視する監視機器を備えることを特徴とするスライド式支柱。
  7. 請求項2乃至6の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、
    前記土台部の下面に固設され、前記ストランドを引っ張ることが可能な下側引張機を備え、
    前記下側引張機は、前記ストランドを下方に引っ張ることにより前記支柱本体を上昇させることを特徴とするスライド式支柱。
  8. 請求項2乃至7の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、
    前記支柱本体は、底部にベースプレートを有することを特徴とするスライド式支柱。
  9. 請求項2乃至7の何れか一項に記載のスライド式支柱であって、
    前記支柱本体は、杭状になっていることを特徴とするスライド式支柱。
  10. 請求項1に記載のスライド装置であって、
    前記スライド対象物は床であり、
    前記土台部は前記床に固定され、
    前記ストランドは前記床を支持する支柱に固定され、
    前記支柱は前記床とともにスライドせず、
    前記スライド方向は上下方向であり、
    前記第1引張機は前記土台部の上面に固定され、
    前記第2引張機は前記土台部の下面に固定され、
    前記床を上方にスライドさせる場合には、前記第2引張機が前記ストランドを下方に引っ張り、
    前記床を下方にスライドさせる場合には、前記第1引張機が前記ストランドを上方に引っ張ることを特徴とするスライド装置。
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