JP6831623B2 - 耐震・制震構造 - Google Patents

耐震・制震構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6831623B2
JP6831623B2 JP2015184490A JP2015184490A JP6831623B2 JP 6831623 B2 JP6831623 B2 JP 6831623B2 JP 2015184490 A JP2015184490 A JP 2015184490A JP 2015184490 A JP2015184490 A JP 2015184490A JP 6831623 B2 JP6831623 B2 JP 6831623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic
support member
upper beam
building
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015184490A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017057660A (ja
Inventor
浩史 松野
浩史 松野
政男 土肥
政男 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MTEC CO., LTD.
Daiwa House Industry Co Ltd
Original Assignee
MTEC CO., LTD.
Daiwa House Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MTEC CO., LTD., Daiwa House Industry Co Ltd filed Critical MTEC CO., LTD.
Priority to JP2015184490A priority Critical patent/JP6831623B2/ja
Publication of JP2017057660A publication Critical patent/JP2017057660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6831623B2 publication Critical patent/JP6831623B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

本発明は、建物の振動を抑制する耐震・制震構造に関する。
従来より、建物の柱及び梁又は柱及び基礎で囲まれた架構面内に耐力部材を設置して、建物に加わる水平力を負担する耐震構造が知られている。このような耐震構造として、架構面内に2本のブレースをたすき掛けに取り付け、ブレースが引張力及び圧縮力を負担するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ブレースの両端が、ブレースの座屈に先行して塑性変形する先行塑性変形材を介して構造躯体に連結されているものが開示されている。
特開2005−068941号公報
しかしながら、特許文献1記載の耐震構造では、建物を堅く且つ強く構築して建物に作用する水平力に抗するため、地震時の建物の揺れが大きくなりがちであり、さらに、極めて稀な大規模地震では主架構(柱、梁、壁)に損傷が生じ、地震後に損傷した箇所について大掛かりな修復工事を行わなければならないという虞があった。
このような、建物の揺れ及び主架構の損傷を抑制するために、架構面に耐力構造を構築し、この架構面に隣接する他の架構面に制震ダンパーを設けることが考えられる。しかしながら、このように耐力構造と制震ダンパーとを異なる架構面に設置すると、窓の有効設置面積が減少するという問題があった。
そこで、建物の耐震性及び制震性を確保すると共に、省スペースで設置可能な耐震・制震構造を提供するという解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は、この課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、建物の柱と梁又は基礎とで囲まれた架構面内に設置されて、前記建物の振動を抑制する耐震・制震構造において、下側梁又は基礎に固定された、プレキャストコンクリート製の耐力パネルと、該耐力パネルと上側梁とに連結された粘弾性ダンパーと、該粘弾性ダンパーと並列に配置され、前記建物に作用する水平力を負担し、前記耐力パネルに対する上側梁のせん断変形を許容する支持部材と、を備え、前記支持部材が弾性変形域内で変形する揺れの小規模地震では、前記支持部材が弾性変形するとともに前記粘弾性ダンパーが揺れを減衰し、前記支持部材が塑性変形域内で変形する揺れの大規模地震では、前記粘弾性ダンパーが揺れを減衰し、前記耐力パネルは、前記上側梁のせん断変形の変形量及び前記柱との間で前記支持部材の降伏点に対応する変形量以上に確保された隙間が略一致した際に、前記柱に接触して前記柱を受ける耐震・制震構造を提供する。
この構成によれば、小規模地震時には、支持部材が、耐力パネルに対する上側梁の相対的な位置ズレ、即ち、上側梁のせん断変形、即ち、水平方向に沿った変形(水平変形)を許容すると共に建物に作用する水平力を負担することにより、架構面内に配置された耐力パネルと支持部材とが建物の耐震性を確保する。また、粘弾性ダンパーが、上側梁に僅かなせん断変形が生じた場合には、上側梁の揺れを減衰することにより、建物の制震性を確保することができる。さらに、同一架構面内に耐力パネル、粘弾性ダンパー及び支持部材を配置することにより、窓の有効設置面積を大きく確保することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記支持部材は、前記耐力パネルと前記上側梁とにそれぞれ取り付けられる上下一対のフランジと、該上下一対のフランジ間に配置されたウェブと、を備えている耐震・制震構造を提供する。
この構成によれば、小規模地震時には、ウェブが弾性変形して上側梁のせん断変形を許容すると共に水平力を負担する。また、上側梁に僅かなせん断変形が生じた場合には、ウェブが塑性変形すると共に粘弾性ダンパーが上側梁の揺れを減衰する。これにより、建物の耐震性と制震性を確保することができる。さらに、地震時の水平力がウェブに集中することにより、損傷したウェブを交換するだけで地震後の補修を完了することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、前記ウェブは、低降伏点鋼で形成されている耐震・制震構造を提供する。
この構成によれば、ウェブの降伏点が下がることにより、支持部材が弾性変形域から塑性変形域に移行し易くなり、粘弾性ダンパーが上側梁の揺れを早期に減衰し始めるため、更に優れた制震性を得ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明の構成に加えて、前記ウェブは、前記支持部材の弱軸方向に複数並んで設けられている耐震・制震構造を提供する。
この構成によれば、小規模地震時には、複数の支持部材が建物に作用する水平力を共同してバランス良く負担する。また、弱軸方向に並設された各支持部材が弾性変形域から塑性変形域に移行し易く、粘弾性ダンパーが上側梁の揺れを早期に減衰し始める。これにより、建物の耐震性と制震性を確保することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記支持部材は、該支持部材の弱軸方向と前記上側梁の長手方向とを一致させて配置されている耐震・制震構造を提供する。
この構成によれば、地震時に建物に発生する水平力が支持部材の弱軸方向と平行に支持部材に作用することにより、支持部材が弾性変形域から塑性変形域に移行し易くなり、粘弾性ダンパーが上側梁の揺れを早期に減衰し始めるため、建物の揺れを抑制することができる。
本発明は、小規模地震時には、支持部材が、上側梁のせん断変形を許容すると共に建物に作用する水平力を負担することにより、架構面内に配置された耐力パネルと支持部材とが建物の耐震性を確保する。また、上側梁に僅かなせん断変形が生じた場合には、粘弾性ダンパーが、上側梁の揺れを減衰することにより、建物の制震性を確保することができる。さらに、同一架構面内に耐力パネル、粘弾性ダンパー及び支持部材を配置することにより、窓の有効設置面積を大きく確保することができる。
本発明の一実施例に係る耐震・制震構造を適用した建物を示す模式図。 図1の耐震・制震構造を示す図面であり、(a)は正面図であり、(b)は図2(a)のA−A線断面図であり、(c)は図2(a)のB−B線断面図である。 支持部材を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 粘弾性ダンパーを示す図面であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 支持部材に作用する水平方向の荷重と変形量との関係を示すグラフである。 水平力に起因した支持部材の変形の様子を示す図であり、(a)は支持部材が弾性変形している様子を示しており、(b)は支持部材が塑性変形している様子を示している。
本発明に係る耐震・制震構造は、建物の耐震性及び制震性を確保すると共に、省スペースで設置可能な耐震・制震構造を提供するという目的を達成するために、建物の柱と梁又は基礎とで囲まれた架構面内に設置されて、建物の振動を抑制する耐震・制震構造において、下側梁又は基礎に固定された、プレキャストコンクリート製の耐力パネルと、耐力パネルと上側梁とに連結された粘弾性ダンパーと、粘弾性ダンパーと並列に配置され、建物に作用する水平力を負担し、耐力パネルに対する上側梁のせん断変形を許容する支持部材と、を備えていることにより実現する。
以下、本発明の一実施例に係る耐震・制震構造10を適用した建物1について図面に基づいて説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために、特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。なお、本実施例において、「上」、「下」の語は、垂直方向Vにおける上方、下方に対応するものとする。
図1は、建物1を示す模式図である。建物1は、鉄骨造(S造)の3階建て住宅である。建物1は、基礎2と、柱3と、梁4と、で構成されている。
柱3は、水平方向Hに所定間隔を空けて複数配置されている。柱3は、垂直方向Vに延伸した角型鋼管である。柱3の基端は、基礎2に固定されている。
梁4は、垂直方向Vに所定間隔を空けて複数配置されている。梁4は、水平方向Hに延伸したH型鋼である。柱3と梁4とは、交差する部分で一体に接合されている。なお、以下では、架構面Sを構成する梁4のうち、上方の梁を上側梁と称して参照番号の末尾にAを付し、下方の梁を下側梁と称して参照番号の末尾にBを付し、これらを総称する場合には、単に数字のみを参照符号とする。
柱3と基礎2又は梁4との間には、架構面Sが形成されている。架構面Sには、プレキャストコンクリート製の耐力パネル20が配置されている。建物1の垂直方向Vにおいて、耐力パネル20は同じ位置に設置されている。また、建物1の水平方向Hにおいて、耐力パネル20は、両端に1台ずつ、中央に2台並置されている。なお、耐力パネル20の具体的な設置位置は、図示したものに限定されず、適宜変更可能である。
耐力パネル20は、下方をアングル21を介して下側梁4B又は基礎2に固定されている。また、耐力パネル20は、上方を支持部材30を介して上側梁4Aに接合されている。
建物1の水平方向Hの両端に配置された耐力パネル20には、支持部材30と並列に粘弾性ダンパー40が配置されている。すなわち、建物1全体に用いられる耐力パネル20のうち、半数が支持部材30と粘弾性ダンパー40とを介して上側梁4Aに連結され、残りの半数が支持部材30のみを介して上側梁4Aに連結されている。
次に、架構面S内に設けられた耐震・制震構造10の具体的構造について、図面に基づいて説明する。図2は、耐震・制震構造10を示す図面である。図3は、支持部材30を示す図である。図4は、粘弾性ダンパー40を示す図面である。なお、以下では、耐力パネル20が下側梁4Bに固定されたものについて説明し、耐力パネル20が基礎2に固定されているものに関する説明は省略する。
耐力パネル20は、水平方向Hに隣り合う柱3との間に隙間Cを空けて配置されている。隙間Cの幅は、支持部材30の降伏点に対応する変形量以上に設定される。
耐力パネル20を下側梁4Bに固定するアングル21は、断面コ字状に形成されている。アングル21の上部は、アンカーボルトB1を介して耐力パネル20に接合されている。アングル21の下部は、ボルトB2を介して下側梁4Bに接合されている。アングル21は、水平方向Hに沿って長く延伸されており、建物1に水平力が作用する場合であっても形状変化は小さい。
支持部材30は、上下一対のフランジ31と、一対のフランジ31間に配置された2本のウェブ32と、を備えている。支持部材30は、地震時にウェブ32が水平方向Hに変形することにより、上側梁4Aのせん断変形を許容する。
フランジ31は、建築構造用圧延鋼材(SN材)製である。上方のフランジ31は、ボルトB3を介して上側梁4Aに接合されている。下方のフランジ31は、アンカーボルトB4を介して耐力パネル20に接合されている。
ウェブ32は、低降伏点鋼製である。2本のウェブ32は、フランジ31の長手方向Lに沿って所定間隔を空けて並設されている。ウェブ32の厚み方向とフランジ31の長手方向Lが一致するように、ウェブ32が配置されている。ウェブ32は、長手寸法に対して厚み寸法が小さく、厚み方向に変形し易い。すなわち、支持部材30の弱軸が、フランジ31の長手方向Lに沿って形成されている。図3の符号33は、ボルトB3の取付孔であり、符号34は、アンカーボルトB4の取付孔である。
支持部材30は、ウェブ32の厚み方向に一致する支持部材30の弱軸方向と上側梁4Aの長手方向とが一致するように、上側梁4Aと耐力パネル20との間に配置されている。
粘弾性ダンパー40は、地震等で建物1に水平力が作用した場合に、耐力パネル20に対する上側梁4Aの揺れに応じた振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。粘弾性ダンパー40は、1枚の内側鋼板41と、2枚の外側鋼板42と、内側鋼板41と外側鋼板42との間に介装される粘弾性体43と、を備えている。
内側鋼板41は、アンカーボルトB5を介して耐力パネル20に取り付けられる基部41aを備えている。2枚の外側鋼板42は、ボルトB6を介して上側梁4Aに取り付けられる基部42aを介して連結されている。
粘弾性体43は、公知の粘弾性ゴムである。粘弾性体43は、内側鋼板41の側面41bと外側鋼板42の内面42bとに接着されている。なお、粘弾性ダンパー40の具体的形態は、上記のものに限定されない。例えば、粘弾性ダンパーは、2枚の内側鋼板と、3枚の外側鋼板と、内側鋼板と外側鋼板との間に介装される粘弾性体と、で構成されるものであっても構わない。また、内側鋼鈑が上側梁に取り付けられ、外側鋼板が耐力パネルに取り付けられるものであっても構わない。粘弾性ダンパー40は、上側梁4Aに僅かなせん断変形(水平変形)が生じると、上側梁4Aの揺れを減衰させる。例えば、粘弾性体43が横150mm、縦120mm、厚み20mに形成されている場合、上側梁4Aに0.2mm以上のせん断変形が生じると、粘弾性ダンパー40は減衰効果を発揮する。
次に、耐震・制震構造10の作用について、図面に基づいて説明する。図5は、支持部材30に作用する水平方向の荷重と変形量との関係を示すグラフである。図6は、水平力に起因した支持部材3の変形の様子を示す図である。
建物1に要求される耐震性は、粘弾性ダンパー40を考慮することなく確保されている。すなわち、建築基準法施行令に基づく構造計算では、1次設計としての各部材の許容応力度算定(各階の柱、梁、耐力パネル等の応力度の最大値≦各部材の許容応力度)、及び、2次設計としての水平力算定(各階の層間変形角≦1/200(または1/120))は、柱3、梁4、耐力パネル20及び支持部材30で構築された建物と等価なものとして計算を行い、耐震性が確保されている。
支持部材30は、図5に示すように弾性変形域A1と塑性変形域A2とを有している。図6(a)に示すように、小規模地震によって建物1に水平力Fが作用した場合、支持部材30の変形量ΔL1は弾性変形域A1内に収まり、支持部材30は弾性変形する。また、粘弾性ダンパー40の粘弾性体43が変形量ΔL1だけせん断変形することで、上側梁4Aの揺れを減衰させる。建物1の揺れが収束すれば、支持部材30は、図3に示す元の形状に戻る。
一方、図6(b)に示すように、建物1に過大な水平力Fが作用した場合に、支持部材30の変形量ΔL2は、弾性変形域A1を超えて塑性変形域A2に達する。支持部材30が塑性変形域A2に達するまで上側梁4Aが位置ズレすると、支持部材30と並列に設けられた粘弾性ダンパー40の粘弾性体43がせん断変形することで、上側梁4Aの揺れを減衰させる。
すなわち、支持部材30の弾性変形域A1では、支持部材30が弾性変形して上側梁4Aの水平力を負担すると共に上側梁4Aのせん断変形を許容し、粘弾性ダンパー40が建物1の揺れを減衰させる。また、支持部材30の塑性変形域A2では、粘弾性ダンパー40が建物1の揺れを減衰する。また、上側梁4Aの位置ズレが特に大きい、即ち、上側梁4Aのせん断変形の変形量が隙間Cと略一致する場合には、耐力パネル20が傾いた柱3を受けることにより、建物1の揺れを抑制することができる。
なお、水平力算定では、支持部材30の変形量ΔL1を支持部材30の高さhで除した値が層間変形角であり、この値が1/200(または1/120)以下になるように耐震設計を行う。したがって、粘弾性ダンパー40の減衰効果を小さい変形量で発揮させたい場合には、支持部材30の降伏点に応じた層間変形角が1/200(または120)に一致するように設計するのが好ましい。
支持部材30の剛性を調整する方法としては、ウェブ32の材質や向きを変更したり、ウェブ32の設置本数を調整することが考えられる。ウェブ32の材質は、低降伏点鋼の他に、SN材を採用することが考えられる。また、ウェブ32の設置本数は、フランジ31間に2本設置する他に、1本だけ設置したり、3本以上設置することも考えられる。これらは、架構面Sのサイズ等に応じて任意に変更することで、所望の剛性を有する支持部材30を得ることができる。
また、ウェブ32は、鼓状、すなわち、ウェブ32の中央からフランジ31に向かって徐々に拡幅するように形成されても構わない。これにより、地震発生時に、ウェブ32の弾性変形域A1から塑性変形域A2への移行が、ウェブ32の中央から上下方向に徐々に進むため、ウェブ32全体の強度を向上させることができる。
このようにして、本発明は、小規模地震時には、ウェブ32が弾性変形して上側梁4Aのせん断変形を許容すると共に水平力を負担し、架構面S内に配置された耐力パネル20と支持部材30とが建物1の耐震性を確保することができる。
また、上側梁4Aに僅かなせん断変形が生じた場合には、ウェブ32が塑性変形すると共に粘弾性ダンパー40が上側梁4Aの揺れを減衰するため、建物1の制震性を確保することができる。
また、同一架構面S内に耐力パネル20、支持部材30及び粘弾性ダンパー40を配置することにより、窓の有効設置面積を大きく確保することができる。
さらに、地震時の水平力がウェブ32に集中することにより、損傷したウェブ32を交換するだけで地震後の補修を完了することができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
1 ・・・ 建物
2 ・・・ 基礎
3 ・・・ 柱
4 ・・・ 梁
4A・・・ 上側梁
4B・・・ 下側梁
10・・・ 耐震・制震構造
20・・・ 耐力パネル
30・・・ 支持部材
31・・・ フランジ
32・・・ ウェブ
40・・・ 粘弾性ダンパー
41・・・ 内側鋼板
42・・・ 外側鋼板
43・・・ 粘弾性体

Claims (5)

  1. 建物の柱と梁又は基礎とで囲まれた架構面内に設置されて、前記建物の振動を抑制する耐震・制震構造において、
    下側梁又は基礎に固定された、プレキャストコンクリート製の耐力パネルと、
    該耐力パネルと上側梁とに連結された粘弾性ダンパーと、
    該粘弾性ダンパーと並列に配置され、前記建物に作用する水平力を負担し、前記耐力パネルに対する上側梁のせん断変形を許容する支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材が弾性変形域内で変形する揺れの小規模地震では、前記支持部材が弾性変形するとともに前記粘弾性ダンパーが揺れを減衰し、
    前記支持部材が塑性変形域内で変形する揺れの大規模地震では、前記粘弾性ダンパーが揺れを減衰し、
    前記耐力パネルは、前記上側梁のせん断変形の変形量及び前記柱との間で前記支持部材の降伏点に対応する変形量以上に確保された隙間が略一致した際に、前記柱に接触して前記柱を受けることを特徴とする耐震・制震構造。
  2. 前記支持部材は、
    前記耐力パネルと前記上側梁とにそれぞれ取り付けられる上下一対のフランジと、
    該上下一対のフランジ間に配置されたウェブと、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の耐震・制震構造。
  3. 前記ウェブは、低降伏点鋼で形成されていることを特徴とする請求項2記載の耐震・制震構造。
  4. 前記ウェブは、前記支持部材の弱軸方向に複数並んで設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の耐震・制震構造。
  5. 前記支持部材は、該支持部材の弱軸方向と前記上側梁の長手方向とを一致させて配置されていることを特とする請求項1記載の耐震・制震構造。
JP2015184490A 2015-09-17 2015-09-17 耐震・制震構造 Active JP6831623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015184490A JP6831623B2 (ja) 2015-09-17 2015-09-17 耐震・制震構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015184490A JP6831623B2 (ja) 2015-09-17 2015-09-17 耐震・制震構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017057660A JP2017057660A (ja) 2017-03-23
JP6831623B2 true JP6831623B2 (ja) 2021-02-17

Family

ID=58391138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015184490A Active JP6831623B2 (ja) 2015-09-17 2015-09-17 耐震・制震構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6831623B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5878348U (ja) * 1981-11-20 1983-05-27 日本鋼管株式会社 建物の耐震構造
JP3016634B2 (ja) * 1991-08-09 2000-03-06 日本鋼管株式会社 制振構造体
JPH0593475A (ja) * 1991-10-01 1993-04-16 Mitsui Constr Co Ltd 弾塑性ダンパ
JP3800476B2 (ja) * 1998-04-27 2006-07-26 清水建設株式会社 耐震建物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017057660A (ja) 2017-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101263078B1 (ko) 접합 철물 및 이것을 구비한 건축물
JP6842626B2 (ja) 弾塑性履歴型ダンパ
JP5885950B2 (ja) 制震壁面軸組構造
KR101348577B1 (ko) 건물의 개구부에 설치된 수평보형 댐퍼를 이용한 내진보강방법
JP5846606B2 (ja) 制震ダンパ
JP6786224B2 (ja) 減振構造を有する柱梁構造
JP4664997B2 (ja) 接合金物を有する建築物
JP6791818B2 (ja) 制震構造物
JP5483525B2 (ja) 耐震壁
JP2010216611A (ja) 制震用金属板
JP5251933B2 (ja) 接合金物を有する建築物
JP6831623B2 (ja) 耐震・制震構造
JP5405062B2 (ja) 粘弾性ダンパーと座屈拘束ブレースを併用した制振間柱
JP4049120B2 (ja) 建物の制震構造
JP2019218713A (ja) 耐力壁
JP4959636B2 (ja) 制振部材
JP2018199958A (ja) 制震構造
KR102074040B1 (ko) 고감쇠 고무 및 파형 웨브가 구성된 복합댐퍼와 복합댐퍼를 포함한 프레임형 제진장치 및 이를 이용한 구조물 내진보강방법
JP7248510B2 (ja) 柱梁接合構造
JP5291609B2 (ja) 配管支持構造物
JP4279846B2 (ja) 木造軸組建築物の補強構造
JP4411444B2 (ja) 構造物へのせん断パネル型ダンパー取付け構造
JP7558005B2 (ja) 制振パネル及び建物
JP2006104834A (ja) 既存建物の制震改修方法および制震改修構造
JP7492899B2 (ja) 制振建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6831623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250