JP6830961B2 - デンプンの酸化 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化デンプン、酸化デンプンを調製する方法、及び様々な用途における酸化デンプンの使用に関する。
酸化デンプンは、長くにわたり、知られてきた。デンプンの酸化は、通常、溶液又は分散液において、デンプンの粘度を低下させるために行われる。酸化反応の間に、デンプン分子は分解され、分子量の減少した分子が得られる。酸化デンプンの調製は、従来、比較的安価な酸化剤であるアルカリ金属次亜塩素酸塩、又は過酸化物による酸化によって行われている。
酸化デンプンは、産業における多くの用途が見出されている。一般的な用途の例としては、紙産業、例えば、コーティング又は表面サイジング、接着剤産業、繊維産業及び食品産業における酸化デンプンの使用が挙げられる。紙産業において使用される場合、コーティング又は表面サイジングにおいて、酸化デンプンによって大きな影響を受ける性質としては、紙の引張強度及び破裂強度、曲げ剛性、多孔性並びにドライピックが挙げられる。
紙のピッキングは、一般に、印刷操作の間の紙表面の損傷として定義される。印刷組版が、紙から持ち上げられると、インクは、紙に、ある種の力を及ぼす。この力は、インクの粘度及びタック、並びに印刷速度の増加とともに増加する。この力が、ある値を超えると、紙の表面が損傷を受ける。損傷が生じる値は、紙のドライピックと呼ばれる。ピック速度及びピック抵抗の決定は、紙の品質を測定するために行われる最も広く使用されている試験の1つである。
国際公開第00/006607号パンフレット 米国特許第5,833,755号 米国特許出願公開第2012/0070554号 国際公開第96/31650号パンフレット 欧州特許公開第0824161号 欧州特許公開第0369328号
「Modified Starches: Properties and Uses」、O.B. Wurzburg、CRC Press Inc.社、1987年
本発明は、酸化デンプン、及び製紙において使用することができ、紙に優れた性質を発揮させる、酸化デンプンを調製する方法を提供することを目的とする。紙の他の性質に、影響を及ぼさないか、又はほとんど影響を及ぼさずに、改善された紙のドライピックが達成されることが特に望ましい。酸化デンプンを調製する方法が、出発原料、試薬及びエネルギー等のリソースの使用に関して、効率的及び経済的であることが更に望ましい。
驚くべきことに、これらの目的は、
- デンプンの乾燥物質に基づいて、少なくとも95重量%のアミロペクチンを含む、第1のデンプンを準備する工程と、
- デンプンの乾燥物質に基づいて、65〜85重量%のアミロペクチンを含む、第2のデンプンを準備する工程と、
- 第1のデンプン及び第2のデンプンを酸化処理に付す工程と
を含む、デンプンの酸化方法であって、
第1のデンプン及び第2のデンプンが、酸化処理に付される前又は酸化処理に付された後にブレンドされる、方法によって達成され得ることが見出された。
本発明による方法によって得ることができる酸化デンプンのブレンドを使用すると、デンプンの乾燥物質に基づいて65〜85重量%の量のアミロペクチンを含む通常のデンプン又はデンプンの乾燥物質に基づいて少なくとも95重量%のアミロペクチンを含むアミロペクチンデンプンのいずれかを単独で使用する場合よりも、良好なドライピックを有する紙を得ることができる。
ほとんどの種類のデンプンは、2種類のグルコースポリマーが存在する顆粒で構成される。これらは、アミロース(乾燥物質に対して15〜35重量%)及びアミロペクチン(乾燥物質に対して65〜85重量%)である。アミロースは、デンプンの種類に応じて、1000〜5000の平均重合度を有する、未分岐、又はわずかに分岐した分子で構成される。アミロペクチンは、1,000,000又はそれ以上の平均重合度を有する、非常に大きく、高度に分岐した分子で構成される。商業的に最も重要な種類のデンプン(トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、コムギデンプン及びタピオカデンプン)は、15〜30重量%のアミロースを含有する。
いくつかの種類の穀物、例えば、オオムギ、トウモロコシ、キビ、コムギ、ミロ、コメ及びソルガムには、デンプン顆粒が、ほぼ完全にアミロペクチンで構成される亜種がある。乾燥物質に対する重量%として計算すると、これらのデンプン顆粒は、95%超、通常、98%超のアミロペクチンを含有する。したがって、これらの穀物デンプン顆粒のアミロース含量は、5%未満、通常、2%未満である。上記の穀物の亜種はまた、ワキシー穀物穀粒とも称され、これらから分離されたアミロペクチンデンプン顆粒は、ワキシー穀物デンプンとも称される。
異なる穀物の場合とは対照的に、デンプン顆粒がほぼ独占的にアミロペクチンで構成される根及び塊茎の亜種は、実際には知られていない。例えば、ジャガイモの塊茎から分離されたジャガイモデンプン顆粒は、通常、約20%のアミロース及び80%のアミロペクチンを含有する(乾燥物質に基づく重量%)。しかしながら、遺伝子組み換え又は遺伝子変異を使用して、ジャガイモの塊茎において、95重量%超(乾燥物質に基づく)のアミロペクチンで構成されるデンプン顆粒を形成する、ジャガイモ植物を栽培する試みが成功している。実質的にアミロペクチンのみを含むジャガイモの塊茎を生産することが実現可能であることさえも見出されている。デンプン顆粒が、少量のアミロースを含有するか、又はアミロースを含有しない、他の種類の根及び塊茎、例えば、ヤムイモ又はキャッサバを、栽培及び繁殖させることが可能であることも見出されている。本明細書において述べるように、アミロペクチンデンプンは、ジャガイモの塊茎から分離された、乾燥物質に基づいて、少なくとも95重量%のアミロペクチン含量を有するデンプンである。アミロペクチンデンプンは、ワキシーデンプンとも称される。
生産の可能性及び性質に関して、一方のジャガイモデンプン、及び他方の穀物デンプンとの間に著しい相違がある。これは、特に、商業的に断然、最も重要なワキシー穀物デンプンである、ワキシートウモロコシデンプンに当てはまる。ワキシートウモロコシデンプンの生産に適切なワキシートウモロコシの栽培は、寒いか、又は温暖な気候の国、例えば、オランダ、ベルギー、イギリス、ドイツ、ポーランド、スウェーデン及びデンマークでは、商業的に適していない。しかしながら、これらの国の気候は、ジャガイモの栽培に適切である。キャッサバから得られるタピオカデンプンは、東南アジア及び南アメリカの地域で見られるような、暖かい気候の国で生産され得る。
根及び塊茎デンプン、例えば、ジャガイモデンプン及びタピオカデンプンの組成及び性質は、ワキシー穀物デンプンのものとは異なる。ジャガイモデンプンは、ワキシー穀物デンプンよりも、脂質及びタンパク質の含量が非常に低い。脂質及び/又はタンパク質のために、穀物又はワキシー穀物デンプン生成物(天然及び修飾されたもの)を使用した場合に起こり得る、臭い及び泡立ちに関する問題は、対応するジャガイモデンプン生成物を使用した場合には、起こらないか、又は非常に低い程度で起こる。ワキシー穀物デンプンとは対照的に、ジャガイモデンプンは、化学的に結合したリン酸基を含有する。結果として、溶解状態のジャガイモデンプン生成物は、注目すべき多電解質の特徴を有する。
本発明によれば、酸化されるデンプンは、根又は塊茎デンプンである。脂質及びタンパク質の存在が、酸化反応に不利な影響を及ぼすことが見出され、酸化デンプンが、十分な品質ではないために、副生成物がもたらされる。更にまた、脂質及びタンパク質の存在は、容認し難い高AOXレベルをもたらし、ここで、AOXレベルは、酸化デンプンを活性炭と接触させたときに、前記活性炭に吸着される物質の量として定義される。AOXレベルは、酸化デンプン中の、ハロゲン物質、例えば、塩素の量の指標を提供する。
ジャガイモデンプン及びタピオカデンプンの酸化は、特に有利な酸化デンプンをもたらすことが見出された。
本発明によれば、酸化デンプンのブレンドが製造され、ブレンドは、通常のデンプン及びアミロペクチンデンプンを含む。通常のデンプンは、デンプンの乾燥物質に基づいて、65〜85重量%、好ましくは、70〜83重量%、より好ましくは、75〜80重量%のアミロペクチンを含む。アミロペクチンデンプンは、デンプンの乾燥物質に基づいて、少なくとも95重量%、好ましくは、少なくとも98重量%、より好ましくは、少なくとも99重量%のアミロペクチンを含む。
本発明によれば、デンプン誘導体を酸化に付すことも可能である。通常のデンプン、アミロペクチンデンプン又は両方のいずれかが、デンプン誘導体であってよい。適切な誘導体は、デンプンの架橋、エーテル化若しくはエステル化、又は前記修飾の2つ若しくはそれ以上の組合せによって得られる。これらの修飾は、あらゆる公知の方法で行ってよい。所望の誘導体を得るための適切な方法の例は、例えば、「Modified Starches: Properties and Uses」、O.B. Wurzburg、CRC Press Inc.社、1987年に開示されている。
これらの誘導体の分類のうち、特に好ましい酸化される誘導体は、カチオン性、アニオン性及び両性デンプンである。カチオン基の導入のためには、好ましくは、2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム基がデンプンに導入される。この4級アンモニウム化合物のアルキル鎖は、炭素原子1〜20個で変化させてよい。例えば、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、グリシジルトリメチルアンモニウム塩、1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルアリルアンモニウム塩又は1-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメチルジアリルアンモニウム塩を、カチオン化剤として適用することができる。アニオン置換基は、エーテル結合を介して、デンプンに結合させることができる。これは、例えば、クロロ酢酸塩のクロロ酢酸による反応によって、達成してよい。両性誘導体は、上記のカチオン基又はアニオン基のあらゆる組合せを含んでいてよい。
通常のデンプン及びアミロペクチンデンプンは、酸化前、又は酸化後のいずれかで、ブレンドすることができる。第1の実施形態において、デンプンは、ブレンドされ、同じ酸化条件に、一緒に付される。第2の実施形態において、デンプンは、最初に別々に酸化され、次いで、ブレンドされ、これにより、両方のデンプンについて異なる酸化条件の使用することが可能となる。この第2の実施形態において、デンプンを同じ酸化条件に付すことも好ましい。
アミロペクチンデンプン及び通常のデンプン、言い換えれば、第1のデンプン及び第2のデンプンは、好ましくは、1:3〜3:1の間、より好ましくは、1:2〜1:1の間の比率でブレンドされる。
第1の好ましい実施形態において、酸化は、国際公開第00/006607号パンフレットに記載のようにして、次亜塩素酸塩を使用して行われる。この実施形態において、酸化は、酸化剤としてアルカリ金属次亜塩素酸塩を用いて行われる。好ましくは、次亜塩素酸ナトリウムが酸化剤として使用される。アルカリ金属次亜塩素酸塩は比較的安価であり、比較的大きな酸化力を有し、したがって、非常に効率的で、迅速な酸化プロセスをもたらす。
添加される酸化剤の量は、デンプン1モル当たり、アルカリ金属次亜塩素酸塩が0.001〜0.4モルの間、好ましくは、デンプン1モル当たり、アルカリ金属次亜塩素酸塩が0.0025〜0.15モルの間で変化させてよい。当業者であれば、アルカリ金属次亜塩素酸塩を、制御された方法で、デンプンに添加すべきであることを認識するだろう。
好ましい実施形態において、デンプンの酸化は、pHが、6〜10の間、より好ましくは、6.5〜9.5の間、更により好ましくは、7.5〜9の間で行われる。これらの範囲のpHで実施することによって、優れた性質を有する酸化デンプンを得るために、特に少量の酸化剤で十分であることが見出された。
所望の値でpHを維持するために、反応混合物に、酸又は塩基を添加する必要があり得る。この目的のために、適切な酸及び塩基は、酸化反応又は酸化デンプンに対して実質的に負の効果を有さないように、選択され得る。好ましくは、塩酸又は水酸化ナトリウムが使用される。
本発明に従って、デンプンを酸化剤で処理する温度は、好ましくは、20〜50℃の間、より好ましくは、25〜40℃の間で選択される。
酸化反応は、水中の懸濁反応又は溶液反応として、行ってよい。好ましくは、反応は、これが顆粒状の酸化デンプンをもたらすので、水中の懸濁反応として行われる。この目的のために、酸化されるデンプンを、水1リットル当たり、乾燥デンプン0.5〜1.5kgの間の範囲の量で水に懸濁させる。
任意に、触媒又は触媒の組合せを、酸化反応において使用してよい。適切な触媒としては、臭化物、コバルト、鉄、マンガン及び銅塩が挙げられる。触媒又は複数の触媒は、アルカリ金属次亜塩素酸塩の量に対して、10重量%以下の、触媒量で適用される。
好ましくは、上記に記載の酸化反応の反応生成物は、アルカリ処理に付される。この処理は、20〜50℃の温度で少なくとも15分間、10より高いpHで、生成物を保持することを含む。アルカリ処理は、酸化デンプンの性質、特に、粘度安定性に対して有益な効果を有する。本発明による酸化デンプンは、生成物の粘度に実質的にいかなる変化も観察されることなく、高温、例えば、80℃で、長期間保管され得る。
好ましくは、アルカリ処理は、少なくとも30分、より好ましくは、少なくとも60分、持続される。アルカリ処理の時間について、臨界的な上限はないが、過度の量の所望の生成物が水に溶解するのを防ぐために、通常、6時間を超えて行わない。アルカリ処理が行われるpHは、好ましくは、10.5よりも高い。pHが、12より低く保持されることが更に好ましい。これらの好ましい実施形態によれば、更に高い粘度安定性が達成され得ることが見出された。
第2の好ましい実施形態において、酸化は、米国特許第5,833,755号に記載のようにして、過酸化水素を使用して行われる。この実施形態において、使用される過酸化水素の量は、デンプンの乾燥物質に対して、好ましくは、約0.0075〜15.0重量%、より好ましくは、約0.01〜2.0重量%、更により好ましくは、約0.25〜1.5重量%の無水過酸化水素である。過酸化水素は、通常、商業目的のために一般に供給される水溶液の形態で使用される。
好ましくは、酸化反応は、水中のデンプンの、溶液、分散液又は懸濁液中で行われ、そこに過酸化水素又はその水溶液が添加される。好ましくは、過酸化水素は、一括して、又は滴下して、添加される。
前記溶液中、分散液中又は懸濁液中のデンプンの適切な濃度は、溶液、分散液又は懸濁液の重量に基づいて、10重量%〜50重量%の間、好ましくは、20重量%〜40重量%の間にある。酸化反応の間のpHは、好ましくは、中性付近であり、pHが、10〜12.5の間、好ましくは、11〜12の間にある。所望の程度の酸化が達成されると、pHは、pH5〜6のレベルに調整される。懸濁液中での酸化反応の間の温度は、好ましくは、60℃を下回り、より好ましくは、20〜50℃の間である。反応が、溶液中又は分散液中で行われる場合、温度は、通常、60〜200℃の間、好ましくは、100〜160℃の間で選択される。100℃より高い温度で反応を行うために、好ましくは、ジェットクッカー(jet cooker)が使用される。
本発明によれば、上記に記載の特定のデンプンの酸化は、好ましくは、触媒の存在下で行われる。触媒は、好ましくは、2価の銅イオン又はマンガン錯体を含む。触媒としてのマンガン錯体の使用は、特に好ましい。
触媒が、2価の銅イオンを含む場合において、触媒は、好ましくは、塩の形態で使用される。原理上は、水に溶解可能な、あらゆる銅(II)の塩を使用してよい。適切には、塩のアニオンは、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、臭化物及びこれらの組合せの群から選択してよい。好ましくは、使用される銅の量は、デンプンの乾燥物質に対して、約5ppb〜約5000ppb、より好ましくは、約100ppb〜約1000ppbの範囲である。酸化反応が、溶液中又は分散液中で行われる場合、銅の量は、反応が懸濁液中で行われる場合よりも少なくてよい(例えば、5ppb〜1000ppbの間)。好ましい実施形態において、2価の銅イオンの作用は、カルシウム、バナジウム、マンガン、鉄及び/又はタングステンイオンによって増強される。これらのイオンに対する対イオンは、銅触媒のものと同じ種類であってよい。これらの追加の塩は、好ましくは、デンプンの乾燥物質に対して、約100ppm〜約2000ppmの間の量で使用される。
触媒がマンガン錯体を含む場合において、酸化は、米国特許出願公開第2012/0070554号に開示のようにして行ってもよい。この実施形態において、酸化は、均一系のマンガン系錯体配位触媒の存在下で行われる。均一系のマンガン系錯体配位触媒は、典型的には、Mn(III)又はMn(IV)遷移金属の、単核錯体又は二核錯体である。これは、通常、マンガンに配位する少なくとも3つの窒素原子を含有する、少なくとも1つの有機配位子、例えば、1,4,7-トリアザシクロノナン(TACN)、l,4,7-トリメチル-l,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)、1,5,9-トリアザシクロドデカン、1,5,9-トリメチル-1,5,9-トリアザシクロドデカン(Me-TACD)、2-メチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/TACN)、2-メチル-l,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)、N,N',N''-(2-ヒドロキシエチル)1,4,7-トリアザシクロノナンを含有する。好ましい実施形態において、マンガン原子と窒素原子の比率は、1:3である。
適切な触媒は、マンガン1原子当たり、0〜6の配位基又は橋かけ基を含有していてもよい。均一系のマンガン系錯体配位触媒が単核錯体である場合、配位基は、例えば、-OMe、-O-CH2-CH3又は-O-CH2-CH2-CH3から選択される。均一系の錯体配位触媒が二核錯体である場合、橋かけ基は、とりわけ、-O-、-O-O-又は-O-CH(Me)-O-から選択されてよい。マンガン触媒は、中性の電荷をもたらす1つ又は複数の1価又は多価の対イオンを含有していてもよい。そのような1価又は多価の対イオンの数は、0又は正であり得るマンガン錯体の電荷に依存する。錯体の電荷を中性にするために必要な対イオンの種類は、重要ではなく、対イオンは、例えば、塩化物、臭化物及びヨウ化物等のハロゲン化物、擬ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、メチル硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩又はテトラフルオロホウ酸塩から選択されてよい。
特に好ましい触媒は、化合物(I)のジマンガン(IV)-トリス(mu-オキソ)-ジ(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-ビス(アセテート)、又は竜血若しくはDragon A350としても公知の[(Me-TACN)2MnIV 2(μ-O)3](CH3COO)2である。
マンガン触媒は、総量で、デンプンの重量に基づいて、10〜1,000ppm、好ましくは、20〜500ppm、より好ましくは、30〜200ppmで存在していてよい。
本発明は、上記の方法によって得られる酸化デンプンのブレンド、並びに紙産業、接着剤産業、繊維産業及び食品産業における前記酸化デンプンのブレンドの使用に更に関する。
紙産業において、1903年以後、酸化デンプンは、コーティングバインダーとして使用されてきた。コーティング紙の主な目的は、その印刷適性を改善することである。コーティングの最も重要な成分(コーティング色とも称する)は、顔料、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレイ等、バインダー、例えば、ラテックス、デンプン、PVOH、タンパク質等、及び水である。本発明の酸化デンプンは、溶液又は分散液中の場合に、優れた性質、例えば、良好な粘度安定性を有することが見出された。この性質は、酸化デンプンを、紙及び厚紙の表面処理におけるバインダーとして、紙及び厚紙のバリアコーティングとして、並びに紙コーティングにおけるバインダーとしての使用に非常に適切なものにする。
別の用途において、本発明の酸化デンプンのブレンドは、特に、カチオン性デンプン誘導体から調製される場合、アルキルケテンダイマー、無水アルキルコハク酸又はアルキルイソシアネート(例えば、国際公開第96/31650号パンフレット、欧州特許公開第0824161号及び欧州特許公開第0369328号に記載されているものと類似する)用の又はその製造中における乳化剤として、使用されてよい。
加えて、本発明の酸化デンプンのブレンドは、高粘性のヒドロコロイド、例えば、ポリビニルアルコール、グアー、アルギネート、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロースと置き換えるのに非常に適切であることが見出された。
本発明の酸化デンプンブレンドが非常に適切であることが見出されている更に別の用途は、接着剤である。本発明の酸化デンプンブレンドは、2つ又はそれ以上の紙の層を一緒に接着して、多層紙又は厚紙(ボール紙)を形成するために使用されてよい。また、本発明による酸化デンプンの使用により、紙の上にアルミニウムホイルを適切に接着させることができる。更に、本発明の酸化デンプンのブレンドは、紙袋の接着剤、及び壁紙の接着剤の成分として使用してもよく、改善された結合強度を提供する接着剤をもたらす。加えて、切手又は封筒を製造するために、本発明の酸化デンプンを用いて、紙及びテープを糊付けしてもよい。研磨紙又は研磨リネンにおいて、本発明の酸化デンプンは、研磨粒子、例えば、砂を、紙又はリネン上に接着するために使用されてよい。加えて、本発明の酸化デンプンは、種子又は肥料用の接着剤として使用されてよい。
更に別の用途は、エマルジョンの安定化、特に、ポリビニルアセテートエマルジョン等の接着剤産業において使用されるエマルジョンの安定化に関連する。本発明による酸化デンプンのブレンドは、所望の安定性を提供するための保護コロイドとして使用されてよい。
繊維産業において、本発明の酸化デンプンのブレンドは、縦糸のサイジングにより、機織り操作又は機織り効率を改善するために使用されてよい。これは、機織りプロセスの間に、縦糸の耐磨耗性の改善をもたらし、縦糸の端部の破損を少なくする。本発明の酸化デンプンは、更に、織物に、滑らかで引き締まった手触りを付与するための仕上げ剤として、適用されてよい。本発明の酸化デンプンはまた、ガラス繊維(織物及び不織)のコーティングのために使用されてよい。加えて、本発明の酸化デンプンは、織物の捺染産業において、ブランケット接着剤として使用されてよい。
食品産業において、例えば、菓子製造において、アラビアゴムを、本発明による酸化デンプンに置き換えてよい。また、本発明の製品は、様々な食品製品、例えば、ソースにおける増粘剤として非常に適切であることが見出された。本発明の酸化デンプンのブレンドの優れた安定性は、これらの用途において、より透明な食品製品をもたらす。
用途についての上記の列挙が外延的であることを意図するものではないこと、及び本発明の酸化デンプンのブレンドについてより多くの用途が考えられることは、当業者には明らかであろう。実際に、本発明の製品は、酸化デンプンが従来使用されているあらゆる用途において、使用されてよい。
次に、本発明を、以下の非限定的な実施例によって明らかにする。
実施例1
1.0kgの標準ジャガイモデンプン(乾物量0.82kg、AVEBE社製の食品グレードのジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて81重量%)を、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する108.6mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例2
1.0kgのアミロペクチンジャガイモデンプン(乾物量0.82kg、AVEBE社製のEliane(登録商標)ジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>98重量%)を、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する64.0mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例3
0.5kgの標準ジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製の食品グレードのジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて81重量%)と0.5kgのアミロペクチンジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製のEliane(登録商標)ジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>98重量%)とのブレンドを、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する84.6mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例4
実施例1により調製した0.5kgの生成物を、実施例2により調製した0.5kgの生成物と、乾燥状態で、強力混合によって、10分間、均一に混合した。
実施例5
実施例1、2、3及び4からの酸化デンプン誘導体を、高速撹拌(600〜1200rpm)を用いて、熱湯浴で25%(乾物量)に溶解した。30分後、溶液を50℃で保管し、粘度を、0、1、2及び4時間後に測定した(Brookfield LVF、60rpm)。異なる酸化デンプンの結果をTable 1(表1)に示す。
Figure 0006830961
実施例3(前ブレンド)及び実施例4(後ブレンド)の両方とも、溶液中で優れた粘度安定性を示す。
実施例6
1.0kgの標準ジャガイモデンプン(乾物量0.82kg、AVEBE社製の食品グレードのジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて81重量%)を、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を30℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを11.3に設定した。80ppm(デンプンに対して)のMn触媒(Interox Cat. D350)を添加し、続いて、30%過酸化水素を含有する25.4mlの過酸化水素溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを11.3に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、過酸化物が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例7
0.5kgの標準ジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製の食品グレードのジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて81重量%)と0.5kgのアミロペクチンジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製のEliane(登録商標)ジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>98重量%)とのブレンドを、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を30℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを11.3に設定した。80ppm(デンプンに対して)のMn触媒(Interox Cat. D350)を添加し、続いて、30%過酸化水素を含有する25.4mlの過酸化水素溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを11.3に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、過酸化物が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例8
実施例6及び7からの酸化デンプン誘導体を、高速撹拌(600〜1200rpm)を用いて、熱湯浴で35%(乾物量)に溶解した。30分後、溶液を50℃で保管し、粘度を、0、1、2及び4時間後に測定した(Brookfield LVF、60rpm)。異なる酸化デンプンの結果をTable 2(表2)に示す。
Figure 0006830961
実施例7は、溶液中で優れた粘度安定性を示す。
実施例9
1.0kgのアミロペクチンジャガイモデンプン(乾物量0.82kg、AVEBE社製のEliane(登録商標)ジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>98重量%)を、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する41.8mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例10
0.5kgの標準ジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製の食品グレードのジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて81重量%)と0.5kgのアミロペクチンジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製のEliane(登録商標)ジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>98重量%)とのブレンドを、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する47.9mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例11
実施例9及び10からの酸化デンプン誘導体を、高速撹拌(600〜1200rpm)を用いて、熱湯浴で25%(乾物量)に溶解した。30分後、溶液を、両方のデンプンについて、次の濃度2.5%、5%及び7.5%で調製した。Brookfield粘度を実施例5に記載のようにして測定した。デンプン溶液を、Burgo Ardennes社製の80gsm原紙上に、Dixon coater社製のパドル型サイズプレスを使用して、50m/分の速度で、適用した。紙を5%の水分含量まで乾燥した。紙の試験前に、紙を、23℃、50%相対湿度で、少なくとも3日間、調整した。
シート重量を、NEN-EN-ISO 536に従って測定した。ドライピック抵抗を、IGTピック試験装置タイプAIC 2-5を使用して、NEN-ISO-3783に従って測定した。試験は、5m/秒の速度で、中程度の粘性のIGT油を使用して、1cmのディスク上、8μmの油の厚さで、行われる。ピック抵抗が開始するポイントに、油(520)の粘度を乗じ、VVP(粘度速度積)として表す。異なる酸化デンプンの結果をTable 3(表3)に示す。
Figure 0006830961
実施例12
0.47kgの標準タピオカデンプン(乾物量0.41kg、Siam Quality Starch Co., Ltd.社製のロット21204637;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて83重量%)と0.5kgのアミロペクチンジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製のEliane(登録商標)ジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>98重量%)とのブレンドを、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する59.9mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例13
0.5kgの標準ジャガイモデンプン(乾物量0.41kg、AVEBE社製の食品グレードのジャガイモデンプン;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて81重量%)と0.47kgのワキシートウモロコシデンプン(乾物量0.41kg、Amylum社製のMeritena 300;アミロペクチン含量はデンプンの乾燥物質に基づいて>95重量%)とのブレンドを、1.0kgの水に懸濁させた。懸濁液の温度を35℃に上昇させた。4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に設定した。179.5g/リットルの活性塩素を含有する100.3mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した。酸化の間、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを9.0に維持した。反応が完了した時点で、すなわち、塩素が、ヨウ化カリウム-デンプン紙によって検出されなくなった時点で、4.4重量%の水酸化ナトリウム溶液の添加によって、pHを10.5に上昇させた。アルカリ後処理の1時間後、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱色のために添加した。反応混合物を、10NのH2SO4の添加によってpH5.5に中和し、そして、生成物を脱水し、洗浄し、乾燥した。
実施例14
実施例12及び13からの酸化デンプン誘導体を、高速撹拌(600〜1200rpm)を用いて、熱湯浴で25%(乾物量)に溶解した。30分後、溶液を50℃で保管し、粘度を、0、1、2及び4時間後に測定した(Brookfield LVF、60rpm)。異なる酸化デンプンの結果をTable 4(表4)に示す。
Figure 0006830961
実施例13のブレンドは、溶液中で非常に劣った粘度安定性を示す。

Claims (13)

  1. デンプンを酸化する方法であって、
    - 第1の根又は塊茎デンプンであって、前記デンプンの乾燥物質に基づいて、少なくとも95重量%のアミロペクチンを含む、第1の根又は塊茎デンプンを準備する工程、
    - 第2の根又は塊茎デンプンであって、前記デンプンの乾燥物質に基づいて、65〜85重量%のアミロペクチンを含む、第2の根又は塊茎デンプンを準備する工程、並びに
    - 前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンを酸化処理に付す工
    含み、
    前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンが、酸化処理に付される前又は酸化処理に付された後にブレンドされる、方法。
  2. 前記酸化処理が、6.5〜8.5の間のpHで、アルカリ金属次亜塩素酸塩による処理を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 続いて、少なくとも15分間、20〜50℃の温度及び10より高いpHに生成物を保持することを含むアルカリ処理を行う、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸化処理が、触媒の存在下における過酸化水素による処理を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記触媒が、2価の銅イオン又はマンガン錯体を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンが、1:3〜3:1の間の比率でブレンドされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンが、ジャガイモデンプン及びタピオカデンプンの群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1のデンプン、前記第2のデンプン、又は前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンの両方が、デンプン誘導体であり、前記デンプン誘導体が、前記デンプンの架橋、エーテル化若しくはエステル化、又は前記修飾の2つ若しくはそれ以上の組合せによって得られる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (i)第1の酸化された根又は塊茎デンプンであって、前記デンプンの乾燥物質に基づいて、少なくとも95重量%のアミロペクチンを含む、第1の酸化された根又は塊茎デンプン、及び
    (ii)第2の酸化された根又は塊茎デンプンであって、前記デンプンの乾燥物質に基づいて、65〜85重量%のアミロペクチンを含む、第2の酸化された根又は塊茎デンプン
    ブレンドであって、
    前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンが、1:3〜3:1の間の比率でブレンドされる、ブレンド。
  10. 前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンが、1:2〜1:1の間の比率でブレンドされる、請求項9に記載のブレンド。
  11. 前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンが、ジャガイモデンプン及びタピオカデンプンの群から選択される、請求項9又は10に記載のブレンド。
  12. 前記第1のデンプン、前記第2のデンプン、又は前記第1のデンプン及び前記第2のデンプンの両方が、デンプン誘導体であり、前記デンプン誘導体が、前記デンプンの架橋、エーテル化若しくはエステル化、又は前記修飾の2つ若しくはそれ以上の組合せによって得られる、請求項9から11のいずれか一項に記載のブレンド。
  13. 紙のコーティング若しくは表面サイジングにおけるバインダーとしての、接着剤、エマルジョンを安定化するための保護コロイドとしての、縦糸サイジングでの、ガラス繊維のコーティングとしての、ブランケット接着剤としての、研磨紙での、アルキルコハク酸無水物、アルキルケテンダイマー若しくはアルキルイソシアネート用等の乳化剤としての、又は食品製品での、請求項9から12のいずれか一項に記載のブレンドの使用。
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