JP6830426B2 - ビーズ発泡体、それを備えた樹脂複合体、及びビーズ発泡体の製造方法 - Google Patents

ビーズ発泡体、それを備えた樹脂複合体、及びビーズ発泡体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビーズ発泡体、それを備えた樹脂複合体、及びビーズ発泡体の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、強度、軽量性及び外観美麗性に優れた樹脂複合体を提供可能なビーズ発泡体とその製造方法、及び強度、軽量性及び外観美麗性に優れた樹脂複合体に関する。
従来、FRP等と称される繊維強化樹脂は、軽量で且つ高い機械的強度を有する製品を提供できることから広く用いられている。繊維強化樹脂から製造された製品には、更なる軽量化が求められている。また、繊維強化樹脂は、それのみでは3次元形状の製品を得ることが困難であるため、この困難性の克服も求められている。
上記求めに応じて、近年、樹脂発泡体を芯材とし、芯材をシート状の繊維強化樹脂で被覆した樹脂複合体からなる製品が提案されている(特開2016−188341号公報:特許文献1参照)。この公報では、樹脂複合体の芯材として、3次元形状を比較的簡便に作製できるビーズ発泡体の使用が提案されている。また、ビーズ発泡体は、高い軽量性を持っているため、繊維強化樹脂の強度と、軽量性とを併せ持つ製品を提供できるとされている。
特開2016−188341号公報
樹脂複合体を製造する方法としては、繊維シートに樹脂が含浸担持されたプリプレグシートと称される繊維強化樹脂材に由来する繊維強化樹脂層をビーズ発泡体の表面に形成する方法がある。この方法は、具体的には、ビーズ発泡体と繊維強化樹脂材とを仮接着して一旦予備複合体を作製し、予備複合体を熱プレスのような加熱環境下において加圧することで、繊維強化樹脂材とビーズ発泡体とを積層一体化して樹脂複合体を製造する方法である。
繊維強化樹脂材に含浸担持されている樹脂は、仮接着及び加圧時に、ビーズ発泡体内に入り込んでしまうことがある。入り込んでしまうと、ビーズ発泡体側の表層部に樹脂不足が生じた繊維強化樹脂層が形成されてしまうことがある。この場合、樹脂複合体の表面に、多数のボイドが生じたり、繊維が表面に大きく露出した部分ができたりするため、外観の美麗性が低下するという課題がある。
上記課題を解決する方法として、まず、予め繊維強化樹脂材に過剰な樹脂を担持させておくことが考えられる。しかし、この場合にはビーズ発泡体に入り込んだ樹脂分の不必要な質量増加を樹脂複合体に生じさせる。従って、従来の樹脂複合体においては、強度と軽量性とに優れ、且つ、外観美麗なものを作製することが難しかった。そこで、本発明の発明者等は、上記課題を鑑み、ビーズ発泡体から切り出された切片が特定の平均透気抵抗度を示すビーズ発泡体であれば、強度、軽量性及び外観美麗に優れた樹脂複合体を提供可能であることを意外にも見出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、複数の発泡粒子から構成されたビーズ発泡体であり、前記ビーズ発泡体は、前記ビーズ発泡体から切り出された切片から測定される平均透気抵抗度が30s以上となる性質を示し、前記ビーズ発泡体がポリカーボネート系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物から構成されることを特徴とするビーズ発泡体が提供される。
また、本発明によれば、芯材としてのビーズ発泡体と、前記芯材を覆う繊維強化樹脂層とを備えた樹脂複合体であって、前記芯材が上記ビーズ発泡体であることを特徴とする樹脂複合体が提供される。
更に、本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する工程と、前記発泡性粒子を加熱することで予備発泡粒子を製造する工程と、前記予備発泡粒子に2次発泡力を付与するための内圧を付与する工程と、前記内圧を付与された予備発泡粒子を金型内に充填し、前記金型へ蒸気を導入して前記内圧を付与された予備発泡粒子を2次発泡させてビーズ発泡体を得る工程を含む、上記のビーズ発泡体の製造方法であって、
前記蒸気が0.8MPa(絶対圧)以上の圧力で金型内へ導入され、
前記予備発泡粒子が、下記式:
成形時の気泡内圧力(Pm、絶対圧:MPa)≧成形時の水蒸気圧力(Ps、絶対圧:MPa)
を満たすように内圧を付与され、
前記Pmは下記式:
Pm=Pf×(Ts+273)/293×V/Vm
(ここで、Pfは予備発泡粒子内の気泡内圧力(MPa)、Tsは蒸気の圧力における飽和蒸気温度(℃)、Vは予備発泡粒子内の空間の体積(cm3)、Vmは予備発泡粒子が蒸気により2次発泡し金型内に隙間なく充填された後の予備発泡粒子内の空間の体積(cm3)である)
で算出され、
前記Pf、V及びVmは下記式:
Pf=8.31×293×(0.1×V/8.31/293+W/M)/V
V=60/ρ0−100/ρs
Vm=60/ρ0/0.6−100/ρs
(ここで、Wは内圧付与量(質量%)、Mは内圧付与ガスの分子量(g)、ρ0は予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)、ρsは熱可塑性樹脂組成物の密度(g/cm3)である)
で算出され、
前記Tsは下記式:
Ts=237.3×Log(Ps×10000/6.1078)/(7.5−Log(Ps×10000/6.1078))
で算出されることを特徴するビーズ発泡体の製造方法が提供される。
本発明によれば、強度、軽量性及び外観美麗性に優れた樹脂複合体及びそれを製造可能なビーズ発泡体を提供できる。
以下のいずれかの場合、強度、軽量性及び外観美麗性により優れた樹脂複合体及びそれを製造可能なビーズ発泡体を提供できる。
(1)ビーズ発泡体が、それを芯材とし、芯材を覆う繊維強化樹脂層とを備えた樹脂複合体の形成に用いられる。
(2)ビーズ発泡体が、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物から構成される。
本発明の樹脂複合体の概略図である。 図1の樹脂複合体の概略断面図である。 図2の繊維強化樹脂層付近の概略断面図である。
(ビーズ発泡体)
本発明のビーズ発泡体は、複数の発泡粒子から構成されている。また、ビーズ発泡体は、ビーズ発泡体から切り出された切片から測定される平均透気抵抗度が30s以上となる性質を示す。
以下においては、樹脂複合体として、芯材となるビーズ発泡体が耐熱性に優れた樹脂で形成されている場合を主体としてビーズ発泡体を説明する。
図1は、樹脂複合体の概略図である。図2は、図1の樹脂複合体の概略断面図である。図3は、図2の繊維強化樹脂層付近の概略断面図である。図に示すように、樹脂複合体Aは、逆四角錐台(逆切頭四角錐)形状を有し、その上面側には逆四角錐台形状の凹入部Aaが形成されている。言い換えると、樹脂複合体Aは、凹入部Aaの底部たる平面視矩形の部位を底面部とする角型トレー形状を有しており、底面部の外周縁から外広がりに立ち上がる矩形枠状の周側壁部を備えた形状を有している。
なお、以下においては、図1における横方向(矢印Xの方向)を“横方向”、“幅方向”、又は、“左右方向”と称し、奥行き方向(矢印Yの方向)を“縦方向”、“長さ方向”、又は、“前後方向”と称する場合がある。また、以下においては、この横方向Xと奥行き方向Yとに平行する平面に沿った方向を“水平方向”と称し、平面に対して直交する方向(矢印Zの方向)を“厚み方向”、“上下方向”、“高さ方向”又は“垂直方向”と称する場合がある。
図1〜3に示すように樹脂複合体Aは、ビーズ発泡体で形成された芯材A1を備え、芯材A1が樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂(FRP)層A2で覆われている。
芯材A1を構成するビーズ発泡体A11は、発泡剤を含む予備発泡粒子を二次発泡させてなる発泡粒子100で構成されており、複数の発泡粒子100が互いに熱融着することにより形成されたものである。より詳しくは、ビーズ発泡体A11は、非発泡状態の樹脂粒子(以下「原粒」ともいう)に発泡剤を含有させて発泡性粒子を調製し、発泡性粒子を一旦発泡させて予備発泡粒子を得、予備発泡粒子を使ってビーズ発泡されたものである。
原粒は、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。ポリカーボネート系樹脂以外に、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂等も使用できる
一般にビーズ発泡体を作製するための成形型には、直径1cm程度で長さ数mmの円筒体の内側に蒸気の通り道となるスリットを形成させたコアベントと呼ばれる部材が型の壁面を貫通するように数多く設けられており、コーナー部等のコアベントを設け難い箇所においては直径1mm以下のキリ孔が設けられて蒸気の通り道が確保されている。そのため、ビーズ発泡体は、通常、コアベントやキリ孔に侵入した樹脂による微小な突起が表面に数多く形成されている。更に、ビーズ発泡体に用いる成形型では、通常、予備発泡粒子の供給口を成形時に閉塞するための蓋体や、成形後のビーズ発泡体を成形型から払い出すためのイジェクトピンの先端部が成形面を構成しているためにビーズ発泡体の表面にはこれらの痕が残った状態となる。
このようなビーズ発泡体の表面の突起は、繊維強化樹脂材との界面に隙間を形成させたり、繊維強化樹脂材の繊維の並びを乱したりする原因になるため、繊維強化樹脂材を積層させる際にある程度の圧力を掛け、表面を平滑にすることが望まれる。なお、一般的にビーズ発泡体A11の表面や内部には、隣り合う発泡粒子100aどうしの間に隙間A11a等が形成され易い。また、隙間A11aの幾つかはビーズ発泡体A11の表面において開口した状態になっており、繊維強化樹脂層A2を形成する際に繊維強化樹脂材の樹脂が入り込み得るものとなっている。発泡粒子間の隙間やビーズ発泡体表面に開口部があると最終の樹脂成形品である樹脂複合体は、繊維強化樹脂層A2に樹脂不足が生じたり、不要な質量増加を生じたりするものとなり得る。また、粒子間に隙間が存在することにより、圧縮に対する強度低下を生じやすく、繊維強化樹脂材を積層させる際に圧力を掛けるとビーズ発泡体が潰れることがある。
従って、ビーズ発泡体A11には、このような隙間を形成させないことが好ましい。ビーズ発泡体は、透気抵抗度が高いことで発泡粒子が密に充填されたビーズ発泡体となっており、圧縮に対する強度が高くなることから、ビーズ発泡体が繊維強化樹脂材と積層させる際の圧力に耐えることができる。また、ビーズ発泡体は発泡粒子が密に充填されていることから、繊維強化樹脂材の樹脂がビーズ発泡体内の発泡粒子間に浸透することがなく、繊維強化樹脂層A2に樹脂不足が生じたり、ビーズ発泡体が潰れたりし難いものとなり得る。
繊維強化樹脂材を積層するビーズ発泡体は、繊維強化樹脂層A2で覆われる表面における透気抵抗度が高いことが好ましく、切り出された切片で測定される透気抵抗度が30s以上であることが好ましく、40s以上であることがより好ましい。
透気抵抗度は複数個所について実施した平均値(平均透気抵抗度)として求められる。
ビーズ発泡体の透気抵抗度が低いということは、ビーズ発泡体を形成している発泡粒子間に隙間が形成されたり、発泡粒子の樹脂膜に破れや薄い箇所が存在したりすることを意味する。このような発泡粒子間の隙間や樹脂膜の破れや樹脂膜が薄い部分があると繊維強化樹脂層A2を形成すべく繊維強化樹脂材をビーズ発泡体の表面に積層した際にビーズ発泡体に繊維強化樹脂材の樹脂が入り込み易くなる。また、ビーズ発泡体の圧縮強度が弱くなることがあり、繊維強化樹脂材と積層させる際の圧力に負けて、潰れることがある。
ビーズ発泡体は透気抵抗度が高いため、発泡粒子間の隙間や樹脂膜の破れが少なく、ビーズ発泡体の圧縮強度が高いものとなり、ビーズ発泡体のJIS K7220に準拠して測定した10%圧縮応力(MPa)を測定したビーズ発泡体の密度(g/cm)で除した値が9.0以上の優れた高い圧縮強度を持つビーズ発泡体となりえる。9.0未満の場合、ビーズ発泡体の圧縮強度が弱いため、繊維強化樹脂材と積層させる際の圧力に負け、ビーズ発泡体に潰れが発生したり、又はビーズ発泡体を構造部材として使用した際に圧縮強度が足りずに変形や破壊が起こる恐れがある。この値は、9.5以上であることがより好ましい。
なお、ビーズ発泡体が、発泡粒子どうしの熱融着性が低いものである場合、樹脂膜の薄い部分から侵入した繊維強化樹脂材の樹脂が発泡粒子どうしの界面を伝って当該ビーズ発泡体のより深くにまで侵入することがある。更にビーズ発泡体が、連続気泡率の高いものであると樹脂膜の破れた部分や薄い部分から侵入した繊維強化樹脂材の樹脂が発泡粒子内により多く侵入し易くなる。そのため、ビーズ発泡体は、透気抵抗度が高いことも重要であるが、更に熱融着率が高く独立気泡性が高いことが好ましい。
平均透気抵抗度と平均厚み、10%圧縮応力、ビーズ発泡体の密度の測定法は実施例に記載する。
また、ビーズ発泡体A11は、その熱融着率(発泡粒子どうしの熱融着率)が50%以上であることが好ましい。ビーズ発泡体A11の熱融着率は、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
ビーズ発泡体A11の熱融着率の測定法は実施例に記載する。
ビーズ発泡体は、樹脂複合体Aに優れた軽量性を発揮させる上において、密度が0.6g/cm以下であることが好ましい。ビーズ発泡体の密度は0.4g/cm以下であることがより好ましく、0.2g/cm以下であることが更に好ましい。ビーズ発泡体は、樹脂複合体Aに優れた強度を発揮させる上において、密度が0.02g/cm以上であることが好ましい。ビーズ発泡体の密度は0.025g/cm以上であることがより好ましく、0.03g/cm以上であることがより好ましい。
ビーズ発泡体の密度の測定法は実施例に記載する。
ビーズ発泡体は、樹脂複合体に優れた強度を発揮させる上において、連続気泡率が20%以下であることが好ましい。ビーズ発泡体の連続気泡率は、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。ビーズ発泡体の連続気泡率は、通常、1%以上とされる。
ビーズ発泡体の連続気泡率の測定法は実施例に記載する。
上記のような発泡粒子どうしの融着性に優れたビーズ発泡体を得る上において、予備発泡粒子を成形する際には、高圧な蒸気を用いて成形することが必要である。具体的には、本発明におけるビーズ発泡体を得るためには、絶対圧力で0.8MPa以上の蒸気圧力で成形することが好ましい。また、蒸気圧力を上げ過ぎると、成形時の温度が上昇しすぎて発泡粒が溶融してしまい、成形体を得ることが難しくなるため、蒸気圧力は絶対圧力で1.2MPa以下の圧力で成形することが望ましく、1.1MPa以下で成形することがよ
り好ましい。
しかしながら、高圧の蒸気で成形を行う場合、予備発泡粒子内の圧力が成形蒸気圧に負けてしまい、収縮を起こしてしまうことがある。収縮を起こしてしまうと、融着率が向上しても、発泡粒子間に隙間が発生してしまい、透気抵抗度の低いビーズ発泡体となってしまうことがある。このため、発泡粒子どうしの融着性に優れ、且つ透気抵抗度の高いビーズ発泡体を得るためには、成形蒸気圧を絶対圧で0.8MPa以上とすると共に、予備発泡粒子に十分な発泡力を与えることが適切である。
具体的には、下記式を満足するような内圧付与を予備発泡粒子に実施することが適切である。
成形時の気泡内圧力(Pm)≧成形時の水蒸気圧力(Ps)
ここでPm及びPsは共に絶対圧(MPa)である。
また、成形時の気泡内圧力(Pm)は下記式により算出される。
Pm=Pf×(Ts+273)/293×V/Vm
ここで、Pfは予備発泡粒子内の気泡内圧力(MPa)、Tsは上記の圧力における飽和蒸気温度(℃)、Vは予備発泡粒子内の空間の体積(cm)、Vmは予備発泡粒子が成形蒸気により2次発泡し金型内に隙間なく充填した後の予備発泡粒子内の空間の体積(cm)である。
更に、Pf、Ts、V、Vmはそれぞれ下記式より算出される。
Pf=8.31×293×(0.1×V/8.31/293+W/M)/V
V=100×R/ρ0−100/ρs
Vm=100×R/ρ0/R−100/ρs
ここでWは内圧付与量(質量%)、Mは内圧付与ガスの分子量(g)、Rは予備発泡粒子の充填率、ρ0は予備発泡粒子の嵩密度(g/cm)、ρsは樹脂密度(g/cm)である。予備発泡粒子の充填率Rは0.6とする。
なお、TsはPsの値から下記式によって算出する。
Ts=237.3×Log(Ps×10000/6.1078)/(7.5−Log(Ps×10000/6.1078))
予備発泡粒子への内圧付与は、予備発泡粒子を作製後に加圧容器に予備発泡粒子を充填し、そこへ空気、窒素、炭酸ガス等の気体を加圧充填することで行うことができる。また、内圧付与量Wは、内圧付与の実施前後の予備発泡粒子の質量を測定し、下記式より計算できる。
W(質量%)=(内圧付与後の予備発泡粒子質量(g)−内圧付与前の予備発泡粒子質量(g))/内圧付与前の予備発泡粒子質量(g)×100
また、予備発泡粒子の嵩密度は、予備発泡粒子を1000cmのメスシリンダーに800cm程度になるようはかり取った時の発泡粒子の質量をメスシリンダーから読み取った発泡粒子の嵩体積で除することで得られる。
上記ビーズ発泡体によって構成された芯材A1とともに樹脂複合体Aを構成する繊維強化樹脂層A2は、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で形成されている。繊維強化樹脂層A2は、第1繊維強化樹脂材A21と第2繊維強化樹脂材A22とによって形成された2層構造のものとなっている。第1繊維強化樹脂材A21と第2繊維強化樹脂材A22とは、繊維と樹脂との割合や繊維や樹脂の種類が同じである必要は無く、これらを互いに異ならせていてもよい。
繊維強化樹脂層A2に含まれる繊維は、短繊維の状態であっても連続繊維の状態であってもよい。繊維を連続繊維とする場合、繊維は引き揃え糸や撚糸といった糸の状態で繊維強化樹脂層A2に含有され得る。糸は、織物や編物となって繊維強化樹脂層A2に含有され得る。織物は、平織物、綾織物、繻子織物等であってもよい。繊維が短繊維の場合、繊維は不織布のような状態で繊維強化樹脂層A2に含有され得る。
繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、ステンレス繊維、スチール繊維等の無機繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維等の有機繊維;ボロン繊維等が挙げられる。繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
繊維強化樹脂層A2を繊維とともに構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、耐熱性、衝撃吸収性、耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。
繊維強化樹脂層A2は、通常、0.1mm〜5mmの厚さとなるように形成される。また、繊維強化樹脂層A2は、通常、繊維を10質量%以上90質量%以下の割合で含有するように形成される。繊維強化樹脂層A2の形成には、上記の樹脂や繊維以外に各種添加剤を用いてもよい。
樹脂複合体Aは、例えば、予め芯材A1となるビーズ発泡体を作製し、その後、ビーズ発泡体の表面を覆うように繊維強化樹脂材を貼り合せ、更に、オートクレーブ等の加圧装置によって繊維強化樹脂材とビーズ発泡体とを加圧・加熱環境下で一体化させることで作製される。
ビーズ発泡体は、ポリカーボネート系樹脂を主成分とした樹脂組成物から得ることができる。
ビーズ発泡体は、原粒に発泡剤を含有させて発泡性粒子を作製する発泡性粒子作製工程、作製された発泡性粒子を加熱して予備発泡(一次発泡)させて予備発泡粒子を作製する予備発泡工程、予備発泡粒子内に気体を含浸させて二次発泡力を付与する内圧付与工程、及び、内圧付与した予備発泡粒子を成形型内で二次発泡させて成形型のキャビティ(成形空間)に対応した形状を有する成形品(ビーズ発泡体)を作製する成形工程を実施して作製できる。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又は2価のフェノールとのポリエステル構造を有することが好ましい。耐熱性をより一層高める観点からは、ポリカーボネート系樹脂は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の具体例としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
その他には炭酸と、脂肪族ジオール又は脂環式ジオールからなる脂肪族系のポリカーボネート系樹脂を採用することもできる。これらは複数の脂肪族ジオール又は脂環式ジオールを含む共重合体であってもよく、分子鎖中に脂肪族ジオール又は脂環式ジオールに代表される脂肪族系由来の成分と前記芳香族系由来の成分を有する共重合体であってもよい。
ポリカーボネート系樹脂としては、直鎖状ポリカーボネート樹脂及び分岐状ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、これら両者がブレンドされていてもよい。ポリカーボネート系樹脂は、アクリル酸エステルとの共重合体でもよいが、アクリル酸エステル由来の成分の割合が50質量%以下であることが好ましい。
また、ポリカーボネート系樹脂は1〜20g/10分のMFRを有していることが好ましい。この範囲の樹脂は発泡に適しており、より高倍化させやすい。より好ましいMFRの範囲は、2〜15g/10分である。
基材樹脂には、他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、他の樹脂、相溶化剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
他の樹脂としては、飽和ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリフェニレンオキサイド系樹脂等が挙げられる。基材樹脂中の他の樹脂の含有量は、50質量%未満であることが好ましい。
樹脂粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、樹脂粒子の短径Dと長径Lとの比L/Dができるだけ1に近いことが好ましい。LとDは0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。また、平均粒子径は、0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。
樹脂粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、基材樹脂を押出機に供給して溶融混練し、得られたストランドを、空気中でカット、水中でカット、加熱しつつカットすることで、造粒する方法が挙げられる。
上記で得られた樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより、発泡性粒子を得ることができる。
樹脂粒子に含浸される発泡剤としては、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、エアー(空気)、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等が挙げられる。これら発泡剤は2種以上併用してもよい。これら発泡剤の内、無機発泡剤が好ましく、炭酸ガスがより好ましい。
発泡剤の含有量(含浸量)は、ポリカーボネート系樹脂組成物100質量部に対して、3〜15質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が3質量部未満であると、発泡力が低くなり、良好に発泡させ難いことがある。含有量が15質量部を超えると、可塑化効果が大きくなり、発泡時に収縮が起こりやすく、生産性が悪くなると共に、安定して所望の嵩密度を得難くなることがある。より好ましい発泡剤の含有量は、4〜12質量部である。
含浸方法としては、樹脂粒子を水系に分散させ撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に樹脂粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。乾式含浸法による樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されないが、含浸を効率的に行い、より一層良好な発泡粒子及び発泡成形体を得る観点からは、含浸圧は0.5〜10MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。1〜4.5MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。
含浸時間は、0.5〜200時間であることが好ましい。0.5時間未満の場合、発泡剤の樹脂粒子への含浸量が低下するため、十分な発泡力が得られ難いことがある。200時間より長い場合、生産性が低下することがある。より好ましい含浸時間は、1〜100時間である。
また、含浸温度は、0〜60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、発泡剤の樹脂への溶解性は高まり、必要以上に発泡剤が含浸される。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は低下する。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。60℃より高い場合、発泡剤の樹脂への溶解性は低下し、発泡剤の含浸量が低下する。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は高まる。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5〜50℃である。
発泡性粒子には、結合防止剤、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤が添加されていてもよい。
結合防止剤(合着防止剤)は、予備発泡工程において、予備発泡粒子同士の合着を防止する役割を果たす。ここで、合着とは、複数の発泡粒子が合一して一体化することをいう。結合防止剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機系粉末や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアリン酸アミド等、脂肪酸金属塩や脂肪酸エステル等の有機系粉末が挙げられる。結合防止剤の添加量は、発泡性粒子100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましい。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール及びシリコンオイル等が挙げられる。
発泡性粒子を発泡させて予備発泡粒子を得る方法としては、発泡性粒子を熱風、オイルの様な熱媒、スチーム(水蒸気)等により加熱して発泡させる方法がある。安定的に製造する為には、スチームが好ましい。
予備発泡時の発泡機には密閉耐圧の発泡容器を使用することが好ましい。また、スチームの圧力は0.10〜0.80MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.20〜0.45MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。発泡時間は所望の嵩密度を得るのに必要な時間であればよい。好ましい発泡時間は、3〜180秒である。180秒を超えると予備発泡粒子の収縮が始まることがあり、そのような予備発泡粒子からは良好な物性のビーズ発泡体が得られないことがある。
合着防止剤は成形前に除去してもよい。除去方法としては、水、塩酸等の酸性水溶液を用いて洗浄できる。
予備発泡粒子は、上記式を満たすよう成形蒸気圧に合わせた所定の内圧付与量となるように、圧力容器内に予備発泡粒子を充填しその中へ発泡剤を圧入し内圧付与を行う。
内圧付与で使用する発泡剤には、予備発泡粒子製造時の発泡剤を使用できる。その中でも、無機発泡剤を使用することが好ましい。特に、窒素ガス、エアー及び炭酸ガスから1つを使用すること又は2つ以上を併用することが好ましい。
内圧を付与するための圧力は、必要な内圧付与量を得ることができる範囲であることが望ましいが、圧力が高いと予備発泡粒子がつぶれてしまうことがある。そのような場合は、圧力を段階的に昇圧し、予備発泡粒子内と圧力容器内を均圧にしたうえで徐々に昇圧していくことで予備発泡粒子の潰れを抑えることができる。内圧付与圧力は具体的には、0.1〜4MPa(ゲージ圧)で行うことができる。
なお、ここではこれ以上に詳細な説明を繰り返すことはしないが、本発明のビーズ発泡体や樹脂複合体については、上記例示に何等限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず実施例における各種物性の測定法を下記する。
(予備発泡粒子の嵩密度)
1000cmのメスシリンダーに予備発泡粒子を約800cm充填し、メスシリンダーを数回振動させて充填を密にし、充填した予備発泡粒子上部を軽く押さえて平らにした後、メスシリンダーを水平方向から目視し嵩体積を読み取りVb(cm)とした。次に、メスシリンダー内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とした。そして、下記式により予備発泡粒子の嵩密度を求めた。
嵩密度(g/cm)=W/Vb
嵩倍数は嵩密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(g/cm)を積算した値とした。
ポリカーボネート系樹脂の密度はJIS K7112:1999に規定した方法で測定した。
(ビーズ発泡体の平均透気抵抗度・平均厚み)
透気抵抗度は、JIS P8117:2009に準拠して測定した。まず、ビーズ発泡体をスプリッティングマシン(例えば、フォーチュナ社製「AB−320D」)を用いて0.9mm以上1.2mm以下の厚さでスライスし試料を用意した。試料は、50mm×50mmの大きさとし、ビーズ発泡体から少なくとも10枚の試料を採取した。試料をガーレ試験機B型にセットし透気抵抗度を測定した。この時、透気抵抗度の数値が600sを超える場合は、600sとした。透気抵抗度を測定した箇所の中心部の試料厚みを例えばミツトヨ社製、「シックネスゲージ547タイプ」で測定した。そして、同様に計10枚の試料についてそれぞれ透気抵抗度と試料厚みを測定し、算術平均して平均透気抵抗度(s)と平均厚み(mm)を求めた。
(ビーズ発泡体の10%圧縮応力)
10%圧縮応力はJIS K7220:2006に準拠して測定した。まず、ビーズ発泡体から縦50mm×横50mm×厚さ25mmの試験片をビーズ発泡体の表層部分を除いた状態で3個採取し、23±2℃、RH50±5%の環境下で24時間以上放置した。試験片の寸法を例えばミツトヨ社製、「デジマチックキャリパ」で測定し、質量を例えばエー・アンド・デイ社製、「上皿電子天秤 FZ−300i」で測定した。10%圧縮応力(MPa)をオリエンテック社製「テンシロンUCT−10T」万能試験機と、ソフトブレーン社製「UTPS−458X」万能試験機データ処理装置を用いて、試験速度2.5mm/min、変位原点を回帰点として各試験片に対して測定し、その平均値を10%圧縮応力とした。また、試験片の密度(g/cm)は、各試験片の寸法と質量から算出値の平均値とした。
(ビーズ発泡体の融着率)
ビーズ発泡体の表面にカッターナイフで深さ約2mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿ってビーズ発泡体を二分割し、その破断面における発泡粒子について、100〜150個の任意の範囲で粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子同士の界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とした。なお、融着率の測定試料は、基本的に平板形状とし、厚み30mm程度、幅300mm程度、長さ400mm程度のものとし、切り込み線は、測定試料の長さ方向中央部を幅方向に向かって横断するように形成した。ビーズ発泡体からこのような測定試料が採取できない場合、融着率は、ビーズ発泡体から採取し得る大きさの試料を用いて求めた。
(ビーズ発泡体の密度)
ビーズ発泡体の密度(見掛け密度)の測定は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」に準じて測定した。
また、発泡倍率は、ビーズ発泡体を構成している樹脂組成物の非発泡状態での密度(樹脂密度)を、ビーズ発泡体の見掛け密度で除して求めた。樹脂密度は、ビーズ発泡体を熱プレスする等して非発泡状態の試料を作製し、試料の密度を測定して求めた。このときの測定は、JIS K7112:1999「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」の水中置換法とした。
(ビーズ発泡体の連続気泡率)
測定に用いる試験片は、ビーズ発泡体から表皮を残さないように切り出し、更に切断面表面を冨士島工機社製「FK−4N」パンスライサーにて仕上げ、25mm×25mm×25mmの立方体状とした。試験片は、5つ作製した。試験片の連続気泡率は、試験片をJIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間状態調節した後、同環境下で見掛けの体積(cm)を測定するとともに空気比較式比重計で体積を測定することで求めた。見掛けの体積は、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を用いて、1/100mmの精度で外寸を測定して求めた。次に空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を使用して、1−1/2−1気圧法により測定試料の体積(cm)を求め、下記式により連続気泡率(%)を計算し、5つの試験片の連続気泡率の平均値を求めた。なお、空気比較式比重計は、標準球(大28.96cm 小8.58cm)にて補正を行ったものを用いた。
連続気泡率(%)=100×(見掛け体積−空気比較式比重計での測定体積)/見掛け体積
実施例1
押出機を用いて直径φ1.0mm×長さ1.1mmのサイズにペレット化したポリカーボネート樹脂(SABIC Innovative Plastics社、レキサン(登録商標)153)2kgを10Lの耐圧容器内に収容した。
耐圧容器へ炭酸ガスを圧入し、圧力2.8MPa(ゲージ圧)まで加圧した状態で、20℃の環境下で24時間放置し、ペレットに炭酸ガスを含浸して発泡性粒子を得た。
次いで、圧力容器内を除圧した後、発泡性粒子を取り出し、合着防止剤として炭酸カルシウム0.5質量部をドライブレンドした後、0.34MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気で約13秒間加熱することで予備発泡させた。この時圧力容器から取出した直後の発泡性粒子への炭酸ガスの含浸量は6.6質量%で、予備発泡粒子の嵩密度は0.15g/cmであった。
次に、得られた予備発泡粒子を希塩酸水を用いて表面に付着している炭酸カルシウムを洗浄除去して乾燥させた。この後、10Lの耐圧容器内に予備発泡粒子約700gを収容し、窒素ガスを1.5MPa(ゲージ圧)になるまで加圧充填した。そのまま室温にて24時間放置し、予備発泡粒子内に内圧付与を行った。
次に、耐圧容器内を除圧した。除圧後、耐圧容器内の上記内圧付与させた予備発泡粒子を取出した。この予備発泡粒子を300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧成形機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.8MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を20秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。この時、内圧付与量は5質量%であった。また得られたビーズ発泡体の厚みは、29.94mmであった。ビーズ発泡体の厚みは、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を用い、得られたビーズ発泡体の表面に形成された蒸気スリット痕等の凹凸物を避けて5点測定した厚みの平均値とした。
また、成形時の気泡内圧(Pm)=1.22MPa>成形蒸気圧(Ps)=0.9MPa(絶対圧)であった。
次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した。その結果、平均透気抵抗度は69.72sであった。試料の平均厚みは1.04mmであった。
実施例2
実施例1と同じ内圧付与を実施した予備発泡粒子を用い、実施例1と同様に300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧成形機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型内に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.9MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を20秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。
この時の成形時の気泡内圧(Pm)=1.23MPa>成形蒸気圧(Ps)=1.0MPa(絶対圧)であった。
また実施例1と同様に測定したビーズ発泡体の厚みは、29.96mmであった。次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した結果、平均透気抵抗度は50.45sであった。試料の平均厚みは0.95mmであった。
実施例3
ポリカーボネート樹脂を(帝人社、パンライト(登録商標)Z2601)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製したペレット2kgを5Lの耐圧容器内に収容した。
耐圧容器へ炭酸ガスを圧入し、圧力4.2MPa(ゲージ圧)まで加圧した状態で、20℃の環境下で48時間放置し、ペレットに炭酸ガスを含浸して発泡性粒子を得た。
次いで、圧力容器内を除圧した後、発泡性粒子を取り出し、合着防止剤として炭酸カルシウム0.5質量部をドライブレンドした後、0.34MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気で約10秒間加熱することで予備発泡させた。この時圧力容器から取出した直後の発泡性粒子への炭酸ガスの含浸量は7.5質量%で、予備発泡粒子の嵩密度は0.17g/cmであった。
次に、得られた予備発泡粒子を希塩酸水を用いて表面に付着している炭酸カルシウムを洗浄除去して乾燥させた。この後、10Lの耐圧容器内に予備発泡粒子約700gを収容し、窒素ガスを1.5MPa(ゲージ圧)になるまで加圧充填した。そのまま室温にて24時間放置し、予備発泡粒子内に内圧付与を行った。
内圧付与させた予備発泡粒子を耐圧容器内を除圧した後取出した。この予備発泡粒子を300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧成形機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型内に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.9MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を20秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。この時、内圧付与量は4.1質量%であった。また得られたビーズ発泡体の厚みは、29.95mmであった。
また、成形時の気泡内圧(Pm)=1.18MPa>成形蒸気圧(Ps)=1.0MPa(絶対圧)であった。
次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した結果、平均透気抵抗度は260.3sであった。試料の平均厚みは1.04mmであった。
実施例4
実施例1のビーズ発泡体から厚み26mm、大きさ100mm×100mmの板状サンプルを切り出して芯材とした。同じく100mm×100mmにカットしたカーボンFRPプリプレグを4枚用意し、このうち2枚を芯材の上面側に外周縁が揃うように重ねた。同じように残りの2枚を芯材の下面側に配置し予備成形体を作製した。この予備成形体をオートクレーブで加熱しつつ加圧し、芯材の上下に繊維強化樹脂層が形成された樹脂複合体を作製した。樹脂複合体は、樹脂枯れやビーズ発泡体の潰れもなく、表面状態が良好であった(下記条件)。樹脂複合体の厚みを測定した結果、元の芯材厚みと比べ、樹脂複合体作製後の芯材厚み残存率は89.2%であった。なお、樹脂複合体の厚みは両面を200mm×200mmの平滑な金属板で挟み、金属板同士の隙間を測定することで、樹脂複合体の厚みとした。金属板同士の隙間は、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を用いて、樹脂複合体4辺中央部を1/100mmの精度で測定し、4辺隙間の算術平均を複合体の厚みとした。更に繊維強化樹脂層の厚みを1.00mmとして、樹脂複合体厚みより差し引いた値を樹脂複合体作製後の芯材の厚みとし、芯材の元の厚みで除することで芯材の厚み残存率とした。
実施例5
実施例2のビーズ発泡体を厚みをそのままにして大きさを150mm×150mmにカットして芯材とした。同じく150mm×150mmにカットしたカーボンFRPプリプレグを4枚用意し、この内2枚を芯材の上面側に外周縁が揃うように重ねた。
同じように残りの2枚を芯材の下面側に配置し予備成形体を作製した。この予備成形体をオートクレーブで加熱しつつ加圧し、芯材の上下に繊維強化樹脂層が形成された樹脂複合体を作製した。樹脂複合体は、樹脂枯れやビーズ発泡体の潰れもなく、表面状態が良好であった(下記条件)。樹脂複合体の厚みを実施例4と同様にして測定した樹脂複合体作製後の芯材厚み残存率は98.5%であった。
実施例6
実施例3のビーズ発泡体を厚みをそのままにして大きさを100mm×100mmにカットして芯材とした。同じく100mm×100mmにカットしたカーボンFRPプリプレグを4枚用意し、このうち2枚を芯材の上面側に外周縁が揃うように重ねた。同じように残りの2枚を芯材の下面側に配置し予備成形体を作製した。この予備成形体をオートクレーブで加熱しつつ加圧し、芯材の上下に繊維強化樹脂層が形成された樹脂複合体を作製した。樹脂複合体は、樹脂枯れやビーズ発泡体の潰れもなく、表面状態が良好であった(下記条件)。樹脂複合体の厚みを実施例4と同様にして測定した樹脂複合体作製後の芯材厚み残存率は99.1%であった。
実施例7
ポリカーボネート樹脂を(帝人社、パンライト(登録商標)L1250Y)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、作製したペレットに炭酸ガスを含浸させた後、予備発泡させて予備発泡粒子を得た。炭酸ガスの含浸量は7.3質量%、予備発泡条件は0.34MPa(ゲージ圧)、11秒加熱とした。予備発泡粒子の嵩密度は0.15g/cmであった。
次に、得られた予備発泡粒子に実施例1と同様にして窒素ガスで内圧付与を行った。次に、耐圧容器内を除圧した。除圧後、耐圧容器内の上記内圧付与させた予備発泡粒子を取出した。この予備発泡粒子を300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧成形機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型内に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.9MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を30秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。この時、内圧付与量は4.5質量%であった。また得られたビーズ発泡体の厚みは、29.96mmであった。
また、成形時の気泡内圧(Pm)=1.28MPa>成形蒸気圧(Ps)=1.0MPa(絶対圧)であった。
次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した結果、平均透気抵抗度は80.9sであった。試料の平均厚みは1.05mmであった。
実施例8
実施例7のビーズ発泡体を厚みをそのままにして大きさを100mm×100mmにカットして芯材とした。同じく100mm×100mmにカットしたカーボンFRPプリプレグを4枚用意し、このうち2枚を芯材の上面側に外周縁が揃うように重ねた。同じように残りの2枚を芯材の下面側に配置し予備成形体を作製した。この予備成形体をオートクレーブで加熱しつつ加圧し、芯材の上下に繊維強化樹脂層が形成された樹脂複合体を作製した。樹脂複合体は、樹脂枯れやビーズ発泡体の潰れもなく、表面状態が良好であった(下記条件)。樹脂複合体の厚みを実施例4と同様にして測定した樹脂複合体作製後の芯材厚み残存率は98.4%であった。
<実施例4〜6及び8の樹脂複合体成形条件>
加熱条件:90℃/20分、130℃/60分
圧力条件:0.3MPa(+サンプルを真空状態)
プリプレグ:クロスプリプレグTR3523 381GMX(三菱レイヨン社製)
予備成形体の構成:プリプレグ2ply/芯材/プリプレグ2ply
比較例1
押出機を用いて直径φ1.0mm×長さ1.1mmのサイズにペレット化したカーボネート樹脂(SABIC Innovative Plastics社、レキサン(登録商標)153)2kgを10Lの耐圧容器内に収容した。耐圧容器へ炭酸ガスを圧入し、圧力2.5MPa(ゲージ圧)まで加圧した状態で、20℃の環境下で24時間放置し、ペレットに炭酸ガスを含浸して発泡性粒子を得た。次いで、圧力容器内を除圧した後、発泡性粒子を取り出し、合着防止剤として炭酸カルシウム0.5質量部をドライブレンドした後、0.34MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気で約10秒間加熱することで予備発泡させた。この時圧力容器から取出した直後の発泡性粒子への炭酸ガスの含浸量は7.5質量%で、予備発泡粒子の嵩密度は0.14g/cmであった。次に、得られた予備発泡粒子を希塩酸水を用いて表面に付着している炭酸カルシウムを洗浄除去して乾燥させた。この後、10Lの耐圧容器内に予備発泡粒子約700gを収容し、窒素ガスを1.5MPa(ゲージ圧)になるまで加圧充填した。そのまま室温にて24時間放置し、予備発泡粒子内に内圧付与を行った。
内圧付与させた予備発泡粒子を耐圧容器内を除圧した後取出した。この予備発泡粒子を、300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧発泡機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型内に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.4MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を20秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。この時、内圧付与量は5質量%であった。
また、成形時の気泡内圧(Pm)=1.08MPa>成形蒸気圧(Ps)=0.5MPa(絶対圧)であった。
また、実施例1と同様にして測定したビーズ発泡体の厚みは、29.96mmであった。次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した結果、平均透気抵抗度は0.82sであった。試料の平均厚みは1.06mmであった。
比較例2
押出機を用いて直径φ1.0mm×長さ1.1mmのサイズにペレット化したカーボネート樹脂(SABIC Innovative Plastics社、レキサン(登録商標)153)2kgを10Lの耐圧容器内に収容した。耐圧容器へ炭酸ガスを圧入し、圧力4.0MPa(ゲージ圧)まで加圧した状態で、20℃の環境下で24時間放置し、ペレットに炭酸ガスを含浸して発泡性粒子を得た。次いで、圧力容器内を除圧した後、発泡性粒子を取り出し、合着防止剤として炭酸カルシウム0.5質量部をドライブレンドした後、0.34MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気で約8秒間加熱することで予備発泡させた。この時圧力容器から取出した直後の発泡性粒子への炭酸ガスの含浸量は7.7質量%で、予備発泡粒子の嵩密度は0.15g/cmであった。次に、得られた予備発泡粒子を希塩酸水を用いて表面に付着している炭酸カルシウムを洗浄除去して乾燥させた。この後、10Lの耐圧容器内に予備発泡粒子約700gを収容し、窒素ガスを0.8MPa(ゲージ圧)になるまで加圧充填した。そのまま室温にて24時間放置し、予備発泡粒子内に内圧付与を行った。内圧付与させた予備発泡粒子を耐圧容器内を除圧した後取出し、300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧発泡機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型内に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.7MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を20秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。この時、内圧付与量は2.6質量%であった。
また、成形時の気泡内圧(Pm)=0.76MPa<成形蒸気圧(Ps)=0.8MPa(絶対圧)であった。
また、実施例1と同様にして測定したビーズ発泡体の厚みは、29.98mmであった。次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した結果、平均透気抵抗度は20.79sであった。試料の平均厚みは1.11mmであった。
比較例3
比較例2と同じ内圧付与を実施した予備発泡粒子を用い、実施例1と同様に300mm×400mm×30mmの成形型を備えた高圧成形機を用いて、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に予備発泡粒子を充填後、金型内に0.3MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を3秒間導入して排気した後、0.9MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気を20秒間導入して成形し、ビーズ発泡体を得た。
この時の成形時の気泡内圧(Pm)=0.78MPa<成形蒸気圧(Ps)=1.0MPa(絶対圧)であった。
また、実施例1と同様に測定したビーズ発泡体の厚みは、29.96mmであった。次に、得られたビーズ発泡体を60℃のオーブンで24時間乾燥させた後、透気抵抗度を測定した結果、平均透気抵抗度は8.45sであった。試料の平均厚みは1.10mmであった。
比較例4
比較例1のビーズ発泡体を厚みをそのままにして大きさを100mm×100mmにカットして芯材としたこと以外は実施例4と同様にして樹脂複合体を作製したが、芯材が積層時の圧力に負け潰れてしまい、良好な樹脂複合体が得られなかった。また、実施例4と同様にして測定した樹脂複合体作製後の芯材の厚み残存率は、77.4%であった。
比較例5
比較例2のビーズ発泡体を厚みをそのままにして大きさを150mm×150mmにカットして芯材としたこと以外は実施例4と同様にして樹脂複合体を作製したが、芯材が積層時の圧力に負け潰れてしまい、良好な樹脂複合体が得られなかった。また、実施例4と同様にして測定した樹脂複合体作製後の芯材の厚み残存率は、81.8%であった。
比較例6
比較例3のビーズ発泡体を厚みをそのままにして大きさを150mm×150mmにカットして芯材としたこと以外は実施例4と同様にして樹脂複合体を作製したが、芯材が積層時の圧力に負け潰れてしまい、良好な樹脂複合体が得られなかった。また、実施例4と同様にして測定した樹脂複合体作製後の芯材の厚み残存率は、75.1%であった。
表1に実施例1〜3と7及び比較例1〜3の、表2に実施例4〜6と8及び比較例4〜6の、各種物性を示す。
上記表1及び2から、本発明によれば強度と軽量性とに優れ、且つ、外観美麗な樹脂複合体が得られることがわかる。
A 樹脂複合体、A1 芯材、A2 繊維強化樹脂層、A21 第1繊維強化樹脂層、A22 第2繊維強化樹脂層、A11 ビーズ発泡体、100 発泡粒子、100a 発泡粒子、A11a 隙間、Aa 凹入部

Claims (4)

  1. 複数の発泡粒子から構成されたビーズ発泡体であり、前記ビーズ発泡体は、前記ビーズ発泡体から切り出された切片から測定される平均透気抵抗度が30s以上となる性質を示し、前記ビーズ発泡体がポリカーボネート系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物から構成されることを特徴とするビーズ発泡体。
  2. 前記ビーズ発泡体が、それを芯材とし、前記芯材を覆う繊維強化樹脂層とを備えた樹脂複合体の形成に用いられる請求項1に記載のビーズ発泡体。
  3. 芯材としてのビーズ発泡体と、前記芯材を覆う繊維強化樹脂層とを備えた樹脂複合体であって、前記芯材が請求項1又は2に記載のビーズ発泡体であることを特徴とする樹脂複合体。
  4. ポリカーボネート系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する工程と、前記発泡性粒子を加熱することで予備発泡粒子を製造する工程と、前記予備発泡粒子に2次発泡力を付与するための内圧を付与する工程と、前記内圧を付与された予備発泡粒子を金型内に充填し、前記金型へ蒸気を導入して前記内圧を付与された予備発泡粒子を2次発泡させてビーズ発泡体を得る工程を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載のビーズ発泡体の製造方法であって、
    前記蒸気が0.8MPa(絶対圧)以上の圧力で金型内へ導入され、
    前記予備発泡粒子が、下記式:
    成形時の気泡内圧力(Pm、絶対圧:MPa)≧成形時の水蒸気圧力(Ps、絶対圧:MPa)
    を満たすように内圧を付与され、
    前記Pmは下記式:
    Pm=Pf×(Ts+273)/293×V/Vm
    (ここで、Pfは予備発泡粒子内の気泡内圧力(MPa)、Tsは蒸気の圧力における飽和蒸気温度(℃)、Vは予備発泡粒子内の空間の体積(cm3)、Vmは予備発泡粒子が蒸気により2次発泡し金型内に隙間なく充填された後の予備発泡粒子内の空間の体積(cm3)である)
    で算出され、
    前記Pf、V及びVmは下記式:
    Pf=8.31×293×(0.1×V/8.31/293+W/M)/V
    V=60/ρ0−100/ρs
    Vm=60/ρ0/0.6−100/ρs
    (ここで、Wは内圧付与量(質量%)、Mは内圧付与ガスの分子量(g)、ρ0は予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)、ρsは熱可塑性樹脂組成物の密度(g/cm3)である)
    で算出され、
    前記Tsは下記式:
    Ts=237.3×Log(Ps×10000/6.1078)/(7.5−Log(Ps×10000/6.1078))
    で算出されることを特徴するビーズ発泡体の製造方法。
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