JP6830040B2 - ケーブル用カバー、ケーブル、及び、それらの製造方法 - Google Patents

ケーブル用カバー、ケーブル、及び、それらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械や産業用ロボット等、固定部分に対し可動部が移動する装置における、固定部分と可動部との間で電力や制御信号等を伝える手段として使用されるケーブルのカバーに関する。
工作機械や産業用ロボット等では、固定状態の装置本体に対し移動する機構部分を用いて、加工や搬送、実装等の複雑な作業を実行する仕組みであり、こうした作業を実行する機構部分は、固定の装置本体に対して所定の範囲で動く可動部となっているが、こうした可動部に設けられた様々な機構を適切に動作させるために、可動部と固定状態の装置本体との間は、電力を送給したり制御信号を伝えるケーブルや、油圧や空気圧を送給する管等で接続されている。
このような装置において、可動部と固定部分との間に設けられるケーブル等は、適度な可撓性を有して、可動部の移動に追随して動くことから、ケーブル等と他の物体あるいはケーブル等自体の他部分との接触、摩擦が生じることとなる。このため、装置が用いられる環境によっては、ケーブル等の摩耗により粉塵が発生することによる悪影響を避ける必要があった。この他、装置が用いられる環境によっては、ケーブル等に耐熱性や耐薬品性を付与したり、ケーブル等の樹脂製被覆表面からのアウトガスによるトラブル防止を図る必要もあった。
こうしたケーブル等における摩耗を抑えたり、十分な耐熱性や耐薬品性を確保したり、アウトガス抑制を実現可能とするものとして、ケーブル等のシースとしてフッ素樹脂を用いるものが従来から提案されている。その一例として、特開2006−19125号公報に開示されるものがある。
特開2006−19125号公報
従来のケーブルは前記特許文献1に示される構成となっており、フッ素樹脂製シースの安定した性質に基づいて、摩耗による粉塵の発生等を防止できる。
しかしながら、前記特許文献で示されるような従来のケーブルでは、PTFE製シース部分が各ケーブル本体(同軸ケーブル)と面接触状態で密着していることから、ケーブル全体を動かすと各ケーブル本体とシースとの変形状態の差異に起因するストレスが、各ケーブル本体に加わり、耐久性を低下させ、断線のリスクを高めるなどの悪影響を与えるという課題を有していた。
また、PTFE製シース部分がその一部の焼結により一体化されているため、こうした焼結部分の硬質化の影響を受けて、PTFE製シース部分の可撓性や柔軟性等が、各ケーブル本体のそれらに対し大きく劣る状態となっており、ケーブル全体を動かす場合に、変形しにくいシースによる制約でケーブル全体が所望の屈曲状態にならず、ケーブルを接続した可動部の挙動やケーブル自体に悪影響を及ぼすおそれがあることに加え、シースの硬質化した焼結一体化部分にはケーブルが動くごとにストレスが加わり、シースの破損等のトラブルに繋がりやすいという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、最外層のフッ素樹脂層により耐摩耗性を確保しつつ、収容した内側のケーブル部に対する拘束を抑えて、ケーブル全体を動かす際にケーブル部にストレスが加わりにくく、且つ、硬化部分を生じさせず、ケーブル部収容状態で無理なく容易に屈曲可能な、ケーブル用カバー、及び、このカバーとケーブル部を組み合わせたケーブル、並びに、これらカバーやケーブルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るケーブル用カバーは、中間樹脂層の内外両側にフッ素樹脂層をそれぞれ一体に配置した積層管壁構造の管状体とされて、内部に中空部分を設けられてなる管状部と、当該管状部外面から突出する状態として管状部と一体に配設される、管状部長手方向に連続する突条部とを備え、前記管状部が、積層構造の一の管壁部分と、当該一の管壁部分の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層とはそれぞれ連続しない他の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層による積層構造である他の管壁部分とを有し、前記突条部は、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成されたものであり、前記管状部の、一の管壁部分と他の管壁部分の少なくとも一方における、少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸が、管状部長手方向に並べて形成されるものである。
このように本発明においては、ケーブル部を覆って保護するカバーとして、ケーブル部が内部を通るようにした管状部を設けると共に、この管状部から突出する突条部を長手方向に連続させて一体配設し、フッ素樹脂層を管状部の内外に配置すると共に、管状部に凹凸を多数並べて形成することにより、ケーブル部とカバーからなるケーブル全体が動いて、ケーブル部を収めた管状部と、ケーブル近傍の他の物体やケーブルの他部位との接触が起こる際には、管状部における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル全体をスムーズに動かせると共に、摩耗の大幅な抑制が図れることとなる。また、カバーのケーブル部と接する内側部分にもフッ素樹脂層を配設することで、ケーブル全体の動きに伴ってケーブル部とカバーの管状部との接触、摺動が生じても、摩擦力が大きくならず、抵抗を抑えてケーブル全体の動きを滑らかなものにできると共に、接触部位の摩耗による粉塵の発生を確実に抑えられる。
さらに、複数のフッ素樹脂層の管状部としての一体化が、隣り合う中間樹脂層を介してされた状態にあり、フッ素樹脂層同士の直接接合部分を有しないことから、フッ素樹脂層に硬化部分を設けない構造にでき、フッ素樹脂層の本来の可撓性や柔軟性がほとんど維持されたカバーとして、ケーブル全体を所望の屈曲状態にするようにできる。
また、本発明に係るケーブル用カバーは必要に応じて、前記管状部の各管壁部分における外側のフッ素樹脂層と中間樹脂層とが、互いに異なる色をそれぞれ付けられた状態として形成されるものである。
このように本発明においては、管状部の外面側のフッ素樹脂層と中間樹脂層の色を異ならせ、長期にわたる使用で仮にフッ素樹脂層の一部が摩耗して管状部表面から消失した場合、フッ素樹脂層の消失部分から中間樹脂層が一部露出して、大部分がフッ素樹脂層で覆われた管状部表面に中間樹脂層の異なる色が現れた状態となることにより、管状部外面のフッ素樹脂層の中から色の異なる中間樹脂層の露出箇所を明確且つ速やかに認識して、フッ素樹脂層の限度を超えた摩耗として把握可能となり、フッ素樹脂層の摩耗によるカバー劣化状態の判断が速やかに行え、交換等の対応に結び付けることができ、ケーブルの不具合による問題を未然に防止できる。
また、本発明に係るケーブル用カバーは必要に応じて、前記管状部の横幅方向における一又は複数の所定箇所に、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成される接合部が、管状部長手方向に連続して設けられ、管状部の中空部分が、接合部位置で複数に区画されるものである。
このように本発明においては、管状部の横幅方向における一又は複数の所定箇所に積層構造の接合部を設けて、ケーブル部の通る管状部の中空部分が複数に分かれるようにし、ケーブル部を複数組に分けた状態で管状部内に配置できることにより、ケーブル部を用途や種類の違いに応じて分けて管状部に収容したり、絶縁やノイズ防止のために互いに離して配置する必要のある複数組のケーブル部を、分かれた中空部分にそれぞれ収容して完全に隔離することができ、ケーブル部とカバーを組み合わせたケーブル全体としての使い勝手を大きく向上させることができる。
また、本発明に係るケーブル用カバーは必要に応じて、前記突条部に、管状部の凹凸より管状部長手方向に長い多数の凹凸を、管状部長手方向に並べて形成されるものである。
このように本発明においては、カバーの管状部長手方向に連続する突条部に、管状部のものと異なる所定の凹凸を繰り返し設けて、凹凸が長手方向に並んだ状態とすることにより、ケーブル全体が動いて、カバーにおける突条部と、ケーブル近傍の他の物体やケーブルの他部位との接触が起こる際に、突条部における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル全体をよりスムーズに動かせると共に、突条部における摩耗の抑制が図れる。また、突条部の凹凸の大きさを管状部の凹凸とは異ならせていることで、管状部と突条部における各振動モードに差異を生じさせ、ケーブルに生じる振動が特定の振動数に偏って大きくなるのを防いで、不要な振動を抑えることができる。
また、本発明に係るケーブルは、心線を一又は複数本有して可撓性のあるケーブル部と、内側に前記ケーブル部を一又は複数組収容する中空部分のある略管状のカバーとを備えるケーブルにおいて、前記カバーが、中間樹脂層の内外両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層管壁構造の管状体とされて、内部にケーブル部を収容可能な中空部分を設けられてなる管状部と、当該管状部外面から突出する状態として管状部と一体に配設される、管状部長手方向に連続する突条部とを備え、前記管状部が、積層構造の一の管壁部分と、当該一の管壁部分の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層とはそれぞれ連続しない他の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層による積層構造である他の管壁部分とを有し、前記突条部は、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成されたものであり、前記管状部の、一の管壁部分と他の管壁部分の少なくとも一方における、少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸が、管状部長手方向に並べて形成されるものである。
このように本発明においては、ケーブル部を覆って保護するカバーとして、ケーブル部が内部を通る管状部を設けると共に、この管状部から突出する突条部を長手方向に連続させて一体配設し、フッ素樹脂層を管状部の内外に配置すると共に、管状部に凹凸を多数並べて形成することにより、ケーブル全体が動いて、ケーブル部を収めた管状部と、ケーブル近傍の他の物体やケーブルの他部位との接触が起こる際に、管状部における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル全体をスムーズに動かせると共に、摩耗の大幅な抑制が図れることとなる。また、カバーのケーブル部と接する内側部分にもフッ素樹脂層を配設することで、ケーブル全体の動きに伴ってケーブル部とカバーの管状部との接触、摺動が生じても、摩擦力が大きくならず、抵抗を抑えてケーブル部とカバーのそれぞれの動きを滑らかなものにできると共に、接触部位の摩耗による粉塵の発生を確実に抑えられる。
さらに、カバーにおける複数のフッ素樹脂層の管状部としての一体化が、隣り合う中間樹脂層を介してされた状態にあり、フッ素樹脂層同士の直接接合部分を有しないことから、フッ素樹脂層に硬化部分を設けない構造にでき、フッ素樹脂層の本来の可撓性や柔軟性がほとんど維持されたカバーとして、ケーブル全体を所望の屈曲状態にするようにできる。
また、本発明に係るケーブル用カバーの製造方法は、熱可塑性樹脂からなる中間樹脂層の表裏両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層構造の二つの帯状シートを、シートの幅方向両端部所定範囲における一方のフッ素樹脂層をそれぞれ除去した状態で、二つのシートを除去により中間樹脂層の露出した端部同士が向かい合うように重ね合わせ、二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を一体化して、内部に連続する中空部分のある管状部を形成し、当該管状部の少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸を管状部長手方向に並べて形成するものである。
このように本発明においては、フッ素樹脂層を含む積層構造の二つの帯状シートを、一部のフッ素樹脂層を除去した状態でこの除去部分同士を向かい合わせるようにして重ね合わせ、フッ素樹脂層の除去により露出した二つの中間樹脂層を一体化して、中空部分のある管状部を形成し、且つ管状部には多数の凹凸を長手方向に並べて形成して、ケーブル部を収容可能なカバーとすることにより、カバーの内外にフッ素樹脂層を配置でき、カバー内部に通すケーブル部とカバーの管状部内面との接触、摺動が生じても、摩擦力が大きくならず、抵抗を抑えてケーブル部とカバーのそれぞれの動きを滑らかなものにできると共に、接触部位の摩耗による粉塵の発生を確実に抑えられる。また、ケーブル部を収めたカバー外面と、他の物体やカバーの他部位との接触が起こる場合も、カバーのうち管状部における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、カバーとその内側のケーブル部をまとめてスムーズに動かせると共に、摩耗の大幅な抑制が図れる。
さらに、二つのシートを、露出させた中間樹脂層端部同士を重ねて一体化して管状部としており、フッ素樹脂層同士を焼結等で直接接合していないことで、フッ素樹脂層を硬化させずに済み、フッ素樹脂層の本来の可撓性や柔軟性がほとんど維持されたカバーが得られ、カバーとこれに通したケーブル部を所望の屈曲状態にできることとなる。
また、本発明に係るケーブル用カバーの製造方法は必要に応じて、前記二つのシートを、シートの幅方向における両端部以外の一又は複数の所定箇所でも一方のフッ素樹脂層をそれぞれ除去した状態とし、二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を一体化するのと合わせて、前記所定箇所で露出して重なり合う中間樹脂層同士を一体化し、前記中空部分を複数に区画された状態で生じさせるものである。
このように本発明においては、二つの帯状シートを、幅方向両端部以外でもフッ素樹脂層を除去した状態とした上で、それぞれの除去により露出した二つの中間樹脂層を一体化して、中空部分を複数区画した状態とし、カバーの管状部にケーブル部を複数の組に分けて収容可能とすることにより、ケーブル部を用途や種類の違いに応じて分けて管状部に収容したり、絶縁やノイズ防止のために互いに離して配置する必要のある二組のケーブル部を、分かれた中空部分にそれぞれ収容して完全に隔離することができ、ケーブル部とカバーを組み合わせたケーブル全体としての使い勝手を大きく向上させることができる。
また、本発明に係るケーブル用カバーの製造方法は必要に応じて、前記二つのシートの中間樹脂層端部同士の一体化で、当該一体化部分が管状部外面から突出し、且つ管状部長手方向に連続する突条部をなし、当該突条部に、管状部の凹凸より管状部長手方向に長い多数の凹凸を、長手方向に並べて形成するものである。
このように本発明においては、二つのシートにおけるフッ素樹脂層の除去により露出した中間樹脂層端部同士を一体化した後、この一体化部分からなる突条部に、管状部のものと異なる所定の凹凸を長手方向に並べて形成して、カバーを得ることにより、ケーブル部を収めたカバー外面と、他の物体やカバーの他部位との接触が起こる場合に、カバーのうち突条部における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、カバーとその内側のケーブル部をよりスムーズに動かせると共に、突条部における摩耗の抑制が図れる。また、突条部の凹凸の大きさを管状部の凹凸とは異ならせていることで、ケーブル部を収めた管状部と突条部における各振動モードに差異を生じさせ、カバーとケーブル部に生じる振動が特定の振動数に偏って大きくなるのを防いで、不要な振動を抑えることができる。
また、本発明に係るケーブルの製造方法は、熱可塑性樹脂からなる中間樹脂層の表裏両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層構造の二つの帯状シートを、シートの幅方向両端部所定範囲における一方のフッ素樹脂層をそれぞれ除去した状態で、二つのシートの前記除去により中間樹脂層が露出した部分同士が向かい合うように重ね合わせると共に、心線を一又は複数本有して可撓性のあるケーブル部を、ケーブル部とシートの長手方向を一致させて、二つのシートの除去されず残った一方のフッ素樹脂層の間に介在するようにし、二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を一体化して、前記ケーブル部を取り囲む管状部を形成し、当該管状部の少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸を管状部長手方向に並べて形成するものである。
このように本発明においては、フッ素樹脂層を含む積層構造の二つの帯状シートを、一部のフッ素樹脂層を除去した状態でこの除去部分同士を向かい合わせるようにして重ね合わせつつ、二つのシートの除去されず残ったフッ素樹脂層の間にケーブル部を介在させるように配置し、フッ素樹脂層の除去により露出した二つの中間樹脂層を一体化して、ケーブル部が内部に収容された管状部を形成し、且つ管状部には多数の凹凸を長手方向に並べて形成して、ケーブル部をカバーで被覆したケーブルとすることにより、カバーの内外にフッ素樹脂層を配置でき、ケーブル部とカバーの管状部内面との接触、摺動が生じても、摩擦力が大きくならず、抵抗を抑えてケーブル部とカバーのそれぞれの動きを滑らかなものにできると共に、接触部位の摩耗による粉塵の発生を確実に抑えられる。また、ケーブル部を収めたカバー外面と、他の物体やカバーの他部位との接触が起こる場合も、カバーのうち管状部における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル全体をスムーズに動かせると共に、摩耗の大幅な抑制が図れる。
さらに、二つのシートを、露出させた中間樹脂層端部同士を重ねて一体化して管状部としており、フッ素樹脂層同士を焼結等で直接接合していないことで、フッ素樹脂層を硬化させずに済み、フッ素樹脂層の本来の可撓性や柔軟性がほとんど維持されたカバーが得られ、ケーブル部と合わせたケーブル全体を所望の屈曲状態にできることとなる。
本発明の第1の実施形態に係るケーブルの要部の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るケーブルの要部の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るケーブルにおける突条部の拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るケーブルにおけるカバーの一体化工程説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るケーブルにおけるカバー凸部の摩耗状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るケーブルの他例における要部側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るケーブルの要部の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るケーブルにおけるカバーの一体化工程説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るケーブルの製造工程説明図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るケーブルを前記図1ないし図5に基づいて説明する。
前記各図において、本実施形態に係るケーブル1は、心線を一又は複数本有して可撓性のあるケーブル部10と、このケーブル部10を複数並列した状態で被覆するカバー20とを備える構成である。
前記ケーブル部10は、電気や光を通す心線11aをシース11bで被覆して略円断面形状として形成されるものである。このケーブル部10が、並列状態でカバー20内に複数収容され、カバー20により略帯状に一体化されることとなる。
これら複数のケーブル部10が、並列状態で連結一体化されていることで、ケーブル部10の並列方向と直交する向きに屈曲しやすく、それ以外の向きには屈曲しにくい状態が得られる。なお、ケーブル部は略円断面形状のものに限られず、複数の心線を並列状態でまとめてシースで被覆して一体化した平形や略矩形断面形状のものとすることもできる。
前記カバー20は、中間樹脂層23の内外両側にフッ素樹脂層24、25をそれぞれ配置した積層管壁構造の管状体とされて、内部にケーブル部10を収容可能な中空部分を設けられてなる管状部21と、この管状部21外面から突出する状態として管状部21と一体に配設される突条部22とを備える構成である。
前記管状部21は、中間樹脂層23の内外両側にフッ素樹脂層24、25がそれぞれ配置される積層構造の一の管壁部分21aと、この一の管壁部分21aにおける中間樹脂層23及び二つのフッ素樹脂層24、25とはそれぞれ連続しない他の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層による積層構造である他の管壁部分21bとを有する構成である。
前記中間樹脂層23は、フッ素樹脂より融点の低いフッ素非含有の熱可塑性樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂からなるものである。
前記フッ素樹脂層24、25は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・ペルフルオロエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)などを用いることができる。
この管状部21の各管壁部分における外側のフッ素樹脂層25と中間樹脂層23とは、互いに異なる色をそれぞれ付けられた状態として形成される。例えば、フッ素樹脂層25が白色とされる場合、中間樹脂層23はそれと異なる色で、彩度や明度の差が大きく差異がわかりやすい、赤色や橙色とされる。この他、フッ素樹脂層25が有彩色の場合は、中間樹脂層23はそれと彩度や明度と共に色相も異なる所定色とされる。
また、管状部21は、その一の管壁部分21aと他の管壁部分21bのいずれにも、略同じ大きさの多数の凹凸を管状部長手方向に並べて形成される構成である。これらの凹凸は、管状部21の管壁部分自体を波状に変形させたものであり、その大きさは管壁厚さより十分大きく、外面側の形状が内面側に反転して現れる。凹凸をなす凸部21cの管状部長手方向に並ぶ間隔は、等間隔に限られるものではなく、一部又は全部が不等間隔として形成される構成とすることもできる(図2参照)。
この管状部21においては、外面の凸部21cが他の物体やケーブル1の他部に接触することとなる。一方、管状部21内面側においても、凸部21dのみがケーブル部10表面に接触する。こうした接触が凸部21c、21dに限定されることで、ケーブル全体の動きや屈曲位置の変化に応じて接触位置がずれ、摩擦が生じる際の、摩擦力の発生を最小限とすることができる。
この管状部21は、中間樹脂層23の表裏両側にフッ素樹脂層24、25をそれぞれ配置した積層構造の二つの帯状シート40を、シートの幅方向両端部所定範囲における一方のフッ素樹脂層24をそれぞれ除去した状態で、この除去により中間樹脂層23の露出した端部同士が向かい合うように重ね合わせ、これら二つのシート40の重なり合う中間樹脂層端部同士を、融着一体化して形成される。そして、向かい合った一方のフッ素樹脂層24の除去されなかった残り部分同士が、その間にケーブル部10を収容可能な中空部分を生じさせる。
前記突条部22は、管状部21形成のためのシート40の中間樹脂層23端部の融着の結果生じた、管状部長手方向に連続する所定幅の端縁部分である。
詳細には、突条部22は、管状部21における一の管壁部分21aにおける外側のフッ素樹脂層25と一体化して連続するフッ素樹脂層22aと、管状部21における一の管壁部分21aにおける中間樹脂層23及び他の管壁部分21bにおける中間樹脂層23と一体化した中間樹脂層22bと、管状部21における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層25と一体化して連続するフッ素樹脂層22cとの積層構造を有するものである。
突条部22は、管状部21の一の管壁部分21aをなすシートと他の管壁部分21bをなすシートとを融着一体化して生じた部分であるが、二つのシート40における一体化する端部の大きさを適切に設定していることで、カバー20がケーブル部10を挿入された状態で全体として屈曲する状態においても、十分な一体化強度を有して、管状部21をなす一の管壁部分21aと他の管壁部分21bとの一体化した状態を無理なく維持できる。
この突条部22には、管状部21の凹凸より管状部長手方向に長い多数の凹凸、すなわち、凹凸をなす凸部22dの長手方向にあらわれる間隔が管状部21の凸部21cの間隔より大きくなる凹凸を、管状部長手方向に並べて形成するようにしてもよい(図6参照)。この場合の突条部22における凸部22dの間隔も、等間隔に限られるものではなく、一部又は全部が不等間隔として形成される構成とすることができる。
次に、本実施形態に係るケーブルのカバー製造過程及びケーブル使用状態について説明する。
はじめに、カバー20の製造過程について説明する。ここで、カバー20の材料となるシート40としては、中間樹脂層23の表裏両側にフッ素樹脂層24、25をそれぞれ配置され、且つ、中間樹脂層23とフッ素樹脂層25とが互いに異なる色をなすようにされた積層構造の二つの帯状シートを用いる。
まず、二つのシート40において、シートの幅方向両端部所定範囲における一方のフッ素樹脂層24をそれぞれ除去して、中間樹脂層23が端から所定幅分露出した状態とする(図4(A)参照)。この除去により露出した中間樹脂層23の端部同士が向かい合うように二つのシート40を重ね合わせる。そして、これら二つのシート40の端部に外部から熱を加えて、二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を融着一体化する(図4(B)参照)。一体化は、中間樹脂層23同士の融着によりなされるため、シートの加熱は従来のフッ素樹脂同士を焼結一体化する場合のような高温で行う必要はなく、中間樹脂層23同士を一部溶融させる程度の温度(例えば、150〜170℃)でなされる。
こうして二つのシート40端部の中間樹脂層同士を融着一体化することで、管状部21が形成される。そして、シート端部の融着の結果生じた管状部長手方向に連続する端縁部分が、突条部22となって、管状部21と突条部22を備えるカバー20が完成となる。
この時、一方のフッ素樹脂層24の除去されなかった残り部分同士が向かい合った部位間には、ケーブル部10を収容可能な中空部分26が生じる。
また、一体化した二つのシート40における、熱を加えた端部(突条部)と熱を加えていない部分(管状部)との加熱終了以降の収縮度合いの差異により、長手方向に縮む向きの力を受ける管状部21には、略同じ大きさの多数の凹凸が管状部長手方向に並んで形成された状態となる。
完成状態となったカバー20の中空部分26には、ケーブル部10が通されて、カバー20とケーブル部10が一体となった帯状のケーブル1が得られる。
こうしてカバー20の内外にフッ素樹脂層24、25を配置すると共に、管状部21に凹凸を形成していることで、カバー20の管状部21内外での他との接触を凸部のみに限定することができ、接触面積を少なくして摩擦を軽減することができ、カバー20とその内側のケーブル部10からなるケーブル全体をスムーズに動かせる。
さらに、カバー20の管状部21は、二つのシート40を、露出させた中間樹脂層端部同士を重ねて融着一体化することで得られており、フッ素樹脂層同士を高温で加熱して直接接合していないことから、フッ素樹脂層24、25は硬化しておらず、フッ素樹脂層の本来の可撓性や柔軟性がほとんど維持されており、カバー20は問題なく所望の位置で屈曲可能であり、ケーブル全体としての屈曲を妨げることはない。
続いて、本実施形態に係るケーブルの使用状態について説明する。ケーブル1は、加工や搬送、実装等の複雑な作業を実行する機構部分が、固定の装置本体に対して所定の範囲で動く可動部となっている装置に適用され、その可動部と固定部分との間に設けられるものとする。
ケーブル1は、前記装置における可動部の移動に追随して動くが、ケーブル1が動くと、ケーブル同士が接触したり、ケーブルと他の物体が接触する事態が生じる。しかし、こうした状況でも、ケーブル1のカバー20に凹凸があることで、接触部位が限定され、摩擦抵抗の発生箇所を少なくすることができ、ケーブル1は可動部の動きに対応してスムーズに動くこととなる。
また、カバー20表面のフッ素樹脂層25は他の物体との接触を経てもほとんど摩耗せず、摩耗による粉塵もほとんど出ない。特に、クリーンルームで使用される場合、クリーンルームの清浄度管理能力、例えば、空気中の塵埃除去システムの能力を超えるような粉塵を発生させないため、クリーンルームの清浄度に悪影響を及ぼすことはなく、クリーンルームで継続使用可能である。
ただし、長期にわたりケーブルの使用が続くと、他との接触が生じやすいカバー20の凸部21cでフッ素樹脂層25の摩耗が進行している場合があり、フッ素樹脂層25の摩耗度合いによっては中間樹脂層23の露出も起り得る。この中間樹脂層23の露出は、フッ素樹脂層25とは異なる色が表面にあらわれることで容易に識別できる(図5参照)。通常は、中間樹脂層23の露出をそのままにして使用を継続すると、中間樹脂層23が摩耗して粉塵が発生し、フッ素樹脂層25の摩耗の場合と異なりクリーンルームの清浄度を維持できないおそれがあるため、ケーブルを交換することとなる。
このように、本実施形態に係るケーブルにおいては、中間樹脂層23とフッ素樹脂層24、25を含む積層構造の二つの帯状シート40を、一部のフッ素樹脂層24を除去した状態でこの除去部分同士を向かい合わせるようにして重ね合わせ、フッ素樹脂層24の一部除去により露出した二つの中間樹脂層端部を一体化して、中空部分のある管状部21を形成し、且つ管状部21には多数の凹凸を長手方向に並べて形成して、カバー20とし、このカバー20でケーブル部10を覆って保護する構造とされる。これにより、ケーブル全体が動いて、ケーブル部10を収めたカバー20各部と、ケーブル近傍の他の物体やケーブルの他部位との接触が起こる際に、管状部21や突条部22における接触をそれらの凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル全体をスムーズに動かせると共に、摩耗の大幅な抑制が図れることとなる。また、カバー20のケーブル部10と接する内側部分にもフッ素樹脂層24を配設できることで、ケーブル全体の動きに伴ってケーブル部10とカバー20の管状部21内面との接触、摺動が生じても、摩擦力が大きくならず、抵抗を抑えてケーブル部10とカバー20のそれぞれの動きを滑らかなものにでき、ケーブル部10に加わるストレスを抑制できると共に、接触部位の摩耗による粉塵の発生を確実に抑えられる。
さらに、二つのシート40を、露出させた中間樹脂層端部同士を重ねて一体化して管状部21としており、フッ素樹脂層同士を焼結等で直接接合していないことで、フッ素樹脂層を硬化させずに済み、フッ素樹脂層の本来の可撓性や柔軟性がほとんど維持されたカバー20が得られ、カバー20とこれに通したケーブル部10を所望の屈曲状態にできることとなる。
なお、前記実施形態に係るケーブルにおいては、五本のケーブル部10をカバー20で並列一体化して帯状のケーブル1とする構成としているが、これに限らず、ケーブル部を五本以外の複数本並列一体化してケーブルとする構成としてもかまわない。また、ケーブル部としては、シースを有しない心線のみのものや、これら心線がシールド用導体で覆われたものとしてもよく、さらに、心線を有しない中空管状のチューブを、他のケーブル部同様に並列一体化して用いるようにしてもよい。
また、前記実施形態に係るケーブルにおいては、カバー20をなす二つのシート40を、露出させた端部の中間樹脂層23同士を加熱により融着させてカバー20としての一体化を図る構成としているが、これに限定されるものではなく、接着剤で二つのシートにおける端部の中間樹脂層23同士を接着一体化してカバーを形成する構成とするなど、融着以外の他の一体化手法を使用することもできる。接着で一体化を図る場合、接着剤は、接着機能を発揮しつつ弾性変形可能な状態を維持するものが望ましい。
また、前記実施形態に係るケーブルにおいては、カバー20をなす二つのシート40の融着一体化に伴って生じる収縮力により、管状部21に多数の凹凸を形成する構成としているが、この他、管状部に所望の凹凸パターンを圧着転写するなどの方法で、管状部に多数の凹凸を形成するようにしてもかまわない。
さらに、突条部22においても、二つのシート40の融着の際の押圧力付加及び除去や、熱移動に伴う膨張、収縮を経て、緩い凹凸が長手方向に連続する波状に形成された状態となるようにしたり、融着と同時に、突条部にあたるシート端部に所望の凹凸形状を圧着転写して、融着後の突条部に管状部長手方向に並ぶ多数の凹凸を付与する構成とすることもできる。この他、突条部22に対し、融着とは別途に所望の凹凸形状を圧着転写して多数の凹凸を形成するようにしてもよい。こうした凹凸により、突条部における他との接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル全体をよりスムーズに動かせると共に、突条部における摩耗の抑制が図れる。
この突条部22における凹凸は、管状部21の凹凸より凸部間の間隔が長いものとして、管状部と突条部における各振動モードに差異を生じさせ、ケーブルに生じる振動が特定の振動数に偏って大きくなるのを防いで、不要な振動を抑えられるようにするのが好ましいが、その間隔は等間隔とは限らず、一部又は全部が不等間隔となってもかまわない。
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係るケーブルにおいては、カバー20の製造過程で、二つのシート40の幅方向両端部における一方のフッ素樹脂層24をそれぞれ除去し、この除去により露出した中間樹脂層23の端部同士を重ね合わせ、融着一体化して、中空部分が唯一生じた管状部21を形成し、この管状部21を含むカバー20とケーブル部10とをケーブルとして組み合わせる構成としているが、この他、第2の実施形態として、図7、図8に示すように、二つのシート40の幅方向両端部だけでなく他の一又は複数箇所でも一方のフッ素樹脂層24をそれぞれ除去し、この除去により露出した箇所の中間樹脂層23同士を重ね合わせ、融着一体化して、中空部分が複数区画された状態で生じた管状部21を形成し、これら管状部21の各中空部分にケーブル部10を分散配置してケーブル2を得る構成とすることもできる。
この場合、管状部21形成のためのシート40の中間樹脂層23端部以外の融着の結果として、管状部長手方向に連続する所定幅の接合部27が生じている。
詳細には、接合部27は、管状部21における一の管壁部分21aにおける外側のフッ素樹脂層25と一体化して連続するフッ素樹脂層27aと、管状部21における一の管壁部分21aにおける中間樹脂層23及び他の管壁部分21bにおける中間樹脂層23と一体化した中間樹脂層27bと、管状部21における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層25と一体化して連続するフッ素樹脂層27cとの積層構造を有するものである。
こうして、カバー20の管状部横幅方向における一又は複数の所定箇所に積層構造の接合部27を設けて、ケーブル部10の通る管状部21の中空部分が複数に分かれるようにし、ケーブル部10を複数組に分けた状態で管状部21内に配置できることから、ケーブル部10を用途や種類の違いに応じて分けて管状部21に収容したり、絶縁やノイズ防止のために互いに離して配置する必要のある二組のケーブル部を、分かれた中空部分にそれぞれ収容して完全に隔離することができ、ケーブル部10とカバー20を組み合わせたケーブル2全体としての使い勝手を大きく向上させることができる。
(本発明の第3の実施形態)
前記第1及び第2の各実施形態に係るケーブルにおいては、完成状態となったカバー20の中空部分にケーブル部10を通して、一体の帯状ケーブルを形成する構成としているが、これに限られるものではなく、第3の実施形態として、図9に示すように、カバー20の製造過程で、二つのシート40からカバーを形成する際に、ケーブル部10がシート間に配置されるようにして、二つのシート40を融着一体化して管状部21を形成すると、ケーブル部10が既にカバー20内に配置された状態となって、ケーブル部10とカバー20との組合せからなるケーブル3がカバー20の完成と同時に得られる構成とすることもできる。
詳細には、二つの帯状シート40を、シートの幅方向両端部等所定範囲における一方のフッ素樹脂層24をそれぞれ除去した状態で、この除去により中間樹脂層23が露出した部分同士が向かい合うように重ね合わせると共に、ケーブル部10を、このケーブル部とシート40の長手方向を一致させて、二つのシート40の除去されず残った一方のフッ素樹脂層24の間に介在させる。そして、二つのシート40の重なり合う中間樹脂層23同士を融着一体化して、ケーブル部10を取り囲む管状部21を形成し、カバー20と共にケーブル3としての完成状態を得ることとなる。
この場合も、前記各実施形態同様、カバー20の外面だけでなくケーブル部10と面するカバー内面にフッ素樹脂層24を配置でき、ケーブル部10とカバー20の管状部内面との接触、摺動が生じても、摩擦力が大きくならず、抵抗を抑えてケーブル部10とカバー20のそれぞれの動きを滑らかなものにできると共に、接触部位の摩耗による粉塵の発生を確実に抑えられる。また、ケーブル部10を収めたカバー外面と、他の物体やカバーの他部位との接触が起こる場合も、カバー20における接触をその凸部のみで生じさせられ、接触面積を少なくして摩擦を減らすことができ、ケーブル3全体をスムーズに動かせると共に、摩耗の大幅な抑制が図れる。
1、2、3 ケーブル
10 ケーブル部
11a 心線
11b シース
20 カバー
21 管状部
21a 一の管壁部分
21b 他の管壁部分
21c、21d 凸部
22 突条部
22a、22c フッ素樹脂層
22b 中間樹脂層
22d 凸部
23 中間樹脂層
24、25 フッ素樹脂層
26 中空部分
27 接合部
27a、27c フッ素樹脂層
27b 中間樹脂層
40 シート

Claims (9)

  1. 中間樹脂層の内外両側にフッ素樹脂層をそれぞれ一体に配置した積層管壁構造の管状体とされて、内部に中空部分を設けられてなる管状部と、
    当該管状部外面から突出する状態として管状部と一体に配設される、管状部長手方向に連続する突条部とを備え、
    前記管状部が、積層構造の一の管壁部分と、当該一の管壁部分の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層とはそれぞれ連続しない他の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層による積層構造である他の管壁部分とを有し、
    前記突条部は、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成されたものであり、
    前記管状部の、一の管壁部分と他の管壁部分の少なくとも一方における、少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸が、管状部長手方向に並べて形成されることを
    特徴とするケーブル用カバー。
  2. 前記請求項1に記載のケーブル用カバーにおいて、
    前記管状部の各管壁部分における外側のフッ素樹脂層と中間樹脂層とが、互いに異なる色をそれぞれ付けられた状態として形成されることを
    特徴とするケーブル用カバー。
  3. 前記請求項1又は2に記載のケーブル用カバーにおいて、
    前記突条部に、管状部の凹凸より管状部長手方向に長い多数の凹凸を、管状部長手方向に並べて形成されることを
    特徴とするケーブル用カバー。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のケーブル用カバーにおいて、
    前記管状部の横幅方向における一又は複数の所定箇所に、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成される接合部が、管状部長手方向に連続して設けられ、
    管状部の中空部分が、接合部位置で複数に区画されることを
    特徴とするケーブル用カバー。
  5. 心線を一又は複数本有して可撓性のあるケーブル部と、内側に前記ケーブル部を一又は複数組収容する中空部分のある略管状のカバーとを備えるケーブルにおいて、
    前記カバーが、
    中間樹脂層の内外両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層管壁構造の管状体とされて、内部にケーブル部を収容可能な中空部分を設けられてなる管状部と、
    当該管状部外面から突出する状態として管状部と一体に配設される、管状部長手方向に連続する突条部とを備え、
    前記管状部が、積層構造の一の管壁部分と、当該一の管壁部分の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層とはそれぞれ連続しない他の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層による積層構造である他の管壁部分とを有し、
    前記突条部は、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成されたものであり、
    前記管状部の、一の管壁部分と他の管壁部分の少なくとも一方における、少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸が、管状部長手方向に並べて形成されることを
    特徴とするケーブル。
  6. 熱可塑性樹脂からなる中間樹脂層の表裏両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層構造の二つの帯状シートを、シートの幅方向両端部所定範囲における一方のフッ素樹脂層をそれぞれ除去した状態で、二つのシートを除去により中間樹脂層の露出した端部同士が向かい合うように重ね合わせ、
    二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を一体化して、内部に連続する中空部分のある管状部を形成し、
    当該管状部の少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸を管状部長手方向に並べて形成することを
    特徴とするケーブル用カバーの製造方法。
  7. 前記請求項6に記載のケーブル用カバーの製造方法において、
    前記二つのシートの中間樹脂層端部同士の一体化で、当該一体化部分が管状部外面から突出し、且つ管状部長手方向に連続する突条部をなし、
    当該突条部に、管状部の凹凸より管状部長手方向に長い多数の凹凸を、長手方向に並べて形成することを
    特徴とするケーブル用カバーの製造方法。
  8. 前記請求項6又は7に記載のケーブル用カバーの製造方法において、
    前記二つのシートを、シートの幅方向における両端部以外の一又は複数の所定箇所でも一方のフッ素樹脂層をそれぞれ除去した状態とし、
    二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を一体化するのと合わせて、前記所定箇所で露出して重なり合う中間樹脂層同士を一体化し、前記中空部分を複数に区画された状態で生じさせることを
    特徴とするケーブル用カバーの製造方法。
  9. 熱可塑性樹脂からなる中間樹脂層の表裏両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層構造の二つの帯状シートを、シートの幅方向両端部所定範囲における一方のフッ素樹脂層をそれぞれ除去した状態で、二つのシートの前記除去により中間樹脂層が露出した部分同士が向かい合うように重ね合わせると共に、心線を一又は複数本有して可撓性のあるケーブル部を、ケーブル部とシートの長手方向を一致させて、二つのシートの除去されず残った一方のフッ素樹脂層の間に介在するようにし、
    二つのシートの重なり合う中間樹脂層端部同士を一体化して、前記ケーブル部を取り囲む管状部を形成し、
    当該管状部の少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸を管状部長手方向に並べて形成することを
    特徴とするケーブルの製造方法。
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