JP6829977B2 - 形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物の表面形状を測定する形状測定装置に関する。
測定対象物の表面形状を測定するために、干渉方式の形状測定装置が用いられる。特許文献1記載のコヒーレンス走査干渉計においては、光源から発生した光が、物体に照射される測定光と基準ミラーに照射される基準光とに分割される。物体に反射された測定光と基準ミラーに反射された基準光とが重畳され、カメラにより検出される。光源およびカメラ等を含む光学系が物体に対して相対的に移動される状態で、カメラにより画像が取得される。取得された画像における干渉縞の間隔に基づいて、物体の表面高さが算出される。
特開2013−83649号公報
形状測定装置は、測定対象物の表面形状を検査するために用いられることがある。したがって、形状測定装置を例えば工場の生産ラインに設置することにより、生産された製品の表面形状の検査工程をインライン化することが好ましい。この場合、形状測定装置を所望の向きで設置可能であるとともに、形状測定装置と測定対象物との距離を容易に調整可能であることが求められる。
しかしながら、特許文献1のコヒーレンス走査干渉計のように、光学系が測定対象物に対して相対的に移動される構成においては、形状測定装置が大型化かつ重量化するので、据え置き型の形状測定装置として開発されてきた。そのため、コヒーレンス走査干渉計を所望の向きで設置すること、およびコヒーレンス走査干渉計と測定対象物との距離を容易に調整することは困難である。
本発明の目的は、所望の向きで設置可能であり、かつ測定対象物との距離を容易に調整可能な形状測定装置を提供することである。
(1)本発明に係る形状測定装置は、測定対象物の表面形状を測定する形状測定装置であって、複数のピーク波長を有する光を出射する投光部と、参照体と、二次元に配列された複数の画素を含む受光部と、投光部により出射された光を測定光として測定対象物に導くとともに投光部により出射された光を参照光として参照体に導き、測定対象物で反射された測定光と参照体で反射された参照光との干渉光を生成し、生成した干渉光を受光部に導く光学系と、光学系および参照体のうち少なくとも一方が取り付けられ、往復移動することにより測定光の光路長と参照光の光路長との差を変化させる可動部と、取付外面を有し、可動部を往復移動可能に支持する筐体部と、筐体部に対する可動部の相対位置を検出する位置検出部と、位置検出部により検出された相対位置と受光部の複数の画素の受光量とに基づいて測定対象物の表面形状を示すデータを生成する形状取得部と、データに基づく画像上において指定された部分の傾きが所望の傾きになるようにデータを補正し、画像上において指定された部分の計測を行う演算部とを備え、筐体部は、投光部、参照体、受光部、光学系、可動部および位置検出部を収容し、筐体部の取付外面には、固定部材を挿入可能な取付孔が形成される。
この形状測定装置においては、投光部、参照体、受光部、光学系、可動部および位置検出部が筐体部に収容される。光学系および参照体のうち少なくとも一方が可動部に取り付けられる。投光部により出射された光が光学系により測定光として測定対象物に導かれるとともに、投光部により出射された光が光学系により参照光として参照体に導かれる。測定対象物で反射された測定光と参照体で反射された参照光との干渉光が光学系により生成され、受光部に導かれる。
可動部が往復移動することにより、測定光の光路長と参照光の光路長との差(以下、光路長差と呼ぶ。)が変化する。受光部の複数の画素の各々から、光路長差により変化する受光量の干渉パターンが取得される。ここで、測定光および参照光は複数のピーク波長を有するので、受光量の干渉パターンは空間周期性を示さない。したがって、位置検出部により検出された筐体部に対する可動部の相対位置と受光部の各画素の受光量とに基づいて、測定対象物の対応する部分の表面形状を高精度で一意的に特定することができる。
また、受光部においては、複数の画素が二次元に配列されるので、受光部は、測定対象物の複数の部分により反射された測定光を含む干渉光を同時に受光することができる。そのため、測定対象物の複数の部分の表面形状を高速に取得することができる。
さらに、筐体部の取付外面には、取付孔が形成される。使用者は、固定部材を取付孔に挿入することにより、任意の取付器具に形状測定装置を取り付けることができる。この構成によれば、測定対象物および測定状況に応じて適切な取付器具を用いることにより、取付器具による空間的な制限を受けることなく、測定光が所望の方向に出射される状態で筐体部を取付器具に取り付けることができる。また、取付器具による空間的な制限を受けることなく、筐体部と測定対象物との距離が所望の値に維持された状態で筐体部を取付器具に取り付けることができる。その結果、所望の向きで、かつ測定対象物との距離を容易に調整した状態で形状測定装置を設置することができる。また、筐体部が所望の向きから傾斜した状態で取り付けられた場合でも、測定対象物の所望の部分の正確な計測結果を得ることができる。
(2)形状測定装置は、筐体部に収容され、測定光を透過させる対物レンズをさらに備え、対物レンズは、測定光を平行化し、平行化された測定光を測定対象物に照射してもよい。
)投光部は、白色光よりも高くかつレーザ光よりも低いコヒーレンス性を有する光を出射してもよい。この場合、広い光路長差の領域において、受光部の複数の画素から受光量の干渉パターンが取得される。これにより、測定対象物の表面形状をより高速に測定することができる。
)筐体部の取付外面は、測定光の光路に平行に形成されてもよい。この場合、取付外面が所望の方向に平行になるように筐体部の姿勢を調整することにより、形状測定装置を容易に所望の向きで設置することができる。
)筐体部は、測定光を測定対象物に出射する出射面を有し、出射面は、測定光の光路に垂直に形成されてもよい。この場合、出射面と測定対象物との距離が所望の値になるように筐体部を位置決めすることにより、測定対象物との距離を容易に維持した状態で形状測定装置を設置することができる。
)筐体部の取付外面には、係止部材を嵌合可能な係止孔が形成されてもよい。この場合、取付部材に係止部材を設けることにより、筐体部を取付部材に係止することができる。そのため、使用者は、筐体部の取り付けまたは取り外しの際に、筐体部の重量の全部を支える必要がない。これにより、使用者の負担が低減し、作業効率を向上させることができる。また、使用者の不注意による筐体部の落下および破損を防止することができる。
)筐体部は、投光部、参照体、受光部、光学系、可動部および位置検出部を収容する第1の筐体と、形状取得部を収容する第2の筐体と、第1の筐体と第2の筐体とを離間した状態で接続する接続部とを含んでもよい。
この構成によれば、形状取得部が発熱する場合でも、第2の筐体から第1の筐体への熱の伝達が抑制される。そのため、第1の筐体に収容された投光部および受光部等の構成要素が高温になることが防止される。これにより、第1の筐体に収容された構成要素の劣化を防止し、長寿命化することができる。また、形状測定装置の電源投入後に投光部および受光部等の温度が短時間で安定するので、形状測定装置の立ち上がり時間を短縮することができる。
)第2の筐体の外面には、放熱フィンが形成されてもよい。この場合、形状取得部から発生する熱を効率よく放散し、形状取得部を効率よく空冷することができる。
)接続部は、予め定められた熱伝導率以下の熱伝導率を有する材料により形成されてもよい。この場合、第2の筐体から第1の筐体への熱の伝達をより効率よく防止することができる。
10)筐体部は、第2の筐体を覆うように第1の筐体の外面に取り付けられる被覆部をさらに含んでもよい。この場合、使用者が発熱する第2の筐体に接触することを防止することができる。
11)被覆部には、第2の筐体を空冷する通気孔が形成されてもよい。この場合、使用者が第2の筐体に接触することを防止しつつ第2の筐体を空冷することができる。
12)形状測定装置は、筐体部と分離して設けられ、演算部を含む処理装置をさらに備え処理装置は、測定対象物の画像上の任意の部分を指定するために使用者により操作される操作部を含み演算部は、取得されたデータに基づいて、操作部により指定された部分の計測を行ってもよい。この場合、測定対象物の所望の部分の計測結果を得ることができる。
(13)形状測定装置は、第1および第2のガイド光を出射するガイド部をさらに備え、ガイド部は、測定対象物の表面が受光部の焦点の位置にあるときに、測定対象物の表面に投影される第1のガイド光のパターンと第2のガイド光のパターンとが特定の位置関係を有するように配置されてもよい。
この場合、使用者は、測定対象物の表面に投影される第1のガイド光のパターンと第2のガイド光のパターンとが特定の位置関係になるように、形状測定装置と測定対象物との相対的な距離を変化させることにより測定対象物の表面を受光部の焦点に正確かつ容易に位置させることができる。
(14)可動部の往復移動の各周期は、受光部の複数の画素が干渉光を受光する第1の期間と、受光部の複数の画素が干渉光を受光しない第2の期間とを含み、ガイド部は、第1の期間に第1および第2のガイド光を出射し、第2の期間に第1および第2のガイド光の出射を停止してもよい。この場合、第1および第2のガイド光により測定対象物の測定に影響が与えられることが容易に防止される。
(15)受光部は、複数の画素の各々について、測定光の光路長と参照光の光路長との差により変化する受光量の干渉パターンの包絡線を特定し、形状取得部は、受光部により特定された包絡線のピーク位置を特定し、特定されたピーク位置に基づいて測定対象物の複数の部分の表面形状を取得してもよい。
この構成によれば、干渉パターンを取得するべき光路長差の間隔が十分に密ではなく、荒い場合でも、干渉パターン包絡線のピーク位置を特定することができる。これにより、測定対象物の表面形状をさらに高速に測定することができる。
本発明によれば、所望の向きで、かつ測定対象物との距離を容易に調整した状態で形状測定装置を設置することができる。
本発明の一実施の形態に係る形状測定装置の構成を示すブロック図である。 主として測定部の構成を示す測定ヘッドの模式図である。 可動部の振動を示す図である。 任意の画素について受光部により取得されるべき受光量分布を示す図である。 主として往復機構の構成を示す測定ヘッドの模式的正面図である。 主として往復機構の構成を示す測定ヘッドの模式的左側面図である。 図5の測定ヘッドのA−A線断面図である。 変形例におけるプレート部の構成を示す断面図である。 筐体部の内部構成を示す模式図である。 取付構造を示す筐体部の模式的右側面図である。 取付構造を示す筐体部の模式的背面図である。 筐体部のX基準面を取付器具に取り付ける手順を説明するための図である。 筐体部のY基準面を取付器具に取り付ける手順を説明するための図である。
(1)形状測定装置の基本構成
以下、本発明の実施の形態に係る形状測定装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る形状測定装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、形状測定装置300は、測定ヘッド100および処理装置200を備える。測定ヘッド100は、例えば光学式変位計であり、支持構造110、筐体部120、測定部130、往復機構140、駆動部150、制御基板160および通信部170を含む。
支持構造110は、縦断面がL字形状を有し、設置部111および保持部112を含む。設置部111および保持部112は、例えば金属により形成される。設置部111は、水平な平板形状を有し、設置面に設置される。設置部111の上面には、測定対象物Sが載置される。保持部112は、設置部111の一端部から上方に延びるように設けられる。筐体部120は、支持構造110の保持部112に保持される。筐体部120は、直方体形状を有し、測定部130、往復機構140、駆動部150、制御基板160および通信部170を収容する。
測定部130は、投光部、受光部、レンズおよびミラー等の光学素子を含む。測定部130は、後述する図2のミラー11等の一部の素子を除き、往復機構140に取り付けられる。往復機構140は、駆動部150により後述する図2の支持部125に対して一方向に往復運動(振動)する。駆動部150は、アクチュエータであり、本例ではボイスコイルモータである。
制御基板160は、測定部130から後述する測定データを取得し、取得された測定データに基づいて画素データを生成するとともに画像データを生成する。画像データは複数の画素データの集合である。制御基板160は、生成された画像データを処理装置200に与えるとともに、処理装置200による指令に基づいて測定部130、往復機構140および駆動部150の動作を制御する。
通信部170は、通信インターフェイスを含む。後述する処理装置200の通信部250も同様である。通信部170は、通信部250を通して測定ヘッド100と処理装置200との間で種々のデータおよび指令の送信および受信を行う。測定ヘッド100の詳細については後述する。
処理装置200は、制御部210、記憶部220、操作部230、表示部240および通信部250を含む。制御部210は、例えばCPU(中央演算処理装置)を含む。記憶部220は、例えばROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)およびHDD(ハードディスクドライブ)を含む。記憶部220には、システムプログラムが記憶される。また、記憶部220は、種々のデータの記憶およびデータの処理のために用いられる。
制御部210は、記憶部220に記憶されたシステムプログラムに基づいて、測定ヘッド100の測定部130、往復機構140および駆動部150の動作を制御するための指令を制御基板160に与える。また、制御部210は、制御基板160から画像データを取得して記憶部220に記憶させる。さらに、制御部210は、画像データに基づく画像上において使用者に指定された部分の計測等を行う。
計測時には、制御部210は、画像データに基づく画像上において使用者に指定された部分の傾きが所望の傾き(例えば水平)になるように画像データを補正することができる。これにより、筐体部120が支持構造110または後述する取付器具に傾斜した状態で取り付けられた場合でも、測定対象物Sの所望の部分の正確な計測結果を得ることができる。
操作部230は、マウス、タッチパネル、トラックボールまたはジョイスティック等のポインティングデバイスおよびキーボードを含み、制御部210に指示を与えるために使用者により操作される。表示部240は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルを含む。表示部240は、記憶部220に記憶された画像データに基づく画像および計測結果等を表示する。
(2)測定部の構成
図2は、主として測定部130の構成を示す測定ヘッド100の模式図である。図2に示すように、筐体部120には、支持部125が収容される。支持部125は、筐体部120と一体的に形成されてもよいし、筐体部120の一部であってもよい。往復機構140は、支持部125に対して一方向に平行に振動可能な可動部141を含む。図2には、可動部141の振動方向が太い矢印で図示される。図2の例では、可動部141の振動方向は上下方向である。
測定部130は、投光部1、受光部2,3、複数のレンズ4〜8、複数のミラー9〜11、ビームスプリッタ12、アナモルフィックプリズムペア13、位置検出部14およびガイド光源15を含む。測定部130のミラー11および位置検出部14の一部は、支持部125に取り付けられる。一方、ミラー11および位置検出部14の一部を除く測定部130は、可動部141に取り付けられる。
投光部1は、例えばSLD(スーパールミネッセントダイオード)を含み、光を出射する。投光部1により出射される光を出射光L0と呼ぶ。出射光L0のコヒーレンス性は比較的低い。具体的には、出射光L0のコヒーレンス性は、LED(発光ダイオード)により出射される光または白色光のコヒーレンス性よりも高く、レーザ光のコヒーレンス性よりも低い。したがって、出射光L0は複数のピーク波長を有する。レンズ4は、コリメータレンズである。出射光L0は、レンズ4を透過することにより平行化され、アナモルフィックプリズムペア13を透過することにより断面が円形になるように整形される。
なお、出射光L0の一部は、アナモルフィックプリズムペア13を透過せずに反射される。アナモルフィックプリズムペア13により反射された出射光L0は、受光部3により受光され、受光量を示す受光信号が制御基板160(図1)に出力される。受光部3により出力される受光信号に基づいて、出射光L0の光量が制御基板160により計測される。計測された出射光L0の光量が異常値を示すときは、制御基板160により投光部1の動作が停止される。このように、測定に利用されない出射光を用いて、出射光の光量を管理することができる。
ミラー9の反射率は、波長選択性を有する。具体的には、ミラー9は、出射光L0の波長領域においては高い反射率(好ましくは100%)を有し、後述するガイド光Gの波長領域においては100%よりも低い反射率を有する。アナモルフィックプリズムペア13を透過した出射光L0は、ミラー9により反射された後、レンズ5を透過することにより集光されつつビームスプリッタ12に入射する。
出射光L0の一部はビームスプリッタ12により反射され、出射光L0の残りの一部はビームスプリッタ12を透過する。ビームスプリッタ12により反射された出射光L0およびビームスプリッタ12を透過した出射光L0をそれぞれ測定光L1および参照光L2と呼ぶ。
レンズ6は対物レンズである。測定光L1は、レンズ6を透過することにより平行化される。このときの測定光L1のスポット径は比較的大きく、例えば4mmまたは10mmである。その後、測定光L1は、可動部141の振動方向と略同一の方向に進行し、測定対象物Sの比較的大きい円形の領域に照射される。測定対象物Sにより反射された測定光L1の一部は、レンズ6を透過することにより集光されつつビームスプリッタ12に入射する。
ミラー10は、いわゆる参照ミラーである。参照光L2は、レンズ7を透過することにより平行化され、ミラー10に照射される。ミラー10により反射された参照光L2は、レンズ7を透過することにより集光されつつビームスプリッタ12に入射する。ビームスプリッタ12に入射した測定光L1と参照光L2とは干渉し、干渉光L3として受光部2に導かれる。受光部2の動作については後述する。
位置検出部14は、読取部14a,14b、スケール14cおよびマグネット14dを含む。読取部14a,14bは可動部141に取り付けられ、スケール14cおよびマグネット14dは支持部125に取り付けられる。スケール14cは、複数の目盛りを有し、一方向に延びるガラスにより形成される。読取部14aは、スケール14cの一部と対向するように配置される。読取部14aは、投光素子と受光素子とを含み、対向するスケール14cの部分の目盛りを光学的に読み取ることにより、支持部125に対する可動部141の相対的な位置を検出する。
読取部14bは、ホール素子であり、マグネット14dによる磁気を検出するように配置される。本実施の形態においては、読取部14bが最大の磁気を検出するときに読取部14aが読み取るスケール14cの部分を原点とする。スケール14cの原点は、測定ヘッド100の起動時に、またはその他の時点に適宜更新されてもよい。読取部14a,14bの検出結果により、可動部141の絶対的な位置を特定することが可能になる。
本実施の形態において、読取部14a,14bが可動部141に取り付けられ、スケール14cおよびマグネット14dが支持部125に取り付けられるが、本発明はこれに限定されない。読取部14a,14bが支持部125に取り付けられ、スケール14cおよびマグネット14dが可動部141に取り付けられてもよい。
また、本実施の形態において、読取部14aは可動部141の位置を光学的に検出するが、本発明はこれに限定されない。読取部14aは、可動部141の位置を例えば機械的、電気的または磁気的な他の方式により検出してもよい。さらに、読取部14aが可動部141の絶対的な位置を検出可能である場合、または可動部141の絶対的な位置を検出する必要がない場合には、位置検出部14は読取部14bおよびマグネット14dを含まなくてもよい。
ガイド光源15は、可視領域(本例では赤色領域)の波長を有するレーザ光を出射するレーザ光源である。ガイド光源15により出射されるレーザ光をガイド光Gと呼ぶ。図2においては、ガイド光Gが一点鎖線で図示される。上述したように、ガイド光Gの波長領域においてはミラー9の反射率は100%よりも低いので、ガイド光Gの一部はミラー9を透過し、ガイド光Gの残りの一部はミラー9により反射される。ミラー9を透過したガイド光Gおよびミラー9により反射されたガイド光Gをそれぞれ第1および第2のガイド光G1と呼ぶ。
第1のガイド光G1は、レンズ5を透過することにより集光され、ビームスプリッタ12に反射されることにより、測定光L1と重ねられる。これにより、第1のガイド光G1は、可動部141の振動方向と略同一の方向に進行し、レンズ6を透過することにより平行化された後、測定対象物Sに照射される。
第2のガイド光G2は、支持部125に取り付けられたミラー11により反射されることにより、第1のガイド光G1と交差する方向に進行する。可動部141が振動方向における所定の位置(例えばスケール14cの原点付近)にあるときに、第1のガイド光G1と第2のガイド光G2とが受光部2の焦点の位置で交差するようにミラー11が配置される。
このように、ミラー9、ミラー11、ビームスプリッタ12およびガイド光源15によりガイド部16が構成される。この構成によれば、使用者は、第1のガイド光G1と第2のガイド光G2とが交差する位置に測定対象物Sの表面を配置することにより、測定対象物Sの表面を受光部2の焦点に容易に位置させることができる。
本実施の形態においては、ガイド光源15によるガイド光Gの出射は、後述する図3の非測定期間T2に行われ、測定期間T1には行われない。そのため、ガイド光Gにより測定対象物Sの測定に影響が与えられることが防止される。一方で、受光部2がガイド光Gの波長帯域の光を検出しないよう構成される場合など、ガイド光Gが測定対象物Sの測定に影響しない場合には、ガイド光源15は、測定期間T1にもガイド光Gを出射するように制御されてもよい。
本実施の形態においては、ガイド部16は受光部2の焦点で第1および第2のガイド光G1,G2が交差するように配置されるが、本発明はこれに限定されない。ガイド部16は、測定対象物Sの表面が受光部2の焦点の位置にあるときに、測定対象物Sの表面に投影される第1のガイド光G1のパターンと第2のガイド光G2のパターンとが特定の位置関係を有するように配置されてもよい。
(3)測定部の動作
可動部141は、駆動部150によりサンプリング信号に同期して、支持部125に対して周期的に一方向に平行に振動する。サンプリング信号は、処理装置200(図1)の内部で発生されてもよいし、処理装置200の外部から可動部141に与えられてもよい。図3は、可動部141の振動を示す図である。図3の横軸は時間を示し、可動部141の位置を示す。
図3に示すように、本実施の形態においては、可動部141の位置は、正弦曲線状に変化する。ここで、可動部141の位置が変化する期間のうち、一部の期間に測定対象物Sの測定が行われ、他の期間には測定対象物Sの測定が行われない。測定対象物Sの測定が行われる期間を測定期間T1と呼び、測定が行われない期間を非測定期間T2と呼ぶ。本実施の形態においては、図3の正弦曲線のうち略直線的に変化する部分に対応する期間が測定期間T1として割り当てられ、正弦曲線の変曲部分の付近に対応する期間が測定期間T2として割り当てられる。
制御基板160(図1)は、サンプリング信号に基づいて受光部2の受光タイミングを制御する。受光部2は、複数の画素が縦方向および横方向に配列された二次元のエリアセンサを含む。本実施の形態においては、エリアセンサの縦方向の画素数および横方向の画素数はそれぞれ300個であり、画素数の合計は90000個である。これにより、比較的大きいスポット径の干渉光L3を受光することができる。受光部2は、制御基板160による制御に基づいて、測定期間T1に各画素について可動部141の位置ごとに受光量を検出する。一方、受光部2は、非測定期間T2には受光量を検出しない。
図4(a),(b)は、任意の画素について受光部2により取得されるべき受光量分布を示す図である。図4(a),(b)の横軸は測定光L1の光路長と参照光L2の光路長との差を示し、縦軸は検出される受光量を示す。以下、測定光L1の光路長と参照光L2の光路長との差を光路長差と呼ぶ。可動部141の位置が変化すると、参照光L2の光路長は変化しないが、測定光L1の光路長が変化するため、光路長差が変化する。
仮に、出射光L0のコヒーレンス性が高く、出射光L0が単一のピーク波長λを有する場合には、測定光L1および参照光L2は、光路長差がn×λとなるときに互いに強め合い、光路長差が(n+1/2)×λとなるときに互いに弱め合う。ここで、nは任意の整数である。そのため、図4(a)に示すように、受光量は、光路長差がピーク波長の半分だけ変化するごとに最大値と最小値との間で変動することとなる。
これに対し、出射光L0が複数のピーク波長を有する場合には、測定光L1および参照光L2が互いに強め合うときおよび互いに弱め合うときの光路長差は、ピーク波長ごとに異なる。そのため、ピーク波長ごとに異なる図4(a)と同様の受光量分布が足し合わされた受光量分布が取得される。具体的には、図4(b)に実線で示すように、小さい光路長差の範囲において、受光量分布に複数のピークが現れる。光路長差が0のときのピークの受光量が最大となり、光路長差が大きくなるほどピークの受光量は小さくなる。また、ピークが現れる光路長差の範囲は、出射光L0のコヒーレンス性が高いほど広い。
本実施の形態においては、受光部2は、図4(b)に点線で示すように、受光量分布の包絡線を特定し、特定された包絡線を示すデータを測定データとして制御基板160に与える。制御基板160は、取得した測定データにより示される包絡線に基づいて光路長差が0になる時点および最大受光量Imを特定する。ここで、出射光L0のコヒーレンス性はLEDにより出射される光のコヒーレンス性よりも高いため、LEDを使用した場合よりも広い光路長差の範囲においてピークが現れる。したがって、受光量の検出の頻度を低減させても、光路長差が0になる時点および最大受光量Imを正確に特定することができる。これにより、測定を高速化することができる。
また、制御基板160は、位置検出部14(図2)の検出結果に基づいて、特定された時点における可動部141の位置を特定する。さらに、制御基板160は、特定された可動部141の位置および取得された最大受光量Imに基づいて画素データを生成する。可動部141の位置に基づいて生成される画素データを高さデータと呼び、最大受光量Imに基づいて生成される画素データを輝度データと呼ぶ。
また、制御基板160は、複数の画素データに基づいて画像データを生成する。高さデータに基づいて生成される画像データを高さ画像データと呼び、輝度データに基づいて生成される画像データを輝度画像データと呼ぶ。高さ画像データは測定対象物Sの表面の各部の形状(高さ)を示し、輝度画像データは測定対象物Sの表面の各部の輝度を表す。制御基板160は、位置検出部14により検出された可動部141の絶対位置に基づいて、測定ヘッド100から測定対象物Sまでの距離を示す距離データを生成する。制御基板160は、生成された高さ画像データ、輝度画像データおよび距離データを処理装置200(図1)に与える。
(4)往復機構の制振構造
以下、図1の保持部112が設けられる設置部111の一端部から他端部へ向かう方向を測定ヘッド100の前方とし、その逆の方向を測定ヘッド100の後方とする。また、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向とする。図5は、主として往復機構140の構成を示す測定ヘッド100の模式的正面図である。図5に示すように、測定ヘッド100は、回転支持部180をさらに含む。回転支持部180は、回転軸181、固定アーム182,183および揺動アーム184,185を含む。
回転軸181は、略円柱形状を有し、支持部125に垂直な軸を中心に回転可能な状態で支持部125から前方に突出するように設けられる。固定アーム182,183は、回転軸181の側面から一方向および他方向にそれぞれ突出するように設けられる。揺動アーム184,185は、下方に延びるように固定アーム182,183の先端に揺動可能に取り付けられる。
往復機構140は、可動部141に加えて、平衡部142および弾性部材146をさらに含む。可動部141には、図2のミラー11および位置検出部14の一部を除く測定部130が取り付けられる。平衡部142は、例えばカウンタウェイトであり、可動部141の重量と略等しい重量を有する。可動部141および平衡部142は、揺動アーム184,185の下端にそれぞれ取り付けられる。
駆動部150は、コイル部151およびヨーク部152を含む。コイル部151は、ヨーク部152に巻きつけられた状態で可動部141に固定される。一方、ヨーク部152は、平衡部142に固定される。コイル部151に電流を流すことにより、上下方向にヨーク部152を振動させる駆動力が発生する。また、その反作用として、ヨーク部152を振動させる駆動力とは逆方向にコイル部151を振動させる駆動力が発生する。
このように、駆動部150は筐体部120には取り付けられず、筐体部120から機械的に絶縁されるように可動部141と平衡部142との間に取り付けられる。この場合、往復機構140を振動させるための駆動力が筐体部120および支持構造110には伝達されない。そのため、支持構造110には振動が発生しない。したがって、支持構造110の剛性を大きくするために支持構造110を大型化および重量化する必要がない。これにより、測定ヘッド100を小型化および軽量化することができる。
なお、本実施の形態においては、コイル部151が可動部141に取り付けられ、ヨーク部152が平衡部142に取り付けられるが、本発明はこれに限定されない。コイル部151が平衡部142に取り付けられ、ヨーク部152が可動部141に取り付けられてもよい。
可動部141が矢印a1で示すように上方に振動するときには、平衡部142は矢印b1で示す下方に振動する。また、駆動部150の駆動力が固定アーム182,183および揺動アーム184,185を介して回転軸181に伝達されることにより、回転軸181が矢印c1で示すように時計回りに回転する。
同様に、可動部141が矢印a2で示すように下方に振動するときには、平衡部142は矢印b2で示す上方に振動する。また、駆動部150の駆動力が固定アーム182,183および揺動アーム184,185を介して回転軸181に伝達されることにより、回転軸181が矢印c2で示すように反時計回りに回転する。
この動作が交互に繰り返されることにより、可動部141および平衡部142が上下方向に振動する。可動部141と平衡部142との振動方向は互いに逆方向となり、振動の変位は互いに等しい。可動部141および平衡部142の上下方向以外の振動は、後述する図6の摺動部144により規制される。そのため、可動部141および平衡部142を安定に振動させることができる。詳細は後述する。
この構成によれば、可動部141を振動させた場合でも、測定ヘッド100の重心位置はほとんど変化しない。そのため、可動部141を高速で振動させた場合、および可動部141を大きく振動させた場合でも、測定ヘッド100には振動が発生しない。これにより、可動部141を高速にかつ大きく振動させることが可能になる。これにより、測定対象物Sを高速に測定することができるとともに、測定対象物Sの高さ方向における測定範囲を大きくすることができる。
なお、本実施の形態においては、可動部141を低速で振動させる低速モードと、可動部141を高速で振動させる高速モードとで、選択的に測定ヘッド100を動作可能である。低速モードにおける測定範囲は、例えば±0.7mmである。高速モードにおける測定範囲は、例えば±0.35mmである。そのため、使用者は、低速モードを選択することにより、高さ方向に大きい測定対象物Sを測定することができる。一方、使用者は、高速モードを選択することにより、高さ方向に小さい測定対象物Sを高速で測定することができる。
また、本実施の形態においては、可動部141と平衡部142とが弾性部材146により連結される。弾性部材146は、例えばばね定数kのばね部材である。すなわち、往復機構140においては、ばね定数kの弾性部材146の両端に質量mの可動部141と質量mの平衡部142がそれぞれ取り付けられる。弾性部材146の中心が定点となるように可動部141と平衡部142とがそれぞれ単振動する。
ここで、可動部141の質量mと平衡部142の質量mとが等しい。そのため、可動部141から弾性部材146の定点までの部分により構成される振動系の固有振動数と、平衡部142から弾性部材146の定点までの部分により構成される振動系の固有振動数の固有振動数とが一致する。この場合、往復機構140全体が単一の固有振動数を有するので、往復機構140を容易に単振動させることができる。これにより、往復機構140を振動させるために駆動部150に与えるエネルギー(コイル部151に流す電流)を低減することができる。
弾性部材146のばね定数は、往復機構140の固有振動数が往復機構140の振動周波数から一定の範囲になるように設定されることが好ましい。本実施の形態においては、例えば、往復機構140の固有振動数を1とすると、低速モードにおける往復機構140の振動周波数は例えば2/3であり、高速モードにおける往復機構140の振動周波数は例えば4/3となるようにばね定数が設定される。
このように、弾性部材146のばね定数は、往復機構140の固有振動数が低速モードにおける往復機構140の振動周波数よりも大きく、高速モードにおける往復機構140の振動周波数よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードにおける往復機構140のエネルギー効率と高速モードにおける往復機構140のエネルギー効率とを同程度に向上させることができる。
また、往復機構140の固有振動数を往復機構140の振動周波数と一致させると、往復機構140の減衰特性によっては往復機構140が不安定な挙動を示すことがある。本実施の形態においては、往復機構140の固有振動数が往復機構140の振動周波数からやや離間した値に設定される。これにより、往復機構140のエネルギー効率を向上させ、往復機構140の挙動を安定させることができる。
上記の構成によれば、往復機構140を振動させるために駆動部150に与えるエネルギーを最小にすることができる。このように、可動部141を振動させるためのエネルギーは極めて小さいので、本実施の形態においては、測定ヘッド100の稼働時には、図3の測定期間T1および非測定期間T2に関わらず往復機構140は常時振動される。
さらに、本実施の形態においては、揺動アーム184,185は揺動可能であるため、揺動アーム184,185が上下方向に振動しても揺動アーム184,185の向きは変化しない。したがって、可動部141が上下方向に振動しても、可動部141に取り付けられた測定部130の向きが一定に維持される。これにより、測定部130から測定対象物Sに照射される測定光L1の向きが変化することを防止することができる。
本実施の形態において、平衡部142はカウンタウェイトであるが、本発明はこれに限定されない。平衡部142は、可動部141と同様の構成を有する可動部であり、当該可動部に測定部130と同様の測定部が取り付けられてもよい。この場合、測定ヘッド100の重量を増加させることなく2つの領域を同時に測定することが可能になる。
(5)往復機構の長寿命化構造
図6は、主として往復機構140の構成を示す測定ヘッド100の模式的側面図である。図7は、図5の測定ヘッド100のA−A線断面図である。図6に示すように、往復機構140は、可動部141、平衡部142および弾性部材146に加えて、プレート部143、3個の摺動部144および駆動部145をさらに含む。各摺動部144は、直動軸受であり、固定レール144a、可動テーブル144bおよび複数の転がり部材144cを含む。
複数の転がり部材144cは、固定レール144aと可動テーブル144bとの間に略等間隔で配置され、図示しない保持具(リテーナ)により保持される。複数の転がり部材144cには、粘性グリス等の潤滑剤が塗布される。複数の転がり部材144cが回転軸周りで回転することにより、可動テーブル144bが固定レール144aに対して一方向に平行に滑らかに摺動する。以下、3個の摺動部144を区別する場合は、3個の摺動部144をそれぞれ摺動部144A,144B,144Cと呼ぶ。
プレート部143は、上下方向に摺動可能に摺動部144Cを介して筐体部120の支持部125に取り付けられる。図6および図7の例では、摺動部144Cの固定レール144aが支持部125に取り付けられ、摺動部144Cの可動テーブル144bがプレート部143の一面に取り付けられる。
可動部141および平衡部142が、上下方向に摺動可能に摺動部144A,144Bをそれぞれ介してプレート部143の他面に取り付けられる。図6および図7の例では、摺動部144Aの固定レール144aがプレート部143の他面に取り付けられ、摺動部144Aの可動テーブル144bが可動部141に取り付けられる。また、摺動部144Bの固定レール144aがプレート部143の他面に取り付けられ、摺動部144Bの可動テーブル144bが平衡部142に取り付けられる。これにより、可動部141および平衡部142の上下方向以外の振動が規制される。
本例では、摺動部144Cの固定レール144aおよび可動テーブル144bが支持部125およびプレート部143にそれぞれ取り付けられるが、本発明はこれに限定されない。摺動部144Cの固定レール144aおよび可動テーブル144bがプレート部143および支持部125にそれぞれ取り付けられてもよい。すなわち、摺動部144Cの固定レール144aと可動テーブル144bとの位置関係が逆であってもよい。摺動部144A,144Bについても同様である。
上記のように、各摺動部144の複数の転がり部材144cには、潤滑剤が塗布される。しかしながら、可動部141および平衡部142の可動範囲(例えば±0.7mm)は、各転がり部材144cの回転軸周りの円周長(例えば数mm)よりも小さい。そのため、各転がり部材144cの回転軸周りの一部の領域のみが固定レール144aまたは可動テーブル144bと接触し、各転がり部材144cの回転軸周りの他の領域は固定レール144aおよび可動テーブル144bと接触しない。この場合、各転がり部材144cの周囲で潤滑剤の循環が生じず、各転がり部材144cの一部の領域の潤滑剤が枯渇する。
そこで、本実施の形態においては、プレート部143を振動可能に筐体部120の支持部125に駆動部145が取り付けられる。なお、プレート部143の振動の周期は、往復機構140の振動の周期よりも大きい。駆動部145は、アクチュエータであり、プレート部143を各転がり部材144cの回転軸周りの円周長よりも大きい範囲で振動させる。したがって、各摺動部144の複数の転がり部材144cが回転軸周りで1周以上回転する。
この構成によれば、各転がり部材144cの回転軸周りの全ての領域が固定レール144aまたは可動テーブル144bと接触するので、各転がり部材144cの周囲で潤滑剤が循環される。これにより、各転がり部材144cと固定レール144aまたは可動テーブル144bとの間における摩擦が低減され、焼き付けが防止される。その結果、本実施の形態のように、往復機構140が測定ヘッド100の稼働時に常時振動される場合でも、往復機構140を長寿命化することができる。
本実施の形態においては、駆動部145は、図3の非測定期間T2に駆動し、測定期間T1には駆動しないように制御される。そのため、プレート部143の振動により測定対象物Sの測定に影響が与えられることが確実に防止される。一方で、プレート部143が振動しても、その振動は摺動部144A,144Bにより吸収されるため、可動部141および平衡部142にはほとんど伝達されず、測定対象物Sの測定にはほとんど影響しない。したがって、駆動部145は測定期間T1にも駆動するように制御されてもよい。
また、本実施の形態においては、プレート部143は全体的に平坦に形成されるが、本発明はこれに限定されない。図8は、変形例におけるプレート部143の構成を示す断面図である。図8に示すように、本実施の形態においては、プレート部143は、平坦部143a,143b,143cおよび突出部143d,143eを有する。平坦部143a,143bは、左右方向に並ぶように配置される。突出部143d,143eは、それぞれ平坦部143a,143bの内端部から前方に突出するように設けられる。平坦部143cは、突出部143d,143eの前端部を接続するように設けられる。
摺動部144Cは、平坦部143cおよび突出部143d,143eに囲まれた領域に配置され、平坦部143cの一面に取り付けられる。摺動部144A,144Bは、平坦部143a,143bの前方にそれぞれ配置され、平坦部143a,143bの他面にそれぞれ取り付けられる。この構成によれば、平坦部143a,143bが前方に突出しないので、摺動部144A,144Bの前方への突出量を低減することができる。これにより、往復機構140が前後方向に大型化することを防止することができる。
図8の例においては、突出部143d,143eが平坦部143a,143bから垂直に前方に突出するが、本発明はこれに限定されない。突出部143d,143eは、平坦部143a,143bから傾斜しつつ、または湾曲しつつ前方に突出してもよい。
すなわち、平坦部143cの一面と支持部125との間隔が、平坦部143aの一面と支持部125との間隔および平坦部143bの一面と支持部125との間隔よりも大きければよい。また、平坦部143aの他面と可動部141との間隔が平坦部143cの他面と可動部141との間隔よりも大きく、平坦部143bの他面と平衡部142との間隔が平坦部143cの他面と平衡部142との間隔よりも大きければよい。
本実施の形態において、往復機構140はプレート部143および摺動部144A〜144Cを含むが、本発明はこれに限定されない。摺動部144A,144Bが十分に長い寿命を有する場合には、往復機構140は、プレート部143および摺動部144Cを含まなくてもよい。この場合には、摺動部144A,144Bの固定レール144aは支持部125に取り付けられることとなる。また、可動部141および平衡部142が一方向にのみ振動するように構成される場合には、往復機構140は摺動部144A,144Bを含まなくてもよい。
(6)筐体部の熱分離構造
図9は、筐体部120の内部構成を示す模式図である。図9に示すように、筐体部120は、測定筐体121、制御筐体122、接続部123および被覆部124を含む。測定筐体121は、大きい容積を有し、測定部130、往復機構140、駆動部150、通信部170および回転支持部180を収容する。なお、測定筐体121は、図2の支持部125も収容する。通信部170における接続端子171の部分は測定筐体121から外部に露出する。
制御筐体122は、制御基板160を収容する。本実施の形態においては、制御基板160の発熱量は大きい。そこで、制御筐体122の外面には放熱フィン122a(ヒートシンク)が形成される。これにより、制御基板160から発生する熱を効率よく放散し、制御基板160を空冷することができる。接続部123は、低い熱伝導率を有する材料により形成され、測定筐体121と制御筐体122とを互いに離間した状態で接続する。本例では、接続部123はポリカーボネート樹脂(熱伝導率0.19W/mK)により形成される。
この構成によれば、制御筐体122から測定筐体121へ熱がほとんど伝達しない。そのため、測定対象物Sの測定の精度が低下することが防止される。また、測定部130の周囲の温度を仕様温度の範囲に容易に維持することができる。これにより、測定部130の劣化を防止し、測定部130を長寿命化することができる。
さらに、測定部130と制御基板160とが空間的に分離して設けられ、熱の伝達が防止されるので、測定部130を大型の筐体部120に収容する必要がない。したがって、筐体部120を小型化することができる。また、測定ヘッド100の電源投入後に測定部130の温度が短時間で安定するので、測定ヘッド100の立ち上がり時間を短縮することができる。
被覆部124は、制御筐体122を覆うように測定筐体121の外面に取り付けられる。被覆部124には、複数の通気孔124aが形成される。各通気孔124aの径は、被覆部124の内部と外部とで気流による熱交換が可能で、かつ使用者の体の指等が通過しない値に設定される。これにより、制御筐体122を空冷しつつ、使用者が発熱した制御筐体122に接触することを防止することができる。
筐体部120は、測定筐体121が保持部112(図1)に接する状態で支持構造110(図1)または後述する取付器具により支持される。制御筐体122は、支持構造110および取付器具に接触しないので、制御筐体122から発生する熱は支持構造110および取付器具へ伝達しない。これにより、測定ヘッド100の全体の温度が上昇することが防止される。その結果、測定ヘッド100の劣化を防止し、測定ヘッド100を長寿命化することができる。
(7)筐体部の取付構造
本実施の形態においては、測定部130が測定光L1(図2)を下方に出射するように筐体部120が支持構造110に取り付けられるが、本発明はこれに限定されない。筐体部120は、支持構造110から取り外され、所望の向きで任意の取付器具に取り付けられてもよい。筐体部120は、取付器具に取り付けられるための取付構造を有する。
図10は、取付構造を示す筐体部120の模式的右側面図である。図11は、取付構造を示す筐体部120の模式的背面図である。図10および図11においては、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向が定義され、矢印X,Y,Zでそれぞれ示される。Z方向は、筐体部120から測定光L1が出射される方向であり、図5および図6の上下方向に対応する。X方向は図6の前後方向に対応し、Y方向は図5の左右方向に対応する。
図10および図11に示すように、筐体部120は、X基準面126、Y基準面127およびZ基準面128を有する。X基準面126は、X方向に直交する測定筐体121の面であり、例えば背面である。Y基準面127、はY方向に直交する測定筐体121の面であり、例えば左側面である。Z基準面128、はZ方向に直交する測定筐体121の面であり、例えば下面である。X基準面126およびY基準面127は測定光L1の光路に平行であり、Z基準面128は測定光L1の光路に垂直である。
X基準面126には、複数(本例では4個)の取付孔126aおよび係止孔126bが形成される。本例では、係止孔126bは有底孔であるが、貫通孔であってもよい。また、取付器具の構造によっては、各取付孔126aは有底孔であってもよいし、貫通孔であってもよい。また、各取付孔126aはねじ孔であってもよいし、ねじ孔ではない通し孔であってもよい。本例では、各取付孔126aは有底孔でかつねじ孔である。
Y基準面127には、複数(本例では3個)の取付孔127aおよび係止孔127bが形成される。本例では、係止孔127bは有底孔であるが、貫通孔であってもよい。また、取付器具の構造によっては、各取付孔127aは有底孔であってもよいし、貫通孔であってもよい。また、各取付孔127aはねじ孔であってもよいし、通し孔であってもよい。本例では、各取付孔127aは貫通孔でかつ通し孔である。
図12(a),(b)は、筐体部120のX基準面126を取付器具に取り付ける手順を説明するための図である。図12(a)に示すように、取付器具20は取付面21を有する。筐体部120が所望の方向を向くように図12(b)のX基準面126が取付面21に接触される。この状態で、Y基準面127に接触するように2個のピン22,23が取付面21に取り付けられることにより、測定光L1の出射方向(以下、測定方向と呼ぶ。)が決定する。また、Z基準面128に接触するようにピン24が取付面21に取り付けられることにより、Z基準面128から測定対象物Sまでの距離(以下、測定距離と呼ぶ。)が決定する。
測定方向および測定距離の決定後、複数の取付孔126aにそれぞれ対応し、かつ裏面まで貫通する複数の通し孔25が取付面21に形成される。また、係止孔126bに対応する略円柱形状の突起部26が取付面21に形成される。突起部26の突出量は係止孔126bの深さよりもわずかに小さく、突起部26の直径は係止孔126bの直径よりわずかに小さい。
複数の通し孔25にそれぞれ対応する複数の固定部材27が用意される。各固定部材27は、例えばねじ部材である。各固定部材27の呼び長さ(nominal length)は、対応する通し孔25の深さよりも大きく、通し孔25の深さと取付孔126aの深さの合計よりも小さい。突起部26が係止孔126bに挿入された状態で、各固定部材27が対応する通し孔25を通して取付孔126aに螺合される。これにより、筐体部120のX基準面126が取付器具20に取り付けられる。
図13(a),(b)は、筐体部120のY基準面127を取付器具に取り付ける手順を説明するための図である。図13(a)に示すように、取付器具30は取付面31を有する。筐体部120が所望の方向を向くように図13(b)のY基準面127が取付面31に接触される。この状態で、X基準面126に接触するように2個のピン32,33が取付面31に取り付けられることにより測定方向が決定する。また、Z基準面128に接触するようにピン34が取付面31に取り付けられることにより測定距離が決定する。
測定方向および測定距離の決定後、複数の取付孔127aにそれぞれ対応する複数のねじ孔35が取付面31に形成される。図13(b)の例では、ねじ孔35は有底孔であるが、貫通孔であってもよい。また、係止孔127bに対応する略円柱形状の突起部36が取付面31に形成される。突起部36の突出量は係止孔127bの深さよりもわずかに小さく、突起部36の直径は係止孔127bの直径よりわずかに小さい。
複数のねじ孔35にそれぞれ対応する複数の固定部材37が用意される。各固定部材37は、例えばねじ部材である。各固定部材37の呼び長さは、対応する取付孔127aの深さよりも大きく、ねじ孔35の深さと取付孔127aの深さの合計よりも小さい。突起部36が係止孔127bに挿入された状態で、各固定部材37が対応する取付孔127aを通してねじ孔35に螺合される。これにより、筐体部120のY基準面127が取付器具30に取り付けられる。
このように、X基準面126またはY基準面127が所望の方向に平行になるように筐体部120の姿勢を調整することにより、形状測定装置300を容易に所望の向きで設置することができる。また、Z基準面128と測定対象物Sとの距離が所望の値になるように筐体部120を位置決めすることにより、測定対象物Sとの距離を容易に維持した状態で形状測定装置300を設置することができる。
この構成によれば、測定ヘッド100の測定方向および測定距離が取付器具20,30により空間的に制限されることがない。そのため、測定対象物Sの形状に応じた最適な測定方向および測定距離を容易に維持しつつ、測定ヘッド100を製品の検査装置として工場等の生産ラインに設置することができる。生産ラインにおいては、取付器具20,30により空間的に制限されることなく、ベルトコンベア等の搬送装置により自動的に順次搬送される複数の測定対象物Sを検査することが可能になる。
また、筐体部120のX基準面126を取付器具20に取り付ける際に、突起部26が係止孔126bに係合する。あるいは、筐体部120のY基準面127を取付器具30に取り付ける際に、突起部36が係止孔127bに係合する。これにより、作業者は、筐体部120の取り付けまたは取り外しの際に、筐体部120の重量(例えば、3kg)の全部を支える必要がない。これにより、作業者の負担が低減し、作業効率を向上させることができる。また、作業者の不注意による筐体部120の落下および破損を防止することができる。
係止孔126b,127bは複数設けられてもよい。この場合、係止孔126b,127bに対応して取付器具20,30に突起部26,36を複数形成することにより、筐体部120を取付器具20,30に確実に係止することができる。また、作業者が筐体部120を支えない場合でも、筐体部120が取付器具20,30の取付面21,31上で回転することが防止される。これにより、作業者の負担がより低減し、作業効率をより向上させることができる。
また、係止孔126b,127bは、断面がL字形状に形成されてもよい。この場合、L字形状を有する鉤状の突起部26,36を係止孔126b,127bにそれぞれ挿入することができる。これにより、筐体部120を取付器具20,30に確実に係止することができる。
(8)効果
本実施の形態に係る形状測定装置300においては、測定部130、往復機構140、駆動部150、制御基板160、通信部170および回転支持部180が筐体部120に収容される。ミラー11および位置検出部14の一部を除く測定部130が可動部141に取り付けられる。投光部1により出射された測定光L1が測定対象物Sに導かれるとともに、参照光L2がミラー10に導かれる。測定対象物Sで反射された測定光L1とミラー10で反射された参照光L2との干渉光L3が受光部2に導かれる。
駆動部150により可動部141が往復移動されることにより、測定光L1と参照光L2との光路長差が変化する。受光部2の複数の画素の各々から、光路長差により変化する受光量の干渉パターンが取得される。ここで、測定光L1および参照光L2は複数のピーク波長を有するので、受光量の干渉パターンは空間周期性を示さない。したがって、位置検出部14により検出された筐体部120に対する可動部141の相対位置と受光部2の各画素の受光量とに基づいて、測定対象物Sの対応する部分の表面形状を高精度で一意的に特定することができる。
また、受光部2においては、複数の画素が二次元に配列されるので、受光部2は、測定対象物Sの複数の部分により反射された測定光L1を含む干渉光L3を同時に受光することができる。そのため、測定対象物Sの複数の部分の表面形状を高速に取得することができる。
さらに、筐体部120のX基準面126およびY基準面127には、取付孔126a,127aがそれぞれ形成される。使用者は、固定部材27,37を取付孔126a,127aに挿入することにより、任意の取付器具20,30に筐体部120を取り付けることができる。
この構成によれば、測定対象物Sおよび測定状況に応じて適切な取付器具20,30を用いることにより、取付器具20,30による空間的な制限を受けることなく、所望の測定方向で筐体部120を取付器具20,30に取り付けることができる。また、取付器具20,30による空間的な制限を受けることなく、所望の測定距離で筐体部120を取付器具20,30に取り付けることができる。その結果、所望の向きで、かつ測定対象物Sとの距離を容易に調整した状態で形状測定装置300を設置することができる。
また、本実施の形態においては、受光部2が、複数の画素の各々について、受光量の干渉パターンの包絡線を特定する。制御基板160が、特定された包絡線のピーク位置を特定する。この構成によれば、干渉パターンを取得するべき光路長差の間隔が十分に密ではなく、荒い場合でも、干渉パターン包絡線のピーク位置を特定することができる。これにより、測定対象物Sの表面形状を高速に測定することができる。また、制御基板160が干渉パターンの包絡線を特定する必要がないので、制御基板160の負担を低減するとともに、制御基板160の動作速度が低下することを防止することができる。
本実施の形態においては、制御基板160が種々の演算処理および制御を行うが、本発明はこれに限定されない。制御基板160の演算処理および制御の一部または全部が処理装置200の制御部210により行われてもよい。ここで、制御基板160の発熱が小さい場合には、筐体部120に制御筐体122、接続部123および被覆部124が設けられず、制御基板160が測定筐体121に収容されてもよい。
(9)他の実施の形態
上記実施の形態において、測定光L1の光路長が変化し、参照光L2の光路長が変化しないように測定部130が構成されるが、本発明はこれに限定されない。参照光L2の光路長が変化し、測定光L1の光路長が変化しないように測定部130が構成されてもよい。この場合においては、参照光L2の進行方向に沿って、ミラー10がビームスプリッタ12に対して相対的に振動するように構成される。
(10)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、測定対象物Sが測定対象物の例であり、形状測定装置300が形状測定装置の例であり、投光部1が投光部の例であり、ミラー10が参照体の例であり、受光部2が受光部の例である。測定光L1が測定光の例であり、参照光L2が参照光の例であり、干渉光L3が干渉光の例であり、ビームスプリッタ12が光学系の例であり、可動部141が可動部の例である。
X基準面126またはY基準面127が取付外面の例であり、筐体部120が筐体部の例であり、位置検出部14が位置検出部の例であり、制御基板160が形状取得部の例であり、固定部材27,37が固定部材の例である。取付孔126a,127aが取付孔の例であり、Z基準面128が出射面の例であり、突起部26,36が係止部材の例であり、係止孔126b,127bが係止孔の例であり、測定筐体121および制御筐体122がそれぞれ第1および第2の筐体の例である。
接続部123が接続部の例であり、放熱フィン122aが放熱フィンの例であり、被覆部124が被覆部の例であり、通気孔124aが通気孔の例であり、処理装置200が処理装置の例であり、操作部230が操作部の例である。制御部210が演算部の例であり、ガイド光G1,G2がそれぞれ第1および第2のガイド光の例であり、ガイド部16がガイド部の例であり、測定期間T1および非測定期間T2がそれぞれ第1および第2の期間の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(1)本参考形態に係る形状測定装置は、測定対象物の表面形状を測定する形状測定装置であって、複数のピーク波長を有する光を出射する投光部と、参照体と、二次元に配列された複数の画素を含む受光部と、投光部により出射された光を測定光として測定対象物に導くとともに投光部により出射された光を参照光として参照体に導き、測定対象物で反射された測定光と参照体で反射された参照光との干渉光を生成し、生成した干渉光を受光部に導く光学系と、光学系および参照体のうち少なくとも一方が取り付けられ、往復移動することにより測定光の光路長と参照光の光路長との差を変化させる可動部と、取付外面を有し、可動部を往復移動可能に支持する筐体部と、筐体部に対する可動部の相対位置を検出する位置検出部と、位置検出部により検出された相対位置と受光部の複数の画素の受光量とに基づいて測定対象物の複数の部分の表面形状を取得する形状取得部とを備え、筐体部は、投光部、参照体、受光部、光学系、可動部および位置検出部を収容し、筐体部の取付外面には、固定部材を挿入可能な取付孔が形成される。
この形状測定装置においては、投光部、参照体、受光部、光学系、可動部および位置検出部が筐体部に収容される。光学系および参照体のうち少なくとも一方が可動部に取り付けられる。投光部により出射された光が光学系により測定光として測定対象物に導かれるとともに、投光部により出射された光が光学系により参照光として参照体に導かれる。測定対象物で反射された測定光と参照体で反射された参照光との干渉光が光学系により生成され、受光部に導かれる。
可動部が往復移動することにより、測定光の光路長と参照光の光路長との差(以下、光路長差と呼ぶ。)が変化する。受光部の複数の画素の各々から、光路長差により変化する受光量の干渉パターンが取得される。ここで、測定光および参照光は複数のピーク波長を有するので、受光量の干渉パターンは空間周期性を示さない。したがって、位置検出部により検出された筐体部に対する可動部の相対位置と受光部の各画素の受光量とに基づいて、測定対象物の対応する部分の表面形状を高精度で一意的に特定することができる。
また、受光部においては、複数の画素が二次元に配列されるので、受光部は、測定対象物の複数の部分により反射された測定光を含む干渉光を同時に受光することができる。そのため、測定対象物の複数の部分の表面形状を高速に取得することができる。
さらに、筐体部の取付外面には、取付孔が形成される。使用者は、固定部材を取付孔に挿入することにより、任意の取付器具に形状測定装置を取り付けることができる。この構成によれば、測定対象物および測定状況に応じて適切な取付器具を用いることにより、取付器具による空間的な制限を受けることなく、測定光が所望の方向に出射される状態で筐体部を取付器具に取り付けることができる。また、取付器具による空間的な制限を受けることなく、筐体部と測定対象物との距離が所望の値に維持された状態で筐体部を取付器具に取り付けることができる。その結果、所望の向きで、かつ測定対象物との距離を容易に調整した状態で形状測定装置を設置することができる。
(2)投光部は、白色光よりも高くかつレーザ光よりも低いコヒーレンス性を有する光を出射してもよい。この場合、広い光路長差の領域において、受光部の複数の画素から受光量の干渉パターンが取得される。これにより、測定対象物の表面形状をより高速に測定することができる。
(3)筐体部の取付外面は、測定光の光路に平行に形成されてもよい。この場合、取付外面が所望の方向に平行になるように筐体部の姿勢を調整することにより、形状測定装置を容易に所望の向きで設置することができる。
(4)筐体部は、測定光を測定対象物に出射する出射面を有し、出射面は、測定光の光路に垂直に形成されてもよい。この場合、出射面と測定対象物との距離が所望の値になるように筐体部を位置決めすることにより、測定対象物との距離を容易に維持した状態で形状測定装置を設置することができる。
(5)筐体部の取付外面には、係止部材を嵌合可能な係止孔が形成されてもよい。この場合、取付部材に係止部材を設けることにより、筐体部を取付部材に係止することができる。そのため、使用者は、筐体部の取り付けまたは取り外しの際に、筐体部の重量の全部を支える必要がない。これにより、使用者の負担が低減し、作業効率を向上させることができる。また、使用者の不注意による筐体部の落下および破損を防止することができる。
(6)筐体部は、投光部、参照体、受光部、光学系、可動部および位置検出部を収容する第1の筐体と、形状取得部を収容する第2の筐体と、第1の筐体と第2の筐体とを離間した状態で接続する接続部とを含んでもよい。
この構成によれば、形状取得部が発熱する場合でも、第2の筐体から第1の筐体への熱の伝達が抑制される。そのため、第1の筐体に収容された投光部および受光部等の構成要素が高温になることが防止される。これにより、第1の筐体に収容された構成要素の劣化を防止し、長寿命化することができる。また、形状測定装置の電源投入後に投光部および受光部等の温度が短時間で安定するので、形状測定装置の立ち上がり時間を短縮することができる。
(7)第2の筐体の外面には、放熱フィンが形成されてもよい。この場合、形状取得部から発生する熱を効率よく放散し、形状取得部を効率よく空冷することができる。
(8)接続部は、予め定められた熱伝導率以下の熱伝導率を有する材料により形成されてもよい。この場合、第2の筐体から第1の筐体への熱の伝達をより効率よく防止することができる。
(9)筐体部は、第2の筐体を覆うように第1の筐体の外面に取り付けられる被覆部をさらに含んでもよい。この場合、使用者が発熱する第2の筐体に接触することを防止することができる。
(10)被覆部には、第2の筐体を空冷する通気孔が形成されてもよい。この場合、使用者が第2の筐体に接触することを防止しつつ第2の筐体を空冷することができる。
(11)形状測定装置は、筐体部と分離して設けられる処理装置をさらに備え、形状取得部は、取得された測定対象物の表面形状および測定対象物の画像を示すデータを処理装置に与え、処理装置は、測定対象物の画像上の任意の部分を指定するために使用者により操作される操作部と、取得されたデータに基づいて、操作部により指定された部分の計測を行う演算部とを含んでもよい。この場合、測定対象物の所望の部分の計測結果を得ることができる。
(12)演算部は、操作部により指定された部分の傾きが所望の傾きになるようにデータを補正してもよい。この構成によれば、筐体部が所望の向きから傾斜した状態で取り付けられた場合でも、測定対象物の所望の部分の正確な計測結果を得ることができる。
(13)形状測定装置は、第1および第2のガイド光を出射するガイド部をさらに備え、ガイド部は、測定対象物の表面が受光部の焦点の位置にあるときに、測定対象物の表面に投影される第1のガイド光のパターンと第2のガイド光のパターンとが特定の位置関係を有するように配置されてもよい。
この場合、使用者は、測定対象物の表面に投影される第1のガイド光のパターンと第2のガイド光のパターンとが特定の位置関係になるように、形状測定装置と測定対象物との相対的な距離を変化させることにより測定対象物の表面を受光部の焦点に正確かつ容易に位置させることができる。
(14)可動部の往復移動の各周期は、受光部の複数の画素が干渉光を受光する第1の期間と、受光部の複数の画素が干渉光を受光しない第2の期間とを含み、ガイド部は、第1の期間に第1および第2のガイド光を出射し、第2の期間に第1および第2のガイド光の出射を停止してもよい。この場合、第1および第2のガイド光により測定対象物の測定に影響が与えられることが容易に防止される。
(15)受光部は、複数の画素の各々について、測定光の光路長と参照光の光路長との差により変化する受光量の干渉パターンの包絡線を特定し、形状取得部は、受光部により特定された包絡線のピーク位置を特定し、特定されたピーク位置に基づいて測定対象物の複数の部分の表面形状を取得してもよい。
この構成によれば、干渉パターンを取得するべき光路長差の間隔が十分に密ではなく、荒い場合でも、干渉パターン包絡線のピーク位置を特定することができる。これにより、測定対象物の表面形状をさらに高速に測定することができる。
本発明は、種々の形状測定装置に有効に利用することができる。
1 投光部
2,3 受光部
4〜8 レンズ
9〜11 ミラー
12 ビームスプリッタ
13 アナモルフィックプリズムペア
14 位置検出部
14a,14b 読取部
14c スケール
14d マグネット
15 ガイド光源
16 ガイド部
20,30 取付器具
21,31 取付面
22〜24,32〜34 ピン
25 通し孔
26,36 突起部
27,37 固定部材
35 ねじ孔
100 測定ヘッド
110 支持構造
111 設置部
112 保持部
120 筐体部
121 測定筐体
122 制御筐体
122a 放熱フィン
123 接続部
124 被覆部
124a 通気孔
125 支持部
126 X基準面
126a,127a 取付孔
126b,127b 係止孔
127 Y基準面
128 Z基準面
130 測定部
140 往復機構
141 可動部
142 平衡部
143 プレート部
143a〜143c 平坦部
143d,143e 突出部
144,144A〜144C 摺動部
144a 固定レール
144b 可動テーブル
144c 転がり部材
145 駆動部
146 弾性部材
150 駆動部
151 コイル部
152 ヨーク部
160 制御基板
170,250 通信部
171 接続端子
180 回転支持部
181 回転軸
182,183 固定アーム
184,185 揺動アーム
200 処理装置
210 制御部
220 記憶部
230 操作部
240 表示部
300 形状測定装置
G,G1,G2 ガイド光
Im 最大受光量
L0 出射光
L1 測定光
L2 参照光
L3 干渉光
S 測定対象物
T1 測定期間
T2 非測定期間

Claims (15)

  1. 測定対象物の表面形状を測定する形状測定装置であって、
    複数のピーク波長を有する光を出射する投光部と、
    参照体と、
    二次元に配列された複数の画素を含む受光部と、
    前記投光部により出射された光を測定光として前記測定対象物に導くとともに前記投光部により出射された光を参照光として前記参照体に導き、前記測定対象物で反射された前記測定光と前記参照体で反射された前記参照光との干渉光を生成し、生成した前記干渉光を前記受光部に導く光学系と、
    前記光学系および前記参照体のうち少なくとも一方が取り付けられ、往復移動することにより前記測定光の光路長と前記参照光の光路長との差を変化させる可動部と、
    取付外面を有し、前記可動部を往復移動可能に支持する筐体部と、
    前記筐体部に対する前記可動部の相対位置を検出する位置検出部と、
    前記位置検出部により検出された相対位置と前記受光部の前記複数の画素の受光量とに基づいて前記測定対象物の表面形状を示すデータを生成する形状取得部と
    前記データに基づく画像上において指定された部分の傾きが所望の傾きになるように前記データを補正し、画像上において指定された部分の計測を行う演算部とを備え、
    前記筐体部は、前記投光部、前記参照体、前記受光部、前記光学系、前記可動部および前記位置検出部を収容し、
    前記筐体部の前記取付外面には、固定部材を挿入可能な取付孔が形成される、形状測定装置。
  2. 前記筐体部に収容され、前記測定光を透過させる対物レンズをさらに備え、
    前記対物レンズは、前記測定光を平行化し、平行化された前記測定光を測定対象物に照射する、請求項1記載の形状測定装置。
  3. 前記投光部は、白色光よりも高くかつレーザ光よりも低いコヒーレンス性を有する光を出射する、請求項1または2記載の形状測定装置。
  4. 前記筐体部の前記取付外面は、前記測定光の光路に平行に形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  5. 前記筐体部は、前記測定光を前記測定対象物に出射する出射面を有し、
    前記出射面は、前記測定光の光路に垂直に形成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  6. 前記筐体部の前記取付外面には、係止部材を嵌合可能な係止孔が形成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  7. 前記筐体部は、
    前記投光部、前記参照体、前記受光部、前記光学系、前記可動部および前記位置検出部を収容する第1の筐体と、
    前記形状取得部を収容する第2の筐体と、
    前記第1の筐体と前記第2の筐体とを離間した状態で接続する接続部とを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  8. 前記第2の筐体の外面には、放熱フィンが形成される、請求項記載の形状測定装置。
  9. 前記接続部は、予め定められた熱伝導率以下の熱伝導率を有する材料により形成される、請求項または記載の形状測定装置。
  10. 前記筐体部は、前記第2の筐体を覆うように前記第1の筐体の外面に取り付けられる被覆部をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  11. 前記被覆部には、前記第2の筐体を空冷する通気孔が形成される、請求項10記載の形状測定装置。
  12. 前記筐体部と分離して設けられ、前記演算部を含む処理装置をさらに備え
    記処理装置は、
    前記測定対象物の画像上の任意の部分を指定するために使用者により操作される操作部を含み
    前記演算部は、取得された前記データに基づいて、前記操作部により指定された部分の計測を行う請求項1〜11のいずれか一項に記載の形状測定装置
  13. 第1および第2のガイド光を出射するガイド部をさらに備え、
    前記ガイド部は、前記測定対象物の表面が前記受光部の焦点の位置にあるときに、前記測定対象物の表面に投影される前記第1のガイド光のパターンと前記第2のガイド光のパターンとが特定の位置関係を有するように配置される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  14. 前記可動部の往復移動の各周期は、前記受光部の前記複数の画素が前記干渉光を受光する第1の期間と、前記受光部の前記複数の画素が前記干渉光を受光しない第2の期間とを含み、
    前記ガイド部は、前記第1の期間に前記第1および第2のガイド光を出射し、前記第2の期間に前記第1および第2のガイド光の出射を停止する、請求項13記載の形状測定装置。
  15. 前記受光部は、前記複数の画素の各々について、前記測定光の光路長と前記参照光の光路長との差により変化する受光量の干渉パターンの包絡線を特定し、
    前記形状取得部は、前記受光部により特定された包絡線のピーク位置を特定し、特定されたピーク位置に基づいて前記測定対象物の複数の部分の表面形状を取得する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の形状測定装置。
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