JP6829945B2 - 止水パネル及びその製造方法とそれを用いた止水装置 - Google Patents

止水パネル及びその製造方法とそれを用いた止水装置 Download PDF

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Description

本発明は、中空構造を有する繊維強化樹脂からなる止水パネルと、その止水パネルの製造方法及びその止水パネルを用いた止水装置に関する。
軽量性や耐久性、剛性等を改善した止水パネルや止水扉用ボードが各種提案されている(例えば、特許文献1〜5)。平常時には水防倉庫などに止水パネルを保管しておき、豪雨発生などの緊急時に水防倉庫から止水パネルを持ち出し、これを例えば地下街へと通じる降下路に立設させた親杭間に架け渡し、複数枚を適宜な高さに積み上げることで所望の高さ及び長さの止水防護柵を構築することが提案されている。また、河川の水量が短時間で著しく増水して河川が氾濫する危険が生じたときには緊急に設置しなければならないことが多いが、可搬・可動式の止水パネルを少ない作業量で迅速且つ簡単に設置できるように、より軽量な止水パネルが望まれている。さらに、止水パネル自体には簡単な作業で迅速に設置できる軽量化とともに高い水圧に耐えられる剛性、強度との両立を図れることが望まれている。
特開2013−23814号公報 特開2013−52598号公報 特開2014−70426号公報 特開2008−2195号公報 特開2012−2028号公報
しかしながら、上記特許文献1〜5のいずれの提案においても、軽量性、設置作業性、剛性等の面で未だ十分とは言えず、さらなる改良が望まれている。
そこで本発明の課題は、軽量性、設置作業性、剛性等のさらなる改良が可能で、しかも安価に作製可能な繊維強化樹脂からなる止水パネルと、その止水パネルの製造方法及びその止水パネルを用いた止水装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る止水パネルは、中空構造を有する繊維強化樹脂からなる止水パネルであって、織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aにより、若しくは一方向に引き揃えられた強化繊維bを含む繊維強化樹脂層Bにより形成された中空構造セグメントが単縦列に延在するように複数個並べられており、複数個の前記中空構造セグメントが包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆されていることを特徴とするものからなる。
このような本発明に係る止水パネルにおいては、個々の中空構造セグメントは織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aにより、若しくは一方向に引き揃えられた強化繊維bを含む繊維強化樹脂層Bにより形成されているので、中空構造による軽量性が確保されつつ、繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bにより高強度、高剛性のセグメントに構成される。この高強度、高剛性の中空構造セグメントが、複数個単縦列に並べられ、その全体が包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆されているので、複数個の中空構造セグメント間が強固に連結されるとともにその強固な連結状態が強固に保持され、かつ、被覆される繊維強化樹脂層C自体も複数個の中空構造セグメントを芯部分とした構造体を形成し、止水パネル全体としても、高い強度、高い剛性が確保される。しかも、個々の中空構造セグメントには中空部が残された形態になることから、止水パネル全体としての軽量性も確保され、取り扱い易く簡便に設置可能な優れた設置作業性が実現される。さらに、望ましい中空構造を有することで、強化繊維、繊維強化樹脂層の使用量を必要最小限に抑えることが可能で、優れた性能の止水パネルを安価に作製することが可能である。
上記本発明に係る止水パネルにおいては、上記の基本構成において、上記繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bの外面に、さらに一方向に引き揃えられた強化繊維dを含む繊維強化樹脂層Dが配置されている形態を採用可能である。このように構成すれば、個々の中空構造セグメントの特定方向の強度、剛性をより高めることが可能になり、止水パネル全体としても、より高い強度、より高い剛性の実現が可能になる。
上記構成においては、上記中空構造セグメントの断面形状が矩形状を有し、上記繊維強化樹脂層Dの外面で、かつ、複数個並べられた上記中空構造セグメント相互が隣接する境界部に、一方向に引き揃えられた強化繊維eを含む繊維強化樹脂層Eが配置されている形態を採用可能である。このように構成すれば、とくに複数個の中空構造セグメント間の連結強度の向上が可能になり、それによってより撓みにくい止水パネルが実現される。
上記強化繊維eの配向角として、上記強化繊維dの配向角とは異なる角度に設定されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、中空構造セグメント相互が隣接する境界部が、互いに異なる配向角の強化繊維dと強化繊維eを含む繊維強化樹脂層Dと繊維強化樹脂層Eによって補強されることになるので、複数個の中空構造セグメント間の連結強度のさらなる向上が可能になり、それによってよりさらに止水パネル全体の剛性の向上が可能になる。
また、上記中空構造セグメントの断面形状が矩形状を有し、上記繊維強化樹脂層Dが、複数個並べられた上記中空構造セグメント相互が隣接する境界部に配置されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、少ない補強材量にて、効率よく、複数個の中空構造セグメント間の連結強度の向上、さらには止水パネル全体の剛性の向上が可能になる。
また、上記繊維強化樹脂層Dが、少なくとも複数個並べられた上記中空構造セグメント相互が隣接する境界部に配置されており、かつ、該配置部において、上記繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bの内面と外面に(内面側と外面側の両方に)配置されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、個々の中空構造セグメントを補強できるとともに複数個の中空構造セグメント間の連結強度も向上でき、それによって止水パネル全体の強度、剛性の向上が可能になる。
また、上記複数個の中空構造セグメントが包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆されている構成において、上記繊維強化樹脂層Cの内面に、一方向に引き揃えられた強化繊維fを含む繊維強化樹脂層Fが配置され、該繊維強化樹脂層Fにより上記複数個の中空構造セグメントが包括されて被覆されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、複数個の中空構造セグメントを包括被覆する繊維強化樹脂層の強度、剛性の向上が可能になり、それによって止水パネル全体の強度、剛性の向上が可能になる。
また、本発明に係る止水パネルにおいては、一部に他の部位に対し傾斜角度を有するパネル部位を有する形態を採用することも可能である。このように構成すれば、所定の場所に止水パネルを設置するに際し、止水パネルの一部が、設置場所に関して、あるいは止水のために受ける応力に対して、望ましい角度を持つことが可能になり、設置まで考慮した望ましい形態の止水パネルが実現可能になる。
また、本発明に係る止水パネルにおいては、基本構成としては各中空構造セグメントの中空構造はそのまま維持されるが、必要に応じて、上記中空構造セグメントの中空部内に低見かけ比重の材料からなるコア材(例えば、発泡体やハニカム構造を有する材料からなるコア材)が設けられている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、個々の中空構造セグメントの軽量性を大きく損なうことなく個々の中空構造セグメントの強度、剛性を大幅に向上することが可能になり、それによって止水パネル全体の強度、剛性の大幅な向上が可能になる。
なお、本発明に係る止水パネルにおいて、使用される強化繊維の種類は特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、その他の強化繊維、さらにはこれら強化繊維の組み合わせ形態のいずれも使用可能である。また、繊維強化樹脂層に使用されるマトリクス樹脂の種類も特に限定されず、通常用いられる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用可能である。
本発明に係る止水パネルの製造方法は、
中子の周囲に織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aを配し中空構造セグメントを形成する工程、
複数個の前記中空構造セグメントを単縦列に延在するように配する工程、
前記複数個の中空構造セグメントを包括して織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆する工程、
前記繊維強化樹脂層Cにより被覆された全体を加圧・加熱する工程、及び、
前記中子を取出す工程、
を有することを特徴とする方法からなる。
あるいは、本発明に係る止水パネルの製造方法は、
マトリクス樹脂を含浸させた一方向に引き揃えた強化繊維bを加熱金型に通し連続的に引抜き成形して中空構造セグメントを形成する工程、
複数個の前記中空構造セグメントを前記強化繊維bの配向方向と交差する方向に単縦列に延在するように配する工程、
前記複数個の中空構造セグメントを包括して織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆する工程、及び、
前記繊維強化樹脂層Cにより被覆された全体を加圧・加熱する工程、
を有することを特徴とする方法からなる。
あるいは、本発明に係る止水パネルの製造方法は、単縦列に延在するように配した複数個の中空構造セグメントを形成するマトリクス樹脂を含浸させた強化繊維と、前記複数個配した中空構造セグメントを包括して被覆したマトリクス樹脂を含浸させた織物状繊維又は編物状繊維を、加熱金型に通して連続的に引抜き成形する工程を有することを特徴とする方法からなる。この方法においては、上記強化繊維としては、織物状繊維又は編物状繊維、若しくは一方向に引き揃えた強化繊維を使用できる。
このように本発明に係る止水パネルは、各種の方法によって製造可能である。製造のし易さや製造量を勘案して、どの製造方法を採用するかを決定すればよい。特に連続的な引抜き成形工程を有する方法では、所望の優れた性能の止水パネルを簡便にかつ安価に製造することが可能である。
本発明に係る止水装置は、前述したような止水パネルと、前記止水パネルの長手方向両端を係止する方立とを有することを特徴とするものからなる。前述したような優れた性能の止水パネルを用いることで、所望の止水装置を優れた作業性をもって簡単に且つ安価に構築できる。
この止水装置においては、上記止水パネルが鉛直方向に対して1〜30°の傾斜角度を持たせて設置されている形態を採用することもできる。
このように、本発明に係る止水パネルによれば、軽量で取り扱い易く設置作業性に優れ、且つ安価に作製可能であり、さらには、面と垂直な方向の応力に対して撓み難く、強度、剛性に優れた止水パネルを提供することできる。
また、本発明に係る止水パネルの製造方法によれば、所望の優れた性能の止水パネルを簡便にかつ安価に製造することが可能である。
また、本発明に係る止水装置によれば、所望の止水装置を優れた作業性をもって簡単に且つ安価に構築できる。
本発明の一実施態様に係る止水装置の全体基本構成を示す斜視図である。 本発明の一実施態様に係る止水パネルの斜視図である。 図2の止水パネルの平面図である。 図3のA−A‘線に沿う止水パネルの横断面図である。 図3のB−B ‘線に沿う止水パネルの縦断面図である。 図2の止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明の別の実施態様に係る止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る止水パネルの一部傾斜構造を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る止水パネルの層構成を示す概略横断面図である。 本発明の一実施態様に係る止水パネルの製造方法における各工程を示す概略横断面図である。 本発明の別の実施態様に係る止水装置の全体基本構成を示す斜視図である。 図15の止水装置の縦断面図である。 図16とは異なる形態を示す止水装置の縦断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る止水装置の全体基本構成を示している。止水装置100は、止水パネル1と、止水パネル1の長手方向両端を係止する方立11とを有する装置として構成され、例えば、地下街へと通じる降下路12の入口に立設される。止水装置100、とくにその止水パネル1は、例えば、豪雨発生などの緊急時に外部から流入しようとする水の流れ13が、図示の流れ14のように降下路12へと流入するのを阻止する。
止水パネル1は、例えば、図2〜図5に示すような基本構成を有している。織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aにより、若しくは一方向に引き揃えられた強化繊維bを含む繊維強化樹脂層Bにより、横断面が矩形状の繊維強化樹脂層4が形成され、繊維強化樹脂層4が、中空部2を有する中空構造セグメント3が形成されている。中空構造セグメント3が、単縦列に延在するように複数個並べられている。並べられた複数個の中空構造セグメント3は、包括されて,織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層C(5)により被覆されている。この止水パネル1の横断面における層構成を模式的に示すと、図6に示すようになる。すなわち、中空部2を有する中空構造セグメント3が、繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bにより形成される繊維強化樹脂層4によって形成され、単縦列に複数個並べられた中空構造セグメント3が、包括されて繊維強化樹脂層C(5)により被覆されている。本実施態様および以下の別の実施態様では、各繊維強化樹脂層を構成する強化繊維として、とくに、機械特性(強度、剛性)に優れた繊維強化樹脂層を構成可能な炭素繊維が使用されている。
このような基本構成を有する止水パネル1においては、個々の中空構造セグメント3は織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aにより、若しくは一方向に引き揃えられた強化繊維bを含む繊維強化樹脂層Bにより形成された繊維強化樹脂層4によって形成されているので、中空部2を有する構造による軽量性が確保されつつ、繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bにより高強度、高剛性のセグメントに構成される。この高強度、高剛性の中空構造セグメント3が、複数個単縦列に並べられ、その全体が包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層C(5)により被覆されているので、複数個の中空構造セグメント3間が強固に連結されるとともにその強固な連結状態が強固に保持される。しかも、被覆される繊維強化樹脂層C(5)自体も複数個の中空構造セグメント3を芯部分とした構造体を形成するので、止水パネル1全体としても、高い強度、高い剛性が確保される。完成された止水パネル1における個々の中空構造セグメント3には中空部2が残された形態に維持されることから、止水パネル1全体としての軽量性も確保され、取り扱い易く簡便に設置可能な優れた設置作業性が実現される。さらに、この基本構成を有する止水パネル1においては、中空構造セグメント3の配列個数や各繊維強化樹脂層の厚み等が最適に設定され、それによって止水パネル1全体として望ましい中空構造を有することで、強化繊維、繊維強化樹脂層の使用量を必要最小限に抑えることが可能で、優れた性能の止水パネル1を安価に作製することが可能である。
上記のような基本構成を有する止水パネル1は、さらに以下のような付加構成を有することが可能である。例えば図7に示すように、中空構造セグメント3を形成する上記繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bの外面に、さらに一方向に引き揃えられた強化繊維dを含む繊維強化樹脂層D(6)が配置されている構成を採用可能である。このように構成することにより、個々の中空構造セグメント3の特定方向(例えば、強化繊維dの配向方向)の強度、剛性をより高めることが可能になり、止水パネル1全体としても、より高い強度、より高い剛性の実現が可能になる。
さらに、上記構成に加え、例えば図8に示すように、上記中空構造セグメント3の断面形状が矩形状を有し、上記繊維強化樹脂層D(6)の外面で、かつ、複数個並べられた中空構造セグメント3相互が隣接する境界部に、一方向に引き揃えられた強化繊維eを含む繊維強化樹脂層E(7)が配置されている形態を採用可能である。このように構成すれば、とくに複数個の中空構造セグメント間の連結強度の向上が可能になり、それによってより撓みにくい止水パネルが実現される。なお、図8に示す例では、複数個並べられた中空構造セグメント3の配列方向両端部にも繊維強化樹脂層E(7)が配置されている。
上記繊維強化樹脂層E(7)が配置された構成において、強化繊維eの配向角としては、上記繊維強化樹脂層D(6)における強化繊維dの配向角とは異なる角度に設定されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、中空構造セグメント3相互が隣接する境界部が、互いに異なる配向角の強化繊維dと強化繊維eを含む繊維強化樹脂層D(6)と繊維強化樹脂層E(7)によって補強されることになるので、複数個の中空構造セグメント3間の連結強度のさらなる向上が可能になり、それによってよりさらに止水パネル全体の剛性の向上が可能になる。
さらに別の実施態様として、例えば図9に示すように、中空構造セグメント3の断面形状が矩形状を有し、上記繊維強化樹脂層D(6)が、複数個並べられた中空構造セグメント3相互が隣接する境界部に配置されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、少ない補強材量にて、効率よく、複数個の中空構造セグメント3間の連結強度の向上、さらには止水パネル全体の剛性の向上が可能になる。
さらに別の実施態様として、例えば図10に示すように、上記繊維強化樹脂層D(6)が、少なくとも複数個並べられた中空構造セグメント3相互が隣接する境界部に配置されており、かつ、該配置部において、中空構造セグメント3を形成する上記繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層B、つまり繊維強化樹脂層4の内面と外面に(内面側と外面側の両方に)配置されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、個々の中空構造セグメント3を補強できるとともに複数個の中空構造セグメント3間の連結強度も向上でき、それによって止水パネル全体の強度、剛性の向上が可能になる。
さらに別の実施態様として、例えば図11に示すように、上記複数個の中空構造セグメント3が包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層C(5)により被覆されている構成において、繊維強化樹脂層C(5)の内面に、一方向に引き揃えられた強化繊維fを含む繊維強化樹脂層F(8)が配置され、該繊維強化樹脂層F(8)により上記複数個の中空構造セグメント3が包括されて被覆されている形態を採用することも可能である。このように構成すれば、複数個の中空構造セグメント3を包括被覆する繊維強化樹脂層(5)、(8)の強度、剛性の向上が可能になり、それによって止水パネル全体の強度、剛性の向上が可能になる。
さらに別の実施態様として、例えば図12に示すように、止水パネル1が、その一部のパネル部位15と他のパネル部位16との間に角度を有する形態を採用することも可能である。図示例では、パネル部位16がパネル部位15に対し傾斜角度17を有している。このように構成すれば、所定の場所に止水パネル1を設置するに際し、止水パネル1の一部が、設置場所に関して、あるいは止水のために受ける応力に対して、望ましい角度を持つことが可能になり、設置まで考慮した望ましい形態の止水パネル1が実現可能になる。
なお、図示は省略するが、本発明に係る止水パネルにおいては、基本構成としては各中空構造セグメントの中空構造はそのまま維持されてもよく、必要に応じて、上記中空構造セグメントの中空部内に低見かけ比重の材料からなるコア材(例えば、発泡体やハニカム構造を有する材料からなるコア材)が設けられている形態とされてもよい。このようなコア材が設けられると、個々の中空構造セグメントの軽量性を大きく損なうことなく個々の中空構造セグメントの強度、剛性を大幅に向上することが可能になり、それによって止水パネル全体の強度、剛性の大幅な向上が可能になる。
上述の如く、止水パネル1は前述の基本構成に加えて種々の付加構成を採り得る。図12に示したパネル部位15とパネル部位16との間に傾斜角度17を有する付加構成以外の付加構成を全て採用すると、例えば図13に示すようになる。
上記のような止水パネル1は、例えば図14に示すような方法によって製造される。図14には、強化繊維として炭素繊維を使用し、図2に示した基本構成を有する止水パネル1を製造する工程の一例を示す。図14(A)に示す炭素繊維プリプレグ積層工程においては、織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cとしてのシート状炭素繊維プリプレグ21の一部が下型22の内面に沿って積層、配置され、炭素繊維プリプレグ21の残りの部分が開かれた状態にて、別途中子としての矩形断面のマンドレル23の周囲に織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aとしてのシート状炭素繊維プリプレグ24を配してマンドレル23を巻き込んだ形態の中空構造セグメント25を複数個形成し、複数個の中空構造セグメント25を、下型22の内面に沿って配置された炭素繊維プリプレグ21上に単縦列に延在するように敷き詰める。所定の複数個の中空構造セグメント25を敷き詰めた後、複数個の中空構造セグメント25を包括して、上記開かれた状態の炭素繊維プリプレグ21の残りの部分を折り返すように閉じ、複数個の中空構造セグメント25を包括して炭素繊維プリプレグ21により被覆する。
次いで、図14(B)に示す型締工程において、上記状態にて、下型22に対し上型26を閉じ、型締めする。次いで、図14(C)に示す加熱工程において、型締めされた上型26及び下型22と型内の複数個の中空構造セグメント25及び炭素繊維プリプレグ21(つまり、炭素繊維プリプレグ21により被覆された全体)を、例えばオートクレーブ27で所定温度に所定時間加圧・加熱する。この加圧・加熱後、図14(D)に示す脱型工程において、下型22に対し上型26を開き、炭素繊維プリプレグ21と該炭素繊維プリプレグ21により被覆された複数個の中空構造セグメント25を脱型する。脱型された炭素繊維プリプレグ21と複数個の中空構造セグメント25から、中空構造セグメント25内に配されていた中子としてのマンドレル23を全て取出す。全てのマンドレル23を取出すことにより、図14(E)に示すように、図2に示した基本構成を有する止水パネル1が完成される。
上記のように製造された止水パネル1は、例えば図1に示したように、その長手方向両端を係止する方立11に対し鉛直方向に立設されて止水装置100として構成されることもできるし、例えば図15に示すように、鉛直方向に対して傾斜させて設置した止水装置200として構成することもできる。そして図16に示すように、この鉛直方向に対する傾斜角度18としては、1〜30°の範囲にあることが好ましい。また、図17に示すように、前述の図12に示したような止水パネル1を用い、止水パネル1の一部分19には鉛直方向に対する傾斜角度18を持たせ、止水パネル1の残りの部分20(図示例の上部側部分)については鉛直方向に延在するように設置した止水装置300として構成することもできる。
本発明に係る止水パネルは、あらゆる止水装置の止水パネルとして適用可能である。
1 止水パネル
2 中空部
3 中空構造セグメント
4 2中空構造セグメントを形成する繊維強化樹脂層
5 繊維強化樹脂層C
6 繊維強化樹脂層D
7 繊維強化樹脂層E
8 繊維強化樹脂層F
11 方立
12 降下路
13、14 水の流れ
15、16 パネル部位
17 傾斜角度
18 鉛直方向に対する傾斜角度
19、20 止水パネルの一部分
21 繊維強化樹脂層Cとしての炭素繊維プリプレグ
22 下型
23 中子としてのマンドレル
24 繊維強化樹脂層Aとしての炭素繊維プリプレグ
25 中空構造セグメント
26 上型
27 オートクレーブ
100、200、300 止水装置

Claims (14)

  1. 中空構造を有する繊維強化樹脂からなる止水パネルであって、
    織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aにより、若しくは一方向に引き揃えられた強化繊維bを含む繊維強化樹脂層Bにより形成された中空構造セグメントが単縦列に延在するように複数個並べられており、複数個の前記中空構造セグメントが包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆されていることを特徴とする止水パネル。
  2. 前記繊維強化樹脂層A若しくは繊維強化樹脂層Bの外面に、さらに一方向に引き揃えられた強化繊維dを含む繊維強化樹脂層Dが配置されている、請求項1に記載の止水パネル。
  3. 前記中空構造セグメントの断面形状が矩形状を有し、前記繊維強化樹脂層Dの外面で、かつ、複数個並べられた前記中空構造セグメント相互が隣接する境界部に、一方向に引き揃えられた強化繊維eを含む繊維強化樹脂層Eが配置されている、請求項2に記載の止水パネル。
  4. 前記強化繊維eの配向角は前記強化繊維dの配向角とは異なる角度に設定されている、請求項3に記載の止水パネル。
  5. 前記中空構造セグメントの断面形状が矩形状を有し、前記繊維強化樹脂層Dが、複数個並べられた前記中空構造セグメント相互が隣接する境界部に配置されている、請求項2〜4のいずれかに記載の止水パネル。
  6. 前記複数個の中空構造セグメントが包括されて織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆されている構成において、前記繊維強化樹脂層Cの内面に、一方向に引き揃えられた強化繊維fを含む繊維強化樹脂層Fが配置され、該繊維強化樹脂層Fにより前記複数個の中空構造セグメントが包括されて被覆されている、請求項1〜のいずれかに記載の止水パネル。
  7. 一部に他の部位に対し傾斜角度を有するパネル部位を有する、請求項1〜のいずれかに記載の止水パネル。
  8. 前記中空構造セグメントの中空部内に低見かけ比重の材料からなるコア材が設けられている、請求項1〜のいずれかに記載の止水パネル。
  9. 中子の周囲に織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Aを配し中空構造セグメントを形成する工程、
    複数個の前記中空構造セグメントを単縦列に延在するように配する工程、
    前記複数個の中空構造セグメントを包括して織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆する工程、
    前記繊維強化樹脂層Cにより被覆された全体を加圧・加熱する工程、及び、
    前記中子を取出す工程、
    を有することを特徴とする止水パネルの製造方法。
  10. マトリクス樹脂を含浸させた一方向に引き揃えた強化繊維bを加熱金型に通し連続的に引抜き成形して中空構造セグメントを形成する工程、
    複数個の前記中空構造セグメントを前記強化繊維bの配向方向と交差する方向に単縦列に延在するように配する工程、
    前記複数個の中空構造セグメントを包括して織物状繊維又は編物状繊維を含む繊維強化樹脂層Cにより被覆する工程、及び、
    前記繊維強化樹脂層Cにより被覆された全体を加圧・加熱する工程、
    を有することを特徴とする止水パネルの製造方法。
  11. 単縦列に延在するように配した複数個の中空構造セグメントを形成するマトリクス樹脂を含浸させた強化繊維と、前記複数個配した中空構造セグメントを包括して被覆したマトリクス樹脂を含浸させた織物状繊維又は編物状繊維を、加熱金型に通して連続的に引抜き成形する工程を有することを特徴とする止水パネルの製造方法。
  12. 前記強化繊維が、織物状繊維又は編物状繊維、若しくは一方向に引き揃えた強化繊維である、請求項11に記載の止水パネルの製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれかに記載の止水パネルと、前記止水パネルの長手方向両端を係止する方立とを有することを特徴とする止水装置。
  14. 前記止水パネルが鉛直方向に対して1〜30°の傾斜角度を持たせて設置されている、請求項13に記載の止水装置。
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