JP5837061B2 - 型ツール - Google Patents

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Description

本発明は型ツールに関し、詳しくは、これに限定しないが、硬化性樹脂コンポジット材料の成形用型ツールに関する。
型ツール、特に硬化性樹脂コンポジット材料の成形に用いる型ツールは、伝統的には、手作業または機械加工で要求ジオメトリ化したパターンから製造する。代表的には離型剤を塗布し、この離型剤上でツールスキンを硬化させる。次いで、ツールスキンをパターンから離型し、当該ツールスキンを支持する裏当て構造を被着する。こうして製造した型ツールには数多くの欠点がある。例えば、高度なコンピューターモデリングを用いたり、ツールスキンに使用した材料の硬化時の熱膨張及び化学的収縮を予測しても、ツールスキン成形の高精度化には限界があり得る。こうした従来の成形技法で製造した型ツールは一般に、比較的小スケールのツール用に限定されるため、昨今需要のある複雑な、比較的大型の型ツールを製造するには不向きである。
型ツールの他の製造方法には、型ツールのメインボディを成形し、このメインボディを所望のプロファイルに賦形してツールスキンを被着させるものがある。この方法で製造した型ツールは一般にずっと高精度化され得るが、ある欠点がある。
それら型ツールのメインボディ用材料には、代表的にはカーボン、ガラスまたはセラミックの各フォームを使用する。それらの材料には特定の有益性があるが、重大な欠点もある。これらの各フォームは脆いため、どうしても割れてツールスキンから剥離し易い。カーボンフォームの場合はその燃焼性や吸湿性に関する懸念がある。カーボンフォーム材料は比較的高価であり、ツールは一般に、N2加圧下のオートクレーブ内で成形する必要がある。セラミックフォームは特に稠密な材料でありそれが、比較的大型の型ツール成形上の制約となり得る。
成形性材料を成形するための型ツールであって、複数のツールボディセクションを含むツールボディを含み、前記複数のツールボディセクションの少なくとも2つが、その一方を他方の上部に重ねた構成を有し、且つ、その樹脂材料製のアウタースキン内にインナーポリマーフォームコアを含み、前記型ツールが、前記ツールボディを覆って伸延する型スキンを更に含み、該型スキンが、成形性材料をその上で成形し得る型スキンを提供する型ツール等を提供することである。
本発明によれば、成形性材料を成形するための型ツールであって、複数のツールボディセクションを含むツールボディを含み、前記複数のツールボディセクションの少なくとも2つが、その一方を他方の上部に重ねた構成を有し、且つ、その樹脂材料製のアウタースキン内にインナーポリマーフォームコアを含み、前記型ツールが、前記ツールボディを覆って伸延する型スキンを更に含み、該型スキンが、成形性材料をその上で成形し得る型スキンを提供する型ツールが提供される。
一連の少なくとも3つのツールボディセクションを相互に積層し得る。
積層した一連のツールボディセクションにおけるあるツールボディセクションは、積層したツールボディセクションの少なくとも一つの他のツールボディセクションと相互に直接接触し得る。
ツールボディは、相互に直接接触し得る横並び構成に配列した少なくとも2つのツールボディセクションを含み得る。
一連のツールボディセクションは横並び構成下に伸延してツールボディセクションの1つの層を形成し得る。
ツールボディは、積層構成下の複数のツールボディセクション層を含み得る。
ツールボディの各ツールボディセクションは、樹脂材料製のアウタースキンを有するインナーポリマーフォームを含み得る。
前記樹脂材料は好ましくは、繊維強化型のものであって且つカーボンファイバー、グラスファイバー、アラミド及びその他の1つまたは1つ超等のファイバー補強材で補強した、硬化した、または硬化性樹脂材料を含み得る。ファイバー補強材は方向性を有し得、かくして、ツールボディセクションに特定方向に対する比較的高い強度または剛性等のある種の特性を与え得る。例えば、ファイバー補強材は、特定方向で長手方向に伸延し、かくして単方向ファイバー補強特性を与える構成とされ得る。ファイバー補強材は材料のX、Y、Zの各軸方向の2つまたは夫々において伸延され得る。
樹脂材料は、エポキシ樹脂、BMI、フェノール樹脂、シアネートエステルの1つまたは1つ超等の熱硬化性樹脂を含み得る。
あるいは、または更には樹脂材料は、PES、PPIS、PI、PEI、PEEKの1つまたは1つ超等の熱可塑性樹脂を含み得る。
ファイバー補強した樹脂材料はその熱膨張係数が8ppm未満、好ましくは5ppm未満であり得る。
アウタースキンは、ツールボディセクションのインナーコアの周囲を伸延し、かくして当該インナーコアの膨張を制限し、インナーコアの周囲に補強スリーブを形成し得る。アウタースキンはラミネート構造を有し得る。
ポリマーフォームコアはその密度が250kg/m3未満、及び、150kg/m3未満であり得る。
ポリマーフォームは、その熱膨張係数が20〜80ppmであり得る。
ツールボディ内で隣り合う各ツールボディセクションは、接着剤または樹脂等の結合材で結合する等により相互固定され得る。
あるいは、または更には、各ツールボディセクションはその硬化中等において相互融合され得る。各ツールボディセクションは、先に説明した如く方向性を有し得、また、ツールボディ内で直交関係下に配列され得る。
各ツールボディセクションは、ツールボディに方向性または等方性を与えるべく配列され得る。
ツールボディセクションの少なくとも幾つかは細長のものであり得る。ツールボディセクションのアウタースキン内のファイバー補強材は、ツールボディセクションの長さ方向に沿った方向に延びる方向性または全体的な方向性を有し得る。
ファイバー補強材は、単方向性の、織上げ、編上げ、縫合、編み組み、及びまたはニット織構造等の連続的構造を有し得る。
ファイバー補強材は、等方性のチョップドマット構造等の不連続的構造を有し得る。
ツールボディは、ツールボディセクションの複数の層にして、その各々が複数のツールボディセクションを含む層を含み得る。
ある層内のツールボディセクションの幾つか、そしてある実施例では全てが、全体的に相互平行下に、好ましくは隣り合う各ツールボディセクションが相互接触する状態下に伸延する。
交互する層における各ツールボディセクションは一般に同じ方向に伸延され得、少なくとも幾つかのツールボディセクションが、隣り合う層の各ツールボディセクションと全体に直交する方向に伸延され得る。
各ツールボディセクションは、四角形、矩形、三角形、五角形、六角形、七角形、八角形、円形、あるいは楕円等の、対称的な横断面を有することが好ましい。
ある層内の各ツールボディセクションの断面は同じであり得る。
あるツールボディ内の各ツールボディセクションの断面は同じであり得る。
型スキンは、カーボンファイバー、アラミド、グラスファイバー等のファイバー補強材で好ましく補強した硬化または硬化性樹脂材料を含み得る。
型スキンは、ツールボディに固定され得るが、当該固定は接着剤あるいは類似の結合材による結合であり得る。型スキンは、ツールボディ上における型スキンの硬化時あるいは硬化中の融合等によりツールボディに直接固定され得る。
型スキンの熱膨張係数は、ツールボディ内の、特には、当該型スキンが結合及びまたは融合する各ツールボディセクションの、またはその大半におけるアウタースキンのそれと同じまたは類似のものである。
型スキンは、ツールボディ内の各ツールボディセクションの、またはその大半におけるアウタースキンのそれと同じ樹脂材料及びまたはファイバー補強材を含み得る。
型スキン内のファイバー補強材は、型スキン内では単方向性であり得、多方向性、あるいは全体的に等方性であり得る。
本発明の他の様相によれば、少なくともその2つが、その樹脂材料のアウタースキン内にインナーポリマーフォームコアを含み且つその一方が他方の上部に重ねられた複数のツールボディセクションを含むツールボディが提供される。
ツールボディは先に説明した任意のものの如くであり得る。
本発明の他の様相によれば、成形性材料を成形するための型ツールの製造方法であって、複数のツールボディセクションをツールボディを形成するように配置するステップ、前記ツールボディを覆い、かくして成形性材料をその上で成形する型表面を提供する型スキンを形成するステップ、を含み、前記ツールボディセクションの少なくとも2つが、各々樹脂材料のアウタースキン内にインナーポリマーフォームコアを含み且つその一方が他方の上部に重ねられる方法が提供される。
一連の少なくとも3つの前記ツールボディセクションは相互に積層され得る。各ツールボディセクションは、少なくとも幾つかの隣り合うツールボディセクションが相互に直接接触するように積層され得る。
少なくとも2つのツールボディセクションが横並び構成下に配置され得る。
各ツールボディセクションは相互に直接接触され得る。
一連のツールボディセクションが、横並び構成下に伸延してツールボディセクションの1つの層を形成し得る。
ツールボディセクションの複数の層が積層構成下に配列され得る。
各ツールボディセクションが上述した如く使用され得る。
各ツールボディセクションは直列構成下に配列され得、また、相互に接触し、かくして実質的に連続するツールを提供することが好ましい。
各層内の各ツールボディセクションは全体的に同一方向に伸延し、例えば、ツールボディセクションが細長い場合は、ある層内の各ツールボディセクションはその全てが全体に相互に平行である。
アウタースキン内のファイバー補強材が方向性を有する実施例では、ある層内の隣り合う各ツールボディセクションが、全体に平行な方向性を、あるいは別様には全体的に直交する/相互に直角となる方向性を持つように配列され得る。
隣り合う各層における隣り合う各ツールボディセクションは、全体的に相互に直交するまたは相互に直角となる向性を有する、あるいは別様には全体的に相互平行の方向性を持つように配列され得る。
隣り合う各ツールボディセクションは結合材を用いて相互結合させ得る。あるいは、隣り合う各ツールボディセクションは、アウタースキン内の樹脂材料の硬化中における相互融合等により相互に直接結合され得る。他の実施例では、ツールボディセクションの幾つかあるいは全ては相互に結合または融合され得ない。
ツールボディは、その形成後、当該各ツールボディセクションを相互融合または結合させる条件を受け得る。各ツールボディセクションの幾つかまたは全てにおけるアウタースキンが硬化性を有する実施例では、前記各条件は、各ツールボディセクション内の硬化性の樹脂材料を硬化させる硬化条件であり得る。
ツールボディは、型ツール、詳しくはその型スキン用の所望の全体的プロファイルに賦形され得る。ツールボディは、CNC装置等のコンピューター制御式の賦形用装置、手工、あるいはその他により賦形され得る。
型スキンは先に説明したものであり得る。
型スキンを硬化性条件下にツールボディ上に位置付け得、従来の硬化技法を用いてその場で硬化させ得る。
硬化性のアウタースキンと型スキンとを同一の硬化ステージ中に硬化させ得る。
型スキンをツールボディ上に直接位置付けし得、あるいは1つまたは1つ超の結合層等による単数あるいは複数の介在層、エラストマー系の層等のコンプライアント層を提供し得る。
型スキンをプレプレグの形態下にツールボディ上に位置付け得る。型スキンは多層積層体であり得る。
型スキンは、好ましくはその硬化時に、機械加工、研磨あるいはその他等により型スキンを提供するべく仕上げされ得る。
本発明によれば更に、ツールボディの製造方法であって、少なくとも2つのツールボディセクションを相互に積層するステップを含み、各ツールボディセクションが、樹脂材料からなるアウタースキンの内部にインナーポリマーフォームコアを含む方法が提供される。
また本発明によれば、物品の成形方法であって、上述した如き型ツールの型スキン上に成形性材料を配置するステップ、前記成形性材料に成形条件を受けさせるステップ、を含む方法が提供される。
前記成形条件には、成形性材料を硬化させる硬化条件、例えば、高温及びまたは真空圧力の各条件が含まれ得る。
前記高温は250℃までの温度であり得る。前記成形条件には、1バール以上の、恐らくは50〜150psi(約0.344827585MPa〜1.034482775MPa)であり得る圧力条件が含まれ得る。
成形性材料を成形するための型ツールであって、複数のツールボディセクションを含むツールボディを含み、前記複数のツールボディセクションの少なくとも2つが、その一方を他方の上部に重ねた構成を有し、且つ、その樹脂材料製のアウタースキン内にインナーポリマーフォームコアを含み、前記型ツールが、前記ツールボディを覆って伸延する型スキンを更に含み、該型スキンが、成形性材料を成形成形し得る型スキンを提供する型ツールが提供される。
図1は、本発明に従う型ツールのツールボディの斜視図である。 図2は、本発明のインナーポリマーフォームコアの斜視図である。 図3は、本発明の型ツールのツールボディの斜視図である。 図4は、本発明に従う型ツールの斜視図である。 図5は、本発明の別態様に従う型ツールのツールボディの斜視図である。 図6は、図5のツールボディを使用する鋼製の型ツールの斜視図である。 図7は、本発明の更に他の実施例に従う型ツールのツールボディの斜視図である。
本発明によれば、成形性材料を成形するための型ツール10が提供され、該型ツールはツールボディ12を含み、該ツールボディは、その少なくとも2つが、その樹脂材料製のアウタースキン18内にインナーポリマーフォームコア16を含み且つ相互に積層された複数のツールボディセクション14を含み、前記型ツールは、前記ツールボディ12を覆って伸延し、かくして成形性材料をその上で成形し得る型スキン22を提供する型スキン20を更に含む。
詳しくは、特に図2及び3を参照するに、ツールボディセクション14が示され、四角形の横断面を有する細長のインナーポリマーフォームコア(以下、ポリマーフォームコア、フォームコア、インナーコア、コアとも称する)16にして、ポリマーフォームコアのブロックを形成するポリマーフォームコア16を含んでいる。該ポリマーフォームコアはその長手方向に沿ってアウタースキン18で包囲される。コア16の各端部はアウタースキンではカバーされないが、これは一般に、本発明に従うツールボディセクションの有効機能上カバーしない必要性があることを示すものではない。コア各端部の閉鎖は一般に無用の労力及び費用の追加を招くが、端部閉鎖が有益または望ましい場合は当該構成も本発明の範囲内のものとする。
インナーコア16は任意の好適なポリマーフォームであり得るが、その密度が250kg/m3未満、及びある実施例では150kg/m3未満であるものを使用することが好ましい。それにより、本発明の型ツールの全体重量が低く抑えられ、かくして、本発明の型ツールの製造、取り扱い、及び特定状況下での操作が容易化される。
ポリマーフォームの熱膨張係数は代表的には20及び80ppmの間である。その熱膨張係数が当該範囲以下であるポリマーフォームは一般に入手不可能である。型ツールをポリマーフォームで製造する場合、その比較的高い熱膨張係数により、本発明に関してここで説明する以外の方法には厳しい制限がある。
アウタースキン18は、カーボンファイバー、グラスファイバー、アラミド、及びその他等のファイバー補強材で補強した硬化性樹脂材料を含む。
樹脂材料は代表的には、エポキシ樹脂、BMI、フェノール樹脂またはシアネートエステル、または任意のその他好適な熱硬化性樹脂、の1つまたは1つ超等の熱硬化性樹脂である。あるいはまたは更に、樹脂材料はPES、PPIS、PI、PEI及びまたはPEEKの1つまたは1つ超等の熱可塑性樹脂を含み得る。
ファイバー補強材は代表的には樹脂材料内に含浸され、アウタースキン18は代表的には可撓性のプレプレグ形態下にコアに被着される。結合材またはタッキング材を用いて、硬化前の硬化性のアウタースキン18をコア16の周囲に然るべく保持させ得る。
アウタースキン18内のファイバー補強材は方向性を有し得、かくして、特定方向におけるある特性を提供し得る。例えば、単方向性を有するファイバー補強材をツールボディセクション14の長手方向に延伸配置すると、当該ファイバー補強材に、従ってツールボディセクション14に、当業者には既知の単一方向性ファイバー補強特性を持たせ得る。
ファイバー補強材の方向性はツールボディセクション14の、そして結局はツールボディ12及び型ツール10の所望の機械特性に従い選択され得る。
ある実施例ではファイバー補強材は図3に示す如くX、Y、Zの各軸方向に伸延され、かくして、ツールボディセクション14に全体的に等方性を持たせ得る。
ファイバー補強材は、単方向性の、織上げ、編上げ、縫合、編み組み、及びまたはニット織構造等の連続的構造を有し得る。
更に他の実施例ではファイバー補強材は不連続的なものであり得る。
任意の好適なファイバー補強材を使用し得るが、代表的には、カーボンファイバー、グラスファイバー、アラミド、及びその他を使用し得る。
本発明に従う代表的なツールボディ12は、直列状に整列してツールボディセクション14の層を形成する複数のツールボディセクション14を含む。図1には簡単な多層型のツールボディ12が例示され、各層が一連の隣り合うツールボディセクション14を含んでいる。
ツールボディ12形成時には、ツールボディセクション14の数、サイズ、形状及びタイプと、及び当該ツールボディセクション14のアセンブリの形態とを、ツールボディ12の所望の最終的なサイズ、形状及び機械特性に従い選択する。
図1の例示構成は極めて単純化されたものであるが、本発明の範囲にはツールボディジオメトリをより高度化させ得る、もっと複雑で且つ高度なツールボディセクション構成が含まれるものとする。ツールボディ12内で使用する各ツールボディセクション14は代表的には同一化させるが、特には製造簡易化のために、ツールボディ内に異なるサイズ、形状、及び構成上の特性を持つツールボディセクションを使用可能である。
図1を参照するに、先ず、下方の一連のツールボディセクション14を相互接触状態下に平行に整列する層状に形成してツールボディ12とする。この段階ではツールボディセクション14、詳しくはアウタースキン18は代表的には未硬化または部分的にのみ硬化されるが、本発明の範囲には、ツールボディセクションのある範囲または全てが、ツールボディへのアセンブリ化以前に硬化される構成も含まれるものとする。類似のツールボディセクション14の第2の層を下方の層上に直接、しかし各ツールボディセクション14の長手方向が各層間で相互に直交する状態下に積層する。
ツールボディセクション14の第3の層を、その構成が第1の層のそれと本来同一化されるようにして、類似のツールボディセクションを用いて第2の層上に直接積層する。
次いで、第2の層に類似する構成の層を第3の層上に直接配置する。
従って、図1のツールボディ12は、4層に積層したツールボディセクションを含む、一般に全体に矩形ジオメトリのものとなる。
先に説明した如く、ツールボディセクション14は代表的には硬化条件下に配置される。当該条件は特にアウタースキン18に付与される。ツールボディセクション14が所望形態化されるとツールボディ12が、代表的には250℃までの高い硬化温度を含む硬化条件を受ける。従来の硬化法を使用し得る。
本発明の重要な利点は、インナーポリマーフォームコアをアウタースキン18内に包囲したことで、ツールボディ12の形成中や、高い硬化温度下に、特には硬化性の成形材料成形に際しての型ツール使用中におけるポリマーフォームの所望されざる膨張の防止が助長されることである。特定温度下におけるポリマーフォームの自然膨張量は、コア16内で使用するポリマーフォームの熱膨張係数で決まる。一般に入手可能なポリマーフォームはその熱膨張係数が比較的高い(代表的には20〜80ppmの範囲)が、この点は、型ツール用の従来のフォームに勝る特定の利益が得られる反面、高温下では所望されざる程度に自然膨張する傾向を有するため、低温硬化成形用途への当該材料製の型ツールの適用可能性が制限される不利益がある。しかしながら、本発明の型ツール及び各セクションにおけるアウタースキン18は、その強度及び低い熱膨張係数及び、ポリマーフォームをその内部に閉じ込める固有の強度により、250℃もの高温時でさえ、フォームの自然膨張に抵抗する。従って、本発明のツールボディセクション14は、インナーポリマーフォームコアの膨張圧力下に有意程度には膨張または膨出せず、かくして、ツールボディ12は、そうでなければポリマーフォームの膨張に起因する所望されざる膨出を生じることなく、全体にその所望形状を保持する。
ポリマーフォームは、高圧を受けると崩壊し易いという固有の特性上、これまで型ツール用途では使用されて来なかった。これは、例えば代表的には、熱硬化性樹脂を硬化させる高温を印加してフォームをある程度軟化させる場合において特にそうである。成形性のファイバー補強樹脂材料用のマトリクス樹脂として使用される如き特定の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等を硬化させるために、高温及び高圧の各条件が好ましいあるいは必要な場合もあったため、これまでは、型ツールの受け容れ難い損傷を意味するフォーム構造の崩壊を回避するべく、比較的低圧(1バール/気圧)に制限されて来ている。
本発明のツールボディセクション14の場合、アウタースキン18がインナーポリマーフォームコア16を支持し、かくしてその崩壊傾向を抑制することから見て、それらインナーポリマーフォームコアが崩壊する恐れは相当少ない。これは、インナーポリマーフォームコアを結合、融合により、あるいはそうでなければ好適な接着剤を使用して、及びまたは、アウタースキン18がインナーポリマーフォームコア16を覆ってその場で硬化される結果として当該アウタースキン18の内側に積層させる場合に特にそうである。ツールボディセクション14,及び、特にはそのインナーポリマーフォームコアは、150psi(約1.034482775MPa)もの高圧及び250℃のオーダーの温度を受けた場合でさえ、一般に対崩壊性があることが分かった。
各ツールセクションにおける、意図された硬化温度下におけるインナーポリマーフォームコアの膨張度合い及び、アウタースキン18がその内部のインナーポリマーフォームコアから受けるであろう膨張力は当業者において決定可能である。関連因子には、フォームのCTE、フォームの体積、フォームの受ける温度、が含まれる。アウタースキン18は、所望されざる膨張及び変形を防止するに十分な抵抗を提供するよう設計され得る。
代表的な閉鎖パッケージ構成のツールボディセクション14によれば更に、ツールボディ12の所望されざる膨出が防止される。各ツールボディセクション14のアウタースキン18は各インナーポリマーフォームコア16を拘束するものの、アウタースキンが、その内部のインナーポリマーフォームコア16によりそこに行使される膨張力の圧力下に膨張または膨出する傾向がある場合は、ツールボディ内で積層されたツールボディセクション14とツールボディとが、それらツールボディセクションの1つが膨張または膨出する際に隣り合うツールボディセクションに行使する力が当該隣り合うツールボディセクションにより反発され且つ抵抗を受けることで、前記膨張または膨出を制限する。積層した、及び詳しくは、隣り合って積層したツールボディセクション間に生じるこの相互作用及び制限作用は、本発明のツールボディセクション及び型ツールの所望されざる変形に抵抗するように作用する。
ツールボディセクション14が所望状態に硬化した後、ツールボディ12を形成する。
代表的には、ツールボディセクション14はその硬化中に相互に融合してツールボディ12が一体ユニット化し、かくして、その爾後の処理、取り扱い、及び、当該ツールボディセクション14を備える型ツールの製造が容易化される。前記融合及び一体化はツールボディを不要に変形しないよう安定化させる。
ある実施例では、ツールボディセクション14またはその特定の何れかを相互融合及びまたは相互結合させるための薬品を使用し得る。
ある実施例ではツールボディセクション14は相互に固定取り付けされ得ないが、当該構成はツールボディセクションを相互固定する場合ほどの有益性は無いと考えられる。
先に示した如く、ツールボディセクション14は、方向特異特性を有し得る。ある実施例では、先に説明した如く、アウタースキン内のファイバー補強材は方向を有し、且つ、各ファイバーは図1に例示する如く各ツールボディセクション14の長手方向に沿って単方向的に伸延するように見える。
当業者は、ツールボディセクション14、また結局はツールボディ12及び型ツール10に所望の特性を提供するために好適な特定の方向特性を有するツールボディセクションを製造し得る。
図4を参照するに、型スキン20をツールボディ12を覆って形成することにより型ツール10が完成されている。
型スキン20は代表的には、熱硬化性及び又は熱可塑性樹脂の1つまたは1つ超等の、ファイバー補強した樹脂材料である。型スキン20は代表的には、硬化性条件下にツールボディ12を覆って被着され、また、従来のラミネート技法を用いて被着され得る。型スキン20は代表的には、カーボンファイバー、アラミド、グラスファイバー、あるいは任意の好適なファイバー補強材等のファイバー補強材を含み得る。
型スキン20は代表的には、ツールボディセクション14またはその大半におけるアウタースキン18のそれと同一または類似の熱膨張係数を有し得る。実際、ある実施例では型スキン20の樹脂材料及び又はファイバー補強材の熱膨張係数はツールボディ12内のツールボディセクション14またはその大半におけるアウタースキン18のそれと同一である。
代表的実施例において、型スキン20をツールボディ12の最外部のツールボディセクション14の外側表面を直接覆って配置するが、必要であれば、結合層等の単一あるいは複数の介在層あるいは、エラストマー層等の中間層をツールボディ12と型スキン20との間に配置し得る。
ツールボディセクション14においてそうである如く、型スキン20内のファイバー補強材の向性を、型ツール10の所望の特性に従い選択し得る。
型スキン20は、その配置後、代表的にはツールボディ12上の型スキン20を硬化させる硬化条件を受ける。型スキン20は、硬化プロセス中に代表的にはツールボディ12の外側表面に融合し、かくして型スキン20を然るべく固定する。これは各ツールボディセクション14を相互保持し、かくして型ツール10の一体性を保証する上でも役つ。
ある実施例では型スキン20を、ツールボディセクション14が尚、硬化条件下にある間にツールボディ12を覆って配置し、かくしてツールボディセクション14及び型スキン20を当該同じ硬化ステージ中に相互硬化させ得る。


型スキン20は代表的には、機械加工、研磨あるいはその他等の仕上げ法により、成形性材料をその上で成形し得る型スキンを提供するべく仕上げされ得る。
型ツール10の型スキン22は図4では簡略例示上、極く簡単な平面として示される。しかしながら、型スキン22は代表的にはもっと複雑なプロファイルを有し得る。
図5には図1の型ツールボディが示され、ツールボディセクション14の上方の層が、型スキン22b(図6)をその上に形成する、若干複雑化したプロファイルを構成するよう輪郭付けされている。この輪郭付けは代表的には、引き続くツールボディ12の硬化及び固化プロセスにおいて実施される。
図6には図5のツールボディ12が示され、その上部には外側の型スキン20が形成されている。型スキン22bは、図1〜4に関して説明したと同様にして形成されるが、若干複雑化したプロファイルを有している。
図1〜4の実施例とは異なり、あるツールボディセクション14(上方の層における)は断面プロファイルが減少され、インナーコア16がツールボディ12の外側表面上に露呈されている。
当該構成は、型スキン20がそれら断面を有効に閉鎖することから、型ツール10のパフォーマンスを何ら損ねないものであることが分かった。しかしながら、当該構成では、型スキン20をツールボディセクション14のアウタースキン18の上縁部に固定結合あるいは融合させることが好ましい。アウタースキン18と型スキン20とに同一または互換性の材料を用いることが、アウタースキン18と型スキン20との結合及び又は融合を容易化し、かくして安定化した型ツール10の形成上役立ち得る。
ツールボディセクション14の構成は、ツールボディ12及び型ツール10の所望の特性、更には、ツールボディセクション14、ツールボディ12、型ツール10のサイズ及び構成に従い決定され得る。
ある実施例では、ツールボディ12内に、サイズ、形状、そして組成の異なるツールボディセクション14を使用し得る。断面が四角形以外のツールボディセクション14を使用可能である。代表的には、対称的な断面は有益であり、また特には、ツールボディセクション14がその間部分に有意の間隙のない状態で連続するボディを形成するために役立つよう、相互に密着する断面が想定されよう。例えば、矩形、矩形三角形、五角形、六角形、七角形の断面を使用し得る。しかしながらある実施例では、円及び楕円の断面等のその他形状を使用できる。
図7には、先に説明したツールボディ12の如きと同一の、一般に4つの層構造を有する型ツールボディ112が略示されるが、各ツールボディセクション114は三角形の横方向断面を有している。当該三角形の断面は固有の構造的剛性及び強度が高いため、これを使用したツールボディ112の、特に固有の構造的剛性及び曲げ強度が向上し、かくして、高い固有スチフネスを要する、非常に大型の及び又は大型マンドレルタイプの型ツールまたはスパーツール等のモバイル型ツールで使用するために特に好適化され得る。
本発明の型ツールによれば、既知の型ツールを上回る数多くの利益が提供される。
型ツールのモジュール構造により、型ツール10はその機械的特性を当該型ツール10の所望の特性に従い技術設計可能であり、例えば、特に高い固有スチフネスが要求される場合は、好適な型ツール10に技術設計化し得るよう、ツールボディセクション14の数、サイズ、形状、組成、そして形態を選択可能である。
ポリマーフォームは、カーボンフォーム等の従来のフォームと比較して比較的安価である。ポリマーフォームは比較的軽量でもあるために取り扱いが容易である。ポリマーフォームは代表的には比較的賦形し易く、非導電性であり、ダスト特性が一般に小さく、しかも、一般にクラックを生じず、または保湿性が無い。本発明によれば、特に、型ツールやツールボディを使用して熱硬化性及び熱可塑性の硬化性樹脂を成形する際の代表的な要求温度下にフォームが所望されざる程に膨張する傾向が強いため、これまでは実際的ではないと考えられて来た、型ツール及びツールボディ内でのそれら材料の使用が可能となる。更には、本発明によれば、型ツール内のポリマーフォームにおける既知の他の欠点、つまり、高圧条件、特には、熱硬化性及び熱可塑性樹脂材料の成形時にしばしば必要となる高温条件を伴う高圧条件下に崩壊し易いと言う欠点も解消される。
ツールボディ12からの型スキン20の有意の剥離は一般に生じないことが見出され、従って、エラストマー層等の中間の、コンプライアント層は不要であり、かくして製造時間及びコストが削減されることが分かった。
本発明の型ツール10はポリマーフォームの膨張により、認識可能な程度の変形を生じることもない。
かくして本発明の型ツール10は、比較的軽量でしかも取り扱い及び操作が比較的容易い、大型の、極めて構造的に堅固な形態を取り得る。従って、本発明の型ツール10は、特には、総括熱膨張係数が小さく、高温下で使用可能な軽量のツールが要求される、航空機機体バレルへの自動ファイバーワインディング及び自動テーププレースメント用等の大型スケールのマンドレル、翼桁、航空機翼スキン及びその他の大型複合コンポーネント用のテーププレースメント用ツール、の製造上特に有益である。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
10 型ツール
12 ツールボディ
14 ツールボディセクション
16 インナーポリマーフォームコア
18 アウタースキン
20 型スキン
22b 型スキン
112 型ツールボディ
114 ツールボディセクション

Claims (15)

  1. 成形性材料を成形するための型ツールであって、
    複数のツールボディセクションを含むツールボディにして、前記ツールボディセクションの少なくとも2つが、その長手方向に沿って樹脂材料製のアウタースキンで包囲されたインナーポリマーフォームコアを含み、且つ、その一方を他方の上部に重ねて積層したツールボディと、
    該ツールボディを覆って伸延する型スキンにして、前記成形性材料をその上で成形し得る型表面を提供する型スキンと、
    を含む型ツール。
  2. 前記ツールボディセクションが相互に直接接触する請求項1に記載の型ツール。
  3. 一連のツールボディセクションが横並び形態下に伸延してツールボディセクションの層を形成する請求項1または2に記載の型ツール。
  4. ツールボディが、積層形態のツールボディセクションからなる複数の層を含む請求項3に記載の型ツール。
  5. 樹脂材料が、ファイバー補強材を含むファイバー補強された樹脂材料である請求項1〜4の何れかに記載の型ツール。
  6. 樹脂材料が硬化性を有する請求項1〜5の何れかに記載の型ツール。
  7. ファイバー補強材が、ツールボディセクションにおける特定方向の強度を比較的高める向性を有する請求項5または6に記載の型ツール。
  8. ファイバー補強された樹脂材料の熱膨張係数が8ppm未満である請求項5〜7の何れかに記載の型ツール。
  9. インナーポリマーフォームコアの密度が250kg/m3未満である請求項1〜8の何れかに記載の型ツール。
  10. インナーポリマーフォームコアの熱膨張係数が20及び80ppmの間である請求項1〜9の何れかに記載の型ツール。
  11. ツールボディセクションの少なくとも幾つかが細長く、且つ、ツールボディセクションのアウタースキン内のファイバー補強材が、該ツールボディセクションの長手方向に少なくとも全体に沿って伸延する請求項1〜10の何れかに記載の型ツール。
  12. 型スキンが、ツールボディ内のツールボディセクションにおけるアウタースキンのそれと同一の熱膨張係数を有する請求項1〜11の何れかに記載の型ツール。
  13. 型ツールを完成する型スキンが被覆形成され且つ複数のツールボディセクションを含むツールボディであって、前記ツールボディセクションの少なくとも2つが、その長手方向に沿って樹脂材料製のアウタースキンで包囲されたインナーポリマーフォームコアを含み、且つその一方を他方の上部に重ねて積層したツールボディ。
  14. 型ツールを完成する型スキンが被覆形成されたツールボディの製造方法であって、少なくとも2つのツールボディセクションを一方を他方に重ねて積層するステップを含み、各前記ツールボディセクションが、その長手方向に沿って樹脂材料製のアウタースキンで包囲されたインナーポリマーフォームコアを含む方法。
  15. 物品の成形方法であって、請求項1〜12の何れかに記載の如き型ツールの型表面上に成形性の材料を配置するステップと、該材料に成形条件を受けさせるステップと、を含む方法。
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