以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に基づくラベル装着装置を示している。本実施形態のラベル装着装置A1は、容器搬送装置12、ラベル繰出装置20、ラベル破断装置60、ラベル受渡装置70およびラベル押圧装置110を備える。ラベル装着装置A1は、容器BにラベルLを装着する装置である。なお、同図において、z方向は、鉛直方向である。また、ラベル押圧装置110は、容器BへのラベルLをより確実に行うこと意図して採用されているが、ラベル押圧装置110は、ラベル装着において根幹をなす装置ではなく、必要に応じて選択的に採用される付加的な装置であり、ラベル押圧装置110を備えない構成であってもよい。このような構成は、例えば容器B及びラベルLの形状や装着具合に応じて、ラベル押圧装置110を用いることなく確実な装着が見込める場合に採用することが好ましい。
容器Bの具体的構成は特に限定されず、PETボトル等のボトル型容器、シャンプー等が入れられたポンプ付き容器、医薬容器(アンプル、バイアル等)、その他種々の形状の容器が挙げられ、合成樹脂製容器、金属製容器、ガラス瓶等の種々の容器であってよい。
図2は、ラベル装着装置A1に用いられるラベルLを例示している。図2(a)は、ラベルLの一例を示す平面図である。ラベルLは、図4に示すように容器Bの首部に装着される首掛ラベルであり、4つの角部が円弧状に形成された略長方形状をなしている。ラベルLは、例えば、合成樹脂、紙、厚紙、合成紙等のシート材、これらの積層体、これらと他のシートの積層体などによって形成される。ラベルLの表面(すなわち、容器装着状態で容器肩部とは反対側を向く面)や裏面には、文字、図形、背景色等の印刷が施され、商品を購入する消費者に対する情報を表示することができる。
本例のラベルLには、開口部2及びミシン目線3が形成されている。開口部2は、ラベルLを厚さ方向に貫く空間を構成する部位である。図示された例においては、開口部2の具体例として貫通孔2aを示している。貫通孔2aは、ラベルLの略中央に設けられており、例えば長円形状(またはトラック状)である。ミシン目線3は、ラベルLを部分的に破断するために設けられている。図示された例においては、ミシン目線3は、貫通孔2aに繋がるx方向に延びる部分と、当該部分からy方向両側に延びる部分とを有するが、ミシン目線3の形状等は特に限定されない。ミシン目線3は、後述のラベル破断装置60によってラベルLが容器Bに装着される前に破断される線である。
ラベルLのうち、貫通孔2aのy方向両側においてミシン目線3に挟まれた部分は、係合部4となっている。係合部4は、ラベルLが容器Bに装着された際に、ラベルLが容器Bから外れてしまうことを防止するための部位である。なお、係合部4は、容器Bに当接して立ち上がることで表示部としても機能する。
図2(b)は、ラベルLの他の例を示している。本例のラベルLは、開口部2として、貫通孔2a及び複数の切断線2bを含む例である。切断線2bは、平面視において明瞭な面積を有さない線状の部分であるが、ラベルLを厚さ方向に貫く空間を構成する部位の一例である。すなわち、切断線2bは、ラベルLに力が負荷されたり変形されたりした場合に、貫通孔2aと同様にラベルLの外観に明瞭に表れる開口部2を構成する。本例においては、複数の切断線2bの間の部分が係合部4とされている。本例のラベルLは、ラベル破断装置60によって破断されるミシン目線等を有していない。このように、ラベル装着装置A1は、開口部2形成されたラベルLを適切に繰り出す装置であり、ラベルLにミシン目線3が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
図2(c)は、ラベルLのさらに他の例を示している。本例のラベルLは、開口部2として複数の切断線2bのみが形成されている。図示された例は、複数の切断線2bがH字状の形状を構成しているが、切断線2bの配置は特に限定されない。このように、開口部2として貫通孔2aが形成されていないラベルLであっても、後述の工程を経ることにより、容器Bに装着することができる。
また、図2(a),(b),(c)では、ラベルLは、4つの角部が円弧状に形成されているが、角部が略直角であってもよいし、角部の一部が部分的に切り欠かれてあってもよく、種々の形状とすることができる。このようなラベルLが容器Bの首部に装着されると、ラベルLの舌片状の係合部4が容器Bに押し付けられることで、ラベルLの装着状態が安定したものになる。以降の説明においては、図2(a)に示すラベルLが用いられる場合について説明する。
容器搬送装置12は、例えば、PETボトル等の容器Bを連続的にx方向に搬送する。容器搬送装置12は、容器Bを載置しつつx方向に沿った容器搬送方向に移動させるベルトコンベヤ等によって構成できる。また、容器搬送装置12は、一対のバー14aおよび一対のバー14bを有する。一対のバー14aは、x方向およびz方向と直角であるy方向において容器Bを両側からガイドするものである。一対のバー14bは、一対のバー14aのz方向下方に設けられており、y方向において容器Bを両側からガイドするものである。なお、本実施形態とは異なり、一対のみのバーを有する構成であってもよい。また、容器搬送装置12は、前記ベルトコンベヤと同期して移動する複数対の位置決めガイドを備えていてもよい。
ラベル繰出装置20、ラベル破断装置60、ラベル受渡装置70及びラベル搬送装置80は、容器搬送装置12のx方向上方においてx方向に並んで設置される。また、ラベル押圧装置110は、ラベル搬送装置80に対して容器搬送方向(x方向)に並んで下流側に設置される。
ラベル繰出装置20は、ラベル破断装置60に向けてラベルLを一枚ずつ繰り出す装置である。図1および図5〜図7に示すように、本実施形態においては、ラベル繰出装置20は、ラベル収容部22、繰出ローラ24、サポートローラ31,32およびサポートシャフト33を有する。なお、ラベル破断装置60を備えない場合は、ラベル繰出装置20は、たとえばラベル受渡装置70やラベル搬送装置80にラベルLを繰り出す構成であってもよい。
ラベル収容部22は、重ねられた複数のラベルLを収容するものである。本実施形態においては、複数のラベルLは、厚さ方向が鉛直方向であるz方向に沿う状態で重ねられており、この状態でラベル収容部22に収容されている。ラベル収容部22には、繰出開口部28が形成されている。繰出開口部28は、ラベル収容部22のz方向下端において開口する部位である。この繰出開口部28から、ラベル収容部22に収容された複数のラベルLのうち最下位に位置するものの片面が露出する。本実施形態においては、最下位に位置するラベルLが、次に繰り出される最前のラベルLである。なお、本実施形態においては、ラベル収容部22のz方向下方部分においては、複数のラベルLがz方向下方に向かうほどx方向前方にずれるように構成されている。これにより、上下に隣接するラベルLがx方向にずれるので、ラベルL同士の密着度合が低減される。その結果、ラベルLを一枚ずつ繰り出す動作をより確実に行うことができる。
サポートローラ31,32およびサポートシャフト33は、ラベル収容部22の直下に配置されており、ラベル収容部22の繰出開口部28を部分的に覆っている。サポートローラ31,32およびサポートシャフト33は、例えば転がり軸受を介してラベル収容部22の側壁等に支持されることによって回転可能になっている。サポートローラ31とサポートローラ32とは、x方向に並んで配置されている。サポートシャフト33は、サポートローラ31,32より小径であり、サポートローラ32と繰出ローラ24との間の狭い隙間に配置される。図示された例は、サポートローラ31,32及びサポートシャフト33のすべてが配置されているが、これは構成例の一例である。ラベルLの大きさや形状及び繰出ローラ24による繰り出しの状態によって、サポートローラ31,32及びサポートシャフト33のいずれか1つ又は複数を選択して採用すればよい。ラベルLの繰り出しについて好適な構成例としては、サポートローラ31のみを備える構成が挙げられる。このような構成では、複数のラベルLの自重のうち繰出ローラ24にかかる割合が大きくなり、繰出ローラ24による繰り出す力を高めることが期待できる。また、この例では、サポートローラ31,32及びサポートシャフト33が回転可能である場合について説明したが、サポートシャフト33は回転不可に構成されることもできる。また、ラベル収容部22に、振動装置(図示略)を取り付けてもよい。振動装置によってラベル収容部22内のラベルLに振動を与えることにより、ラベルL間に空気が入り込み、ラベル収容部22内から複数枚のラベルLが同時に送り出されることが抑制される。
繰出ローラ24は、最下位(最前)のラベルLをx方向に繰り出すためのものである。繰出ローラ24は、ローラ軸241、一対の接触部242および非接触部244を有する。
一対の接触部242は、y方向において互いに離間しており、ラベル収容部22の最下位(最前)にあるラベルLの貫通孔2aを挟んで両側に位置している。接触部242の直径は、少なくともラベル装着装置A1が動作する状態において、最下位(最前)のラベルLに接する大きさである。本実施形態においては、一対の接触部242は、互いに別体の部材からなり、一対の固定ブロック245によってローラ軸241に固定されている。一対の固定ブロック245は、例えばボルトを締結することによってローラ軸241に固定されており、当該ボルトを緩めることによって、ローラ軸241に対してy方向に移動可能である。これにより、一対の接触部242は、ローラ軸241に対するy方向位置が調整可能となっている。なお、一対の接触部242のいずれか一方のみの位置が、ローラ軸241に対して調整可能である構成であってもよい。接触部242の材質は特に限定されず、樹脂及びゴム等の高摩擦材料やアルミニウム等の金属を適宜用いることができる。接触部242が複数のラベルLと当接した後も、顕著な摩耗を生じさせない観点からは、接触部242は金属からなることが好ましく、表面処理等によって表面を硬化させておくことが好適である。
本実施形態においては、接触部242の周面に複数の突起243が形成されている。複数の突起243は、本発明の高摩擦形状の一例である。複数の突起243は、各々が例えばプラミッド状(四角錐形状)の突起である。また、複数の突起243は、繰出ローラ24の軸方向及び周方向に沿ってマトリクス状に配置されている。突起243が設けられていることにより、繰出ローラ24によってラベルLを繰り出す力を強めることができる。
非接触部244は、一対の非接触部244の間に設けられており、最下位(最前)のラベルLに接触しない部位である。本実施形態においては、非接触部244は、ローラ軸241のうち一対の接触部242の間に位置する部分によって構成されている。
繰出ローラ24は、ラベルLを繰り出すべく駆動される構成が好ましく、本実施形態においては、ローラ軸241に接続されたモータ249によって駆動される。
ラベル破断装置60は、図1および図8に示すように、x方向において案内プレート44の下流側に隣接して配置される。ラベル破断装置60は、ラベルLにミシン目線3が形成されている場合に、ミシン目線3を破断させる機能を果たす。ラベル破断装置60は、移送ローラ62と破断ローラ64とを備える。移送ローラ62および破断ローラ64の一方は図示しないモータに連結され図中矢印の方向に回転駆動される駆動ローラとし、移送ローラ62および破断ローラ64の他方は駆動ローラにギヤで連結されて従動回転する従動ローラとして構成できる。
移送ローラ62は、シャフト63と、シャフト63上に所定間隔で固定された2つのニップローラ66とを有する。ニップローラ66の少なくとも外周面は、ラベルLに対して滑りにくい例えばゴム等の高摩擦材料で形成されるのが好ましい。
破断ローラ64は、移送ローラ62のシャフト63と平行に配置されたシャフト65と、シャフト65上に固定された移送破断ローラ部68とを有する。移送破断ローラ部68の少なくとも外周面は、ニップローラ66と同様に、ラベルLに対して滑りにくい例えばゴム等の高摩擦材料で形成されるのが好ましい。
移送破断ローラ部68は、一対の移送部681および破断部682を有する。一対の移送部681は、y方向両側に分かれて配置されており、図示された例においては、外形が一定である真円形状である。破断部682は、一対の移送部681の間に設けられている。破断部682は、周方向における一部分が一対の移送部681よりも径方向外方に突出する形状とされている。破断部682のうち、当該突出部分以外の部分は、移送部681と同形状の部分円形状とされている。
ラベル受渡装置70は、例えば、搬送ベルト71,72を備える。搬送ベルト71,72は、互いに接触しつつ回転駆動される無端状ベルト部材である。なお、ラベル受渡装置70は、y方向に離間して配置された一対ずつの搬送ベルト71,72を備えている。図1では、y方向一方側の搬送ベルト71,72のみが示されている。搬送ベルト71,72は、ラベルLの貫通孔2aの両側部分を挟持しつつ、ラベル破断装置60から受け取ったラベルLを、ラベル搬送装置80の方に移動させる。
ラベル受渡装置70は、図示しない第1及び第2センサを有する。第1センサは、ラベルLを所定位置で検知してラベル検知信号を図示しない制御部に送信する。ラベル検知信号を受けた制御部が搬送ベルト71,72を駆動制御することによってラベルLを下流側の端部に移動させて待機させる。第2センサは、所定位置で容器Bの位置を検出して容器検出信号を前記制御部に送信する。容器検出信号を受けた制御部が上下の搬送ベルト71,72を駆動制御することによって、下流側の端部に待機しているラベルLを容器Bに装着できるタイミングでラベル搬送装置80に受け渡すようになっている。これら第1及び第2センサにより、搬送される容器B間のピッチが一定ピッチでない場合であっても、ラベルLを容器Bに装着することができる。
ラベル搬送装置80は、ラベル受渡装置70からラベル受取位置αにおいて受け渡されたラベルLをラベル装着位置βへと搬送する装置である。本実施形態のラベル搬送装置80は、一対の無端状ベルト部材81、複数のプーリ82、一対の低圧室87および一対のベルト対向部材91を有する。図9は、ラベル搬送装置80をz方向下方からみた底面図である。
一対の低圧室87は、y方向に離間して配置されている。低圧室87は、内部空間が外部よりも気圧が低く設定されている。各低圧室87は、たとえば樹脂や金属等の材質からなる。低圧室87は、ラベル受取位置αからラベル装着位置βまで斜めに延在する。低圧室87は下方側が開口している。低圧室87の下方側開口は、ラベル受取位置αからラベル装着位置βまで移動する無端状ベルト部材81で塞がれている。低圧室87は、例えば図示しない真空ポンプに接続されている。この真空ポンプの稼動により低圧室87の内部空間の気圧が外圧よりも低くなる。
持される。
低圧室87のx方向両側には、一対のプーリ82が配置されている。一対のプーリ82は、いずれかは図示しないモータによって駆動される。あるいは、一対のプーリ82以外の駆動手段によって無端状ベルト部材81を駆動してもよい。無端状ベルト部材81は、一対のプーリ82に掛け回されており、低圧室87の下側開口を塞いでいる。無端状ベルト部材81には、複数の吸着孔811が形成されている。複数の吸着孔811は、例えば円形状または楕円形状であり、無端状ベルト部材81の長手方向に配列されている。
一対のベルト対向部材91は、一対の無端状ベルト部材81の下面83に対向配置されている。各ベルト対向部材91は、金属や樹脂等からなる。ベルト対向部材91は、無端状ベルト部材81の下面83と略平行に配置されている。ベルト対向部材91と、無端状ベルト部材81の下面83との間の隙間は、ラベルLの厚さよりも大きく、好ましくは、ラベルLの厚さよりも若干大きくなっている。
なお、この例では、ベルト対向部材91が、無端状ベルト部材81の下面83と略平行に配置される場合について説明したが、ベルト対向部材91は、無端状ベルト部材81の下面83にz方向に対向していればよく、無端状ベルト部材81の下面83と略平行に配置されなくてもよい。
ラベル押圧装置110は、図1、図10および図11に示すように、ラベル搬送装置80によって搬送されたラベルLが容器Bに装着された際または直後に、ラベルLを容器Bに対して押し付ける装置である。なお、図10においては、バー14a,14bの図示を省略する。なお、以降の説明は、ラベル押圧装置110を採用した場合の構成について述べるものであり、上述した通り容器BへのラベルLの装着がラベル押圧装置110を用いることなく確実に達成できる場合などは、ラベル押圧装置110を備えない構成が好ましい。
ラベル押圧装置110は、押さえ部材111および支持部115を有する。押さえ部材111は、断面コ字状の形状を有し、下側に開口している。押さえ部材111は、幅方向に間隔おいて位置する一対の側壁部130を有する。一対の側壁部130間の間隔は、容器Bの頭部Cの直径よりも長く、容器Bにおける円筒状の胴部の直径よりも短い。各側壁部130の下側には押圧部131が設けられる。押圧部131は、上流側から下流側に斜め下方に延在するガイド部と、当該ガイド部の下流側の端部からX方向に略平行に延在する水平方向延在部とを有する。前記ガイド部の下面の上流側端部は、容器Bの頭部Cの下端位置よりも上方に位置している。また、前記水平方向延在部の下面は、容器Bの所定位置に装着されたラベルLの係合部4の下端部と略同じ高さに配設されている。この押圧部131の構成により、ラベルLが容器Bの所定位置よりも高い位置に装着されたとしても、ラベルLの係合部4が前記水平方向延在部で所定位置に押さえ込まれる。これにより、ラベルLが容器Bの所定位置に装着される。
支持部115は、押さえ部材111を支持する部位であり、図示された例においては、水平部135および鉛直部136を有する。水平部135は、水平方向に延びる部位であり、鉛直部136は、水平部135から鉛直方向に延びる部位である。図示された例においては、押さえ部材111は、吊下部117および調節機構120を介して支持部115に取り付けられている。吊下部117は、押さえ部材111を吊り下げるようにして支持する部位である。調節機構120は、鉛直部136と吊下部117との間に介在しており、鉛直部136に対する吊下部117のz方向位置を調整するものである。
次に、ラベル装着装置A1によるラベルLの装着について以下に説明する。
図1および図5〜図7に示すように、ラベル繰出装置20において繰出ローラ24が回転駆動されることにより、繰出ローラ24の一対の接触部242が、ラベル収容部22に収容された複数のラベルLのうち最下位(最前)のラベルLをx方向に移動させようとする。この際、図7に示すように、最下位(最前)のラベルLは、一対の接触部242が開口部2としての貫通孔2aのy方向両側部分に当接させられる。この結果、図7においてハッチングを付した帯状部分が一対の接触部242によって掻き出されるようにして、最下位(最前)のラベルLが繰り出される。なお、ラベルLの繰り出しにおいては、ラベルLの貫通孔2aや貫通孔2aのx方向両側に位置する部分は、繰出ローラ24の非接触部244が対向しているため、これらの部分に繰出ローラ24は当接しない。
次いで、図1及び図8に示すように、繰り出されたラベルLは、ラベル破断装置60に導かれる。ラベルLは、ニップローラ66と移送部681とによって貫通孔2aのy方向両側部分が挟まれながら、x方向に移送される。この際、移送破断ローラ部68に破断部682が設けられているため、ラベルLの中央部分に破断部682が押し当てられる格好となる。これにより、ラベルLのミシン目線3が破断され、図3に示す挿通部2Aが形成される。また、係合部4は、z方向に起立した状態となる。この破断されたラベルLがラベル受渡装置70へと移送される。
破断されたラベルLが移送されたラベル受渡装置70は、ラベル受取位置αにラベルLを移送する。ラベル受渡装置70に備えられた前記第1センサおよび第2センサを用いて、たとえばラベル受取位置αにおいて、ラベル受渡装置70によって移送されたラベルLと容器搬送装置12によって搬送された容器Bとが、x方向において位置合わせされる。これにより、ラベル受渡装置70は、x方向に搬送されている容器BにラベルLを装着できるタイミングで、ラベルLをラベル搬送装置80に受け渡す。
ラベル搬送装置80は、ラベル受取位置αでラベル受渡装置70から受け取ったラベルLをラベル装着位置βに搬送する。低圧室87の内部空間が負圧とされることにより、ラベルLがラベル受取位置αで無端状ベルト部材81の下面にある吸着孔811に吸着される。この状態で、ラベルLは、プーリ82による一対の無端状ベルト部材81の駆動によってラベル受取位置αからラベル装着位置βまで搬送される。ラベルLのラベル装着位置βへの搬送の際、一対の無端状ベルト部材81は、ラベルLのうち貫通孔2aのy方向両側部分を吸着保持する。これにより、係合部4が無端状ベルト部材81から力を受けることがなく、係合部4の上側に傾斜して起立するくせが維持される。
破断済みラベルLがラベル装着位置βにおいて斜め下側に搬送されることによって、ラベルLのz方向位置搬送されている容器Bの頭部Cに近づく。そして、図4に示すように、ミシン目線3の破断によって形成された挿通部2Aが容器Bの頭部Cに挿通される。これにより、ラベルLは、容器Bにおいて頭部Cの下方に連なって位置する首部の周囲に装着される。
ラベル装着位置βにおいて、容器Bに装着されたラベルLは、容器Bとともにx方向に搬送されることにより、ラベル押圧装置110に移送される。ラベル押圧装置110においては、図1、図10および図11に示すように、容器Bがx方向に移動すると押圧部131によってラベルLがz方向下方に押し下げられる格好となる。そして、押圧部131の水平部にラベルLが当接することにより、ラベルLが容器Bの所定位置に装着される。以上の工程を、順次搬送されてくる容器Bについて連続的に実行することにより、複数の容器BにラベルLを装着することができる。
次に、ラベル装着装置A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、ラベル繰出装置20からラベルLを繰り出す際には、最下位(最前)のラベルLの貫通孔2a(開口部2)の両側部分に、繰出ローラ24の一対の接触部242が当接する。ラベルLの貫通孔2aと対向する位置には、繰出ローラ24の非接触部244が設けられている。このため、最下位(最前)のラベルLが繰り出される際に、このラベルLがx方向にずれて貫通孔2aから次のラベルLが露出しても、繰出ローラ24は次のラベルLには当接しない。このため、最下位(最前)のラベルLのみを確実に繰り出すことが可能であり、次のラベルLを意図せずに繰り出してしまうことを防止することができる。また、中央に貫通孔2aが設けられたラベルLを繰り出すために、貫通孔2aの両側部分に当接する構成は、ラベルLを不当に歪ませたりするおそれが少なく、ラベルLを適切な形状のまま繰り出すことが可能である。したがって、ラベル装着装置A1によれば、貫通孔2aを有するラベルLをより適切に繰り出すことができる。
本実施形態においては、一対の接触部242は、別の部材からなり、ローラ軸241に対してそれぞれ移動可能とされている。これにより、貫通孔2aの位置や大きさが異なるラベルLを繰り出す場合に、一対の接触部242を、貫通孔2aのy方向両側に位置するように予め調整することが可能である。したがって、様々な種類のラベルLを取り扱うことができる。
接触部242に複数の突起243が設けられていることにより、接触部242とラベルLとの接触力をより高めることが可能である。これは、確実なラベルLの繰り出しに好まし。
また、本実施形態においては、積み重ねられた複数のラベルLのうち、最下位のラベルLが繰り出されるべき最前のラベルLとされている。このため、最下位(最前)のラベルLが繰り出されると、他の複数のラベルLが重力によって下降し、次のラベルLが速やかに最下位(最前)のラベルLとなる。これは、複数のラベルLをスムーズに順次繰り出すのに適している。
図12および図13は、本発明の変形例を示している。なお、これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
図12は、繰出ローラ24の変形例を示している。本変形例においては、一対の接触部242および非接触部244が、一体の部材によって形成されている。このような変形例によっても、ラベルLの貫通孔2aの両側のみに一対の接触部242を当接させることによりラベルLを適切に繰り出すことができる。
図13は、ラベル繰出装置20の変形例を示している。本変形例においては、ラベル繰出装置20にウエイト29が備えられている。ウエイト29は、たとえば金属や樹脂からなり、複数のラベルLのうち最上位のラベルLに対してz方向上方から下方に向かう力を付与するものであり、本発明の押圧部材の一例である。本変形例においては、ラベルLが順次繰り出されることによって、ラベル収容部22に収容された複数のラベルLが、たとえば図13に示すように少数となっても、最下位のラベルLには、複数のラベルLの自重に加えてウエイト29からの押圧力が負荷される。これにより、最下位のラベルLと繰出ローラ24の一対の接触部242との接触力を高めることが可能である。したがって、ラベル収容部22に収容された複数のラベルLの枚数がより少なくなっても、最下位のラベルLを適切に繰り出すことが可能である。これは、多数の容器BにラベルLを装着する際に、ラベル繰出装置20に複数のラベルLを補充する作業の頻度を少なくすることに寄与する。
本発明に係るラベル装着装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るラベル装着装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
繰出ローラ24は、ラベル収容部22のz方向下方に配置される構成に限定されない。たとえば、ラベル収容部22の積み重ねられた複数のラベルLのうち最上位のラベルLが最前のラベルLとして扱われる構成の場合、繰出ローラ24は、ラベル収容部22のz方向上方に配置されてもよい。この場合、積み重ねられた複数のラベルLをz方向上方に持ち上げる機構を備えることが好ましい。