JP6829403B2 - 車両 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に示すように、前後に座席を有する車両において、前後の座席の間隔を調整して、着座者の脚置き(オットマン)として前席を使うことにより快適性が高められている。
このため、前席のシートバックが起立した状態、つまりオットマンとして利用できない状態において、前席と後席とが近接しすぎることにより、後席の着座者が前席によって視界を狭まることで圧迫感を受けることがあった。
理由としては、テーブルT1は、運転席1のシートバックに取り付けられるため、張り出し長さが制限され、且つ、右後席3の着座者の脚を置く空間を確保する必要上、運転席1と右後席3の座席の間隔が所定長さ以上に広げられているからである。
また、他の目的は、後席のベルトバックルに、車内側からシートベルトのタングを挿し込むことを容易にすることにある。
また、さらに他の目的は、座席に取り付けられるテーブルを、着座者の手前まで張り出し可能な構成とすることにある。
本発明の移動調整システムによれば、シートバックが倒伏しているときに前席と後席とをより近接可能とすることで、前席をオットマンとしてより快適に利用することができる。
本発明の移動調整システムによれば、窮屈な体勢となることを抑制してオットマンとして使用しやすくなる。
本発明の移動調整システムによれば、検出部を備えることで、前席の倒伏状態及び起立状態を電気的に検知することができ、移動領域を変更する電気的な制御が可能となる。
本発明の移動調整システムによれば、他の検出部を備えることで、前席に着座者が存在しない場合のみ、前席と後席とを近接可能となるように移動領域を変更することが可能となる。
本発明の移動調整システムによれば、一の列にある前席又は後席の一方の他の列の後席との間の位置ずれを利用して、他の列の席の着座者が利用可能なテーブルを配設することが可能となる。
本発明の移動調整システムによれば、一の列にある後席の回動及び他の列にある後席との位置ずれを利用して、他の列側の後席に着座する着座者の世話を容易に行うことが可能となる。
本発明の移動調整システムによれば、他の列の後席に着座する着座者に温風又は冷風を供給しやすくできる。
本発明の移動調整システムによれば、人が一の列の後席の後方から車両に乗り込んで、他の列の後席のベルトバックルにシートベルトのタングを挿し込むことが容易となる。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る電気制御によって座席位置の調整をする移動調整システムSについて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施形態に係る移動調整システムSを備える車両Caの車内の状態を示す斜視図である。
また、図2(A)は、本発明の第1実施形態に係る移動調整システムSの通常状態を示す模式図、図2(B)は、助手席2のシートバック2bを起立させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図、図2(C)は、助手席2のシートバック2bを倒伏させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図であり、着座者Hが助手席2をオットマンとして使用している状態を示す図である。
さらに、図3は、助手席2のシートバック2bをシートクッション2aに沈み込ませた状態を示す模式図であり、着座者Hが助手席2をオットマンとして使用している状態を示す図である。
シートバック2bにおける、倒伏時にシートクッション2aに対向する面には、後述する倒伏センサ2sが取り付けられている。
なお、助手席2は、後述のように、左後席4に着座する着座者H(乗員ともいう。)の脚置きとしても利用される。このため、助手席2のシートバック2bには、清拭性の観点で二輪車用のシートに用いられるような撥水性が高く、汚れが落ちやすい表皮が、少なくとも脚置きの位置に取り付けられている。
シートクッション4aは後述するスライドレール11上に載せられており、このために、左後席4は前後に移動可能に構成されている。
一方、制御部Cは、シートバック2bの倒伏状態時には、ロック部材11cをロアレール11a内に引き込むようにして、左後席4の前方の移動を許容するように制御する。この状態のときには、制御部Cは、シートバック2bの倒伏状態を示す検出信号を倒伏センサ2sから受信している。
一方、図2(C)に示すシートバック2bの倒伏状態時においては、ロック部材11cは、制御部Cによって、ロアレール11a内に移動するように制御されるためアッパーレール11bに当接しない。このため、左後席4は、着座者Hが脚を入れることができない間隔(第二間隔ともいう。)、本実施形態においては助手席2と左後席4が当接する位置まで、助手席2に対して近接可能である。
なお、図2(C)、及び図3に示す状態は、ロック部材11cがロアレール11a内に引き込まれて、左後席4が前方に移動した後に、制御部Cの制御によりロック部材11cが突出してロック溝11dに係合している状態である。
詳細には、シートクッション2aは、クッション部2dと、クッション部2dのシート幅方向両側に前後に形成されるサイドフレーム2eと、から構成される。そして、クッション部2dがサイドフレーム2eに対して前方にスライド可能に構成され、且つ、クッション部2dが前方にスライドした状態になることで、シートバック2bが下方に沈み込み可能に構成されている。
このように構成されていることにより、シートバック2bが倒伏状態にあるときに、シートバック2bの上面位置を相対的に下げることが可能となる。このため、着座者Hは、脚のアキレス腱の裏側近傍を、シートバック2b上に載せることができ、着座姿勢を負担のかかりづらい楽な姿勢にすることができる。
次に、図4〜図8を参照して、移動調整システムSに付随する構成について説明する。
ここで、図4は、右後席3に設けられたベルトバックル20が露出するまで左後席4を助手席2側に移動した状態を示す模式図、図5は、右後席3用のテーブルTが左後席4のアームレスト4gから張り出している状態を示す模式図、図6は、左後席4のシートバック4xが回動可能に構成される例を示す模式図、図7は、左後席4のシートバック4yの土手形状部4hが圧縮している状態を示す模式図、図8は、運転席1及び左後席4のシートバック1b,4bの肩口にエアコンの吹き出し口6が設けられている構成を示す模式図である。
このような構成により、大人Haが、右後席3の外側から右後席3に子供Hbを乗せた後、左後席4を前側に配置した状態で左後席4の後ろから乗り込むことで、図示せぬシートベルトのタングをベルトバックル20に容易に留めることが可能となる。
この問題は、図5に示すように、本実施形態に係る左後席4が、助手席2に近づけられた状態で、テーブルTが右後席3側に張り出すことによって解決される。
テーブルTが張り出す位置が、シートバック3bの前面よりも所定距離前方となるように、左後席4を助手席2側に配置させることで、右後席3の着座者Hに近接するようにテーブルTの位置を近づけることができる。
また、例えば右後席3にテーブルTを設け、右後席3を運転席1側に配置させて、左後席4の着座者H用のテーブルTとしてもよい。
さらには、助手席2にテーブルTを設け、助手席2を左後席4側に配置させて、右後席3の着座者H用のテーブルTとしてもよい。
さらには、テーブルTがアームレスト4gに取り付けられているため、図示せぬセンターコンソールにテーブルTを取り付ける必要がなく、センターコンソールを固定することができる。このようにセンターコンソールを固定できることは、センターコンソールを冷蔵庫として利用する際の冷蔵庫への電源供給の観点から好ましい。
このようにすれば、左右の列の着座者Hがコミュニケーションを取りやすくなり、また、一方の着座者Hの補助、世話等がしやすくなる。
なお、助手席2又は右後席3、さらには運転席1の土手形状部に、圧縮しやすい低強度の材料を用いるようにしてもよい。
そして、上記のシートバック4xを回動可能にする構成と、土手形状部4hを窪みやすくする構成の一方を採用しても両方を採用してもよい。
このようにすれば、左後席4を助手席2側に配置したときに、運転席1のシートバック1bの肩口に設けられた吹き出し口6からの送風を左後席4側に向けることができる。さらに、左後席4のシートバック4bの肩口に設けられた吹き出し口6からの送風を右後席3側に向けることができる。
このため、運転席1、助手席2、右後席3及び左後席4それぞれの近傍における温度調整の偏りを抑制することができる。
次に、図9を参照して、座席位置の調整を機械的に行う第1変形例に係る移動調整システムSaについて説明する。
ここで、図9(A)は、助手席2のシートバック2bを起立させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図、図9(B)は、助手席2のシートバック2bを倒伏させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図である。
なお、以下においては、同一の形状、構造を有する部材については、同一の符号を付して説明を省略し、異なる形状、構造を有する部材との相違点を明確にする。
また、シートクッション4aの下方にはスライドレール11が取り付けられている。
一方、延出部2fは、シートバック2bが倒伏状態にある場合には、左後席4のシートクッション4aよりも上方の位置にあり、その移動に干渉しないことにより、より前方への左後席4の移動を許容する。
このような構成であれば、延出部2fの形成されていない部分における助手席2と左後席4の間に、左後席4の着座者Hが脚を通すことを可能としつつ、左後席4の前方への移動を制限することができる。
上記第1変形例に係る移動調整システムSaにおいては、延出部2fによって、シートバック2bの起立状態と倒伏状態との左後席4のスライド可能位置を変更するようにしたが、本発明はこのような構成に限定されない。
次に、図10を参照して、座席位置の調整を機械的に行う第2変形例に係る移動調整システムSbについて説明する。
図10(A)は、助手席2のシートバック2bを起立させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図、図10(B)は、助手席2のシートバック2bを倒伏させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図である。
ストッパー9は、本発明に係る移動領域変更部の一に相当し、略S字状の棒材から成り、シートバック2bにおけるシート幅方向外側に取り付けられている。ストッパー9は、シートバック2bの起立状態において、フロントロッド7に形成された係止溝7aに係止可能に配設されている。
図10(A)に示すように、シートバック2bが起立状態にあるときには、ストッパー9が係止溝7aに係止することにより、後方に位置するフロントロッド7の位置を固定する。これにより、リアロッド4cがフロントロッド7に当接する位置までに、リアロッド4cが固定された左後席4の移動が制限され、着座者Hの脚入れ可能な間隔に助手席2と左後席4との間隔が保たれる。
これにより、ストッパー9の係止溝7aへの係止が解除されることとなり、フロントロッド7が前後に移動可能となる。さらに、左後席4は、リアロッド4cがフロントロッド7に当接し他状態で圧縮バネ8の付勢に抗する力が加えられることで、助手席2に当接する位置まで前方に移動可能となる。
そして、シートクッション4aが助手席2に当接するときに、ロック溝11dがロック部材11cに対向する位置にある。このため、ロック部材11cをロック溝11dに係止させて左後席4の位置を固定することで、オットマンとして助手席2を好適に使用することができる。
次に、図11を参照して、座席位置の調整を機械的に行う第3変形例に係る移動調整システムScについて説明する。
図11(A)は、助手席2のシートバック2bを起立させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図、図11(B)は、助手席2のシートバック2bを倒伏させた状態で、左後席4を助手席2に近づけた状態を示す模式図である。
また、リンク10は、図11(A)に示すように、シートバック2bが起立状態にあるときに、シートバック2bの回動軸2gよりも下方に上端部10bが取り付けられており、下端部10aから上端部10bまで斜め前方に延在するように配設されている。
そして、シートバック2bが起立状態から図11(B)に示す倒伏状態になるのに伴って、シートバック2bの回動軸2gの水平面上に上端部10bが移動することとなり、下端部10aが前方に移動することとなる。
つまり、シートバック2bが図11(A)に示す起立状態にあるときは、上端部10bが下方位置にあるため、リンク10の下端部10aが後方に張り出すこととなり、フロントロッド7xは後方に移動することとなる。このため、リアロッド4cが後方に移動したフロントロッド7xに当接する位置までに、左後席4のスライド範囲が制限される。
一方、シートバック2bが図11(B)に示す倒伏状態にあるときは、上端部10bが上方位置にあるため、リンク10の下端部10aが前方に引かれることとなり、フロントロッド7xは前方に移動することとなる。このため、リアロッド4cが前方に移動したフロントロッド7xに当接する位置までに、左後席4のスライド範囲が前方に広がることとなる。
また、圧縮バネ8を用いずとも、フロントロッド7xを前後に移動させることができるため、部品点数を減らすことができ、助手席2の倒伏状態時に、左後席4を移動させる際に圧縮バネ8の付勢力に抗する力を必要としない。
また、上記実施形態においては、助手席2と左後席4とを近接及び離間する関係を説明する上で、左後席4をスライドさせる構成について説明したが、前後間の間隔の調整ができればよく、このような構成に限定されない。例えば、助手席2をスライドさせる構成であってもよい。
1b シートバック
2 助手席(前席,乗り物用座席)
2a シートクッション
2b シートバック
2d クッション部
2e サイドフレーム
2f 延出部(移動領域変更部)
2g 回動軸
2s 倒伏センサ(検出部)
3 右後席(乗り物用座席)
3b シートバック
4 左後席(後席,乗り物用座席)
4a シートクッション
4b シートバック
4c リアロッド
4g アームレスト
4h 土手形状部(土手部)
4x,4y シートバック(他のシートバック)
6 吹き出し口
7,7x フロントロッド
7a 係止溝(移動領域変更部)
8 圧縮バネ
9 ストッパー(移動領域変更部)
10 リンク(移動領域変更部)
10a 下端部
10b 上端部
11 スライドレール(移動機構)
11a ロアレール
11b アッパーレール
11c ロック部材(移動領域変更部)
11d ロック溝
20 ベルトバックル
C 制御部(移動領域変更部)
Ca,C1a 車両
H 着座者(乗員)
Ha 大人
Hb 子供
S,Sa,Sb,Sc 移動調整システム
T,T1 テーブル
Claims (3)
- 左右に並んだ二つの前席と、左右に並んだ二つの後席と、を備える車両であって、
前記前席及び前記後席のそれぞれは、シートバックと、前記シートバックに接続されるシートクッションと、を有する車両用シートであり、
前記前席の左右いずれか一方、及び前記後席のうち前記前席の他方の真後ろに位置する後席のシートバックの左右方向の側面には、エアコンの吹き出し口が設けられており、
前記吹き出し口は、前記シートバックの左右方向の側面のうち、前記車両の左右方向の内側に位置する側面に、斜め後方に送風が向くように設けられており、
前記後席のうち前記前席の他方の真後ろに位置する後席は、前方側にスライド可能であることを特徴とする車両。 - 前記吹き出し口は、前記シートバックの肩口に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
- 前記吹き出し口は、前記肩口のシートバック背面側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両。
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