JP6828248B2 - 鉄鋼中酸素分析方法および鉄鋼中酸素分析装置 - Google Patents
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Description
一方、鉄鋼材料では、所望の性能を得るために鋼中に各種元素を適量添加する合金設計を行っており、その設計に基づき同一性能を有する鋼を実製造する際は、製鋼工程での溶製時に各元素の濃度をある一定の範囲内に管理することで製品性能の安定化を図っている。さらに、精錬中に溶鋼成分の分析を行い、目的とする元素の濃度を確認し、その結果を見て適宜成分調整を行っているため、正確な分析結果だけでなく、分析値判明まで待つことに起因した生産量低減やエネルギーロスを回避する観点から、迅速な分析が不可欠である。そのため、各種元素を添加して所望の性能を有する鋼を製造する製鋼工程における精錬途中に、溶鋼に含有されている元素の濃度を迅速かつ精度よく分析ができれば、その分析結果をもとにして、適切な成分調整を行うことで、安定した性能を有する鋼を低コストかつ低環境負荷で製造することが可能となる。
このような加工、前処理は、(1)操作が煩雑であり、時間を要する。(2)試料や処理、作業者毎に酸化皮膜の除去程度が異なり、分析値がばらつく。(3)酸化皮膜が除去された試料表面はすぐに再酸化し、分析値が高くなる問題がある。
これらが原因となって、前述の加工と前処理を必要とする酸素濃度の分析方法は、十分な迅速性および分析精度を確保できず、精錬途中の溶鋼の酸素分析方法として適用することは困難であった。
すなわち、本発明が目指す分析技術には、このような高清浄鋼において、次の{1}、{2}を満たすことが要求される。
{1}分析値の精度
酸素含有量20ppm以下の鋼に対し、測定誤差が±1ppm以内に収まること。
{2}分析に要する時間
鋼塊試料を受け取ってから、試料加工、清浄化前処理を経て、分析により酸素濃度が判明するまでの時間(以下,「分析所要時間」と称する。)は7分以下であること。好ましくは5分以下であること。
分析用試料を作製する際に、赤熱鋼塊を室温まで冷却した後に冷間で加工すれば、真空アークプラズマ処理で除去すべき試料表面の酸化皮膜をより少なくできるが、高清浄鋼は、急冷却により焼きが入り、硬くなるため、自動調製装置を適用しても切断や打抜加工ができない。あるいは、高清浄鋼は加工はできても、所望の寸法精度が得られない。あるいは、高清浄鋼は焼き割れに起因して分析用試料に割れや欠けが生じる等、試料加工上の問題が発生する。
このような高清浄鋼における試料加工上の問題を回避するためには、赤熱鋼塊を冷却することなく分析用試料を打ち抜き加工により作製することが前提となるが、この場合、鋼塊の切断面には、比較的厚い酸化皮膜(いわゆる熱間スケール)が不可避に生成する。
このような分析用試料に対しては,特許文献3に記載された条件範囲内で真空アークプラズマ処理を施しても酸素分析値が高くなる場合があるため、特に20ppm以下の酸素濃度域では所望の分析精度が得られなかった。
すなわち、1回のプラズマ放電により分析用試料は加熱され、さらに放電を繰り返すことで分析用試料に熱が蓄積することから、処理後の分析用試料を分析装置へ移送する際に、その経路にわずかに残留する大気(酸素)により、分析用試料が容易に再酸化することが判明した。
本発明が対象とする鋼種では、分析用試料調製において熱間打ち抜きするため冷間で打ち抜く場合に比較して表面のスケールが厚くなる。このように厚いスケールを除去するために、プラズマ条件を強める結果、試料温度はより高温となり、わずかな酸素分圧またはごく短時間の空気との接触でさえ表面が再酸化される。この対策として、試料の移送経路を不活性ガスで完全に置換することが考えられるが、真空アークプラズマ処理装置と分析装置を固定配管で接続すると、特に分析装置のメンテナンス作業が煩雑になり、現場運用の観点から現実的ではない。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
「1」本発明の鉄鋼中酸素分析方法は、溶鋼から採取して凝固させた鋼塊を赤熱状態のまま熱間打ち抜きして分析用試料を作製する工程と、前記分析用試料を一方の電極とし、前記分析用試料に対して、対極をなす電極との間に真空下でアークプラズマ放電を発生させる放電処理と、放電後かつ放電の都度、前記分析用試料に対し不活性ガスを吹き付けて所定の温度まで冷却する冷却処理を所定回数繰返し、前記分析用試料小片表面を清浄化する真空アークプラズマ処理工程と、前記分析用試料小片を大気と接触させることなく、直接、黒鉛るつぼへ投入する試料投入工程と、前記黒鉛るつぼを不活性ガス中で加熱して前記分析用試料小片を融解し、発生した一酸化炭素または二酸化炭素のいずれかひとつあるいは両方の赤外線吸収度から前記分析用試料小片中の酸素濃度を測定する分析工程を有することを特徴とする。
「3」本発明は、前記真空アークプラズマ処理工程において、合計放電回数を4回以上とし、合計放電時間は0.2秒以上とすることが好ましい。
「7」本発明に係る鉄鋼中酸素分析装置は、「1」に記載の鉄鋼中酸素分析方法を実施するための鉄鋼中酸素分析装置であり、真空状態に維持可能な処理室内に、溶鋼から採取して凝固させた鋼塊を赤熱状態のまま熱間打ち抜きして形成された分析用試料が載置される陰極部と、前記陰極部に対向して前記陰極部に載置された前記分析用試料に対して複数回放電可能な陽極部と、前記放電後かつ前記放電の都度、前記分析用試料に対し不活性ガスからなる冷却ガスを吹き付けて所定の温度まで冷却可能に配置された冷却ガス用ノズルとを備えた真空アークプラズマ処理部と、真空アークプラズマ処理した前記分析用試料を外気に暴露することなく搬送可能に前記真空アークプラズマ処理装置と連結された酸素分析部とを備える。
「8」本発明に係る鉄鋼中酸素分析装置において分析用試料の温度を計測する温度センサを有することが好ましい。
「9」本発明に係る鉄鋼中酸素分析装置において前記冷却ガス用ノズルが前記真空アークプラズマ処理後に前記分析用試料を毎放電後100℃以下まで冷却する能力を具備することが好ましい。
「10」本発明に係る鉄鋼中酸素分析装置において前記分析用試料が、酸素含有量20ppm以下の鋼であることが好ましい。
「11」本発明に係る鉄鋼中酸素分析装置において前記分析用試料は、熱間スケールが生成していることを特徴とする。
本発明の実施に用いる真空アークプラズマ処理装置として、例えば、特許文献4に開示された金属中成分分析用試料の調整方法及び装置の構成を一部利用すればよい。
本実施形態の真空アークプラズマ処理における試料冷却状態を模式的に図1に示す。
真空チャンバー等の真空容器Sの内部にプラズマ放電電極1、4が上下に対向して設置され、それらを装着する処理ガイド2、5が設けられ、それらの処理ガイド2、5とは独立に、冷却用ガスノズル6が真空容器S内の被処理試料3に極力近接させて配置されている。冷却効果を高めるために、処理ガイド2、5に加工を施して冷却用ガス配管を組み込むことは、放電の安定性を損なうため、好ましくない。プラズマ放電電極1は上方に設けられてこの実施形態では陽極部とされ、プラズマ放電電極4は下方に設けられてこの実施形態では陰極部とされ、このプラズマ放電電極4の上に分析用試料3を設置することができるようになっている。また、真空容器Sの外部であって分析用試料3を望む位置に分析用試料3の温度を計測する温度センサ7が設けられている。
前記真空容器Sの下方にはゲートバルブGを介し分析室(酸素分析部)Aが接続され、分析室A内に酸素分析装置9が設けられている。
分析用試料3は図示略の移動機構によってゲートバルブGを介し分析室A側に移動可能に構成されている。なお、分析用試料3を分析室A側に移送する機構は、一例として処理ガイド5を回避するための把持機能付きスライダー機構を適用できる。このスライダー機構で分析用試料3を把持して処理ガイド5と干渉しない位置まで移動させ、ゲートバルブGを開放しておき、鉛直落下により分析室Aの分析装置9まで分析用試料3を落とし込んで移動することができる。ゲートバルブGを2重に設けることも可能である。分析室Aを不活性ガスで満たしておき、2つのゲートバルブの交互開け閉めにより分析用試料3を段階的に落とし込んで真空容器Sの内部雰囲気と分析室Aの内部雰囲気との間でガス交換をできるだけ少なくした状態で分析用試料3を分析室Aに移動させることもできる。
冷却に要する時間はできるだけ短くすることが望ましい。そのために、電極4および処理ガイド5は一体で上下動するが、その動きに合わせてノズル6も上下移動させることができるならば、放電後に、より速やかに冷却を開始することができる。
また、分析用試料3の冷却終点を判定するため、分析用試料3の温度をリアルタイムで計測する機能を載せることも有効である。分析用試料3は真空容器内外を移動させる必要があるため、熱電対を取り付けることはできない。本実施形態では真空容器外からビューポートを介して非接触で温度を計測できる温度センサ7を設けている。さらに、シーケンサ等を用いて、試料移動、冷却動作、測温動作を連動させることにより、放電後速やかに所定の時間あるいは所定の温度まで冷却し、次の動作を実行させることが可能となる。
なお、冷却に使用するガスの温度を下げることで、より大きな冷却効果を期待できるが、一方で、ガス自体の冷却に必要な設備が大掛かりになったり、メンテナンスが煩雑になったりするため、常温、すなわち分析装置が設置される場所の室温程度でよい。
安定した冷却効果を得るためには、ガスの供給経路にマスフローコントローラーなど、流量を一定に制御する機構を設けることが望ましい。ガス流量(標準状態:20℃、1気圧)は、通常、酸素分析に供する重量1g程度の鋼片試料に対して、冷却効果を得るために少なくとも10L/分以上、より好ましくは20L/分以上を確保する。流量が多いほど、より大きな冷却効果を期待できるが、大量のガスを吹き込むことで真空ポンプに過度な負荷が掛かかり、さらに処理室内の圧力が大気圧より高い加圧状態になりシール部分を損傷するのは好ましくない。さらに、圧力が高い状態から、次の放電圧力まで減圧するために時間を要することから、100L/分以下を確保すれば十分である。分析用試料3表面の酸化皮膜を確実、正確かつ再現性良く除去し、精錬操業上必要とされる分析精度を確保するためには、下記の条件でアークプラズマ処理する必要がある。
真空度は、酸化皮膜除去能力発現に関わる本質的な条件であるため、試料冷却との組み合わせ有無にかかわらず、特許文献3に記載の通り、5Pa以上35Pa以下とする。複数回の放電を施すことから、試料毎の再現性を確保するために真空度を設定した一定値に保持する圧力制御機構を有することが望ましい。
(2)アークプラズマ出力電流
酸化皮膜除去能力が発現する電流が必要であり、特許文献3に記載の通り、15A以上55A以下とする。なお,複数回の放電を施す場合には、酸化皮膜量や試料温度等を勘案して上記範囲内で放電毎に電流値を変更してもよい。
ひとつの試料に対する合計の放電時間は、少なくとも0.2秒以上必要である。また、分析用試料3は陰極部4の上に載置して処理するため、試料台と接する面は処理されないことから、分析用試料3を反転させて処理する必要がある。すなわち、ひとつの分析用試料3に対して、少なくとも表裏各1回、計2回は放電する必要がある。0.2秒以上の放電時間を必要とするのは、片面0.05秒+0.05秒程度2回放電し、表裏で合計4回として0.2秒程度必要とした。この条件は分析用試料3の表面酸化層が非常に薄い場合の処理条件の一例であり、表面酸化層の厚みに応じ放電時間を適宜延長すればよい。
放電後に速やかに分析用試料3を冷却することで、分析用試料3の過熱、蓄熱に起因した再酸化を防ぐことが可能なため、酸化皮膜を除去する目的に対しては、放電時間および放電回数の上限は特にない。ただし、製錬工程が許容する時間内に試料を前処理し、分析する迅速性が求められるため、自ずと上限は決まる。例えば、0.2秒程度の放電を4回以上繰り返すことで十分であるが、上限は合計時間として3秒以下程度に抑えることが好ましい。放電後に分析用試料3を冷却する場合、100℃以下に冷却することが好ましく、放電の度に100℃以下に冷却することがより望ましい。
また、複数回の放電を施す場合には、酸化皮膜量や試料温度等を勘案して、上記範囲内で放電毎に放電時間を変更してもよい。しかし、複数回連続で放電すると、試料の過熱、蓄熱に起因した再酸化を防ぐことが出来ないため、放電の都度、かつ放電後速やかに冷却する必要がある。
1.05≦S/V≦1.30 …(A)
なお、実際の製造現場において、溶鋼(1500℃程度)から鋳型にサンプリングを行い、凝固させた鋳塊(直径35mm×長さ60mm)を分析現場に搬送し、鋳型の解体や搬送に要する時間によって分析室へ搬送される鋼塊の温度は変化するが、鋳塊の温度は概ね700〜900℃程度となる。ここでは加工に際し、鋳塊を水冷等で積極的に冷却していない状態を赤熱状態と呼称している。冷却することなく加工するのは、加工時間をできる限り短くすること、難加工鋼種(高炭素鋼など)の加工性を確保し、かつ加工工具(切断砥石等)の寿命を延ばすためであるが、冷却後に赤熱状態に加熱して加工し、分析に使用することもできるのは勿論である。また、450℃以上であれば赤熱状態と判断することができ、分析用試料として加工が容易であるため、望ましい。
加工後の分析用試料は厚さ3mm程度、直径7mm程度の小片であり、真空アークプラズマ処理開始時には概ね100℃以下になっている。
さらに、本実施形態で組み合わせる要素技術のうち、高精度な鋼中酸素分析方法についても、特許文献3に記載の通り、不活性ガス中加熱融解−赤外線吸収法を動作原理とする酸素分析装置を選択することができる。この分析法では、試料ホルダと試料の脱酸反応剤(炭素)供給源を兼ねる黒鉛るつぼを使用する。
「空焼き」処理により、黒鉛るつぼから発生する酸素、一酸化炭素あるいは二酸化炭素が分析値を変動させる影響を低減できる。市販の酸素分析装置で鋼中の酸素を分析する際には、通常、るつぼ、すなわち試料を1800℃〜2200℃程度の温度に加熱する。本実施形態で要求される高い分析精度を実現するためには、例えば、分析時の温度よりも100℃以上高い温度で、かつ、15秒以上、るつぼを加熱すればよい。
これらの試験結果を後記する表1、表2にまとめて示す。
装置 :エステック株式会社製、型式:AP1
放電開始時真空度 :20Pa(アルゴンガスでバランスさせて一定に制御)
出力電流 :55A
プラズマ放電時間 :0.2秒(1回当たり)。試料表裏は同一条件で放電
<放電後の試料冷却条件>
ガス種 :アルゴンガス(純度99.9995%以上,室温23℃)
供給圧力 :0.5MPa
ノズル内径 :2mm
ノズル先端と試料の距離 : 25mm
ガス流量 :50L/min.(20℃,1気圧換算。一定流量になるよう制御)
冷却動作制御 :試料が所定温度になるまで冷却
条件No.2〜12では、自動機械加工(2回切断によるスライス片作製および打ち抜き加工)により作製した試料に、前処理として真空アークプラズマ処理を施した。さらに、一部の例においては、るつぼの交換、電極の清掃および「空焼き」処理を先行させた(表1では「るつぼ等先行操作あり」と記載した)。
なお、分析に所要する時間は、分析装置(メーカー、型式)や分析条件の詳細設定に依存して多少増減するが、るつぼを先行して交換し、空焼きすることにより分析時間の短縮を図る本発明の効果を損なうものではない。
条件No.3〜12では、赤熱状態の鋼塊をそのまま熱間加工して試料を作製した。
条件No.3では、真空アークプラズマ処理を合計2回施し、放電後の試料を冷却しなかった。その結果、分析所要時間は要求を満たしたが、酸素分析値は高く、分析誤差は要求を満たさなかった。
条件No.4では、真空アークプラズマ処理を合計4回施し、放電後にはその都度、試料を冷却した。ただし、不活性ガスを吹き付ける方法ではなく、真空容器内で試料温度が50℃以下になるまで放冷した。その結果、分析誤差は±1ppm以内に収まり、要求を満たしたが、放冷に要した時間を含む前処理時間が長かったため、分析所要時間は要求を満たさなかった。
条件No.6〜8およびNo.8、10〜12では、真空アークプラズマ処理を合計4回あるいは6回施し、放電後にはその都度、試料にガスを吹き付けて所定の温度以下になるまで冷却した。その結果、冷却後試料温度が100℃以下では分析所要時間、分析精度ともに要求を満たした。
条件No.9では、真空アークプラズマ処理を合計6回施し、放電後の試料温度を150℃まで冷却した例であるが、冷却が十分ではなかったようで酸素分析値が高く、分析誤差は要求を満たさなかったが、条件No.3に比較すると大幅な改善がみられた。このことから放電後の分析用試料の温度を100℃以下まで冷却することが望ましい。
Claims (11)
- 溶鋼から採取して凝固させた鋼塊を赤熱状態のまま熱間打ち抜きして分析用試料を作製する工程と、
前記分析用試料を一方の電極とし、前記分析用試料に対して、対極をなす電極との間に真空下でアークプラズマ放電を発生させる放電処理と、放電後かつ放電の都度、前記分析用試料に対し不活性ガスを吹き付けて所定の温度まで冷却する冷却処理を所定回数繰返し、前記分析用試料小片表面を清浄化する真空アークプラズマ処理工程と、
前記分析用試料小片を大気と接触させることなく、直接、黒鉛るつぼへ投入する試料投入工程と、前記黒鉛るつぼを不活性ガス中で加熱して前記分析用試料小片を融解し、発生した一酸化炭素または二酸化炭素のいずれかひとつあるいは両方の赤外線吸収度から前記分析用試料小片中の酸素濃度を測定する分析工程を有することを特徴とする鉄鋼中酸素分析方法。 - 前記真空アークプラズマ処理工程において、試料温度を毎放電後100 ℃以下まで冷却することを特徴とする請求項1 に記載の鉄鋼中酸素分析方法。
- 前記真空アークプラズマ処理工程において、合計放電回数は4回以上とし、合計放電時間は0.2秒以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉄鋼中酸素分析方法。
- 前記分析用試料中の酸素濃度が、20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜 3のいずれか一項に記載の鉄鋼中酸素分析方法。
- 前記黒鉛るつぼの交換、前記電極の清掃および黒鉛るつぼの空焼き処理を分析の実施に先行させて実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の鉄鋼中酸素分析方法。
- 前記分析用試料は、熱間スケールが生成していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鉄鋼中酸素分析方法。
- 請求項1に記載の鉄鋼中酸素分析方法を実施するための鉄鋼中酸素分析装置であり、
真空状態に維持可能な処理室内に、溶鋼から採取して凝固させた鋼塊を赤熱状態のまま熱間打ち抜きして形成された分析用試料が載置される陰極部と、前記陰極部に対向して前記陰極部に載置された前記分析用試料に対して複数回放電可能な陽極部と、前記放電後かつ前記放電の都度、前記分析用試料に対し不活性ガスからなる冷却ガスを吹き付けて所定の温度まで冷却可能に配置された冷却ガス用ノズルとを備えた真空アークプラズマ処理部と、真空アークプラズマ処理した前記分析用試料を外気に暴露することなく搬送可能に前記真空アークプラズマ処理装置と連結された酸素分析部とを備える鉄鋼中酸素分析装置。 - 分析用試料の温度を計測する温度センサを有する請求項7に記載の鉄鋼中酸素分析装置。
- 前記冷却ガス用ノズルが前記真空アークプラズマ処理後に前記分析用試料を毎放電後100℃以下まで冷却する能力を具備する請求項7または請求項8に記載の鉄鋼中酸素分析装置。
- 前記分析用試料が、酸素含有量20ppm以下の鋼である請求項7〜9のいずれか一項に記載の鉄鋼中酸素分析装置。
- 前記分析用試料は、熱間スケールが生成していることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の鉄鋼中酸素分析装置。
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